(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
<第1実施形態>
図1は、本実施形態によるスロットマシン10の制御の概略を示すブロック図である。スロットマシン10は、遊技の進行を制御するメイン制御手段60と、演出の出力を制御するサブ制御手段80とを備える。
メイン制御手段60は、条件装置(役)の抽選、リール31の駆動制御、役入賞時の払出し、AT等を制御する。メイン制御手段60は、メイン制御基板(図示せず)上に設けられており、演算等を行うCPU、遊技の進行等に必要なプログラム等を記憶しておくROM、CPUが各種の制御を行うときに取り込んだデータ等を一時的に記憶しておくRAM等を備える。
【0009】
また、サブ制御手段80は、演出の選択・出力、ストップスイッチ42の操作情報(押し順等)の報知等を制御する。サブ制御手段80は、サブ制御基板(図示せず)上に設けられており、上記メイン制御基板と同様に、演算等を行うCPU、演出の出力に必要なプログラム等を記憶しておくROM、CPUが各種の制御を行うときに取り込んだデータ等を一時的に記憶しておくRAM等を備える。
また、メイン制御基板とサブ制御基板は、別体で構成されるとともに、メイン制御基板からサブ制御基板に対し、遊技に関する情報(遊技結果等)を送信可能なように両者が電気的に接続されている。
【0010】
図1に示すように、メイン制御手段60の入力側(
図1中、左側)には、ベットスイッチ40、スタートスイッチ41、及びストップスイッチ42が電気的に接続されている。
ベットスイッチ40は、遊技者が貯留メダルを当該遊技のために投入するときに操作するスイッチである。本実施形態でのベットスイッチ40は、max投入専用のスイッチであり、遊技者は、いずれの遊技状態においても、常に最大枚数のメダルを投入して遊技を行うようになっている。
【0011】
なお、本実施形態では、特別遊技(BB遊技及びMB遊技)と、特別遊技以外の遊技に相当する通常遊技とを有する。通常遊技には、後述する非内部中遊技及び内部中遊技と、非AT遊技及びAT遊技とを有する。
そして、本実施形態では、通常遊技では3枚のメダルを投入して遊技を行い、特別遊技では2枚のメダルを投入して遊技を行うように設定されている。したがって、通常遊技でベットスイッチ40を操作したときは、3枚のメダルが投入され、特別遊技でベットスイッチ40を操作したときは、2枚のメダルが投入されるように設定されている。
【0012】
また、メダル投入口43は、実際のメダルを遊技者が投入する部分であり、メダル投入口43からメダルを投入することは、ベットスイッチ40を操作することと同様の役割を果たす。
また、スタートスイッチ41は、(左、中、右のすべての)リール31を始動させるときに遊技者が操作するスイッチである。
さらにまた、(左、中、右)ストップスイッチ42は、3つ(左、中、右)のリール31に対応して3つ設けられ、対応するリール31を停止させるときに遊技者が操作するスイッチである。
【0013】
メイン制御手段60の出力側(
図1中、右側)には、モータ32が電気的に接続されている。
モータ32は、リール31を回転させるためのものであり、各リール31の回転中心部に連結され、後述するリール制御手段64によって制御される。ここで、リール31は、左リール31、中リール31、右リール31からなり、左リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が左ストップスイッチ42であり、中リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が中ストップスイッチ42であり、右リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が右ストップスイッチ42である。
【0014】
リール31は、リング状のものであって、その外周面には複数種類の図柄(役に対応する図柄の組合せを構成している図柄)を印刷したリールテープを貼付したものである。
図2は、第1実施形態におけるリール31の図柄配列を示す図である。
図2では、図柄番号を併せて図示している。たとえば、左リール31において、図柄番号0番の図柄は、「白カバン」である。
【0015】
図2に示すように、本実施形態では、各リール31は、20コマに等分割され、各コマに所定の図柄が表示されている。
なお、
図2に示すように、本実施形態では、「カバン」は、異なる図柄である「白カバン」と「黄カバン」とを備える。さらにまた、「7」は、異なる図柄である「白7」、「赤7」、「青7」とを備える。
【0016】
また、
図3(A)は、スロットマシン10のフロントマスク部(前面扉。図示せず。)に設けられた表示窓(透明窓)11と、各リール31の位置関係と、有効ライン(図柄の組合せを表示する表示ライン)とを示す図である。
各リール31は、本実施形態では横方向に並列に3つ(左リール31、中リール31、及び右リール31)設けられている。さらに、各リール31は、表示窓11から、上下に連続する3図柄が見えるように配置されている。よって、スロットマシン10の表示窓11から、合計9個の図柄(コマ)が見えるように配置されている。なお、各図柄の右下の数字は図柄番号を示している。
【0017】
また、同図(B)は、本明細書における称呼を図示している。本明細書では、
図3(A)中、左リール31の17番の「羽根」、中リール31の3番の「チェリー」、及び右リール31の19番の「ベル」の図柄が停止している位置を「上段」と称し、左、中及び右リール31の「赤7」(それぞれ、16番、2番、18番)の図柄が停止している位置を「中段」と称し、左リール31の15番の「白カバン」、中リール31の1番の「羽根」、及び右リール31の17番の「リプレイ」の図柄が停止している位置を「下段」と称する。
さらに、表示窓11から見える合計9図柄のうち、たとえば左リール31では、それぞれ上から「左上段」、「左中段」、「左下段」と称する。
【0018】
さらにまた、
図3(A)に示すように、表示窓11から見える9個の図柄に対し、有効ラインが設定されている。
ここで、「有効ライン」とは、リール31の停止時における図柄の並びラインであって図柄の組合せを形成させる図柄組合せライン(表示ライン)であり、かつ、いずれかの役に対応する図柄の組合せがそのラインに停止したときに、その役の入賞となるラインである。本実施形態では、
図3に示すように、L1〜L4の4本の有効ラインが定められており、他の図柄組合せラインは、全て無効ラインとなっている。たとえば、下段を通過する一直線状の図柄組合せラインは、本実施形態では無効ラインである(
図3(A)中、かっこ書きで示す)。
【0019】
無効ラインは、図柄組合せラインのうち、有効ラインとして設定されないラインであって、いずれかの役に対応する図柄の組合せがそのラインに停止した場合であっても、その役に応じた利益の付与(メダルの払出し等)を行わないラインである。すなわち、無効ラインは、そもそも図柄の組合せの成立対象となっていないラインである。
【0020】
また、従来より、メダルの投入枚数に応じて有効ライン数が異なるスロットマシンが知られている。たとえば、メダル投入枚数が1枚のときは有効ラインは1本、メダル投入枚数が2枚のときは有効ライン数は3本、メダル投入枚数が3枚のときは有効ライン数は5本に設定すること等が挙げられる。これに対し、本実施形態では、遊技中は、2枚又は3枚のメダルを投入して遊技を行うとともに、すべての遊技において、L1〜L4の4本が常に有効ラインとなり、メダル投入枚数による有効ライン数の変動はない。
【0021】
図1において、サブ制御手段80の出力側には、ランプ21、スピーカ22、及び画像表示装置23等の演出出力機器が電気的に接続されている。
ランプ21は、スロットマシン10の演出用のランプであり、所定の条件を満たしたときに、それぞれ所定のパターンで点灯する。なお、ランプ21には、各リール31の内周側に配置され、リール31に表示された図柄(表示窓11から見える上下に連続する3図柄)を背後から照らすためのバックランプ(図示せず)や、スロットマシン10の筐体前面に配置され、役の入賞時等に点滅する上部ランプ及びサイドランプ(図示せず)等が含まれる。
【0022】
また、スピーカ22は、遊技中に各種の演出を行うべく、所定の条件を満たしたときに、所定のサウンドを出力するものである。
さらにまた、画像表示装置23は、液晶ディスプレイ、ドットディスプレイ、有機ELディスプレイ等からなるものであり、遊技中に各種の演出画像や、ストップスイッチ42の押し順等を表示するものである。
【0023】
図4は、本実施形態における役(後述する抽選手段61で抽選される条件装置に含まれる役)の種類、払出し枚数等、及び図柄の組合せを示す図である。なお、
図4では、役ではないが、特定の条件装置に当選したときに表示される場合がある図柄の組合せとして、こぼし目を併せて図示している(後述)。
本実施形態の役は、大別して、特別役、リプレイ、及び小役を有する。
そして、各役に対応する図柄の組合せ及び入賞時の払出し枚数等が定められている。すべてのリール31の停止時に、いずれかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止する(役が入賞する。以下同じ。)と、その役に対応する枚数のメダルが払い出される。
ただし、特別役の入賞時の払出し枚数は0枚に設定されている。また、リプレイは、メダルが自動投入される(再遊技)。
【0024】
特別役は、
図4に示すように、SBB(スーパービッグボーナス)、4種類のBB(いわゆるノーマルビッグボーナス(NBB))、2種類のMB(ミドルボーナス。第2種ビッグボーナス(2BB)ともいう。)とを備える。なお、特別役としては、他に、RB(レギュラーボーナス)やSB(シングルボーナス)が挙げられるが、本実施形態では設けられていない。
【0025】
特別役は、通常遊技から特別遊技に移行させる役である。
SBB又はBB(BB1〜BB4のいずれか)が入賞すると、当該遊技におけるメダルの払い出しはないが、次遊技から、特別遊技に相当するBB遊技に移行する。
特別遊技は、出玉率が1を超えるように設定されていることで、通常遊技以上にメダル獲得が期待できる、遊技者にとって有利な遊技である。
また、MBが入賞すると、当該遊技におけるメダルの払い出しはないが、次遊技から、特別遊技に相当するMB遊技に移行する。
【0026】
また、リプレイ(再遊技役)とは、当該遊技で投入したメダル枚数を維持した(メダルを自動ベットする)再遊技が行えるようにした役である。
本実施形態のリプレイは、通常リプレイ、昇格リプレイ、パンクリプレイ、及び制御用リプレイとを備え、それぞれ図柄の組合せが異なる。これらはいずれも、再遊技役である。
昇格リプレイとは、その図柄の組合せが有効ラインに停止したときに、遊技状態を遊技者にとってより有利な遊技状態に移行させるためのリプレイである。
【0027】
一方、パンクリプレイとは、その図柄の組合せが有効ラインに停止したときに、有利な遊技状態に移行しないか、又は有利な遊技状態であるときに遊技者にとってより不利な遊技状態に移行させるためのリプレイである。
さらにまた、制御用リプレイとは、リプレイの重複当選の数を増加させるために設けたリプレイであり、遊技中にその図柄の組合せが有効ラインに停止することはない。
【0028】
ただし、これに限らず、特定の条件を満たしたときは、制御用リプレイの図柄の組合せを有効ラインに停止させてもよい。たとえば、特定の遊技状態(たとえば内部中遊技)において、制御用リプレイを含む特定の条件装置に当選し、特定の押し順かつ特定の操作タイミングでストップスイッチ42が操作されたときに、当該制御用リプレイの図柄の組合せを有効ラインに停止させることが挙げられる。
【0029】
また、小役は、チェリー(弱チェリー、強チェリー)、ベル、カバン、1枚役を備える。なお、ベルにおける「ANY」とは、いずれの図柄でもよいこと(任意の図柄)を意味する。
1枚役は、
図4に示すように、左右1枚役1〜3と、中1枚役1〜6とを備える。左右1枚役とは、左又は右第一停止時にその図柄の組合せが有効ライン(中段ライン、すなわち有効ラインL2)に停止する場合がある役である。一方、中1枚役とは、中第一停止時にその図柄の組合せが有効ライン(中段ライン、すなわち有効ラインL1)に停止する場合がある役である。これらの1枚役は、単体では当選せずに、後述するように複数の役が重複当選するように設定される。
【0030】
なお、
図4中、「/」は、いずれも図柄でもよいことを意味する。具体的には、たとえば左右1枚役1において、右リール31の図柄「青7/赤7/白7/BAR」は、「青7」、「赤7」、「白7」、「BAR」のいずれか(任意の1つ)でよいことを意味する。
【0031】
さらにまた、
図4では、こぼし目を併せて表示している。こぼし目は、役そのものではないが、本実施形態では、1枚役の重複当選時において、1枚役を入賞させることができなかったときに有効ライン上に停止する図柄の組合せであり、左又は右第一停止時には左右1枚役こぼし目が(中段ラインに)出現し、中第一停止時には中1枚役こぼし目が(上段ラインに)出現する。なお、こぼし目には、当然に、配当を有さない。
【0032】
上述した各役において、役に当選した遊技でその役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止しなかったときは、次遊技以降に持ち越される役と、持ち越されない役とが定められている。
持ち越される役は、特別役(SBB、BB、及びMB)である。特別役に当選したときは、特別役が入賞するまでの遊技において、その特別役の当選を次遊技以降に持ち越すように制御される。
【0033】
一方、特別役の当選は持ち越されるのに対し、特別役以外の小役及びリプレイは、持ち越されない。役の抽選において、小役又はリプレイに当選したときは、当該遊技でのみその当選役が有効となり、その当選は次遊技以降に持ち越されない。すなわち、これらの役に当選した遊技では、その当選した役に対応する図柄の組合せが入賞可能にリール31が停止制御されるが、その当選役の入賞の有無にかかわらず、その遊技の終了時に、その当選役に係る権利は消滅する。
【0034】
そして、特別役に当選していない遊技中(特別役の当選が持ち越されていない遊技中)を、「非内部中」という。また、当該遊技以前の遊技において特別役に当選しているが、当選した特別役が入賞していない遊技中(特別役の当選が持ち越されている遊技中)を「内部中」という。
【0035】
遊技の開始時には、遊技者は、ベットスイッチ40を操作して予め貯留されたメダルを投入するか、又はメダル投入口43からメダルを投入し、スタートスイッチ41を操作(オン)する。スタートスイッチ41が操作されると、そのときに発生する信号がメイン制御手段60に入力される。メイン制御手段60(具体的には、後述するリール制御手段64)は、この信号を受信すると、すべてのモータ32を駆動制御して、すべてのリール31を回転させるように制御する。このようにしてリール31がモータ32によって回転されることで、リール31上の図柄は、所定の速度で表示窓11内で上下方向に移動表示される。
【0036】
そして、遊技者は、ストップスイッチ42を押すことで、そのストップスイッチ42に対応するリール31(たとえば、左ストップスイッチ42に対応する左リール31)の回転を停止させる。ストップスイッチ42が操作されると、そのときに発生する信号がメイン制御手段60に入力される。メイン制御手段60(具体的には、後述するリール制御手段64)は、この信号を受信すると、そのストップスイッチ42に対応するモータ32を駆動制御して、そのモータ32に係るリール31の停止制御を行う。
【0037】
そして、すべてのリール31の停止時における図柄の組合せにより、当該遊技の遊技結果を表示する。さらに、いずれかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したとき(その役の入賞となったとき)は、入賞した役に対応するメダルの払出し等が行われる。
【0038】
次に、メイン制御手段60の具体的構成について説明する。
図1に示すように、メイン制御手段60は、以下の抽選手段61等を備える。なお、本実施形態における以下の各手段は例示であり、メイン制御手段60は、本実施形態で示した手段に限定されるものではない。
【0039】
抽選手段61は、条件装置の抽選を行う。ここで、「条件装置」とは、1又は複数の役の組合せであり、たとえば一つの条件装置に当選すると、その条件装置に含まれる役の当選となる。
抽選手段61は、たとえば、抽選用の乱数発生手段(ハードウェア乱数等)と、この乱数発生手段が発生する乱数を抽出する乱数抽出手段と、乱数抽出手段が抽出した乱数値に基づいて、条件装置の当選の有無及び当選した条件装置を判定する判定手段とを備えている。
【0040】
乱数発生手段は、所定の領域(たとえば10進法で0〜65535)の乱数を発生させる。乱数は、たとえば200n(ナノ)secで1カウントを行うカウンターが0〜65535の範囲を1サイクルとしてカウントし続ける乱数であり、スロットマシン10の電源が投入されている間は、乱数をカウントし続ける。
【0041】
乱数抽出手段は、乱数発生手段によって発生した乱数を、所定の時、本実施形態では遊技者によりスタートスイッチ41が操作(オン)された時に抽出する。判定手段は、乱数抽出手段により抽出された乱数値を、後述する抽選テーブル62と照合することにより、その乱数値が属する領域に対応する条件装置を決定する。たとえば、抽出した乱数値が特定の条件装置の当選領域に属する場合は、その条件装置の当選と判定し、非当選領域に属する場合は、非当選と判定する。
【0042】
図5〜
図7は、本実施形態で抽選される条件装置の種類と、各条件装置に含まれる当選役の内容を示す図である。
図5において、「パンク+維持リプレイ」は、A〜Cの3種類を備え、通常リプレイと、パンクリプレイとを含むリプレイの重複当選である。なお、「パンク+維持リプレイC」には昇格リプレイの当選が含まれるが、これは、「パンク+維持リプレイ」の条件装置数を増加させるためのものであり、昇格リプレイが有効ラインに停止することはない。
「パンク+維持リプレイ」A〜Cは、それぞれ、ストップスイッチ42の押し順が左、中、右第一停止時には通常リプレイが停止するように制御され、その他の押し順ではパンクリプレイが停止するように制御される。たとえば、条件装置「パンク+維持リプレイA」に当選した遊技において、左第一停止時には通常リプレイが有効ラインに停止し、中又は右第一停止時にはパンクリプレイが有効ラインに停止する。
【0043】
また、「パンク+昇格リプレイ」は、A〜Cの3種類を備え、昇格リプレイと、パンクリプレイとを含むリプレイの重複当選である。
「パンク+昇格リプレイ」A〜Cは、それぞれ、ストップスイッチ42の押し順が左、中、右第一停止時には昇格リプレイが停止するように制御され、その他の押し順ではパンクリプレイが停止するように制御される。たとえば、条件装置「パンク+昇格リプレイA」に当選した遊技において、左第一停止時には昇格リプレイが有効ラインに停止し、中又は右第一停止時にはパンクリプレイが有効ラインに停止する。
なお、上記において、「維持」とは、現在の遊技状態が維持されることを指し、「パンク」とは、現在の有利な遊技状態から不利な遊技状態に転落することを指し、「昇格」とは、現在の不利な遊技状態から有利な遊技状態に昇格することを指す。
【0044】
さらにまた、条件装置としての「通常リプレイ」は、再遊技役である通常リプレイの単独当選であり、通常リプレイの当選時は、押し順不問で通常リプレイが有効ラインに停止するように制御される。
さらに、ベル重複当選(「押し順ベル」とも称する。)の条件装置として、左中右ベル、左右中ベル、中ベル、右左中ベル、右中左ベルの5種類を有する。
ベル重複当選は、いずれも、ベル(「ANY」−「ベル」−「ANY」)と、いずれか1つの中1枚役との重複当選である。ここで、ベル重複当選に含まれる中1枚役は、制御用として用いられる。
【0045】
具体的には、ベル重複当選時には、ベルが入賞し、中1枚役は入賞することはない。たとえば左中右ベル当選時では、押し順が左中右であるとき(押し順正解時)は、中リール31の停止時に中段に「ベル」が停止し(3ライン入賞となり)、押し順が左中右以外であるとき(押し順不正解時)は、中リール31の停止時に上段に「ベル」が停止する(1ライン入賞となる)。他のベル重複当選時も同様に、それぞれの押し順(左右中ベルであれば、左右中の正解押し順)であるときはベルが3ライン入賞となり、他の押し順(不正解押し順)であるときは1ライン入賞となる。
【0046】
なお、上記のように、ベル重複当選時において、配当が高い入賞態様で有効ラインに停止するときの押し順を正解押し順と称し、配当が低い入賞態様で有効ラインに停止するときの押し順を不正解押し順と称する。また、配当が高い入賞態様(本実施形態では、中リール31の停止時に中段に「ベル」が停止する入賞態様)を「高目ベル」と称し、配当が低い入賞態様(本実施形態では、中リール31の停止時に上段に「ベル」が停止する入賞態様)を「安目ベル」と称する場合もある。
さらに、本実施形態では、ベル重複当選時には、押し順正解/不正解にかかわらず、常にベルが入賞するように設定しているが、これに限らず、たとえば押し順正解時のみベルが入賞し、押し順不正解時には、他の役(ベルよりも配当が低い小役であって、ベルと重複当選している小役)を入賞可能に制御する場合もある。
【0047】
「共通ベル」は、ベルの単独当選であり、上記の左中右ベル等と異なり、いずれの押し順でストップスイッチ42が操作されても、中リール31の停止時に中段に「ベル」が停止し、3ライン入賞となる役である。なお、このようなベルを「押し順不問ベル」とも称する。
【0048】
図6において、1枚役(重複当選)A〜Cは、いずれも、いずれか1つの左右1枚役と、2つの中1枚役との重複当選である。そして、たとえば1枚役Aでは、ストップスイッチ42の押し順が左又は右第一停止であるときは、左右1枚役1が入賞可能となり、中1枚役1又は4は入賞することはない。さらに、押し順が左又は右第一停止である場合であっても、常に左右1枚役1が入賞するのではなく、ストップスイッチ42の操作タイミングが正しい場合(当選している左右1枚役1を構成する図柄が有効ラインに停止する操作タイミングでストップスイッチ42が操作されたとき)に限って左右1枚役1が入賞し、それ以外の場合には、上述した左右1枚役こぼし目が有効ライン上に停止する。
【0049】
同様にして、1枚役Aの当選時に、ストップスイッチ42の押し順が中第一停止であるときは、中1枚役1又は4が入賞可能となり、左右1枚役1は入賞することはない。さらに、押し順が中第一停止である場合であっても、常に中1枚役が入賞するのではなく、ストップスイッチ42の操作タイミングが正しい場合(当選している中1枚役1又は4を構成する図柄が有効ラインに停止する操作タイミングでストップスイッチ42が操作されたとき)に限って中1枚役1又は4が入賞し、それ以外の場合には、上述した中1枚役こぼし目が有効ライン上に停止する。
【0050】
1枚役B、及び1枚役Cについても、上記と同様である。1枚役Bの当選時において、左又は右第一停止時には左右1枚役2が入賞可能となり、中第一停止時には中1枚役2又は5が入賞可能となる。
同様に、1枚役Cの当選時において、左又は右第一停止時には左右1枚役3が入賞可能となり、中第一停止時には中1枚役3又は6が入賞可能となる。
【0051】
弱チャンス目A、弱チャンス目B、強チャンス目は、それぞれ、1以上の1枚役の単独又は重複当選である。1枚役を「チャンス目」と称しているのは、これらのチャンス目が特別役と重複当選する場合があるので、チャンス目(1枚役)出現時は、特別役に当選している可能性を有することを遊技者に知らせるためである。これらのチャンス目の単独当選時は、特別役非当選となり、これらのチャンス目と特別役との重複当選時は、特別役当選となる。
なお、上述した1枚役A〜C当選時に1枚役が入賞する場合があり、チャンス目当選時に同一の1枚役が入賞する場合がある。このような場合に、当該遊技で入賞した1枚役がチャンス目であるか否かは、たとえば後述する演出制御手段81によって遊技者に報知する方法が挙げられる。
【0052】
弱チャンス目は、A及びBの2種類が設けられている。さらに、強チャンス目は、弱チャンス目よりも、より特別役に当選している可能性が高いことを示す出目となる(強チャンス目出現時の特別役当選確率は、弱チャンス目出現時の特別役当選確率よりも高く設定されている)。
図6に示すように、弱チャンス目Aは、左右1枚役1及び2の重複当選であり、弱チャンス目Bは、左右1枚役3の単独当選であり、強チャンス目は、中1枚役1〜6(合計6個)の重複当選である。
【0053】
「カバン」、「弱チェリー」、及び「強チェリー」は、それぞれ、カバン、弱チェリー、及び強チェリーが単独当選する条件装置である。
また、単独当選する特別役として、BB1及びMB1の条件装置を備える。
さらにまた、SBB、BB1〜BB4、MB1及びMB2は、それぞれ、
図6及び
図7に示すように、1つの特別役と、いずれかの小役、リプレイ、チャンス目と重複当選する条件装置を備える。
なお、たとえば「SBB+1枚役」は、SBBと、すべての1枚役(左右1枚役1〜3、及び中1枚役1〜6の合計9種類)との重複当選である(「BB2+1枚役」、「MB1+1枚役」も同様である。)。
さらに、「全小役」とは、本実施形態で設けられたすべての小役(なお、「小役」には、特別役、リプレイ、チャンス目は含まれない。)が重複当選する条件装置であり、MB遊技中は、毎遊技、必ず全小役に当選した状態となる。
【0054】
図1において、抽選テーブル62は、条件装置と、各条件装置の当選確率とを定めたものである。抽選テーブル62は、遊技状態(RT)ごとに設けられ、それぞれ所定の範囲の抽選領域を有し、この抽選領域は、各条件装置の当選領域及び非当選領域に分けられているとともに、抽選される条件装置が、予め設定された当選確率となるように所定の割合に設定されている。
【0055】
図8は、各遊技状態で抽選される条件装置とその当選確率を示す図である。
図8で示す数値は、置数「65536」に対する値であり、たとえば非RTにおいて非当選となる確率置数「22」は、確率「22/65536」であることを示す。
ここで、本実施形態の「遊技状態」としては、通常遊技と特別遊技(BB遊技及びMB遊技)とを有する。通常遊技は、特別役の非内部中遊技と内部中遊技とを有する。さらに非内部中遊技の遊技状態として、非RT、RT1、RT2、RT3を備える。また、内部中遊技(BB内部中及びMB内部中)の遊技状態は、RT4である。さらにまた、RT5は、BB遊技であり、RT6は、MB遊技である。
【0056】
まず、非RTでは、リプレイの当選に相当する条件装置として、「パンク+維持リプレイ」A〜C、「パンク+昇格リプレイ」A〜C、及び通常リプレイが抽選される。これに対し、RT1〜RT4では、通常リプレイのみ抽選される。RT5(BB遊技)及びRT6(MB遊技)では、リプレイを含む条件装置は抽選されない。
また、RT3は、RT1〜RT4に対し、通常リプレイの当選確率が高く設定されている。
【0057】
さらにまた、RT4(内部中遊技)では、特別役を含む条件装置は抽選されない。
さらに、RT5(BB遊技)では、共通ベルのみ抽選され、かつ、その当選確率は「1」である。さらに、RT6(MB遊技)では、確率100%で、全小役の当選となる。
また、5種類のベル重複当選(左中右ベル〜右中左ベル)は、いずれも、置数が「1600」で均等に設定されている。
【0058】
説明を
図1に戻す。
当選フラグ制御手段63は、抽選手段61による抽選結果に基づいて、各役に対応する当選フラグ63aのオン/オフを制御するものである。本実施形態では、すべての役について、各役ごとに当選フラグ63aを備える。そして、抽選手段61による抽選においていずれかの条件装置の当選となったときは、その条件装置に含まれる役の当選フラグ63aをオンにする(当選フラグ63aを立てる)。
【0059】
たとえば、非内部中遊技において、「パンク+維持リプレイA」に当選したときは、通常リプレイと、パンクリプレイの2つの当選フラグ63aがオンとなり、それ以外の役の当選フラグ63aはオフとなる。
【0060】
さらに、上述したように、特別役以外の小役及びリプレイの当選は持ち越されないので、当該遊技で小役又はリプレイに当選し、これらの役の当選フラグ63aがオンにされても、当該遊技の終了時にその当選フラグ63aがオフにされる。
これに対し、特別役の当選は持ち越されるので、当該遊技で特別役に当選し、当選した特別役に係る当選フラグ63aが一旦オンになったときは、その特別役が入賞するまでオンの状態が維持され、その特別役が入賞した時点でオフにされる。
【0061】
たとえば抽選手段61で「SBB+1枚役」に当選したときは、当該遊技では、SBB、左右1枚役1〜3、中1枚役1〜6の合計10個の役の当選フラグ63aがオンとなり、当該遊技でSBBが入賞しないときは、当該遊技の終了時に、SBB以外の当選フラグ63aがオフにされる(SBBの当選フラグ63aのオンは維持される)。
【0062】
図1において、リール制御手段64は、リール31の回転開始命令を受けたとき、特に本実施形態ではスタートスイッチ41が操作されたときに、すべて(3つ)のリール31の回転を開始するように制御する。さらに、リール制御手段64は、抽選手段61により抽選が行われた後、当該遊技における当選フラグ63aのオン/オフを参照して当選フラグ63aのオン/オフに対応する停止位置決定テーブル65を選択するとともに、ストップスイッチ42が操作されたときに、ストップスイッチ42が操作されたときのタイミングに基づいて、そのストップスイッチ42に対応するリール31の停止位置を決定するとともに、モータ32を駆動制御して、その決定した位置にそのリール31を停止させるように制御する。
【0063】
たとえば、リール制御手段64は、少なくとも1つの当選フラグ63aがオンである遊技では、リール31の停止制御の範囲内において、当選役(当選フラグ63aがオンになっている役)に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止可能にリール31を停止制御するとともに、当選役以外の役(当選フラグ63aがオフになっている役)に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させないようにリール31を停止制御する。
【0064】
ここで、「リール31の停止制御の範囲内」とは、ストップスイッチ42が操作された瞬間からリール31が実際に停止するまでの時間又はリール31の回転量(移動コマ(図柄)数)の範囲内を意味する。
本実施形態では、リール31は、定速時は1分間で約80回転する速度で回転される。
そして、MB遊技以外の遊技では、ストップスイッチ42が操作されたときは、ストップスイッチ42が操作された瞬間からリール31を停止させるまでの時間が190ms以内に設定されている。これにより、本実施形態では、ストップスイッチ42が操作された瞬間の図柄からリール31が停止するまでの最大移動コマ数が4コマに設定されている。
【0065】
たとえば、
図2において、左リール31の1番の「チェリー」が中段に位置する瞬間に左ストップスイッチ42が操作されたときは、その4コマ先、すなわち5番の「黄カバン」までが中段に停止可能な図柄となる。よって、上記の操作タイミングでは、1番(ビタ止め)〜5番(4コマスベリ)の図柄が中段に停止可能な図柄となる。
【0066】
また、MB遊技中の右リール31については、右ストップスイッチ42が操作された瞬間から右リール31を停止させるまでの時間が75ms以内に設定されている。これにより、本実施形態では、MB遊技中の右リール31は、右ストップスイッチ42が操作された瞬間の図柄から右リール31が停止するまでの最大移動コマ数が1コマに設定されている。たとえば、右リール31の1番の「チェリー」が中段に位置する瞬間に右ストップスイッチ42が操作されたときは、中段に停止可能な図柄は、1番の「チェリー」又は2番の「リプレイ」となる。
なお、MB遊技中の左及び中リール31については、MB遊技中以外と同様に、190ms以内(最大移動コマ数が4コマ)に設定されている。
【0067】
そして、ストップスイッチ42の操作を検知した瞬間に、リール31の停止制御の範囲内にある図柄のいずれかが所定の有効ラインに停止させるべき図柄であるときは、ストップスイッチ42が操作されたときに、その図柄が所定の有効ラインに停止するように制御される。
【0068】
すなわち、ストップスイッチ42が操作された瞬間に直ちにリール31を停止させると、当選役に係るその図柄が所定の有効ラインに停止しないときには、リール31を停止させるまでの間に、リール31の停止制御の範囲内においてリール31を回転移動制御することで、当選役に係る図柄をできる限り所定の有効ラインに停止させるように制御する(引込み停止制御)。
【0069】
また逆に、ストップスイッチ42が操作された瞬間に直ちにリール31を停止させると、当選していない役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止してしまうときは、リール31の停止時に、リール31の停止制御の範囲内においてリール31を回転移動制御することで、当選していない役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させないように制御する(蹴飛ばし停止制御)。
さらに、複数の役に当選している遊技では、入賞させる役の優先順位が予め定められており、所定の優先順位によって、最も優先する図柄の引込み停止制御を行う。
【0070】
さらに、リール制御手段64は、ストップスイッチ42の押し順(操作順番)を検出する押し順検出手段64aを備える。押し順検出手段64aは、遊技者によりストップスイッチ42が操作されたときに、左、中、及び右ストップスイッチ42のうち、いずれが操作されたかを検出する。
ストップスイッチ42が操作されると、そのストップスイッチ42が操作された旨の信号が押し順検出手段64aに入力される。この信号を判別することで、押し順検出手段64aは、どのストップスイッチ42が操作されたかを検出する。
【0071】
停止位置決定テーブル65は、各条件装置ごとに設けられており、ストップスイッチ42が操作された瞬間のリール31の位置に対する、リール31の停止位置を定めたものである。そして、各停止位置決定テーブル65には、たとえば1番の図柄(左リール31であれば「チェリー」)が中段を通過する瞬間にストップスイッチ42が操作されたときは、何図柄だけ移動制御して(何コマスベリで)、何番の図柄を中段に停止させる、というように停止位置が事前に定められている。
【0072】
ここで、引込み率(PB)について説明する。
たとえば、SBBに係る図柄は、すべてのリール31において「白7」である。そして、
図2に示すように、「白7」は、各リール31に1個ずつ設けられている。したがって、遊技者は、「白7」が有効ラインに停止するタイミングでストップスイッチ42を操作しなければ、「白7」を有効ラインに停止させることはできない。
【0073】
このように、適切なリール31の位置で(対象図柄を最大移動コマ数の範囲内において有効ラインに停止可能な操作タイミングで)ストップスイッチ42を操作しなければ、対象図柄を有効ラインに停止させる(有効ラインまで引き込む)ことができないことを、「PB(引込み率)≠1」と称する。
【0074】
これに対し、ストップスイッチ42が操作された瞬間のリール31がどの位置であっても(ストップスイッチ42の操作タイミングにかかわらず)、対象図柄を常に有効ラインに停止させる(引き込む)ことができることを、「PB=1」と称する。
【0075】
そして、「PB=1」は、その役について、全リール31がそのようになっている場合と、特定の(一部の)リール31についてのみそのようになっている場合とを有する。
上述したように、本実施形態では、MB遊技中の右リール31を除き、最大移動コマ数は「4」であるので、5図柄以内の間隔で対象図柄が配列されているときは、「PB=1」となり、5図柄を超える(6図柄以上の)間隔で配列されているときは、「PB≠1」となる。
【0076】
たとえば、
図2において、左リール31の「チェリー」は、1番及び11番に配置されている。したがって、左リール31の「チェリー」は、「PB≠1」配置である。
これに対し、中及び右リール31の「チェリー」は、いずれも、5図柄間隔で4個配置されている。これにより、本実施形態では、中及び右リール31の「チェリー」は、いずれも「PB=1」配置である。
また、全リール31において、「リプレイ」及び「ベル」は、いずれも、5図柄間隔で4個配置されている。これにより、本実施形態では、全リール31において、「リプレイ」及び「ベル」は、「PB=1」配置である。
【0077】
図2から明らかなように、本実施形態のリール31の図柄数は「20」である。そして、上述したように、最大移動コマ数は「4」である。よって、「最大移動コマ数+1」すなわち「5」図柄以内の間隔で当該図柄を配置すれば、「PB=1」配置となる。さらに、本実施形態のように、5図柄間隔で図柄を配置したとき、「PB=1」となる図柄間隔(「5」)の整数倍(4倍)が図柄数「20」となるように設定されている。
【0078】
より抽象化して説明すると、図柄数「N」、最大移動コマ数「P」、リールでの当該図柄の個数を「M」としたとき、
N=M×(P+1)
を満たすように、「P」、「N」及び「M」を定める(ただし、「P」、「N」及び「M」は、いずれも、正の整数)と、余りなく図柄を配置することができ、本実施形態では上記式を満たすように設定されている。
なお、本実施形態以外の例として、たとえばリール31の図柄数を「16」、最大移動コマ数Pを「3」、リールでの当該図柄数Mを「4」としても、上記式を満たすこととなる。
【0079】
以下、各条件装置に対応する停止位置決定テーブル65について説明する。
「パンク+維持リプレイA」テーブルは、条件装置「パンク+維持リプレイA」当選時の遊技で用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、左第一停止時は通常リプレイを有効ラインに停止させるとともに、中又は右第一停止時にはパンクリプレイを有効ラインに停止させるように、リール31の停止位置を定めたものである。
【0080】
上述した図柄配置により、本実施形態では、通常リプレイ、パンクリプレイ、昇格リプレイのいずれも、「PB=1」に設定されている。したがって、「パンク+維持リプレイA」テーブルが用いられる遊技では、左第一停止時は常に通常リプレイを有効ラインに停止させることができ、中又は右第一停止時には常にパンクリプレイを有効ラインに停止させることができる。
【0081】
「パンク+維持リプレイB」テーブルは、「パンク+維持リプレイB」当選時の遊技で用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、中第一停止時は通常リプレイを有効ラインに停止させるとともに、左又は右第一停止時にはパンクリプレイを有効ラインに停止させるように、リール31の停止位置を定めたものである。
また、「パンク+維持リプレイC」テーブルは、「パンク+維持リプレイC」当選時の遊技で用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、右第一停止時は通常リプレイを有効ラインに停止させるとともに、左又は中第一停止時にはパンクリプレイを有効ラインに停止させるように、リール31の停止位置を定めたものである。
【0082】
「パンク+昇格リプレイA」テーブルは、「パンク+昇格リプレイA」当選時の遊技で用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、左第一停止時は昇格リプレイを有効ラインに停止させるとともに、中又は右第一停止時にはパンクリプレイを有効ラインに停止させるように、リール31の停止位置を定めたものである。
【0083】
また、「パンク+昇格リプレイB」テーブルは、「パンク+昇格リプレイB」当選時の遊技で用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、中第一停止時は昇格リプレイを有効ラインに停止させるとともに、左又は右第一停止時にはパンクリプレイを有効ラインに停止させるように、リール31の停止位置を定めたものである。
【0084】
さらにまた、「パンク+昇格リプレイC」テーブルは、「パンク+昇格リプレイC」当選時の遊技で用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、右第一停止時は昇格リプレイを有効ラインに停止させるとともに、左又は中第一停止時にはパンクリプレイを有効ラインに停止させるように、リール31の停止位置を定めたものである。
なお、条件装置「パンク+昇格リプレイC」では、
図5に示すように当選役の1つとして通常リプレイが設けられているが、この通常リプレイは制御用リプレイとしての役割を果たすものであり、「パンク+昇格リプレイC」当選時に通常リプレイが有効ラインに停止することはない。
【0085】
通常リプレイテーブルは、条件装置「通常リプレイ」当選時の遊技で用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、通常リプレイを有効ラインに停止させるように、リール31の停止位置を定めたものである。
上述したように、全リール31において「リプレイ」は「PB=1」配置であるので、常に「リプレイ」を有効ラインに停止させることができる。さらに、通常リプレイは、上述したパンクリプレイと昇格リプレイとの重複当選時のような押し順は不問であり、いずれの押し順であっても「PB=1」で通常リプレイを有効ラインに停止させるようにリール31を停止制御する。
【0086】
左中右ベルテーブルは、条件装置「左中右ベル」当選時の遊技で用いられ、ストップスイッチ42の押し順が左中右であるときは中リール31の停止時に「ベル」を中段に停止させ、左中右以外の押し順であるときは中リール31の停止時に「ベル」を上段に停止させるようにリール31の停止位置を定めたものである。
なお、役の重複当選時におけるリール31の停止制御方法として、後述するように、枚数優先や個数優先が挙げられる。これに対し、本実施形態におけるベル重複当選時のリール31の停止制御は、これらの停止制御とは異なり、押し順に応じて、当選役に係る図柄(「ベル」)を異なる有効ライン(停止位置)に引き込む停止制御を実行する。
【0087】
中リール31の停止時に「ベル」が中段に停止すると、
図3に示すように、有効ラインL2、L3、及びL4の3ライン入賞となるので、配当は、「4枚×3ライン=12枚」となる。これに対し、中リール31の停止時に「ベル」が上段に停止すると、
図3に示すように、有効ラインL1の1ライン入賞となるので、配当は、「4枚×1ライン=4枚」となる。
【0088】
なお、左中右ベルテーブルが用いられた遊技において、正解押し順でストップスイッチが操作されたときは、有効ラインL2、L3又はL4のいずれかに「ベル」−「ベル」−「ベル」(以下、「「ベル」揃い」と称する。)が停止するように、左及び右リール31を停止制御してもよい(後述する左右中ベル〜右中左ベル当選時も同様である)。
また、左中右ベルテーブルが用いられた遊技において、不正解押し順でストップスイッチが操作されたときは、有効ラインL1に「ベル」揃いを停止させるように制御してもよい(後述する左右中ベル〜右中左ベル当選時も同様である)。
【0089】
上記のような左第一停止が正解押し順となる重複ベル当選時において、左第一停止時点では、正解押し順となるか不正解押し順となるか、未だ決まっていない。したがって、このような場合には、たとえば左第一停止時には、左上段に「ベル」を停止させるように制御する。
次に、中第二停止であるときは、この時点で正解押し順が確定するので、中リール31の停止時には中中段に「ベル」を停止させる。さらに、右第三停止時には、右下段に「ベル」を停止させる。これにより、有効ラインL3に「ベル」揃いが停止するとともに、ベルの3ライン重複入賞となる。
【0090】
これに対し、左第一停止後、右第二停止であるときは、この時点で不正解押し順が確定するので、右リール31の停止時には右上段に「ベル」を停止させる。さらに、中第三停止時には、中上段に「ベル」を停止させる。これにより、有効ラインL1に「ベル」揃いが停止するとともに、ベルの1ライン(単ライン)入賞となる。
さらにまた、左中右ベルテーブルが用いられた遊技において、中又は右第一停止時は、その時点で不正解押し順が確定するので、各リール31の停止時に、上段に「ベル」を停止させる。
【0091】
左右中ベルテーブルは、条件装置「左右中ベル」当選時の遊技で用いられ、ストップスイッチ42の押し順が左右中であるときは中リール31の停止時に「ベル」を中段に停止させ、左右中以外の押し順であるときは中リール31の停止時に「ベル」を上段に停止させるようにリール31の停止位置を定めたものである。
また、中ベルテーブルは、条件装置「中ベル」当選時の遊技で用いられ、ストップスイッチ42の押し順が中第一停止であるときは中リール31の停止時に「ベル」を中段に停止させ、左又は右第一停止であるときは中リール31の停止時に「ベル」を上段に停止させるようにリール31の停止位置を定めたものである。
【0092】
このように、中ベル当選時は、第一停止時点で押し順正解/不正解が決定する。そして、不正解押し順であるときは、たとえば上述したように、有効ラインL1に「ベル」揃いを停止させるように制御する。
これに対し、正解押し順である場合において、たとえば第二停止が左であるときは上段に「ベル」を停止させ、右第三停止時には下段に「ベル」を停止させることにより、有効ラインL3に「ベル」揃いを停止させることが挙げられる。
また、第二停止が右であるときは右上段に「ベル」を停止させ、左第三停止時には下段に「ベル」を停止させることにより、有効ラインL4に「ベル」揃いを停止させることが挙げられる。
【0093】
右左中ベルテーブルは、条件装置「右左中ベル」当選時の遊技で用いられ、ストップスイッチ42の押し順が右左中であるときは中リール31の停止時に「ベル」を中段に停止させ、右左中以外の押し順であるときは中リール31の停止時に「ベル」を上段に停止させるようにリール31の停止位置を定めたものである。
同様に、右中左ベルテーブルは、条件装置「右中左ベル」当選時の遊技で用いられ、ストップスイッチ42の押し順が右中左であるときは中リール31の停止時に「ベル」を中段に停止させ、左中左以外の押し順であるときは中リール31の停止時に「ベル」を上段に停止させるようにリール31の停止位置を定めたものである。
【0094】
上記の右第一停止が正解押し順となるベル重複当選時に、右第一停止時点では、正解押し順となるか不正解押し順となるか、未だ決まっていない。したがって、このような場合には、たとえば右第一停止時には、右上段に「ベル」を停止させるように制御する。
【0095】
次に、たとえば右左中ベル当選時に、第二停止が左であるときは、この時点で正解押し順が確定するので、左リール31の停止時には左下段に「ベル」を停止させる。さらに、中第三停止時には、中中段に「ベル」を停止させる。これにより、有効ラインL4に「ベル」揃いが停止するとともに、ベルの3ライン重複入賞となる。
一方、右左中ベル当選時に、右第一停止後、第二停止が中であるときは、この時点で不正解押し順が確定するので、中リール31の停止時には中上段に「ベル」を停止させる。さらに、左第三停止時には、左上段に「ベル」を停止させる。これにより、有効ラインL1に「ベル」揃いが停止するとともに、ベルの1ライン入賞となる。
【0096】
共通ベルテーブルは、条件装置「共通ベル」当選時(ベル単独当選時)の遊技で用いられ、ストップスイッチ42の押し順にかかわらず(押し順不問で)、中リール31の停止時に「ベル」を中段に停止させるように、リール31の停止位置を定めたものである。
なお、共通ベルテーブルが用いられた遊技において、上記と同様に有効ラインに「ベル」揃いをさせるときは、どの有効ラインに「ベル」揃いをさせてもよいが、たとえば有効ラインL2に「ベル」揃いをさせることが挙げられる。
【0097】
一方、左中右ベル〜右中左ベル当選時の押し順正解時には、有効ラインL3又はL4に「ベル」揃いを停止させるように制御することにより、ベル重複当選時の押し順正解時と、共通ベル当選時とで、「ベル」揃いとなる有効ラインを異ならせることが挙げられる。
このようにすれば、たとえば有効ラインL2に「ベル」揃いをしたときは、遊技者は、共通ベルに当選したこと(いいかえれば、ベル重複当選時における押し順正解時ではないこと)を容易に知ることができる。
【0098】
ところで、本実施形態では、上述したように、ベルの図柄の組合せは、「ANY」−「ベル」−「ANY」であり、中リール31の図柄のみで入賞/非入賞が決定する図柄の組合せである。そして、そのような図柄の組合せと、
図3(A)に示した有効ラインとによって、本実施形態では、中リール31の停止時に、上段又は中段に「ベル」が停止すると、ベルの入賞となる。いいかえれば、ベルの入賞とならないのは、中リール31の停止時に、「ベル」が下段に停止するか、又は「ベル」が表示窓11内に出現しないことである。
【0099】
図9は、中リール31における「ベル」の停止位置を示す図である。
図9(A)に示すように、中リール31の停止時に、上段、中段、下段にそれぞれ4番、3番、2番の図柄を停止させたときは、中上段に「ベル」が停止するので、ベルの入賞(単ライン入賞)となる。さらに(A)の位置から1コマすべった位置で停止したときは、(B)に示すように、中中段に「ベル」が停止し、この場合もベルの入賞(重複ライン入賞)となる。
【0100】
次に、(B)の状態からさらに1コマすべると、(C)に示すように、4番の「ベル」は下段に停止する。中下段に「ベル」が停止したときはベルの非入賞となる。
さらに、(C)の状態から1コマすべると(D)の停止形となる。(D)の停止形では、中リール31の停止時に表示窓11には「ベル」は出現していない。よって、この停止形でもベルの非入賞となる。
さらにこの状態から1コマすべり、(E)の状態となったときも(D)と同様に、中リール31の停止時に表示窓11には「ベル」は出現していないので、ベルの非入賞となる。
次に、(E)の状態からさらに1コマすべると、(F)に示すように、9番の「ベル」が上段に停止する。よって、(F)の停止形では、(A)と同様に、ベルの1ライン入賞となる。
【0101】
以上、中リール31において、4番の「ベル」から9番の「ベル」までの5コマ間隔の範囲内における停止形を、1コマずつずらして示した。
そして、たとえばベル非当選の遊技において、
図9中、(A)の位置の瞬間に中ストップスイッチ42が操作されたときは、(C)(2コマすべり)〜(E)(4コマすべり)のいずれかの停止形をとれば、ベルの非入賞とすることができる。したがって、本実施形態のように「ベル」が5コマ間隔で配置されているとき、
図9中、(C)〜(E)の3種類のうちの任意の停止位置を採用することができる。
【0102】
特に本実施形態では、
図2に示すように、中リール31の「ベル」は、5図柄間隔・4個配置であるので、ベル非当選遊技においては、どの瞬間で中ストップスイッチ42が操作されても、
図9中、(C)〜(E)の3種類の停止形からいずれかを採用することが可能となる。
【0103】
さらに、本実施形態では、中ストップスイッチ42が操作された瞬間の中リール31がどの位置であっても、
図9(C)に示すように、ベルを非入賞としつつ「リプレイ」を有効ライン(中段)に停止させることができる。さらに、
図9(E)に示すように、ベルを非入賞にしつつ「チェリー」を有効ライン(上段)に停止させることができる。なお、詳細は後述するが、中上段に「チェリー」を停止させることにより、中1枚役を入賞可能とし、中1枚役こぼし目を停止可能とする。また、中中段に「リプレイ」を停止させることにより、左右1枚役こぼし目を停止可能とする。
【0104】
図10は、第1実施形態との比較対象例を示すリール31の図柄配列を示す図である。
図10の比較対象例において、
図2と異なる点は、リール31の総図柄数が「21」に設定されている点である。
図柄数が「21」である場合において、第1実施形態と同様に、リールの回転数が1分間に80回転、ストップスイッチ42が操作された瞬間からリール31が停止するまでの時間を190msとしたとき、この比較対象例においても、最大すべりコマ数は「4」となり、第1実施形態と同一となる。
【0105】
そして、「PB=1」の図柄配列を保つためには、5図柄以内の図柄間隔で配置する必要がある。そうすると、図柄数「21」の場合には、4個の図柄では不足し、5個の図柄が必要となる。21図柄数の中に5個の図柄を配置する場合において、最もバランスのとれた配置は、
図10中、中リール31の「ベル」のように、5図柄間隔が1か所(1番と6番)、4図柄間隔が4か所となる。すなわち、
5×1+4×4=21
となる。
なお、「5図柄間隔を2か所、4図柄間隔を2か所、3図柄間隔を1か所」に設定することも可能である。すなわち、
5×2+4×2+3×1=21
となる。
この場合、3図柄間隔となる箇所が1箇所存在する。
【0106】
図11は、
図10の比較対象例における中リール31の「ベル」を配置したときの停止形を示す図である。
まず、図中、(A)は、4番〜6番が表示窓11内に停止している例を示している。この位置では、中上段に「ベル」が停止し、ベルの1ライン入賞となる停止形である。この状態から1コマすべると、図中、(B)に示すように、中中段に「ベル」が停止し、ベルの3ライン入賞となる。よって、ベル非当選遊技では、(A)及び(B)の停止形を採用することはできない。
【0107】
次に、(B)の位置から1コマすべると(C)の停止形となり、6番の「ベル」は下段に停止する。よって、この位置ではベルの非入賞となる。さらに、(C)の状態から1コマすべると(D)の停止形となる。この停止形では、「ベル」は表示窓11内に出現しない。よって、この停止形でもベルは非入賞となる。
さらに(D)の停止形から1コマすべると、(E)の停止形となる。(E)の停止形では、10番のベルが上段に停止するので、ベルの1ライン入賞となる。
【0108】
以上説明したように、6番の「ベル」から10番の「ベル」の間のように、4コマ間隔であるときは、ベル非当選遊技に、停止形として採用可能な位置は、(C)及び(D)の2種類となる。よって、したがって、第1実施形態の3種類に対して選択の余地が狭まり、停止形の制約をより受けることとなり、停止形の自由度が低下する。特に、上述したように、たとえば3コマ間隔で「ベル」を配置したときは、ベル非当選遊技で停止可能な位置は、その間隔内では1か所(「ベル」下段停止)のみとなり、停止位置の自由度が極めて狭まる。
【0109】
図10に示すように、リールの図柄数を「21」とし、中リール31の「ベル」を5コマ又は4コマ配置とすることも可能である。しかし、第1実施形態のように、図柄数「20」、かつ5コマ間隔・4図柄配置に設定すれば、どのタイミングで中リール31を停止するときであっても、ベル非当選に対応する位置として3種類を持たせることができるので、停止形の自由度の面から見れば、
図10の例よりも、
図2の例の方が有利である。
【0110】
停止位置決定テーブル65の説明に戻る。
1枚役Aテーブルは、条件装置「1枚役A」当選時の遊技で用いられ、左右1枚役1、中1枚役1若しくは中1枚役4を有効ラインに停止させるか、又は左右1枚役こぼし目若しくは中1枚役こぼし目を有効ラインに停止させるように、リール31の停止位置を定めたものである。
具体的には、1枚役A当選時において、左又は右第一停止時には左右1枚役1を入賞可能とし、左右1枚役1を入賞させることができないときは、左右1枚役こぼし目を停止させるように制御する。
また、1枚役A当選時において、中第一停止時には中1枚役1又は4を入賞可能とし、中1枚役1又は4を入賞させることができないときは、中1枚役こぼし目を停止させるように制御する。
【0111】
ここで、1枚役A〜C当選時にそれぞれ用いられる1枚役A〜Cテーブルによるリール31の停止制御について説明する。
まず、複数の役が同時に当選(重複当選)している場合のリール31を停止制御する方法としては、以下の方法が挙げられる。
第1優先として、当選している図柄の組合せを構成する(当該リール31の)図柄のすべてを有効ラインに停止可能であるときは、その位置でリール31を停止させる。
【0112】
次に、「当選している図柄の組合せを構成する図柄のすべてを有効ラインに停止させる」ことができないとき(第1優先を採用することができないとき)は、第2優先として、「枚数優先」又は「個数優先」のいずれかによりリール31を停止制御する。
ここで、「枚数優先」とは、重複当選している図柄の組合せのうち、払出し枚数の最も多い図柄の組合せを構成する図柄を優先して有効ラインに停止させる(引き込む)ことをいう。
一方、「個数優先」とは、有効ラインに停止可能となる図柄の組合せ数が最も多くなるように、当該リール31の図柄を有効ラインに停止させることをいう。
【0113】
たとえば、1枚役A当選時において、有効ラインに停止可能となる図柄の組合せは、
図6に示すように、
「リプレイ」−「白カバン」−「青7」:左右1枚役1
「リプレイ」−「白カバン」−「赤7」:左右1枚役1
「リプレイ」−「白カバン」−「白7」:左右1枚役1
「リプレイ」−「白カバン」−「BAR」:左右1枚役1
「白カバン」−「チェリー」−「白カバン」:中1枚役1
「黄カバン」−「チェリー」−「白カバン」:中1枚役4
の合計6種類である。
【0114】
そして、最初に左リール31を停止させるとき、「リプレイ」、「白カバン」、「黄カバン」の3種類の図柄を同時に有効ラインに停止可能であるときは、その位置で左リール31を停止させる。
しかし、
図2の図柄配列に示すように、「リプレイ」、「白カバン」、「黄カバン」の3種類の図柄を同時に有効ラインに停止させることができる停止位置は存在しない。よって、「当選している図柄の組合せを構成する図柄のすべてを有効ラインに停止させる」という停止制御(上述した第1優先)を採用することができない。このため、左リール31の停止時には、第2優先によってリール31を停止する。
【0115】
ここで、1枚役A当選時には、すべての図柄の組合せの配当は、同一(1枚)である。このように、同一配当であるときに枚数優先を行う場合には、どの図柄の組合せを優先してもよいものとなる。よって、本実施形態では、左第一停止時には、左リール31の図柄が「リプレイ」である左右1枚役1を枚数優先によって停止制御する。
なお、仮に、個数優先を採用したときは、左リール31の停止時に「リプレイ」を有効ラインに停止させると、有効ラインに停止可能となる図柄の組合せ数は「4」となって最大となるので、個数優先を行う場合にも左第一停止時には「リプレイ」を有効ラインに停止させる。ただし、本実施形態において、左第一停止時に「リプレイ」を有効ラインに停止させるのは、枚数優先に基づくものである。
【0116】
また、上述したベル重複当選時には、押し順正解/不正解にかかわらず、中リール31の停止時に上段(押し順不正解時)又は中段(押し順正解時)に「ベル」を停止させるようにした。
一方、ベル重複当選時に、上記の枚数優先によってリール31を停止制御することも可能となる。たとえば、左中右ベルでは、ベル(4枚)と、中1枚役1(1枚)との重複当選であるので、枚数優先を用いて、常に、ベル(4枚)を有効ラインに停止させることが可能となる。
【0117】
図12〜
図14は、1枚役A当選時の停止位置を示す図である。
まず、
図12は、1枚役A当選時において左第一停止時の停止形を示す図である。1枚役A当選時において、左第一停止時には、同図(A)に示すように、「リプレイ」を中段に停止させる。このように中段に停止させる理由は、「リプレイ」を、単ライン(1本の有効ライン)上に停止させるためである。たとえば「リプレイ」を上段に停止させたときは、有効ラインL1及びL3(重複有効ライン)上に停止させることとなる。このように、第一停止時に1本の有効ライン上に対象図柄を停止させることによって、後述する「どの押し順でも取りこぼし率を同一にすることができる。」という効果を有する。すなわち、どの押し順でも取りこぼし率を同一にするために、左第一停止時に中段に「リプレイ」を停止させる。上述のように、左リール31の「リプレイ」は、「PB=1」配置であるので、「リプレイ」を常に中段に停止させることができる。
【0118】
さらに本実施形態では、1枚役A当選時の左第一停止時に、「リプレイ」を中段に停止させたとき、その時点で左右1枚役1のみが入賞可能性を有し、1枚役Aの当選に含まれている他の1枚役(中1枚役1又は中1枚役4)の入賞可能性がなくなるという点にも特徴を有する。
図6に示すように、中1枚役1の左リール31の図柄は「白カバン」であり、中1枚役4の左リール31の図柄は「黄カバン」である。そして、
図2に示すように、左リール31では、「リプレイ」図柄に対して、「白カバン」又は「黄カバン」は、2図柄離れている。よって、「リプレイ」を中段に停止させたとき、上段又は下段には、「白カバン」又は「黄カバン」は停止しない。その結果、1枚役A当選時において、左第一停止時に「リプレイ」を中段に停止させると、この時点で、入賞可能性を有する役は、左右1枚役1のみとなり、中1枚役1及び中1枚役4は、左第一停止時点で入賞可能性がなくなる。
【0119】
なお、左リール31の停止時に「リプレイ」を下段に停止させても、「リプレイ」を単ライン上に停止させたことになる。しかし、左第一停止時に「リプレイ」を下段に停止させると、「白カバン」又は「黄カバン」が上段に停止し、他の1枚役(中1枚役1又は中1枚役4)の入賞可能性を有することになり、上述の「第一停止時点で左右1枚役1(1種類の役)のみが入賞可能性を有する」停止にならない。
よって、1枚役A当選時の左第一停止時には、「リプレイ」を中段に停止し、上段又は下段には停止させないようにする。
【0120】
このことは、1枚役B及び1枚役C当選時の左第一停止時にもあてはまる。
なお、第一停止時に当選役に係る図柄を引き込む(有効ラインに停止させる)場合において、個数優先や枚数優先のいずれにおいても、どの有効ラインに対称図柄を引き込むかは、任意である。このため、本実施形態では、1枚役A〜1枚役C当選時において、左又は右第一停止時には、有効ラインL12(中段)と定めている。
一方、中リールについては、上段が単ライン、中段が複数ライン、下段が無効ラインとなっている。このため、本実施形態では1枚役A〜1枚役C当選時における中第一停止時は、上段に停止させる。
【0121】
次に、右リール31については、「赤7」、「青7」、「白7」、又は「BAR」のいずれかを有効ラインに停止させるように制御する。
図2に示すように、右リール31において、「赤7」、「青7」、「白7」、又は「BAR」は、いずれも、1個ずつ配置されている。さらに、これらの図柄は、3番、8番、13番、18番にそれぞれ配置されているので、個々の配置はいずれも1個であるが、4図柄合算では、5コマ間隔・4図柄配置、すなわち4図柄合算で「PB=1」配置である。したがって、右リール31の停止時には、「赤7」、「青7」、「白7」、又は「BAR」のいずれかの図柄を常に中段に停止させることができる(図中、(B))。
【0122】
また、中リール31については、「白カバン」を中段に停止可能であるときは「白カバン」を中段に停止させ(図中、(B))、「白カバン」を中段に停止させることができないときは、「リプレイ」を中段に停止させるように制御する(図中、(C))。
ここで、遊技者が、たとえば第一停止左、第二停止右の押し順でストップスイッチ42を操作したとき、有効ラインL2に「リプレイ」−「回転中」−「赤7/青7/白7/BAR」が停止したと仮定する。そして、遊技者は、
「リプレイ」−「黄カバン」−「赤7/青7/白7/BAR」:左右1枚役1
「リプレイ」−「白カバン」−「赤7/青7/白7/BAR」:左右1枚役2
「リプレイ」−「羽根」−「赤7/青7/白7/BAR」:左右1枚役3
の図柄の組合せを知っており、当該遊技では、いずれかに当選していると予測したと仮定する。
【0123】
しかし、
図2に示すように、中リール31において、「黄カバン」、「白カバン」、「羽根」は、ぞれぞれ、5図柄間隔で配置されている。このため、「黄カバン」、「白カバン」、「羽根」のうち、複数の図柄を同時に中段に引きこみ可能な位置は存在せず、中ストップスイッチ42が操作されたときは、「黄カバン」、「白カバン」、「羽根」のいずれか1つを中段に停止可能となる。よって、遊技者は、「リプレイ」−「回転中」−「赤7/青7/白7/BAR」のテンパイ形を見て、左右1枚役1〜3のいずれかに当選していると推測することができても、左右1枚役1〜3のうちのいずれの当選であるかを知ることはできない。
【0124】
したがって、たとえば遊技者が左右1枚役1の当選であると予想し、中リール31の停止時に「白カバン」を有効ラインに停止するように狙って中ストップスイッチ42を操作したときは、当該遊技で左右1枚役1(1枚役A)に当選していれば、左右1枚役1を入賞させることができる。
これに対し、当該遊技で左右1枚役2(小役1B)又は左右1枚役3(1枚役C)に当選しているときは、左右1枚役1は入賞しない。左右1枚役1が入賞しないときは、左右1枚役こぼし目が停止する。
【0125】
同様に、遊技者が左右1枚役2に当選していると予想し、中リール31の停止時に「黄カバン」を有効ラインに停止するように狙って中ストップスイッチ42を操作したときは、当該遊技で小役1Bに当選していれば、左右1枚役2を入賞させることができる。
これに対し、当該遊技で小役1A又は小役1Cに当選しているときは、左右1枚役2は入賞しない。左右1枚役2が入賞しないときは、左右1枚役こぼし目が停止する。
【0126】
さらに同様に、遊技者が左右1枚役3に当選していると予想し、中リール31の停止時に「羽根」を有効ラインに停止するように狙って中ストップスイッチ42を操作したときは、当該遊技で小役1Cに当選していれば、左右1枚役3を入賞させることができる。
これに対し、当該遊技で小役1A又は小役1Bに当選しているときは、左右1枚役3は入賞しない。左右1枚役3が入賞しないときは、左右1枚役こぼし目が停止する。
以上より、小役1A〜小役1C当選時には、左第一停止時には、左及び右リール31は、「PB=1」、中リール31は三択(三者択一)となる。
【0127】
なお、本明細書において「N択(N者択一)」(N=2、3、4、・・・)とは、N種類の図柄のうちの1つが正解図柄であること(N種類の図柄のうちの1つの図柄が有効ラインに停止可能であること)を意味する。そして、N択の正解率は、「1/N」となる。
一方、「とりこぼし率」とは、「N択」で不正解となる確率を意味し、本実施形態では、「(N−1)/N」である。
【0128】
なお、上記の「N択」と、リール31を無作為に停止させたときの入賞率とは、厳密には相違する。
たとえば、1枚役当選時に、中ストップスイッチ42を無作為に操作したとき(中リール31を無作為に停止させたとき)の「白カバン」、「黄カバン」、「羽根」が中段に停止可能となる確率は異なる。
たとえば中リール31の停止時に、17番〜0番、又は1番が中段に位置する瞬間に中ストップスイッチ42を操作すれば1番の「羽根」が中段に停止可能である。
【0129】
また、2番〜6番の図柄が中段に位置する瞬間に中ストップスイッチ42を操作すれば6番の「黄カバン」が中段に停止可能である。
さらにまた、7番〜11番の図柄が中段に位置する瞬間に中ストップスイッチ42を操作すれば11番の「白カバン」が中段に停止可能である。
さらに、12番〜16番の図柄が中段に位置する瞬間に中ストップスイッチ42を操作すれば16番の「羽根」が中段に停止可能である。
以上より、1枚役当選時に、中リール31を無作為に停止させたとき、「羽根」、「白カバン」、「黄カバン」がそれぞれ停止可能となる確率は、
羽根:10/20
白カバン:5/20
黄カバン:5/20
となる。
このように、N択であっても、リール31を無作為に停止させたときにその図柄が有効ラインに停止可能となる確率は、「1/N」ずつ均等に振り分けられているとは限らない。
【0130】
以上のように、小役1A当選時の左第一停止時に、中リール31の停止時に「白カバン」を有効ラインに停止させたときは、左右1枚役1の入賞となる。これに対し、中リール31の停止時に「白カバン」を有効ラインに停止させることができないときは、中段に「リプレイ」を停止させる(
図12(C))。これにより、有効ラインL2に、左右1枚役こぼし目が停止する。中リール31の「リプレイ」は、上述したように「PB=1」配置であるので常に中段に停止させることができる。
なお、
図12において、左中右の押し順でストップスイッチ42を操作したときと、左右中の押し順でストップスイッチを操作したときとで、左右1枚役1の入賞率(三択正解率)、左右1枚役1のとりこぼし率(三択不正解率)に相違はない(後述する小役1B、小役1C当選時も同様である)。
【0131】
図13は、1枚役A当選時において中第一停止時の停止形を示す図である。1枚役A当選時は、上述したように、有効ラインに停止可能となる図柄の組合せは、
「リプレイ」−「白カバン」−「赤7」:左右1枚役1
「リプレイ」−「白カバン」−「青7」:左右1枚役1
「リプレイ」−「白カバン」−「白7」:左右1枚役1
「リプレイ」−「白カバン」−「BAR」:左右1枚役1
「白カバン」−「チェリー」−「白カバン」:中1枚役1
「黄カバン」−「チェリー」−「白カバン」:中1枚役4
の合計6種類である。
【0132】
そして、中第一停止時に、「白カバン」及び「チェリー」の双方を有効ラインに停止させることができれば、すべての図柄の組合せが有効ラインに停止可能となる停止位置となる。しかし、
図2に示すように、中リール31において、「白カバン」と「チェリー」とは、2図柄間隔で配置されている。このため、「白カバン」と「チェリー」とが同時に有効ラインに停止する停止位置は存在しない。
【0133】
そこで、中第一停止時には、枚数優先により、中1枚役を有効ラインに停止させることを優先する。さらに、中第一停止時には、上述した左第一停止時と同様に、1本の有効ライン上に対象図柄を停止させる。この理由も上記と同様に、とりこぼし率を一定にするためである。したがって、
図13(A)に示すように、「チェリー」を上段に停止させる。この場合、上段に停止した「チェリー」が13番であるとき、11番の「白カバン」は下段に停止するが、中下段は有効ライン上に位置しないため、「白カバン」を有効ラインに停止したことにはならない。
以上より、1枚役A当選時の中第一停止時において、「チェリー」を上段に停止させたときは、この時点で入賞可能性を有する役は、中1枚役1又は中1枚役4となり、左右1枚役1の入賞可能性はなくなる。
【0134】
次に、左リール31を停止させるときは、「白カバン」又は「黄カバン」のいずれかを有効ライン(上段)に停止させるように制御する。
図2に示すように、左リール31において、「白カバン」は3か所(10番、15番、0番)に配置され、「黄カバン」は1か所(5番)に配置されている。そして、2図柄合算では、5コマ間隔・4図柄配置、すなわち2図柄合算で「PB=1」配置である。したがって、左リール31の停止時には、「白カバン」又は「黄カバン」のいずれかの図柄を常に上段に停止させることができる(図中、(B))。
【0135】
また、右リール31については、「白カバン」を上段に停止可能であるときは「白カバン」を上段に停止させ(図中、(B))、「白カバン」を上段に停止させることができないときは、「チェリー」を上段に停止させるように制御する(図中、(C))。
遊技者が、たとえば第一停止中、第二停止左の押し順でストップスイッチ42を操作したとき、有効ラインL1に「白カバン」−「チェリー」−「回転中」が停止したと仮定する。そして、遊技者は、
「白カバン」−「チェリー」−「白カバン」:中1枚役1
「白カバン」−「チェリー」−「黄カバン」:中1枚役2
「白カバン」−「チェリー」−「羽根」:中1枚役3
の図柄の組合せを知っていると仮定する。
【0136】
また、有効ラインL1に「黄カバン」−「チェリー」−「回転中」が停止したとき、遊技者は、
「黄カバン」−「チェリー」−「白カバン」:中1枚役4
「黄カバン」−「チェリー」−「黄カバン」:中1枚役5
「黄カバン」−「チェリー」−「羽根」:中1枚役6
の図柄の組合せを知っていると仮定する。
【0137】
しかし、
図2に示すように、右リール31において、「黄カバン」、「白カバン」、「羽根」は、ぞれぞれ、5図柄間隔で配置されている。このため、複数の図柄を同時に有効ライン(上段)に引きこみ可能な位置は存在せず、右ストップスイッチ42が操作されたときは、「黄カバン」、「白カバン」、「羽根」のいずれか1つを有効ライン(右上段)に停止可能となる(三択)。
【0138】
よって、遊技者は、「白カバン/黄カバン」−「チェリー」−「回転中」のテンパイ形を見て、1枚役A〜Cのいずれかに当選した遊技であると推測することができても、1枚役A〜Cのいずれの当選であるかを知ることはできない。したがって、たとえば遊技者が1枚役Aの当選であると予想し、右リール31の停止時に「白カバン」を有効ライン(上段)に停止するように狙って右ストップスイッチ42を操作したときは、当該遊技で小役1Aに当選していれば、中1枚役1又は4を入賞させることができる。
これに対し、当該遊技で小役1B又は小役1Cに当選しているときは、中1枚役1又は4は入賞しない。
【0139】
同様に、遊技者が1枚役Bの当選であると予想し、右リール31の停止時に「黄カバン」を有効ライン(上段)に停止するように狙って中ストップスイッチ42を操作したときは、当該遊技で小役1Bに当選していれば、中1枚役2又は5を入賞させることができる。
これに対し、当該遊技で小役1A又は小役1Cに当選しているときは、中1枚役2又は5は入賞しない。
【0140】
さらに同様に、遊技者が1枚役Cの当選であると予想し、右リール31の停止時に「羽根」を有効ライン(上段)に停止するように狙って右ストップスイッチ42を操作したときは、当該遊技で小役1Cに当選していれば、中1枚役3又は6を入賞させることができる。
これに対し、当該遊技で小役1A又は小役1Bに当選しているときは、中1枚役3又は6は入賞しない。
以上より、小役1A当選時における中第一停止時には、左及び中リール31は、「PB=1」、右リール31は三択となる。
【0141】
したがって、小役1A当選時の中第一停止時に、右リール31の停止時に「白カバン」を有効ラインに停止させたときは、中1枚役1又は4の入賞となる。これに対し、右リール31の停止時に「白カバン」を有効ラインに停止させることができないときは、上段に「チェリー」を停止させる(
図13(C))。これにより、有効ラインL2に、中1枚役こぼし目が停止する。右リール31の「チェリー」は、5図柄間隔・4個配置であり、「PB=1」配置であるので常に上段に停止させることができる。
なお、
図13において、中左右の押し順でストップスイッチ42を操作したときと、中右左の押し順でストップスイッチを操作したときとで、中1枚役の入賞率(三択正解率)、中1枚役のとりこぼし率(三択不正解率)に相違はない(後述する小役1B、小役1C当選時も同様である)。
【0142】
図14は、1枚役A当選時において右第一停止時の停止形を示す図である。1枚役A当選時は、上述したように、有効ラインに停止可能となる図柄の組合せは、
「リプレイ」−「白カバン」−「赤7」:左右1枚役1
「リプレイ」−「白カバン」−「青7」:左右1枚役1
「リプレイ」−「白カバン」−「白7」:左右1枚役1
「リプレイ」−「白カバン」−「BAR」:左右1枚役1
「白カバン」−「チェリー」−「白カバン」:中1枚役1
「黄カバン」−「チェリー」−「白カバン」:中1枚役4
の合計6種類である。
【0143】
そして、右第一停止時に、「赤7」、「青7」、「白7」、「BAR」、「白カバン」の全図柄を同時に有効ラインに停止させることはできない。
そこで、右第一停止時には、枚数優先により、左右1枚役を有効ラインに停止させることを優先する。さらに、右第一停止時には、上述した左第一停止時と同様に、1本の有効ライン上(中段)に対象図柄を停止させる。この理由も上記と同様に、とりこぼし率を一定にするためである。したがって、
図14(A)に示すように、右第一停止時には、「赤7/青7/白7/BAR」を中段に停止させる。右リール31において、「赤7/青7/白7/BAR」は、それぞれ3番、8番、13番、及び18番に配置されており、合算で5図柄間隔・4個配置である。よって、合算で「PB=1」配置であるので、4種類の図柄のうちのいずれかを常に中段に停止させることができる。
【0144】
ここで、
図2に示すように、右リール31において、「赤7/青7/白7/BAR」の図柄に対し、「白カバン」は、2図柄離れて配置されている。よって、「赤7/青7/白7/BAR」を中段に停止させたとき、「白カバン」が有効ラインに停止する場合はない。よって、右第一停止時に「赤7/青7/白7/BAR」を中段に停止させたとき、入賞可能性を有する役は、左右1枚役1のみとなり、中1枚役1及び中1枚役4の入賞可能性はなくなる。
【0145】
次に、左リール31を停止させるときは、「リプレイ」を中段に停止させるように制御する。左リール31の「リプレイ」は、「PB=1」配置であるので、常に中段に停止させることができる。
また、中リール31については、「白カバン」を中段に停止可能であるときは「白カバン」を中段に停止させ(図中、(B))、「白カバン」を上段に停止させることができないときは、「リプレイ」を上段に停止させるように制御する(図中、(C))。
【0146】
ここで、「リプレイ」−「回転中」−「赤7/青7/白7/BAR」(有効ラインL2上)の停止形となったとき、当該遊技で小役1A〜小役1Cのいずれかに当選していると予想することができる。しかし、小役1A当選時には、中段に「白カバン」を停止させないと小役1A(左右1枚役1)の入賞とならない。同様に、小役1B当選時には、中段に「黄カバン」を停止させないと小役1B(左右1枚役2)の入賞とならない。さらに同様に、小役1C当選時には、中段に「羽根」を停止させないと小役1C(左右1枚役3)の入賞とならない。
【0147】
よって、中リール31の停止時には、三択となり、この三択に正解しなければ、当選している小役1A〜小役1Cを入賞させることができない。
小役1A当選時に三択に正解し、中リール31の停止時に「白カバン」を中段に停止させることができたときは、小役1A(左右1枚役1)の入賞となる。
【0148】
これに対し、中リール31の停止時に「白カバン」を中段に停止させることができないときは、「リプレイ」を停止させ(
図14(C))、有効ラインL2上には、左右1枚役こぼし目が停止する。
なお、
図14において、右左中の押し順でストップスイッチ42を操作したときと、右中左の押し順でストップスイッチを操作したときとで、左右1枚役の入賞率(三択正解率)、役のとりこぼし率(三択不正解率)に相違はない(後述する小役1B、小役1C当選時も同様である)。
【0149】
図15は、1枚役B当選時において、左第一停止時の停止形を示す図である。1枚役B当選時の左第一停止時は、1枚役A当選時の左第一停止時と同様に、「リプレイ」を中段に停止させる(PB=1)(図中、(A))。ここで、左第一停止時に「リプレイ」を中段に停止させたときは、「白カバン」又は「黄カバン」が有効ライン上に停止することはない。したがって、1枚役B当選時の左第一停止時に「リプレイ」を中段に停止させたときは、入賞可能性を有する役は左右1枚役2となり、中1枚役2又は5の入賞可能性はない。
【0150】
また、右リール31の停止時には、「赤7/青7/白7/BAR」を中段に停止させる(PB=1)(図中、(B))。
さらにまた、中リール31の停止時には、「黄カバン」を中段に停止可能であるときは中段に「黄カバン」を停止させる。これにより、左右1枚役2の入賞となる(図中、(B))。
ただし、中リール31は、1枚役A当選時の左第一停止時と同様に、「白カバン」、「黄カバン」、又は「羽根」の三択となるので、この三択に正解することが必要となる。
中リール31の停止時に中段に「黄カバン」を停止させることができないときは、中段に「リプレイ」を停止させる(図中、(C))。これにより、有効ラインL2上には、左右1枚役こぼし目が停止する。
【0151】
図16は、1枚役B当選時において、中第一停止時の停止形を示す図である。1枚役B当選時の中第一停止時は、1枚役A当選時の中第一停止時と同様に、「チェリー」を上段に停止させる(PB=1)(図中、(A))。
ここで、中第一停止時に「チェリー」を上段に停止させたときは、「黄カバン」が有効ラインに停止することはない。よって、1枚役B当選時の中第一停止時に「チェリー」を上段に停止させたときは、入賞可能性を有する役は中1枚役2又は中1枚役5となり、左右1枚役2の入賞可能性はない。
【0152】
また、左リール31の停止時には、「白カバン/黄カバン」を上段に停止させる(PB=1)(図中、(B))。
さらにまた、右リール31の停止時には、「黄カバン」を上段に停止可能であるときは上段に「黄カバン」を停止させる。これにより、中1枚役2又は5の入賞となる(図中、(B))。
ただし、右リール31は、1枚役A当選時の中第一停止時と同様に、「白カバン」、「黄カバン」、又は「羽根」の三択となるので、この三択に正解することが必要となる。
右リール31の停止時に上段に「黄カバン」を停止させることができないときは、上段に「チェリー」を停止させる(図中、(C))。これにより、有効ラインL1上には、中1枚役こぼし目が停止する。
【0153】
図17は、1枚役B当選時において、右第一停止時の停止形を示す図である。1枚役B当選時の右第一停止時は、1枚役A当選時の右第一停止時と同様に、「赤7/青7/白7/BAR」を中段に停止させる(PB=1)(図中、(A))。
ここで、右第一停止時に「赤7/青7/白7/BAR」を中段に停止させたとき、「黄カバン」が表示窓11内(有効ライン)に停止する場合はない。よって、1枚役B当選時の右第一停止時に「赤7/青7/白7/BAR」を中段に停止させたとき、入賞可能性を有する役は左右1枚役2となり、中1枚役2又は中1枚役5の入賞可能性はない。
【0154】
また、左リール31の停止時には、「リプレイ」を中段に停止させる(PB=1)(図中、(B))。
さらにまた、中リール31の停止時には、「黄カバン」を中段に停止可能であるときは中段に「黄カバン」を停止させる。これにより、1枚役B(左右1枚役2)の入賞となる(図中、(B))。
【0155】
ただし、中リール31は、1枚役A当選時の右第一停止時と同様に、「白カバン」、「黄カバン」、又は「羽根」の三択となるので、この三択に正解することが必要となる。
中リール31の停止時に中段に「黄カバン」を停止させることができないときは、中段に「リプレイ」を停止させる(図中、(C))。これにより、有効ラインL2上には、左右1枚役こぼし目が停止する。
【0156】
図18は、1枚役C当選時において、左第一停止時の停止形を示す図である。1枚役C当選時の左第一停止時は、1枚役A当選時の左第一停止時と同様に、「リプレイ」を中段に停止させる(PB=1)(図中、(A))。ここで、左第一停止時に「リプレイ」を中段に停止させたときは、「白カバン」又は「黄カバン」が有効ライン上に停止することはない。したがって、1枚役C当選時の左第一停止時に「リプレイ」を中段に停止させたときは、入賞可能性を有する役は左右1枚役3となり、中1枚役3又は6の入賞可能性はない。
【0157】
また、右リール31の停止時には、「赤7/青7/白7/BAR」を中段に停止させる(PB=1)(図中、(B))。
さらにまた、中リール31の停止時には、「羽根」を中段に停止可能であるときは中段に「羽根」を停止させる。これにより、左右1枚役3の入賞となる(図中、(B))。
ただし、中リール31は、1枚役A当選時の左第一停止時と同様に、「白カバン」、「黄カバン」、又は「羽根」の三択となるので、この三択に正解することが必要となる。
中リール31の停止時に中段に「羽根」を停止させることができないときは、中段に「リプレイ」を停止させる(図中、(C))。これにより、有効ラインL2上には、左右1枚役こぼし目が停止する。
【0158】
図19は、1枚役C当選時において、中第一停止時の停止形を示す図である。1枚役C当選時の中第一停止時は、1枚役A当選時の中第一停止時と同様に、「チェリー」を上段に停止させる(PB=1)(図中、(A))。
ここで、中第一停止時に「チェリー」を上段に停止させたとき、「羽根」が有効ラインに停止することはない。よって、1枚役C当選時の中第一停止時に「チェリー」を上段に停止させたとき、入賞可能性を有する役は中1枚役3又は中1枚役6となり、左右1枚役3の入賞可能性はない。
【0159】
また、左リール31の停止時には、「白カバン/黄カバン」を上段に停止させる(PB=1)(図中、(B))。
さらにまた、右リール31の停止時には、「羽根」を上段に停止可能であるときは上段に「羽根」を停止させる。これにより、中1枚役3又は6の入賞となる(図中、(B))。
ただし、右リール31は、1枚役A当選時の中第一停止時と同様に、「白カバン」、「黄カバン」、又は「羽根」の三択となるので、この三択に正解することが必要となる。
右リール31の停止時に上段に「羽根」を停止させることができないときは、上段に「チェリー」を停止させる(図中、(C))。これにより、有効ラインL1上には、中1枚役こぼし目が停止する。
【0160】
図20は、1枚役C当選時において、右第一停止時の停止形を示す図である。1枚役C当選時の右第一停止時は、1枚役A当選時の右第一停止時と同様に、「赤7/青7/白7/BAR」を中段に停止させる(PB=1)(図中、(A))。
ここで、右第一停止時に「赤7/青7/白7/BAR」を中段に停止させたとき、「羽根」が有効ラインに停止することはない。したがって、1枚役C当選時の右第一停止時に「赤7/青7/白7/BAR」を中段に停止させたとき、入賞可能性を有する役は左右1枚役3となり、中1枚役3又は中1枚役6の入賞可能性はない。
【0161】
また、左リール31の停止時には、「リプレイ」を中段に停止させる(PB=1)(図中、(B))。
さらにまた、中リール31の停止時には、「羽根」を中段に停止可能であるときは中段に「羽根」を停止させる。これにより、左右1枚役3の入賞となる(図中、(B))。
ただし、中リール31は、1枚役A当選時の右第一停止時と同様に、「白カバン」、「黄カバン」、又は「羽根」の三択となるので、この三択に正解することが必要となる。
中リール31の停止時に中段に「羽根」を停止させることができないときは、中段に「リプレイ」を停止させる(図中、(C))。これにより、有効ラインL2上には、左右1枚役こぼし目が停止する。
【0162】
以上まとめると、小役1A、小役1B、小役1Cの当選時に、左中右、左右中、中左右、中右左、右左中、右中左のいずれの押し順であっても、当選した条件装置に含まれる役の入賞率(三択正解率)は、「1/3」となり、とりこぼし率(三択不正解率)は、「2/3」(一定)となる。さらに、とりこぼし時のこぼし目出現率は、「1(100%)」となる。
特に本実施形態では、後述するように、RT1において1枚役こぼし目が停止したときに、非RTに移行するように設定されている。このように、こぼし目の停止によってRT移行する場合には、ストップスイッチ42の押し順にかかわらず、均等にこぼし目が停止する必要があるが、本実施形態のように構成すれば、ストップスイッチ42の押し順にかかわらず、こぼし目が均等に出現するように設定することができる。
【0163】
これに対し、小役1A〜小役1C当選時において、第一停止時に複数の有効ライン上に図柄を停止させると、とりこぼし率を一定にすることができない。
たとえば
図12において、1枚役A当選時の左第一停止時に、「リプレイ」を上段に停止させた例を考える。
この場合、右第二停止時には、上段又は下段に「赤7/青7/白7/BAR」を停止させることとなる。そして、右上段に「赤7/青7/白7/BAR」を停止させたときは、中第三停止時には中上段に「白カバン」を停止させる必要があり、右下段に「赤7/青7/白7/BAR」を停止させたときは、中第三停止時には中中段に「白カバン」を停止させる必要がある。この場合には、上述した確率と同様となる。
【0164】
これに対し、1枚役A当選時の左第一停止時に、「リプレイ」を上段に停止させた後、中第二停止とした場合には、「白カバン」を上段(有効ラインL1上)又は中段(有効ラインL3上)に停止させることができれば、左右1枚役1の入賞が確定する。
中第二停止時に、「白カバン」、「黄カバン」、「羽根」のうち、いずれか1つしか上段又は中段に停止させることができないタイミングで中ストップスイッチ42が操作されれば、中リール31の停止時には、とりこぼし率は「2/3」となる。
【0165】
しかし、たとえば6番の「黄カバン」が中段に位置する瞬間に中ストップスイッチ42が操作されたときは、6番の「黄カバン」は中段に停止可能となり、かつ、11番の「白カバン」は上段に停止可能となる。このような操作タイミングでストップスイッチ42が操作されると、中リール31のとりこぼし率は、実質上、「1/3」となる。
よって、1枚役A当選時に、左右中の押し順ではとりこぼし率は常に「2/3」となるが、左中右の押し順では、中ストップスイッチ42の操作タイミングによってとりこぼし率を「1/3」にすることが可能となる。これにより、押し順及び操作タイミングによってとりこぼし率が異なる。
【0166】
右第一停止時にも同様のことがあてはまる。1枚役A当選時の右第一停止時に、上段に「赤7/青7/白7/BAR」を停止させた後、左第二停止時に「リプレイ」を上段又は下段に停止させれば、中第三停止時のとりこぼし率は、「2/3」となる。
これに対し、1枚役A当選時の右第一停止時に、上段に「赤7/青7/白7/BAR」を停止させた後、中第二停止としたときは、上記と同様に、たとえば「白カバン」と「黄カバン」とを同時に有効ラインに停止可能に中ストップスイッチ42を操作すれば、とりこぼし率は、「1/3」となる。
【0167】
また、小役1A当選時の中第一停止時において、中段(複数の有効ライン上)に「チェリー」を停止させたと仮定する。この場合、左第二停止時には、上段、中段又は下段のいずれかに「白カバン」又は「黄カバン」を停止させる。そして、右第三停止時には、第二停止時に1本に定まった有効ライン上に、「白カバン」を停止させれば小役1A(中1枚役)の入賞となるので、とりこぼし率は、「2/3」である。
【0168】
これに対し、小役1A当選時の中第一停止時に、中段に「チェリー」を停止させた後、右第二停止としたときは、上段、中段又は下段のいずれかに「白カバン」を停止させればよいこととなる。そして、たとえば右第二停止時に、15番の「白カバン」が下段に位置する瞬間に右ストップスイッチ42を操作すれば、1枚役A当選時であれば下段に16番の「白カバン」を停止させることができる。これに対し、当該遊技での当選役が1枚役Bであるときは、3コマすべって0番の「黄カバン」を上段に停止させることが可能となる。よって、このように右ストップスイッチ42を操作すれば、とりこぼし率は「1/3」となる。
【0169】
以上説明したように、1枚役A当選時において、第一停止時に、複数有効ライン上に当選役に係る図柄を停止させたときのとりこぼし率は、
左中右:1/3
左右中:2/3
中左右:2/3
中右左:1/3
右左中:2/3
右中左:1/3
となる。
すなわち、押し順に応じてとりこぼし率が異なる。よって、遊技者は、左中右、中右左、右中左のいずれかの押し順で遊技を消化すれば、1枚役A〜1枚役C当選時のとりこぼしを最も少なくすることができる。このため、押し順に応じて、有利/不利が生じる。
しかし、第1実施形態で示したように、第一停止時に、当選役に係る図柄を1本の有効ライン上に停止させれば、どの押し順であってもとりこぼし率を一定にすることができる。
【0170】
ここで、とりこぼし率を一定にする方法としては、1本の有効ライン(単ライン)上に停止させる本実施形態の方法に限らず、たとえば、各条件装置(当選役)の置数、ストップスイッチ42の押し順や操作タイミングによる停止位置を適切に設定することで実現可能である。しかし、このような方法では、引込み範囲を算出することが必要になる等、開発工数を要してしまう。
一方、本実施形態のように、複数の有効ラインを有する場合であっても、1本の有効ライン(単ライン)上に停止させることで、容易にとりこぼし率を一定にすることができる。これにより、開発工数を削減することができる。
【0171】
また、特別役に対応する図柄の組合せを停止させる有効ラインを1本の有効ラインに設定すると、特別役当選時に、特別役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させたときの表示が単調となってしまう。そこで、このような場合には、特別役に対応する図柄の組合せ数を増加する(複数種類設ける)必要があった。
しかし、本実施形態のように複数本の有効ラインを設け、特別役に対応する図柄の組合せを停止させる有効ラインを1本に限定しないことにより、特別役に対応する図柄の組合せ数を増加することなく、特別役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させたときの表示を多様化することができる。それと同時に、上記のように1枚役A〜C当選時の図柄の表示位置を一定にすることで、メイン制御手段60におけるROMの記憶容量を削減(及び開発工数を削減)することができる。
【0172】
停止位置決定テーブル65の説明に戻る。
弱チャンス目Aテーブルは、条件装置「弱チャンス目A」当選時の遊技で用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、弱チャンス目Aをいずれかの有効ラインに停止させるとともに、弱チャンス目A以外の役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止しないように、リール31の停止位置を定めたものである。弱チャンス目Aの図柄の組合せは、左右1枚役1及び2、すなわち「リプレイ」−「白カバン/黄カバン」−「青7/赤7/白7/BAR」である。ここで、中リール31の「白カバン/黄カバン」は、合算でも「PB≠1」配置である。よって、弱チャンス目Aは有効ラインに停止する場合と停止しない場合とを有する。
【0173】
なお、弱チャンス目Aである左右1枚役1及び2を有効ラインに停止させることができないときは、上述した1枚役こぼし目を停止させないように制御する。上述した1枚役A〜Cは、1枚役こぼし目を停止させることによりRT移行させる(詳細は後述する)ために設けたものであるのに対し、チャンス目は、遊技者に対し、特別役の当選可能性を示すものであり、両者の役割は相違する。したがって、チャンス目を有効ラインに停止させることができないときは、RT移行のための1枚役こぼし目を停止させず、他の図柄の組合せ、たとえば「リプレイ」−「ベル」−「青7/赤7/白7/BAR」等を有効ラインに停止させる。これにより、弱チャンス目Aに当選し、弱チャンス目Aを取りこぼしても、1枚役こぼし目は停止せず、RTは移行しない。
【0174】
弱チャンス目Bテーブルは、条件装置「弱チャンス目B」当選時の遊技で用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、弱チャンス目Bをいずれかの有効ラインに停止させるとともに、弱チャンス目B以外の役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止しないように、リール31の停止位置を定めたものである。弱チャンス目Bの図柄の組合せは、左右1枚役3、すなわち「リプレイ」−「羽根」−「青7/赤7/白7/BAR」である。ここで、中リール31の「羽根」は、「PB≠1」配置である。よって、弱チャンス目Bは有効ラインに停止する場合と停止しない場合とを有する。なお、弱チャンス目Bである左右1枚役3を有効ラインに停止させることができないときは、上記と同様に、1枚役こぼし目を停止させないように制御する。
【0175】
強チャンス目テーブルは、条件装置「強チャンス目」当選時の遊技で用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、強チャンス目をいずれかの有効ラインに停止させるとともに、強チャンス目以外の役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止しないように、リール31の停止位置を定めたものである。強チャンス目の図柄の組合せは、中1枚役1〜6の重複当選であるので、その図柄の組合せは、「白カバン/黄カバン」−「チェリー」−「白カバン/黄カバン/羽根」である。ここで、左リール31の「白カバン/黄カバン」は、合算で「PB=1」配置である。また、中リール31の「チェリー」は、「PB=1」配置である。さらにまた、右リール31の「白カバン/黄カバン/羽根」は、合算で「PB=1」配置である。よって、「PB=1」で、強チャンス目を停止させることができる。
【0176】
カバンテーブルは、条件装置「カバン」当選時の遊技で用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、カバンに対応する図柄の組合せをいずれかの有効ラインに停止させるとともに、カバン以外の役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止しないように、リール31の停止位置を定めたものである。カバンは、「白カバン」揃いであるが、全リール31において、「白カバン」は「PB≠1」配置である。よって、目押しをしなければ、カバンを入賞させることはできない。
【0177】
弱チェリーテーブルは、条件装置「弱チェリー」当選時の遊技で用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、弱チェリーに対応する図柄の組合せをいずれかの有効ラインに停止させるとともに、弱チェリー以外の役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止しないように、リール31の停止位置を定めたものである。
同様に、強チェリーテーブルは、条件装置「強チェリー」当選時の遊技で用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、強チェリーに対応する図柄の組合せをいずれかの有効ラインに停止させるとともに、強チェリー以外の役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止しないように、リール31の停止位置を定めたものである。
【0178】
弱チェリー及び強チェリーのいずれも、左リール31の図柄は「チェリー」であるが、左リール31の「チェリー」は、「PB≠1」配置である。よって、目押しをしなければ左リール31の停止時に「チェリー」を停止させることはできない。また、弱チェリー及び強チェリーのいずれも、中及び右リール31の図柄は、「PB=1」配置(中リール31は4図柄合算で「PB=1」)である。中及び右リール31については、目押しにかかわらず、それぞれ弱チェリー及び強チェリーに対応する図柄を有効ラインに停止させることができる。
【0179】
BB1テーブルは、条件装置「BB1」当選(単独当選)時の遊技、又は当該遊技以前にBB1に当選し、かつ当該遊技で非当選であるときに用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、BB1に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるとともに、BB1以外の役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させないように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
MB1の停止位置決定テーブル65についてもBB1テーブルと同様であり、MB1テーブルは、BB1テーブル中、「BB1」を「MB1」と読み替えたものに相当する。
【0180】
また、BB2テーブルは、BB2の当選フラグ63aのみがオンであるとき、すなわち当該遊技以前にBB2に当選し、かつ当該遊技で非当選であるときに用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、BB2に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるとともに、BB2以外の役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させないように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
BB3、BB4、MB2の停止位置決定テーブル65についてもBB2テーブルと同様であり、BB3、BB4、及びMB2テーブルは、BB2テーブル中、「BB2」をそれぞれ「BB3」、「BB4」、「MB2」と読み替えたものに相当する。
【0181】
「SBB+1枚役」テーブルは、SBBと1枚役の重複当選時(条件装置「SBB+1枚役」当選時)に用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、SBBに対応する図柄の組合せ、又は1枚役のいずれかの図柄の組合せを有効ラインに停止させるように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
【0182】
ここで、特別役と小役若しくはリプレイとが重複当選した場合、又は当該遊技以前に特別役に当選し、特別役の当選を持ち越している遊技で小役若しくはリプレイに当選した場合には、以下の停止制御が挙げられる。
たとえば第1に、当選している特別役及び小役又はリプレイの双方の図柄を有効ラインに停止させることを優先し、双方の図柄を有効ラインに停止させることができないときは、当選している小役又はリプレイの図柄を有効ラインに停止させることを優先する停止制御が挙げられる。
また第2に、当選している特別役及び小役又はリプレイの双方の図柄を有効ラインに停止させることを優先し、双方の図柄を有効ラインに停止させることができないときは、当選している特別役の図柄を有効ラインに停止させることを優先する(上記とは逆の)停止制御が挙げられる。
【0183】
さらにまた第3に、当選している小役又はリプレイの図柄を有効ラインに停止させることを優先するものの、当選している小役又はリプレイの図柄を有効ラインに停止させる際に、併せて、当選している特別役の図柄を同時に有効ラインに停止可能であるときは、その位置で停止させる停止制御が挙げられる。
本実施形態では、上記第3の停止制御を実行する。
【0184】
なお、当選している小役又はリプレイの図柄を有効ラインに停止させる際に、併せて、当選している特別役の図柄を同時に有効ラインに停止可能であるときは、その位置で停止させる停止制御を実行した場合であっても、当該遊技で、小役又はリプレイと、特別役とが同時入賞(重複入賞)することはない。スロットマシンの仕様によっては、複数種類の役が同時に入賞(重複入賞)する場合も考えられるが、本実施形態では、役は重複入賞しないように設定されている。なお、リール31の図柄配列上、重複入賞しないように設定されている。
したがって、役が重複入賞しないスロットマシンである場合、第一及び第二停止までに、小役又はリプレイと、特別役との双方がテンパイしたとしても、第三停止時には小役又はリプレイの入賞が優先され、特別役は入賞しない。
【0185】
また、特別役と小役又はリプレイの当選が同時に成立している遊技において、小役又はリプレイの図柄を有効ラインに停止させることを優先したが、小役又はリプレイの図柄を有効ラインに停止させることができず、かつ、特別役の図柄を有効ラインに停止させることができるときは、特別役の図柄を有効ラインに停止させるように制御する。
たとえば、
図2において、左リール31の停止時に、有効ラインに停止させたい図柄が5番の「黄カバン」であり、同時に成立している特別役の図柄が6番の「青7」であるとき、当該遊技では、5番の「黄カバン」を有効ラインに停止させることを優先する。ここで、5番の「黄カバン」を有効ラインに停止させるときに、併せて、6番の「青7」を有効ラインに停止可能であるときは、その位置で左リール31を停止させる。
また、5番の「黄カバン」を有効ラインに停止させることができないが、6番の「青7」を有効ラインに停止させることができるときは、6番の「青7」を有効ラインに停止させる。
【0186】
さらにまた、一般に、「リプレイ」は「PB=1」配置である。このため、特別役及びリプレイの当選が同時に成立している遊技において、リプレイの図柄を有効ラインに停止させることを優先したときは、リプレイの図柄を常に有効ラインに停止させることができる。
この場合、本実施形態における上記第3の停止制御では、「リプレイ」を有効ラインに停止させるときに、同時に、当選している特別役の図柄を有効ラインに停止させることができるときは、特別役の図柄を有効ラインに停止させる。
【0187】
たとえば、左リール31の停止時に、「リプレイ」を有効ラインに停止させる場合において、8番の「リプレイ」を有効ラインに停止させると仮定する。この遊技で、同時に当選している特別役の図柄が「青7」であるときは、6番の「青7」と8番の「リプレイ」を同時に有効ラインに停止可能であるとき(6番の「青7」が下段、8番の「リプレイ」が上段)は、その位置で左リール31を停止させることを意味する。
【0188】
さらにまた、小役又はリプレイの図柄を有効ラインに停止させる場合において、複数の図柄の組合せを有するときは、まず、上述した1枚役Aの当選時等と同様に、第1優先として、「当選している図柄の組合せを構成する図柄のすべてを有効ラインに停止させる」ことを優先する。そして、「当選している図柄の組合せを構成する図柄のすべてを有効ラインに停止させる」ことができないときは、第2優先として、「枚数優先」又は「個数優先」のいずれかによりリール31を停止制御する。
【0189】
本実施形態において「SBB+1枚役」テーブルが用いられた遊技では、上述したように、SBB(特別役)よりも、1枚役(小役)の図柄を有効ラインに停止させることを優先する。
ここで、本実施形態では、1枚役は、左右1枚役1〜左右1枚役3、及び中1枚役1〜中1枚役6からなる合計9種類である。
そして、たとえば左第一停止時に、1枚役の図柄を有効ラインに停止させるとき、1枚役の左リール31の図柄は、「リプレイ」、「白カバン」、「黄カバン」(合計3種類)であるので、第1優先では、これら3種類すべての図柄を有効ラインに停止させることを優先する。しかし、上述したように、これら3図柄を同時に有効ラインに停止させることができない。
【0190】
そこで次に、第2優先として、枚数優先又は個数優先により1枚役の図柄を有効ラインに停止させる。
枚数優先を採用したとき、すべて1枚役であるので、払出し枚数は同一であるから、いずれを優先してもよいこととなる。また、個数優先では、左第一停止時に、「リプレイ」を停止させたときが、有効ラインに停止可能となる図柄の組合せ数が最も多くなる(全部で12種類となる)。よって、個数優先の場合には、左第一停止時には「リプレイ」を有効ラインに停止させる。
本実施形態では、左第一停止時には、個数優先又は枚数優先により「リプレイ」を有効ラインに停止させる。上述したように、「リプレイ」は、「PB=1」で有効ラインに停止させることができる。また、3番の「リプレイ」を有効ラインに停止させる場合において、同時に、SBBに係る図柄である2番の「白7」を有効ラインに停止可能であるときは、その位置で左リール31を停止させる。
【0191】
本実施形態では、1枚役(左右1枚役1〜左右1枚役3、及び中1枚役1〜中1枚役6)は、合算すると「PB=1」に設定されている。したがって、「SBB+1枚役テーブル」が用いられた遊技では、常に、1枚役を入賞させることができる。
左第一停止時に上記のように「リプレイ」を有効ラインに停止させたとき、中リール31の停止時には、「白カバン/黄カバン/羽根」(合算で「PB=1」)を有効ラインに停止させる。また、右リール31の停止時には、「青7/赤7/白7/BAR」(合算で「PB=1」)を有効ラインに停止させる。
【0192】
また、中第一停止時には、個数優先を採用し、「チェリー」を有効ラインに停止させる。その後、左リール31の停止時には、「白カバン/黄カバン」(合算で「PB=1」)を有効ラインに停止させる。また、右リール31の停止時には、「白カバン/黄カバン/羽根」(合算で「PB=1」)を有効ラインに停止させる。
【0193】
さらにまた、右第一停止時には、枚数優先又は個数優先を用いて、「青7/赤7/白7/BAR」を有効ラインに停止させる。その後、左リール31の停止時には「リプレイ」を有効ラインに停止させ、中リール31の停止時には「白カバン/黄カバン/羽根」を有効ラインに停止させる。
よって、本実施形態では、「SBB+1枚役」テーブルが用いられた遊技では、常にいずれかの1枚役が入賞し、SBBが入賞する場合はない(SBBの当選は次遊技に持ち越される)。
【0194】
「BB2+1枚役」テーブル、「MB1+1枚役」テーブルについても、上記「SBB+1枚役」テーブルと同様である。「BB2+1枚役」テーブル、「MB1+1枚役」テーブルは、「SBB+1枚役」テーブルの説明中、「SBB」を、それぞれ「BB1」、「MB1」と読み替えたものに相当する。
【0195】
「SBB+弱チャンス目A」テーブルは、SBBと弱チャンス目Aの重複当選時に用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、SBB又は弱チャンス目Aに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
【0196】
この場合も上記と同様に、弱チャンス目Aの図柄を有効ラインに停止させることを優先し、弱チャンス目Aの図柄を有効ラインに停止させるときに、同時に、SBBに係る図柄を有効ラインに停止させることができるときはその位置でリール31を停止させる。また、弱チャンス目Aの図柄を有効ラインに停止させることができないが、SBBに係る図柄を有効ラインに停止させることができるときはその位置でリール31を停止させる。
【0197】
たとえば、左第一停止時には、弱チャンス目Aに係る図柄である「リプレイ」を有効ラインに停止させる。このとき、SBBに係る図柄である「白7」を同時に有効ラインに停止可能であるときは、その位置で左リール31を停止させる。上述したように、左リール31の停止時に、2番の「白7」と3番の「リプレイ」とを同時に有効ラインに停止させることが挙げられる。
なお、SBB、及び弱チャンス目Aのいずれも「PB≠1」であるので(弱チャンス目Aについては、中リール31が「PB≠1」)、弱チャンス目Aが停止する場合、SBBが停止する場合、いずれも停止しない場合(役非入賞)が挙げられる。
【0198】
「BB2+弱チャンス目A」テーブルは、上記「SBB+弱チャンス目A」テーブルにおいて、「SBB」をそれぞれ「BB2」、「白7」を「青7」と読み替えたものに相当する。また、左第一停止時に「青7」と「リプレイ」とが同時に有効ラインに停止する停止位置としては、6番の「青7」が左下段、8番の「リプレイ」が左上段に停止する場合が挙げられる。
また、「MB1+弱チャンス目A」テーブルは、上記「SBB+弱チャンス目A」テーブルにおいて、「SBB」を「MB1」、「白7」を「赤7」と読み替えたものに相当する。また、左第一停止時に「赤7」と「リプレイ」とが同時に有効ラインに停止する停止位置としては、16番の「赤7」が左下段、18番の「リプレイ」が左上段に停止する場合が挙げられる。
【0199】
「BB2+弱チャンス目B」テーブルは、BB2と弱チャンス目Bの重複当選時に用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、BB2又は弱チャンス目Bに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
そして、上記と同様に、弱チャンス目Bの図柄を有効ラインに停止させることを優先し、弱チャンス目Bの図柄を有効ラインに停止させるときに同時にBB2に係る図柄を停止させることができるときはその位置でリール31を停止させる。また、弱チャンス目Bの図柄を有効ラインに停止させることができないが、BB2に係る図柄を有効ラインに停止させることができるときは、その位置でリール31を停止させる。
【0200】
たとえば、左第一停止時には、弱チャンス目Bの図柄である「リプレイ」を有効ラインに停止させるが、同時に、BB2に係る図柄である「青7」を有効ラインに停止可能であるときは、その位置で左リール31を停止させる。具体的には、6番の「青7」(BB2に係る図柄)と、8番の「リプレイ」(弱チャンス目Bに係る図柄)とが同時に有効ラインに停止させることが挙げられる。
【0201】
なお、BB2及び弱チャンス目Bのいずれも「PB≠1」であるので(弱チャンス目Bについては、中リール31が「PB≠1」)、弱チャンス目Bが停止する場合、SBBが停止する場合、いずれも停止しない場合(役非入賞)が挙げられる。
また、「MB2+弱チャンス目B」テーブルは、上記「BB2+弱チャンス目B」テーブルにおいて、「BB2」を「MB2」と読み替えたものに相当する。
【0202】
「BB3+強チャンス目」テーブルは、BB3と強チャンス目の重複当選時に用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、BB3又は強チャンス目に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
そして、上記と同様に、強チャンス目の図柄を有効ラインに停止させることを優先するとともに、強チャンス目の図柄を有効ラインに停止させるときに、同時に、BB3に係る図柄を有効ラインに停止可能であるときは、その位置でリール31を停止させる。
【0203】
ここで、強チャンス目の図柄の組合せは、
図6に示すように「白カバン/黄カバン」−「チェリー」−「白カバン/黄カバン/羽根」である。そして、左リール31において「白カバン/黄カバン」は2図柄合算で「PB=1」、中リール31の「チェリー」は「PB=1」、右リール31の「白カバン/黄カバン/羽根」は3図柄合算で「PB=1」配置である。よって、強チャンス目は、「PB=1」である。
【0204】
たとえば左第一停止時には、強チャンス目の図柄である「白カバン/黄カバン」を有効ラインに停止させるが、このとき、BB3に係る図柄である「赤7」を有効ラインに停止可能であるときは、その位置で左リール31を停止させる。具体的には、15番の「白カバン」と16番の「赤7」を同時に有効ラインに停止させることが挙げられる。
また、「MB2+強チャンス目」テーブルは、上記「BB3+強チャンス目」テーブルにおいて、「BB3」を「MB2」と読み替え、「赤7」を「青7」と読み替えたものに相当する。
【0205】
「BB1+通常リプレイ」テーブルは、BB1及び通常リプレイに重複当選した遊技で用いられ、上述したように、リプレイの図柄を有効ラインに停止させることを優先するが、リプレイの図柄を有効ラインに停止させると同時にBB1の図柄を有効ラインに停止可能であるときは、その位置でリール31を停止させる。
たとえば左第一停止時に16番の「赤7」と18番の「リプレイ」とを同時に有効ラインに停止させることができるときはその位置で左リール31を停止させ、16番の「赤7」を有効ラインに停止させることができないときは、「リプレイ」を有効ラインに停止させる。そして、通常リプレイは「PB=1」であるので、通常リプレイに対応する図柄の組合せが常に有効ラインに停止する。したがって、当該遊技でBB1が入賞する場合はなく、BB1の当選は常に次遊技に持ち越される。
【0206】
「BB1+共通ベル」テーブルは、BB1及び共通ベルに重複当選した遊技で用いられ、共通ベルを有効ラインに停止させることを優先するが、共通ベルを有効ラインに停止させると同時にBB1の図柄を有効ラインに停止可能であるときは、その位置でリール31を停止させる。
たとえば左第一停止時に16番の「赤7」を有効ラインに停止させることができるときはその位置で左リール31を停止させ、16番の「赤7」を有効ラインに停止させることができないときは、所定位置に停止させる。中リール31の停止時には中段に「ベル」を停止させる。そして、共通ベルは「PB=1」であるので、共通ベルに対応する図柄の組合せが常に有効ラインに停止する。したがって、当該遊技でBB1が入賞する場合はなく、BB1の当選は常に次遊技に持ち越される。
【0207】
「BB3+カバン」テーブルは、BB3及びカバンに重複当選した遊技で用いられ、「白カバン」を有効ラインに停止させることを優先するが、「白カバン」を有効ラインに停止させると同時にBB3の図柄を有効ラインに停止可能であるときは、その位置でリール31を停止させる。
たとえば左第一停止時に、15番の「白カバン」と16番の「赤7」を同時に有効ラインに停止させることができるときはその位置で左リール31を停止させ、16番の「赤7」を有効ラインに停止させることができない場合において、「白カバン」を有効ラインに停止させることができるときは、その位置で左リール31を停止させる。
また、本実施形態では、カバン及びBB3のいずれも「PB≠1」である。よって、当該遊技では、カバンが入賞する場合、BB3が入賞する場合、役の非入賞時とがあり得る。
【0208】
「BB4+弱チェリー」テーブルは、上記「BB3+カバン」テーブルにおいて、「BB3」を「BB4」と置き換え、「カバン」を「弱チェリー」と置き換えたものに相当する。また、左第一停止時に、「青7」と「チェリー」を同時に有効ラインに停止させることができる停止位置は存在しない。よって、左第一停止時に、「チェリー」を有効ラインに停止可能であるときは「チェリー」を有効ラインに停止させ、「チェリー」を有効ラインに停止させることができないが「青7」を有効ラインに停止させるときはその位置で左リール31を停止させる。
【0209】
また、「BB4+強チェリー」テーブルは、上記「BB4+弱チェリー」テーブルにおいて、「弱チェリー」を「強チェリー」と置き換えたものに相当する。
さらにまた、「MB2+強チェリー」テーブルは、上記「BB4+弱チェリー」テーブルにおいて、「BB4」を「MB2」と置き換え、「弱チェリー」を「強チェリー」と置き換えたものに相当する。
なお、弱チェリー及び強チェリーのいずれも、左リール31(「チェリー」)が「PB≠1」であり、中及び右リール31が「PB=1」配置である。
【0210】
全小役テーブルは、MB遊技中に用いられ、すべての小役の当選フラグ63aがオンとなる遊技であり、いずれかの小役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるように、リール31の停止位置を定めたものである。本実施形態では、全小役テーブルが用いられたときは、枚数優先により、ベルを有効ラインに停止させる(中リール31の停止時に、「ベル」を中段に停止させる)ように制御する。
【0211】
また、本実施形態では、MB遊技中、すなわち全小役テーブルが用いられた遊技では、左及び中リール31については190ms(最大移動コマ数が4コマ以内)の停止制御が行われ、右リール31については75ms以内(最大移動コマ数が0コマ又は1コマ)の停止制御が行われる。
【0212】
非当選テーブルは、すべての当選フラグ63aがオフであるときに用いられ、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効ラインに停止しないように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
【0213】
また、特別役内部中遊技における小役又はリプレイ当選時は、上述した特別役と小役又はリプレイの重複当選時と同様である。すなわち、当該遊技で当選した小役又はリプレイの図柄を有効ラインに停止させることを優先するとともに、小役又はリプレイの図柄を有効ラインに停止させると同時に当選している特別役に係る図柄を有効ラインに停止可能であるときはその位置でリール31を停止させる。さらに、小役又はリプレイの図柄を有効ラインに停止させることができないときは、当選を持ちしている特別役の図柄を有効ラインに停止させる。なお、本実施形態では「リプレイ」は「PB=1」配置であるので、「リプレイ」を有効ラインに停止させることができない場合はない。
【0214】
説明を
図1に戻す。
停止図柄判断手段66は、リール31の停止時に、有効ラインに停止したリール31の図柄の組合せが、いずれかの役に対応する図柄の組合せと一致するか否かを判断するものである。停止図柄判断手段66は、たとえばモータ32の停止時の角度やステップ数等を検知することにより、有効ライン上の図柄を判断する。
【0215】
払出し手段67は、停止図柄判断手段66により、リール31の停止時に有効ラインに停止した図柄の組合せがいずれかの役に対応する図柄の組合せと一致すると判断され、その役の入賞となったときに、その入賞役に応じて所定枚数のメダルを遊技者に対して払い出すか、又はクレジットの加算等の処理を行うものである。また、リプレイの入賞時には、メダルを払い出すことなく、当該遊技で投入されたメダル枚数を自動投入するように制御する。
【0216】
遊技状態制御手段68は、遊技状態の移行条件を満たしたか否かを判断し、遊技状態の移行条件を満たすと判断したときに、遊技状態の移行を制御するものである。
ここで、「遊技状態」とは、本実施形態ではRTを指す。
図21は、遊技状態(RT)の移行を説明する図である。
まず、RT1、非RT、RT2、RT3は、いずれも非内部中遊技であり、これらの非内部中遊技では、当選役に特別役を含む条件装置の抽選が行われる。そして、特別役に当選したときは、遊技状態の移行条件を満たすと判断され、内部中遊技に相当するRT4に移行する。
【0217】
RT4は、当選した特別役が入賞するまで継続される。当選した特別役が入賞すると、RT5又はRT6に移行する。本実施形態では、RT5はBB遊技であり、RT6はMB遊技である。非内部中遊技においてSBB、BB1〜BB4のいずれかに当選し、これらのSBB、BB1〜BB4が入賞すると、RT5(BB遊技)に移行する。
また、非内部中遊技においてMB1又はMB2のいずれかに当選し、これらのMB1又はMB2が入賞すると、RT6(MB遊技)に移行する。
【0218】
RT5のBB遊技は、入賞したBBの種類によって終了条件が異なるように設定されている。たとえばSBBの入賞によりRT5に移行したときは、遊技状態制御手段68は、RT5での払出し枚数が350枚を超えるまで継続するように制御する。そして、遊技状態制御手段68は、払出し枚数が350枚を超えたと判断したときはRT5を終了し、RT1(非内部中遊技)に移行するように制御する。
【0219】
また、BB1〜BB4の入賞によりRT5に移行したときは、遊技状態制御手段68は、RT5での払出し枚数が200枚を超えるまで継続するように制御する。そして、遊技状態制御手段68は、払出し枚数が200枚を超えたと判断したときはRT5を終了し、RT1(非内部中遊技)に移行するように制御する。
【0220】
さらにまた、MB1又はMB2の入賞によりRT6に移行したときは、遊技状態制御手段68は、RT6での払出し枚数が100枚を超えるまで継続するように制御する。そして、遊技状態制御手段68は、払出し枚数が100枚を超えたと判断したときはRT6を終了し、RT1(非内部中遊技)に移行するように制御する。
【0221】
遊技状態制御手段68は、RT1では、1枚役A〜1枚役Cのいずれかに当選し、かつ、左右1枚役こぼし目又は中1枚役こぼし目が停止するまで継続するように制御する。遊技状態制御手段68は、左右1枚役こぼし目又は中1枚役こぼし目が停止したと判断したときは、RT1の終了条件を満たすと判断し、次遊技から、非RTに移行するように制御する。
【0222】
非RTでは、上述したように、「パンク+維持リプレイ」及び「パンク+昇格リプレイ」が抽選される。そして、遊技状態制御手段68は、非RTにおいてパンクリプレイが表示されたときはRT2に移行し、昇格リプレイが表示されたときはRT3に移行する。なお、非RTにおいて通常リプレイが表示されたとき及び維持リプレイが表示されたときは、RTの移行条件を満たさず、非RTを維持する。
【0223】
非RTからRT2に移行したときは、遊技状態制御手段68は、そのRT2は、特別役に当選するか、又は999遊技を消化するまで継続するように制御する。RT2において特別役に当選したときはRT4に移行し、999遊技を消化したときは非RTに移行するように制御する。
これに対し、非RTからRT3に移行したときは、そのRT3は、特別役に当選するか、又は30遊技を消化するまで継続するように制御する。RT3において特別役に当選したときはRT4に移行し、30遊技を消化したときは非RTに移行するように制御する。
【0224】
メイン状態(AT)制御手段69は、ATの決定、抽選、実行等を制御するものである。
本実施形態において、ATとは、リプレイの当選確率を高くしたARTであり、RT3(リプレイ高確率遊技)に滞在させるとともに、遊技者にとって有利なストップスイッチ42の押し順を報知する遊技である。
【0225】
たとえば、非RTにおいて、ATの実行権利を有しているときは、「パンク+維持リプレイ」の当選時に、維持リプレイを入賞させる押し順を報知する。この押し順に従ってストップスイッチ42を操作すれば、維持リプレイが入賞し、パンクリプレイは入賞しないので、非RTからRT2に移行することを回避することができる。
【0226】
また、非RTにおいてATの実行権利を有しているときは、「パンク+昇格リプレイ」の当選時に、昇格リプレイを入賞させる押し順を報知する。この押し順に従ってストップスイッチ42を操作すれば、昇格リプレイが入賞するので、非RTからRT3(ART)に移行することができる。
【0227】
さらに、非RTにおいてATの実行権利を有するときは、ベル重複当選時に、正解押し順を報知する。これにより、ベル重複当選時に報知された押し順に従ってストップスイッチ42を操作すれば、ベルを3ライン重複入賞させることができる。
RT3(ART)では、リプレイ重複抽選を行わないので、リプレイ当選時の押し順は報知されない。また、ベル重複当選時は、上記と同様に、正解押し順を報知する。さらに、チェリー又はカバン当選時は、その旨(当選役の種類)を報知する。
【0228】
まず、本実施形態では、SBB当選時は、BB遊技の終了後に、ATを付与するように制御する。さらに、ATを付与するときは、非RTにおいて昇格リプレイのナビ回数を抽選で決定する。
たとえば、SBBに当選し(ATを付与し)、かつナビ回数「3」に当選したと仮定する。この場合、非RTにおいて、「パンク+昇格リプレイ」当選時に、昇格リプレイを入賞させる押し順を報知する。これにより、「非RTにおいて昇格リプレイ押し順報知(1回目)→RT3に移行(ART1回目)→30遊技消化後、非RTに移行→昇格リプレイ押し順報知(2回目)→RT3に移行(ART2回目)→30遊技消化後、非RTに移行→昇格リプレイ押し順報知(3回目)→RT3に移行(ART3回目)→30遊技消化後、非RTに移行」のように遊技状態が移行する。
【0229】
また、BB1〜BB4当選時は、RT5終了時に、ATを付与するか否か、及びATを付与する場合にはナビ回数を抽選で決定する。なお、ATに係る決定及び抽選は、RT5終了時に限らず、BB遊技移行時やBB遊技中に実行してもよい。たとえば本実施形態では、BB遊技中は、共通ベルに当選するように設定されているが、BB遊技中の共通ベル当選時(すなわち本実施形態では毎遊技)、「1/30」等の確率でATに当選するように設定することが挙げられる。
また、MB1及びMB2当選時には、ATを付与しないので、AT抽選を行わない。ただし、これに限らず、BB当選時と同様にAT抽選を実行してもよい。また、このときのATの当選確率は、BBと同一又は異なる確率としてもよい。
【0230】
ATに当選した後、ナビ回数が「0」となり、非RTに移行したときは、その後の「パンク+昇格リプレイ」当選時に、昇格リプレイを入賞させる押し順は報知されない。
したがって、「パンク+維持リプレイ」当選時に、パンクリプレイが入賞してRT2に移行するか、又は「パンク+昇格リプレイ」当選時に、パンクリプレイが入賞してRT2に移行する。
【0231】
また、ナビ回数が「0」となった後、非RTにおいて「パンク+昇格リプレイ」当選時に、遊技者が昇格リプレイを入賞させたときは、RT3に移行する。この場合には、ATを実行することなくRT3を30遊技消化して非RTに戻るようにしてもよいが、本実施形態では、RT3に移行したときは、ATを付与するように制御する。すなわち、非RTにおいて「パンク+昇格リプレイ」に当選し、昇格リプレイを入賞させたときは、遊技者の自力AT当選となるように制御する。
【0232】
したがって、ナビ回数が「0」となった後でも、非RTにおいて、「パンク+昇格リプレイ」当選時は、「1/3」の確率で昇格リプレイを入賞させることができるので、ナビ回数が「0」であっても「1/3」の確率でATを実行することができる。
また、MB遊技終了時には、AT(ナビ回数)を付与しないこととしたが、その後に移行した非RTにおいて昇格リプレイを入賞させたときは、MB遊技終了後であってもRT3に移行し、ATを実行することができる。
【0233】
また、ナビ回数が「1」以上有する状態の非RTにおいて特別役に当選したときは、そのナビ回数は維持される。その結果、特別遊技の終了後、非RTにおいて、ナビ回数が「1」以上であれば、「パンク+昇格リプレイ」当選時に昇格リプレイを入賞させるための押し順を報知する。
たとえば、ナビ回数が「2」であるときに非RTに滞在しており、SBBに当選し、SBBの当選に基づいてナビ回数「3」に当選したときは、ナビ回数の全ストックは「5」となり、BB遊技終了後に、RT3に5回移行する(ARTを5回実行する)権利を有する。
さらにまた、RT3すなわちAT実行中に特別役に当選したときは、特別遊技終了後に再度RT3に移行させ、最初からRT3を実行してもよい。あるいは、特別役当選時におけるRT3の残り遊技回数を記憶しておき、特別遊技終了後に再度RT3に移行させ、残り遊技回数だけRT3を実行してもよい。
【0234】
RT2において999遊技を消化したときは、いわゆる天井ATの権利が発生する。したがって、RT2から非RTに戻ると、特別役に当選するまで、非RTにおいて「パンク+昇格リプレイ」当選時に昇格リプレイを入賞させるための押し順を報知する。これにより、天井到達時は、次に特別役に当選するまで、非RTとRT3とを行き来し、ATを継続することができる。
また、RT3から非RTに移行した後、ナビ回数が「1」以上のように再度RT3に移行する権利を有する場合、当該非RTにおいて、ベル重複当選時に正解押し順を報知するか否かは任意である。
【0235】
なお、本実施形態において、特別遊技(RT5又はRT6)の終了後、RT1に移行し、このRT1においていずれかの1枚役に当選したときでも、当選した1枚役の種類等の報知は行わない。本実施形態では、RT1から速やかに非RTに移行させることを目的としているためである。
また、1枚役は、RT1以外でも抽選が行われるが、こぼし目出現時に遊技状態を移行させるのは、RT1のみである。他のRT(非RTを含む)では、1枚役当選時に、1枚役が入賞したり、こぼし目が出現しても、RT移行はない。
【0236】
図1において、サブ送信手段70は、メイン制御手段60からサブ制御手段80に対し、各種の情報(コマンド)を送信する手段である。送信される情報としては、メダルが投入された旨の情報、スタートスイッチ41が操作された旨の情報、当選した条件装置(当選役)の情報、リール31の回転が開始された旨の情報、ストップスイッチ42が操作されたかの情報、リール31が停止した旨の情報、各リール31の停止位置(有効ラインに停止した図柄)の情報、入賞役の情報、メダルの払出しの情報、遊技状態(非内部中、内部中、特別遊技中)及び内部状態(非AT、AT)の情報等が挙げられる。
【0237】
また、メイン制御手段60は、外部端子基板100と電気的に接続されている。そして、外端信号送信手段71は、ATを実行することに決定されたときに、外部端子基板100に対して外端信号(ATの実行信号)を送信する。その外端信号は、たとえば外部端子基板100から、遊技情報表示装置110やホールコンピュータ等に送信される。
本実施形態では、外端信号送信手段71は、ATの開始時、すなわち非RTにおいて昇格リプレイの入賞時に送信する。なお、これに限らず、AT当選時から、そのAT終了時までの間において、どのタイミングで外端信号を送信してもよい。たとえば、他の例として、AT当選時や、ATの最初の遊技開始時等が挙げられる。
【0238】
図1において、サブ制御手段80は、演出制御手段81等を備える。
演出制御手段81は、上述したランプ21、スピーカ22、及び画像表示装置23からの演出の出力を制御するものである。
演出制御手段81は、遊技ごとに、遊技の開始時等に、抽選手段61による抽選結果に基づいて、ソフトウェア乱数を用いた抽選によって演出を選択し、出力する。
【0239】
演出制御手段81は、遊技ごとに、抽選手段61による抽選結果に基づいて、演出内容を選択する。特に本実施形態では、複数種類の演出内容が予め設けられている。そして、演出制御手段81は、遊技の開始時等に、抽選手段61による役の抽選が行われた後、ソフトウェア乱数を用いた抽選によって演出内容を選択する。
【0240】
また、演出内容は、当選役及び遊技状態等に応じて、それぞれ複数種類が設けられている。たとえば、小役(チェリー、スイカ、ベル等)当選時、リプレイ当選時、非当選時等というように、それぞれ複数種類の演出内容が設けられている。
演出内容は、遊技の進行に伴って、どのようなタイミングで(スタートスイッチ41の操作時や各ストップスイッチ42の操作時等)、どのような演出を出力するか(ランプ21をどのように点灯、点滅又は消灯させるか、スピーカ22からどのようなサウンドを出力するか、及び画像表示装置23にどのような画像を表示させるか等)を定めたものである。
そして、演出制御手段81は、選択した演出内容に従い、所定のタイミングで演出出力機器から演出を出力するように制御する。
【0241】
サブ状態制御手段82は、メイン状態(非内部中、内部中、特別遊技中、非AT中、AT中)に合わせて、それぞれ適切な演出を出力するものである。たとえば、非内部中かつ非AT中は、いわゆる通常遊技中に相当するので、通常遊技中用の演出を出力する。また、特別遊技中やAT中は、それぞれ、これらの遊技状態特有の演出を出力する。
さらに、上述したように、ATを付与したとき(ナビ回数が「1」以上であるとき)は、非RTにおいて、「パンク+昇格リプレイ」当選時に昇格リプレイを入賞させる押し順を報知し、「パンク+維持リプレイ」当選時に維持リプレイを入賞させる押し順を報知する。さらに、ナビ回数が「1」以上であるときの非RT、又はRT3では、ベル重複当選時に正解押し順を報知する。
【0242】
また、ナビ回数「0」であるときの非RT(RT2から移行した場合を除く)において、「パンク+維持リプレイ」当選時に、押し順三択(1/3)で現RTが維持される旨の報知を行う。また、「パンク+昇格リプレイ」当選時に、押し順三択(1/3)でARTに移行する旨の報知等を行う。
【0243】
<第2実施形態>
図22は、第2実施形態における有効ラインを示す図である。
第1実施形態では、
図2に示すように、4本の有効ラインL1〜L4から構成したが、これに限らず、本発明では、最低3本の有効ラインにより構成することが可能である。
最低3本の有効ラインを設けることにより、重複ラインで停止する停止位置と、単ラインで停止する停止位置とを設けることができるためである。
【0244】
たとえば、
図22(A)の例では、左第一停止時には、左上段で停止させると重複ラインでの停止となり、左中段で停止させると単ラインでの停止となる。また、中第一停止時には、中上段で停止させると単ラインでの停止となり、中中段で停止させると重複ラインでの停止となる。さらにまた、右第一停止時には、右上段、右中段、右下段のいずれの位置で停止させても単ライン停止となる。
【0245】
図22(A)のように有効ラインを設定した場合においても、第1実施形態と同様に1枚役A〜Cの抽選を行い、それぞれ枚数優先により、第一停止時には単ラインの停止位置に対象図柄を停止させる。
たとえば1枚役A当選時において、左第一停止時には、第1実施形態と同様に「リプレイ」を中段に停止させる。これにより、第1実施形態と同様に、左右1枚役1が停止可能となる有効ラインは、第一停止時点で有効ラインL2に確定する。
【0246】
また、同様に1枚役A当選時において、中第一停止時には、第1実施形態と同様に「チェリー」を上段に停止させる。これにより、第1実施形態と同様に、中1枚役1又は4が停止可能となる有効ラインは、第一停止時点で有効ラインL1に確定する。
【0247】
さらにまた、1枚役A当選時において、右第一停止時は、第1実施形態と異なり、いずれの位置で1枚役に係る図柄を停止させても単ライン停止となるので、いずれの位置で停止することも可能となる。たとえば第1実施形態で停止不可能であった上段に「青7/赤7/白7/BAR」を停止させることも可能である。
同様に、中段又は下段でも停止可能である。
【0248】
図22中、(B)は、(A)と対称となるように有効ラインを設定した例を示している。図中、(B)に示すように、左、中及び右リール31の各下段を通る有効ラインL5を設け、左及び中リール31に対し、重複ラインとなる停止位置と、単ラインとなる停止位置とを設けたものである。
【0249】
さらに、
図22中、(C)は、(A)の有効ラインL1及びL2と、(B)の有効ラインL4との組合せである。このようにすれば、左リール31の停止位置は全部単ライン、中及び右リール31の停止位置は単ラインと重複ラインとを有する。
また、
図22中、(D)は、(B)の有効ラインL2及びL5と、(A)の有効ラインL3との組合せである。このようにすれば、左リール31の停止位置は全部単ライン、中及び右リール31の停止位置は単ラインと重複ラインとを有する。
【0250】
さらにまた、
図22中、(E)は、(A)の有効ラインL1及びL2と、「左上段」−「中中段」−「右上段」の有効ラインL6(屈曲線状の有効ライン)との組合せである。このようにすれば、全リール31において、単ラインの停止位置と重複ラインの停止位置とを有する。
また、
図22中、(F)は、(B)の有効ラインL2及びL5と、「左下段」−「中中段」−「右下段」の有効ラインL7(屈曲線状の有効ライン)との組合せである。このようにすれば、全リール31において、単ラインの停止位置と重複ラインの停止位置とを有する。
【0251】
以上のように、最低3本の有効ラインを用いて、単ラインの停止位置と重複ラインの停止位置とを設けることができる。
なお、最低3本の有効ラインを有し、単ラインの停止位置と重複ラインの停止位置とを設ければよいので、たとえば
図22(A)中、「左下段」−「中下段」−「右下段」の有効ラインをさらに追加したり、
図22(B)中、「左上段」−「中上段」−「右上段」の有効ラインをさらに追加したりしてもよい。
【0252】
同様に、
図22(E)中、「左下段」−「中下段」−「右下段」の有効ラインをさらに追加したり、
図22(F)中、「左上段」−「中上段」−「右上段」の有効ラインをさらに追加したりしてもよい。
たとえば
図22(E)中、「左下段」−「中下段」−「右下段」の有効ラインをさらに追加した場合、左又は右第一停止時には中段又は下段のいずれかに1枚役に係る図柄を停止させ、中第一停止時には上段又は下段のいずれかに1枚役に係る図柄を停止させればよい。
【0253】
<第3実施形態>
図23は、第3実施形態におけるリール31の図柄配列を示す図である。また、
図24は、第3実施形態における有効ラインを示す図である。
図23に示すように、リール31の図柄数は、第1実施形態と同様に「20」である。さらに、全リール31において、「リプレイ」は、5図柄間隔で配置されている(「PB=1」配置)。また、中及び右リール31において、「チェリー」は、5図柄間隔で配置されている(「PB=1」配置)。さらにまた、左リール31において、「ベル」は、5図柄間隔で配置されている(「PB=1」配置)。
【0254】
また、「赤7」、「青7」、「BAR」、「白7」は、全リール31ともに、それぞれ1個ずつ配置されており、かつ5図柄間隔で配置されている。したがって、「赤7/青7/BAR/白7」の4図柄合算では、「PB=1」配置である。
以上より、いずれの位置でストップスイッチ42が操作されても「リプレイ」を有効ラインに停止させることができ、かつ、「赤7」、「青7」、「BAR」又は「白7」のいずれか1つを有効ラインに停止させることができる。
なお、
図23では、第3実施形態で説明する主要図柄のみを表示したものであり、図中、空白になっているコマにも所定の図柄が表示されている(
図23では図示を省略している)。
【0255】
また、第1実施形態では、第一停止時には単ライン位置に対象図柄を停止させるように制御した。これに対し、第3実施形態では、第一停止時に重複ラインに対象図柄を停止させる場合を有する。
図24において、(A)は、有効ラインが3本である例を示している。この例の場合には、左及び右リール31には、それぞれ単ラインの停止位置のみである。これに対し、中リール31では、中段のみが有効ライン上に位置し、かつ複数の有効ライン上に位置する停止位置である。したがって、中リール31には、複数ライン上に位置する停止位置(中段)のみが存在し、単ライン上の停止位置は存在しない。
【0256】
図24(B)は、同図(A)の有効ラインに加え、さらに2本のV状(屈曲線状)の有効ラインを設けたものである。有効ラインL14は、「左上段」−「中中段」−「右上段」であり、有効ラインL15は、「左下段」−「中中段」−「右下段」である。この場合には、左及び右リール31には、それぞれ単ラインの停止位置(中段)と、重複ラインの停止位置(上段又は下段)とを有する。これに対し、中リール31には、複数ライン上に位置する停止位置(中段)のみが存在し、単ラインの停止位置は存在しない。
【0257】
図25は、第3実施形態において抽選される1枚役A〜1枚役Dを示す図である。1枚役Aは、1枚役1〜1枚役4の重複当選であり、1枚役Bは、1枚役5〜1枚役8の重複当選である。同様に、1枚役Cは、1枚役9〜1枚役12の重複当選であり、1枚役Dは、1枚役13〜1枚役16の重複当選である。ここで、1枚役4、8、12、16は、制御用としての1枚役であり、入賞する場合はない。
以上の1枚役1〜16は、いずれも、「リプレイ」と、「青7/赤7/白7/BAR」からなる図柄の組合せである。
さらに、有効ラインに停止可能となる1枚役1〜3、1枚役5〜7、1枚役9〜11、1枚役13〜15の図柄の組合せは、2つの「リプレイ」と1つの「青7/赤7/白7/BAR」からなる。
【0258】
次に、1枚役当選時におけるリール31の停止制御について説明する。
図26は、1枚役A当選時、かつ左中右の押し順でのリール停止制御を示す図である。
1枚役A当選時の左第一停止時において、第1実施形態と同様に、当選している役の左リール31の図柄のすべて(「リプレイ」、「赤7」、「青7」)が同時に有効ラインに停止可能な停止位置は存在しない。したがって、個数優先又は枚数優先においてリール31を停止制御する。個数優先を採用する場合には、左第一停止時に停止させる図柄は「リプレイ」となる。また、枚数優先を採用する場合には、すべて1枚であるので、どの図柄の組合せを優先して有効ラインに停止させてもよいものとなる。
【0259】
図中、(A)に示すように、本実施形態では、左第一停止時には、個数優先又は枚数優先により、「リプレイ」を中段に停止させる。「リプレイ」は、「PB=1」で中段に停止する。
また、中第二停止時には、「リプレイ」を中段に停止させる(図中、(B))。「リプレイ」は、「PB=1」で中段に停止する。
次に、右第三停止時には、「赤7」が有効ライン(中段)に停止可能であるときはその位置で停止させる(図中、(C))。これにより、1枚役1の入賞となる。なお、有効ラインL11上に「リプレイ」−「リプレイ」−「回転中」となり、遊技者が1枚役A〜Dのいずれかの当選であると予測したとき、右リール31の図柄は、「赤7」、「青7」、「BAR」又は「白7」のいずれか1つ、すなわち四択(四者択一)となるので(
図25参照)、正解率「1/4」で入賞させることができる。
【0260】
また、右リール31の停止時に「赤7」を中段に停止させることができないときは、「チェリー」を有効ラインに停止させる。「チェリー」は、「PB=1」で中段に停止させることができる(図中、(D))。この場合に表示される「リプレイ」−「リプレイ」−「チェリー」は、1枚役A当選時のこぼし目である。
【0261】
図27は、1枚役A当選時、かつ左右中の押し順でのリール停止制御を示す図である。図中、(A)に示すように、左第一停止時には、上記と同様に「リプレイ」を中段に停止させる(PB=1)。また、右第二停止時には、「リプレイ」を中段に停止させる(PB=1)(図中、(B))。
次に、中第三停止時には、「赤7」が有効ライン(中段)に停止可能であるときはその位置で停止させる(図中、(C))。これにより、1枚役2の入賞となる。なお、有効ラインL11上に「リプレイ」−「回転中」−「リプレイ」となり、遊技者が1枚役A〜Dのいずれかの当選であると予測したとき、中リール31の図柄は、「赤7」、「青7」、「BAR」又は「白7」のいずれか1つ、すなわち四択となるので、正解率「1/4」で入賞させることができる。
【0262】
また、中リール31の停止時に「赤7」を中段に停止させることができないときは、「チェリー」を有効ラインに停止させる(PB=1)(図中、(D))。この場合に表示される「リプレイ」−「チェリー」−「リプレイ」は、1枚役A当選時のこぼし目である。
【0263】
以上のようにして、左第一停止時において、
図24中、(A)の有効ラインである場合には、第一停止は単ライン位置での停止となり、
図24中、(B)の有効ラインである場合には、第一停止は、単ラインの停止位置と複数ラインの停止位置とを有する場合の単ラインの停止となる。
【0264】
図28は、1枚役A当選時、かつ中左右の押し順でのリール停止制御を示す図である。図中、(A)に示すように、中第一停止時には、「リプレイ」を中段に停止させる(PB=1)(個数優先又は枚数優先)。すなわち、中第一停止時は、
図24(A)及び(B)のいずれの有効ラインであっても、複数ラインの停止位置(中段)のみが存在するので、この複数ラインの停止位置(中段)に「リプレイ」を停止させる。よって、中第一停止時に、単ラインの停止位置と複数ラインの停止位置とを有する場合に単ラインに停止させる第1実施形態と異なる。
【0265】
次に、左第二停止時には、「リプレイ」を中段に停止させる(PB=1)(図中、(B))。さらに、右第三停止時には、「赤7」が有効ライン(中段)に停止可能であるときはその位置で停止させる(図中、(C))。これにより、1枚役1の入賞となる。この停止形は、
図26(C)と同様であり、上述したように四択となる。また、右リール31の停止時に「赤7」を中段に停止させることができないときは、「チェリー」を有効ラインに停止させる(PB=1)(図中、(D))。これにより、
図26(D)と同じ1枚役A当選時のこぼし目が停止する。
【0266】
図29は、1枚役A当選時、かつ中右左の押し順でのリール停止制御を示す図である。図中、(A)に示すように、中第一停止時には、「リプレイ」を中段に停止させる(PB=1)。
次に、右第二停止時には、「リプレイ」を中段に停止させる(PB=1)(図中、(B))。さらに、左第三停止時には、「赤7」が有効ライン(中段)に停止可能であるときはその位置で停止させる(図中、(C))。これにより、1枚役3の入賞となる。また、左リール31の停止時に「赤7」を中段に停止させることができないときは、「ベル」を有効ラインに停止させる(PB=1)(図中、(D))。これにより、1枚役A当選時のこぼし目である「ベル」−「リプレイ」−「リプレイ」が停止する。
【0267】
図30は、1枚役A当選時、かつ右左中の押し順でのリール停止制御を示す図である。図中、(A)に示すように、右第一停止時には、個数優先又は枚数優先により「リプレイ」を中段に停止させる(PB=1)。
次に、左第二停止時には、「リプレイ」を中段に停止させる(PB=1)(図中、(B))。さらに、中第三停止時には、「赤7」が有効ライン(中段)に停止可能であるときはその位置で停止させる(図中、(C))。これにより、1枚役2の入賞となる。この停止形は、
図27(C)と同様であり、上述したように四択となる。また、中リール31の停止時に「赤7」を中段に停止させることができないときは、「チェリー」を有効ラインに停止させる(PB=1)(図中、(D))。これにより、
図27(D)と同じ1枚役A当選時のこぼし目が停止する。
【0268】
図31は、1枚役A当選時、かつ右中左の押し順でのリール停止制御を示す図である。図中、(A)に示すように、右第一停止時には、「リプレイ」を中段に停止させる(PB=1)。
次に、中第二停止時には、「リプレイ」を中段に停止させる(PB=1)(図中、(B))。さらに、左第三停止時には、「赤7」が有効ライン(中段)に停止可能であるときはその位置で停止させる(図中、(C))。これにより、1枚役3の入賞となる。この停止形は、
図29(C)と同様であり、上述したように四択となる。また、左リール31の停止時に「赤7」を中段に停止させることができないときは、「ベル」を有効ラインに停止させる(PB=1)(図中、(D))。これにより、
図29(D)と同様の1枚役A当選時のこぼし目が停止する。
【0269】
1枚役B〜1枚役D当選時においても、1枚役Aと同様の停止制御を行う。すなわち、いずれの押し順であっても、第一及び第二停止までは、「リプレイ」を中段に停止させ、第三停止時に「青7」、「BAR」又は「白7」を停止させる。一方、第三停止時に「青7」、「BAR」又は「白7」を停止させることができないときは、「チェリー」(中又は右リール31の場合)、又は「ベル」(左リール31)を停止させることで、1枚役こぼし目を停止させる。
【0270】
以上のように、第3実施形態では、1枚役当選時に、左又は右第一停止時は、単ラインの停止位置で対象図柄を停止させるが、中第一停止時は、重複ラインの停止位置で対象図柄を停止させる。このようにリール31を停止制御しても、第一及び第二停止時までは「PB=1」とし、第三停止時には四択に設定することができる。
特に第3実施形態では、
図23に示すように、各リール31ともに、「赤7」、「青7」、「BAR」、「白7」は、5図柄間隔・4個配置である。よって、無作為にストップスイッチ42を操作したときであっても、確率上、入賞率を「1/4」に設定することができる。このため、第4実施形態では、「四択(正解率1/4)」と、無作為にストップスイッチ42を操作したときの入賞率「1/4」とは、一致する。
【0271】
<第4実施形態>
図32は、第4実施形態における1枚役A〜1枚役Cの条件装置、及び1枚役こぼし目を示す図である。第4実施形態では、以下に説明する点が第1実施形態と異なり、特に説明なき部分については第1実施形態と同様である。
まず、リール31の図柄配列は、第1実施形態(
図2)と同様である。
また、第4実施形態では、1枚役の図柄の組合せが異なり、
図32に示すように、中1枚役7〜中1枚役9を備える。
そして、1枚役(重複当選)Aは、左右1枚役1及び中1枚役1(これらは第1実施形態と同じ)と、中1枚役7との重複当選である。
【0272】
また、1枚役(重複当選)Bは、左右1枚役2及び中1枚役2(これらは第1実施形態と同じ)と、中1枚役8との重複当選である。
さらにまた、1枚役(重複当選)Cは、左右1枚役3及び中1枚役3(これらは第1実施形態と同じ)と、中1枚役9との重複当選である。
また、1枚役こぼし目は、第1実施形態と同様の2つのこぼし目の他に、さらに中1枚役こぼし目である「ベル」−「チェリー」−「白カバン/黄カバン/羽根」を備える。
【0273】
次に、1枚役A当選時のリール31の停止制御について説明する。
左第一停止時は、第1実施形態と同様に、枚数優先又は個数優先により、左リール31の停止時に中段に「リプレイ」を停止させ、この時点で入賞可能性を有する役は、左右1枚役1となる。その後の中及び右リール31停止時の停止制御についても第1実施形態の1枚役A当選時と同様である。
また、右第一停止時は、第1実施形態と同様に、枚数優先又は個数優先により、右リール31の停止時に中段に「青7/赤7/白7/BAR」を停止させ、この時点で入賞可能性を有する役は、左右1枚役1となる。その後の左及び中リール31停止時の停止制御についても第1実施形態の1枚役A当選時と同様である。
左第一停止時及び右第一停止時には、第1実施形態と同様に、左及び右リール31は、「PB=1」となり、中リール31が三択で、左右1枚役1が入賞する。
【0274】
図33は、1枚役A当選時において、中左右の押し順時におけるリール31の停止制御を示す図である。
まず、図中、(A)に示すように、中第一停止時は、枚数優先により、「チェリー」を上段に停止させる(PB=1)。「チェリー」上段停止時は、下段(無効ライン)に「白カバン/黄カバン/羽根」が停止するので、この時点で、左右1枚役1の入賞可能性はなくなる。
なお、この点は、1枚役B及び1枚役C当選時も同様である。
【0275】
次に、左第二停止時は、「白カバン/黄カバン」を上段に停止させる(図中、(B))。
図2に示すように、「白カバン/黄カバン」は、これら2図柄合算で5図柄間隔配置、すなわち「PB=1」配置であるから、常に上段に「白カバン/黄カバン」を停止させることができる。
さらに、右第三停止時には、左リール31上段に停止した図柄が「白カバン」であるときは右リール31上段に「白カバン」を停止させるように制御する(図中、(C))。ここで、いずれかの1枚役に当選していると予想したとき、右リールの図柄は、「白カバン」、「黄カバン」又は「羽根」のいずれかであるから、三択となる。
【0276】
また、左リール31上段に停止した図柄が「黄カバン」であるときは右リール31上段に「羽根」を停止させるように制御する。ここでも、「羽根」は三択となる。
よって、1枚役A当選時における中左右の押し順時は、三択で中1枚役1又は中1枚役7が入賞する。
一方、左リール31上段に「白カバン」停止時、右リール31上段に「白カバン」を停止させることができないとき、又は左リール31上段に「黄カバン」停止時、右リール31上段に「羽根」を停止させることができないときは、いずれも、右リール31の上段に「チェリー」を停止させる(PB=1)(図中、(D))。これにより、有効ラインL1には、中1枚役こぼし目が停止する。
以上より、1枚役A当選時における中左右の押し順時は、中及び左リール31が「PB=1」、右リール31が三択(正解率1/3)となる。
【0277】
図34は、1枚役A当選時において、中右左の押し順時におけるリール31の停止制御を示す図である。
まず、図中、(A)に示すように、中第一停止時は、上記と同様に「チェリー」を上段に停止させる(PB=1)。
次に、右第二停止時は、「白カバン/羽根」を上段に停止させる(図中、(B))。ここで、中第一停止時に上段に「チェリー」が停止したことに基づき、当該遊技ではいずれかの1枚役に当選していると予想したとき、右リール31の図柄は、「白カバン」、「黄カバン」、「羽根」のいずれかである。そして、「白カバン」又は「羽根」であるときは、1枚役A当選時における中1枚役1又は7の図柄を有効ラインに停止させたことになる。よって、右第二停止時には、「三者二択(正解率2/3)」となる。
【0278】
ここで、右第二停止時に、「白カバン」又は「羽根」を上段に停止させたと仮定する。
この場合、左第三停止時には、右リール31上段停止の図柄が「白カバン」であるときは、左上段に「白カバン」を停止させ、右リール31上段停止の図柄が「羽根」であるときは、左上段に「黄カバン」を停止させる(図中、(C))。
右リール31の上段停止の図柄が「白カバン」であるときは、左上段に「白カバン」を停止させることは、「白カバン」又は「黄カバン」のうちの「白カバン」であるから二択(二者択一;正解率1/2)となる。
【0279】
また、右リール31上段停止の図柄が「羽根」であるときは、左上段に「黄カバン」を停止させることは、「白カバン」又は「黄カバン」のうちの「黄カバン」であるから、二択(正解率1/2)となる。
以上より、1枚役A当選時において、中右左の押し順であるときは、中リール31は「PB=1」、右リール31は「三者二択(正解率2/3)」、左リール31は「二択(正解率1/2)」で、1枚役Aに含まれる中1枚役1又は中1枚役7を停止させることができる。
よって、合算の正解率は、
1×2/3×1/2=1/3
となり、押し順が中左右時の正解率(三択)と同一となる。
【0280】
なお、右リール31の上段停止の図柄が「白カバン」であるときに、左上段に「白カバン」を停止させることができないとき、又は右リール31の上段停止の図柄が「羽根」であるときに、左上段に「黄カバン」を停止させることができないときは、いずれも、左上段に「ベル」を停止させる(図中、(D))。よって、1枚役A当選時に、中右左の押し順で中1枚役1又は中1枚役7を入賞させることができないときは、中1枚役こぼし目である「ベル」−「チェリー」−「白カバン/羽根」を停止させることができる。
【0281】
図35は、右第二停止時に、
図34(B)のように「白カバン」又は「羽根」を上段に停止させることができないとき(とりこぼし時)を示す図である。図中、(A)に示すように、右上段に「白カバン」又は「羽根」を停止させることができないときは、「チェリー」を停止させる。よって、この時点で1枚役こぼし目の表示が確定する。
そして、左第三停止時には、上段に「白カバン」又は「黄カバン」(合算で「PB=1」)を停止させる(図中、(B))。これにより、中1枚役こぼし目が停止する。
【0282】
以上のようにして、1枚役A当選時に、左第一停止、右第一停止、中左右時は、2つのリール31が「PB=1」となり、残りのリール31が三択となる。
また、中右左時は、右第二停止が「三者二択(正解率2/3)」、左第三停止が「二択(正解率1/2)」となるので、合算で正解率「1/3」となる。
よって、いずれの押し順でも、とりこぼし率を一定(不正解率2/3)に設定することができる。
【0283】
なお、図示を省略するが、1枚役B、1枚役C当選時も、上記のことが当てはまる。
1枚役B当選時に、左第一停止、右第一停止、中左右時は、2つのリール31が「PB=1」となり、残りのリール31が三択(正解率1/3)となる。
また、中右左時は、右第二停止が「三者二択(正解率2/3)」(「白カバン」、「黄カバン」、「羽根」のうち、「白カバン」又は「黄カバン」)、左第三停止が「二択(正解率1/2)」(「白カバン」又は「黄カバン」)となるので、合算の正解率は、「1/3」となる。
【0284】
同様に、1枚役C当選時に、左第一停止、右第一停止、中左右時は、2つのリール31が「PB=1」となり、残りのリール31が三択(正解率1/3)となる。
また、中右左時は、右第二停止が「三者二択(正解率2/3)」(「白カバン」、「黄カバン」、「羽根」のうち、「黄カバン」又は「羽根」)、左第三停止が「二択一正解率1/2)」(「白カバン」又は「黄カバン」)となるので、合算の正解率は、「1/3」となる。
【0285】
以上のように、第1実施形態での1枚役当選時は、2つのリール31を「PB=1」とし、残りの1つのリールを三択(正解率1/3)とすることにより、とりこぼし率(不正解率)を均等に「2/3」とした。
しかし、第4実施形態のように、1枚役当選時、1つのリール31を「PB=1」、他の1つのリール31を三者二択(正解率2/3)、さらに他の1つのリールを二択(正解率1/2)とした場合であっても、合算での1枚役の正解率を「1/3」、すなわちとりこぼし率(不正解率)を「2/3」に設定することができる。
【0286】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、たとえば以下のような種々の変形が可能である。
(1)ベル重複当選の押し順は、第1実施形態では5種類とした。しかし、これに限らず、3種類(左第一停止正解、中第一停止正解、右第一停止正解)としたり、6種類(左中右正解、左右中正解、中左右正解、中右左正解、右左中正解、右中左正解)に設定することも可能である。また、ベルは、「ANY」−「ベル」−「ANY」からなる図柄の組合せに限らず、「ベル」−「ベル」−「ベル」であってもよい。
【0287】
(2)本実施形態では、AT用のベル重複当選は、いわゆる押し順ベルとし、正解押し順/不正解押し順を設けたものであった。しかし、これに限らず、AT用のベルの条件装置を、目押しベル(目押しAT)としてもよい。たとえば第3実施形態の
図23で示したように、左リール31では、「赤7」、「青7」、「白7」、「BAR」を、それぞれ5図柄間隔で配置し、いずれか1つの図柄しか有効ラインに停止させることができないようにする。また、中及び右リール31では、「ベル」を5図柄間隔で4個配置する(「PB=1」配置)。そして、目押しベルの条件装置として、
ベル1:「赤7」−「ベル」−「ベル」、9枚
ベル2:「青7」−「ベル」−「ベル」、9枚
ベル3:「白7」−「ベル」−「ベル」、9枚
ベル4:「BAR」−「ベル」−「ベル」、9枚
を設ける。
【0288】
これにより、いずれかの目押しベル(ベル1〜4)の当選時には、「1/4」の確率で入賞し、「3/4」の確率でとりこぼす。
また、AT中は、いずれかの目押しベルの当選時には、左リール31の図柄の種類を画像表示装置23で報知する。これにより、遊技者は、AT中は、左リール31の停止時に、報知された図柄を狙って目押しすれば、当選した目押しベルを入賞させることができる。
【0289】
(3)上記実施形態では説明を省略したが、本実施形態におけるベル重複当選時(上記の目押しベル当選時を含む)は、メイン制御手段60からサブ制御手段80に対し、条件装置番号を送信する。
図8では図示していないが、各条件装置には、固有番号が割り当てられており、メイン制御手段60は、抽選手段61により抽選を行い、その結果(当選した条件装置番号)をサブ制御手段80に送信する。サブ制御手段80は、受信した条件装置番号から、当該遊技において当選した条件装置を知ることができる。また、サブ制御手段80は、ベル重複当選の条件装置番号と、その条件装置番号に対応する正解押し順を記憶している。そして、AT中は、ベル重複当選に相当する条件装置番号を受信すると、その条件装置番号に対応する正解押し順を報知する。
【0290】
上記のように構成すると、非AT中であっても、ベル重複当選時には、固有の条件装置番号をメイン制御手段60からサブ制御手段80に送信することとなる。たとえば、左中右ベルの条件装置番号が「08」であるとしたとき、左中右ベルの当選時には、メイン制御手段60からサブ制御手段80に対し、当選に係る条件装置番号として「08」が送信される。しかし、このように設定すると、メイン制御手段60とサブ制御手段80との間の通信や、サブ制御手段(基板)80を不正改造等することで、ベル重複当選時の正解押し順がゴト行為により知られてしまうおそれがある。これにより、非AT中であっても、ベル重複当選時に正解押し順でストップスイッチ42が操作され、不正にメダルが取得されるおそれがある。
【0291】
このような不正行為に対応するため、非AT中のベル重複当選時には、メイン制御手段60からサブ制御手段80に対し、正解押し順を知り得る情報を送信しないことが挙げられる。たとえば、ベル重複当選である左中右ベル〜右左中ベルのすべてに対応する条件装置番号として、「99」を設ける。そして、抽選手段61による抽選を行った結果、いずれかのベル重複当選となった遊技では、当該遊技がAT中であるか否かを判断する。AT中であると判断したときは、当選したベル重複当選に対応する正しい条件装置番号、たとえば上記の例で左中右ベルの当選時であれば条件装置番号「08」をサブ制御手段80に送信する。これに対し、非AT中であると判断したときは、いずれのベル重複当選であっても、当選した条件装置番号を「99」に変換し、サブ制御手段80に送信する。
【0292】
これにより、メイン制御手段60からサブ制御手段80に送信する条件装置番号を不正取得しても、「99」であることしか知ることができないので、いずれかのベル重複当選であることは知っても、正解押し順まで知ることができない。よって、ゴト行為により条件装置番号「99」は知られてしまうかもしれないが、正解押し順が不正取得され、メダルが不正に獲得されてしまうことを防止することができる。
なお、サブ制御手段80側では、非AT中に、条件装置番号「99」を受信したときは、ベル当選に関する一般的な演出(正解押し順を含まない)を出力することが可能である。
【0293】
(4)本実施形態では、AT中にベル重複当選となったときは、画像表示装置23に正解押し順を報知した。すなわち、正解押し順の報知は、サブ制御手段80で実行した。しかし、これに限らず、メイン制御手段60側のみで正解押し順を報知することや、メイン制御手段60及びサブ制御手段80の双方で正解押し順を報知することが挙げられる。なお、正解押し順に限らず、AT用のベルが目押しベルであるときは、図柄の種類を報知するときも同様である。
【0294】
まず、メイン制御手段60側で正解押し順を報知する場合、メイン制御手段60と直接接続された情報表示装置を用いる。この場合、正解押し順を報知する専用の情報表示装置を別個に設ける場合と、既存の情報表示装置を利用する場合とが挙げられる。
そして、既存の情報表示装置を利用する場合としては、メダル獲得枚数又はエラー番号を表示するための獲得枚数表示装置(たとえば、2桁を表示可能なセブンセグメントLED)を用いることが挙げられる。
また、表示する情報の内容としては、条件装置番号をそのまま表示する方法や、予め定めた番号を表示する方法が挙げられる。たとえば、
左中右ベル:A1
左右中ベル:A2
中ベル:A3
右左中ベル:A4
右中左ベル:A5
と設定し、左中右ベルの当選時は、獲得枚数表示装置に「A1」と表示することが挙げられる。
【0295】
また、スタートスイッチ41が操作されると、抽選手段61により条件装置の抽選が行われ、当選した条件装置を決定し、サブ制御手段80に送信する。ここで、メイン制御手段60が正解押し順の報知を開始するタイミングとしては、サブ制御手段80に条件装置情報を送信した直後が挙げられる。これにより、リール31の回転開始タイミングとほぼ同時となり、ストップスイッチ42の操作受付が開始される前(リール31が定速状態になる前)に、報知が開始される。なお、サブ制御手段80側においても、メイン制御手段60から条件装置情報を受信したら、直ちに報知を開始する。
【0296】
ここで、前遊技において役が入賞し、メダルを払い出したときは、獲得枚数表示装置に払出し枚数を表示する。たとえばベル重複当選時に正解押し順でストップスイッチ42が操作され、12枚の払出しがあったときは、払出し手段67による払出しとともに、獲得枚数表示装置に「12」と表示する。
この表示をいつ終了するか(LEDを消灯するか)については任意であるが、たとえば次遊技のためのメダル投入(ベット)時、又はスタートスイッチ41操作時が挙げられる。したがって、スタートスイッチ41操作時に、前遊技における獲得枚数の表示を終了する場合において、当該遊技がAT中であり、かつ上述した左中右ベルに当選したときは、「12」の表示を終了し、その直後、「A1」と表示する。
【0297】
また、獲得枚数表示装置に正解押し順を報知したときは、全リール31が停止し、入賞判定が行われる前までに正解押し順の表示を終了することか好ましい。ベル入賞時まで正解押し順を報知し続けると、ベル入賞時の獲得枚数の表示と、正解押し順の表示とが交錯し、遊技者に誤解を与えるおそれがあるためである。
したがって、正解押し順の表示を終了するタイミングとしては、たとえば第2ストップスイッチ42の操作時(押し順が確定したとき)、第3ストップスイッチ42の操作時、又は全リール31の停止時等が挙げられる。
【0298】
(5)本実施形態では生じないが、たとえば、特定の役の図柄の組合せが有効ラインに停止したときに、同時に、役の図柄の組合せ、又は役を想定させる図柄の組合せ(特に、同一図柄揃い)が無効ラインに停止する場合が考えられる。たとえば、パンクリプレイである「ベル」−「チェリー」−「チェリー」が有効ラインに停止したとき、同時に、下段並びの無効ラインに、「リプレイ」−「リプレイ」−「リプレイ」が停止するような場合である。
【0299】
さらに、当該遊技で、「通常リプレイ」の入賞を想定させるような演出、たとえば「リプレイ」図柄が青色からなる図柄であるときに、スロットマシン10の上部ランプやサイドランプを青色点灯させるような演出、あるいは画像表示装置23によって表示している対象(キャラクタ等)の少なくとも一部を、白色(通常色)から青色に変更するような場合が挙げられる。このような場合には、遊技者に対して入賞役を誤認させるおそれがある誤認演出となる可能性がある。したがって、このような場合には、画像表示装置23に、「入賞役:「ベル」−「チェリー」−「チェリー」」と表示することにより、誤認を防止することが考えられる。
【0300】
なお、どのような演出態様が誤認演出に相当するかについての明確な定義はないが、たとえば、
a)役の図柄の組合せ、又は役を想定させる図柄の組合せを無効ラインに停止させること、
b)実際の入賞役と異なる役の入賞を想定させる演出、たとえば実際の入賞役と異なる役に対応する色を出力(ランプ点灯等)する演出を行うこと
の双方又は一方が挙げられる。
【0301】
また、誤認演出は、リプレイに限らず、ベルの場合も生じ得る。たとえば、小役入賞時に、その小役に対応する図柄の組合せ(たとえば、左右1枚役1である「リプレイ」−「白カバン」−「赤7」)が有効ラインに停止したときに、同時に、無効ライン(本実施形態では、下段並び)に、「ベル」−「ベル」−「ベル」が停止するような場合である。このときに、「ベル」が黄色からなる図柄であるとき、ランプを黄色点灯させるような演出、画像表示装置23による表示対象を白色から黄色に変更する演出を行うと、誤認演出のおそれがある。したがって、このような場合には、上記と同様に、画像表示装置23に、「入賞役:「リプレイ」−「白カバン」−「赤7」」と表示することにより、誤認を防止する。
【0302】
(6)通常遊技中(RT2)において、チャンス目やレア役(チェリー、カバン)の当選に基づき、ATの権利を付与するか否かを抽選等で決定してもよい。この場合、ATの権利を付与したときは、その権利をストックしておき、特別遊技終了後にATを実行することが挙げられる。
【0303】
(7)遊技状態(RT)ごとの条件装置の種類や当選確率、役入賞時の配当(払出し枚数)は実施形態に限定されるものではない。たとえばベル重複当選時の押し順不正解/正解時の払出し枚数としては、「4枚/12枚」に限らず、「3枚/9枚」又は「5枚/15枚」であってもよい。
【0304】
(8)ベル重複当選時は、押し順不正解/正解のいずれの場合であってもベルが入賞するように設定した。しかし、これに限らず、ベル重複当選の条件装置として、ベル及び1枚役の重複当選とし、押し順正解時にはベルを入賞させ、押し順不正解時には、1枚役が入賞可能(とりこぼす場合あり)としてもよい。この場合にも、第1実施形態と同様に、押し順不正解時に1枚役を有効ラインに引き込むときは、第一停止時に単ラインの停止位置に1枚役に係る図柄を引き込むことで、とりこぼし率を押し順にかかわらず一定にすることが可能となる。
【0305】
(9)上記各実施形態、及び各種の変形例は、単独で実施されることに限らず、適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0306】
<付記>
本願の当初明細書等に記載した発明(当初発明)は、たとえば以下の当初発明1〜3を挙げることができ、それぞれ、当初発明が解決しようとする課題、当初発明に係る課題を解決するための手段及び当初発明の効果は、以下の通りである。ただし、当初発明は、以下の当初発明1〜3に限ることを意味するものではない。
なお、本願の請求項に係る当初発明は、以下の当初発明3に相当する。
【0307】
1.当初発明1
(a)当初発明が解決しようとする課題
従来において、取りこぼしを有する役が知られている。たとえば役に当選したときに、その役に対応する図柄を有効ラインに停止可能なタイミングでストップスイッチを操作すれば、その役に係る図柄を有効ラインに停止させることができるが、それ以外のタイミングでは、その図柄を有効ラインに停止させることができず、取りこぼしとなる(たとえば、特開2014−151127号公報及び特開2014−030572号公報参照)。
【0308】
しかし、従来の技術では、役の取りこぼし時に、ストップスイッチの押し順や操作タイミング(図柄の停止位置)に応じて、取りこぼし時の表示パターンが異なるという問題があった。すなわち、ストップスイッチの押し順等に応じて取りこぼし率が異なるという問題がある。
【0309】
ここで、いわゆる押し順ATを有するスロットマシンにおいて、変則押しを禁止とし、通常遊技中(非AT中)に変則押しが行われたときは、ペナルティを付与するスロットマシンが知られている。しかし、通常遊技時は、どの押し順でストップスイッチを操作しても、ペナルティを設けないようにするという趨勢がある。
このように、通常遊技中にどの押し順でストップスイッチを操作してもよいとなった場合に、取りこぼしを有する役の当選時に、所定の押し順であるときと、前記所定の押し順と異なる押し順であるときとで、取りこぼし率に差があると、不公平になるという問題がある。
したがって、当初発明が解決しようとする課題は、ストップスイッチの押し順にかかわらず、とりこぼし率を一定にすることである。
【0310】
(b)当初発明に係る課題を解決するための手段
第1の解決手段(第1実施形態)は、
第1リール(たとえば左リール31)及び第2リール(たとえば中リール31)を含む複数のリールと、
複数の表示ライン(有効ラインL1〜L4)と
を備え、
第1リールには、複数本の表示ライン上に位置する図柄停止可能位置1A(左上段又は左下段)と、1本の表示ライン上に位置する図柄停止可能位置1B(左中段)とを有し、
第2リールには、複数本の表示ライン上に位置する図柄停止可能位置2A(中中段)と、1本の表示ライン上に位置する図柄停止可能位置2B(中上段)とを有し、
複数の図柄の組合せ(たとえば、左右1枚役1、中1枚役1、中1枚役4)のうちいずれかの図柄の組合せを表示ラインに停止可能となる特定当選(たとえば1枚役A)となる場合を有するように抽選を行い、
前記特定当選となった遊技において、第1リールを最初に停止させるときは、図柄停止可能位置1Bに、前記複数の図柄の組合せのうち第1リールの図柄(「リプレイ」)を停止させ、
前記特定当選となった遊技において、第2リールを最初に停止させるときは、図柄停止可能位置2Bに、前記複数の図柄の組合せのうち第2リールの図柄(「チェリー」)を停止させる
ことを特徴とする。
【0311】
第2の解決手段は、第1の解決手段において、
前記特定当選となった遊技において、第1リールを最初に停止させたときは、前記複数の図柄の組合せのうち第1リールにおける図柄が、図柄停止可能位置1B以外の表示ライン上の図柄停止可能位置に停止しないように、リールの図柄配列及び停止制御の範囲を設定し(たとえば、左リール31の停止時に中段に「リプレイ」を停止させたときは、「白カバン」又は「黄カバン」が他の有効ラインに停止しないように設定し)、
前記特定当選となった遊技において、第2リールを最初に停止させたときは、前記複数の図柄の組合せのうち第2リールにおける図柄が、図柄停止可能位置2B以外の表示ライン上の図柄停止可能位置に停止しないように、リールの図柄配列及び停止制御の範囲を設定する(たとえば、中リール31の停止時に上段に「チェリー」を停止させたときは、「白カバン」、「黄カバン」又は「羽根」が他の有効ラインに停止しないように設定する)
ことを特徴とする。
【0312】
第3の解決手段は、第1又は第2の解決手段において、
前記特定当選となった遊技において、2番目以降に停止させる少なくとも1つのリールについて、その特定当選に対応する図柄の組合せのうち当該リールの図柄を表示ラインに停止可能な場合と停止不可能な場合とを有する(たとえば第1実施形態において、1枚役A当選時の中リール31を停止させるときに、「白カバン」が中段に停止する場合と停止しない場合を有する)ように、リールの図柄配列及び停止制御の範囲を設定し、
前記特定当選は、少なくとも第1特定当選(たとえば第1実施形態における1枚役A)及び第2特定当選(たとえば第1実施形態における1枚役B)を有し、
第1特定当選時に2番目以降に停止させる前記1つのリールについて表示ラインに停止可能となる図柄x(たとえば中リール31の「白カバン」)と、第2特定当選時に2番目以降に停止させる前記1つのリールについて表示ラインに停止可能となる図柄y(たとえば中リール31の「黄カバン」)とは、異なる図柄であってリールの停止制御の範囲を超える位置(5図柄離れた位置)に配置されている
ことを特徴とする。
【0313】
第4の解決手段(第3実施形態)は、
第1リール(たとえば左リール31)及び第2リール(たとえば中リール31)を含む複数のリールと、
複数の表示ライン(有効ラインL11〜L13)と
を備え、
第1リールには、1本の表示ライン上に位置する図柄停止可能位置を有し、
第2リールには、すべての表示ライン上に位置する1つの図柄停止位置を有し、
配当が同一である複数の図柄の組合せのうちいずれかの図柄の組合せを表示ラインに停止可能となる特定当選(1枚役A〜1枚役D)となる場合を有するように抽選を行い、
前記特定当選となった遊技において、第1リールを最初に停止させるときは、1本の表示ライン上に位置する図柄停止可能位置(たとえば中段)に、前記複数の図柄の組合せのうち第1リールの図柄(「リプレイ」)を停止させ、
前記特定当選となった遊技において、第2リールを最初に停止させるときは、前記1つの図柄停止可能位置(中段)に、前記複数の図柄の組合せのうち第2リールの図柄(「リプレイ」)を停止させる
ことを特徴とする。
【0314】
(c)当初発明の効果
当初発明によれば、第1リールを最初に停止させたときと第2リールを最初に停止させたときとで、入賞率(図柄選択時の正解率)が一定になり、どの押し順でストップスイッチを操作しても、とりこぼし率(図柄選択時の不正解率)を一定にすることができる。これにより、遊技の公平性を担保することができる。
【0315】
2.当初発明2
(a)当初発明が解決しようとする課題
従来において、リールの図柄数を「21」、リールの停止制御時における最大移動コマ数を「4」に設定したスロットマシンが知られている。このスロットマシンにおいて、図柄を「PB(引込み率)=1」に設定するときは、1つのリールでの最低の図柄数は「5」個となる。この場合、5図柄間隔を1箇所、4図柄間隔を4箇所に設定することが一般的である(たとえば、特開2014−151127号公報)。
【0316】
しかし、従来の技術において、上記のように設定した場合、5図柄間隔と4図柄間隔との2種類が発生してしまうため、ストップスイッチの操作タイミングによって図柄の引込み範囲が異なってしまうという問題がある。
また、たとえば、小役であるベルの図柄の組合せを、「ANY」−「ベル」−「ANY」することが挙げられる。この場合、ベル非当選時は、中リール31の停止時に、「ベル」を表示窓内に出現させないか、又は表示窓内の中リールのいずれかに有効ラインにならない停止位置を作って、その位置で「ベル」を停止させる必要がある。しかし、4図柄間隔と5図柄間隔とを有する場合には、ストップスイッチの操作タイミングによって停止位置が異なり、さらに、5図柄間隔付近でストップスイッチが操作されたときと比べて、4図柄間隔付近でストップスイッチが操作されたときは、停止位置の制約を受ける(「ベル」を有効ラインに停止させない停止位置の数が少なくなる)という問題がある。
したがって、当初発明が解決しようとする課題は、ストップスイッチの操作タイミングに応じて図柄の引込みが異ならないようにすることである。
【0317】
(b)当初発明に係る課題を解決するための手段
第1の解決手段は、
複数のリール(31)と、
リールを停止させるときに操作されるストップスイッチ(42)と、
ストップスイッチが操作されたときに、ストップスイッチが操作された瞬間から最大移動図柄コマ数「P」(たとえば「4」コマ)の範囲内においてリールを停止させるリール制御手段(64)と
を備え、
リールの図柄数を「N」(たとえば「20」)としたとき、少なくとも1つのリールでは、「M」個(たとえば4個)の特定図柄を「P+1」間隔(たとえば「5」図柄間隔)で配置し、
N=M×(P+1)
を満たすように、「P」、「N」及び「M」を定める(ただし、「P」、「N」及び「M」は、いずれも、正の整数)
ことを特徴とする。
【0318】
第2の解決手段は、第1の解決手段において、
1つの特定リール(中リール31)における前記特定図柄が表示ラインに停止したことを条件として、前記特定図柄を含む図柄の組合せが表示ラインに停止したこととなる特定役(「ANY」−「ベル」−「ANY」からなるベル)を有し、
前記特定リールでは、複数の図柄停止可能位置のうち、1つの図柄停止可能位置(下段)が表示ライン上に位置しないように設定し、
前記特定役に対応する図柄の組合せを表示ラインに停止させる場合において、前記特定リールを停止させるときは、前記1つの図柄停止可能位置以外の位置(上段又は中段)に前記特定図柄を停止させ、
前記特定役に対応する図柄の組合せを表示ラインに停止させない場合において、前記特定リールを停止させるときは、前記1つの図柄停止可能位置に前記特定図柄を停止させる
ことを特徴とする。
【0319】
(c)当初発明の効果
当初発明によれば、特定図柄については、どのタイミングでストップスイッチが操作されても、特定図柄の引込みを一定にすることができる。
【0320】
3.当初発明3
(a)当初発明が解決しようとする課題
従来において、取りこぼしを有する役が知られている。たとえば役に当選したときに、その役に対応する図柄を有効ラインに停止可能なタイミングでストップスイッチを操作すれば、その役に係る図柄を有効ラインに停止させることができるが、それ以外のタイミングでは、その図柄を有効ラインに停止させることができず、取りこぼしとなる(たとえば、特開2014−151127号公報、特開2014−030572号公報参照)。
【0321】
しかし、従来の技術では、役の取りこぼし時に、ストップスイッチの押し順や操作タイミング(図柄の停止位置)に応じて、取りこぼし時の表示パターンが異なるという問題があった。すなわち、ストップスイッチの押し順等に応じて取りこぼし率が異なるという問題がある。
ここで、いわゆる押し順ATを有するスロットマシンにおいて、変則押しを禁止とし、通常遊技中(非AT中)に変則押しが行われたときは、ペナルティを付与するスロットマシンが知られている。しかし、通常遊技時は、どの押し順でストップスイッチを操作しても、ペナルティを設けないようにするという趨勢がある。
【0322】
このように、通常遊技中にどの押し順でストップスイッチを操作してもよいとなった場合に、取りこぼしを有する役の当選時に、所定の押し順であるときと、前記所定の押し順と異なる押し順であるときとで、取りこぼし率に差があると、不公平になるという問題がある。
したがって、当初発明が解決しようとする課題は、ストップスイッチの押し順にかかわらず、特定の図柄の組合せが有効ラインに表示可能な遊技において、特定の図柄の組合せが表示される割合を一定にすることである。
【0323】
(b)当初発明に係る課題を解決するための手段
第1の解決手段は、
複数のリール(31)と、
複数の表示ライン(有効ラインL1〜L4)と、
リールを停止させるときに操作されるストップスイッチ(42)と
を備え、
複数の図柄の組合せのうちいずれかの図柄の組合せを表示ラインに停止可能な遊技では、リールの停止時に、前記複数の図柄の組合せのうち当該リールの図柄のすべてを同時にいずれかの表示ラインに停止させることを優先し、当該リールの図柄のすべてを同時にいずれかの表示ラインに停止させることができないときは、表示ラインに停止可能となる図柄の組合せ数が最大数となるようにリールを停止制御する個数優先、又は配当が最大となる図柄の組合せが表示ラインに停止可能となるようにリールを停止制御する枚数優先のいずれかを実行し、
配当が同一である複数の図柄の組合せのうちいずれかの図柄の組合せを表示ラインに停止可能となる特定当選(1枚役A〜1枚役C)となる場合を有するように抽選を行い、
前記特定当選となったときは、最初に停止させるリールがどのリールであっても、前記複数の図柄の組合せのうち当該リールの図柄のすべてを同時に表示ラインに停止させることができない(たとえば、1枚役A当選時、左リール31の停止時に、「リプレイ」、「白カバン」、「黄カバン」を同時に有効ラインに停止させることができない)ように、リールの図柄配列及び停止制御の範囲を設定し、
前記特定当選となった場合において、最初にリールを停止させるときは、前記枚数優先により、前記複数の図柄の組合せのうち当該リールにおける予め定めた所定の図柄(たとえば左リール31を最初に停止させるときは「リプレイ」)を表示ラインに停止させる
ことを特徴とする。
【0324】
第2の解決手段は、第1の解決手段において、
複数のリールは、第1リール及び第2リールを有し、
第1リール(左リール31)には、複数本の表示ライン上に位置する図柄停止可能位置1A(左上段)と、1本の表示ライン上に位置する図柄停止可能位置1B(左中段)とを有し、
第2リール(中リール31)には、複数本の表示ライン上に位置する図柄停止可能位置2A(中中段)と、1本の表示ライン上に位置する図柄停止可能位置2B(中上段)とを有し、
前記特定当選となった場合において、最初に第1リールを停止させるときは、図柄停止可能位置1Bに、前記所定の図柄を停止させ、
前記特定当選となった場合において、最初に第2リールを停止させるときは、図柄停止可能位置2Bに、前記所定の図柄を停止させる
ことを特徴とする。
【0325】
(c)当初発明の効果
当初発明によれば、複数の図柄の組合せのうちいずれかの図柄の組合せを表示ラインに停止可能な遊技において、枚数優先により、最初にリールを停止させたときに、その図柄の組合せが停止可能となる表示ライン数を1本にすることができる。これにより、ストップスイッチの押し順にかかわらず、図柄の組合せが表示ラインに表示される割合を一定にすることができる。