【実施例1】
【0017】
以下、実施例1の蓄電装置100について説明する。
図1に示すように、蓄電装置100は、ケース1と、ケース1に収容された電極組立体3と、ケース1に固定された引き出し端子としての端子5、7とを備えている。電極組立体3と端子5、7とは電気的に接続されている。また、蓄電装置100は、電極組立体3と端子7との間に配置された電流遮断装置10を備えている。ケース1の内部は、電解液が注入されており、電極組立体3は、電解液に浸漬している。
【0018】
ケース1は、金属製であり、略直方体形状の箱型部材である。ケース1は、本体111と、本体111に固定された蓋部112とを備えている。蓋部112は、本体111の上部を覆っている。蓋部112には、挿通孔81、82が形成されている。端子5は、挿通孔81を介してケース1の内外に通じており、端子7は、挿通孔82を介してケース1の内外に通じている。
【0019】
電極組立体3は、正極シートと、負極シートと、正極シートと負極シートとの間に配置されたセパレータとを備えている。電極組立体3は、複数の正極シート、複数の負極シート及び複数のセパレータが積層されて構成されている。正極シート及び負極シートは、集電部材と、集電部材上に形成されている活物質層とを備えている。集電部材としては、正極シートに用いられるものは例えばアルミ箔であり、負極シートに用いられるものは例えば銅箔である。また、電極組立体3は、正極集電タブ41及び負極集電タブ42を備えている。正極集電タブ41は、正極シートの上端部に形成されている。負極集電タブ42は、負極シートの上端部に形成されている。正極集電タブ41及び負極集電タブ42は、電極組立体3の上方に突出している。正極集電タブ41は正極リード43に固定されている。負極集電タブ42は負極リード44に固定されている。
【0020】
正極リード43は、正極集電タブ41と端子5とに接続されている。正極リード43を介して、正極集電タブ41と端子5とが電気的に接続されている。正極リード43とケース1との間には、絶縁部材72が配置されている。絶縁部材72は、正極リード43とケース1の蓋部112とを絶縁している。
【0021】
負極リード44は、負極集電タブ42と接続端子46とに接続されている。接続端子46は、電流遮断装置10を介して端子7に電気的に接続されている。よって、負極リード44、接続端子46及び電流遮断装置10を介して、負極集電タブ42と端子7とが電気的に接続されている。これにより、電極組立体3と端子7とを接続する通電経路が形成されている。電流遮断装置10は、この通電経路を、電気的に接続される導通状態と、電気的に非接続となる非導通状態とに切換えることができる。すなわち、電流遮断装置10は、この通電経路を遮断することができる。電流遮断装置10の構成については後述する。負極リード44とケース1との間には、絶縁部材73が配置されている。絶縁部材73は、負極リード44とケース1とを絶縁している。
【0022】
蓋部112の上面には、樹脂製のガスケット62、63が配置されている。ガスケット62の上面には、外部端子60が配置されている。外部端子60には、貫通孔60aが形成されている。貫通孔60aは、外部端子60の上面側に比べ、下面側のサイズが大きくなっている。ガスケット62は、蓋部112と外部端子60とを絶縁している。ボルト64は、貫通孔60aを通過している。具体的には、ボルト64の頭部は、貫通孔60a内に収容されている。また、ボルト64の軸部は、貫通孔60aを通って外部端子60の上方に突出している。端子5、外部端子60及びボルト64は、互いに電気的に接続されており、正極端子を構成している。ガスケット63、外部端子61及びボルト65の構成は、上述したガスケット62、外部端子60及びボルト64の構成と同様である。端子7、外部端子61及びボルト65は、互いに電気的に接続されており、負極端子を構成している。
【0023】
ここで、
図2を参照して端子7について説明する。
図2に示すように、端子7は、ケース1にカシメ固定されている。端子7は、小径部94、大径部95及び先端部96を備えている。大径部95は、ケース1の内部に配置されている。大径部95は、環状に形成されており、その径は挿通孔82より大径である。大径部95には凹所98が形成されている。凹所98は、後述する貫通孔97と連通している。大径部95には、突出部99が形成されている。突出部99は、大径部95の下面の外周縁に沿って環状に形成されている。突出部99は、大径部95の下面から下方(後述する通電板20側)に突出している。小径部94は、環状に形成されており、挿通孔82に取付けられている。小径部94には、貫通孔97が形成されている。小径部94の下端部は、大径部95に固定されている。先端部96は、環状に形成されており、小径部94の上端部に固定されている。先端部96は、ケース1の外部に配置されており、小径部94の上端部から折れ曲がって、径方向外側に広がるように形成されている。端子7は、先端部96によりケース1の蓋部112に固定されている。
【0024】
小径部94に形成された貫通孔97の内面には、第1部分97aと第2部分97bとが形成されている。第1部分97aは、ケース1の内部側(大径部95側)に位置している。第2部分97bは、第1部分97aよりケース1の外部側(先端部96側)に位置している。第1部分97a及び第2部分97bは、周方向に閉じると共に上下方向に伸びる曲面(円筒面)である。第1部分97a及び第2部分97bは、貫通孔97の軸線に沿って見ると円形状に形成されており、軸線に沿って見たときの第1部分97aの外形線は、第2部分97bの外形線より内側に位置している。すなわち、小径部94は、ケース1の内部側に位置する第1円筒状部分(第1部分97aが形成される部分)と、その第1円筒状部分に対して外径が同一である一方で内径が大径となる第2円筒状部分(第2部分97bが形成される部分)とで構成されている。第1部分97aと第2部分97bとの境界には、第1部分97aと第2部分97bとを接続するシール面197が形成されている。シール面197は、貫通孔97の軸線に沿って見るとリング状に形成されている。すなわち、第1部分97aと第2部分97bとは、略同心円状に配置されていると言える。シール面197が蓋部112と平行となることから、第1部分97aの上端の位置は、第2部分97bの下端の位置と同一となる。第1部分97aの下端は、大径部95に接続されている。第2部分97bの上端は、先端部96に接続されている。
図2から明らかなように、シール面197(第1部分97aと第2部分97bとの境界の位置)は、ケース1の外部側に形成されている。すなわち、シール面197は、ケース1の蓋部112より上方に位置している。
【0025】
貫通孔97内には、絶縁性のシール部材198が配置されている。シール部材198は、厚みが一定の板状部材であり、その下面がシール面197と当接している。シール部材198の外周端は、貫通孔97に倣った形状に形成されており、貫通孔97の軸線に沿って見ると、シール部材198の外縁は、第1部分97aの外形線より外側に位置する一方で、第2部分97bの外形線より内側に位置している。すなわち、シール部材198は、リング状に形成されたシール面197の全周において、シール面197と当接している。なお、シール部材198は、シール面197の全周においてシール面197と当接し、貫通孔97を封止していればよく、その形状は上記に限られない。
【0026】
シール部材198の上面(すなわち、ケース1の外部側の面)には、押圧部材199が配置されている。押圧部材199には、プッシュナット又は皿ばねが用いられる。押圧部材199がプッシュナット又は皿ばねの場合は、貫通孔97内で着脱可能である。押圧部材199は、シール部材198の上面に当接し、シール部材198をシール面197に向かって押圧している。外力から解放された状態の押圧部材199の径は、第2部分97bの内径よりわずかに大きくされている。押圧部材199は、その外周端が端子7(貫通孔97)の内面をとらえることにより貫通孔97内に固定されている。すなわち、押圧部材199を貫通孔97内に配置する際は、押圧部材199の径が縮小するように押圧部材199が変形する。このため、押圧部材199には復元力が発生し、押圧部材199の外周端が貫通孔97の内面に押圧される。そして、押圧部材199の外周端と貫通孔97の内面との摩擦力によって、押圧部材199が貫通孔97内に保持される。押圧部材199が貫通孔97内で保持される位置は、シール部材198からシール面197に所定の押圧力が発生するような位置とされる。すなわち、押圧部材199がシール部材198を圧縮することで、シール部材198からシール面197に向かって所定の押圧力が発生する。シール部材198からの反力は、貫通孔97の内面に接する押圧部材199の外周端によって受ける。このように、押圧部材199がシール部材198をシール面197に向かって押圧することにより、貫通孔97はシール部材198により封止され、貫通孔97のケース1の内部側の空間202とケース1の外部側の空間204とに分離されている。すなわち、空間202は、シール部材198によって空間204からシールされている。また、貫通孔97の軸線に沿って見ると、押圧面(押圧部材199とシール部材198との接触部分)の外縁は、第1部分97aの外形線より外側に位置している。したがって、押圧部材199からシール部材198に作用する力がシール面197に効率的に作用し、シール部材198によるシールが効果的に行われる。なお、押圧部材199は、端子7と同一の材料によって形成されることが望ましい。このように構成すると、押圧部材199と端子7との間の腐食(異種金属接触腐食)を防止することができる。
【0027】
次に、電流遮断装置10について説明する。
図2に示すように、電流遮断装置10は、通電板20と、第1変形板30と、ホルダ80とを備えている。第1変形板30は、円形の導電性のダイアフラムであり、下方に凸となっている。第1変形板30は、中央部32及び外周部31を有している。第1変形板30の中央部32は、通電板20と接続されている。第1変形板30の外周部31は、大径部95の下面の外周部に溶接されている。詳細には、第1変形板30の外周部31は、大径部95の下面のうち、突出部99が形成されていない領域に溶接されている。第1変形板30が大径部95の下面に接続されると、第1変形板30の外周面が突出部99の内壁面に当接する。これによって、第1変形板30の大径部95(すなわち、端子7)に対する接続位置を安定化することができる。大径部95の凹所98の下端は、第1変形板30により覆われている。凹所98内は、空間202と連通している。凹所98内(空間202)は、シール部材198によって大気から隔離され、後述するようにケース1内の空間からも隔離されている。このため、凹所98内は、密閉された空間となっている。
【0028】
通電板20は、金属製の部材であり、導電性を有している。通電板20は、平面視において円形状に形成されており、第1変形板30の下方に配置されている。通電板20には、接続端子46が接続されている。通電板20は、中央部22及び外周部21を有している。通電板20の下面には、溝部20aが形成されている。溝部20aは中央部22の周囲に形成されており、溝部20aの内側で通電板20と第1変形板30の中央部32とが接続されている。溝部20aが形成された位置における通電板20の機械的強度は、溝部20a以外の位置における通電板20の機械的強度よりも低い。
【0029】
ホルダ80は、環状に形成されており、その内部に端子7の大径部95と、第1変形板30と、シール部材75を収容し、これらを保持する。ホルダ80の下端には通電板20が当接し、固定部材70(後述)により両者が固定されている。ホルダ80は、弾性を有する絶縁材料により形成されている。ホルダ80には、例えば、ポリフェニルスルファイド(PPS)が用いられる。なお、ホルダ80の材料は上記のPPSに限られず、絶縁性及び耐電解液性を有する材料(例えば、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリプロピレン(PP)等)であればよい。
【0030】
ホルダ80は、中央部79と基部78と上端部76とを有している。中央部79は、ケース1の蓋部112の下面と、端子7の大径部95の上面との間に配置されている。中央部79の下面は、端子7の大径部95の上面と当接している。中央部79は、その上面が蓋部112の下面と当接し、その下面は大径部95の上面と当接している。中央部79の上面には、凹部79aが環状に形成されている。凹部79aは、上端部76(後述)の周囲を一巡している。凹部79aの縦断面の形状は、矩形状に形成されている。蓋部112の下面と、凹部79aの上面との間には、絶縁性のガスケット86が配設されている。ガスケット86は、ケース1の蓋部112とホルダ80(凹部79a)との間をシールしている。すなわち、ガスケット86は、上下方向に圧縮された状態で凹部79a内に収容され、蓋部112の下面と凹部79aの上面との間をシールしている。ガスケット86は、凹部79a内に配置され、凹部79a内を一巡している。
【0031】
上端部76は、中央部79の内周縁から上方に伸びている。上端部76は、環状に形成されており、その中心に挿通孔76aが形成されている。上端部76は、蓋部112の挿通孔82と端子7の小径部94との間に位置しており、挿通孔76aには、小径部94が挿通されている。上端部76の上端は、ガスケット63には接していない。
【0032】
基部78は、中央部79の外周縁から下方に伸びている。基部78は、ケース1の蓋部112の下面と、通電板20の上面との間に配置されている。基部78は、環状に形成されており、その内部に大径部95と第1変形板30とを収容する。基部78の内面には、大径部95の外周面と当接する当接部分と、当接部分の下方に位置する凹所77が形成されている。当接部分は、基部78の上端側に形成され、凹所77は、基部78の下端側に形成されている。凹所77の径は、大径部95の径(当接部分の径)より大きくされている。大径部95の下面には突出部99が形成されていることから、基部78内に大径部95が収容されると、突出部99の一部が凹所77内に突出する。凹所77内に突出部99が突出することで、シール部材75を収容する空間が凹所77に形成される。なお、基部78の下面は、通電板20の上面に当接している。
【0033】
シール部材75は、凹所77の突出部99より外側の空間に収容される。シール部材75は、端子7の大径部95の外周側を周方向に一巡している。シール部材75は、上記の空間に圧縮された状態で収容されており、通電板20とホルダ80と突出部99に接触している。シール部材75は、各接触部において、両者の間をシールしている。これによって、ケース1内の空間と、ケース1外の空間とがシールされている。シール部材75は、例えば、エチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)などのエチレン−プロピレン系ゴム(EPM)を材料とするOリングである。なお、シール部材75は上記に限られず、シール性、絶縁性、耐電解液性及び弾性を有する材料が用いられてもよい。なお、大径部95の下面に形成される突出部99の下端は、凹所77の上端よりも下方に位置する一方、通電板20には接触していない。シール部材75が突出部99に当接することによって、シール部材75が通電板20やホルダ80に対して位置ズレすることが防止されている。
【0034】
通電板20及びホルダ80は、固定部材70により固定されている。固定部材70は、通電板20及びホルダ80をカシメ固定している。固定部材70の内側には、絶縁部材71が配置されている。絶縁部材71は、通電板20を固定部材70から絶縁している。
【0035】
上述した説明から明らかなように、電流遮断装置10は、接続端子46と、通電板20と、第1変形板30と、端子7とを直列につなぐ通電経路を有している。このため、電極組立体3と端子7は、電流遮断装置10の通電経路を介して電気的に接続されている。
【0036】
ここで、電流遮断装置10の遮断動作について説明する。上述した蓄電装置100においては、端子5と端子7との間が外部機器(例えば、発電機やモータ等)を介して通電可能な導通状態で用いられる。蓄電装置100の過充電等によってケース1内の圧力が上昇すると、通電板20の下面に作用する圧力が上昇する。一方、第1変形板30の上面には空間202の圧力(一定値)が作用する。このため、ケース1の内圧が上昇して所定値に達すると、第1変形板30の中央部32に接続されていた通電板20が、機械的に脆弱な溝部20aを起点に破断する。そして、第1変形板30が反転して、上方に凸の状態に変化する。これによって、通電板20と第1変形板30とを接続する通電経路が遮断され、電極組立体3と端子7とが非導通状態となる。このとき、第1変形板30は接続端子46から絶縁されると共に、通電板20は端子7から絶縁される。
【0037】
実施例1の蓄電装置100では、押圧部材199によりシール部材198をシール面197へ向かって押圧することで貫通孔97を封止している。このため、従来技術のような貫通孔97を封止する際の熱処理を要しない。したがって、シール部周辺の部材への熱影響による特性変化を防止しながら、ケース1内への水分の侵入を好適に防止することができる。
【0038】
また、貫通孔97の軸線に沿って見たときに、シール部材198の外縁は、第1部分97aの外形線と第2部分97bの外形線との間に位置している。さらに、シール部材198と押圧部材199との接触部分の外縁は、第1部分97aの外形線より外側に位置している。すなわち、シール部材198と押圧部材199との接触部分とシール面197の少なくとも一部が重複している。このため、シール部材198をシール面197と確実に当接させることができ、かつ、両者の接触部分が押圧部材199の荷重を受けることができるため、空間202を空間204から好適にシールすることができる。
【0039】
また、押圧部材199は着脱可能であるため、電流遮断装置10の作動後に、押圧部材199(及びシール部材198)を取り外すことにより、第1変形板30を電流遮断装置10の作動前の状態(下方に凸の状態)へ押し戻すことができる。そして、第1変形板30と通電板20とを接触させることで、電流遮断装置10は導通可能な状態へ戻り、蓄電装置100に蓄えられている電荷を安全に放電することができる。
【0040】
(変形例1)次に、
図3を参照して、変形例1の蓄電装置について説明する。以下では、実施例1と相違する点についてのみ説明し、実施例1と同一の構成についてはその詳細な説明を省略する。その他の実施例についても同様である。
【0041】
図3に示すように、端子7の貫通孔97の内面(より詳細には、第2部分に97b)には、溝部97cが形成されている。溝部97cは、押圧部材199の外周縁に対応する位置に、周方向に等間隔(例えば、90°間隔で4箇所)に形成されている。溝部97cは、周方向に一定の幅を有している。溝部97cは、シール部材198の上端よりケース外部側に形成されている。押圧部材199は、シール部材198をシール面197へ向かって押圧した状態でその外周縁が溝部97cに係止している。すなわち、押圧部材199は、シール部材198の反力により、押圧部材199の外周端が溝部98cに係止することで固定されている。
【0042】
変形例1の蓄電装置では、溝部97cと押圧部材199の外周縁の一部が嵌合している。このため、押圧部材199がシール部材198の反力によって貫通孔97から脱落することを抑制することができる。また、変形例1の蓄電装置においても、押圧部材199によりシール部材198をシール面197へ向かって押圧することで貫通孔97を封止するため、実施例1の蓄電装置100と同様の作用効果を奏することができる。
【実施例3】
【0046】
次に、
図5を参照して、実施例3の蓄電装置について説明する。本実施例の蓄電装置では、電流遮断装置の構成が実施例1のそれと異なっており、それ以外の構成は実施例1と同様である。
【0047】
図5に示すように、電流遮断装置10aは、通電板20と、第1変形板30と、金属製の第2変形板40とを備えている。
【0048】
第2変形板40は、中央部47と外周部48とを有している。第2変形板40は、通電板20の下方に配置されており、その中央部47が下方に突出している。第2変形板40の外周部48の上面と、通電板20の外周部21の下面は、溶接により固定されている。また、第2変形板40の上面中央には、上方に突出する突出部40aが設けられている。突出部40aの上方には通電板20の中央部22が位置している。第2変形板40の下面には、ケース1の内圧が作用する。
【0049】
通電板20は、第2変形板40と第1変形板30との間に配置されており、通電板20には、通気孔20bが形成されている。第2変形板40と通電板20との間の空間120は、通気孔20bを介して第1変形板30と通電板20との間の空間122と連通している。第1変形板30は、通電板20の上方に配置されている。第1変形板30の上面には、空間124が形成されており、空間124は、空間202と連通している。すなわち、空間124は、シール部材198によって大気から隔離され、ケース1内の空間からも隔離されている。
【0050】
電流遮断装置10aは、接続端子46と、通電板20と、第1変形板30と、端子7とを直列に繋ぐ通電経路を有している。このため、電極組立体3と端子7は、電流遮断装置10aの通電経路を介して電気的に接続されている。
【0051】
ここで、電流遮断装置10aの遮断動作について説明する。上述した蓄電装置では、ケース1の内圧が上昇すると、第2変形板40の下面に作用する圧力が上昇する。一方、第2変形板40の上面には、ケース1内の空間からシールされた空間120の圧力が作用する。このため、ケース1内の圧力が所定値を超えると、第2変形板40が反転して、下方に凸の状態から、上方に凸の状態に変化する。このとき、空間120内の空気は通気孔20bを通って空間122に移動し、空間122内の圧力が上昇する。また、第2変形板40が下方に凸の状態から上方に凸の状態に変化すると、第2変形板40の突出部40aが第1位置から第2位置に移動して通電板20の中央部22に衝突し、通電板20が溝部20aで破断する。これにより、第1変形板30が反転し、第1変形板30及び通電板20の中央部22が上方に変位する。このため、通電板20と第1変形板30を接続する通電経路が遮断され、電極組立体3と端子7との間の導通が遮断される非導通状態となる。このとき、第1変形板30は接続端子46から絶縁されるとともに、通電板20は端子7から絶縁される。実施例3の蓄電装置においても、貫通孔97の内面、シール部材198及び押圧部材199が実施例1と同一の構成であるため、実施例1の蓄電装置100と同様の作用効果を奏することができる。なお、上記の電流遮断装置10aは、変形例1及び実施例2の蓄電装置に取付けられてもよい。
【0052】
以上、本明細書が開示する技術の実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0053】
例えば、実施例1において、シール面197は、ケース1の外部側に形成されているが、これに限られない。すなわち、シール面197が、ケース1の蓋部112より下方に位置していてもよい。
【0054】
また、変形例1において、溝部97cは、貫通孔97の周方向に間隔を空けて等間隔で形成される構成であったがこれに限られない。貫通孔97の周方向の全周に亘って溝部97cが形成されていてもよい。このように構成すると、押圧部材199が貫通孔97から脱落することをより抑制することができる。
【0055】
また、電流遮断装置10は、端子5側に設けられてもよいし、端子5と端子7の双方に設けられてもよい。端子5側に電流遮断装置10が設けられる場合は、端子5と蓋部112との間に、上記の実施例の構成と同様に絶縁部材を配置することができる。また、上記の実施例では、第1変形板30が反転することで通電板20との導通が遮断される。しかしながら、第1変形板30の変形の態様は反転に限られない。例えば、第1変形板30の中央部32が上方に撓むことで通電板20が溝部20aを起点に破断し、第1変形板30と通電板20との導通が遮断される構成であってもよい。第1変形板30は、第1変形板30と通電板20との導通が遮断されるのであればどのように変形してもよい。第2変形板40についても同様である。
【0056】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。