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前記第1導電路は、当該第1導電路が所定の過電流状態となったときに前記第1電源部と前記第1スイッチ部との間の通電を遮断するヒューズ部に電気的に接続されている請求項1に記載の電源装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
第1導電路は、第1導電路が所定の過電流状態となったときに第1電源部と第1スイッチ部との間の通電を遮断するヒューズ部に電気的に接続されていてもよい。
【0011】
このように構成された電源装置は、第1導電路に過電流が生じた場合にヒューズ部によってこの経路の通電を迅速に遮断し、保護を図ることができる。
【0012】
電源装置は、ヒューズ部と第1スイッチ部の間の導電路の電圧値を検出する第1の電圧検出部を備えていてもよい。制御部は、第1の電圧検出部で検出された電圧値が所定の低電圧閾値以下である場合に第1スイッチ部を非通電状態とし、第2スイッチ部を通電状態とする構成であってもよい。
【0013】
このように構成された電源装置は、例えば、地絡等によってヒューズ部と第1スイッチ部の間が低電位状態となった場合、第1電源部からこの部分(ヒューズ部と第1スイッチ部の間の低電位部分)へ過電流が流れ込んでも、ヒューズによってこの経路が迅速に遮断され保護が図られる。また、このように第1電源部からの電力供給を遮断した状況下において、第1スイッチ部を非通電状態とし、第2スイッチ部を通電状態とすることができるため、第2電源部側から低電位部分(ヒューズ部と第1スイッチ部の間の低電位部分)への電流の流れ込みを防ぎつつ第2電源部から第1導電路への電力供給を維持することができる。
【0014】
電源装置は、第2導電路の電圧値を検出する第2の電圧検出部を備えていてもよい。制御部は、第2の電圧検出部で検出された電圧値が所定の過電圧閾値以上である場合に第1スイッチ部を非通電状態とする構成であってもよい。
【0015】
このように構成された電源装置は、例えば、第2スイッチ部にショート故障が発生し、第1電源部から第2電源部へと充電電流が流れ込んだとしても、第2導電路の電圧値がある程度高まったときには第1スイッチ部を非通電状態とし、第1電源部から第2電源部への流れ込みを遮断することができる。このような機能により、第2電源部の過充電防止効果を高めることができる。
【0016】
第2の電圧検出部は、第2導電路における第2スイッチ部と第2電源部との間の位置の電圧値を検出する構成であってもよい。制御部は、第2の電圧検出部で検出された電圧値が所定の異常閾値以下である場合に第2スイッチ部を非通電状態で維持する構成であってもよい。
【0017】
このように構成された電源装置は、例えば、第2スイッチ部と第2電源部の間の電圧値が地絡等によって所定の異常閾値以下に低下している場合に、第2スイッチ部を非通電状態で維持することができ、第1導電路側からその所定位置へ電流が流れ込むことを防ぐことができる。よって、この状況下で第1スイッチ部を通電状態としても第2電源部側への流れ込みを防ぐことができ、電力供給を継続することができる。
【0018】
本発明の電源装置は、スイッチング素子のスイッチング動作に応じて第2電源部側からの入力電圧を変換し第1導電路側へ出力する放電動作と、スイッチング素子の動作に応じて第1導電路からの電力に基づく充電電流を第2電源部へ供給する充電動作を行う充放電部を備えていてもよい。そして、第2スイッチ部の少なくとも一部が充放電部のスイッチング素子として構成されていてもよい。
【0019】
この構成によれば、電圧変換を行い得る充放電部によって第2電源部からの放電及び第2電源部に対する充電を可能としつつ、その充放電部の一部をなすスイッチング素子を第2スイッチ部として兼用することで、部品数の削減や小型化等を図ることができる。
【0020】
<実施例1>
以下、本発明を具体化した実施例1について説明する。
【0021】
(電源装置の構成)
まず、電源装置30及び関連する構成について説明する。
図1で示す車載システム10は、車載用の電源システムとして構成されており、第1電源部91、第2電源部92、ヒューズ部93、負荷94、及び電源装置30などを備えている。車載システム10は、第1電源部91から負荷94に対して電力を供給し得る構成をなし、更に、第1電源部91から第2電源部92に対しても電力を供給し得る構成をなす。つまり、第1電源部91が負荷電流の供給と充電電流の供給をいずれも行い得る構成をなす。更に、車載システム10は所定時期(例えば第1電源部91の失陥時など)に第2電源部92から負荷94に対して電力を供給し得る構成をなす。
【0022】
第1電源部91は直流電圧を生じさせる直流電源であり、例えば鉛バッテリなどの公知の蓄電手段が用いられている。第1電源部91には高電位側の端子と低電位側の端子が設けられ、高電位側の端子は第1導電路31に電気的に接続され、低電位側の端子は例えばグラウンドに電気的に接続されている。第1電源部91は、第1導電路31に対して所定の出力電圧を印加する構成をなし、例えば満充電時の出力電圧が12V〜14V程度となっている。なお、第1導電路31には、図示しない発電機が電気的に接続されており、第1電源部91は発電機からの発電電力によって充電され得る。
【0023】
ヒューズ部93は、公知の車載用ヒューズ部品として構成され、第1電源部91に電気的に接続された導電路である配線81に介在して設けられている。ヒューズ部93は一端が配線81を介して第1電源部91に電気的に接続され、他端が第1導電路31を介して第1スイッチ部34に電気的に接続されている。ヒューズ部93は、非溶断時に第1電源部91と第1スイッチ部34の間の経路(通電経路)の一部をなし、所定電流値(ヒューズ部93の溶断電流値)を超える電流が自身に流れた場合には溶断し、溶断時には第1電源部91と第1スイッチ部34の間を非通電状態とする。
【0024】
負荷94は、公知の車載用電子部品であり、例えば、ナビゲーションシステム、オーディオ、エアコン、メータ、トランスミッションなどが適用対象となる。負荷94は、配線82に電気的に接続されており、この配線82を介して第1導電路31に電気的に接続されている。
【0025】
第2電源部92は、直流電圧を出力する直流電源であり、例えば電気二重層キャパシタなどによって構成されている。第2電源部92の一方の端子(高電位側端子)は第2導電路32に電気的に接続され、所定の出力電圧が印加されており、他方の端子(低電位側端子)はグラウンドに電気的に接続され、所定電位(例えば0V)に保たれている。第2電源部92は、第1スイッチ部34及び第2スイッチ部35がオン状態(通電状態)のときに第1導電路31及び第2導電路32を介して第1電源部91から充電電流が供給されることで充電がなされる。
【0026】
第2電源部92は、第1電源部91のバックアップ電源として機能させることができる。例えば、第1スイッチ部34がオフ状態となり第1電源部91から負荷94に対して電力が供給されていない状況であっても、第2スイッチ部35がオン状態であれば第2電源部92からの電力を負荷94に供給することができ、負荷94に対して負荷電流を流すことができる。なお、第2電源部92は、満充電時の出力電圧が第1電源部91の満充電時の出力電圧よりも小さくなっており、小型化が図られている。
【0027】
電源装置30は、第1導電路31、第2導電路32、第1スイッチ部34、第2スイッチ部35、電流検出部36、電圧検出部51、電圧検出部52、及び制御部39を有している。
【0028】
第1導電路31は、第1電源部91と負荷94との間の電力の経路となる導電路であり、第1電源部91及び負荷94のそれぞれに電気的に接続されている。
【0029】
第1スイッチ部34は、第1導電路31において接続部33と第1電源部91との間に設けられ、第1電源部91と接続部33の間を、双方向の通電を遮断する非通電状態と電流が流れ得る(通電する)通電状態とに切り替える機能を有する。接続部33は、第1導電路31と第2導電路32とが接続された部分である。第1スイッチ部34は、具体的には、第1導電路31において接続部33とヒューズ部93の間に設けられている。
【0030】
第1スイッチ部34は、2つの半導体スイッチ素子によって構成され、具体的には、第1スイッチ素子34A、及び第2スイッチ素子34Bを有している。第1スイッチ素子34A、及び第2スイッチ素子34BはいずれもMOSFETとして構成され、互いに逆向きに配置されている。具体的には、第1スイッチ素子34Aはソースがヒューズ部93及び第1導電路31を介して第1電源部91に電気的に接続され、ドレインが第2スイッチ素子34Bのドレインに接続されている。第2スイッチ素子34Bはソースが第2導電路32を介して負荷94に電気的に接続され、ドレインが第1スイッチ素子34Aのドレインに接続されている。第1スイッチ部34では、第1スイッチ素子34Aの寄生ダイオード34Cと、第2スイッチ素子34Bの寄生ダイオード34Dとが互いに逆向きとされ、寄生ダイオード34Cは接続部33側から第1電源部91側へ電流を流さない構成で配置され、寄生ダイオード34Dは第1電源部91側から接続部33側へ電流を流さない構成で配置されている。よって、第1スイッチ素子34A及び第2スイッチ素子34Bがオフ状態のときには、寄生ダイオード34C,34Dを経路とする電流は流れず、双方向の通電を遮断することができる。
【0031】
第1スイッチ部34を構成する第1スイッチ素子34A及び第2スイッチ素子34Bは、後述する制御部39によってオン動作及びオフ動作が制御される。具体的には、第1スイッチ素子34A及び第2スイッチ素子34Bのそれぞれのゲートに対し、制御部39からオン信号又はオフ信号が入力されるようになっており、制御部39から第1スイッチ素子34A及び第2スイッチ素子34Bのゲートに対してオン信号が入力されているときには第1スイッチ素子34A及び第2スイッチ素子34Bがいずれもオン状態になり、第1導電路31が通電状態となる。また、制御部39から第1スイッチ素子34A及び第2スイッチ素子34Bのゲートに対してオフ信号が入力されているときには第1スイッチ素子34A及び第2スイッチ素子34Bがいずれもオフ状態になり、第1導電路31が非通電状態となる。
【0032】
第1電源部91は、第1スイッチ部34のオン動作によって第1導電路31が通電状態に切り替えられると、第1導電路31を介して負荷94に電力を供給することができ、第1導電路31は、第1電源部91から負荷94に対して負荷電流を流すときの電流経路として機能する。また、第1スイッチ部34のオフ動作によって第1導電路31が非通電状態に切り替えられると、第1電源部91から負荷94に対して電力が供給されなくなる。
【0033】
第2導電路32は、第1導電路31及び第2電源部92に電気的に接続されている。この第2導電路32は、第1電源部91から第2電源部92に充電電流を流すときの電流経路として機能し、第2電源部92から負荷94へと放電電流を流すときの電流経路としても機能する。
【0034】
第2スイッチ部35は、第2導電路32において接続部33と第2電源部92との間に設けられ、接続部33と第2電源部92の間を、双方向の通電を遮断する非通電状態と電流が流れ得る(通電する)通電状態とに切り替える機能を有する。
【0035】
第2スイッチ部35は、2つの半導体スイッチ素子によって構成され、具体的には、第3スイッチ素子35A、及び第4スイッチ素子35Bを有している。第3スイッチ素子35A、及び第4スイッチ素子35BはいずれもMOSFETとして構成され、互いに逆向きに配置されている。具体的には、第3スイッチ素子35Aはソースが第1導電路31に電気的に接続され、ドレインが第4スイッチ素子35Bのドレインに接続されている。第4スイッチ素子35Bはソースが第2電源部92に電気的に接続され、ドレインが第3スイッチ素子35Aのドレインに接続されている。第2スイッチ部35では、第3スイッチ素子35Aの寄生ダイオード35Cと、第4スイッチ素子35Bの寄生ダイオード35Dとが互いに逆向きとされ、寄生ダイオード35Cは第2電源部92側から接続部33側へ電流を流さない構成で配置され、寄生ダイオード3
5Dは接続部33側から第2電源部92側へ電流を流さない構成で配置されている。よって、第3スイッチ素子35A及び第4スイッチ素子35Bがオフ状態のときには、寄生ダイオード35C,35Dを経路とする電流は流れず、双方向の通電を遮断することができる。
【0036】
第2スイッチ部35を構成する第3スイッチ素子35A及び第4スイッチ素子35Bは、後述する制御部39によってオン動作及びオフ動作が制御される。具体的には、第3スイッチ素子35A及び第4スイッチ素子35Bのそれぞれのゲートに対し、制御部39からオン信号又はオフ信号が入力されるようになっており、制御部39から第3スイッチ素子35A及び第4スイッチ素子35Bのゲートに対してオン信号が入力されているときには第3スイッチ素子35A及び第4スイッチ素子35Bがいずれもオン状態になり、第2導電路32が通電状態となる。また、制御部39から第3スイッチ素子35A及び第4スイッチ素子35Bのゲートに対してオフ信号が入力されているときには第3スイッチ素子35A及び第4スイッチ素子35Bがいずれもオフ状態になり、第2導電路32が非通電状態となる。
【0037】
第2電源部92は、第2スイッチ部35のオン動作によって第2導電路32が通電状態に切り替えられると、第2導電路32を介して負荷94に電力を供給することができ、第2導電路32は、第2電源部92から負荷94に対して負荷電流を流すときの電流経路として機能する。また、第2スイッチ部35のオフ動作によって第2導電路32が非通電状態に切り替えられると、第2電源部92から負荷94に対して電力が供給されなくなる。
【0038】
電流検出部36は、第1導電路31の所定位置(具体的には、接続部33と負荷94の間の位置)に設けられている。電流検出部36は公知の電流検出回路として構成され、第1導電路31を流れる電流の電流値Ioutを特定し得る値(具体的には、第1導電路31を流れる電流の大きさに対応する電圧値)を出力する構成をなす。例えば、電流検出部36は、第1導電路31に介在する抵抗器と差動増幅器とを具備し、抵抗器の両端電圧が差動増幅器に入力され、第1導電路31を流れる電流によって抵抗器に発生した電圧降下量が差動増幅器で増幅され検出値として出力されるようになっている。電流検出部36から出力される検出値(電流値Iout)は、制御部39に入力される。
【0039】
電圧検出部51は、第1の電圧検出部の一例に相当し、第1導電路31における所定位置(具体的には、第1スイッチ部34とヒューズ部93の間の位置)の電圧値Vout1を特定し得る値(具体的には、この位置の電圧の大きさに対応する電圧値)を出力する構成をなす。例えば、電圧検出部51は、第1スイッチ部34とヒューズ部93の間の位置の電圧値Vout1そのもの、或いはこの電圧値Vout1を分圧回路によって分圧した値などを検出値(電圧値Vout1を特定し得る値)として出力する。
【0040】
電圧検出部52は、第2の電圧検出部の一例に相当し、第2導電路32における所定位置(具体的には、第2スイッチ部35と第2電源部92の間の位置)の電圧値Vout2を特定し得る値(具体的には、この位置の電圧の大きさに対応する電圧値)を出力する構成をなす。例えば、第2スイッチ部35と第2電源部92の間の位置の電圧値Vout2そのもの、或いはこの電圧値Vout2を分圧回路によって分圧した値などを検出値(電圧値Vout2を特定し得る値)として出力する。
【0041】
制御部39は、例えば、マイクロコンピュータを含んだ制御回路として構成され、CPUや記憶部などを有している。この制御部39は、第1スイッチ部34及び第2スイッチ部35のそれぞれの切り替え動作を制御する機能を有する。
【0042】
(電源装置の基本動作)
次に、電源装置30の動作について説明する。
電源装置30は、通常時に主電源として第1電源部91を用いることができるようになっている。また、電源装置30は、第1電源部91を使用することができない異常時に、第1電源部91のバックアップとして第2電源部92を用いることができるようになっている。以下、電源装置30の動作を具体的に説明する。
【0043】
本構成では、電源装置30が搭載される車両内に設けられた図示しないイグニッションスイッチがオフ状態のときには、外部ECUから制御部39に対してイグニッションスイッチがオフ状態であることを示すIGオフ信号が入力され、イグニッションスイッチがオン状態のときには、外部ECUから制御部39に対してイグニッションスイッチがオン状態であることを示すIGオン信号が入力されるようになっている。
【0044】
車両動作停止時(イグニッションスイッチのオフ動作時)には、例えば第1スイッチ部34及び第2スイッチ部35の各ゲートに対してオフ信号が入力され、第1スイッチ部34及び第2スイッチ部35はオフ状態で維持される。
【0045】
イグニッションスイッチがオフ状態からオン状態に変化した場合、制御部39は、第1スイッチ部34を構成する第1スイッチ素子34A、第2スイッチ素子34Bの各ゲートに対してオン信号を出力する。このようなオン信号の出力に応じて、第1スイッチ部34の第1スイッチ素子34A、第2スイッチ素子34Bがいずれもオフ状態からオン状態に切り替わり、第1スイッチ部34がオン状態になると、第1電源部91から負荷94に対して電流が供給される。
【0046】
制御部39は、このように第1スイッチ部34をオン状態に切り替えた後、第1スイッチ部34及び第2スイッチ部35の動作状態を、電流検出部36、電圧検出部51、電圧検出部52の検出結果に応じて定める。
【0047】
(通常状態の動作)
まず、通常状態のときの動作を説明する。ここでいう通常状態とは、イグニッションスイッチがオン状態とされている期間において、電流検出部36の検出値、電圧検出部51の検出値、電圧検出部52の検出値がいずれも正常範囲内にある状態を意味する。具体的には、イグニッションスイッチがオン状態とされている期間において、電流検出部36の検出値によって特定される第1導電路31のA位置の電流値Ioutが所定の上限電流値It2(所定の電流閾値)未満の正常電流範囲内であり、電圧検出部51の検出値によって特定されるB位置の電圧値Vout1が第1下限電圧値Vt1(所定の低電圧閾値)を超え且つ第1上限電圧値Vt2未満の範囲である第1の正常電圧範囲内であり、電圧検出部52の検出値によって特定されるC位置の電圧値Vout2が、第2下限電圧値Vt3(所定の異常閾値)を超え且つ第2上限電圧値Vt4(所定の過電圧閾値)未満の範囲である第2の正常電圧範囲内である状態を意味する。つまり、通常状態は、
図2のように、Iout<It2、Vt1<Vout1<Vt2、Vt3<Vout1<Vt4の関係を満たす状態である。
【0048】
制御部39は、このような通常状態のときには、
図2のように第1スイッチ部34をオン動作(即ち、第1スイッチ素子34A及び第2スイッチ素子34Bをオン動作)させ、第2スイッチ部35をオフ動作(即ち、第3スイッチ素子35A及び第4スイッチ素子35Bをオ
フ動作)させる。このような動作により、第1電源部91から負荷94に対して電力を供給することができる。
【0049】
但し、通常状態のときであっても所定の充電条件が成立した場合(例えば、電圧検出部52で検出される電圧値が所定の充電判定閾値以下である場合など、予め設定された充電時期に該当する場合)には、第2スイッチ部35をオン動作(即ち、第3スイッチ素子35A及び第4スイッチ素子35Bをオン動作)させ、第1電源部91の電力によって第2電源部92を充電することができる。なお、このように第2スイッチ部35をオン動作させて第2電源部92を充電する場合、例えば、電圧検出部52の検出値が一定値に達した場合(即ち、電圧値Vout2が満充電を示す閾値に達した場合)に第2スイッチ部35をオフ動作させればよい。このように第2スイッチ部35をオフ動作させたときには、第1導電路31側から第2電源部92側への電流供給も、第2電源部92側から第1導電路31側への電流供給も遮断される。
【0050】
(第1異常状態の動作)
次に、第1導電路31で過電流が生じたとき(第1異常状態)の動作について説明する。例えば、配線82で地絡が発生した場合など、第1導電路31で過電流が生じた場合には、電流検出部36からの検出値によって特定される電流値Ioutが増大する。制御部39は、電流検出部36からの検出値を監視しており、第1導電路31の電流値Ioutが上限電流値I
t2(電流閾値)以上となった場合、
図3のように、第1スイッチ部34及び第2スイッチ部35をいずれもオフ動作させる。これにより、第1電源部91から負荷94に対して電流が流れなくなり、第2電源部92からも負荷94に対して電流が流れなくなる。なお、第1電源部91から配線82の地絡部分へと過電流が流れる場合、ヒューズ部93が溶断されるため、少なくともこの時点で第1電源部91からの電流供給は遮断されることになる。
【0051】
(第2異常状態の動作)
次に、ヒューズ部93と第1スイッチ部34との間で地絡等が発生し、この位置の電位が大きく低下したとき(第2異常状態)の電源装置30の動作について説明する。ヒューズ部93と第1スイッチ部34の間で地絡が発生すると、第1電源部91から地絡発生位置に向けて過大な電流が流れる。そして、ヒューズ部93に流れる電流の大きさが所定電流値(溶断電流値)に達するとヒューズ部93が溶断する。なお、ヒューズ部93が溶断する程度の電流が流れる状態が「所定の過電流状態」であり、第1導電路31が「所定の過電流状態」となったときにはヒューズ部93の溶断により第1電源部91と第1スイッチ部34の間の通電が遮断される。
【0052】
制御部39は、電圧検出部51からの検出値を監視しており、電圧検出部51(第1の電圧検出部)によって検出されるB位置の電圧値Vout1が第1下限電圧値Vt1(所定の電圧閾値)以下である場合に第1スイッチ部34をオフ状態として非通電状態とし、更に、第1異常状態に該当しない場合(即ち、第1導電路31の電流値Ioutが上限電流値It2(電流閾値)未満の場合)には第2スイッチ部35をオン状態として通電状態とする。このような動作により、第2電源部92と第1導電路31の間が導通し、第2電源部92から負荷94に対して電力を供給することができ、第2電源部92をバックアップ電源として動作させることができる。また、第2電源部92をバックアップ電源として動作させているときに第1スイッチ部34がオフ状態であるため、第2電源部92から地絡発生位置へ電流が流れ込まなくなる。
【0053】
(第3異常状態の動作)
次に、第4スイッチ素子35Bでショート故障が発生し、第4スイッチ素子35Bにオフ指示が与えられているのに第4スイッチ素子35Bが通電状態で維持されてしまうショート状態(第3異常状態)の電源装置30の動作について説明する。
【0054】
例えば、上述した通常状態のとき、第1スイッチ部34をオン動作させ、第2スイッチ部35をオフ動作させている最中に第4スイッチ素子35Bにショート故障が発生すると、第1電源部91と第2電源部92の間が通電状態となる。このとき、第1電源部91の出力電圧が第2電源部92の出力電圧よりも大きければ第1電源部91から第2電源部92に対して充電電流が流れ込むことになる。
【0055】
一方、制御部39は、電圧検出部52からの検出値を監視しており、電圧検出部52(第2の電圧検出部)によって検出されるC位置の電圧値Vout2が第2上限電圧値Vt4(所定の過電圧閾値)以上である場合、第1スイッチ部34をオフ状態として非通電状態とし、更に、第1異常状態に該当しない場合(即ち、第1導電路31の電流値Ioutが上限電流値It2(電流閾値)未満である場合)には第2スイッチ部35をオン状態として通電状態とする。このような動作により、第4スイッチ素子35Bがショート故障したときの第2電源部92の過充電を防ぐことができるとともに、負荷94の動作を継続することができる。なお、第2上限電圧値Vt4は、上述した満充電を示す閾値と同じであってもよく、これよりも大きい値であってもよい。
【0056】
(第4異常状態の動作)
次に、第2電源部92にショート故障等が発生し、第4スイッチ素子35Bと第2電源部92の間の位置の電位が大きく低下したとき(第4異常状態)の電源装置30の動作について説明する。
【0057】
制御部39は、電圧検出部52(第2の電圧検出部)によって検出されるC位置の電圧値Vout2が第2下限電圧値Vt3(所定の異常閾値)以下である場合、第2スイッチ部35をオフ状態とし非通電状態とする。更に、第1異常状態及び第2異常状態に該当しない場合(具体的には、Iout<It2且つ、Vt1<Vout1<Vt2の場合)には、第1スイッチ部34をオン状態とし通電状態とする。これにより、第1電源部91から第2電源部92側の低電位位置への電流の流れ込みを防ぎつつ、負荷94の動作を継続することができる。なお、通常状態において第1スイッチ部34がオン状態とされ、第2スイッチ部35がオフ状態とされているとき、このような第4異常状態に変化した場合には、その通常状態のときのスイッチ状態を維持すればよい。また、通常状態のときにC位置の電圧値Vout2が第2下限電圧値Vt3(所定の異常閾値)以下に変化した場合、その異常状態を記憶しておいたり、外部装置(外部ECUなど)に報知したりすることができる。
【0058】
以上のように、電源装置30によれば、いずれか一方の電源部側で異常が生じた場合でも、その経路に対して他方の電源部から電流が流れ込むことを遮断し得る。例えば、上述したように第2スイッチ部35でショート故障が発生しても、第1スイッチ部34をオフ動作させることで第1電源部91から第2電源部92側へ電流が流れ込むことを防ぐことができる。
【0059】
第1導電路31は、第1導電路31が所定の過電流状態となったときに第1電源部91と第1スイッチ部34との間の通電を遮断するヒューズ部93に電気的に接続されている。このように構成された電源装置30は、第1導電路31に過電流が生じた場合にヒューズ部93によってこの経路の通電を迅速に遮断し、保護を図ることができる。
【0060】
電源装置30は、ヒューズ部93と第1スイッチ部34の間の導電路の電圧値を検出する電圧検出部51(第1の電圧検出部)を備えている。
図4のように、制御部39は、電圧検出部51(第1の電圧検出部)で検出された電圧値Vout
1が第1下限電圧値Vt1(所定の低電圧閾値)以下である場合に第1スイッチ部34を非通電状態とし、第2スイッチ部35を通電状態とする。このように構成された電源装置30は、例えば、地絡等によってヒューズ部93と第1スイッチ部34の間が低電位状態となった場合、第1電源部91からこの部分(ヒューズ部93と第1スイッチ部34の間の低電位部分)へ過電流が流れ込んでも、ヒューズ部93によってこの経路が迅速に遮断され保護が図られる。また、このように第1電源部91からの電力供給を遮断した状況下において、第1スイッチ部34を非通電状態とし、第2スイッチ部35を通電状態とすることができるため、第2電源部92側から低電位部分(ヒューズ部93と第1スイッチ部34の間の低電位部分)への電流の流れ込みを防ぎつつ第2電源部92から第1導電路31への電力供給を維持することができる。
【0061】
電源装置30は、第2導電路32の電圧値を検出する電圧検出部52(第2の電圧検出部)を備える。
図5のように、制御部39は、電圧検出部52(第2の電圧検出部)で検出された電圧値Vout2が第2上限電圧値Vt4(所定の過電圧閾値)以上である場合に第1スイッチ部34を非通電状態とする。このように構成された電源装置30は、例えば、第2スイッチ部35にショート故障が発生し、第1電源部91から第2電源部92へと充電電流が流れ込んだとしても、第2導電路32の電圧値がある程度高まったときには第1スイッチ部34を非通電状態とし、第1電源部91から第2電源部92への流れ込みを遮断することができる。このような機能により、第2電源部92の過充電防止効果を高めることができる。
【0062】
電圧検出部52(第2の電圧検出部)は、第2導電路32における第2スイッチ部35と第2電源部92との間の位置の電圧値を検出する構成となっている。
図6のように、制御部39は、電圧検出部52(第2の電圧検出部)で検出された電圧値Vout2が第2下限電圧値Vt3(所定の異常閾値)以下である場合に第2スイッチ部35を非通電状態とする。このように構成された電源装置30は、例えば、第2スイッチ部35と第2電源部92の間の電圧値が地絡等によって第2下限電圧値Vt3(所定の異常閾値)以下に低下している場合に、第2スイッチ部35を非通電状態で維持することができ、第1導電路31側からその所定位置へ電流が流れ込むことを防ぐことができる。よって、この状況下で第1スイッチ部34を通電状態としても第2電源部92側への流れ込みを防ぐことができ、第1電源部91から負荷94への電力供給を支障なく継続することができる。
【0063】
なお、本構成では、通常状態のときに第1スイッチ素子34A、第2スイッチ素子34B、及び第3スイッチ素子35Aのいずれかにショート故障が発生したとしても、主電源である第1電源部91から負荷94に対する電力供給が継続的に維持されるため、負荷94の動作に直ちに影響が及ぶことはない。
【0064】
<実施例2>
次に、本発明を具体化した実施例2について説明する。
【0065】
実施例2の電源装置130を用いた車載システム100を
図7に示す。この車載システム100及び電源装置130は、第3スイッチ素子35Aが第2電源部92側に設けられ、第4スイッチ素子35Bが接続部33側に設けられている点(即ち、実施例1とは入れ替えて配置した点)、第3スイッチ素子35A及び第4スイッチ素子35Bの間にインダクタンスLが設けられている点、及び充放電用スイッチ素子40Aが設けられている点が実施例1の車載システム10及び電源装置30の回路構成と異なっており、他の回路構成は実施例1と同一である。よって、実施例2の車載システム100及び電源装置130において、実施例1と同一の構成をなす部分については実施例1と同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0066】
実施例2の電源装置130は、実施例1の電源装置30の機能を全て含み、実施例1の説明で上述した制御を全て実施し得る。更に、電源装置130は、充放電部40を、DCDCコンバータとして動作させ得る。
【0067】
第2スイッチ部135は、第3スイッチ素子35Aのドレインが第2電源部92側に電気的に接続され、第4スイッチ素子35Bのドレインが第1導電路31に電気的に接続されている。そして、第3スイッチ素子35Aと第4スイッチ素子35Bの間にインダクタンスLが設けられている。インダクタンスLは一端が第3スイッチ素子35Aのソースに電気的に接続され、他端が第4スイッチ素子35Bのソースに電気的に接続されている。
【0068】
第3スイッチ素子35Aの寄生ダイオード35Cと第4スイッチ素子35Bの寄生ダイオード35Dとが互いに逆向きとされ、寄生ダイオード35Cは第2電源部92側から第1導電路31側へ電流を流さない構成で配置され、寄生ダイオード35Dは第1導電路31側から第2電源部92側へ電流を流さない構成で配置されている。よって、第2スイッチ部35のオフ動作時、即ち、第3スイッチ素子35A及び第4スイッチ素子35Bがいずれもオフ状態のときには、寄生ダイオード35C,35Dを経路とする電流は流れず、双方向の通電を遮断することができる。
【0069】
充放電用のスイッチ素子40AはMOSFETとして構成され、ソースがグラウンドに接続され、ドレインが第4スイッチ素子35Bのソース及びインダクタンスLの他端に電気的に接続されている。また、スイッチ素子40Aの寄生ダイオード40Bは第2導電路32側からグラウンド側へは電流を流さない配置となっている。
【0070】
電源装置130は充放電部40を有し、この充放電部40は、スイッチ素子40A、第4スイッチ素子35B、及びインダクタンスLを備えている。この充放電部40は、第4スイッチ素子35Bがハイサイド側のスイッチング素子として機能し、スイッチ素子40Aがローサイド側のスイッチング素子として機能し、同期整流方式のDCDCコンバータとして動作する。そして、制御部39は、このような充放電部40の第4スイッチ素子35B及びスイッチ素子40Aに対してデッドタイムを設定した形でPWM信号を相補的に出力する。充放電部40は、制御部39によって制御され、スイッチング素子(スイッチ素子40A、第4スイッチ素子35B)のスイッチング動作に応じて第2電源部92側からの入力電圧を変換し第1導電路31側へ出力する放電動作と、スイッチング素子(スイッチ素子40A、第4スイッチ素子35B)の動作に応じて第1導電路31からの電力に基づく充電電流を第2電源部92へ供給する充電動作を行い得る。
【0071】
次に、電源装置130の動作について説明する。
電源装置130は、通常時に主電源として第1電源部91を用いる。車両動作停止時(イグニッションスイッチのオフ動作時)には、制御部39から第1スイッチ部34及び第2スイッチ部135の各ゲートに対してオフ信号が入力され、第1スイッチ部34及び第2スイッチ部135はオフ状態で維持される。このとき、スイッチ素子40Aもオフ状態で維持される。そして、イグニッションスイッチがオフ状態からオン状態に変化した場合、制御部39は、第1スイッチ部34を構成する第1スイッチ素子34A、第2スイッチ素子34Bの各ゲートに対してオン信号を出力する。このようなオン信号の出力に応じて、第1スイッチ部34がオン状態になり、第1電源部91から負荷94に対して電流が供給される。
【0072】
制御部39は、このように第1スイッチ部34をオン状態に切り替えた後、第1スイッチ部34及び第2スイッチ部135の動作状態を、電流検出部36、電圧検出部51、電圧検出部52の検出結果に応じて定める。
【0073】
(通常状態の動作)
まず、通常状態のときの動作を説明する。イグニッションスイッチがオン状態とされている期間において、
図2のように、Iout<It2、Vt1<Vout1<Vt2、Vt3<Vout1<Vt4の関係を満たす通常状態のときには、
図2のように第1スイッチ部34をオン動作(即ち、第1スイッチ素子34A及び第2スイッチ素子34Bをオン動作)させ、第2スイッチ部135をオフ動作(即ち、第3スイッチ素子35A及び第4スイッチ素子35Bをオ
フ動作)させる。このような動作により、第1電源部91から負荷94に対して電力を供給することができる。
【0074】
但し、通常状態のときであっても所定の充電条件が成立した場合(例えば、電圧検出部52で検出される電圧値が所定の充電判定閾値以下である場合など、予め設定された充電時期に該当する場合)には、第3スイッチ素子35Aをオン動作させるとともに充放電部40を動作させ、第1電源部91の電力によって第2電源部92を充電することができる。なお、このように充放電部40を動作させて第2電源部92を充電する場合、充放電部を降圧式のDCDCコンバータとして動作させるように制御部39から第4スイッチ素子35B及びスイッチ素子40Aに対してPWM信号を相補的に出力すればよい。そして、このように充放電部40を動作させて第2電源部92を充電する場合、例えば、電圧検出部52の検出値が一定値に達した場合(即ち、電圧値Vout2が満充電を示す閾値に達した場合)、第4スイッチ素子35B及びスイッチ素子40Aをいずれもオフ動作させて充放電部40を停止させるとともに、第3スイッチ素子35Aをオフ動作させればよい。このときには、第1導電路31側から第2電源部92側への電流供給も、第2電源部92側から第1導電路31側への電流供給も遮断される。
【0075】
(第1異常状態の動作)
次に、第1導電路31で過電流が生じたとき(第1異常状態)の動作について説明する。制御部39は、電流検出部36からの検出値を監視しており、第1導電路31の電流値Ioutが上限電流値It2(電流閾値)以上となった場合、
図3のように、第1スイッチ部34及び第2スイッチ部135をいずれもオフ動作させる。また、スイッチ素子40Aもオフ動作させ、充放電部40を停止させる。これにより、第1電源部91から負荷94に対して電流が流れなくなり、第2電源部92からも負荷94に対して電流が流れなくなる。
【0076】
(第2異常状態の動作)
制御部39は、電圧検出部51からの検出値を監視しており、電圧検出部51(第1の電圧検出部)によって検出されるB位置の電圧値Vout1が第1下限電圧値Vt1(所定の電圧閾値)以下である場合に第1スイッチ部34をオフ状態として非通電状態とし、更に、第1異常状態に該当しない場合(即ち、第1導電路31の電流値Ioutが上限電流値It2(電流閾値)未満の場合)には、第3スイッチ素子35Aをオン状態にするとともに充放電部40を動作させて電力供給状態とする。なお、このように充放電部40を動作させて第1導電路31に電力を供給する場合、第2電源部92によって印加される電圧を入力電圧とし、第1導電路31側に出力電圧を印加するように充放電部40を昇圧式のDCDCコンバータとして動作させるように制御部39から第4スイッチ素子35B及びスイッチ素子40Aに対してPWM信号を相補的に出力すればよい。
【0077】
このような動作により、第2電源部92から負荷94に対して電力を供給することができ、第2電源部92をバックアップ電源として動作させることができる。また、第2電源部92をバックアップ電源として動作させているときに第1スイッチ部34がオフ状態であるため、仮にヒューズ部93と第1スイッチ部34の間で地絡が発生していたとしても、第2電源部92から地絡発生位置へは電流が流れ込まなくなる。
【0078】
(第3異常状態の動作)
制御部39は、電圧検出部52からの検出値を監視しており、電圧検出部52(第2の電圧検出部)によって検出されるC位置の電圧値Vout2が第2上限電圧値Vt4(所定の過電圧閾値)以上である場合、第1スイッチ部34をオフ状態として非通電状態とし、更に、第1異常状態に該当しない場合(即ち、第1導電路31の電流値Ioutが上限電流値It2(電流閾値)未満である場合)、制御部39は、第3スイッチ素子35Aをオン状態にするとともに充放電部40を動作させ、第2電源部92の電力に基づいて第1導電路31に電力を供給する。即ち、第2電源部92によって印加される電圧を入力電圧とし、第1導電路31側に出力電圧を印加するように充放電部40を昇圧式のDCDCコンバータとして動作させる。このような動作により、第4スイッチ素子35Bがショート故障したときの第2電源部92の過充電を防ぐことができるとともに、負荷94の動作を継続することができる。
【0079】
(第4異常状態の動作)
制御部39は、電圧検出部52(第2の電圧検出部)によって検出されるC位置の電圧値Vout2が第2下限電圧値Vt3(所定の異常閾値)以下である場合、第2スイッチ部135をオフ状態にするとともにスイッチ素子40Aもオフ状態にする。更に、第1異常状態及び第2異常状態に該当しない場合(具体的には、Iout<It2且つ、Vt1<Vout1<Vt2の場合)には、第1スイッチ部34をオン状態とし通電状態とする。これにより、第1電源部91から第2電源部92側の低電位位置への電流の流れ込みを防ぎつつ、負荷94の動作を継続することができる。なお、上述した通常状態のときにC位置の電圧値Vout2が第2下限電圧値Vt3(所定の異常閾値)以下に変化した場合、その異常状態を記憶しておいたり、外部装置(外部ECUなど)に報知したりすることができる。
【0080】
本構成も実施例1と同様の効果を得ることができる。
また、本構成によれば、電圧変換を行い得る充放電部40によって第2電源部92からの放電及び第2電源部92に対する充電を可能としつつ、その充放電部40の一部をなすスイッチング素子(第4スイッチ素子35B)を第2スイッチ部35として兼用することで、部品数の削減や小型化等を図ることができる。
【0081】
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施
例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0082】
上述した実施例では、第1電源部に鉛バッテリを用いているが、この構成に限定されず、本明細書のいずれの例においても、鉛バッテリに代えて又は鉛バッテリと併用して第1電源部に他の電源手段(公知の他の蓄電手段や発電手段など)を用いてもよい。第1電源部を構成する電源手段の数は1つに限定されず、複数の電源手段によって構成されていてもよい。
【0083】
上述した実施例では、第2電源部に電気二重層キャパシタを用いているが、この構成に限定されず、本明細書のいずれの例においても、第2電源部にリチウムイオン電池、リチウムイオンキャパシタ、ニッケル水素充電池などの他の蓄電手段を用いてもよい。また、第2電源部を構成する蓄電手段の数は1つに限定されず、複数の蓄電手段によって構成されていてもよい。
【0084】
上述した実施例では、第1スイッチ部、第2スイッチ部として、2つのMOSFETで構成されるスイッチ部を例示したが、双方向の電流を遮断し得る構成であればこの構成に限定されず、公知の他のスイッチ部によって構成されていてもよい。例えば、他の半導体スイッチ素子や機械式のリレー等を用いてもよい。また、双方向の電流を遮断し得る構成であれば、第1スイッチ部、第2スイッチ部のそれぞれを構成する素子数は2に限定されず、1であってもよく、3以上であってもよい。
【0085】
上述した実施例では、第2電源部の満充電時の出力電圧が、第1電源部の満充電時の出力電圧より小さい例を示したが、本明細書のいずれの例においても、第2電源部の満充電時の出力電圧が、第1電源部の満充電時の出力電圧と同程度又は第1電源部の満充電時の出力電圧以上であってもよい。
【0086】
上述した実施例では、第1導電路に第1電源部及び負荷が接続されているが、これに限らず、発電機や別の負荷等の他の電気部品が電気的に接続されていてもよい。また、これら電気部品を接続する場所は第1導電路に電気的に接続される位置であれば様々な位置が対象となる。