特許第6610069号(P6610069)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6610069ソルダーレジスト用樹脂組成物、キャリア付樹脂膜、配線基板、電子装置、および電子装置の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6610069
(24)【登録日】2019年11月8日
(45)【発行日】2019年11月27日
(54)【発明の名称】ソルダーレジスト用樹脂組成物、キャリア付樹脂膜、配線基板、電子装置、および電子装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/28 20060101AFI20191118BHJP
   C09D 201/00 20060101ALI20191118BHJP
   C09D 7/61 20180101ALI20191118BHJP
   C09D 163/00 20060101ALI20191118BHJP
   H01L 23/14 20060101ALI20191118BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20191118BHJP
【FI】
   H05K3/28 C
   C09D201/00
   C09D7/61
   C09D163/00
   H01L23/14 R
   H01L23/12 501W
【請求項の数】19
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2015-156087(P2015-156087)
(22)【出願日】2015年8月6日
(65)【公開番号】特開2017-34213(P2017-34213A)
(43)【公開日】2017年2月9日
【審査請求日】2018年6月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002141
【氏名又は名称】住友ベークライト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】早井 宙
【審査官】 小林 大介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−061457(JP,A)
【文献】 特開2011−257711(JP,A)
【文献】 特開2008−257045(JP,A)
【文献】 特開2007−197706(JP,A)
【文献】 特開2015−106674(JP,A)
【文献】 特開2012−136693(JP,A)
【文献】 特開2001−123047(JP,A)
【文献】 特開2007−302798(JP,A)
【文献】 特開2012−003225(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/28
C09D 7/61
C09D 163/00
C09D 201/00
H01L 23/12
H01L 23/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱硬化性樹脂と、
無機充填材と、
黒色顔料と、を含む、ソルダーレジスト用樹脂組成物であって、
前記黒色顔料が、黒色酸化チタンを含
前記無機充填材の含有量が、当該ソルダーレジスト用樹脂組成物の全固形分中、50質量%以上90質量%以下である、
黒色のソルダーレジストに用いるソルダーレジスト用樹脂組成物。
【請求項2】
前記黒色酸化チタンが、TiO(ただし、Xは1以上、2未満を示す)で表される、請求項1に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
【請求項3】
前記黒色酸化チタンのD50が、0.1μm以上2.0μm以下である、請求項1または2に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
【請求項4】
前記黒色酸化チタンの含有量が、当該ソルダーレジスト用樹脂組成物全体に対して、1重量%以上、10重量%以下である、請求項1から3のいずれか1項に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
【請求項5】
前記熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂を含む、請求項1から4のいずれか1項に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
【請求項6】
前記熱硬化性樹脂が、シアネート樹脂を含む、請求項1からのいずれか1項に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
【請求項7】
黒色染料をさらに含む、請求項1からのいずれか1項に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
【請求項8】
前記無機充填材が、シリカを含む、請求項1からのいずれか1項に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
【請求項9】
160℃以上の加熱処理により硬化させる工程に用いる、請求項1からのいずれか1項に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
【請求項10】
当該ソルダーレジスト用樹脂組成物の硬化物の体積抵抗率が、1.0×1014Ω・cm以上、1.0×1018Ω・cm以下である、請求項1からのいずれか1項に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
【請求項11】
当該ソルダーレジスト用樹脂組成物の硬化物の30℃における貯蔵弾性率が7Gpa以上である、請求項1から10のいずれか1項に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
【請求項12】
当該ソルダーレジスト用樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度が、160℃以上である、請求項1から11のいずれか1項に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
【請求項13】
当該ソルダーレジスト用樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度未満における線膨張係数が30ppm/℃以下である、請求項1から12のいずれか1項に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
【請求項14】
当該ソルダーレジスト用樹脂組成物の硬化物のL*値が30以下である、請求項1から13のいずれか1項に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
【請求項15】
キャリア基材と、
前記キャリア基材上に配置された樹脂膜と、を備えており、
前記樹脂膜が、請求項1から14のいずれか1項に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物を用いてなる、キャリア付樹脂膜。
【請求項16】
基板と、
前記基板上に形成された導電回路と、
前記基板の最外層に形成されたソルダーレジスト膜と、を含み、
前記ソルダーレジスト膜は、請求項1から14のいずれか1項に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物を用いてなる、配線基板。
【請求項17】
請求項16に記載の配線基板と、
前記配線基板上に実装された電子素子と、を含み、
前記配線基板の最外層を構成するソルダーレジスト膜のうち、前記電子素子が実装された面とは反対側の面上に配置された前記ソルダーレジスト膜が、請求項1から14のいずれか1項に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物を用いてなる、電子装置。
【請求項18】
導電回路が一面に形成された基板を準備する工程と、
樹脂膜を前記基板上に配置する工程と、
前記樹脂膜に開口部を形成して、前記導電回路を露出させる工程と、
前記樹脂膜を加熱処理することによりソルダーレジスト膜を形成する工程と、
電子素子を、前記開口部に露出している前記導電回路と電気的に接続する工程と、
前記電子素子を封止する工程と、を含み、
前記樹脂膜は、請求項1から14のいずれか1項に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物を用いてなる、電子装置の製造方法。
【請求項19】
前記樹脂膜は、前記基板の両面にそれぞれ形成されており、
少なくとも前記電子素子が実装された面とは反対側の面上に配置された前記樹脂膜が、請求項1から14のいずれか1項に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物を用いてなる、請求項18に記載の電子装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソルダーレジスト用樹脂組成物、キャリア付樹脂膜、配線基板、電子装置、および電子装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、赤外線領域における輻射率を高める目的として、カーボンブラックをソルダーレジストインキ組成物に配合することが行われている。この種の技術として、特許文献1に記載のものがある。同文献には、カーボンブラックを利用することにより、基板表面の放熱性を向上させることができると記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−59222号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、発明者が検討した結果、カーボンブラックを利用している上記文献に記載の技術において、絶縁性に改善の余地があることが見出された。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願発明者らはさらに検討したところ、黒色顔料の中でも黒色酸化チタンが絶縁性に優れることを見出した。このような知見に基づきさらに鋭意研究したところ、黒色酸化チタンの分散性を高める方法を新たに見出したことにより、優れた絶縁性を有するソルダーレジスト膜を安定的に得られることを導きだし、本発明を完成するに至った。
【0006】
本発明によれば、
熱硬化性樹脂と、
無機充填材と、
黒色顔料と、を含む、ソルダーレジスト用樹脂組成物であって、
前記黒色顔料が、黒色酸化チタンを含
前記無機充填材の含有量が、当該ソルダーレジスト用樹脂組成物の全固形分中、50質量%以上90質量%以下である、
黒色のソルダーレジストに用いるソルダーレジスト用樹脂組成物が提供される。
【0007】
本発明によれば、キャリア基材と、
前記キャリア基材上に配置された樹脂膜と、を備えており、
前記樹脂膜が、上記ソルダーレジスト用樹脂組成物を用いてなる、キャリア付樹脂膜が提供される。
【0008】
本発明によれば、基板と、
前記基板上に形成された導電回路と、
前記基板の最外層に形成されたソルダーレジスト膜と、を含み、
前記ソルダーレジスト膜は、上記ソルダーレジスト用樹脂組成物を用いてなる、配線基板が提供される。
【0009】
本発明によれば、上記配線基板と、
前記配線基板上に実装された電子素子と、を含み、
前記配線基板の最外層を構成するソルダーレジスト膜のうち、前記電子素子が実装された面とは反対側の面上に配置された前記ソルダーレジスト膜が、上記ソルダーレジスト用樹脂組成物を用いてなる、電子装置が提供される。
【0010】
本発明によれば、導電回路が一面に形成された基板を準備する工程と、
樹脂膜を前記基板上に配置する工程と、
前記樹脂膜に開口部を形成して、前記導電回路を露出させる工程と、
前記樹脂膜を加熱処理することによりソルダーレジスト膜を形成する工程と、
電子素子を、前記開口部に露出している前記導電回路と電気的に接続する工程と、
前記電子素子を封止する工程と、を含み、
前記樹脂膜は、上記ソルダーレジスト用樹脂組成物を用いてなる、電子装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、絶縁性に優れたソルダーレジスト膜が得られるソルダーレジスト用樹脂組成物、キャリア付樹脂膜、配線基板、電子装置、電子装置の製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態における配線基板の構造の例を示す模式図である。
図2】実施形態に係る半導体パッケージの構造の一例を示す断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0014】
本実施形態に係るソルダーレジスト用樹脂組成物の概要について説明する。
本実施形態のソルダーレジスト用樹脂組成物は、熱硬化性樹脂と、無機充填材と、黒色顔料と、を含むことができる。当該黒色顔料は、黒色酸化チタンを含むことができる。本実施形態のソルダーレジスト用樹脂組成物は、黒色のソルダーレジストに用いることができる。
【0015】
本願発明者は、耐絶縁性に優れる黒色酸化チタンの分散方法について検討したところ、例えば、超音波処理を使用することにより、黒色酸化チタンをワニス状樹脂組成物中に非常に良く分散させることが可能であるという知見が判明した。また、黒色酸化チタンが高分散することにより、安定的に黒色に呈色することが判明した。こうした知見に基づいてさらに検討したところ、黒色酸化チタンをソルダーレジスト用樹脂組成物に利用することで、黒色に呈色しつつも、絶縁性に優れたソルダーレジスト膜を得ることが可能であること見出し、本発明を完成するに至った。
【0016】
本実施形態によれば、ソルダーレジスト用樹脂組成物が黒色酸化チタンを含む構成により、絶縁性に優れた黒色のソルダーレジスト膜を実現することが可能である。かかるソルダーレジスト膜は、YAGレーザー等のレーザーの捺印性に優れた構造とすることができる。また、本実施形態のソルダーレジスト膜を利用した配線基板および電子装置は、信頼性に優れた構造とすることができる。また、電子素子が実装される反対側の配線基板の最外層に黒色のソルダーレジスト膜を利用することができる。これにより、配線基板や電子装置の美観性を高めることができる。
【0017】
[ソルダーレジスト用樹脂組成物]
本実施形態のソルダーレジスト用樹脂組成物について、以下詳述する。
本実施形態のソルダーレジスト用樹脂組成物は、ワニス状の樹脂組成物である。当該ソルダーレジスト用樹脂組成物をフィルム状とすることにより、本実施形態の樹脂シートを得ることができる。かかる樹脂シートを硬化させることにより、ソルダーレジスト膜が得られる。また、ソルダーレジスト用樹脂組成物の塗布膜を硬化させることにより、ソルダーレジスト膜を得てもよい。
【0018】
本実施形態のソルダーレジスト用樹脂組成物は、熱硬化性樹脂を含む熱硬化性樹脂組成物を用いることができる。当該熱硬化性樹脂としては、特に限定されないが、例えば、フェノール樹脂、ベンゾオキサジン環を有する樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、マレイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、シアネート樹脂、メタクリロイル基を有する樹脂等が挙げられる。例えば、熱硬化性樹脂が、室温(25℃)で液状である液状樹脂であってもよい。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本実施形態では、熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂を含むことが好ましい。
【0019】
(エポキシ樹脂(A))
本実施形態に係るエポキシ樹脂(A)は、たとえばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールM型エポキシ樹脂(4,4’−(1,3−フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールP型エポキシ樹脂(4,4’−(1,4−フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂(4,4’−シクロヘキシジエンビスフェノール型エポキシ樹脂)などのビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、テトラフェノール基エタン型ノボラック型エポキシ樹脂、縮合環芳香族炭化水素構造を有するノボラック型エポキシ樹脂などのノボラック型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂;キシリレン型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂などのアラルキル型エポキシ樹脂;ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂、2官能ないし4官能エポキシ型ナフタレン樹脂、ビナフチル型エポキシ樹脂、ナフタレンアラルキル型エポキシ樹脂、ナフタレン変性クレゾールノボラック型エポキシ樹脂などのナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂;アントラセン型エポキシ樹脂;フェノキシ型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂;ノルボルネン型エポキシ樹脂;アダマンタン型エポキシ樹脂;フルオレン型エポキシ樹脂から選択される一種または二種以上を含むことができる。これらの中でも、ソルダーレジスト膜の埋め込み性や、表面平滑性を向上させる観点からは、ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂を含むことがより好ましい。これにより、ソルダーレジスト膜の低線膨張化および高弾性率化を図ることもできる。また、配線基板の剛性を向上させて作業性の向上に寄与することや、半導体パッケージにおける耐リフロー性の向上および反りの抑制を実現することも可能である。なお、ソルダーレジスト膜の埋め込み性を向上させる観点からは、3官能以上のナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂を含むことがとくに好ましい。
【0020】
本実施形態においては、以下の式(1)に示すエポキシ樹脂をエポキシ樹脂(A)として含むことが、好ましい態様の一例として挙げられる。
【0021】
【化1】
(式(1)中、nは0〜10の整数であり、RおよびRは互いに独立して水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、または炭素数1〜6のアルコキシ基である)
【0022】
本実施形態において、エポキシ樹脂(A)の含有量は、たとえばソルダーレジスト用樹脂組成物の全固形分に対して3重量%以上であることが好ましく、5重量%以上であることがより好ましい。エポキシ樹脂(A)の含有量を上記下限値以上とすることにより、ソルダーレジスト用樹脂組成物を用いて形成されるソルダーレジスト膜の埋め込み性や平滑性の向上に寄与することができる。一方で、エポキシ樹脂(A)の含有量は、たとえばソルダーレジスト用樹脂組成物の全固形分に対して40重量%以下であることが好ましく、35重量%以下であることがより好ましい。エポキシ樹脂(A)の含有量を上記上限値以下とすることにより、ソルダーレジスト用樹脂組成物を用いて形成されるソルダーレジスト膜の耐熱性や耐湿性の向上を図ることができる。なお、ソルダーレジスト用樹脂組成物の全固形分とは、ソルダーレジスト用樹脂組成物中に含まれる溶剤を除く成分全体を指す。以下、本明細書において同様である。
【0023】
(充填材(B))
本実施形態のソルダーレジスト用樹脂組成物は、充填材をさらに含んでもよい。
本実施形態に係る充填材としては、無機充填材を用いることができる。上記無機充填剤としては、特に限定されないが、例えば、タルク、焼成クレー、未焼成クレー、マイカ、ガラスなどのケイ酸塩;酸化チタン、アルミナ、ベーマイト、シリカ、溶融シリカなどの酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイトなどの炭酸塩;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどの水酸化物;硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウムなどの硫酸塩または亜硫酸塩;ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウムなどのホウ酸塩;窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化炭素などの窒化物;チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウムなどのチタン酸塩などを挙げることができる。これらの中でも、タルク、アルミナ、ガラス、シリカ、マイカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムが好ましい。
【0024】
本実施形態に係るシリカは、特に限定されないが、例えば、球状シリカ、および破砕シリカのうちの少なくとも一方を含んでもよい。ソルダーレジスト膜の埋め込み性や表面平滑性を向上させる観点からは、球状シリカを含むことがより好ましい。また、シリカは、たとえば、溶融球状シリカでもよい。
【0025】
上記充填材の平均粒径D50の下限値は、とくに限定されないが、0.01μm以上が好ましく、0.05μm以上がより好ましい。上記充填材の平均粒径D50の上限値は、とくに限定されないが、5.0μm以下が好ましく、2.0μm以下がより好ましく、1.0μm以下がさらに好ましい。
【0026】
上記シリカとして、平均粒径D50は特に限定されないが、例えば、平均粒径D50が2nm以上100nm以下である微粒子シリカを用いてもよい。これにより、ソルダーレジスト膜の埋め込み性や表面平滑性をより効果的に向上させることができる。本実施形態においては、平均粒径D50が2nm以上100nm以下である微粒子シリカと、平均粒径D50が100nm超過のシリカと、をともにソルダーレジスト用樹脂組成物中に含むことが、埋め込み性や表面平滑性を向上させるうえで好ましい態様の一例として挙げられる。
【0027】
上記充填材の平均粒径D50は、たとえばレーザー回折式粒度分布測定装置(HORIBA社製、LA−500)を用いて測定することが可能である。本実施形態において、充填材は1種または2種以上を含んでもよい。
【0028】
また、ソルダーレジスト用樹脂組成物の調製に際しては、シリカとしては、たとえばシリカ濃度が10重量%以上90重量%以下であるシリカ原料を使用することがより好ましい。配線基板の機械的強度を向上させる観点からは、たとえばシリカ濃度が50重量%以上90重量%以下であるシリカ原料を使用することがとくに好ましい。また、配線基板のたわみの抑制や、半導体装置の吸湿信頼性を向上させる観点からは、たとえばシリカ濃度が50重量%以上90重量%以下であるシリカ原料と、シリカ濃度が10重量%以上50重量%以下であるシリカ原料と、を併用することがとくに好ましい。
【0029】
上記充填材の含有量は、たとえばソルダーレジスト用樹脂組成物の全固形分に対して30重量%以上であることが好ましく、50重量%以上であることがより好ましい。充填材の含有量を上記下限値以上とすることにより、ソルダーレジスト用樹脂組成物を用いて得られるソルダーレジスト膜の耐熱性や耐湿性を効果的に向上させることができる。また、ソルダーレジスト膜を低線膨張化および高弾性率化させ、得られる半導体パッケージの反り低減に寄与することも可能である。一方で、充填材の含有量は、たとえばソルダーレジスト用樹脂組成物の全固形分に対して90重量%以下であることが好ましく、85重量%以下であることがより好ましい。充填材の含有量を上記上限値以下とすることにより、ソルダーレジスト膜の埋め込み性をより効果的に向上させることが可能となる。
【0030】
(シアネート樹脂(C))
本実施形態のソルダーレジスト用樹脂組成物は、シアネート樹脂(C)をさらに含むことができる。これにより、ソルダーレジスト膜について、低線膨張化や、弾性率および剛性の向上を図ることができる。また、得られる半導体装置の耐熱性や耐湿性の向上に寄与することも可能である。
【0031】
本実施形態に係るシアネート樹脂(C)は、分子内にシアネート基(−O−CN)を有する樹脂であり、シアネート基を分子内に2個以上を有する樹脂を用いることができる。上記シアネート樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ジシクロペンタジエン型シアネートエステル樹脂、フェノールノボラック型シアネートエステル樹脂、ノボラック型シアネート樹脂、ビスフェノールA型シアネート樹脂、ビスフェノールE型シアネート樹脂、テトラメチルビスフェノールF型シアネート樹脂等のビスフェノール型シアネート樹脂、及びナフトールアラルキル型シアネート樹脂などが挙げられる。
また、上記シアネート樹脂は、特に限定されるものではないが、例えば、ハロゲン化シアン化合物と、フェノール類またはナフトール類と、を反応させて得ることができる。このようなシアネート樹脂としては、例えば、フェノールノボラック型の多価フェノール類とハロゲン化シアンとの反応で得られるシアネート樹脂、クレゾールノボラック型の多価フェノール類とハロゲン化シアンとの反応で得られるシアネート樹脂、ナフトールアラルキル型の多価ナフトール類とハロゲン化シアンとの反応で得られるシアネート樹脂などが挙げられる。上記シアネート樹脂は、一種または二種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、ソルダーレジスト膜の低線膨張化や、弾性率および剛性を向上させる観点からは、フェノールノボラック型シアネート樹脂、ジシクロペンタジエン型シアネートエステル樹脂、またはナフトールアラルキル型シアネート樹脂を含むことがより好ましく、フェノールノボラック型シアネート樹脂を含むことがとくに好ましい。
【0032】
上記シアネート樹脂(C)の含有量は、たとえばソルダーレジスト用樹脂組成物の全固形分に対して3重量%以上であることが好ましく、5重量%以上であることがより好ましい。シアネート樹脂(C)の含有量を上記下限値以上とすることにより、ソルダーレジスト用樹脂組成物を用いて形成されるソルダーレジスト膜のより効果的な低線膨張化、高弾性率化を図ることができる。また、埋め込み性や平滑性の向上に寄与することができる。一方で、シアネート樹脂(C)の含有量は、たとえばソルダーレジスト用樹脂組成物の全固形分に対して40重量%以下であることが好ましく、35重量%以下であることがより好ましい。シアネート樹脂(C)の含有量を上記上限値以下とすることにより、ソルダーレジスト用樹脂組成物を用いて形成されるソルダーレジスト膜の耐熱性や耐湿性の向上を図ることができる。
【0033】
(硬化促進剤(D))
本実施形態のソルダーレジスト用樹脂組成物は、たとえば硬化促進剤(D)をさらに含むことができる。これにより、ソルダーレジスト用樹脂組成物の硬化性を向上させることができる。
【0034】
本実施形態に係る硬化促進剤(D)としては、エポキシ樹脂(A)の硬化反応を促進させるものを用いることができ、その種類はとくに限定されない。本実施形態の硬化促進剤(D)としては、特に限定されないが、例えば、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸スズ、オクチル酸コバルト、オクチル酸亜鉛、ビスアセチルアセトナートコバルト(II)、トリスアセチルアセトナートコバルト(III)などの有機金属塩、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジアザビシクロ[2,2,2]オクタンなどの3級アミン類、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート(TPP−K)、テトラフェニルホスホニウム・テトラキス(4−メチルフェニル)ボレート(TPP−MK)のような四級ホスホニウム系化合物、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−エチルイミダゾール、2−フェニル−4−エチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシイミダゾールなどのイミダゾール類、フェノール、ビスフェノールA、ノニルフェノールなどのフェノール化合物、酢酸、安息香酸、サリチル酸、パラトルエンスルホン酸などの有機酸、およびオニウム塩化合物から選択される一種または二種以上を含むことができる。これらの中でも、硬化性をより効果的に向上させる観点からは、オニウム塩化合物を含むことがより好ましい。
【0035】
上記硬化促進剤(D)として用いられるオニウム塩化合物は、とくに限定されないが、たとえば下記一般式(2)で表され化合物を用いることができる。
【0036】
【化2】
(式(2)中、Pはリン原子、R、R、RおよびRは、それぞれ、置換もしくは無置換の芳香環または複素環を有する有機基、あるいは置換もしくは無置換の脂肪族基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。Aは分子外に放出しうるプロトンを少なくとも1個以上分子内に有するn(n≧1)価のプロトン供与体のアニオン、またはその錯アニオンを示す)
【0037】
上記硬化促進剤(D)の含有量は、たとえばソルダーレジスト用樹脂組成物の全固形分に対して0.1重量%以上であることが好ましく、0.3重量%以上であることがより好ましい。硬化促進剤(D)の含有量を上記下限値以上とすることにより、ソルダーレジスト用樹脂組成物の硬化性をより効果的に向上させることができる。一方で、硬化促進剤(D)の含有量は、たとえばソルダーレジスト用樹脂組成物の全固形分に対して10重量%以下であることが好ましく、5重量%以下であることがより好ましい。硬化促進剤(D)の含有量を上記上限値以下とすることにより、ソルダーレジスト用樹脂組成物の保存性を向上させることができる。
【0038】
(黒色酸化チタン)
本実施形態に係る黒色酸化チタンは、TiOと比較して、チタン原子に対して酸素原子が不足している亜酸化チタンを意味する。
本実施形態の黒色酸化チタンは、酸素欠陥を有するものであれば必ずしも制限されないが、TiO(ただし、Xは、実数であり、かつ1以上、2未満を示す)という一般式で表すことができる。また、本実施形態において、上記Xの下限値は、例えば、1以上が好ましく、1.2以上がより好ましく、1.5以上がさらに好ましい。上記Xの上限値は、たとえば、2未満が好ましく、1.9以下がより好ましく、1.85以下がさらに好ましい。上記Xを下限値以上とすることにより、ソルダーレジスト膜の絶縁性を高めることができる。また、ソルダーレジスト用樹脂組成物中における黒色酸化チタンの分散性を向上させることができる。一方、上記Xを上限値以下とすることにより、YAGレーザー等のレーザーの捺印性を向上させることができる。本実施形態の黒色酸化チタンの具体例としては、特に限定されないが、例えば、Ti、Ti、Ti、およびTi11等が挙げられる。本実施形態の黒色顔料は、黒色酸化チタンとして、Ti、Ti、およびTi11のうちの少なくとも一つを含むことができる。
【0039】
上記黒色酸化チタンの平均粒径D50の下限値は、特に限定されないが、例えば、0.1μm以上が好ましく、0.2μm以上がより好ましく、0.3μm以上がさらに好ましい。上記平均粒径D50の上限値は、特に限定されないが、例えば、2.0μm以下が好ましく、1.9μm以下がより好ましく、1.8μm以下がさらに好ましい。黒色酸化チタンの平均粒径D50を上記下限値以上とすることにより、ソルダーレジスト膜の絶縁性を高めることができる。黒色酸化チタンの平均粒径D50を上記上限値以下とすることにより、黒色酸化チタンの分散性を高めることができる。上記平均粒径D50を測定する方法は、たとえば、充填材のものと同様とすることができる。
【0040】
上記黒色酸化チタンの含有量の下限値は、前記ソルダーレジスト用樹脂組成物の全固形分に対して、特に限定されないが、例えば、1重量%以上が好ましく、2重量%以上がより好ましく、3重量%以上がさらに好ましい。また、上記黒色酸化チタンの含有量の上限値は、前記ソルダーレジスト用樹脂組成物の全固形分に対して、特に限定されないが、例えば、10重量%以下が好ましく、9重量%以下がより好ましく、8重量%以下がさらに好ましい。黒色酸化チタンの含有量を上記下限値以上とすることにより、ソルダーレジスト膜の絶縁性を高めることができる。また、ソルダーレジスト膜の耐熱性を高めることができる。さらに、レーザーの捺印性を向上させることができる。黒色酸化チタンの含有量を上記上限値以下とすることにより、黒色酸化チタンの分散性を高めることができる。
ここで、本実施形態において、上記黒色酸化チタンの含有量は、黒色顔料および着色剤の含有量に含まれるものではなく、上記充填材の含有量に含まれるものと定義する。すなわち、上記充填材の含有量は、上記無機充填材の含有量と黒色酸化チタンの含有量の合計値を示すものとする。
【0041】
本実施形態において、熱硬化性樹脂のワニス中の上記黒色酸化チタンは、例えば超音波処理により良好に分散することができる。たとえば、熱硬化性樹脂のワニスに上記黒色酸化チタンを分散調合し、所定時間経過後、かかるワニス中の黒色酸化チタンの再凝集の程度を確認することで、黒色酸化チタンの分散性を評価することができる。
【0042】
本実施形態において、上記黒色酸化チタンの製造方法は、特に限定されないが、例えば、二酸化チタン粉末と金属チタン粉末、二酸化チタン粉末と水素化チタン粉末、二酸化チタン粉末と金属チタン粉末と水素化チタン粉末、または二酸化チタン粉末と水素化ホウ素ナトリウム等の混合粉末を、不活性雰囲気下または真空雰囲気下で、加熱し還元することにより、亜酸化チタンを得ることができる。加熱温度は、溶解すれば特に限定されないが、例えば、300℃〜950℃であり、400℃〜800℃などが用いられる。また、加熱時間は、適宜調整できる。原料となる二酸化チタンは、硫酸法、塩素法のいずれの方法で製造されたものでもよく、結晶型はアナターゼ型、ルチル型、ブルカイト型のいずれであってもよい。
【0043】
上記混合粉末中、二酸化チタン粉末と他の粉末の配合割合を変更することで、上記Xを調整することができる。また、二酸化チタン粉末の粒径や、得られた亜酸化チタンを粉砕などすることにより、上記黒色酸化チタンの粒径を調整することができる。
【0044】
本実施形態の黒色顔料は、黒色酸化チタンの他に、本実施形態のソルダーレジスト膜の絶縁性が要求スペックに対して問題とならない範囲内で、その他の一般的な黒色顔料を含むことができる。例えば、上記黒色顔料は、黒色酸化チタン、カーボンブラック、ピッチ、ペリレン系着色剤等を用いてもよい。また、これらを1種または2種以上用いても良い。黒色酸化チタン以外の黒色顔料を含むことにより、L*値を一層小さくすることが可能になる。また、黒色染料を用いた場合と比較して、耐熱性を維持することができる。また、本発明者が検討した結果、例えば、超音波処理を用いることにより、ペリレン系着色剤と比較して、ワニス中の黒色酸化チタンの分散性を非常に高くすることが可能になることが判明している。
【0045】
(E)着色剤
本実施形態のソルダーレジスト用樹脂組成物は、たとえば、上記黒色顔料以外の着色剤(E)をさらに含むことができる。本実施形態の着色剤(E)は、たとえば緑、赤、青、黄、および黒等の染料、顔料(黒色顔料を除く)、および色素から選択される一種または二種以上を含む。これらの中でも、開口部の視認性等を向上させる観点から、緑色の着色剤を含むことができるが、緑色染料を含めてもよい。当該緑色の着色剤としては、たとえばアントラキノン系、フタロシアニン系、およびペリレン系等の公知の着色剤を一種または二種以上含むことができる。
【0046】
上記黒色染料は、例えば、アゾ系等の金属錯塩黒色染料、または、アントラキノン系化合物等の有機黒色染料などが挙げられる。当該黒色染料としては、特に限定されないが、例えば、Kayaset Black A−N(日本化薬社製)、Kayaset Black G(日本化薬社製)等が挙げられる。本実施形態において、黒色顔料は1種または2種以上用いてもよい。
【0047】
上記黒色染料の含有量の下限値は、ソルダーレジスト用樹脂組成物の全固形分に対して、0.01重量%以上であることが好ましく、0.05重量%以上であることがより好ましく、0.07重量%以上であることが特に好ましい。ソルダーレジスト膜のYAGレーザー等のレーザーの捺印性を向上させることができる。上記黒色染料の含有量の上限値は、ソルダーレジスト用樹脂組成物の全固形分に対して、1.0重量%以下であることが好ましく、0.9重量%以下であることがより好ましく、0.8重量%以下であることがさらに好ましい。これにより、黒色以外に着色したソルダーレジスト膜を実現させることが可能になる
【0048】
上記着色剤(E)の含有量の合計量は、たとえばソルダーレジスト用樹脂組成物の全固形分に対して0.05重量%以上であることが好ましく、0.1重量%以上であることがより好ましい。着色剤(E)の含有量を上記下限値以上とすることにより、ソルダーレジスト用樹脂組成物を用いて得られるソルダーレジスト膜の開口部の視認性や隠蔽性をより効果的に向上させることができる。一方で、着色剤(E)の含有量の合計量は、たとえばソルダーレジスト用樹脂組成物の全固形分に対して5重量%以下であることが好ましく、3重量%以下であることがより好ましい。着色剤(E)の含有量を上記上限値以下とすることにより、ソルダーレジスト用樹脂組成物の硬化性等をより効果的に向上させることが可能となる。
【0049】
(その他の成分(F))
本実施形態のソルダーレジスト用樹脂組成物には、上記各成分以外に、必要に応じてカップリング剤、レベリング剤、硬化剤、感光剤、消泡剤、紫外線吸収剤、発泡剤、酸化防止剤、難燃剤、およびイオン捕捉剤等から選択される一種または二種以上の添加物を添加してもよい。
【0050】
上記カップリング剤としては、たとえばエポキシシランカップリング剤、カチオニックシランカップリング剤、アミノシランカップリング剤などのシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤およびシリコーンオイル型カップリング剤などが挙げられる。レベリング剤としては、アクリル系共重合物等が挙げられる。上記カップリング剤の含有量は、特に限定されないが、例えば、ソルダーレジスト用樹脂組成物の全固形分に対して、0.05〜5重量%としてもよく、さらに0.2〜3重量%としてもよい。
【0051】
上記硬化剤としては、たとえばフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、アリールアルキレン型ノボラック樹脂等のフェノール樹脂等が挙げられる。上記硬化剤の含有量は、特に限定されないが、例えば、ソルダーレジスト用樹脂組成物の全固形分に対して、0.05〜10重量%としてもよく、さらに0.2〜5重量%としてもよい。上記感光剤としては、たとえば感光性ジアゾキノン化合物が挙げられる。
【0052】
本実施形態において、上記熱硬化性樹脂は、ワニス状の樹脂組成物である。ワニス状の熱硬化性樹脂をフィルム状とすることにより、本実施形態の樹脂シートが得られる。
本実施形態の樹脂シートは、たとえばワニス状のソルダーレジスト用樹脂組成物を塗布して得られた塗布膜(樹脂膜)に対して、溶剤除去処理を行うことにより得ることができる。上記樹脂シートは、溶剤含有率がソルダーレジスト用樹脂組成物全体に対して5重量%以下と定義することができる。本実施形態においては、たとえば100℃〜150℃、1分〜5分の条件で溶剤除去処理を行うことができる。これにより、熱硬化性樹脂膜の硬化が進行することを抑制しつつ、十分に溶剤を除去することが可能となる。
【0053】
本実施形態において、熱硬化性樹脂をキャリア基材に形成させる方法としては特に限定されないが、例えば、熱硬化性樹脂を溶剤などに溶解・分散させて樹脂ワニスを調製して、各種コーター装置を用いて樹脂ワニスをキャリア基材に塗工した後、これを乾燥する方法、スプレー装置を用いて樹脂ワニスをキャリア基材に噴霧塗工した後、これを乾燥する方法、などが挙げられる。これらの中でも、コンマコーター、ダイコーターなどの各種コーター装置を用いて、樹脂ワニスをキャリア基材に塗工した後、これを乾燥する方法が好ましい。これにより、ボイドがなく、均一な樹脂シートの厚みを有するキャリア基材付き樹脂シートを効率よく製造することができる。
【0054】
(溶剤)
本実施形態において、ワニス状のソルダーレジスト用樹脂組成物は、たとえば溶剤を含むことができる。
上記溶剤としては、たとえばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、酢酸エチル、シクロヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、セルソルブ系、カルビトール系、アニソール、およびN−メチルピロリドン等の有機溶剤から選択される一種または二種以上を含むことができる。
【0055】
ソルダーレジスト用樹脂組成物がワニス状である場合において、ソルダーレジスト用樹脂組成物の固形分含有量は、たとえば30重量%以上80重量%以下であることが好ましく、40重量%以上70重量%以下であることがより好ましい。これにより、作業性や成膜性に非常に優れたソルダーレジスト用樹脂組成物が得られる。なお、ワニス状のソルダーレジスト用樹脂組成物は、たとえば上述の各成分を、超音波分散方式、高圧衝突式分散方式、高速回転分散方式、ビーズミル方式、高速せん断分散方式、および自転公転式分散方式などの各種混合機を用いて溶剤中に溶解、混合、撹拌することにより調製することができる。
【0056】
なお、本実施形態に係るソルダーレジスト用樹脂組成物は、たとえばガラス繊維基材等の繊維基材や紙基材を含まないものとすることができる。これにより、ソルダーレジスト膜を形成するためにとくに適したソルダーレジスト用樹脂組成物を実現することができる。
【0057】
[樹脂シート]
本実施形態に係る樹脂シートは、上記ソルダーレジスト用樹脂組成物から得られたフィルムを含むことができる。本実施形態において、樹脂シートは、シート形状でもよく、巻き取り可能なロール形状でもよい。かかる樹脂シートを硬化することによりソルダーレジスト膜を得ることができる。また、上記ソルダーレジスト用樹脂組成物の塗布膜を硬化させることにより、ソルダーレジスト膜を得てもよい。
【0058】
本実施形態のソルダーレジスト用樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)の硬化物のL*値が30以下とすることができ、25以下としてもよく、20以下とすることも可能である。上記L*値は、黒色酸化チタン、その含有量、超音波分散処理方法、黒色染料などにより、所望の数値とすることが可能である。これにより、YAGレーザー等のレーザーの捺印性を向上させることができる。また、半導体装置の封止樹脂層と、ソルダーレジスト膜との黒色を、同一または同程度とすることにより、半導体装置全体の美観性を高めることができる。L*値の下限値は特に限定されないが、例えば、0以上とすることができる。
【0059】
本実施形態において、L*値の測定方法は、特に限定されないが、例えば、コニカミノルタセンシング社製Color Reader CR−13(測定モード:透過、測定回数:n=3)を用い、L値、a値、b値を測定できる。
【0060】
上記ソルダーレジスト用樹脂組成物の硬化物の体積抵抗率の下限値は、特に限定されないが、例えば、1.0×1014Ω・cm以上が好ましく、5.0×1014Ω・cm以上がより好ましく、1.0×1015Ω・cm以上がさらに好ましい。上記体積抵抗率の上限値は、特に限定されないが、例えば、1.0×1018Ω・cm以下が好ましく、5.0×1017Ω・cm以下がより好ましく、1.0×1017Ω・cm以下がさらに好ましい。ソルダーレジスト膜の体積抵抗率を上記範囲内とすることにより、信頼性に優れた配線基板および電子装置の構造を実現することができる。上記体積抵抗率は、例えば、黒色酸化チタンの含有量やその分散性を大きくすることにより、高めることができる。
【0061】
本実施形態において、200℃、1時間で熱処理して得られる上記ソルダーレジスト用樹脂組成物の硬化物の30℃における貯蔵弾性率が、たとえば7GPa以上である。これにより、ソルダーレジスト用樹脂組成物を用いて得られる樹脂シートを備える配線基板のたわみ抑制や強度向上、この配線基板を備える半導体パッケージの反り抑制等を図ることが可能となる。上記貯蔵弾性率は、10GPa以上であることがより好ましい。一方で、上記貯蔵弾性率の上限値は、とくに限定されないが、たとえば50GPaとすることができる。これにより、耐久性に優れるパッケージを製造できる配線基板をより確実に実現できる。
【0062】
本実施形態において、ソルダーレジスト用樹脂組成物は、200℃、1時間で熱処理して得られる上記ソルダーレジスト用樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度が、たとえば160℃以上である。これにより、ソルダーレジスト用樹脂組成物を用いて得られる樹脂シートの耐熱性および耐リフロー性の向上等を図ることが可能となる。上記ガラス転移温度は、200℃以上であることがより好ましい。一方で、上記ガラス転移温度の上限値は、とくに限定されないが、たとえば350℃とすることができる。
【0063】
また、上記ソルダーレジスト用樹脂組成物は、黒色顔料として、耐熱性を有する黒色酸化チタンを使用しているため、比較的高温の熱処理によって硬化する工程に利用することができる。本実施形態の硬化温度の下限値としては、特に限定されないが、例えば、160℃以上が好ましく、180℃以上がより好ましく、200℃以上がさらに好ましい。上記硬化温度の上限値としては、特に限定されないが、例えば、260℃以下とすることができ、240℃以下でもよく、220℃以下でもよい。本実施形態のソルダーレジスト用樹脂組成物を利用することにより、高温の硬化温度条件下においても、耐熱性に優れており、安定して黒色を呈するソルダーレジスト膜を得ることができる。
【0064】
本実施形態において、上記貯蔵弾性率および上記ガラス転移温度は、たとえば動的粘弾性測定装置を用いて周波数1Hz、昇温速度5℃/分の条件で動的粘弾性試験を行うことにより得られる測定結果から、算出することができる。動的粘弾性測定装置としては、とくに限定されないが、たとえばセイコーインスツルメンツ社製、DMS6100を用いることができる。
【0065】
本実施形態において、200℃、1時間で熱処理して得られる上記ソルダーレジスト用樹脂組成物の硬化物の、ガラス転移温度未満における線膨張係数が、たとえば30ppm/℃以下である。これにより、ソルダーレジスト用樹脂組成物を用いて得られる樹脂シートを備える半導体パッケージの反り抑制等を図ることが可能となる。上記線膨張係数は、28ppm/℃以下であることがとくに好ましい。一方で、上記線膨張係数の下限値は、とくに限定されないが、たとえば3ppm/℃とすることができる。これにより、耐久性に優れるパッケージを製造できる配線基板をより確実に実現できる。
本実施形態においては、たとえばTMA(熱分析装置)を用いて昇温速度10℃/分の条件で測定することにより得られる線膨張係数の、25〜50℃における平均を算出して、これをガラス転移温度未満における上記線膨張係数とすることができる。
【0066】
なお、本実施形態では、たとえばソルダーレジスト用樹脂組成物中に含まれる各成分の種類や配合量、ソルダーレジスト用樹脂組成物の調製方法等を適切に選択することにより、上記貯蔵弾性率、上記ガラス転移温度、および上記線膨張係数を制御することが可能である。
【0067】
また、本実施形態の樹脂シート(樹脂膜)をキャリア基材上に配置することにより、キャリア基材付樹脂シートを構成することができる。これにより、樹脂シートのハンドリング性を向上させることができる。
【0068】
本実施形態において、キャリア基材としては、例えば、高分子フィルムや金属箔などを用いることができる。当該高分子フィルムとしては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリカーボネート、シリコーンシート等の離型紙、フッ素系樹脂、ポリイミド樹脂などの耐熱性を有した熱可塑性樹脂シート等が挙げられる。当該金属箔としては、特に限定されないが、例えば、銅および\または銅系合金、アルミおよび\またはアルミ系合金、鉄および\または鉄系合金、銀および\または銀系合金、金および金系合金、亜鉛および亜鉛系合金、ニッケルおよびニッケル系合金、錫および錫系合金などが挙げられる。これらの中でも、ポリエチレンテレフタレートで構成されるシートが安価および剥離強度の調節が簡便なため最も好ましい。これにより、上記樹脂シートから、適度な強度で剥離することが容易となる。
上記キャリア基材の厚みは、特に限定されないが、例えば、10〜100μmとしてもよく、10〜70μmとしてもよい。これにより、樹脂シートを製造する際の取り扱い性が良好であり好ましい。
【0069】
本実施形態の樹脂シートは、単層でも多層でもよく、1種または2種以上の上記フィルムを含むことができる。当該樹脂シートが多層の場合、同種で構成されてもよく、異種で構成されてもよい。
【0070】
本実施形態において、2層以上の樹脂シートを形成する方法は、特に限定されないが、例えば、ソルダーレジスト用樹脂組成物をキャリア基材に塗布して得られた、第1樹脂層と第2樹脂層とを貼り合わせ、その後乾燥させることにより、2層の樹脂シートが得られる。そのほかにも、ソルダーレジスト用樹脂組成物をキャリア基材に塗布し、乾燥させるとこで、第1樹脂シートを得る。この後、第1樹脂シート上に、ソルダーレジスト用樹脂組成物を塗布、乾燥させることで、第2樹脂シートを第1樹脂シート上に形成する方法が挙げられます。また、2層同時にキャリア基材上に塗布、乾燥させることで、2層の樹脂シートを得る方法も使用できる。
【0071】
[配線基板]
本実施形態に係る配線基板について説明する。
図1は、実施形態における配線基板20の構造の例を示す模式図である。
本実施形態の配線基板は、基板(コア基板22)と、基板上に形成された導電回路(導電体パターン24)と、基板の最外層に形成されたソルダーレジスト膜(絶縁性樹脂膜10)と、を含むことができる。当該ソルダーレジスト膜は、本実施形態のソルダーレジスト用樹脂組成物を硬化させることにより得られる。例えば、上記ソルダーレジスト膜は、本実施形態の樹脂シートの硬化物で構成することができる。
【0072】
図1に示す配線基板20は、コア基板22、導電体パターン24、および絶縁性樹脂膜10を備える。導電体パターン24は、コア基板22の少なくともひとつの最外面に設けられている。絶縁性樹脂膜10は、配線基板20の最外層を構成する。絶縁性樹脂膜10は、導電体パターン24の周囲に設けられている。絶縁性樹脂膜10には、複数の開口部28が設けられている。少なくとも1つの開口部28内には、導電体パターン24の導電部の一部が位置している。
【0073】
本実施形態に係る配線基板20において、コア基板22は少なくとも1つの絶縁層を含む基板である。コア基板22が備える絶縁層はたとえば繊維基材に樹脂組成物を含浸してなる樹脂基材である。
上記コア基板22は、熱硬化性樹脂からなるものとすることができる。コア基板22はリジッドな基板でも良いし、フレキシブルな基板でも良い。コア基板22の厚さは、とくに限定されないが、たとえば10μm以上300μm以下とすることができる。
【0074】
また、上記コア基板22は、1つの絶縁層のみを有し、その片面のみに導電体パターン24が形成された片面板でも良いし、1つの層のみを有し、その表裏面の両方に導電体パターン24が設けられた両面板でも良いし、2層以上の絶縁層を有する多層板でもよい。コア基板22が多層板である場合、コア基板22内には2つの絶縁層に挟まれた配線層が一層以上形成される。
また、コア基板22が両面板もしくは多層板である場合、コア基板22の1つの表面(最外面)に設けられた導電体パターン24は、反対側の表面(最外面)に設けられた導電体パターン24やコア基板22の内部に設けられた配線層と、少なくとも一部の絶縁層を貫通するスルーホール(不図示)を介して互いに電気的に接続されている。
【0075】
上記導電体パターン24は、コア基板22のおもて面と裏面の少なくとも一方の表面(最外面)に設けられている。導電体パターン24は、たとえばコア基板22に積層された銅膜を選択エッチングして形成されたパターンである。導電体パターン24は、導電部として少なくともランド244とライン242とを含む。ランド244は主に、配線基板20に実装される素子や部品と導電体パターン24とを電気的に接続する接続部であり、たとえば導電体パターン24の他の部分もしくはコア基板22内の配線層に接続された円形や四角形の部分である。なお、ランド244の中心には電子部品の端子等を挿入するホールが設けられていても良い。そして、ライン242は主に、ランド244同士を互いに電気的に接続する線状の部分である。
【0076】
上記絶縁性樹脂膜10が、導電体パターン24上に積層されている。絶縁性樹脂膜10は、本実施形態のソルダーレジスト膜で構成される。これにより、絶縁性を維持することができるので、信頼性の高い配線基板を得ることができる。また、上下の最外層に、上記ソルダーレジスト膜が配置されているため、例えば、黒色に呈することができ、配線基板の下面においても美観性を高めることができる。また、上記ソルダーレジスト膜の下面に、例えば、YAGレーザー等のレーザーによりマークを捺印することもできる。
【0077】
絶縁性樹脂膜10には、主にランド244が設けられた領域に開口部が設けられており、ランド244は絶縁性樹脂膜10に被覆されていない。すなわち、ランド244の上には絶縁性樹脂膜10が設けられておらず、ランド244が露出している。なお、ランド244の上には、たとえばニッケルおよび金のめっき膜や半田のめっき膜などの導電膜が積層されていてもよい。本実施形態に係る配線基板20では、開口部に位置するランド244の上にめっき膜246がさらに設けられている。絶縁性樹脂膜10にはさらにランド244以外の部分に開口部が設けられていても良いし、ライン242の一部を露出させるような開口部があってもよい。また、ランド244の全てが開口部に位置する必要は無く、絶縁性樹脂膜10に覆われたランド244があってもよい。
【0078】
配線基板20はたとえばインターポーザもしくはマザーボードとして用いることができる。なお、パッケージとは、配線基板上に種々のパーツが搭載され、一括封止されたものをいう。半導体パッケージはパッケージの一例であり、パッケージには、一括封止されたECU(Electric Control Unit)等も含む。
【0079】
[電子装置]
次に、本実施形態に係る半導体パッケージ102について説明する。
図2は本実施形態に係る半導体パッケージ102の構造の一例を示す断面模式図である。
本実施形態の電子装置(半導体パッケージ102)は、上記配線基板(配線基板20)と、配線基板上に実装された電子素子(半導体素子60)と、を含むことができる。すなわち、当該電子装置は半導体装置として利用できる。この配線基板の最外層を構成するソルダーレジスト膜のうち、電子素子が実装された面とは反対側の面上に配置されたソルダーレジスト膜(下層側の絶縁性樹脂膜10)が、本実施形態のソルダーレジスト用樹脂組成物を硬化して得られたものとすることができる。
【0080】
図2に示す半導体パッケージ102は、配線基板20、半導体素子60、および封止樹脂層40を備える。半導体素子60は配線基板20上に配設されている。封止樹脂層40は、配線基板20の少なくともひとつの面および半導体素子60を覆っている。配線基板20は、コア基板22、導電体パターン24、および絶縁性樹脂膜10を備える。導電体パターン24はコア基板22の少なくともひとつの最外面に設けられている。絶縁性樹脂膜10は、配線基板20の最外層であり、導電体パターン24の周囲に設けられている。
【0081】
本実施形態に係る半導体パッケージ102では、上述した配線基板20の一方の面(以下では「上面」と呼ぶ)の絶縁性樹脂膜10の上に、少なくとも1つの半導体素子60が配設されている。半導体パッケージ102において、配線基板20はたとえばインターポーザであり、半導体素子60はたとえば半導体ウエハから切り出されたLSIチップである。また、配線基板20の上面には半導体素子60に加えて、たとえば抵抗や容量として機能する電子部品などがさらに配設されていてもよい。半導体素子60はダイアタッチ材62を介して絶縁性樹脂膜10の上に固定されている。
【0082】
半導体素子60にはその表面に電気的な接続パッド(不図示)が設けられており、接続パッドはたとえば半導体素子60の内部に作り込まれた回路に接続されている。配線基板20に設けられた導電体パターン24の一部分であるランド244は、絶縁性樹脂膜10の開口部28に設けられている。そして、ランド244と、半導体素子60の接続パッドとは、ボンディングワイヤ50によって接続されている。なお、本実施形態に係る半導体パッケージ102では、ランド244の上にめっき膜246がさらに設けられており、ランド244はめっき膜246を介してボンディングワイヤ50に接続されているが、これに限定されない。また、ボンディングワイヤ50で接続される代わりにリード線や半田により接続されていても良い。
【0083】
封止樹脂層40は、配線基板20の上面の表面に露出した絶縁性樹脂膜10と、コア基板22と、めっき膜246(めっき膜246を設けない場合はランド244)と、半導体素子60のうちダイアタッチ材62で配線基板20と接合された面以外の面と、ボンディングワイヤ50とを覆っている。なお、封止樹脂層40は配線基板20の半導体素子60が設けられた面の全面を覆っていても良いし、当該面の一部を露出させて覆っていても良い。
【0084】
半導体パッケージ102の配線基板20には、上面とは反対側の面(以下では「下面」と呼ぶ)にさらに複数の開口部28と、開口部28の内部のランド244が設けられている。そして、それぞれのランド244はめっき膜246に覆われ、さらにめっき膜246を覆う半田ボール30が設けられている。
ここでは、本実施形態に係る半導体パッケージ102としてフリップチップ接続のパッケージの例について説明したが、これに限定されず、ワイヤボンディングやTAB(Tape Automated Bonding)接続されるパッケージでもよい。
【0085】
本実施形態において、半導体装置の封止樹脂層40と、実装面と反対側に配置された下層の絶縁性樹脂膜10(本実施形態のソルダーレジスト膜)とを、同じ色とすることが可能である。例えば、それぞれ、同一または同程度の黒色とすることができる。上面および下面の最外層を、同じ黒色とすることにより、半導体装置全体の美観性を高めることができる。なお、半導体装置の下層の絶縁性樹脂膜10の下面上には、外部接続電極(例えば、半田ボール30)を覆う黒色シールを貼り付けてもよい。
【0086】
また、封止材30の上面または絶縁性樹脂膜10の下面には、例えば、YAGレーザー等のレーザーによりマークが捺印される。このマークは、例えば、直線または曲線からなる文字、数字、または記号の少なくとも1種類以上により構成される。また、上記マークは、例えば、半導体パッケージの製品名、製品番号、ロット番号、またはメーカー名等を示すものである。また、上記マークは、例えば、YVOレーザー、炭酸レーザー等により捺印されてもよい。
【0087】
本実施形態の半導体装置としては、特に限定されないが、例えば、QFP(Quad Flat Package)、SOP(Small Outline Package)、BGA(Ball Grid Array)、CSP(Chip Size Package)、QFN(Quad Flat Non−leaded Package)、SON(Small Outline Non−leaded Package)、LF−BGA(Lead Flame BGA)等が挙げられる。
【0088】
また、上記半導体素子としては、例えば、集積回路、大規模集積回路、トランジスタ、サイリスタ、ダイオード、固体撮像素子等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0089】
[配線基板の製造方法]
次に、配線基板20の製造方法について説明する。
本実施形態に係る配線基板20の製造方法は、コア基板22を準備する工程、絶縁膜を積層する工程、開口部28を形成する工程、およびデスミア処理する工程をこの順に含む。コア基板22を準備する工程では、少なくともひとつの最外面に導電体パターン24が設けられたコア基板22を準備する。絶縁膜を積層する工程では、コア基板22および導電体パターン24上に最外層の絶縁膜を積層する。開口部28を形成する工程では、絶縁膜の所定の領域に導電体パターン24の一部を露出させる。デスミア処理する工程では、絶縁膜の表面をデスミア処理する。開口部28を形成する工程は、絶縁膜のうち、開口部28とする領域にレーザー光を照射する工程を含む。
【0090】
まず、表裏の少なくとも一方の最外面に導電体パターン24が設けられたコア基板22を準備する(コア基板を準備する工程)。次いで、コア基板22の導電体パターン24上に絶縁膜を積層する(積層する工程)。本工程では、コア基板22の導電体パターン24が設けられた面上に、絶縁膜がコア基板22と対向するようキャリア付樹脂膜を貼付する。キャリア付樹脂膜の貼付は、たとえばキャリア付樹脂膜を導電体パターン24上に積層した後、これを真空加熱加圧成形することにより行うことができる。本実施形態において、キャリア付樹脂膜としては、金属箔付き樹脂膜でもよいし、樹脂フィルム付き樹脂膜でもよい。次いで、キャリア基材を、絶縁膜から剥離する。これにより、コア基板22に、導電体パターン24を覆うように、絶縁膜が形成されることとなる。本実施形態では、キャリア付樹脂膜を用いて絶縁膜を積層する方法について説明したが、ワニス状のソルダーレジスト用樹脂組成物を導電体パターン24上に塗布し、乾燥させて絶縁膜を積層しても良い。
【0091】
次いで導電体パターン24上の絶縁膜の所定の位置に開口部28を設ける(開口部を形成する工程)。開口部28は主に導電体パターン24のランド244を露出させるように形成する。開口部28の形成方法としては特に限定されず、露光現像法やレーザー加工法、などの方法を用いることができる。
【0092】
開口部28の形成に露光現像法を用いる場合、ソルダーレジスト用樹脂組成物は感光剤を含む必要がある。露光現像法ではまず、絶縁膜のうち開口部28を形成する領域、もしくは開口部28を形成しない領域のいずれか一方に選択的に光を照射する露光を行う。その後、アルカリ性水溶液などの現像液を用いた現像を行うことで開口部28を形成出来る。
【0093】
その後、絶縁膜を熱硬化させることにより絶縁性樹脂膜10を形成する。本実施形態において、硬化温度は特に限定されないが、例えば、160℃以上でもよく、180℃以上でもよく、200℃以上でもよい。これにより絶縁性樹脂膜10(ソルダーレジスト膜)を形成する。ここで、露光にはたとえば、マスクパターンを密着させて紫外線を照射する方法や、レーザー光を所望の領域に直接照射する方法を用いることができる。
【0094】
プロセスの簡易化の観点から、開口部28を形成する工程では、絶縁膜のうち、開口部28とする領域にレーザー光を照射して(レーザー光を照射する工程)、開口を形成する方法が好ましく、中でもレーザー加工法がより好ましい。
【0095】
開口部28を形成した後には、必要に応じてデスミア処理を行うことができる(デスミア処理する工程)。デスミア処理では、開口部28の形成などで生じたスミアを除去する。
【0096】
本実施形態に係る配線基板20の製造方法では、開口部28の形成、および必要に応じてデスミア処理を行った後、開口部28に露出した導電体パターン24の上にめっき膜246を形成するめっき処理を行う。ただし、めっき膜246を形成せずに配線基板20としても良い。めっき膜246は、たとえば半田めっき膜や、錫めっき膜や、ニッケルめっき膜の上に金めっき膜を積層した2層構造のめっき膜とすることができる。めっき膜246は開口部28に露出した導電体パターン24の導電部を覆うように形成される。また、めっき膜246の膜厚は、とくに限定されないが、たとえば2μm以上10μm以下とすることができる。これにより、ランド244部分を、配線基板20を用いた実装工程においてワイヤボンディングや半田付けに適した接続部とすることができる。
【0097】
めっき処理の方法は、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。たとえば、電解めっき法または無電解めっき法を用いることができる。たとえば無電解めっき法を用いる場合、次の様にめっき膜246を形成することが出来る。ここではニッケルと金の2層構造のめっき膜246を形成する例について説明するが、これに限定されない。まず、ニッケルめっき膜を形成する。無電解ニッケルめっきを行う場合、めっき液に導電体パターン24や絶縁性樹脂膜10を積層したコア基板22を浸漬する。このことで、開口部28に露出した導電体パターン24の導電部の上に、ニッケルめっき膜を形成できる。めっき液は、ニッケル鉛、および還元剤としてたとえば次亜リン酸塩を含んだものを用いることができる。続いて、ニッケルめっき膜の上に無電解金めっきを行う。無電解金めっきの方法は特に限定されないが、たとえば金イオンと下地金属のイオンとの置換により行う置換金めっきで行うことができる。
なお、めっき処理の前に、必要に応じて、露出した導電体パターン24の導電部を洗浄する工程や、粗化する工程を行っても良い。
【0098】
次いで、本実施形態に係る配線基板20の製造方法では、絶縁性樹脂膜10を形成した表面を、プラズマ処理してもよい。以上の様にして図1の様な本実施形態に係る配線基板20が得られる。
【0099】
[電子装置の製造方法]
【0100】
次に、半導体パッケージ102の製造方法について説明する。
本実施形態の電子装置(半導体パッケージ102)の製造方法は、導電回路(導電パターン24)が一面に形成された基板(コア基板22)を準備する工程と、樹脂膜(上記絶縁膜)を基板上に配置する工程と、樹脂膜に開口部を形成して、導電回路を露出させる工程と、樹脂膜を加熱処理することによりソルダーレジスト膜(絶縁性樹脂膜10)を形成する工程と、電子素子を、開口部に露出している導電回路と電気的に接続する工程と、電子素子(半導体素子60)を封止する工程と、を含むことができる。当該樹脂膜は、本実施形態のソルダーレジスト用樹脂組成物を用いてなることが好ましい。すなわち、当該樹脂膜は、上記ソルダーレジスト用樹脂組成物の塗布膜、または上記樹脂シートにより構成してもよい。また、本実施形態において、上記樹脂膜は、基板(コア基板22)の両面にそれぞれ形成されており、少なくとも電子素子が実装された面とは反対側の面上に配置された樹脂膜が、本実施形態のソルダーレジスト用樹脂組成物を用いてなることが好ましい。
【0101】
すなわち、本実施形態に係る半導体パッケージ102の製造方法は、配線基板20を準備する工程、半導体素子60を配設する工程、および封止する工程をこの順に含む。配線基板20を準備する工程では、表面に絶縁性樹脂膜10(ソルダーレジスト膜)が露出した配線基板20を準備する。半導体素子60を配設する工程では、絶縁性樹脂膜10上に半導体素子60を配設する。封止する工程では、露出した、絶縁性樹脂膜10および半導体素子60を封止樹脂で覆うよう封止する。配線基板20は、コア基板22、導電体パターン24、および絶縁性樹脂膜10を備える。導電体パターン24はコア基板22の少なくともひとつの最外面に設けられている。絶縁性樹脂膜10は配線基板20の最外層であり、導電体パターン24上に設けられている。絶縁性樹脂膜10には、複数の開口部28が設けられている。少なくとも1つの開口部28内には、導電体パターン24の導電部の一部が位置している。
【0102】
まず、上述の配線基板20を準備し(配線基板を準備する工程)、配線基板20の上に、半導体素子60を配設する(半導体素子を配設する工程)。このとき半導体素子60は、たとえばダイアタッチ材62を介して配線基板20上に搭載する。半導体素子60と配線基板20を接続するボンディングワイヤ50は、たとえば配線基板20の上面の開口部28に露出した導電体パターン24へボンディングする。次いで、配線基板20の上面、半導体素子60、およびボンディングワイヤ50を封止樹脂層40によって封止する(封止する工程)。封止樹脂としてはたとえばエポキシ樹脂組成物を用いることができる。封止樹脂でモールドする方法としては、トランスファー成形法、射出成形法、転写法、塗布法などを用いることができる。封止樹脂層40をたとえば150℃以上200℃以下で加熱することにより硬化させる。
【0103】
また、配線基板20に外部接続端子である半田ボール30が設けられる例においては、たとえば下面側の開口部28に露出した導電体パターン24上に、半田ボール30を形成する。なお、本実施形態に係る半導体パッケージ102としてフリップチップ接続のパッケージの例について説明したが、半導体パッケージ102はこれに限定されず、ワイヤボンディングやTAB接続されるパッケージでもよい。
【0104】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、参考形態の例を付記する。
1. 熱硬化性樹脂と、
無機充填材と、
黒色顔料と、を含む、ソルダーレジスト用樹脂組成物であって、
前記黒色顔料が、黒色酸化チタンを含む、黒色のソルダーレジストに用いるソルダーレジスト用樹脂組成物。
2. 前記黒色酸化チタンが、TiO(ただし、Xは1以上、2未満を示す)で表される、1.に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
3. 前記黒色酸化チタンのD50が、0.1μm以上2.0μm以下である、1.または2.に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
4. 前記黒色酸化チタンの含有量が、前記ソルダーレジスト用樹脂組成物全体に対して、1重量%以上、10重量%以下である、1.から3.のいずれか1つに記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
5. 前記熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂を含む、1.から4.のいずれか1つに記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
6. 前記エポキシ樹脂が、ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂を含む、5.に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
7. 前記熱硬化性樹脂が、シアネート樹脂を含む、1.から6.のいずれか1つに記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
8. 黒色染料をさらに含む、1.から7.のいずれか1つに記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
9. 前記無機充填材が、シリカを含む、1.から8.のいずれか1つに記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
10. 160℃以上の加熱処理により硬化させる工程に用いる、1.から9.のいずれか1つに記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
11. 当該ソルダーレジスト用樹脂組成物の硬化物の体積抵抗率が、1.0×1014Ω・cm以上、1.0×1018Ω・cm以下である、1.から10.のいずれか1つに記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
12. 当該ソルダーレジスト用樹脂組成物の硬化物の30℃における貯蔵弾性率が7Gpa以上である、1.から11.のいずれか1つに記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
13. 当該ソルダーレジスト用樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度が、160℃以上である、1.から12.のいずれか1つに記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
14. 当該ソルダーレジスト用樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度未満における線膨張係数が30ppm/℃以下である、1.から13.のいずれか1つに記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
15. 当該ソルダーレジスト用樹脂組成物の硬化物のL*値が30以下である、1.から14.のいずれか1つに記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
16. キャリア基材と、
前記キャリア基材上に配置された樹脂膜と、を備えており、
前記樹脂膜が、1.から15.のいずれか1つに記載のソルダーレジスト用樹脂組成物を用いてなる、キャリア付樹脂膜。
17. 基板と、
前記基板上に形成された導電回路と、
前記基板の最外層に形成されたソルダーレジスト膜と、を含み、
前記ソルダーレジスト膜は、1.から15.のいずれか1つに記載のソルダーレジスト用樹脂組成物を用いてなる、配線基板。
18. 17.に記載の配線基板と、
前記配線基板上に実装された電子素子と、を含み、
前記配線基板の最外層を構成するソルダーレジスト膜のうち、前記電子素子が実装された面とは反対側の面上に配置された前記ソルダーレジスト膜が、1.から15.のいずれか1つに記載のソルダーレジスト用樹脂組成物を用いてなる、電子装置。
19. 導電回路が一面に形成された基板を準備する工程と、
樹脂膜を前記基板上に配置する工程と、
前記樹脂膜に開口部を形成して、前記導電回路を露出させる工程と、
前記樹脂膜を加熱処理することによりソルダーレジスト膜を形成する工程と、
電子素子を、前記開口部に露出している前記導電回路と電気的に接続する工程と、
前記電子素子を封止する工程と、を含み、
前記樹脂膜は、1.から15.のいずれか1つに記載のソルダーレジスト用樹脂組成物を用いてなる、電子装置の製造方法。
20. 前記樹脂膜は、前記基板の両面にそれぞれ形成されており、
少なくとも前記電子素子が実装された面とは反対側の面上に配置された前記樹脂膜が、1.から15.のいずれか1つに記載のソルダーレジスト用樹脂組成物を用いてなる、19.に記載の電子装置の製造方法。
【実施例】
【0105】
次に、本発明の実施例について説明する。
【0106】
(熱硬化性樹脂組成物の調製)
各実施例および各比較例について、ワニス状の熱硬化性樹脂組成物を調整した。まず、表1に従い配合された各成分の原料(黒色酸化チタン除く)を溶剤1に溶解、分散させた後、高速撹拌装置を用いて1時間撹拌することによりワニスを得た。その後、得られたワニス中に黒色酸化チタンを配合し、超音波分散方式により1時間攪拌することにより、ワニス状の熱硬化性樹脂組成物を得た。なお、表1における各成分の配合割合を示す数値は、熱硬化性樹脂組成物の固形分全体に対する各成分の配合割合(重量%)を示している。
表1における各成分の原料の詳細は下記のとおりである。
【0107】
(熱硬化性樹脂)
熱硬化性樹脂1:ナフタレン変性クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC(株)製、EXA−7320)
熱硬化性樹脂2:ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬社製、NC−3000)
熱硬化性樹脂3:ビフェニル型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、YX4000HK)
熱硬化性樹脂4:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学製、jER828EL)
熱硬化性樹脂5:ナフタレンジオール型エポキシ樹脂(DIC社製、EPICLON HP−4032D)
(充填材)
充填材1:シリカ(アドマテックス社製、SC4050KNR、平均粒径1μm、5μmカット)
(シアネート樹脂)
シアネート樹脂1:フェノールノボラック型シアネート樹脂(LONZA社製、Primaset PT−30)
(硬化剤)
硬化剤1:フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト社製、PR−53195)
(硬化促進剤)
硬化促進剤1:下記一般式(2)に該当するオニウム塩化合物のリン系触媒(住友ベークライト社製、C05−MB)
【化3】
(着色剤)
黒色染料1:アントラキノン系化合物を含む染料(日本化薬社製、Kayaset Black A−N)
黒色顔料1:黒色酸化チタン(赤穂化学社製、TM−HPE、平均粒径0.2〜0.4μm)
黒色顔料2:カーボンブラック(三菱化学株式会社製、MA600)
(カップリング剤)
カップリング剤1:エポキシシラン型カップリング剤(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、A−187)
(レベリング剤)
レベリング剤1:レベリング剤(ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−361N)
(溶剤)
溶剤1:メチルエチルケトン
【0108】
【表1】
【0109】
(キャリア付樹脂膜の作製)
各実施例および各比較例について、得られた熱硬化性樹脂組成物をキャリア基材であるPETフィルム上に塗布した後、140℃、2分の条件で溶剤を除去して、厚さ30μmの熱硬化性樹脂膜を形成した。これにより、キャリア付樹脂膜を得た。
【0110】
(L*値)
得られたキャリア付樹脂膜からキャリア基材であるPETフィルムを剥離して、厚さ30μmの樹脂シートを作製した。当該樹脂シートをサンプルとした。
コニカミノルタセンシング社製Color Reader CR−13(測定モード:透過、測定回数:n=3)を用い、L値、a値、b値を測定した。CIE1976L表色系の数値への変換は装置本体が行い、CIE1976L表色系のデータを得た。
【0111】
(体積抵抗率の測定)
得られたキャリア付樹脂膜からキャリア基材であるPETフィルムを剥離して、厚さ30μmの樹脂シートを作製した。当該樹脂シートをサンプルとした。
体積抵抗率はJIS K 6911に準拠して行った。試験片は実施例および比較例から得られたサンプルから10cm×10cmになるように切り出したものを用いた。
【0112】
(分散性)
ワニス状の熱硬化性樹脂組成物を分散調合し、サンプルを得る。(i)分散直後のサンプル、または(ii)調合後から48時間経過したサンプルをグラインドゲージに入れて、ゲージを引いた。これにより分散状態を判定した。下記の評価基準の結果を表1に示した。
評価基準:
10μmより深い部分でフィラーのひっかかりがない:○(合格)
引っかかりがある:×(不合格)
【0113】
(ガラス転移温度、貯蔵弾性率)
得られたキャリア付樹脂膜からキャリア基材であるPETフィルムを剥離したものを3枚積層して、厚さ90μmの樹脂シートを作製した。次いで、当該樹脂シートを、200℃、1時間で熱処理した後、幅8mm×長さ50mm×厚さ90μmに切り出して測定サンプルとした。この測定サンプルに対し、動的粘弾性測定装置(セイコーインスツルメンツ社製、DMS6100)を用いて、周波数1Hz、昇温速度5℃/分の条件で動的粘弾性試験を行った。次いで、得られた測定結果から、ガラス転移温度(℃)と、30℃における貯蔵弾性率(GPa)を算出した。ガラス転移温度は、tanδのピーク値から判定した。結果を表1に示す。
【0114】
(線膨張係数)
得られたキャリア付樹脂膜からキャリア基材であるPETフィルムを剥離したものを3枚積層して、厚さ90μmの樹脂シートを作製した。次いで、当該樹脂シートを、200℃、1時間で熱処理した後、幅4mm×長さ20mm×厚さ90μmに切り出して測定サンプルとした。この測定サンプルに対し、TMA(TAインスツルメンツ(株)製)を用いて、昇温速度10℃/分の条件で線膨張係数の測定を行った。次いで、50〜75℃における測定結果の平均を算出し、これをガラス転移温度未満における線膨張係数(ppm/℃)とした。結果を表1に示す。
【0115】
以上、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明したが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【符号の説明】
【0116】
10 絶縁性樹脂膜
20 配線基板
22 コア基板
24 導電体パターン
28 開口部
30 覆う半田ボール
30 半田ボール
40 封止樹脂層
50 ボンディングワイヤ
60 半導体素子
62 ダイアタッチ材
242 ライン
244 ランド
246 めっき膜
図1
図2