(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数の光源側単位光学要素は、前記光学シート及び前記光源デバイスの積層方向に関して第1の位置に前記頂部が配置される少なくとも1つの第1光源側単位光学要素と、前記積層方向に関して前記第1の位置とは異なる第2の位置に前記頂部が配置される少なくとも1つの第2光源側単位光学要素とを含み、
前記複数のシート側単位光学要素は、前記積層方向に関して第3の位置に前記頂部が配置される少なくとも1つの第1シート側単位光学要素と、前記積層方向に関して前記第3の位置とは異なる第4の位置に前記頂部が配置される少なくとも1つの第2シート側単位光学要素とを含む請求項1〜3のいずれか一項に記載の面光源装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のような面光源装置は、一般に、光源からの光を導いて面発光する光源デバイスと、光源デバイスの発光面上に設けられるプリズムシート等の光学シートとを備える。このような構成を有する面光源装置では、光源デバイス及び光学シートが画像表示裝置内部で相互に圧着されたり、或いは帯電による静電引力によって相互に吸引されて光源デバイスの発光面に光学シートの入光面が張りついて「ウェットアウト(Wet−Out)」と呼ばれる発光輝度の面内でのムラ模様が発現することがある。このウェットアウトは、光学特性に影響を及ぼし、光学シートにおける光の透過ムラ等の不具合をもたらすため、実際の製品ではウェットアウトを生じさせないことが望ましい。
【0006】
ウェットアウトは、シート状部材同士が面単位で密着する場合に顕著に生じるが、シート状部材の密着面に凸状の稜線部が複数形成され当該複数の稜線部を介してシート状部材同士が密着する場合にも生じうる。したがって、プリズムシートを構成する複数の凸状の単位プリズムの稜線部が光源デバイスの発光面に接触するようにプリズムシートが光源デバイスに載置される面光源装置(当該面光源装置は、從來主流であった稜線部が画像表示パネル側を向いて配置される形態に対して、「逆プリズム型の面光源装置」と呼稱されている)においても、ウェットアウトは生じうる。また、耐損傷性を向上させるために光源デバイスの発光面が複数の凸状の単位光学要素(例えば平坦状や湾曲状の頂部を有する単位光学要素)によって構成されることがあるが、そのような単位光学要素の稜線部がプリズムシートの入光面に接触する場合にも、ウェットアウトは生じうる。
【0007】
したがってウェットアウトを防ぐことができる新たな技術が望まれており、とりわけ逆プリズム型の面光源装置に対して有効に適用可能な技術の提案が望まれている。しかしながら従来の技術は、逆プリズム型の面光源装置におけるウェットアウトの発生を防ぐには必ずしも有効ではなかった。
【0008】
例えば特許文献1及び4の装置では、各単位プリズム(導光光学フィルム)の稜線の高さを延在方向に関して不均一にすることで、ウェットアウトの発生を防いでいる。しかしながら、このような構造を逆プリズム型の面光源装置(特にプリズムシート等の光学シート)に適用すると、却って画質が悪化してしまい、視野角の制御も難しくなる。
【0009】
また特許文献2の装置では、面光源用シートの単位プリズムにおいて2列〜8列のうちの1つの列の単位プリズムの頂部を他の列の頂部よりも高く形成することで、表示ムラの低減が図られている。しかしながら、このような構造を逆プリズム型の面光源装置(特にプリズムシート等の光学シート)に適用するだけでは、必ずしも十分にウェットアウトの発生を防ぐことができない。また特に特許文献2の上記技術は、各単位プリズムの頂部が100nm〜400nmの幅の平坦部を有するケースを対象としており、他のケースには必ずしも有効に作用しない。
【0010】
また特許文献3の装置では、単位プリズムのピッチと単位プリズムを構成する材料の引張弾性率とを最適化することで、光学的特性の変化を防いでいる。しかしながら特許文献3で述べられている「光学的特性の変化」は、単位プリズムが他部材に接触することによって生じる変形(レンズつぶれ)に起因する現象を指しており、帯電に起因してシートの密着を生じた場合に於ける上述のウェットアウトとは発生メカニズム及び光学特性が全く異なっている。したがって、特許文献3の技術を逆プリズム型の面光源装置に応用しても、上述のウェットアウトを有効に防ぐことは難しい。
【0011】
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、ウェットアウトを有効に防ぐことができる逆プリズム型の面光源装置及びそのような面光源装置を応用した画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一態様は、光源デバイスと、光源デバイス上に積層される光学シートとを備える面光源装置であって、光源デバイスは、光を発する光源部と、相互に並んで配置される凸状の複数の光源側単位光学要素であって光源部からの光を出射する複数の光源側単位光学要素を出射側に有する導光部と、を含み、光学シートは、相互に並んで配置される凸状の複数のシート側単位光学要素であって、複数の光源側単位光学要素のうちの少なくとも一部と接触し、導光部からの光が入射する複数のシート側単位光学要素を有し、複数の光源側単位光学要素の頂部は、同一平面上には位置せず、複数のシート側単位光学要素の頂部は、同一平面上には位置しない面光源装置に関する。
【0013】
複数の光源側単位光学要素の頂部及び複数のシート側単位光学要素の頂部の両方を本態様のように配置することで、ウェットアウトを有効に防ぐことができる。
【0014】
複数の光源側単位光学要素は、光学シート及び光源デバイスの積層方向に関して第1の位置に頂部が配置される少なくとも1つの第1光源側単位光学要素と、積層方向に関して第1の位置とは異なる第2の位置に頂部が配置される少なくとも1つの第2光源側単位光学要素とを含み、複数のシート側単位光学要素は、積層方向に関して第3の位置に頂部が配置される少なくとも1つの第1シート側単位光学要素と、積層方向に関して第3の位置とは異なる第4の位置に頂部が配置される少なくとも1つの第2シート側単位光学要素とを含んでもよい。
【0015】
複数の光源側単位光学要素及び複数のシート側単位光学要素を本態様のように構成することで、ウェットアウトを有効に防ぐことができる。
【0016】
複数の光源側単位光学要素の少なくとも一部は、相互に隣接して配置される2以上の光源側単位光学要素によって構成される光源側グループを複数構成し、複数の光源側グループの各々は、少なくとも1つの第1光源側単位光学要素と少なくとも1つの第2光源側単位光学要素とを含んでもよい。
【0017】
本態様によれば、少なくとも複数の光源側グループが設けられている範囲では、ウェットアウトを有効に防ぐことができる。
【0018】
複数の光源側グループは周期的に配置されてもよい。
【0019】
本態様によれば、複数の光源側単位光学要素を簡素に構成しつつ、ウェットアウトを有効に防ぐことができる。
【0020】
複数のシート側単位光学要素の少なくとも一部は、相互に隣接して配置される2以上のシート側単位光学要素によって構成されるシート側グループを複数構成し、複数のシート側グループの各々は、少なくとも1つの第1シート側単位光学要素と少なくとも1つの第2シート側単位光学要素とを含んでもよい。
【0021】
本態様によれば、少なくとも複数のシート側グループが設けられている範囲では、ウェットアウトを有効に防ぐことができる。
【0022】
複数のシート側グループは周期的に配置されてもよい。
【0023】
本態様によれば、複数のシート側単位光学要素を簡素に構成しつつ、ウェットアウトを有効に防ぐことができる。
【0024】
光学シート及び光源デバイスの積層方向に関する複数の光源側単位光学要素の頂部間の距離は、0.38μm以上2μm以下であってもよい。
【0025】
本態様によれば、良好な画質を確保しつつ、ウェットアウトを有効に防ぐことができる。
【0026】
光学シート及び光源デバイスの積層方向に関する複数のシート側単位光学要素の頂部間の距離は、0.38μm以上2μm以下であってもよい。
【0027】
本態様によれば、良好な画質を確保しつつ、ウェットアウトを有効に防ぐことができる。
【0028】
複数の光源側単位光学要素のうちの少なくとも一部の頂部は、平坦部又は湾曲部を有してもよい。
【0029】
本態様によれば、光源側単位光学要素に良好な耐損傷性を持たせることができる。
【0030】
複数の光源側単位光学要素のうちの少なくとも一部の側面は、少なくとも一部が曲面であってもよい。
【0031】
本態様によれば、光源側単位光学要素に良好な耐損傷性を持たせることができる。
【0032】
複数の光源側単位光学要素は、熱可塑性樹脂によって構成されてもよい。
【0033】
本発明の他の態様は、上記の面光源装置と、面光源装置から光が入射する画像表示パネルと、を備える画像表示装置に関する。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、「複数の光源側単位光学要素の頂部が同一平面上には位置せず」且つ「複数のシート側単位光学要素の頂部が同一平面上には位置しない」ことで、逆プリズム型の面光源装置においてウェットアウトを有効に防ぐことができる。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、縮尺及び縦横の寸法比等を、実物のそれらから適宜変更し誇張してある。
【0037】
また本明細書において用いられる形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」及び「同一」等の用語や長さや角度の値等は、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待しうる程度の範囲を含めて解釈することとする。したがって、例えば「三角形」、「多角形」、「半球状」、「球の一部」及び「レンズ形状」等の幾何学的形状を表す用語も、厳密な意味での形状だけではなく、製造技術における限界や製造誤差等を加味した形状も意味しうる。
【0038】
図1は、画像表示装置10の一例を概念的に示す分解斜視図である。本実施形態の画像表示装置10は、面光源装置20、画像表示パネル15及び機能性シート41を備え、面光源装置20から出射して画像表示パネル15及び機能性シート41を透過した光が、画像情報として観察者に提供される。なお画像表示装置10を液晶表示装置等の実際の製品に使用する場合、これらの面光源装置20、画像表示パネル15及び機能性シート41は図示しない筺体に収容され、機能性シート41から出射する光(これが画像情報を構成する)が筺体に設けられる開口を介して観察者に届けられる。
【0039】
本実施形態の画像表示パネル15は、液晶パネルとして構成され、観察者側に配置される上偏光板13と、面光源装置20側に配置される下偏光板14と、上偏光板13と下偏光板14との間に配置される液晶セル12とを有する。上偏光板13及び下偏光板14は、特定方向に偏光した光のみを透過する光学素子であり、上偏光板13及び下偏光板14の各々が透過する光の具体的な偏光方向は液晶セル12の画像形成方式や画像表示裝置10の設計思想に依拠して適宜選定すれば良く、特に限定されない。例えば、上偏光板13及び下偏光板14の光の透過軸方向が互いに直交するクロスニコルと呼ばれる配置や、上偏光板13及び下偏光板14の光の透過軸方向が互いに平行になるパラレルニコルと呼ばれる配置で、上偏光板13及び下偏光板14を設けることができる。
【0040】
液晶セル12は、1つの画素を形成する領域毎に電界が印加されうるようになっており、印加された電界に応じて配向が変化する。液晶セル12の配向方式は特に限定されないが、例えばTN(Twisted Nematic)方式の液晶セル12は、電界が印加されていない状態では入射光の偏光方向を90度回転した状態で液晶セル12から出射させることができる一方で、電界が印加されている状態では入射光の偏光方向を変えずに維持した状態で液晶セル12から出射させることができる。画素単位で液晶セル12の配向を制御して液晶セル12を通過する光の偏光方向を変えることにより、画素毎に、上偏光板13から光を出射させたり、上偏光板13によって光を遮断したりできる。
【0041】
このように画像表示パネル15によって面光源装置20からの光の透過及び遮断が画素毎に行われることで、文字や絵などを構成する所望の画像光が機能性シート41に向けて出射する。なお、液晶パネルに代表される画像表示パネル15の具体的な構成や駆動制御方式には様々なタイプがあり、特に限定されることなく任意のタイプの画像表示パネル15を画像表示装置10において用いることができる。
【0042】
一方、画像表示パネル15から出射した光が入射する機能性シート41は、例えば通常の液晶表示装置に用いられる各種の機能を有するシートによって構成可能である。例えば、着色フィルタのような色調補正機能を有するシート、防眩機能を有するシート、外光反射防止機能を有するシート、ハードコートシートのような耐擦傷性機能を有するシート、及び/又はタッチパネル位置検知電極シートのような画面上の接触位置座標入力機能を有するシート等によって、機能性シート41を構成できる。本実施形態の画像表示装置10では、画像表示パネル15よりも観察者側に機能性シート41が設けられるが、当該機能性シート41に加え、或いは、当該機能性シート41の代わりに、必要に応じた各種機能を発揮する機能性シートが任意の箇所に設けられてもよい。例えば、面光源装置20と画像表示パネル15との間に、反射型偏光子(3M社の商品名DBEF(Dual Brightness Enhancement Film)、APF(Advanced Polarization Controlled Film))等の機能性シートや機能性層が配置されてもよい。
【0043】
次に、面光源装置20について説明する。
【0044】
図2は、画像表示パネル15及び面光源装置20の
図1のラインII−IIに沿った断面図である。
図3は、画像表示パネル15及び面光源装置20の
図1のラインIII−IIIに沿った断面図である。即ち、
図2の断面図と
図3の断面図とは互いに直交する位置関係に在る。
【0045】
面光源装置20は、画像表示パネル15に向かって面発光する照明装置であり、画像表示パネル15には面光源装置20からの光が入射する。本実施形態の面光源装置20は、エッジライト型の面光源装置として構成され、光源デバイス28、反射シート40及びプリズムシートに代表される光学シート30を備える。以下、本実施形態に於いては、光学シートがプリズムシートからなる形態を主体に説明する。
【0046】
光源デバイス28は、光を発する複数の光源部26と、各光源部26から発せられた光を導いて面発光に変換した上でプリズムシート30に向かって出射する導光部21とを含む。
【0047】
複数の光源部26は、冷陰極管(CCFL:Cold Cathode Fluorescent Lamp)やLED(Light Emitting Diode)等の任意の光源によって構成可能である。本実施形態では、導光部21の基部22の側面に対向するように複数の光源部26が特定の方向(図中の矢印「X」参照)に並んで配置され、各光源部26から発せられた光は光源部26と対面する基部22の側面から導光部21内に入射する。
【0048】
導光部21は、反射シート40側に設けられる裏面プリズム部23と、プリズムシート30側に設けられる単位光学要素部24と、裏面プリズム部23と単位光学要素部24との間に設けられる基部22とを有する。
【0049】
基部22は、裏面プリズム部23及び単位光学要素部24を支持するベースとなる要素であり、所定の厚さを有する板状部材である。
【0050】
裏面プリズム部23は、
図2に示すように基部22の裏面側(即ち、反射シート40側)に形成され、基部22内部から裏面側に向かって進行してくる光(
図2の符号「L」参照)を反射して進行方向(即ち、進行角度)を変える役割を果たす。本実施形態では、連続的に配置される三角柱状の複数の単位裏面プリズム23aによって、凹凸形状の裏面プリズム部23が構成されている。各単位裏面プリズム23aは、複数の光源部26が並ぶ方向(図中の矢印「X」参照)に延在する柱状要素であり、各単位裏面プリズム23aの頂部によって構成される稜線が延在する方向と直交する方向(図中の矢印「Y」参照)に複数の単位裏面プリズム23aが連続的に並んで配置される。各単位裏面プリズム23aは、延在方向と直交する方向に関する断面の形状(YZ平面に沿った断面形状であり、以下、主切断面形状とも呼稱する)が、その延在方向に関して一定である。したがって、各単位裏面プリズム23aの頂部の位置(すなわちプリズムシート30及び光源デバイス28の積層方向(図中の矢印「Z」方向参照)に関する頂部の位置)は、延在方向(図中の矢印「X」参照)に関して一定である。なお
図2に示される各単位裏面プリズム23aは三角形の主切断面形状を有するが、他の主切断面形状を有してもよく、例えば四角形、五角形、六角形等の多角形、円、楕円、抛物線、双曲線等の2次曲線、或いは其の一部等の任意の主切断面形状を有することができる。
【0051】
尚、裏面側プリズム部23に於ける単位裏面プリズム23aの具体的な事項、例えば、形状、プリズム部分の各内角や各辺の値等の設計については、特開2013−190778号公報、特開2013−190779号公報等に開示される公知の設計に従えば良い。
【0052】
導光部21の光出射面の単位光学要素部24は、相互に並んで配置される凸状の複数の光源側単位光学要素24aによって構成され、光源部26からの光が各光源側単位光学要素24aからプリズムシート30に向かって出射される。すなわち、光源部26から基部22(導光部21)内に入射した光は、裏面プリズム部23及び単位光学要素部24によって形成される導光部21の面(界面)において全反射されて進行方向(進行角度)が変えられつつ裏面側単位プリズム23aの稜線方向と直交方向に伝播し、単位光学要素部24により形成される面(界面)における全反射条件を満たさなくなった光(臨界角よりも小さい入射角を持つ光)が各光源側単位光学要素24a(単位光学要素部24)から出射する。
【0053】
各光源側単位光学要素24aは、
図3に示すように各単位裏面プリズム23aが延在する方向と直交する方向(図中の矢印「Y」参照)に延在する柱状要素であり、各光源側単位光学要素24aの頂部によって構成される稜線が延在する方向と直交する方向(図中の矢印「X」参照)に複数の光源側単位光学要素24aが連続的に並んで配置される。各光源側単位光学要素24aは、延在方向(図中の矢印「Y」参照)と直交するZX平面に沿った断面の形状、以下、主切断面形状とも呼稱する)が、その延在方向に関して一定である。したがって各光源側単位光学要素24aは、延在方向に関して、頂部の位置(すなわちプリズムシート30及び光源デバイス28の積層方向(図中の矢印「Z」方向参照)に関する頂部の位置)が一定である。
【0054】
なお、光源側単位光学要素24aの具体的な構成例については後述する。
【0055】
上述の導光部21(基部22、裏面プリズム部23及び単位光学要素部24)は透光性を有する種々の材料によって構成可能であり、機械的特性、光学特性、安定性及び加工性等に優れ安価に入手可能な材料によって構成されることが好ましい。例えば、脂環式構造を有する重合体樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体、ABS樹脂、ポリエーテルスルホン等の熱可塑性樹脂、或いは電離放射線硬化型樹脂等によって、導光部21(基部22、裏面プリズム部23及び単位光学要素部24)を構成することができる。
【0056】
此処で、電離放射線硬化型樹脂としては、電離放射線の照射により架橋乃至重合反応を起こして硬化する(メタ)アクリレート系、ポリエステル系、エポキシ系などの単量体(モノマー)、プレポリマー(乃至オリゴマー)が挙げられる。尚、此処で、(メタ)アクリレート系とは、メタクリレート系又はアクリレート系の両方を含む。電離放射線としては、分子に架橋乃至重合反応を生じせしめるに足るエネルギー量子を有する放射線であり、紫外線、可視光線、X線等の電磁波、或いは電子線、α線等の荷電粒子線を用いることが出来るが、通常使用されるものとしては、主に紫外線又は電子線である。
【0057】
(メタ)アクリレート系電離放射線硬化型樹脂の例として、モノマーとしては、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0058】
又、プレポリマー(乃至オリゴマー)としては、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、トリアジン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0059】
通常は、これら単量体の1種以上とこれらプレポリマーの1種以上を混合し、必要に応じて、稀釈溶剤を配合した液状組成物が用いられる。
【0060】
電離放射線として紫外線又は可視光線を使用する場合は、光重合開始剤を添加する。光重合開始剤として、例えば、ラジカル重合性化合物には、チオキサントン系、ベンゾイン系、アセトフェノン系、ベンゾフェノン系等の化合物が用いられる。又、カチオン重合系化合物の場合には、メタロセン系、芳香族スルホニウム系、芳香族ヨードニウム系等の化合物が用いられる。光重合開始剤の添加量は電離放射線硬化型樹脂組成物全体(揮発性溶剤は除く)の0.1〜5質量%程度である。
【0061】
一方、反射シート40は、導光部21の裏面(裏面プリズム部23)から出射した光を反射して、再び導光部21(裏面プリズム部23)に光を入射させるための部材である。したがって反射シート40は鏡面反射する要素によって好適に構成され、例えば銀、アルミニウム、ニッケル、クロム等の金属等の高い反射率を有する材料からなるシートや、高い反射率を有する材料からなる薄膜(例えば前記金属の薄膜)を表面層として有するシート等によって、反射シート40を構成することができる。
【0062】
次に、光源デバイス28上に積層される光学シートとしてのプリズムシート30について説明する。本実施形態のプリズムシート30は、所謂逆プリズム型の面光源装置20を構成するためのプリズムシートである。すなわち、プリズムシート30を構成する複数の凸状のシート側単位光学要素である単位プリズム32aの稜線部(頂部)が光源デバイス28の発光面(本実施形態では単位光学要素部24(光源側単位光学要素24a))に接触するように、プリズムシート30が光源デバイス28上に載置される。
【0063】
本実施形態のプリズムシート30は、
図2に示す如く光源デバイス28側に単位プリズム32aが対面して設けられる単位プリズム部32と、画像表示パネル15側に設けられる光拡散層33と、単位プリズム部32と光拡散層33との間に設けられ単位プリズム部32及び光拡散層33を支持するシート状の本体部31とを有する。
【0064】
このプリズムシート30は、入光側(光源デバイス28側)から入射した光Lの進行方向を変化させて出光側(画像表示パネル15側)から光を出射させ、正面方向(法線方向(図中の矢印「Z」参照))の輝度を集中的に向上させる集光機能を有する。この集光機能は、主として単位プリズム部32によって発揮される。集光の度合いは、用途や目的によって異なり、単位プリズム部32(特に、後述の単位プリズム32a)の形状を調整することにより変えられる。また本実施形態のプリズムシート30は、画像表示パネル15との間における干渉縞発生を防止したりキズ等の不具合を隠したり、更には適度な光拡散性を付与したりする機能を有し、当該機能は主として光拡散層33によって発揮される。
【0065】
単位プリズム部32は、
図2に示すように、相互に並んで配置される凸状の複数の単位プリズム32aを有する。複数の単位プリズム32aは、後述のように、光源デバイス28の出光面上に在る複数の光源側単位光学要素24aのうちの少なくとも一部と接触し、導光部21からの光が入射する。より具体的には、各単位プリズム32aは、各光源側単位光学要素24aが延在する方向と直交する方向(図中の矢印「X」参照)に延在する。なお本実施形態では、各単位プリズム32aが延在する方向と各光源側単位光学要素24aが延在する方向(同図中のY方向)との交叉角度は90度に設定されているが、これらの両方向の交叉角度は90度以外の角度であってもよく、例えば、これらの両方向の交叉角度の90度からのずれ角度Δθを0度超過±10度以下(即ち、交叉角度=90度+Δθを、80度≦交叉角度<90度、又は、90度<交叉角度≦110度とする)の範囲に設定することで、モアレの発生を効果的に抑制することも可能である。
【0066】
又、各単位プリズム32aの延在方向と各光源側単位光学要素24aの延在方向とのずれ角度を設定し、−40度<ずれ角度<−10度或いは+10度<ずれ角度<+40度とすることにより、面光源裝置20の出光面20aの法線Nと該面光源裝置20からの出射光Lとの間に所定角度ΔΦ≧10°の傾斜を生じせしめることが出來る。斯かる形態は、主として画像表示裝置10の法線Nの方向以外に居る画像観察者に画像を觀察させる用途に好適である。斯かる用途としては、カーナビゲーションシステムの表示裝置、電子看板(電子掲示板、電子広告板、或いはデジタルサイネージとも呼稱される)等が挙げられる。
【0067】
なお、単位プリズム32aの具体的な構成例については後述する。
【0068】
光拡散層33は、入射した光を等方的に拡散して出射する層であり、例えば、透光性樹脂層中に当該透光性樹脂層とは屈折率の異なる多数の光拡散粒子を含有させることで構成可能である。この場合、透光性樹脂層の画像表示パネル15側の表面から光拡散粒子の一部を突出させることで、光拡散層33によって構成される「プリズムシート30の画像表示パネル15側の面」を凹凸形状に形成でき、プリズムシート30の画像表示パネル15側の面を粗面化できる。なお光拡散層33は、省略されてもよい。
【0069】
上述のプリズムシート30は
図2の如く本体部31、単位プリズム部32及び光拡散層33から成る。これらを構成する材料は特に限定されず、優れた機械的特性、光学特性、安定性及び加工性等を有する安価に入手可能な材料によって本体部31、単位プリズム部32及び光拡散層33が構成されることが好ましい。例えば、ポリスチレン等のスチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、及びポリアクリロニトリル等のうちの1以上を主成分とする透明樹脂、或いは導光部21の材料として例示した各種電離放射線硬化型樹脂等が、本体部31及び単位プリズム部32の材料として使用されうる。
【0070】
また光拡散層33の透光性樹脂層に用いられる樹脂も特に限定されず、光拡散粒子を分散した状態で保持可能な光透過性を有する樹脂を透光性樹脂層に使用可能である。したがって例えば、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂又はアクリル樹脂等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、熱硬化型ポリエステ樹脂、熱硬化型ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂、或いは電離放射線硬化型樹脂等によって、光拡散層33の透光性樹脂層を構成できる。また光拡散層33の光拡散粒子は、例えば、アクリル−スチレン共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン等の熱可塑性樹脂、或いはポリウレタン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂又はメラミン樹脂等の架橋物から成る有機系微粒子、シリコーン等の樹脂微粒子、或いはシリカ、アルミナ又はガラス等の無機系微粒子等によって構成できる。光拡散粒子の粒径は、平均粒径で1〜10μm程度とすることが出來る。光拡散粒子の添加量は、透光性樹脂層を構成する樹脂100質量部に対して1〜30質量部の範囲とすることが出來る。なお、透光性樹脂層に実際に含有させる光拡散粒子は1種類であってもよいし2種類以上であってもよく、また光拡散粒子の形状は球形、回転楕円体、多面体、或いは不定形であってもよく、さらに光拡散粒子の粒度分布は単分散であってもよいし多分散であってもよい。
【0071】
上述の光源デバイス28(特に導光部21)及びプリズムシート30の製法は特に限定されず、例えば金型を使用した賦型加工やバイト等を使用した切削加工等の任意の手法を利用して、所望形状の光源デバイス28及びプリズムシート30を製造できる。例えば、プリズムシート30の本体部31を構成する板状の基材の一方の面(画像表示パネル15側の面)上に光拡散層33を設け、その後、その基材の他方の面(光源デバイス28側の面)上に単位プリズム部32を設けることでプリズムシート30を製造することができる。光拡散層33は、例えば、光拡散粒子を含有する硬化前の透光性樹脂層を基材の一方の面上に塗布し、当該透光性樹脂層を基材上で硬化することにより形成できる。一方、単位プリズム部32は、例えば、基材の他方の面に金型を押し当てて単位プリズム32aを賦型することにより形成できる。
【0072】
<光源側単位光学要素24a及びシート側単位光学要素としての単位プリズム32a>
次に、本実施形態に係る「光源デバイス28の光源側単位光学要素24a」及び「プリズムシート30の単位プリズム32a」の具体的な構成について説明する。
【0073】
本件発明者は、鋭意研究の結果、光源側単位光学要素である単位光学要素部24を構成する光源側単位光学要素24aの高さを不均一にし、且つ、シート側単位光学要素である単位プリズム部32を構成する単位プリズム32aの高さを不均一にすることで、ウェットアウトを非常に効果的に解消できるということを新たに知見した。すなわち「複数の光源側単位光学要素24aの頂部が同一平面上には位置せず」且つ「複数の単位プリズム32aの頂部が同一平面上には位置しない」ことで、ウェットアウトの発生を顕著に抑制できることを、本件発明者は知見及び確認するに至った。
【0074】
まず、光源側単位光学要素24aの具体的な構成例について説明する。
【0075】
図4は、光源デバイス28の単位光学要素部24の一部を拡大して例示した断面図である。本実施形態の単位光学要素部24を構成する複数の光源側単位光学要素24aは、「プリズムシート30及び光源デバイス28の積層方向(図中の矢印「Z」方向参照。以下、当該「Z」方向を「高さ方向」とも呼稱する)に関してプリズムシート30(単位プリズム部32)から相対的に近い位置(第1の位置或いは「導光部の基部22のプリズムシート30側表面からの「高さ」の高い位置」とも呼稱する)に頂部24bが配置される少なくとも1つの第1単位光学要素(第1光源側単位光学要素)24a−H(
図4に示す例では複数の第1光源側単位光学要素24a−H)」と、「上述の積層方向(図中の矢印「Z」方向参照)に関してプリズムシート30の単位プリズム部32から相対的に遠い位置(上記の第1の位置とは異なる位置:第2の位置或いは「導光部の基部22のプリズムシー30側表面からの「高さ」の低い位置」とも呼稱する)に頂部24bが配置される少なくとも1つの第2単位光学要素(第2光源側単位光学要素)24a−L(
図4に示す例では複数の第2光源側単位光学要素24a−L)」とを含む。
【0076】
単位光学要素部24を構成するこれらの光源側単位光学要素24aの少なくとも一部は、相互に隣接して配置される2以上の光源側単位光学要素24aによって構成される光学要素グループ(光源側グループ)Gfを複数構成し、これらの複数の光学要素グループGfは周期的に配置される。複数の光学要素グループGfの各々は、少なくとも1つの第1光源側単位光学要素24a−Hと少なくとも1つの第2光源側単位光学要素24a−Lとを含む。
図4に示す例では、4つの光源側単位光学要素24aによって1つの光学要素グループGfが構成され、2つの第1光源側単位光学要素24a−Hが連続的に配置された後に2つの第2光源側単位光学要素24a−Lが連続的に配置される。4つの光源側単位光学要素24a(2つの第1光源側単位光学要素24a−H及び2つの第2光源側単位光学要素24a−Lを含む)によって構成されるこの光学要素グループGfが、図中の矢印「X」で示す方向に繰り返し配置されることで、単位光学要素部24は構成される。
【0077】
このように本実施形態に係る単位光学要素部24は、高さ方向(図中の矢印「Z」方向参照)に関する頂部24bの位置が異なる複数の光源側単位光学要素24a(第1光源側単位光学要素24a−H及び第2光源側単位光学要素24a−L)の集合によって構成される。なお、光源側単位光学要素24aの繰り返し単位を形成する光学要素グループGfの構成は、
図4に示す例に限定されない。例えば、2つの光源側単位光学要素24a(1つの第1光源側単位光学要素24a−H及び1つの第2光源側単位光学要素24a−Lを含む)によって各光学要素グループGfが構成されてもよいし、3以上の光源側単位光学要素24aによって各光学要素グループGfが構成されてもよい。また各光学要素グループGfを構成する複数の光源側単位光学要素24aの配列も特に限定されず、高さ方向(図中の矢印「Z」方向参照)に関する頂部24bの位置が異なる複数の光源側単位光学要素24aがどのように並んでいてもよい。また各光学要素グループGfを構成する複数の光源側単位光学要素24aの頂部24bの位置も特に限定されず、高さ方向(図中の矢印「Z」方向参照)に関して3以上の異なる位置に頂部24bが配置される複数の光源側単位光学要素24aにより、各光学要素グループGfが構成されてもよい。
【0078】
なお
図4に示す例では、「隣り合う2つの第1光源側単位光学要素24a−H間の谷部(以下「単位光学要素底部」とも呼ぶ)36−H」、「隣り合う第1光源側単位光学要素24a−Hと第2光源側単位光学要素24a−Lとの間の単位光学要素底部36−M」及び「隣り合う2つの第2光源側単位光学要素24a−L間の単位光学要素底部36−L」は、高さ方向(図中の矢印「Z」方向参照)に関して位置が相互に異なっている。すなわち、単位光学要素底部36−Hがプリズムシート30(単位プリズム部32)に最も近接しており、その次に単位光学要素底部36−Mがプリズムシート30(単位プリズム部32)に近接しており、単位光学要素底部36−Lがプリズムシート30(単位プリズム部32)から最も離れた位置に配置されている。ただし、光源側単位光学要素24a間の単位光学要素底部36の位置は特に限定されず、高さ方向(図中の矢印「Z」方向参照)に関して
図4とは異なる位置に各単位光学要素底部36が配置されてもよいし、当該積層方向(図中の矢印「Z」方向参照)に関して同一位置(同一平面上)に各単位光学要素底部36が配置されてもよい。
【0079】
また、単位光学要素部24を構成する複数の光源側単位光学要素24aのうちの少なくとも一部の頂部24bは、平坦部又は湾曲部を有していてもよい。また単位光学要素部24を構成する複数の光源側単位光学要素24aの各々の側面24cは、少なくとも一部が曲面であってもよい。
図4に示す例では、各単位光学要素部24の頂部24bが平坦部によって構成され、各単位光学要素部24の側面24cが滑らかな曲面となっており、各単位光学要素底部36は変曲点を含む滑らかな曲面を形成する。このように「各単位光学要素部24の側面24cが滑らかな曲面によって形成されるとともに、各単位光学要素底部36が変曲点を含む滑らかな曲面を形成する」ような単位光学要素部24の形状は、円柱面状の凹レンズを其の稜線を互いに平行にして複数配列した所謂「逆凹凸レンチキュラーレンズ形状」とも呼ばれる。各光源側単位光学要素24aの頂部24bの形状を平坦状や湾曲状にしたり、各光源側単位光学要素24aの側面24cの形状を曲面状にしたりすることによって、各光源側単位光学要素24aは耐損傷性が向上し、衝撃等の外力が加えられても損傷し難くなる。
【0080】
ただし、各光源側単位光学要素24aの頂部24bの形状を平坦状や湾曲状にすると、単位光学要素部24の単位プリズム部32に対する密着性が増大する傾向があるため、ウェットアウトが生じやすくなる。しかしながら、本実施形態のように「複数の光源側単位光学要素24aの頂部の位置を一定にせず」且つ「複数の単位プリズム32aの頂部の位置を一定にしない」ことで、各光源側単位光学要素24aの頂部24bの形状が平坦状や湾曲状であっても、ウェットアウトの発生を有効に防ぐことできる。したがって、各光源側単位光学要素24aの頂部24bの形状を平坦状や湾曲状にしつつ、「複数の光源側単位光学要素24aの頂部の位置を一定にせず」且つ「複数の単位プリズム32aの頂部の位置を一定にしない」ことで、光源デバイス28(単位光学要素部24)の耐損傷性を向上させつつ、ウェットアウトの発生を防ぐことができる。
【0081】
特に単位光学要素部24は、紫外線硬化型樹脂で製造されると光が内部を通過することによって黄変することがあり、黄変を防ぐために、単位光学要素部24を構成する複数の光源側単位光学要素24aを熱可塑性樹脂等によって構成することが比較的多い。ただし、熱可塑性樹脂は一般に柔らかく脆いため、熱可塑性樹脂製の各光源側単位光学要素24aの耐損傷性は必ずしも高くはない。したがって各光源側単位光学要素24aを熱可塑性樹脂によって構成する場合には、耐損傷性を向上させるために、各光源側単位光学要素24aの頂部24bの形状を平坦状や湾曲状にしたり、各単位光学要素24aの側面24cの形状を曲面状にしたりすることが非常に効果的である。そのため、各光源側単位光学要素24aを熱可塑性樹脂によって構成する場合には、各光源側単位光学要素24aの頂部24bの形状を平坦状や湾曲状にしたり、各光源側単位光学要素24aの側面24cの形状を曲面状にしたりするとともに、「複数の光源側単位光学要素24aの頂部の位置を一定にせず」且つ「複数の単位プリズム32aの頂部の位置を一定にしない」ことで、各光源側単位光学要素24aの耐損傷性を向上させつつ、ウェットアウトの発生を防ぐことができる。
【0082】
なお、光源側単位光学要素部24に於ける光源側単位光学要素24aの具体的な設計事項のうち、下記の高さ方向に関する距離D1以外の事項、例えば、其の形状、各内角や各辺の値等については、特開2013−190778号公報、特開2013−190779号公報等に開示される公知の設計に従えば良い。
【0083】
但し、単位光学要素部24を構成する複数の光源側単位光学要素24aの頂部24b間の、プリズムシート30及び光源デバイス28の高さ方向(図中の矢印「Z」方向参照)に関する距離(高低差であり、「高さ差」とも呼稱する。
図4の符号「D1」参照。)については、本発明固有の新規な設計事項であり、当該距離D1は、各光源部26から発せられる光(特に可視光)の波長域の最短波長を考慮すると0.38μm(マイクロメートル)以上であることが好ましい。また本件発明者は、鋭意研究の結果、下述の実施例からも明らかなように、画質を考慮して、単位光学要素部24を構成する複数の光源側単位光学要素24aの頂部24b間の、高さ方向(図中の矢印「Z」方向参照)に関する距離(
図4の符号「D1」参照)は、2μm以下であることが好ましいことを新たに知見するに至った。
【0084】
次に、単位プリズム32aの具体的な構成例について説明する。
【0085】
図5は、シート側単位光学要素であるプリズムシート30の単位プリズム部32の一部を拡大して例示した断面図である。本実施形態の単位プリズム部32を構成する複数の単位プリズム32aは、「高さ方向(図中の矢印「Z」方向参照。以後、これを単に「高さ方向」とも呼稱する。)に関して光源デバイス28(単位光学要素部24)から相対的に近い位置(第3の位置或いは「プリズムシート30」の「単位プリズム部32」とは反対側の面のからの「高さ」の高い位置とも呼稱する)に頂部32bが配置される少なくとも1つの第1単位プリズム(第1シート側単位光学要素)32a−H(
図5に示す例では複数の第1単位プリズム32a−H)」と、「上述の高さ方向(図中の矢印「Z」方向参照)に関して光源デバイス28(単位光学要素部24)から相対的に遠い上記の第3の位置とは異なる位置(第4の位置或いは「プリズムシート30」の「単位プリズム部32」とは反対側の面のからの「高さ」の低い位置とも呼稱する)に頂部32bが配置される少なくとも1つの第2単位プリズム(第2シート側単位光学要素)32a−L(
図5に示す例では複数の第2単位プリズム32a−L)」とを含む。
【0086】
各単位プリズム32aは、各光源側単位光学要素24aが延在する方向と直交する方向(図中の矢印「X」参照)に延在する柱状要素であり、各単位プリズム32aの稜線が延在する方向と直交する方向(図中の矢印「Y」参照)に複数の単位プリズム32aが連続的に並んで配置される。各単位プリズム32aは、延在方向(図中の矢印「X」参照)と直交する方向に関する主切断面の形状(YZ平面に沿った断面の形状)が、その延在方向に関して一定である。したがって各単位プリズム32aは、延在方向に関して、頂部32bの位置(すなわち高さ方向(図中の矢印「Z」方向参照)に関する頂部32bの位置)が一定である。
【0087】
これらの複数の単位プリズム32aの少なくとも一部は、相互に隣接して配置される2以上の単位プリズム32aによって構成されるプリズムグループ(シート側グループ)Gpを複数構成し、これらの複数のプリズムグループGpは周期的に配置される。複数のプリズムグループGpの各々は、少なくとも1つの第1単位プリズム32a−Hと少なくとも1つの第2単位プリズム32a−Lとを含む。
図5に示す例では、2つの単位プリズム32aによって1つのプリズムグループGpが構成され、1つの第1単位プリズム32a−Hと1つの第2単位プリズム32a−Lとが隣り合って連続的に配置されている。そして、2つの単位プリズム32a(1つの第1単位プリズム32a−H及び1つの第2単位プリズム32a−Lを含む)によって構成されるプリズムグループGpが、図中の矢印「Y」で示す方向に繰り返し配置されることで、
図5に示す単位プリズム部32が構成されている。
【0088】
このように本実施形態に係る単位プリズム部32は、プリズムシート30及び光源デバイス28の積層方向である「高さ方向」(図中の矢印「Z」方向参照)に関する頂部32bの位置が異なる複数の単位プリズム32aの集合によって構成される。なお、単位プリズム32aの繰り返し単位を形成するプリズムグループGpの構成は、
図5に示す例に限定されない。例えば、3以上の単位プリズム32aによって各プリズムグループGpが構成されてもよい。また各プリズムグループGpを構成する複数の単位プリズム32aの配列も特に限定されず、高さ方向(図中の矢印「Z」方向参照)に関する頂部32bの位置が異なる複数の単位プリズム32aがどのように並んでいてもよい。また各プリズムグループGpを構成する複数の単位プリズム32aの頂部32bの位置も特に限定されず、高さ方向(図中の矢印「Z」方向参照)に関して3以上の異なる位置に頂部32bが配置される複数の単位プリズム32aにより、各プリズムグループGpが構成されてもよい。
【0089】
なお
図5に示す例では、「隣り合う単位プリズム32a(第1単位プリズム32a−H及び第2単位プリズム32a−L)間の谷部(以下「単位プリズム底部」とも呼ぶ)38」は、高さ方向(図中の矢印「Z」方向参照)に関して相互に同じ位置(同一平面上)に配置されている。ただし、単位プリズム32a間の単位プリズム底部38の位置は特に限定されず、高さ方向(図中の矢印「Z」方向参照)に関して相互に異なる位置に、各単位プリズム底部38が配置されてもよい。
【0090】
また、単位プリズム部32を構成する各単位プリズム32aの具体的な形状、頂角、サイズ等は例えば、前記の裏面プリズム部23を構成する各単位裏面プリズム23aに関して例示した範囲内で適宜、選定、選択すれば良く、特に限定されない。ただし、単位プリズム部32を構成する複数の単位プリズム32aの頂部32b間の、高さ方向(図中の矢印「Z」方向参照)に関する距離(
図5の符号「D2」参照)は、各光源部26から発せられる光(可視光)の波長域の最短波長を考慮すると、0.38μm以上であることが好ましい。また本件発明者は、鋭意研究の結果、下述の実施例からも明らかなように、画質を考慮して、単位プリズム部32を構成する複数の単位プリズム32aの頂部32b間の、高さ方向(図中の矢印「Z」方向参照)に関する距離(
図5の符号「D2」参照)は、2μm以下であることが好ましいことを新たに知見するに至った。
【実施例】
【0091】
本件発明者は、光源デバイス28(特に其の単位光学要素部24乃至光源側単位光学要素24a)及びプリズムシート30(特に其の単位プリズム部32乃至単位プリズム32a)の特性が相互に異なる複数の画像表示装置10の試作品(サンプル1〜15)を実際に作って、ウェットアウトの発生等を評価した。なお画像表示装置10の各試作品は、基本的には
図1〜3に示す構成を有していたが、単位プリズム部32の性能評価のために、上述の本体部31及び単位プリズム部32を含むが光拡散層33を含んでいないプリズムシート30が用いられた。
【0092】
図6は、各サンプルの特性及び評価結果を示す表である。
図6において「サンプル」の項目はサンプル番号(「1」〜「15」)を示し、「光源デバイス(単位光学要素部)」の「頂部幅」の項目は、各光源側単位光学要素24aの頂部24bの平坦部の幅(各光源側単位光学要素24aが延在する方向と垂直な方向(
図4の矢印「X」方向参照)の大きさ)を示す。なお「頂部幅」が「0.0μm」を示すサンプル11及び15では、各光源側単位光学要素24aの頂部24bは、非平坦状に形成され、尖った形状を有していた。
【0093】
また
図6の「光源デバイス(単位光学要素部)」の「高さ差」の項目は、各光学要素グループGf(
図4参照)を構成する複数の光源側単位光学要素24aの頂部24b間における、プリズムシート30及び光源デバイス28の積層方向に関する距離(
図4の符号「D1」参照)のうちの最大距離を示す。例えばサンプル1〜3及び5〜15に関しては、後述の「高」で表される光源側単位光学要素24aの頂部24bと「低」で表される光源側単位光学要素24aの頂部24bと間の、プリズムシート30及び光源デバイス28の積層方向に関する距離によって、この「高さ差」が表される。一方、サンプル4は、単位光学要素部24を構成する全ての光源側単位光学要素24aの頂部24bが高さ方向に関して同じ位置に存在するため、高さ差が「0.0μm」になる。
【0094】
また
図6の「光源デバイス(単位光学要素部)」の「パターン」の項目は、各光学要素グループGfを構成する複数の光源側単位光学要素24aの配置パターンを示し、「高」は「高さ方向に関してプリズムシート30(単位プリズム部32)から相対的に近い位置に頂部24bが配置される光源側単位光学要素24a(
図4の「第1光源側単位光学要素24a−H」参照)」を示し、「低」は「高さ方向に関してプリズムシート30(単位プリズム部32)から相対的に遠い位置に頂部24bが配置される光源側単位光学要素24a(
図4の「第2光源側単位光学要素24a−L」参照)」を示し、「中」は「高さ方向に関して「高」で表される光源側単位光学要素24aの頂部24bの位置と「低」で表される光源側単位光学要素24aの頂部24bの位置との間に頂部24bが配置される光源側単位光学要素24a」を示す。したがって、例えば
図4に示す単位光学要素部24は、「光源デバイス(単位光学要素部)」の「パターン」の項目において「高−高−低−低」で表される。
【0095】
また
図6の「プリズムシート(単位プリズム部)」の「高さ差」の項目は、各プリズムグループGp(
図5参照)を構成する複数の単位プリズム32aの頂部32b間における、高さ方向に関する距離(
図5の符号「D2」参照)のうちの最大距離を示す。したがってサンプル1〜7及び9〜15に関しては、後述の「高」で表される単位プリズム32aの頂部32bと「低」で表される単位プリズム32aの頂部32bと間の、高さ方向に関する距離によって、この「高さ差」が表される。なおサンプル8は、単位プリズム部32を構成する全ての単位プリズム32aの頂部32bが、高さ方向に関して同じ位置に存在するため、高さ差が「0.0μm」になる。
【0096】
また「プリズムシート(単位プリズム部)」の「パターン」の項目は、各プリズムグループGpを構成する複数の単位プリズム32aの配置パターンを示し、「高」は「高さ方向に関し、光源デバイス28(単位光学要素部24)から相対的に近い位置に頂部32bが配置される単位プリズム32a(
図5の「第1単位プリズム32a−H」参照)」を示し、「低」は「高さ方向に関し、光源デバイス28(単位光学要素部24)から相対的に遠い位置に頂部32bが配置される単位プリズム32a(
図5の「第2単位プリズム32a−L」参照)」を示し、「中」は「高さ方向に関し、「高」で表される単位プリズム32aの頂部の位置と「低」で表される単位プリズム32aの頂部の位置との間に頂部32bが配置される単位プリズム32a」を示す。したがって、例えば
図5に示す単位プリズム部32は、「プリズムシート(単位プリズム部)」の「パターン」の項目において「高−低」で表される。
【0097】
また
図6の「耐損傷性」の項目は、主として光源デバイス28の単位光学要素部24(光源側単位光学要素24a)の衝撃或いは摩擦の外力による損傷のしやすさを示す。耐損傷性の評価は、下記試験方法に基づいて、導光部21と光学シートであるプリズムシート30とを以下の耐損傷性試験方法にて試験の後、目視で導光部21の単位光学要素部24表面に付いた傷を評価した。評価結果は、「○」は単位光学要素部24表面に傷を認め無かったことを示し、単位光学要素部24が耐損傷性に優れており比較的損傷し難いと評価したことを示す。「×」は単位光学要素部24表面に傷が認められ、単位光学要素部24が外力によって比較的損傷しやすいことを示す。
【0098】
(耐損傷性試験方法)
図8は、本発明に於ける耐損傷性の試験方法を模式的に示した概略図である。
図8に示すように、耐摩耗試験機の可動盤110上に試験片であるプリズムシート(光学シート)30を本体部31側が可動盤110側に位置するように設定し、当該試験片上において面積12cm
2の導光部21を介して荷重部130に2.45N(250gf)の荷重をかけた。其の際に、導光部21の単位光学要素部24とプリズムシート30の単位プリズム部32とが互いに対面する向きとした。其の状態にて、可動盤110を速度5mm/sで20秒間、
図8の矢印140方向に移動させた。而る後、導光部21を取り出し、其の単位光学要素部24表面の傷の有無を目視により評価した。
【0099】
試験片は、得られた光学シートを長さ150mm、幅40mmに切断したものを用いた。
【0100】
測定装置は、テスター産業(株)製の商品名AB−301 学振型摩擦堅牢度試験機を用いた。
【0101】
導光部21は面積12cm
2に切り出したものを用いた。
【0102】
顕微鏡は、(株)キーエンス社製の商品名デジタルマイクロスコープ VHX−200Nを用いた。
【0103】
尚、荷重部の底面は外径20mm、内径10mmのドーナツ状であり、底面積は2.36cm
2である。
【0104】
また
図6の「画質(光源デバイス)」の項目は、光源デバイス28が画質に与える影響を示し、「○」は単位光学要素部24から出射される光が視覚上均一に面発光されている光であることを示し、「×」は単位光学要素部24から出射される光が視覚上不均一に面発光され実用上許容されないムラのある光であることを示し、「△」は単位光学要素部24から出射される光が視覚上不均一に面発光されるが実用上許容される弱いムラのある光であることを示す。また
図6の「画質(プリズムシート)」の項目は、プリズムシート30が画質に与える影響を示し、「○」はプリズムシート30(本体部31)から出射される光の輝度が視覚上均一であることを示し、「×」はプリズムシート30(本体部31)から出射される光の輝度が視覚上不均一であることを示す。また
図6の「ウェットアウト」の項目は、ウェットアウトの発生が視覚で確認されたか否かを示し、「○」はウェットアウトの発生が確認されなかったことを示し、「×」はウェットアウトの発生が確認されたことを示す。
【0105】
図6の表からも明らかなように、「光源デバイス28の単位光学要素光源側の頂部24bが、高さ方向に関して同じ位置に配置される場合(サンプル4及び15参照)」や「プリズムシート30の単位プリズム32aの頂部24bが、プリズムシート30及び光源デバイス28の積層方向に関して同じ位置に配置される場合(サンプル8参照)」にはウェットアウトの発生が確認された。一方、「光源デバイス28の光源側単位光学要素24aの頂部24bが、高さ方向に関して異なる位置に配置され」且つ「プリズムシート30の単位プリズム32aの頂部24bが、高さ方向に関して異なる位置に配置される」場合(サンプル1〜3、5〜7及び9〜14参照)には、ウェットアウトの発生が確認されなかった。したがってウェットアウトの発生を防ぐ観点からは、「複数の光源側単位光学要素24aの頂部24bが同一平面上には位置せず」且つ「シート側単位光学要素である複数の単位プリズム32aの頂部32bが同一平面上には位置しない」ように構成された面光源装置20が好ましいことが分かる。
【0106】
また
図6の「耐損傷性」の項目からも明らかなように、単位光学要素部24(光源側単位光学要素24a)の耐損傷性を向上させるには、各光源側単位光学要素24aの頂部24bに平坦部を設けることが好ましい(サンプル1〜10及び12〜14の「頂部幅」の項目参照)。
【0107】
また
図6の「画質(光源デバイス)」の項目からも明らかなように、光源デバイス28から光を適切に面発光させるには、各光学要素グループGfを構成する複数の光源側単位光学要素24aの頂部24b間における、高さ方向に関する最大距離を小さくすることが好ましい(サンプル1〜4、6〜11及び13〜15の「光源デバイス(単位光学要素部)」の「高さ差」の項目参照)。特に、複数の光源側単位光学要素24aの頂部24b間における、高さ方向に関する最大距離が「2μm」程度になると、光源デバイス28の面発光が乱れ始め(サンプル3参照)、当該最大距離が「3μm」になると光源デバイス28の面発光が乱れて画質に悪影響を及ぼすことが分かった(サンプル5参照)。また各光源側単位光学要素24aの頂部24bに形成される平坦部が大き過ぎると光源デバイス28の面発光が乱れ、各光源側単位光学要素24aの頂部24bの幅が「2μm」程度以下であれば光源デバイス28から光が適切に面発光されるが(サンプル1〜2、4、6〜11及び13〜15参照)、各光源側単位光学要素24aの頂部24bの幅が「3μm」になると、光源デバイス28の面発光が乱れて画質に悪影響を及ぼすことが分かった(サンプル12参照)。
【0108】
また
図6の「画質(プリズムシート)」の項目からも明らかなように、プリズムシート30から出射する光の輝度ムラを防ぐには、各プリズムグループGpを構成する複数の単位プリズム32aの頂部32b間における、高さ方向に関する最大距離を小さくすることが好ましい(サンプル1〜8及び10〜15の「プリズムシート(単位プリズム部)」の「高さ差」の項目参照)。特に、複数の単位プリズム32aの頂部32b間における、高さ方向に関する最大距離が「2μm」程度以下であればプリズムシート30から輝度ムラなく光を出射できるが、当該最大距離が「3μm」になるとプリズムシート30から出射する光に輝度ムラが生じて画質に悪影響を及ぼすことが分かった(サンプル9参照)。
【0109】
以上説明したように、光学シートであるプリズムシート30の単位プリズム部32が光源デバイス28の単位光学要素部24に対面し、両者が相互に接触する逆プリズム型の面光源装置20(画像表示装置10)において、単位光学要素部24を構成する複数の光源側単位光学要素24aの頂部24b間の高さを不均一にしつつ、単位プリズム部32を構成する複数の単位プリズム32aの頂部32b間の高さもまた不均一にすることで、ウェットアウトの発生を有効に防ぐことができる。
【0110】
特に、光源デバイス28の各単光源側位光学要素24aの頂部24bに平坦部又は湾曲部を設けつつ、「単位光学要素部24を構成する複数の光源側単位光学要素24aの頂部24bの位置の、高さ方向に関するばらつき」及び「単位プリズム部32を構成する複数の単位プリズム32aの頂部32bの位置の、高さ方向に関するばらつき」を特定の範囲に抑えることによって、光源デバイス28は優れた耐損傷性を発揮しつつ良好な画質性能を発揮でき、またプリズムシート30は良好な画質性能を発揮でき、さらに光源デバイス28及びプリズムシート30全体としてウェットアウトを有効に防げる。
【0111】
<変形例>
本発明は上述の実施形態及び実施例に限定されず、これらの実施形態及び実施例に種々の変形が加えられてもよい。
【0112】
例えば、各光源側単位光学要素24aの形状は特に限定されない。
図7は、光源側単位光学要素24aの変形例を示す部分断面図である。各光源側単位光学要素24aは、例えば
図7(a)に示すように逆レンチキュラーレンズ形状を有しつつ頂部24bが尖っていてもよいし、
図7(b)に示すように逆レンチキュラーレンズ形状を有しつつ頂部24bが湾曲形状(湾曲部)を有していてもよい。また各光源側単位光学要素24aは、必ずしも逆レンチキュラーレンズ形状を有している必要はなく、各光源側単位光学要素24aの側面24cは平面であってもよいし、光源側単位光学要素24a間の谷部(単位光学要素底部36)は滑らかな曲面を形成しなくてもよい。
【0113】
また「光源デバイス28の単位光学要素部24を構成する全ての単光源側位光学要素24a」及び「プリズムシート30の単位プリズム部32を構成する全ての単位プリズム32a」が、上述の「ウェットアウトの発生を防ぐ」ための条件を満たす必要はない。「一部の複数光源側の単位光学要素24a」及び「一部の複数の単位プリズム32a」が、上述の「ウェットアウトの発生を防ぐための条件」を満たしていればよく、当該条件を満たす範囲においてはウェットアウトの発生を有効に防ぐことができる。
【0114】
また、上述の実施形態及び実施例では、光源デバイス28上に積層する光学シートとしてプリズムシート30を用いる例について説明したが、プリズムシート以外の光学シートを光源デバイス28上に積層してもよい。例えば、単位プリズム32aの代わりに単位光学要素24aが円柱又は楕円柱の一部から成り稜線部を有するレンチキュラーレンズ等の単位光学要素が光源デバイス28の光源側単位光学要素24aと接触する場合にも、上述の「ウェットアウトの発生を防ぐための条件」が満たされることで、ウェットアウトの発生を有効に防げる。
【0115】
本発明の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではなく、当業者が想到しうる種々の変形も含むものであり、本発明の効果も上述した内容に限定されない。すなわち、特許請求の範囲に規定された内容及びその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。