(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6610188
(24)【登録日】2019年11月8日
(45)【発行日】2019年11月27日
(54)【発明の名称】ロボットの関節装置
(51)【国際特許分類】
B25J 17/00 20060101AFI20191118BHJP
【FI】
B25J17/00 Z
B25J17/00 E
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-224205(P2015-224205)
(22)【出願日】2015年11月16日
(65)【公開番号】特開2017-87392(P2017-87392A)
(43)【公開日】2017年5月25日
【審査請求日】2018年6月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 強
(74)【代理人】
【識別番号】100125575
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 洋
(72)【発明者】
【氏名】加藤 雄資
【審査官】
臼井 卓巳
(56)【参考文献】
【文献】
特開2002−239966(JP,A)
【文献】
特開2000−176877(JP,A)
【文献】
特開2004−261655(JP,A)
【文献】
実開平05−065488(JP,U)
【文献】
特開昭62−048480(JP,A)
【文献】
特開2002−154077(JP,A)
【文献】
国際公開第2015/001602(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2002/0062179(US,A1)
【文献】
米国特許第06279413(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 5/00−19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
周部及び底部を有する円筒状に形成された第1フレームと、
前記第1フレームに固定されたモータと、
円板状又は円筒状に形成され、前記モータにより回転させられるフランジと、
円筒状に形成され、前記フランジに固定された第2フレームと、
前記モータの回転を減速して前記フランジに伝達する減速機と、
を備えるロボットの関節装置であって、
前記第1フレームには、前記周部の一部から前記底部の所定部に渡る開口が形成されており、
前記フランジの外周縁部は、前記所定部における前記開口に対向しており、
前記外周縁部には、複数の貫通孔が形成されており、
前記第2フレームの前記第1フレーム側の端部において、前記外周縁部に対向する部分には、複数のねじ穴が形成されており、
前記複数の貫通孔にそれぞれ挿通されたねじが、前記複数のねじ穴にそれぞれ締め付けられて、前記フランジに前記第2フレームが固定されており、
前記減速機の出力軸は、前記フランジの中央に配置されており、
前記モータは、前記フランジの前記外周縁部のうち、前記所定部における前記開口に対向する部分を除く部分の一部に対向して配置されていることを特徴とするロボットの関節装置。
【請求項2】
前記開口は、前記底部において所定の弦よりも外側の部分を切除するように形成されている請求項1に記載のロボットの関節装置。
【請求項3】
周部及び底部を有する円筒状に形成された第1フレームと、
前記第1フレームに固定されたモータと、
円板状又は円筒状に形成され、前記モータにより回転させられるフランジと、
円筒状に形成され、前記フランジに固定された第2フレームと、
を備えるロボットの関節装置であって、
前記第1フレームには、前記周部の一部から前記底部の所定部に渡る開口が形成されており、
前記フランジの外周縁部は、前記所定部における前記開口に対向しており、
前記外周縁部には、複数の貫通孔が形成されており、
前記第2フレームの前記第1フレーム側の端部において、前記外周縁部に対向する部分には、複数のねじ穴が形成されており、
前記複数の貫通孔にそれぞれ挿通されたねじが、前記複数のねじ穴にそれぞれ締め付けられて、前記フランジに前記第2フレームが固定されており、
前記開口は、前記底部において所定の弦よりも外側の部分を切除するように形成されていることを特徴とするロボットの関節装置。
【請求項4】
前記複数の貫通孔は、前記フランジにおいて径方向の両端部に形成された一対の第1貫通孔と一対の第2貫通孔とからなり、前記第1貫通孔と前記第2貫通孔とが前記所定部における前記開口に共に対向し得る範囲内に形成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載のロボットの関節装置。
【請求項5】
周部及び底部を有する円筒状に形成された第1フレームと、
前記第1フレームに固定されたモータと、
円板状又は円筒状に形成され、前記モータにより回転させられるフランジと、
円筒状に形成され、前記フランジに固定された第2フレームと、
を備えるロボットの関節装置であって、
前記第1フレームには、前記周部の一部から前記底部の所定部に渡る開口が形成されており、
前記フランジの外周縁部は、前記所定部における前記開口に対向しており、
前記外周縁部には、複数の貫通孔が形成されており、
前記第2フレームの前記第1フレーム側の端部において、前記外周縁部に対向する部分には、複数のねじ穴が形成されており、
前記複数の貫通孔にそれぞれ挿通されたねじが、前記複数のねじ穴にそれぞれ締め付けられて、前記フランジに前記第2フレームが固定されており、
前記複数の貫通孔は、前記フランジにおいて径方向の両端部に形成された一対の第1貫通孔と一対の第2貫通孔とからなり、前記第1貫通孔と前記第2貫通孔とが前記所定部における前記開口に共に対向し得る範囲内に形成されていることを特徴とするロボットの関節装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1アームに第2アームを回転可能に接続したロボットの関節装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の関節装置において、第1アームのフレームの側面に窓部を形成し、作業者が窓部からボルトを挿入して、ボルトにより第1アーム内のフランジに第2アームのフレームを固定するものがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−239966号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のものでは、ボルトを締め付ける位置が、第1アームのフレーム内において中央寄りにあり、フレームの側面から行う組立の作業性が低くなっている。
【0005】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、組立の作業性を向上させることのできるロボットの関節装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。
【0007】
第1の手段は、周部及び底部を有する円筒状に形成された第1フレームと、前記第1フレームに固定されたモータと、円板状又は円筒状に形成され、前記モータにより回転させられるフランジと、円筒状に形成され、前記フランジに固定された第2フレームと、を備えるロボットの関節装置であって、前記第1フレームには、前記周部の一部から前記底部の所定部に渡る開口が形成されており、前記フランジの外周縁部は、前記所定部における前記開口に対向しており、前記外周縁部には、複数の貫通孔が形成されており、前記第2フレームの前記第1フレーム側の端部において、前記外周縁部に対向する部分には、複数のねじ穴が形成されており、前記複数の貫通孔にそれぞれ挿通されたねじが、前記複数のねじ穴にそれぞれ締め付けられて、前記フランジに前記第2フレームが固定されていることを特徴とする。
【0008】
上記構成によれば、第1フレームは、周部及び底部を有する円筒状に形成されている。第1フレームには、モータが固定されている。モータにより、円板状又は円筒状に形成されたフランジが回転させられる。フランジには、円筒状に形成された第2フレームが固定されている。具体的には、フランジには、複数の貫通孔が形成されている。第2フレームの第1フレーム側の端部には、複数のねじ穴が形成されている。そして、複数の貫通孔にそれぞれ挿通されたねじが、複数のねじ穴にそれぞれ締め付けられて、フランジに第2フレームが固定されている。このため、モータが回転させられることにより、フランジに固定された第2フレームが回転させられる。
【0009】
ここで、上記複数の貫通孔は、フランジの外周縁部に形成されている。上記複数のねじ穴は、第2フレームにおいてフランジの外周縁部に対向する部分に形成されている。第1フレームには、周部の一部から底部の所定部に渡る開口が形成されている。そして、フランジの外周縁部は、第1フレームの底部の所定部における開口に対向している。このため、第1フレームの開口から、フランジの外周縁部に形成された貫通孔に容易にねじを挿通させることができる。そして、開口に貫通孔が対向していない場合は、モータによりフランジを回転させることにより、開口に貫通孔を対向させることができる。さらに、開口は、第1フレームの底部の所定部に渡っているため、ねじを締め付ける工具等を底部の側から用いることができる。その結果、ロボットの関節装置において、組立の作業性を向上させることができる。
【0010】
第2の手段では、前記モータの回転を減速して前記フランジに伝達する減速機を備え、前記減速機の出力軸は、前記フランジの中央に配置されており、前記モータは、前記フランジの前記外周縁部のうち、前記所定部における前記開口に対向する部分を除く部分の一部に対向して配置されている。
【0011】
上記構成によれば、減速機により、モータの回転が減速されてフランジに伝達される。減速機の出力軸は、フランジの中央に配置されている。これに対して、モータは、フランジの外周縁部のうち、第1フレームの底部の所定部における開口に対向する部分を除く部分の一部に対向して配置されている。このため、フランジの外周縁部の一部に対向する空間を、モータを配置する空間として利用することができる。したがって、フランジの外周縁部にモータが対向しないようにフランジの径を拡大した構成と比較して、フランジの径を小さくすることができ、ひいてはロボットの関節装置を小型化することができる。
【0012】
第3の手段では、前記開口は、前記底部において所定の弦よりも外側の部分を切除するように形成されている。
【0013】
上記構成によれば、第1フレームの開口は、円筒状に形成された第1フレームの底部、すなわち円形状の底部において、所定の弦よりも外側の部分を切除するように形成されている。このため、開口の形状を簡潔にすることができ、第1フレームの製造が容易となる。
【0014】
第4の手段では、前記複数の貫通孔は、前記フランジにおいて径方向の両端部に形成された一対の第1貫通孔と一対の第2貫通孔とからなり、前記第1貫通孔と前記第2貫通孔とが前記所定部における前記開口に共に対向し得る範囲内に形成されている。
【0015】
上記構成によれば、複数の貫通孔は、フランジにおいて径方向の両端部に形成された一対の第1貫通孔と一対の第2貫通孔とからなる。そして、第1貫通孔と第2貫通孔とが、所定部における開口に共に対向し得る範囲内に形成されている。このため、第1貫通孔と第2貫通孔とが所定部における開口に共に対向した状態で、それぞれにねじを挿通させて締め付けることができる。さらに、モータを回転させることにより、他方の第1貫通孔と第2貫通孔とを所定部における開口に対向させることができ、同様にねじを締め付けることができる。その結果、ロボットの関節装置において、組立の作業性を更に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】ロボットの関節装置を一部切除して示す斜視図。
【
図2】ロボットの関節装置を一部切除して示す側面図。
【
図4】ロボットの関節装置のカバー取り付け前の状態を示す斜視図。
【
図5】カバー取り付け前のロボットの関節装置を軸線方向から見た図。
【
図6】ロボットの関節装置に工具を挿入した状態を示す斜視図。
【
図8】ロボットの関節装置のカバー取り付け後の状態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本実施形態は、多関節ロボットにおいて第1アームに第2アームを回転可能に接続した関節装置に具体化している。
図1に示すように、ロボットの関節装置10は、第1アーム20と第2アーム50とを備えている。なお、第1アーム20は、ロボットの他のアームに接続される。また、第2アーム50に他のアームやハンドが接続される。
【0018】
第1アーム20は、第1フレーム21、モータユニット30、フランジ40等を備えている。
【0019】
第1フレーム21は、周部22及び底部23を有する円筒状に形成されている。第1フレーム21には、周部22の一部22aから底部23の所定部23aに渡る開口22b,23bが形成されている。開口22b(すなわち切除された一部22a)は、第1フレーム21の軸線方向において、第2アーム50側の端部付近から底部23側の端部まで所定の幅で延びている。開口23b(すなわち切除された所定部23a)は、開口22bとつながっている。開口23bは、第1フレーム21の軸線方向において、周部22側の端部から反対側の端部まで開口22bと等しい所定の幅で延びている。開口22b,23bは、全体として長円状に形成されている。
図3に示すように、開口22b,23bは、底部23において所定の弦23cよりも外側の部分を切除するように形成されている。
【0020】
図2に示すように、モータユニット30は、筐体31、モータ33、減速機35等を備えている。モータ33及び減速機35は、筐体31に取り付けられている。減速機35は、モータ33の回転を減速して上記フランジ40に伝達する。筐体31は、第1フレーム21に固定されている。
【0021】
減速機35の出力軸35aには、フランジ40が取り付けられている。これにより、フランジ40は、減速機35を介してモータ33により回転させられる。フランジ40は円板状に形成されている。フランジ40の径は、第1フレーム21の周部22の内径よりも若干小さくなっている。すなわち、第1フレーム21の周部22の内周面とフランジ40の外周面との間には、所定のクリアランス(隙間)が設けられている。減速機35の出力軸35aは、フランジ40の中央に配置されている。
【0022】
フランジ40の外周縁部40aは、上記底部23の所定部23aにおける開口23bに対向している。すなわち、開口22b,23bは、第1フレーム21においてフランジ40の外周縁部40aの一部を第1フレーム21の軸線方向に投影した位置に形成されている(
図3参照)。フランジ40の外周縁部40aには、一対の貫通孔40dと一対の貫通孔40eとが形成されている。一対の貫通孔40d(第1貫通孔に相当)は、フランジ40において径方向の両端部に形成されている。同様にして、一対の貫通孔40e(第2貫通孔に相当)は、フランジ40において径方向の両端部に形成されている。貫通孔40dと貫通孔40eとは、底部23の所定部23aにおける開口23bに共に対向し得る範囲内、すなわちフランジ40において開口23bを第1フレーム21の軸線方向に投影した範囲内に形成されている。
【0023】
モータ33は、フランジ40の外周縁部40aのうち、開口23bに対向する部分を除く部分の一部40bに対向して配置されている。すなわち、モータ33は、フランジ40において外周縁部40aの一部40b側に偏って配置されている。
【0024】
上記第2アーム50は、第2フレーム51を備えている。第2フレーム51は、円筒状に形成されている。第2フレーム51の第1フレーム21側の端部において、フランジ40の外周縁部40aに対向する部分52には、複数のねじ穴52aが形成されている。ねじ穴52aはそれぞれ、フランジ40の外周縁部40aに形成された貫通孔40d,40eに対応する位置に形成されている。そして、貫通孔40d,40eにそれぞれ挿通されたねじ55が、ねじ穴52aにそれぞれ締め付けられている。これにより、フランジ40に第2フレーム51が固定されている。本実施形態では、ねじ55は六角穴付ねじとなっている。
【0025】
以下、ロボットの関節装置10を組み立てる手順(すなわち関節装置10の製造方法)を説明する。
1.第1フレーム21にモータユニット30を固定する。
2.減速機35の出力軸35aにフランジ40を取り付ける。なお、手順1と手順2とは順序が逆であってもよい。
3.フランジ40に対する第2フレーム51の位置を決める。例えば、フランジ40及び第2フレーム51に形成されたピン穴にピンを嵌合させる。
4.
図4に示すように、第1フレーム21の開口22b,23bから、第1フレーム21内にねじ55を挿入する。
5.フランジ40の外周縁部40aの貫通孔40d,40eにねじ55を挿入する。このとき、開口22b,23bに貫通孔40d,40eが対向していない場合は、
図5に示すように、モータ33によりフランジ40を回転させて、開口22b,23bに貫通孔40d,40eを対向させる。すなわち、開口22b,23bから貫通孔40d,40eが見えない場合は、貫通孔40d,40eが見える位置までフランジ40を回転させる。
6.
図6に示すように、第1フレーム21の開口22b,23bから、第1フレーム21内に六角レンチT(工具)を挿入する。そして、ねじ55の六角穴に六角レンチTを嵌合させる。なお、「L」型の六角レンチTの長い方の直線部分を、ねじ55の六角穴に嵌合させてもよい。
7.
図7に示すように、六角レンチTを回転させて、ねじ穴52aにねじ55を締め付ける。このとき、貫通孔40dに対応するねじ穴52aと、貫通孔40eに対応するねじ穴52aとにそれぞれねじ55を締め付ける。
8.モータ33によりフランジ40を180°回転させて、手順5〜7を再度実行する。
9.
図8に示すように、開口22b,23bにカバー60を取り付ける。
【0026】
以上詳述した本実施形態は、以下の利点を有する。
【0027】
・複数の貫通孔40d,40eは、フランジ40の外周縁部40aに形成されている。複数のねじ穴52aは、第2フレーム51においてフランジ40の外周縁部40aに対向する部分52に形成されている。第1フレーム21には、周部22の一部22aから底部23の所定部23aに渡る開口22b,23bが形成されている。そして、フランジ40の外周縁部40aは、開口23bに対向している。このため、第1フレーム21の開口22b,23bから、フランジ40の外周縁部40aに形成された貫通孔40d,40eに容易にねじ55を挿通させることができる。そして、開口22b,23bに貫通孔40d,40eが対向していない場合は、モータ33によりフランジ40を回転させることにより、開口22b,23bに貫通孔40d,40eを対向させることができる。
【0028】
・開口22b,23bは、第1フレーム21の底部23の所定部23aに渡っているため、ねじを締め付ける六角レンチTを底部23の側から用いることができる。その結果、ロボットの関節装置10において、組立の作業性を向上させることができる。なお、「L」型の六角レンチに限らず、電動式の直線状の六角レンチ等を用いることもできる。また、六角穴付ねじに限らず、その他のねじを用いることもできる。
【0029】
・
図7に示すように、開口22bに近い位置でねじ55を締め付けることができるため、六角レンチTを一度に回転可能な角度を大きくすることができる。
【0030】
・減速機35により、モータ33の回転が減速されてフランジ40に伝達される。減速機35の出力軸35aは、フランジ40の中央に配置されている。これに対して、モータ33は、フランジ40の外周縁部40aのうち、開口23bに対向する部分を除く部分の一部40bに対向して配置されている。このため、フランジ40の外周縁部40aの一部40bに対向する空間を、モータ33を配置する空間として利用することができる。したがって、フランジ40の外周縁部40aにモータ33が対向しないようにフランジ40の径を拡大した構成と比較して、フランジ40の径を小さくすることができ、ひいてはロボットの関節装置10を小型化することができる。
【0031】
・第1フレーム21の開口22b,23bは、底部23において所定の弦23cよりも外側の部分を切除するように形成されている。このため、開口22b,23bの形状を簡潔にすることができ、第1フレーム21の製造が容易となる。
【0032】
・複数の貫通孔40d,40eは、フランジ40において径方向の両端部に形成された一対の貫通孔40dと一対の貫通孔40eとからなる。そして、貫通孔40dと貫通孔40eとが、所定部23aにおける開口23bに共に対向し得る範囲内に形成されている。このため、貫通孔40dと貫通孔40eとが所定部23aにおける開口23bに共に対向した状態で、それぞれにねじ55を挿通させて締め付けることができる。さらに、モータ33を回転させることにより、一対のうち他方の貫通孔40d,40eを所定部23aにおける開口23bに対向させることができ、同様にねじ55を締め付けることができる。その結果、ロボットの関節装置10において、組立の作業性を更に向上させることができる。
【0033】
なお、上記実施形態を、以下のように変更して実施することもできる。
【0034】
・フランジ40の貫通孔40d,40eが、外周縁部40aにおいて等間隔で形成されていてもよい。その場合は、第2フレーム51のねじ穴52aも、等間隔の貫通孔40d,40eに対応した間隔で形成される。また、フランジ40が円筒状に形成され、径方向において所定の厚みを有していてもよい。
【0035】
・開口22b,23bは、底部23において所定の弦23cよりも外側の部分を切除する形状に限らず、底部23の周縁部を丸く切除する形状や、矩形状に切除する形状であってもよい。
【0036】
・モータユニット30が減速機35を備えておらず、モータ33がフランジ40の中央に配置された構成を採用することもできる。この場合は、モータ33がフランジ40の外周縁部40aに対向しないようにすればよい。
【符号の説明】
【0037】
10…関節装置、21…第1フレーム、22…周部、22a…一部、22b…開口、23…底部、23a…所定部、23b…開口、23c…弦、33…モータ、35…減速機、35a…出力軸、40…フランジ、40a…外周縁部、40d…貫通孔、40e…貫通孔、51…第2フレーム、52a…ねじ穴、55…ねじ。