特許第6610049号(P6610049)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6610049
(24)【登録日】2019年11月8日
(45)【発行日】2019年11月27日
(54)【発明の名称】制御装置
(51)【国際特許分類】
   G05B 13/02 20060101AFI20191118BHJP
【FI】
   G05B13/02 B
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-141889(P2015-141889)
(22)【出願日】2015年7月16日
(65)【公開番号】特開2017-27122(P2017-27122A)
(43)【公開日】2017年2月2日
【審査請求日】2018年7月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000170
【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100124084
【弁理士】
【氏名又は名称】黒岩 久人
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(72)【発明者】
【氏名】山本 康
【審査官】 大古 健一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−148078(JP,A)
【文献】 特開2005−262939(JP,A)
【文献】 特開2002−274138(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御対象物が有するエネルギー量を算出する第1算出手段と、
前記制御対象物の可動部の動きを減衰させるダンパーが発生させた減衰力に対応する減衰係数に基づいて、前記減衰力による仕事量である減衰力仕事量を算出する第2算出手段と、
前記エネルギー量及び前記減衰力仕事量に基づいて、前記制御対象物を目標位置に到達させるために必要な制動可能仕事量を算出する第3算出手段と、
前記制動可能仕事量に基づいて、前記制御対象物に作用するアクチュエータを駆動する駆動手段と、
を有することを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記第3算出手段は、所定の時間ごとに、前記制御対象物の現在位置における前記エネルギー量と前記減衰力仕事量とを比較することにより、前記制動可能仕事量を算出することを特徴とする、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御対象物に関連付けて複数の前記減衰係数を記憶する記憶手段と、
前記制御対象物の識別情報を取得する情報取得手段と、
をさらに有し、
前記第2算出手段は、前記情報取得手段が取得した前記識別情報に対応する前記制御対象物に関連付けられた前記減衰係数を前記記憶手段から読み出し、読み出した前記減衰係数に基づいて、前記減衰力仕事量を算出することを特徴とする、
請求項1又は2に記載の制御装置。
【請求項4】
周囲の環境状態に関連付けて複数の前記減衰係数を記憶する記憶手段と、
周囲の環境状態を示す環境情報を取得する情報取得手段と、
をさらに有し、
前記第2算出手段は、前記情報取得手段が取得した前記環境情報に対応する前記減衰係数を前記記憶手段から読み出し、読み出した前記減衰係数に基づいて、前記減衰力仕事量を算出することを特徴とする、
請求項1又は2に記載の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクチュエータを駆動させることにより制御対象物の位置を制御する制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アクチュエータの駆動力を変化させることにより制御対象物に加える力の大きさを変化させ、制御対象物の位置を制御する制御装置が知られている。特許文献1においては、制御対象物のポテンシャルエネルギーと、制御対象物を目標位置に移動するために要する制動仕事量とを比較することにより、制御対象物に加える力の大きさを変化させるエネルギー評価制御装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−125326号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、制御対象物が、ばねやダンパー等のように減衰力を発生する場合、制御対象物のポテンシャルエネルギーと制御対象物を目標位置に移動するために要する制動仕事量とに基づいて制御するだけでは、駆動力が不足する場合があった。その結果、制御対象物が目標位置に達するまでの間にハンチングが発生したり、目標位置に達するまでに要する時間が長くなってしまったりするという問題が生じていた。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、制御対象物の位置の制御性能を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明においては、制御対象物が有するエネルギー量を算出する第1算出手段と、前記制御対象物に作用する減衰力に対応する減衰係数に基づいて、前記減衰力による仕事量である減衰力仕事量を算出する第2算出手段と、前記エネルギー量及び前記減衰力仕事量に基づいて、前記制御対象物を目標位置に到達させるために必要な制動可能仕事量を算出する第3算出手段と、前記制動可能仕事量に基づいて、前記制御対象物に作用するアクチュエータを駆動する駆動手段と、を有することを特徴とする制御装置を提供する。
【0007】
制御装置が、上記のように減衰力を考慮して算出された制動可能仕事量に基づいて駆動力を補正しながら制御することにより、ハンチングの発生を防止することができる。
【0008】
第3算出手段は、例えば、所定の時間ごとに、前記制御対象物の現在位置における前記エネルギー量と前記減衰力仕事量とを比較することにより、前記制動可能仕事量を算出する。このようにすることで、制御対象物の位置が変化した場合に、変化した位置において生じる減衰力を考慮して、駆動力を補正することができる。
【0009】
上記の制御装置は、前記制御対象物に関連付けて複数の前記減衰係数を記憶する記憶手段と、前記制御対象物の識別情報を取得する情報取得手段と、をさらに有し、前記第2算出手段は、前記情報取得手段が取得した前記識別情報に対応する前記制御対象物に関連付けられた前記減衰係数を前記記憶手段から読み出し、読み出した前記減衰係数に基づいて、前記減衰力仕事量を算出してもよい。このようにすることで、単一の制御装置を用いて、複数の異なる種類の制御対象物を適切に制御することができる。
【0010】
また、上記の制御装置は、周囲の環境状態に関連付けて複数の前記減衰係数を記憶する記憶手段と、周囲の環境状態を示す環境情報を取得する情報取得手段と、をさらに有し、前記第2算出手段は、前記情報取得手段が取得した前記環境情報に対応する前記減衰係数を前記記憶手段から読み出し、読み出した前記減衰係数に基づいて、前記減衰力仕事量を算出してもよい。このようにすることで、制御装置は、制御対象物の減衰力が、温度や湿度等の周囲の環境状態に応じて変化する場合に、周囲の環境状態の変化によらず、制御対象物を適切に制御することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、制御対象物の位置の制御性能を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施形態に係る制御対象のモデルを示す図である。
図2】減衰力F、偏差x、移動速度x’の関係を示す図である。
図3】偏差xと減衰力Fとの関係を示す図である。
図4】制御装置1の構成を示す図である。
図5】制御装置1における処理手順を示すフローチャートである。
図6】制御装置1を用いて制御した場合のシミュレーション結果である。
図7】減衰力を考慮しないで制御した場合のシミュレーション結果である。
図8】第2の実施形態に係る制御装置1の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[本実施形態の概要]
図1は、本実施形態に係る制御対象のモデルを示す図である。
制御装置1は、アクチュエータ2を介して、制御対象物3の位置を制御するコントローラである。制御装置1は、例えば、制御用プログラムを実行することにより動作するコンピュータである。
【0014】
アクチュエータ2は、制御対象物3に結合された軸を有しており、制御装置1から入力される駆動信号に基づいて右方向又は左方向に軸を移動させることにより、制御対象物3の位置を制御する。本モデルにおいて、アクチュエータ2の応答遅れはないものとする。
【0015】
制御対象物3は、アクチュエータ2の制御に基づいて位置を変化させる可動部31、及び可動部31の動きを減衰させる減衰力を発生するダンパー32により構成されている。図1において、斜線で示されている可動部31は、現在位置xにあり、可動部31は、アクチュエータ2が軸を移動させることにより、目標位置Xへと移動する。目標位置をX、現在位置をx、目標位置と現在位置との偏差をxとすると、偏差xは、以下の式により表される。
【数1】
【0016】
ダンパー32は、可動部31の位置に応じた大きさの減衰力を発生する。制御対象物3に作用する減衰力に対応する減衰係数(すなわち、ダンパー32の減衰係数)をC、減衰力をF、可動部31の移動速度(偏差xの時間微分)をx’とすると、減衰力Fは、以下の式で表される。
【数2】
【0017】
図2は、式(2)に対応する減衰力F、偏差x、及び移動速度x’の関係を示す図である。図2における実線は、減衰力Fを示しており、破線は目標位置と現在位置との偏差xを示しており、一点鎖線は、可動部31の移動速度x’を示している。偏差xが小さくなるにつれて、減衰力Fが小さくなることがわかる。
【0018】
図3は、偏差xと減衰力Fとの関係を示す図である。偏差xと減衰力Fとの関係は直線で示され、減衰係数C及び初速度等によらず、偏差xと減衰力Fとの関係は直線性を有する。減衰力による仕事量である減衰力仕事量Wは、図3における斜線領域に対応し、以下の式により表される。
【数3】
【0019】
また、可動部31が現在位置xにおいて有するエネルギー量をU(x)、及び制御対象物3を目標位置に到達させるためにアクチュエータ2が行うべき仕事量である制動可能仕事量をWとすると、Wは以下の式により求められる。
【数4】
すなわち、減衰力Fが存在しない場合には、制動可能仕事量はW=U(x)により算出されるところ、減衰力Fが存在する場合には、式(4)に示すように、減衰力仕事量Wで補正することにより、適切な制御が可能となる。
【0020】
なお、制御対象物3は、任意の物であってよいが、例えば、自動車の自動変速装置が挙げられる。ピストン式のアクチュエータを有する自動変速装置における減衰力Fとしては、摺動部のオイルの粘性、ピストンへの作動流体の流入、及び流出抵抗等が考えられる。
【0021】
[制御装置1の構成]
以下、上記の制御を行う制御装置1の構成と動作について詳細に説明する。
図4は、制御装置1の構成を示す図である。制御装置1は、記憶部10及び制御部11を有する。記憶部10は、例えば、ROM、RAM、ハードディスク等を含む記憶媒体である。記憶部10は、制御部11が実行するプログラム、制御対象物3の減衰係数、及び制御対象物3の種別等の情報を記憶している。
【0022】
制御部11は、例えばCPUである。制御部11は、記憶部10に記憶されたプログラムを実行することにより、第1算出部111、第2算出部112、第3算出部113、及び駆動部114として機能する。
【0023】
第1算出部111は、制御対象物3が有するエネルギー量を算出する。第1算出部111は、例えば、現在位置xにおいて制御対象物3が速度vで移動している場合、制御対象物3が有する運動エネルギー量を、以下の式により算出することができる。
【数5】
なお、第1算出部111は、現在位置xの微分値を算出することにより、速度vを算出することができる。
【0024】
第2算出部112は、制御対象物3に作用する減衰力Fに対応する減衰係数Cに基づいて、減衰力Fによる仕事量である減衰力仕事量Wを算出する。具体的には、第2算出部112は、上記の式(3)により減衰力仕事量Wを算出する。
【0025】
第3算出部113は、第1算出部111が算出したエネルギー量U(x)及び第2算出部112が算出した減衰力仕事量Wに基づいて、制御対象物3を目標位置に到達させるために必要な制動可能仕事量Wを算出する。具体的には、第3算出部113は、所定の時間ごとに、制御対象物3の現在位置xにおけるエネルギー量U(x)と減衰力仕事量Wとを比較することにより、制動可能仕事量Wを算出する。第3算出部113は、例えば、上記の式(4)に示すように、エネルギー量U(x)から減衰力仕事量Wを減算することにより、制動可能仕事量Wを算出する。
【0026】
駆動部114は、第3算出部113が算出した制動可能仕事量Wに基づいて、制御対象物3に作用するアクチュエータ2を駆動する。具体的には、駆動部114は、制動可能仕事量Wの値に応じて定められる駆動力の大きさを算出し、算出した駆動力を示す駆動信号をアクチュエータ2に入力することにより、アクチュエータ2を駆動する。駆動部114は、制動可能仕事量Wが正の値を示している間は、第1の方向(例えば、図1における右方向)にアクチュエータ2を駆動し、制動可能仕事量Wが負の値を示している間は、第1の方向と反対の第2の方向(例えば、図1における左方向)にアクチュエータ2を駆動するための情報を含む駆動信号をアクチュエータ2に入力する。
【0027】
[制御装置1における処理手順]
図5は、制御装置1における処理手順を示すフローチャートである。制御装置1は、所定の時間ごとにS11からS16までの処理を繰り返すことにより、制御対象物3が目標位置に到達するように制御する。
【0028】
まず、第1算出部111は、制御対象物3が有するエネルギー量U(x)を算出する(S11)。続いて、制御対象物3に作用する減衰力に対応する減衰係数に基づいて、減衰力による仕事量である減衰力仕事量Wを算出する(S12)。続いて、第3算出部113は、第1算出部111が算出したエネルギー量U(x)及び第2算出部112が算出した減衰力仕事量Wに基づいて、制御対象物3を目標位置に到達させるために必要な制動可能仕事量Wを算出する(S13)。
【0029】
続いて、駆動部114は、制動可能仕事量Wの値に応じて定められる駆動力の大きさを算出する(S14)。そして、駆動部114は、算出した駆動力に基づいてアクチュエータ2を駆動する(S15)。
【0030】
続いて、第1算出部111は、現在位置xが目標位置Xに一致するか否かを判定する(S16)。第1算出部111が、現在位置xが目標位置Xに一致すると判定した場合(S16においてYES)、制御装置1は処理を終了する。第1算出部111が、現在位置xが目標位置Xに一致していないと判定した場合(S16においてNO)、制御装置1は、S11に処理を戻して、S11からS16までを繰り返す。
【0031】
なお、上記の説明では、S11において第1算出部111がエネルギー量U(x)を算出した後に、S12において第2算出部112が減衰力仕事量Wを算出する例について説明したが、S12を実行した後にS11を実行してもよい。
【0032】
[シミュレーションによる効果の確認]
図6は、本実施形態に係る制御装置1を用いて制御した場合のシミュレーション結果である。図6(a)〜(d)の横軸は時間(秒)であり、図6(a)〜(c)の縦軸は駆動力(N)、図6(d)の縦軸はストローク量(m)である。図6(a)は減衰係数Cが0の場合を示しており、図6(b)は減衰係数Cが10の場合を示しており、図6(c)は減衰係数Cが20の場合を示している。また、図6(d)における実線は、減衰係数Cが0の場合のストローク量の変化を示しており、一点鎖線は、減衰係数Cが10の場合のストローク量の変化を示しており、破線は、減衰係数Cが20の場合のストローク量の変化を示している。
【0033】
図6(a)〜図6(c)を比べると、制御装置1は、減衰係数Cが大きいほど、減衰力を打ち消すだけの正方向の駆動力を長い時間にわたって加え続ける必要があることがわかる。制御装置1は、減衰係数Cの大きさに応じて、正方向の駆動力を加える時間の長さ、及び負方向の駆動力を加える時間の長さを調整できるので、ハンチングを発生させることなく、制御対象物3を目標位置に近づけることができる。
【0034】
図7は、減衰力を考慮しないで制御した場合のシミュレーション結果である。図7(a)は、減衰係数C=10の場合の、駆動力の変化の様子を示しており、図7(b)は、減衰係数C=10の場合のストローク量の変化の様子を示している。図7(b)における実線は、減衰力に基づく補正をした場合を示しており、破線は、減衰力に基づく補正をしない場合を示している。
【0035】
図6(b)と図7(a)とを比較すると明らかなように、図7(a)においては、図6(b)には見られないハンチングが、0.15〜0.19秒の間において観測される。これは、減衰力が存在するにもかかわらず、早いタイミングで駆動力の方向を正方向から負方向に切り替えてしまったために、負方向に切り替えた直後に、正方向に戻す必要が生じたためであると考えられる。
なお、図7(b)に示されるように、目標位置に到達するまでの時間も、減衰力に基づく補正を行う方が短くなることが確認できた。
【0036】
[本実施形態における効果]
以上説明したように、制御装置1は、制御対象物3が有するエネルギー量及び制御対象物3に生じる減衰力による減衰力仕事量を算出し、これらに基づいて、制御対象物3を目標位置に到達させるために必要な制動可能仕事量を算出する。このようにすることで、制御対象物3が、ばねやダンパー等のように減衰力を発生する場合であっても、ハンチングを抑制し、制御対象物3を速やかに目標位置に到達させることができる。
【0037】
<第2の実施形態>
第1の実施形態においては、制御対象物3の減衰係数Cが既知の所定の値であったが、第2の実施形態においては、制御装置1が、予め記憶した複数の減衰係数Cのうち、外部から取得した情報に基づいて最適な減衰係数Cを選択する点で第1の実施形態と異なる。
【0038】
図8は、第2の実施形態に係る制御装置1の構成を示す図である。図8に示す制御装置1は、情報取得部115をさらに有する点、及び記憶部10に複数の減衰係数Cが記憶されている点で、図4に示した第1の実施形態における制御装置1と異なり、他の点で同じである。
【0039】
記憶部10は、例えば制御対象物3の種類に関連付けて複数の減衰係数Cを記憶している。情報取得部115が、制御対象物3の種類(例えば、自動変速機の型名)を取得すると、第2算出部112は、情報取得部115が取得した制御対象物3の種類に対応する減衰係数Cを記憶部10から読み出す。第2算出部112は、読み出した減衰係数Cを用いて減衰力仕事量Wを算出する。このようにすることで、単一の制御装置1を用いて、複数の種類の制御対象物3を制御することが可能になる。
【0040】
また、減衰力が生じる原因となる物質(例えば、自動変速機の摺動部のオイル)が温度・湿度等の周囲の環境状態の影響を受ける場合、減衰係数Cは、周囲の環境状態によっても異なる。そこで、記憶部10は、周囲の環境状態に関連付けて複数の減衰係数Cを記憶してもよい。この場合、情報取得部115は、温度センサ及び湿度センサ等のデバイスから周囲の環境状態を示す環境情報を取得し、第2算出部112は、情報取得部115が取得した環境情報が示す環境状態に対応する減衰係数Cを記憶部10から読み出す。このようにすることで、制御装置1は、周囲の環境状態に変化が生じた場合であっても、最適な制御を行うことができる。
【0041】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0042】
1 制御装置
2 アクチュエータ
3 制御対象物
10 記憶部
11 制御部
31 可動部
32 ダンパー
111 第1算出部
112 第2算出部
113 第3算出部
114 駆動部
115 情報取得部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8