(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
移動体に設けられる監視装置と、前記監視装置にネットワークを介して接続され前記監視装置との間で情報を送受信する運行管理装置と、ユーザが使用する管理者装置とを有するシステムが実行する運行管理方法であって、
前記監視装置は、
前記移動体の位置を示す位置情報を取得し、
取得した前記位置情報を前記運行管理装置へ送信し、
前記位置情報が示す位置が所定の経路上でない場合、ユーザに警告を出力し、
前記移動体の積載物の画像情報を生成して前記運行管理装置へ送信させ、
前記運行管理装置は、
前記監視装置が送信した前記位置情報を受信し、
受信した前記位置情報が示す位置が所定の走行経路上であるか否か判断し、
前記位置情報が示す位置が所定の経路上でない場合、前記監視装置へ警告を送信すると共に、
所定単位の積載物ごとに付された識別情報を、当該積載物を積載する前記移動体の識別情報と対応付けて記憶すると共に、前記監視装置から受信する画像情報を前記移動体の識別情報と対応付けて記憶する記憶部を問い合わせに応じて検索し、該当する積載物に関連付けられている保管場所履歴のうち最新の情報である、前記積載物を積載している移動体の識別情報を抽出すると共に、当該積載物が輸送中である場合は、当該積載物の最新の画像を読み出し出力し、
前記管理者装置は、
前記積載物を積載している移動体に設けられる監視装置の位置情報送信部が送信した位置情報を取得し表示する
運行管理方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、車両の運行を管理するための様々なシステムが提案されていた。例えば除染によって発生する除去土壌を輸送するような場合など積載物の性質によっては、車両は走行経路を自由に選択できなかったり、搬入先に車両が集中したりするといった問題があった。そこで、本発明は、除去土壌等の輸送に適した管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る監視装置は、移動体の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、取得した位置情報が示す位置が所定の走行経路上にない場合、ユーザに警告を出力する出力部とを有する。
【0007】
移動体の積載物によっては、予め定められた経路を走行することが要求されるところ、本実施形態によれば、走行経路の誤りの発生を抑制することができるようになる。したがって、上記のような構成とすれば、例えば除染に伴う除去土壌等の輸送に適した監視装置を提供することができる。
【0008】
また、本発明の他の側面に係る運行管理システムは、移動体に設けられる監視装置と、監視装置とネットワークを介して接続され、監視装置との間で情報を送受信する運行管理装置とを有する。そして、監視装置は、移動体の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、取得した位置情報を運行管理装置へ送信する位置情報送信部と、位置情報が示す位置が所定の経路上でない場合、ユーザに警告を出力する出力部とを有し、運行管理装置は、位置情報送信部が送信した位置情報を受信する位置情報受信部と、位置情報受信部
が受信した位置情報が示す位置が所定の走行経路上であるか否か判断する走行経路監視部と、位置情報が示す位置が所定の経路上でない場合、監視装置へ警告を送信する情報送信部とを有する。
【0009】
このような構成でも、走行経路の誤りの発生を抑制することができるようになる。すなわち、除染に伴う除去土壌等の輸送に適した監視装置を提供することができる。
【0010】
また、監視装置は、積載物の画像情報を生成して運行管理装置へ送信させる撮像部をさらに有し、運行管理装置は、移動体の識別情報と対応付けて受信した画像情報を記憶する記憶部をさらに有するようにしてもよい。このようにすれば、事後的に積載物の輸送を追跡できるようになり、積載物の紛失を低減することができる。
【0011】
また、運行管理装置は、移動体の目的地への到着予測時刻を算出する混雑予測部と、到着予測時刻に基づいて時間調整を行うべき移動体を決定する影響車両特定部とをさらに有するようにしてもよい。このようにすれば、複数の移動体が所定の目的地へ集中する場合であっても、混雑を低減することができる。
【0012】
また、移動体に設けられる監視装置を複数含むとともに、監視装置の各々は、移動体にかかる加速度を測定して運行管理装置へ送信させる加速度取得部をさらに有し、運行管理装置は、複数の移動体において所定の閾値を超える負の加速度が測定された位置を危険箇所として抽出すると共に、特定の移動体において所定の閾値を超える加速度が測定された場合に当該移動体の運転手の危険運転として抽出する加速度監視部をさらに有するようにしてもよい。このようにすれば、運行の安全性を向上させるために有益な情報を得ることができる。
【0013】
また、所定単位の積載物ごとに識別情報を付すと共に、当該積載物を積載する移動体の識別情報と対応付けて記憶する記憶部と、問い合わせに応じて記憶部を検索し、積載物を積載している移動体の識別情報を出力する要求受付部とをさらに有するようにしてもよい。このようにすれば、輸送中においても、ほぼリアルタイムに所定単位の積載物ごとに現在の保管場所を特定できるようになる。
【0014】
また、監視装置は、ネットワークを介して特定の装置との間で音声通話を確立させる通話部をさらに有するようにしてもよい。このようにすれば、トラブルの発生時等に迅速な連絡が可能となる。
【0015】
なお、課題を解決するための手段に記載の内容は、本発明の課題や技術的思想を逸脱しない範囲で可能な限り組み合わせることができる。また、課題を解決するための手段の内容は、コンピュータ等の装置若しくは複数の装置を含むシステム、コンピュータが実行する方法、又はコンピュータに実行させるプログラムとして提供することができる。なお、プログラムを保持する記録媒体を提供するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、除去土壌等の輸送に適した管理システムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は例示であり、本発明は下記の構成には限定されない。
【0019】
<システムの適用対象>
図1は、本実施形態に係るシステムを適用する対象となる輸送サービスの一例を示す図である。
図1の例は、除染作業によって発生した除去土壌を保管する複数の仮置場又は除染現場(以下「仮置場等」と呼ぶ)1と、除去土壌の貯蔵施設(たとえば「中間貯蔵施設」)2と、除去土壌を輸送する複数の車両3と、例えば10トンダンプトラックへの積み込み及び搬出が可能な積込場4とを含む。本実施形態において、除去土壌は、仮置場等1から貯蔵施設2へ、トラック等の車両3で輸送される。このとき、仮置場等1から直接貯蔵施設2へ輸送するようにしてもよいし、輸送経路に積込場4を設けてより大型の車両に積み替えるようにしてもよい。なお、車両3の積載物である除去土壌は、例えばフレキシブルコンテナバッグ(コンテナバッグ、トン袋)のような包材単位で管理される。効率の観点では、最終的に貯蔵施設2への輸送は、例えば10トンダンプトラックで行うことが好ましいが、このような例には限られない。また、貯蔵施設2には、車両3から積載物を下すためのレーンが複数設けられるが、このような輸送サービスにおいては、目的地である貯蔵施設2への車両3の集中を抑制することが好ましい。また、積載物の性質上、車両3が所定の経路を外れることを防止したり、積載物の紛失等を防止するために個々の位置を把握できるようにすることが好ましい。なお、走行経路上には、所定数の車両を駐車できる待機場所が予め定められているものとする。
【0020】
<システム構成>
図2は、本実施の形態に係るシステムの構成の一例を示す図である。
図2のシステムは、仮置場等1や貯蔵施設2、積込場4(図示せず)に設けられた除去土壌(フレキシブルコンテナバッグ)の管理装置と、複数の車両3(車載コンピュータ)と、各車両3から情報を収集する運行管理装置5と、システムの管理者が使用する管理者装置6とを含み、これらの構成要素がインターネット等のネットワーク7を介して接続されている。車両3は、
図1に示した除去土壌を輸送するトラック等であり、いわゆるコンピュータによって構成される監視装置を備えている。監視装置は無線によってネットワーク7に接続され、運行管理装置5又は管理者装置5と様々な情報を送受信する。また、仮置場等1からの輸送開始時には、車両3の積載物である除去土壌を詰めたフレキシブルコンテナバッグに対し、例えばバーコードや二次元コードによって積載物の識別情報が付されると共に、フレキシブルコンテナバッグの重量及び放射線量が計測され、積載物の識別情報と対応付けて登録される。なお、登録は、例えば仮置場等1の管理装置からネットワーク7を介して運行管理装置5に対して行われる。
【0021】
図3は、システムによって管理される積載物の情報を記憶する積載物管理テーブルの一例である。積載物識別情報のフィールドには、フレキシブルコンテナバッグを一意に特定するための情報が登録される。重量のフィールドには、例えばクレーンがフレキシブルコンテナバッグを吊り上げた際に荷重計によって測定されるフレキシブルコンテナバッグの重量が登録される。放射線量のフィールドには、所定の条件にもとづいてフレキシブルコ
ンテナバッグの表面の放射線量を測定した値が登録される。また、保管場所履歴のフィールドには、例えば、複数の仮置場等1のいずれかを一意に特定するための情報や、複数の車両3のいずれかを一意に特定するための情報等、当該フレキシブルコンテナバッグが保管されている場所を示す情報を、過去の遷移がわかるように登録される。
【0022】
<監視装置の機能構成>
図4は、監視装置の一例を示す機能ブロック図である。
図4の監視装置31は、位置情報取得部311と、送信部312と、路面撮像部313と、積載物撮像部314と、加速度取得部315と、通話部316と、受信部317と、情報出力部318とを含む。位置情報取得部は、GPS(Global Positioning System)受信機等を介して、車両3の位置
を示す位置情報を取得する。位置情報は、既存の規格を用いることができ、所定の座標系における座標として表される。また、送信部312は、車両3に設けられたセンサや撮像装置、マイクロフォン等によって取得される位置情報、加速度情報、画像情報、音声情報等を、ネットワーク7を介して運行管理装置5に送信する。路面撮像部313は、車両の進行方向である前方の路面を撮像するイベントデータレコーダ(いわゆるドライブレコーダ)である。また、積載物撮像部314は、トラックの荷台に積載される積載物を撮像する監視カメラである。そして、路面撮像部313及び積載物撮像部314は、所定の間隔で画像情報を生成する。具体的には、路面撮像部313及び積載物撮像部314は、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ等であってもよいし、スマートフォンやラップトップPC(Personal Computer)、スレートPC、タブレットPC等が有するデジタル
カメラであってもよい。画像には、例えばExif(Exchangeable Image File Format)等の規格を用いて当該画像が生成された位置を示す情報を付加し、地図上の地点から画像を検索できるようにしてもよい。なお、生成される画像情報は、送信部312を介して運行管理運行管理装置5へ送信される。また、加速度取得部315は、車両3の例えば監視装置31が備える加速度センサから加速度を示す情報を取得し、送信部312を介して運行管理運行管理装置5に加速度情報を送信する。通話部316は、監視装置31が備えるマイクロフォン及びスピーカを介して車両3の運転手に対し音声の入出力を行うと共に、送信部312及び受信部317並びにネットワーク7を介して管理者端末5を操作する管理者と通話を行う。なお、監視装置31は、物理的なスイッチ又はタッチパネルに表示されたボタン等を運転手が操作することによって、ワンタッチで所定の管理者と通話が確立するようになっている。また、受信部317は、ネットワーク7を介して運行管理装置5や管理者装置5から情報を受信する。そして、情報出力部318は、運行管理装置5や管理者装置5から受信した情報を、監視装置31が備えるディスプレイ(モニタ)やスピーカを介して車両3の運転手へ出力する。
【0023】
<運行管理装置の機能構成>
図5は、運行管理装置5の一例を示す機能ブロック図である。
図5の運行管理装置5は、受信部51と、受信情報蓄積部52と、許可経路記憶部53と、走行経路監視部54と、情報送信部55と、混雑予測部56と、影響車両特定部57と、加速度監視部58と、要求受付部59とを有する。受信部51は、車両3の監視装置31から、位置情報、加速度情報、画像情報、音声情報等を、ネットワーク7を介して受信する。受信情報蓄積部52は、複数の車両3から受信した情報を、それぞれ車両3の識別情報と対応付けて記憶する。
【0024】
図6は、受信情報蓄積部42に保持されるデータの一例を示すテーブルである。
図6のテーブルは、車両識別情報、運転手、日時、位置情報、加速度、路面画像、荷台画像といった項目(属性)を有する。車両識別情報のフィールドには、車両を一意に特定するための識別情報が登録される。運転手のフィールドには、例えば運転手を一意に特定する識別情報が登録される。なお、運転手に関する詳細な情報は、図示していないテーブルに保持されるものとする。日時のフィールドには、車両3から情報を受信した日時が登録される
。位置情報のフィールドには、車両3から受信した車両3の位置を示す座標を含む位置情報が登録される。加速度のフィールドには、車両3から受信した車両3の加速度を示す値が登録される。路面画像のフィールドには、車両3から受信した路面前方の画像が登録される。なお、画像の保存先を示すアドレスを登録するようにしてもよい。荷台画像のフィールドには、車両3から受信した荷台の画像が登録される。なお、路面画像の場合と同様に、画像の保存先を示すアドレスを登録するようにしてもよい。
図3及び
図5の例では便宜上1つのテーブルを示しているが、データベースの正規化は任意であり、これらの情報を複数のテーブルに分けて登録するようにしてもよい。
【0025】
また、運行管理装置5の許可経路記憶部53は、車両3の出発地点に応じて、予め各車両3が通行すべき経路(「許可経路」とも呼ぶ)。保持している。このような経路の情報は、例えば道路の交差点やパーキングエリアをノードとするグラフで表現することができる。また、このような経路の情報があれば、各車両3の走行する位置が、許可経路上であるか否か判断することができるようになる。また、走行経路監視部54は、受信情報蓄積部52に保持されている車両3の位置が、許可経路記憶部53に保持されている許可経路上に存在するか否かを所定の周期で監視し、車両3が許可経路を外れた場合、車両3に警告を出力する。情報送信部55は、ネットワーク7を開始、例えば許可経路へ戻るべき旨の警告を示す情報等を車両3の監視装置31に送信する。また、混雑予測部56は、受信情報蓄積部52に記憶している複数の車両3の位置情報等を用いて道路の交雑状況や、各車両3の目的地への到着予測時刻を予測する。また、影響車両特定部57は、混雑予測部56の予測に基づき、例えば渋滞している道路をこれから通過する車両3や、目的地への到着時刻が所定範囲内に集中する車両3を特定すると共に、例えば所定の待機場所で待機すべき旨の情報を情報送信部55に送信させる。加速度監視部58は、受信情報蓄積部52に記憶されている加速度の値が所定の閾値よりも大きい場合や、所定の閾値よりも小さい場合に急加速や急ブレーキ、もしくは事故があったものと判断し、その旨の情報を、例えば情報送信部55を介して管理者装置6に送信する。また、要求受付部59は、例えば管理者装置6から、特定の車両3が走行している路面前方の画像又は荷台の画像の送信要求を受けたり、特定の積載物の現在地についての問合せ要求を受けたりする。そして、要求受付部59は、受信情報蓄積部52から要求された情報を抽出し、車両3へ情報送信部55に送信させる。
【0026】
<管理者装置の機能構成>
図7は、管理者装置6の一例を示す機能ブロック図である。
図7の管理者装置6は、入出力部61と、運行情報取得部62と、画像取得部63と、異常加速度取得部64と、通話部65と、積載物追跡部66とを有する。入出力部61は、当該装置の使用者である管理者の操作によって様々な指示を受け付けると共に、管理者に対して情報を出力する。また、運行情報取得部62は、運行管理装置5から、複数の車両3の位置情報をほぼリアルタイムに取得し、地図上にマッピングして表示する。このとき、輸送経路上における事故や渋滞の発生といった情報に基づいて、目的地への搬入や走行経路において混雑が予測される場合、地図上にマッピングされた車両3や、地図上の道路の対象区間の色彩を変更するようにしてもよい。また、画像取得部63は、管理者から、車両3、路面又は荷台の別の指定を受け、該当する最新の画像を運行管理装置5から取得して、管理者装置6に表示する。なお、取得する画像の日時をさらに管理者が指定できるようにし、当該日時に近い画像を運行管理装置5から取得するようにしてもよい。異常加速度取得部64は、いずれかの車両3において、急加速や急ブレーキ、もしくは事故の可能性がある加速度が検知された旨の情報を運行管理装置5から取得し、当該情報を管理者装置に出力する。また、通話部65は、管理者又は車両3の運転手の操作に応じて、又は所定の条件を満たす場合に、管理者装置6が備えるマイクロフォン及びスピーカといった入出力部61を介して管理者に対し音声の入出力を行うと共に、ネットワーク7を介して車両3の運転手との通話を確立させる。また、積載物追跡部66は、管理者から積載物を特定するための情報の入力
を受け付け、運行管理装置5の受信情報蓄積部52が記憶している情報を検索し、当該積載物の現在地を出力したり、当該積載物を輸送する車輛の荷台の画像等を出力したりする。
【0027】
<装置構成>
図8は、コンピュータの一例を示す装置構成図である。監視装置31、運行管理装置5、管理者装置6は、例えば
図8に示すようなコンピュータである。
図8に示すコンピュータ1000は、CPU(Central Processing Unit)1001、主記憶装置1002、補
助記憶装置(外部記憶装置)1003、通信IF(Interface)1004、入出力IF(Interface)1005、ドライブ装置1006、通信バス1007を備えている。CPU1001は、プログラムを実行することにより本実施の形態に係る処理等を行う。主記憶装置1002は、CPU1001が読み出したプログラムやデータをキャッシュしたり、CPUの作業領域を展開したりする。主記憶装置は、具体的には、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等である。補助記憶装置1003は、CPU1001により実行されるプログラムや、本実施の形態で用いる設定情報などを記憶する。補助記憶装置1003は、具体的には、HDD(Hard-disk Drive)やSSD(Solid State
Drive)、eMMC(embedded Multi-Media Card)、フラッシュメモリ等である。主記
憶装置1002や補助記憶装置1003は、運行管理装置5の受信情報蓄積部52、許可経路記憶部53等として働く。通信IF1004は、他のコンピュータとの間でデータを送受信する。通信IF1004は、具体的には、有線又は無線のネットワークカード等である。入出力IF1005は、入出力装置と接続され、ユーザから入力を受け付けたり、ユーザへ情報を出力したりする。入出力装置は、具体的には、キーボード、マウス、ディスプレイ、タッチパネル等である。ドライブ装置1006は、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク等の記憶媒体に記録されたデータを読み出したり、記憶媒体にデータを書き込んだりする。そして、以上のような構成要素が、通信バス1007で接続されている。なお、これらの構成要素はそれぞれ複数設けられていてもよいし、一部の構成要素(例えばドライブ装置1006)を設けないようにしてもよい。また、入出力装置がコンピュータと一体に構成されていてもよい。また、ドライブ装置1006で読み取り可能な可搬性の記憶媒体や、フラッシュメモリのような可搬性の補助記憶装置1003、通信IF1004などを介して、本実施の形態で実行されるプログラムが提供されるようにしてもよい。そして、CPU1001がプログラムを実行することにより、上記のようなコンピュータを監視装置31、運行管理装置5、管理者装置6として働かせる。
【0028】
<走行経路監視処理>
図9は、本実施形態に係る走行経路監視処理の一例を示す処理フロー図である。まず、監視装置31の位置情報取得部311は車両3の位置を示す情報を取得し、送信部312及びネットワーク7を介して運行管理装置5へ送信する(S1)。一方、運行管理装置5の受信部51は、車両3の位置情報を受信し、受信情報蓄積部52へ格納する(S2)。そして、運行管理装置5の走行経路監視部54は、受信情報蓄積部52に格納された車両3の位置情報が示す位置が、許可経路記憶部53に予め格納されている走行経路上にあるか判断する(S3)。なお、S3の処理は、S1及びS2の処理とは独立に所定の周期で行うようにしてもよい。また、予め定められている走行経路は、例えば交差点をノードとするグラフのエッジで表され、車両3の位置情報が示す走行地点が所定のエッジ上に存在するかによって、車両3が所定の経路上を走行しているか否か判断することができる。車両3が所定の経路上を走行していると判断された場合(S3:YES,図示せず)、運行管理装置は特別な処理を行わない。一方、車両3が所定の経路を外れたと判断された場合(S3:NO)、運行管理装置5の情報送信部55は、車両3の監視装置31に経路を外れたことを警告する情報を送信する(S4)。そして、監視装置31の受信部317は、警告を示す情報を受信し(S5)、情報出力部318は、運転手に対して所定の経路を外れたことを警告する(S6)。警告は、例えば音声によって出力することが好ましい。ま
た、所定の経路に戻るための適切な経路を探索し、案内するようにしてもよい。
【0029】
このような走行経路監視処理によれば、車両3が所定の走行経路を外れた場合に、運転手に対して警告を与えることができる。車両3の積載物によっては、予め定められた経路を走行することが要求されるところ、本実施形態によれば、走行経路の誤りの発生を抑制することができるようになる。したがって、例えば除染に伴う除去土壌等の輸送に適した管理システムを提供することができる。
【0030】
<混雑監視処理>
図10は、混雑監視処理の一例を示す処理フロー図である。まず、監視装置31の位置情報取得部311は車両3の位置を示す情報を取得し、また、加速度取得部315は車両3の加速度を取得し、送信部312及びネットワーク7を介して運行管理装置5へ送信する(S11)。なお、本ステップにおいては、加速度から予測される車両3の速度を求め、速度を示す情報を送信するようにしてもよい。また、事故の発生を示す情報や、VICS(登録商標,Vehicle Information and Communication System)のような既存の道路交通情報を利用できる場合、例えば管理者装置6が当該情報を運行管理装置5へ送信する(S12)。一方、運行管理装置5の受信部51は、これらの情報を受信し、受信情報蓄積部52へ格納する(S13)。そして、運行管理装置5の混雑予測部56は、道路の混雑状況を予測する(S14)。なお、S14以降の処理は、S11〜S13の処理とは独立に所定の周期で行うようにしてもよい。本ステップでは、例えば車両3の加速度に基づいて速度を予測し、当該走行地点において例えば統計的に求められる閾値よりも遅い速度で走行している場合に、混雑していると判断される。また、運行管理装置5の混雑予測部56は、走行中の車両3の各々について目的地への到着予測時刻を算出する(S15)。本ステップでは、走行経路の混雑状況を加味して、車両3の目的地への到着予測時刻を再計算する。なお、到着予測時刻の算出は既存の技術を用いることができる。次に、運行管理装置5の影響車両特定部57は、時間調整を行う対象の車両3を決定する(S16)。本ステップでは、例えば、経路上に通行止めや渋滞が発生した場合等に、当該地点を走行する予定の車両3を特定する。また、所定の期間内に所定の閾値以上の数の車両3が目的地へ到着すると予測される場合に、該当する車両3のうち、例えば到着予測時刻の早い方から所定数以外の車両3を特定するようにしてもよい。その後、蘊奥管理装置5の情報送信部55は、S16において特定された車両3へ、時間調整を行うべき旨の情報を送信する(S17)。本ステップでは、例えば最寄りの待機場所へ誘導するための情報が送信される。一方、監視装置31の受信部317は、時間調整を行うべき旨の情報を受信し(S18)、情報出力部318は時間調整を指示する情報を運転手に対して出力する(S19)。
【0031】
このような混雑監視処理によれば、輸送経路や目的地への搬入時の混雑を予測し、発生を抑制できる。特に、目的地に複数の車両が集中するような場合に有効なシステムを提供することができる。すなわち、例えば除染に伴う除去土壌等の輸送に適した管理システムとなる。
【0032】
<積載物追跡処理>
図11は、積載物追跡処理の一例を示す処理フロー図である。まず、監視装置31の位置情報取得部311は車両3の位置を示す情報を取得し、また、路面撮像部313及び積載物撮像部314はそれぞれ車両3の進行方向の路面の画像及び車両3の荷台の積載物の画像を生成し、送信部312及びネットワーク7を介して運行管理装置5へ送信する(S21)。一方、運行管理装置5の受信部51は、これらの情報を受信し、受信情報蓄積部52へ格納する(S22)。一方、管理者装置6の積載物追跡部66は、入出力部61を介して行われる管理者の操作に応じて積載物の所在の問合せを、運行管理装置5へ送信する(S23)。本ステップでは、識別情報によって問い合わせる積載物を特定するように
してもよいし、日時と保管場所によって複数の積載物を特定するようにしてもよい。なお、S23以降の処理は、S21及びS22の処理とは独立に管理者の操作に応じて行われる。また、運行管理装置の受信部51が問合せを受信すると(S24)、要求受付部59は、テーブルから該当する積載物を検索して抽出する(S25)。本ステップでは、例えば
図3に示したような積載物管理テーブルから、該当する積載物に関連付けられている保管場所履歴のうち最新の情報を抽出する。また、当該積載物が車両3によって輸送中である場合、当該積載物の最新の画像もさらに読み出すようにしてもよい。そして、運行管理装置5の情報送信部55は、問い合わせに対する結果として、管理者装置6へ抽出された情報を送信する(S26)。一方、管理者装置6の情報追跡部66は、ディスプレイ等の入出力部61を介して受信した情報を管理者に出力する(S27)。車両3への積み下ろしの他、仮置場等1からの搬出や貯蔵施設2への搬入等においても、バーコードや二次元コード等の読み取りによって運行管理装置5が保持する保管場所履歴を更新するため、管理者は任意の積載物の所在をほぼリアルタイムに把握することができる。
【0033】
このような積載物追跡処理によれば、輸送中だけでなく事後的に積載物を追跡する場合にも有用なシステムとなり、積載物の紛失が抑制される。すなわち、例えば除染に伴う除去土壌等の輸送に適した管理システムとなる。
【0034】
<加速度分析処理>
図12は、加速度分析処理の一例を示す処理フロー図である。まず、監視装置31の位置情報取得部311は車両3の加速度を示す情報を取得し、送信部312及びネットワーク7を介して運行管理装置5へ送信する(S31)。一方、運行管理装置5の受信部51は、加速度情報を受信し、受信情報蓄積部52へ格納する(S32)。また、運行管理装置5の加速度監視部58は、走行地点ごと、且つ運転手ごと統計処理を行う(S33)。走行地点は、例えば交差点をノードとするグラフのエッジで表される道路上又は交差点として表す。そして、急ブレーキ、急加速、又は事故の数を、走行地点ごと且つ運転手ごとに計数する。なお、S23以降の処理は、S21及びS22の処理とは独立に管理者の操作に応じて行われる。また、加速度監視部58は、危険箇所の抽出及び運転手の危険運転の特定を行う(S34)。本ステップでは、例えば複数の運転手が共通して急ブレーキをかけた箇所を危険箇所として抽出する。また、特定の運転手のみが急加速を行ったり急ブレーキを踏んだ箇所を運転手の危険運転として特定する。そして、運行管理装置5の情報送信部55は、処理の結果として、抽出された危険箇所や特定された危険運転を示す情報を管理者装置6へ送信する(S35)。一方、管理者装置6の異常加速度取得部64は、危険箇所や危険運転についての情報を受信し、管理者に出力する(S36)。このような情報は、運転手に対する事故防止のための教育等に活用することができる。また、抽出された危険箇所や危険運転時の画像をさらに検索して表示するようにしてもよい。
【0035】
このようにすれば、事故の発生を抑制できるとともに、多数の者に共通の危険な場所と、運転手の性質による危険運転とを適切に切り分けることができるようになる。
【0036】
<変形例>
本実施形態に係る監視装置は、ワンタッチで容易に管理者との接続が確立する通話機能を有しており、上述した処理中においても、適宜通話によってコミュニケーションをとることができる。通話機能は、例えばネットワーク7及びVoIP(Voice Over Intenet Protocol)技術を用いて実現することができる。また、通話は、車両3の運転手が監視装
置31を音声操作することにより開始されるようにしてもよい。
【0037】
また、実施形態において運行管理装置5が実行した処理の少なくとも一部を、監視装置31が実行するようにしてもよい。例えば、許可経路記憶部53及び素行経路監視部54を監視装置31に設け、移動体3が所定の経路を外れた場合に監視装置31がスタンドア
ロンで警告を出力できるようにしてもよい。
【0038】
<その他>
本発明は、上述した処理を実行するコンピュータプログラムや、当該プログラムを記録した、コンピュータ読み取り可能な記録媒体を含む。当該プログラムが記録された記録媒体は、プログラムをコンピュータに実行させることにより、上述の処理が可能となる。
【0039】
ここで、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータから読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体のうちコンピュータから取り外し可能なものとしては、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、光ディスク、磁気テープ、メモリカード等がある。また、コンピュータに固定された記録媒体としては、ハードディスクドライブやROM等がある。