特許第6610071号(P6610071)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6610071
(24)【登録日】2019年11月8日
(45)【発行日】2019年11月27日
(54)【発明の名称】蓄電装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/34 20060101AFI20191118BHJP
   H01M 2/06 20060101ALI20191118BHJP
   H01M 2/08 20060101ALI20191118BHJP
【FI】
   H01M2/34 A
   H01M2/06 A
   H01M2/08 A
【請求項の数】3
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-156465(P2015-156465)
(22)【出願日】2015年8月6日
(65)【公開番号】特開2017-37718(P2017-37718A)
(43)【公開日】2017年2月16日
【審査請求日】2018年5月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大井手 竜二
(72)【発明者】
【氏名】栗田 幹也
(72)【発明者】
【氏名】弘瀬 貴之
【審査官】 松村 駿一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−122293(JP,A)
【文献】 特開2003−178724(JP,A)
【文献】 特開2004−079469(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/34
H01M 2/06
H01M 2/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースに収容された電極組立体と、
前記ケースの取付孔に設けられ、前記ケースの内外を連通する貫通孔を有する接続端子と、
前記ケース内に収容され、前記電極組立体と前記接続端子とが電気的に接続された導通状態と、前記電極組立体と前記接続端子とが電気的に非接続となる非導通状態とに切換える電流遮断装置と、を備えており、
前記電流遮断装置は、
前記接続端子のケース内部側の端部に取付けられ、前記接続端子の貫通孔と連通する内部空間を有する絶縁性のホルダと、
前記導通状態では前記電極組立体と前記接続端子とを電気的に接続する一方で、前記非導通状態では前記電極組立体と前記接続端子とを電気的に非接続とする通電板と、を備えており、
前記通電板は、前記ホルダに取付けられており、
前記ホルダの内部空間は、前記ホルダにおける前記通電板の取付面と、前記通電板における前記ホルダとの当接面が当接することで封止されており、
前記ホルダの取付面と前記通電板の当接面の一方には第1凹部が設けられており、
前記ホルダの取付面と前記通電板の当接面の他方と前記第1凹部によって完全に囲まれている空間内には、Oリングが収容されると共に乾燥された状態の液状ガスケットが充填されており、前記液状ガスケットにより前記ホルダの取付面と前記通電板の当接面との間が封止されている、蓄電装置。
【請求項2】
前記第1凹部は、前記ホルダの取付面に設けられている、請求項に記載の蓄電装置。
【請求項3】
ケースに収容された電極組立体と、
前記ケースの取付孔に設けられ、前記ケースの内外を連通する貫通孔を有する接続端子と、
前記ケース内に収容され、前記電極組立体と前記接続端子とが電気的に接続された導通状態と、前記電極組立体と前記接続端子とが電気的に非接続となる非導通状態とに切換える電流遮断装置と、を備えており、
前記電流遮断装置は、
前記接続端子のケース内部側の端部に取付けられ、前記接続端子の貫通孔と連通する内部空間を有する絶縁性のホルダと、
前記導通状態では前記電極組立体と前記接続端子とを電気的に接続する一方で、前記非導通状態では前記電極組立体と前記接続端子とを電気的に非接続とする通電板と、を備えており、
前記通電板は、前記ホルダに取付けられており、
前記ホルダの内部空間は、前記ホルダにおける前記通電板の取付面と、前記通電板における前記ホルダとの当接面が当接することで封止されており、
前記ホルダの取付面と前記通電板の当接面の一方には第1凹部が設けられており、
前記ホルダの取付面と前記通電板の当接面の他方と前記第1凹部によって完全に囲まれている空間内には、乾燥された状態の液状ガスケットが充填されており、前記液状ガスケットにより前記ホルダの取付面と前記通電板の当接面との間が封止されており、
前記第1凹部は、前記ホルダの取付面に設けられており、
前記ホルダの取付面には、さらに前記第1凹部の内側又は外側に間隔を空けて設けられた第2凹部を備えており、
前記第2凹部には、Oリングが収容されている、蓄電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示の技術は、蓄電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、電流遮断装置を備えた蓄電装置が開示されている。蓄電装置は、電極組立体を収容するケースを有しており、ケースにはケースの内外を連通する取付孔が形成されている。電流遮断装置は、ケースの取付孔に取付けられており、接続端子と、ホルダと、通電板を備えている。接続端子は、ケースの取付孔に取付けられ、ケースの内外を連通する貫通孔を有している。ホルダは、ケース内に配置され、接続端子のケース内部側の端部に取付けられている。ホルダの下端面には、通電板が熱かしめによって固定されている。通電板は、導通状態では電極組立体と接続端子とを電気的に接続し、非導通状態では、電極組立体と接続端子とを電気的に非接続とする。通電板が導通状態から非導通状態となることで、電極組立体と接続端子とを接続する通電経路が遮断される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−225500号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の蓄電装置では、蓄電装置に水分が侵入することで、蓄電装置の性能が低下する場合がある。特許文献1の蓄電装置では、電極端子に貫通孔が形成されている。このため、貫通孔を介してホルダの内部空間に水分が侵入し、ホルダと通電板の間からケース内部に水分が侵入する可能性がある。このような水分の侵入を防止するためには、ホルダと通電板の間にOリングなどのシール部材を配置することが考えられる。しかしながら、Oリングなどのシール部材では、蓄電装置内への水分の侵入の抑制が不十分な場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に開示する蓄電装置は、ケースに収容された電極組立体と、ケースの取付孔に設けられ、ケースの内外を連通する貫通孔を有する接続端子と、ケース内に収容され、電極組立体と接続端子とが電気的に接続された導通状態と、電極組立体と接続端子とが電気的に非接続となる非導通状態とに切換える電流遮断装置と、を備えている。電流遮断装置は、接続端子のケース内部側の端部に取付けられ、接続端子の貫通孔と連通する内部空間を有する絶縁性のホルダと、導通状態では電極組立体と接続端子とを電気的に接続する一方で、非導通状態では電極組立体と接続端子とを電気的に非接続とする通電板と、を備えており、通電板は、ホルダに取付けられており、ホルダの内部空間は、ホルダにおける通電板の取付面と、通電板におけるホルダとの当接面が当接することで封止されており、ホルダの取付面と通電板の当接面の一方には第1凹部が設けられており、ホルダの取付面と通電板の当接面の他方と第1凹部によって形成される空間内には、液状ガスケットが充填されており、液状ガスケットによりホルダの取付面と通電板の当接面との間が封止されている。
【0006】
上記の蓄電装置では、ホルダの取付面と通電板の当接面の一方に凹部が設けられ、ホルダの取付面と通電板の当接面の他方と凹部によって形成される空間内に、液状ガスケットが充填されている。そして、凹部内に充填した液状ガスケットにより、ホルダの取付面と通電板の当接面の間を封止している。一般的に、液状ガスケットの水分透過係数は、Oリングなどのシール部材の水分透過係数よりも低い。このため、ホルダと通電間にOリングが設けられている場合と比較して、ケース内部への水分の侵入を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施例1の蓄電装置の縦断面図。
図2】電流遮断装置の通電板の底面図。
図3】電流遮断装置を図2の破線III−IIIで切断した時の断面図。
図4図3の破線部200における拡大図。
図5】実施例1の蓄電装置の製造工程を示す図(1)。
図6】実施例1の蓄電装置の製造工程を示す図(2)。
図7】実施例1の蓄電装置の製造工程を示す図(3)。
図8】実施例1の蓄電装置の製造工程を示す図(4)。
図9】電流遮断装置の変形例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に説明する実施例の主要な特徴を列記しておく。なお、以下に記載する技術要素は、それぞれ独立した技術要素であって、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。
【0009】
(特徴1)第1凹部には、Oリングが収容されていてもよい。このような構成によると、第1凹部に充填する液状ガスケットの注入量を低減することができる。
【0010】
(特徴2)第1凹部は、ホルダの取付面に設けられていてもよい。一般的に、通電板の厚さは、ホルダの厚さよりも厚い。このため、第1凹部をホルダの取付面に設けることで、第1凹部のサイズ及び形状の自由度を高めることができる。
【0011】
(特徴3)第1凹部は、ホルダの取付面に取付けられていてもよい。ホルダの取付面には、さらに第1凹部の内側又は外側に間隔を空けて設けられた第2凹部を備えており、第2凹部には、Oリングが収容されていてもよい。液状ガスケットとOリングを同一の凹部に収容する場合、凹部の形状及びサイズは、Oリングによって規定される。一方、液状ガスケットを第1凹部に充填し、Oリングを第2凹部に収容することで、液状ガスケットが充填される第1凹部のサイズ及び形状の自由度を高めることができる。
【実施例1】
【0012】
以下、実施例1の蓄電装置100について説明する。図1に示すように、蓄電装置100は、ケース1と、ケース1に収容された電極組立体3と、ケース1に固定された電極端子としての接続端子5、7とを備えている。電極組立体3と接続端子5、7とは電気的に接続されている。また、蓄電装置100は、電極組立体3と接続端子7との間に配置された電流遮断装置10を備えている。ケース1の内部は、電解液が注入されており、電極組立体3は、電解液に浸漬している。
【0013】
ケース1は、金属製であり、略直方体形状の箱型部材である。ケース1は、本体111と、本体111に固定された蓋部112とを備えている。蓋部112は、本体111に対して着脱可能である。蓋部112は、本体111の上部を覆っている。蓋部112には、取付孔81、82が形成されている。接続端子5は、取付孔81を介してケース1の内外に通じており、接続端子7は、取付孔82を介してケース1の内外に通じている。
【0014】
電極組立体3は、正極シートと、負極シートと、正極シートと負極シートとの間に配置されたセパレータとを備えている。電極組立体3は、正極シート、負極シート及びセパレータからなる積層体が複数積層されて構成されている。正極シート及び負極シートは、集電部材と、集電部材上に形成されている活物質層とを備えている。集電部材としては、正極シートに用いられるものは、例えばアルミ箔であり、負極シートに用いられるものは、例えば銅箔である。また、電極組立体3は、正極集電タブ51及び負極集電タブ52を備えている。正極集電タブ51は、正極シートの上端部に形成されている。負極集電タブ52は、負極シートの上端部に形成されている。正極集電タブ51及び負極集電タブ52は、電極組立体3の上方に突出している。正極集電タブ51は正極リード53に固定されている。負極集電タブ52は負極リード54に固定されている。
【0015】
正極リード53は、正極集電タブ51と接続端子5とに接続されている。正極リード53を介して、正極集電タブ51と接続端子5とが電気的に接続されている。正極リード53とケース1との間には、絶縁部材70が配置されている。絶縁部材70は、正極リード53とケース1の蓋部112とを絶縁している。
【0016】
負極リード54は、負極集電タブ52と接続端子56とに接続されている。接続端子56は、電流遮断装置10を介して接続端子7に電気的に接続されている。よって、負極リード54、接続端子56及び電流遮断装置10を介して、負極集電タブ52と接続端子7とが電気的に接続されている。これにより、電極組立体3と接続端子7とを接続する通電経路が形成されている。電流遮断装置10は、この通電経路を遮断可能である。電流遮断装置10の構成については後述する。負極リード54とケース1との間には、絶縁部材71が配置されている。絶縁部材71は、負極リード54とケース1とを絶縁している。
【0017】
蓋部112の上面には、樹脂製のガスケット62、63が配置されている。ガスケット62は、蓋部112より上方に突出した突出部66と、蓋部112に沿って伸びる平板部68を有する。突出部66は、蓋部112の取付孔81より中央側に配置され、平板部68は、蓋部112の取付孔81側に配置される。ガスケット62の上面には、外部端子60が、ガスケット62の上面の形状に沿って配置されている。ボルト64の頭部は、突出部66に形成された有底穴62a内に配置されている。ボルト64の軸部は、外部端子60の開口を通って上方に突出している。接続端子5、外部端子60及びボルト64は、互いに電気的に接続されており、正極端子を構成している。ガスケット63、外部端子61及びボルト65の構成は、上述したガスケット62、外部端子60及びボルト64の構成と同様である。接続端子7、外部端子61及びボルト65は、互いに電気的に接続されており、負極端子を構成している。
【0018】
図3を参照して接続端子7について説明する。図3に示すように、接続端子7は、蓋部112にかしめ固定されている。接続端子7は、円筒部94、基底部95及び固定部96を備えている。円筒部94は取付孔82に挿入されている。円筒部94にはケース1の内外を貫通する貫通孔97が形成されている。基底部95は環状に形成されている。基底部95は円筒部94の下端部に固定されている。基底部95はケース1の内部に配置されている。基底部95には、凹所98が形成されている。凹所98は貫通孔97と連通しており、凹所98内は大気圧に保たれる。固定部96は環状に形成されており、円筒部94の上端部に配置されている。固定部96はケース1の外部に配置されている。接続端子7は、固定部96によりケース1の蓋部112に固定されている。なお、後述するかしめ工程を実行する前の接続端子7の固定部96は、円筒部94に対して屈曲していない。すなわち、固定部96が、円筒部94の軸線の軸方向に延伸している。接続端子7の先端をかしめることで、接続端子7の先端が屈曲して固定部96となる。
【0019】
次に、図2図4を用いて、電流遮断装置10の構成について説明する。図3に示すように、電流遮断装置10は、通電板20と、第1反転板30と、第2反転板40と、ホルダ80とを備えている。
【0020】
第1反転板30は、平面視すると円形となる導電性のダイアフラムであり、下方に凸となっている。第1反転板30は、中央部32及び外周部31を有している。第1反転板30の中央部32は、通電板20と接続されており、接続端子7の凹所98は、第1反転板30により覆われている。凹所98内は大気圧に保たれているため、第1反転板30の上面には大気圧が作用する。第1反転板30の外周部31は、接続端子7の基底部95に溶接されている。
【0021】
第2反転板40は、金属製の部材である。第2反転板40は、通電板20の下方に配置されている。第2反転板40は、中央部42と外周部41を有しており、中央部42が下方に凸となっている。第2反転板40の外周部41は、通電板20の下面に溶接で固定されている。中央部42の上面には、突出部43が設けられている。突出部43の上方には、通電板20の中央部22が位置している。第2反転板40の下面には、ケース1内の圧力が作用する。
【0022】
通電板20は、金属製の部材であり、導電性を有している。通電板20は、平面視において、円形状に形成されており、第1反転板30と第2反転板40の間に配置されている。通電板20は、中央部22及び外周部21を有している。通電板20の中央部22は、第1反転板30の中央部32と接続している。通電板20の外周部21には、接続端子56が接続されている。通電板20の下面で、中央部22の周辺には、溝部20aが形成されている。溝部20aが形成された位置における通電板20の機械的強度は、溝部20a以外の位置における通電板20の機械的強度よりも低い。図2、3に示すように、通電板20の外周部21には、複数の貫通孔20bが設けられている。複数の貫通孔20bは、第2反転板40が溶接されている領域よりも、通電板20の径方向外側に設けられている。複数の貫通孔20bは、ホルダ80の周方向に等間隔に間隔を空けて配置されている(図2に図示)。実施例1では、4つの貫通孔20bがホルダ80の周方向に90°の間隔を空けて設けられている。複数の貫通孔20bには、ホルダ80の挿通部76が挿通されている。以下では、通電板20の上面で、ホルダ80と当接している面を、通電板20の当接面20cとする。
【0023】
ホルダ80は、その内周部に、接続端子7の基底部95と、第1反転板30を保持して収容している。ホルダ80の上端には、貫通孔79aが形成されており、貫通孔79aには接続端子7の円筒部94が挿入されている。ホルダ80は、弾性を有する絶縁部材により形成されている。ホルダ80には、例えば、ポリフェニルスルファイド(PPS)が用いられる。ホルダ80は、絶縁材料をモールド成形することにより製造することができる。なお、ホルダ80の材料は上記のPPSに限られず、絶縁性及び耐電解液性を有する材料(例えば、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリプロピレン(PP)等)であればよい。
【0024】
ホルダ80は、上端部79と、中央部78と、下端部77とを備えている。上端部79は、その中心に貫通孔79aを有する環状に形成されている。上述したように、上端部79の貫通孔79aには、接続端子7の円筒部94が挿入されている。上端部79は、ケース1の蓋部112の下面と、接続端子7の基底部95の上面との間に配置されている。すなわち、蓋部112の下面は上端部79の上面と当接し、基底部95の上面は上端部79の下面と当接する。蓋部112の下面と基底部95の上面とは、上端部79によって絶縁されている。
【0025】
中央部78は、上端部79と下端部77の間に形成されており、上端部79の外周縁から下方に伸びている。中央部78は環状に形成されてり、その内部に基底部95と第1反転板30を収容する。中央部78の取付面78aには、通電板20が当接している。中央部78の通電板20が当接する取付面78aには、凹部74が形成されている。凹部74は、ホルダ80を底面視すると環状に形成されており、通電板20の中央部22の外側を一巡している。凹部74の断面形状(すなわち、凹部74が伸びる軸線に直交する方向の断面の形状)は矩形状であり、その深さdは後述するOリング72の径(無負荷の状態の径)よりも小さくされている(図4に図示)。凹部74は、通電板20の貫通孔20bよりも通電板20の径方向内側に形成されている。凹部74には、液状ガスケット73が充填されているとともに、Oリング72が収容されている。液状ガスケット73は乾燥された状態とされている。凹部74の深さdがOリング72の径よりも小さいため、Oリング72は圧縮された状態で凹部74内に収容されている。すなわち、Oリング72は、凹部74の底面と通電板20の当接面20cに接触し、これらの面によって圧縮されている。液状ガスケット73及びOリング72により、ホルダ80の取付面78aと通電板20の当接面20cの間が封止されている。
【0026】
下端部77は、中央部78の下面の一部の領域に形成されている。具体的には、通電板20をホルダ80に組み付けたときに、通電板20の貫通孔20bに対応する位置に、下端部77は形成されている。下端部77は、中央部78の取付面78aから下方に突出しており、挿通部76と熱かしめ部75を備えている。
【0027】
挿通部76は、貫通孔20bに倣った形状(すなわち、円柱状)に形成されている。挿通部76の軸方向の長さは、貫通孔20bの軸方向の長さよりもわずかに長く、挿通部76の径は、貫通孔20bの径よりもわずかに小さな径となっている。挿通部76の軸線は、中央部78の下面(取付面78a)から下方に伸びている。
【0028】
熱かしめ部75は、挿通部76の下端に設けられており、通電板20の下面に当接している。すなわち、熱かしめ部75の径は、挿通部76の径よりも大きい。したがって、ホルダ80の下端部77を通電板20の貫通孔20bに組付けることで、通電板20がホルダ80に固定されている。熱かしめ部75は、後述する熱かしめ処理により形成される。すなわち、熱かしめ処理をすることで、熱かしめ部75の径が挿通部76の径よりも大径となる。このため、熱かしめ処理が実行される前は、熱かしめ部75は挿通部76の軸方向に伸びている。すなわち、熱かしめ処理前の挿通部76と熱かしめ部75は、軸方向に延びる1つの円柱状の部分を構成している。
【0029】
ここで、電流遮断装置10の遮断動作について説明する。上述した蓄電装置100では、ケース1の内圧が上昇すると、第2反転板40の下面に作用する圧力が上昇する。一方、第2反転板40の上面には、ケース1内の空間からシールされた空間120の圧力が作用する。このため、ケース1内の圧力が所定値を超えると、第2反転板40が反転して、下方に凸の状態から上方に凸の状態に変化する。これによって、第2反転板40(詳細には、第2反転板40の突出部43)は、第1位置から第2位置に変化する。第2反転板40が第2位置に移動すると、第2反転板40の突出部43が通電板20の中央部22に衝突し、通電板20が溝部20aで破断する。これにより、第1反転板30が反転し、第1反転板30及び通電板20の中央部22が上方に変位する。このため、通電板20と第1反転板30を接続する通電経路が遮断され、電極組立体3と接続端子7との間の導通が遮断される非導通状態となる。このとき、第1反転板30は接続端子56から絶縁されるとともに、通電板20は接続端子7から絶縁されている。
【0030】
実施例1の電流遮断装置10の製造方法について説明する。なお、電流遮断装置の製造方法のうち従来と同様に行われる部分については、その説明を省略し、ここでは、従来の製造方法と異なる部分のみを説明する。まず、蓋部112の上面に、外部端子61、ガスケット63、及び、ボルト65が取付けられる。
【0031】
次に、図5に示すように、蓋部112の下方側から、かしめ前の接続端子7を、蓋部112の取付孔82及びホルダ80の貫通孔79aに挿入する。上述のように、かしめ前の接続端子7の固定部96は、円筒部94に対して屈曲していない(図5にかしめ前の固定部96aが二点鎖線で図示されている)。このため、取付孔82及び貫通孔79aに、接続端子7を挿入することができる。取付孔82及び貫通孔79aに、かしめ前の接続端子7が挿入されている状態で、蓋部112を治具上(図示省略)に固定する。治具に固定されている蓋部112に対して、プレス装置を、接続端子7の固定部96の上方から下方に向かって駆動させる。これにより、接続端子7の固定部96が外側に屈曲し、接続端子7を径方向に押し広げる。この結果、接続端子7の固定部96は、外部端子61の上面に当接し、接続端子7が蓋部112にかしめ固定される。これにより、ホルダ80の上端部79が固定される。すなわち、接続端子7により、ホルダ80が蓋部112に固定される(図5)。なお、ホルダ80の下端部77は、挿通部76と熱かしめ前の熱かしめ部75aによって構成されている。
【0032】
次いで、図6に示すように、蓋部112を上下反転し、治具(図示省略)に固定させる。治具に固定した蓋部112の接続端子7の基底部95の下面に、第1反転板30を溶接する。溶接の方法としては、例えば、レーザー溶接やアーク溶接を用いることができる。これにより、接続端子7の基底部95と第1反転板30の外周部31が固定される。
【0033】
次いで、図7に示すように、ホルダ80の凹部74にOリング72を挿入する。次いで、ホルダ80の凹部74に液状ガスケット73を注入する。
【0034】
次いで、図8に示すように、その下面に第2反転板40が溶接されている通電板20を、ホルダ80に取付ける。具体的には、ホルダ80の下端部77が通電板20の貫通孔20bに挿入されるように、ホルダ80の下面(取付面78a)に通電板20の上面(当接面20c)を当接させる。次いで、かしめ用工具により、ホルダ80の熱かしめ部75に熱を加える。これにより、熱かしめ部75は、かしめ用工具の形状に倣って変形し、図8に示す状態となる。熱かしめ部75は、通電板20の貫通孔20bよりも大きいため、通電板20がホルダ80から抜けることはない。なお、かしめ用工具による熱かしめは、ホルダ80の凹部74に充填されている液状ガスケット73が、乾燥するのに要する所定時間が経過する前に実行される。
【0035】
次いで、所定時間が経過した後(すなわち、液状ガスケット73が乾燥した後)に、電流遮断装置10を上下反転させると共に、接続端子7の貫通孔97を介して第1反転板30の中央部32と通電板20の中央部22を溶接することで、電流遮断装置10が完成する(図3に示す状態)。図8に示す状態で所定時間放置するのは、液状ガスケット73が乾燥する前に電流遮断装置10を上下反転させた場合、ホルダ80の凹部74から、液状ガスケット73が漏れ出す可能性があるためである。液状ガスケット73が乾燥することで、ホルダ80の取付面78aと通電板20の当接面20cの密着性が液状ガスケット73により向上する。このため、熱かしめだけで、ホルダ80と通電板20を固定させる場合よりも、ホルダ80と通電板20の密着性を向上させることができ、ホルダ80と通電板20の接続部の接続強度が向上する。
【0036】
実施例1の電流遮断装置10の効果について説明する。実施例1の電流遮断装置10では、接続端子7の貫通孔97を介してホルダ80の空間124に水分が侵入する。空間124に侵入した水分は、接続端子7の基底部95と第1反転板30の外周部31の溶接部を通過して、空間122に侵入する。空間122に侵入した水分は、ホルダ80の取付面78aと通電板20の当接面20cの間を通過して、ケース1の内部空間に侵入する虞がある。実施例1の電流遮断装置10では、取付面78aに凹部74が形成されており、凹部74には、液状ガスケット73が充填されているとともに、Oリング72が収容されている。液状ガスケット73及びOリング72により、取付面78aと当接面20cの間が封止されている。すなわち、液状ガスケット73及びOリング72により、ホルダ80の空間122とケース1の内部空間が遮断されている。一般的に、液状ガスケット73の水分透過係数は、Oリング72の水分透過係数よりも低い。このため、凹部74にOリング72のみが収容されている場合よりも、空間122内の水分がケース1の内部空間に侵入することを抑制することができる。また、液状ガスケット73は、乾燥する前は液状であるため、凹部74と対向する当接面20cに浸透する。このため、当接面20cの表面粗さが大きい場合でも、当接面20cの表面粗さを緩和し、水分がケース1の内部空間に侵入することを抑制することができる。
【0037】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0038】
上記の実施例では、ホルダ80の取付面78aには、1つの凹部74のみが設けられている。しかしながら、図9に示すように、ホルダ80の取付面78aには、第1凹部174aと、第1凹部174aに対して径方向外側に間隔を空けて設けられる第2凹部174bが設けられていてもよい。第1凹部174aには、液状ガスケット73が充填されており、第2凹部174bには、Oリング72が収容されている。液状ガスケット73とOリング72を1つの凹部74に設ける場合、凹部74のサイズはOリング72のサイズより小さくすることができない。一方、液状ガスケット73とOリング72が異なる凹部に設けられている場合、液状ガスケット73を充填する第1凹部174aのサイズを任意に規定することができる。
【0039】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0040】
1:ケース
3:電極組立体
5、7:接続端子
10:電流遮断装置
20:通電板
20a:溝部
20b:貫通孔
20c:当接面
30:第1反転板
40:第2反転板
43:突出部
51:正極集電タブ
52:負極集電タブ
53:正極リード
54:負極リード
56:接続端子
60、61:外部端子
62、63:ガスケット
64、65:ボルト
70、71:絶縁部材
72:Oリング
73:液状ガスケット
74、174a、174b:凹部
75:熱かしめ部
76:挿通部
77:下端部
78:中央部
78a:取付面
79:上端部
79a:貫通孔
80:ホルダ
81、82:取付孔
97:貫通孔
98:凹所
100:蓄電装置
111:本体
112:蓋部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9