特許第6611204号(P6611204)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6611204
(24)【登録日】2019年11月8日
(45)【発行日】2019年11月27日
(54)【発明の名称】車両安全システムの安全機構の適合
(51)【国際特許分類】
   B60R 21/0134 20060101AFI20191118BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20191118BHJP
   B60W 30/09 20120101ALI20191118BHJP
【FI】
   B60R21/0134 310
   G08G1/16 C
   B60W30/09
【請求項の数】13
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-557917(P2017-557917)
(86)(22)【出願日】2016年5月17日
(65)【公表番号】特表2018-532629(P2018-532629A)
(43)【公表日】2018年11月8日
(86)【国際出願番号】EP2016061007
(87)【国際公開番号】WO2016184847
(87)【国際公開日】20161124
【審査請求日】2017年11月23日
(31)【優先権主張番号】15168093.1
(32)【優先日】2015年5月19日
(33)【優先権主張国】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】518238850
【氏名又は名称】ヴィオニア スウェーデン エービー
(74)【代理人】
【識別番号】100098143
【弁理士】
【氏名又は名称】飯塚 雄二
(72)【発明者】
【氏名】オーストリング、マーティン
(72)【発明者】
【氏名】グスタフソン、ニクラス
【審査官】 飯島 尚郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−318446(JP,A)
【文献】 特開平06−060300(JP,A)
【文献】 特開2007−004521(JP,A)
【文献】 特開2002−042294(JP,A)
【文献】 独国特許出願公開第102007039039(DE,A1)
【文献】 特表2006−525913(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 21/0134
B60W 30/09
G08G 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(105)の安全システムの安全機構を作動させる方法であって、
前記車両が走行する周辺状況の複数の画像を事前格納画像として格納することと、
前記事前格納画像の各々に対して、前記車両安全システムの少なくとも1つの安全機構を作動させるべきであるか否かに関する危険評価尺度(R)を関連付けることと、
現車両周辺状況(110)の画像(113)を生成するためにデータを取得すること(S101)と、
前記生成された画像(113)を車両周辺状況の複数の事前格納画像と比較し、両者が一致するか否かを検出すること(S102)と、
現車両周辺状況(110)に関連する当該車両の挙動を検出すること(S103)と、
前記生成された画像(113)と一致する前記事前格納画像に関連づけられた前記危険評価尺度と、検出された前記車両(105)の挙動に基づいて、前記少なくとも1つの安全機構の作動を調整すること(S104)とを含み、
前記挙動は、前記車両(105)が前記現車両周辺状況(110)に以前遭遇した頻度と、前記現周辺状況(110)の現行交通規制を考慮して前記車両(105)がいかに行動したかの、少なくとも一方を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの安全機構の前記作動を前記調整すること(S104)は、
前記車両安全システムの前記少なくとも1つの安全機構を作動させるために必要な前記少なくとも1つの危険評価尺度(R)のレベル(T)を調整することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの安全機構を前記調整すること(S104)は、
前記車両安全システムの前記少なくとも1つの安全機構の、後に作動しているときの効果を調整することを含む請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの安全機構を前記調整すること(S104)は、
前記車両安全システムの前記少なくとも1つの安全機構の作動時点を調整することを含む請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記車両挙動を前記検出すること(S103)は、
前記現周辺状況(110)に関連する前記車両(105)の個々の運転手の挙動を検出することを含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記車両安全システムの前記少なくとも1つの安全機構を作動させるために必要な前記危険評価尺度(R)の前記レベル(T)は、前記車両(105)が前記現周辺状況(110)にめったに遭遇していなかった場合、又は前記車両が前記現行交通規制に従わない場合に、低下する、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記車両安全システムの前記少なくとも1つの安全機構を作動させるために必要な前記危険評価尺度(R)の前記レベル(T)は、前記車両が前記現周辺状況に頻繁に遭遇していた場合、又は前記車両が現行交通規制に従う場合に、上昇する、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記車両挙動を前記検出すること(S103)は、
前記車両(105)が特定の車両周辺状況に遭遇した頻度を、該車両が該特定の車両周辺状況に遭遇する度にインクリメントすることを含む、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
車両安全システムの安全機構を適合させるように構成された車両(105)の装置(100)であって、
現車両周辺状況(110)の画像(113)を生成するためにデータを取得するように構成されたセンサー(101)と、
プロセッサ(102)と、
前記プロセッサによって実行可能な以下の命令(104)を格納するメモリ(103)を備える装置。
− 前記車両が走行する周辺状況の複数の画像を事前格納画像として保持すること;
− 前記事前格納画像の各々に対して、前記車両安全システムの少なくとも1つの安全機構を作動させるべきであるか否かに関する危険評価尺度(R)を関連付けること;
− 前記生成された画像(113)を車両周辺状況の複数の事前格納画像と比較し、両者が一致するか否かを検出すること(S102);
− 前記現周辺状況(110)に関連する当該車両の挙動を検出すること;
− 前記生成された画像(113)と一致する前記事前格納画像に関連づけられた前記危険評価尺度と、検出された前記車両(105)の挙動に基づいて、前記装置(100)が、前記少なくとも1つの安全機構の作動を調整するように動作することみ、
前記挙動は、前記車両(105)が前記現車両周辺状況(110)に以前遭遇した頻度と、前記現周辺状況(110)の現行交通規制を考慮して前記車両(105)がいかに行動したかの、少なくとも一方を含むことを特徴とする装置
【請求項10】
請求項9に記載の装置(100)であって、
前記少なくとも1つの安全機構の前記作動を調整するとき、
前記車両安全システムの前記少なくとも1つの安全機構を作動させるために必要な前記少なくとも1つの危険評価尺度(R)のレベル(T)を調整するように更に動作可能である装置。
【請求項11】
請求項9又は10に記載の装置(100)であって、
前記車両挙動を検出するとき、
前記現周辺状況(110)に関連する前記車両(105)の個々の運転手の挙動を検出するように更に動作可能である装置。
【請求項12】
コンピュータープログラム(104)であって、装置(100)に含まれるプロセッサ(102)において実行されると、該装置(100)に請求項1乃至8のいずれか一項に記載されたステップを実行させるコンピューター実行可能命令を含む、コンピュータープログラム。
【請求項13】
コンピューター可読媒体(103)を備えるコンピュータープログラム製品であって、該コンピューター可読媒体に請求項12に記載の前記コンピュータープログラム(104)が格納されている、コンピュータープログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両における車両安全システムの安全機構を適合させる方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの交通状況において、車両の周辺状況について認識していることが望ましい。これは、例えば車である車両が、周辺状況で起こっている事象に基づいて安全機能を起動する車両安全システムを実施する場合に、特に有用である。
【0003】
例えば、車が、交通が混雑している交差点に近づきかつそこに入り、車の運転手が、速度を例えば規定されているように閾値まで十分に低下させると想定すると、車両安全システムは、周辺状況のその観察に基づいて、車を減速させることができる。別の例では、車が、動物が多く存在することを道路標識が示す道路の区間に入る場合、車両安全システムは、対応して、車の計器パネルディスプレイにおいて例えば視覚的表示を介してそうした状況を示すことができる。
【0004】
特許文献1は、本技術分野における問題が、あり得る衝突状況の非常に早期の時点で、エアバッグ、シートベルト等の安全システム拘束手段を作動させると同時に、高度な誤使用防止を達成するように、安全システムを制御することであると考察している。このため、拘束手段を作動させる判断は、車両の乗員に対する対応する危険が実際に存在する場合にのみ、なされるべきである。高度な誤使用防止は、拘束手段の不要な作動を防止するために必要であり、それは、不要な作動により、安全システムに対して費用のかかる修理が必要となるためである。
【0005】
特許文献1のシステムは、この問題に対して、車両ナビゲーションシステムからのデータを利用して、車両の位置を高い精度で求め、これらのデータに基づいて角度がついた衝突又は側面衝突の確率を評価し、したがって、早期の拘束手段作動判断を可能にする安全システムの形態での解決法を提案する。代替的に、異なる状況で、ナビゲーションシステムのデータが、脇道のある交差点又は合流点のいかなる指示も含まず、かつ車両がその車線を整然と移動している場合、側面衝突の可能性は比較的低いものとして評価されるべきであり、その場合、作動閾値を上昇させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第2008/0040003号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、位置データに基づくあり得る危険を評価することに関する問題は、車両の周辺状況の実際の状態を考慮しないため、非常に粗い評価しか行うことができない、ということである。
【0008】
本発明の目的は、本技術分野においてこの問題を解決するか又は少なくとも軽減し、車両安全システムの安全機構を適合させる改善された方法及び装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、本発明の第1の態様において、車両において車両安全システムの安全機構を適合させる方法によって得られる。本方法は、現車両周辺状況の画像(描写、表示)を生成するためにデータを取得することと、生成された画像を車両周辺状況の複数の事前格納画像と比較することであって、複数の事前格納画像の各々には、車両安全システムの少なくとも1つの安全機構を作動させるべきであるか否か、及び生成された画像と事前格納画像のうちの1つとの間に一致があるか否かを規定する少なくとも1つの危険評価尺度が関連付けられていることと、現周辺状況に関連する車両挙動を検出することと、検出された車両挙動に基づいて、生成された画像との一致がある現車両周辺状況の事前格納画像の少なくとも1つの危険評価尺度に関連する少なくとも1つの安全機構の作動を調整するか否かを判断することとを含む。
【0010】
この目的は、本発明の第2の態様において、車両安全システムの安全機構を適合させるように構成された車両の装置によって得られる。本装置は、現車両周辺状況の画像を生成するためにデータを取得するように構成されたセンサーと、プロセッサと、プロセッサによって実行可能な命令を含むメモリであって、それにより、装置は、生成された画像を車両周辺状況の複数の事前格納画像と比較し、複数の事前格納画像の各々には、車両安全システムの少なくとも1つの安全機構を作動させるべきであるか否か、及び生成された画像と事前格納画像のうちの1つとの間に一致があるか否かを規定する少なくとも1つの危険評価尺度が関連付けられており、現周辺状況に関連する車両挙動を検出し、検出された車両挙動に基づいて、生成された画像との一致がある現車両周辺状況の事前格納画像の少なくとも1つの危険評価尺度に関連する上記少なくとも1つの安全機構の作動を調整するように動作可能である、メモリとを備える。
【0011】
有利には、レーダー、ライダー(LIDER)若しくは全地球航法衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)センサー、又はカメラ等の視覚センサー等の任意の適切な手段を用いて車両の周辺状況の画像を生成することにより、車両の周辺状況の現実の状況の指示が得られる。
【0012】
したがって、画像は、周辺状況が、例えば、三叉路又は四叉路、急カーブ、交通量の多い通り等を構成するか否かを示すことができる。
【0013】
車両が遭遇する可能性がある周辺状況の複数の画像を事前格納し(これらは、何百もの又は更には何千もの事前格納画像となる可能性がある)、1つ以上の安全機構を作動させるべきか否かを規定する、各事前格納画像に関連する少なくとも1つの危険評価尺度を事前格納することによって、車両の現周辺状況の生成された画像と一致する事前格納画像を見つけることにより、危険の観点から、遭遇した車両周辺状況の生成された画像を評価し、それに従って、安全機構を作動させるように車両安全システムを制御することができる。
【0014】
検出された車両挙動に応じて、有利には、車両安全システムの1つ以上の安全機構の作動を調整するか否かが判断される。
【0015】
例えば、車両安全システムは、車両の運転手に対して、計器パネルディスプレイを介して視覚的に警告することにより遭遇した周辺状況の全体的な安全の危険を示すことにより、ドライバーアラートの形態で安全対策を作動させることができる。例として、車両が、一致がある事前格納画像に関連する危険評価尺度によって危険であると示された交差点に遭遇する場合、それに従って運転手に警告するように安全システムを制御することができる。反対に、車両が、関連する危険評価尺度によって危険性の低い交差点であると示された交差点に遭遇する場合、ドライバーアラートは発せられない。
【0016】
有利には、現周辺状況に関連する車両挙動を検出することにより、生成された画像との一致がある現車両周辺状況の事前格納画像の危険評価尺度に関連する安全機構の作動を適合させるか否かを判断することができる。
【0017】
例示する実施形態では、特定の交通量の多い通りの画像は、車両安全システムのカメラにその交差点の画像を取り込ませることによって生成される。この画像は、一致する画像が見つかるまで事前格納画像と比較される。一致は、危険評価尺度を提供する。例示するために、0〜10の尺度で、この画像は、7という危険評価尺度、すなわち、比較的高い尺度を有する。
【0018】
ここで、この危険評価尺度により、例えばドライバーアラート等、特定の安全機構を作動させるべきであるか否かが決まる。一例では、危険評価尺度がT=6という閾値を超える(それは、危険評価尺度が7になるこの例では当てはまる)場合、ドライバーアラート安全機構は通常作動すると想定される。
【0019】
しかしながら、車両挙動を更に考慮することにより、作動を有利に調整することができる。一実施形態では、車両(又は運転手)がこの交通量の多い通り(又は、事前格納画像と一致した同様の通り)に以前遭遇した回数が検出される。これは、現周辺状況との一致がある事前格納画像とともに格納された数字から導出することができる。
【0020】
このため、作動閾値を上昇させるか又は低下させることにより、安全システムの感度を調整することができる。したがって、車両又は運転手がこの周辺状況に以前何度も遭遇していた場合、閾値Tは例えばT=8まで上昇し、したがって、ドライバーアラートは作動しない。その結果、運転手は、自身が非常によく知っている道路の区間において「不必要に」アラートを受けず、一方で、この道路にあまり経験がない運転手は実際にアラートを受ける。
【0021】
別のシナリオでは、三叉路に遭遇し、特定の周辺状況の画像が生成され、危険評価尺度が提供される事前格納画像の間に一致が見つかる。この三叉路の危険評価尺度は、4、すなわち比較的低い尺度であると想定される。前述の実施形態の場合と同様に、危険評価尺度がT=6の閾値を超える(それは、危険評価尺度が4になるこの例では当てはまらない)場合、ドライバーアラート安全機構が作動すると想定される。しかしながら、車両(又は運転手)が、この三叉路(又は、事前格納画像と一致した同様の三叉路)に以前遭遇した回数を更に考慮することにより、作動閾値を上昇させるか又は低下させることによって、安全システムの感度を調整することができる。したがって、運転手がこの状況を以前数回しか(又は場合によっては全く)経験していない場合、閾値Tは、この実施形態では例えばT=3まで低下し、したがって、ドライバーアラートは作動する。このため、運転手は、知らない道路の区間ではアラートを受け(閾値の調整がなければ、通常受けていなかったとしても)、一方で、この道路に適度な又は豊富な経験がある運転手はアラートを受けない。
【0022】
本発明の更なる実施形態では、車両が特定の車両周辺状況に遭遇した頻度が、有利には、車両がその特定の車両周辺状況に遭遇する度にインクリメントされる。したがって、特定の周辺状況に遭遇する頻度が連続的に更新される。
【0023】
本発明の別の実施形態では、1つ以上の安全機構を調整することは、車両安全システムの安全機構の効果を後に作動しているときに増大させるか又は低減させることを含む。この場合もまた、ドライバーアラートの場合、システムの感度は、上述したように必ずしも調整されない(調整される可能性があっても)が、車両安全システムの安全対策の効果は、有利には、後に作動しているときに増大するか又は低減する。例えば、閾値を維持する一方で、それほど強力ではないドライバーアラート(音声信号が起動されるようにするのではなく運転手に視覚的に警告する等)が引き起こされる。
【0024】
このため、例えば、生成された画像によって示されるように、交通量の多い通りの歩道にベビーカーが現れるときに、ドライバーアラートが作動すると想定すると、車両がその交通量の多い通りにめったに遭遇しなかった場合、安全システムによってより強力なドライバーアラートが(例えば、視覚的表示と組み合わせた可聴表示の形態で)提供され、一方で、交通量の多い通りがよく知られている場合、安全システムによってそれほど強力ではないドライバーアラートが(例えば、視覚的表示のみの形態で)提供される。
【0025】
本発明の更に別の実施形態では、1つ以上の安全機構を調整することは、危険評価尺度が示す場合、車両安全システムの安全対策に対してより早期の作動時点を設定することを含む。
【0026】
例えば、ベビーカーが通りに出てきた場合、ドライバーアラートは通常作動すると想定すると、この場合、検出された車両挙動が、車両がその交通量の多い通りに履歴的にめったに遭遇していないことを示す場合、ベビーカーが通りに出てくる前に、ベビーカーが縁石に近づくとき等、より早期の時点で、ドライバーアラートの作動が有利に発生するように設定される。
【0027】
本発明の更なる実施形態では、車両挙動を検出することは、有利には、現周辺状況の現行交通規制を考慮して車両がいかに行動したかの指示を取得することを含む。したがって、例えば、車が交差点に入り、そこで交差点に入る前に運転手が一時停止の標識を無視したと想定すると、例えば自動ブレーキシステムの形態の安全機構の作動を調整することができる。したがって、安全機構は、通常、危険性の低い交差点では作動しなかったとしても、この実施形態によれば、運転手が交通規制に違反した場合、それにも関わらず安全機構が作動するように調整することができる。
【0028】
更なる実施形態では、運転手の快適境界線の形態での車両又は運転手の挙動が検出されて、安全機構の作動を調整するべきか否かが判断される。運転手の快適境界線は、例えば、最高速度又は加速度、現道路の区間の滑りやすさのレベル、動物注意交通標識の存在等のパラメーターによって定義することができる。
【0029】
例えば、運転手が、交差点に近づいているときに急にブレーキを踏み、その結果、事前設定された運転手の快適境界線によって求められるような、運転手の快適ゾーン外である減速度がもたらされると想定すると、交差点自体が低い危険評価尺度を有し及び/又は現行交通規則に従うとしても、安全システムの感度を上昇させることができる。
【0030】
車両又は運転手の挙動に応じてフィードバックが与えられることを更に考えることができる。例えば、或る特定の車両周辺状況を以前何度も経験した運転手に対して、その運転手が、例えば一時停止の標識において完全に停止しないとしても、ドライバーアラートが与えられない可能性がある。しかしながら、安全システムは、その後、運転手に対して、その運転手の挙動が危険となる可能性があることを通知することができる。したがって、システムは、検出された危険な挙動を考慮して運転手に指導することができる。
【0031】
さらに、現行交通規制だけでなく、履歴交通データ又は統計も考慮することができ、それらの履歴交通データ又は統計は、例えば、交通当局又は機関によって収集され、車両が特定の車両周辺状況、車両及び/又は運転手の履歴データを容易にかつ簡単に取得することができるように、クラウド環境又はリモートサーバーに格納される。本発明による車両安全システムの安全機構を適合させるように構成された装置は、有利には、リモートに格納された履歴データに車両又は運転手に関するデータを更に与えることができ、それにより、非常に有用なデータベースを連続的に構築することができる。概して、特許請求の範囲で用いる全ての用語は、本明細書において別段明示的な定義がない限り、本技術分野におけるそれらの通常の意味に従って解釈されるべきである。「1つの(a/an)/その(the)要素、装置、構成要素、手段、ステップ等」に対する全ての言及は、別段明示的な記載がない限り、要素、装置、構成要素、手段、ステップ等の少なくとも1つの例を言及しているものとして非限定的に解釈されるべきである。本明細書に開示する任意の方法のステップは、明示的な記載がない限り、開示されている正確な順序で行う必要はない。
【0032】
ここで本発明について、添付図面を参照して例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明の一実施形態による車両安全システムの安全対策を適合させるように構成された装置の図である。
図2図1の装置を備えた車を示し、その車が四叉路に近づいている図である。
図3図2の例示する交通状況を考慮して、本発明による車両安全システムの安全機構を適合させる方法の一実施形態を示すフローチャートである。
図4】本発明の更なる実施形態を示し、図2の交通状況に遭遇しているときに異なるタイプの車両挙動が考慮されている図である。
図5】本発明の装置及び方法が実施される異なるシナリオを示す図である。
図6】本発明の装置及び方法が実施される更に異なるシナリオを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
ここで、本発明の或る特定の実施形態を示す添付図面を参照して、以下、本発明についてより十分に説明する。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具現化することができ、本明細書に示す実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は例として提供されており、それにより、本開示は、十分かつ完全となり、当業者に対して本発明の範囲を完全に伝える。説明を通して、同様の数字は同様の要素を指す。
【0035】
図1は、本発明の一実施形態による車両安全システムの安全機構を適合させるように構成された装置100を示す。安全機構は、エアバッグ、自動ブレーキシステム、自動操縦システム、視覚及び聴覚ドライバーアラート等を含む。
【0036】
装置100は、車両周辺状況の画像を生成するためにデータを取得するように構成された、レーダー、ライダー若しくはGNSSセンサー、又はカメラ等の視覚センサー等、1つ以上のセンサーを備える。センサーは、以下、例えば車105である自動車の周辺状況の画像を取り込むために利用されるカメラ101の形態で具現化される。装置100は、例えば、フロントガラスに近い車105の天井に、又は代替的に車105の最前に配置することができる。カメラ101は、連続的に周辺状況の画像を取り込み、処理装置102に画像データを供給し、処理装置102は、カメラ101によって提供される画像データに基づいて車105の周辺状況の画像を生成するように構成されている。
【0037】
装置100は、履歴的に遭遇した周辺状況の事前格納画像を格納するメモリ103を更に備える。これらの事前格納画像は、現実の周辺状況(取り込まれた画像等)の実際の画像、又は現実の周辺状況の現実的なモデルとすることができる。各事前格納画像には、少なくとも1つの危険評価尺度が関連付けられており、そこから、処理装置102は、遭遇した特定の周辺状況に対する危険評価を実行する。
【0038】
検出された車両挙動は、装置100が配置されている車105に、又は代替的に車105の運転手に結び付けることができ、後者の場合、運転手を識別するために、通常、顔認識が利用される。
【0039】
検出された車両挙動が特定の運転手に関連付けられる場合、各特定の運転手に、パラメーター(複数の場合もあり)の複数の組を関連付けることができる。それにより、各個々の運転手、及び睡気、注意深さ、各個々の運転手の事故歴、運転期間等のパラメーターに対して、安全機構の作動の調整を有利にカスタマイズすることができる。さらに、車両の運転手挙動を検出することにより、例えば、複数の運転手がいる家族、カープール、レンタカー等において、運転手を個々に扱うことができる。
【0040】
事前格納画像は、必ずしも車105のメモリ103にローカルに格納されず、代替的に、サーバーに又はクラウド環境にリモートに格納することができることが留意されるべきである。
【0041】
図1を更に参照すると、装置100において、処理装置102は、本発明の実施形態による方法を実行する。この処理装置102は、通常、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ又はハードディスクドライブ等、マイクロプロセッサに関連する記憶媒体103にダウンロードされたコンピュータープログラム104を実行するように配置された1つ以上のマイクロプロセッサの形態で、具現化される。処理装置102は、コンピューター実行可能命令を含む適切なコンピュータープログラム104が記憶媒体103にダウンロードされ、処理装置102によって実行されるとき、本発明の実施形態による方法を実行するように配置される。記憶媒体103はまた、コンピュータープログラム104を含むコンピュータープログラム製品とすることもできる。代替的に、コンピュータープログラム104は、デジタルバーサタイルディスク(DVD)又はメモリスティック等、好適なコンピュータープログラム製品によって記憶媒体103に転送することができる。更なる代替形態として、コンピュータープログラム104は、ネットワークによって記憶媒体103にダウンロードすることができる。処理装置102は、代替的に、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、コンプレックスプログラマブルロジックデバイス(CPLD)等の形態で具現化することができる。
【0042】
図2は、図1の装置100が備えられた第1の車105を示し、第1の車105は、四叉路交差点110に近づいており、そこでは、第2の車111が右折するために交差点110の左の道の右車線で待機しており、第1の車は左折しようとしている。第3の車114が、反対方向から交差点110に近づいている。カメラ101の視野112は、画像113を取り込むことにより表すことができる車の周辺状況の領域を示す。図2に示す交差点110の交通状況は、第1の車105の危険の観点から、第2の車111とのあり得る衝突の可能性は低いとしても、第1の車105と第3の車111との間のあり得る衝突の危険があるために危険であるとみなされる可能性がある。
【0043】
本発明の実施形態について、以下、交差点及び交通量の多い通りに関して例示するが、本発明は、急カーブ、道路工事、動物が多く存在する道路の区間等、危険の観点から周辺状況が評価されるべきである任意の交通状況に適用することができる。実施された研究により、交差点及び急カーブは特に事故が起こりやすいことが示された。このため、交差点は、予防的な車両安全システムに対する課題である。
【0044】
図3は、図2の交通状況を考慮して、本発明による車両安全システムの安全機構を適合させる方法の一実施形態を示すフローチャートを示す。構造的要素については図1を更に参照する。第1のステップS101において、車105の周辺状況の1つ以上の画像113を取り込むようにプロセッサ102にカメラ101を制御させることにより、データが取得されて、現車両周辺状況の画像が生成される。
【0045】
第2のステップS102において、この場合は画像113である生成された画像は、メモリ103に事前格納されている車両周辺状況の複数の画像と比較される。一致の場合、すなわち、現周辺状況の画像113が事前格納画像に対応する場合、一致している事前格納画像に関連する危険評価尺度Rが、プロセッサ102によって導出される。この導出される危険評価尺度Rは、車105の車両安全システムの1つ以上の安全機構を作動させるべきか否かを規定する。
【0046】
この例示する実施形態では、安全機構は、車105の計器パネルの情報画面に表示される視覚的ドライバーアラートを含み、メモリ103の事前格納画像との一致が見つかる画像113によって表される現周辺状況は、一致している事前格納画像から導出される、0〜10の尺度でR=7の危険評価尺度、すなわち、比較的高い尺度を有する。さらに、危険評価尺度がT=6という閾値を超える(それは、危険評価尺度R>Tであるこの例では当てはまる)場合、ドライバーアラート安全機構は通常作動すると想定される。
【0047】
しかしながら、ステップS103において実行されるように、車両挙動を更に考慮することにより、作動を有利に調整することができる。この特定の実施形態では、検出される車両挙動は、車105(又は、車105の異なる運転手の間で識別がなされるべきである場合は運転手)が、この四叉路交差点110(又は、事前格納画像に一致した同様の交差点)に以前遭遇した頻度の指示を含む。これは、車105(又は運転手)が履歴的にこの交差点110に遭遇した回数を示す、現周辺状況との一致がある事前格納画像とともに格納された数字から導出することができる。
【0048】
このため、ステップS104において、検出された車両挙動に基づいて、作動閾値Tを上昇させるか又は低下させることにより、安全システムの感度を有利に調整することができる。
【0049】
例えば、車105又は車105の特定の運転手がこの周辺状況に以前何度も遭遇していた場合、ステップS104において、プロセス102は閾値Tを例えばT=8まで上昇させ、それにより、感度を低下させ、したがって、ドライバーアラートは作動しない。代替形態として、安全機構は、その強度を調整することによって調整される。例えば、閾値を上昇させる代わりに、それほど強力でないドライバーアラート(音声信号が起動されるようにするのではなく、運転手に対して視覚的に警告する等)が引き起こされる。このため、運転手は、非常によく知っている道路の区間において不当にアラートが与えられることがなく、一方で、この道路の経験があまりない運転手は、実際にアラートが与えられる。
【0050】
本発明の一実施形態では、車105が特定の周辺状況に遭遇した頻度は、車両が上記特定の周辺状況に遭遇する度に、有利にインクリメントされる。
【0051】
別の例示するシナリオでは、ステップS102において取り込まれた画像113と一致がある、メモリ103内に事前格納された画像の危険評価尺度Rは、4、すなわち比較的低い尺度であると想定される。前述のシナリオの場合のように、危険評価尺度がT=6という閾値を超える(それは、危険評価尺度R<Tであるこの例では当てはまらない)場合に、ドライバーアラート安全機構は通常作動すると想定される。
【0052】
しかしながら、この場合もまた、ステップ103において、車105(又は運転手)が以前この四叉路交差点110(又は、事前格納画像と一致した同様の四叉路交差点)に遭遇した回数の形態で、車両挙動を考慮することにより、ステップS104において作動閾値を上昇させるか又は低下させることによって、安全システムの感度を調整することができる。したがって、この特定のシナリオでは、運転手が、この状況を以前わずか数回しか(又は全く)経験していなかった場合、閾値Tは、例えばT=3まで低下し、したがって、ドライバーアラートは実際には作動する。このため、運転手は、知らない道路の区間において、アラートを通常は受けていなかったとしても受け、一方で、この道路に適度な又は豊富な経験がある運転手はアラートを受けない。
【0053】
図4は、本発明の更なる実施形態を示し、異なるタイプの車両挙動が考慮されている。この実施形態では、図2と同じ四叉路交差点110に車105が近づいているが、さらに、車105は、50km/時という最大許容速度を示す交通標識115に近づいている。この場合もまた図3のフローチャートを参照する。
【0054】
第1のステップS101において、プロセッサ102は、現周辺状況の画像を生成するために、車105の周辺状況の1つ以上の画像113を取り込むようにカメラ101を制御する。
【0055】
第2のステップS102において、画像113は、メモリ103に事前格納されている周辺状況の複数の画像と比較される。一致の場合、すなわち、現周辺状況の画像113が事前格納画像に対応する場合、一致している事前格納画像に関連する危険評価尺度がプロセッサ102によって導出される。この導出される危険評価尺度は、車105の車両安全システムの1つ以上の安全機構を作動させるべきか否かを規定する。
【0056】
この例示する実施形態では、安全機構は、車両安全システムによって必要であるとみなされた場合に車105を減速させる、自動ブレーキシステムを備える。さらに、メモリ103の事前格納画像との一致が見つかる画像113によって表される現周辺状況は、一致している事前格納画像から導出される、0〜10の尺度でR=7の危険評価尺度、すなわち比較的高い尺度を有する。さらに、危険評価尺度がT=8という閾値を超える(それは、R<Tであるこの例では当てはまらない)場合、自動ブレーキ安全機構は通常作動すると想定される。このため、自動ブレーキは、通常、危険性の高いシナリオでのみ利用されるべきである。
【0057】
しかしながら、ステップS103において実行されるように、車両挙動を更に考慮することにより、作動を有利に調整することができる。この特定の実施形態では、検出される車両挙動は、現周辺状況の現行交通規制を考慮して車105がいかに行動したかの指示を含む。
【0058】
このため、カメラ101は、交通標識115の画像を取り込み、プロセッサ102は、その画像から、車105が、交差点110に近づいているときに実際に50km/時未満の速度まで減速するか否かを判断する。検出された車両挙動に基づいて、ステップS104において、作動閾値Tを上昇させるか又は低下させることにより、安全システムの感度を有利に調整することができる。
【0059】
例えば、プロセッサ102が、ステップS103において、車105が最大許容される50km/時未満まで減速させなかった(それは、運転手の無謀さを暗示する場合がある)と結論を下す場合、自動ブレーキを作動させるために必要な車両安全システムのレベルは、ステップS104において閾値Tが例えばT=6まで低下するように調整され、それにより、感度は有利に上昇し、その結果、自動ブレーキ機構が(調整された閾値によりR>Tであるため)作動し、車105は、車両安全システムによって判断されるように適切な速度まで減速する。
【0060】
代替的な又は補足する実施形態では、自動ブレーキ制御機構の作動の調整は、所与の環境下で通常行われるものより早期の時点で発生するように作動を設定することによって有利に行われる。
【0061】
安全機構の作動を調整するときに異なるタイプの車両挙動を組み合わせることができることが留意されるべきである。例えば、閾値Tを調整するとき、車105(又は運転手)が交差点110に遭遇する頻度と、交通標識115を通過するときの車105の速度との両方が考慮される。例えば、車105が、過去にその交差点にめったに遭遇しなかった場合、閾値は1だけデクリメントされ、運転手が非常に高速で運転する傾向がある場合、閾値は別の段階でデクリメントされる。
【0062】
図5は、異なるシナリオを示し、そこでは、現周辺状況は、交通量の多い通り116であり、接近する車111、自転車117、2人の歩行者118、119、及び通り116の歩道に現れているベビーカー120がある。こうしたシナリオは、安全システムによってドライバーアラートが作動する根拠となり得る。フローチャートとして図3を更に参照する。
【0063】
このため、第1のステップS101において、車105の周辺状況の1つ以上の画像113を取り込むようにプロセッサ102にカメラ101を制御させることにより、データが取得されて現車両周辺状況の画像が生成される。
【0064】
第2のステップS102において、取り込まれた画像113は、メモリ103に事前格納されている車両周辺状況の複数の画像と比較される。一致がある場合、一致している事前格納画像に関連する危険評価尺度Rが、プロセッサ102によって導出される。この導出される危険評価尺度は、車105の車両安全システムのドライバーアラートを作動させるべきか否かを規定する。
【0065】
この例示する実施形態では、メモリ103の事前格納画像との一致が見つかる画像113によって表される現周辺状況は、一致する事前格納画像から導出される、R=7という危険評価尺度を有する。さらに、危険評価尺度がT=6という閾値を超える(それは、危険評価尺度R>Tであるこの例では当てはまる)場合に、ドライバーアラート安全機構は通常作動すると想定される。
【0066】
しかしながら、ステップS103において実行されるように、車両挙動を更に考慮することにより、作動を有利に調整することができる。この特定の実施形態では、検出される車両挙動は、車105(又は、車105の異なる運転手の間で識別がなされるべきである場合は、運転手)が、この交通量の多い通り116(又は、事前格納画像と一致した同様の交差点)に以前遭遇した頻度の指示を含む。これは、車105(又は運転手)が履歴的にこの通り116に遭遇した回数を示す、現周辺状況との一致がある事前格納画像とともに格納された数字から導出することができる。
【0067】
このため、検出される車両車道に基づいて、ステップS104において、作動閾値Tを上昇させるか又は低下させることにより、安全システムの感度を有利に調整することができる。
【0068】
例えば、車105又は車105の特定の運転手がこの周辺状況に以前何度も遭遇していた場合、ステップS104においてプロセッサ102は閾値Tを例えばT=8まで上昇させ、それにより感度が低下し、その結果、R<Tであるため、ドライバーアラートは作動しない。
【0069】
図6は、図5のシナリオと同様のシナリオを示すが、そこでは、ベビーカー120は、歩道から通りに出ようとしている。このシナリオでは、ステップS101において画像113を取り込み、ステップS102において一致した事前格納画像を見つけた後、一致している画像に関連する危険評価尺度Rは、主に、ベビーカー120が通りに出るということのために、R=9であることがわかる。
【0070】
このため、ステップS103において、車105(又は、車105の特定の運転手)がこの周辺状況に以前何回も遭遇していたことが検出され、ステップS104においてプロセッサ102が閾値TをT=8まで上昇させ、それにより感度が低下しても、それにも関わらず、ベビーカー120が通りに出ておりその結果危険評価尺度がR=9になる、交通量の多い通り116の危険性の高いプロファイルのために、ドライバーアラートは作動する。
【0071】
本発明の別の実施形態では、1つ以上の安全機構を適合させることは、車両安全システムの安全機構の効果を後に作動しているときに増大させるか又は低減させることを含む。この場合もまた、ドライバーアラートの場合、システムの感度は、上述したように検出された車両(又は運転手)挙動に基づいて必ずしも調整されない(調整される可能性があっても)が、車両安全システムの安全機構の効果は、後に作動しているときに有利に増大するか又は低減する。
【0072】
このため、例えば、生成された画像によって識別されるように、ベビーカー120が交通量の多い通り116の歩道に現れるときにドライバーアラートが作動すると想定すると、車105が交通量の多い通り116にめったに遭遇していなかった場合、安全システムによってより強力なドライバーアラートが(例えば、視覚的表示と組み合わされた可聴表示の形態で)提供され、一方で、交通量の多い通り116がよく知られている場合、安全システムによってそれほど強力ではないドライバーアラートが(例えば、視覚的表示のみの形態で)提供される。
【0073】
本発明の更に別の実施形態では、1つ以上の安全機構を適合させることは、危険評価尺度が示す場合、車両安全システムの安全機構に対してより早期の作動時点を設定することを含む。
【0074】
例えば、ベビーカー120が通り116に出たときにドライバーアラートが通常作動すると想定すると、この場合、現周辺状況と一致する画像に関連する安全評価尺度が、車両がこの交通量の多い通りに履歴的にめったに遭遇していなかったことを示す場合、ドライバーアラート作動は、ベビーカー120が通り116に出る前に、ベビーカー120が縁石に近づくとき等、より早期の時点で発生するように有利に設定される。
【0075】
上記から結論を下すことができるように、予防的な安全システムは、事故を回避するのに、更には人命を助けるのに、その一方で安全機構の不要な作動を回避するのにうまくいくように作動閾値及び安全機構を適合させることができることが必要となる。
【0076】
本発明について、主に、幾つかの実施形態に関して上述した。しかしながら、当業者には容易に理解されるように、添付の特許請求の範囲によって定義されるように、上で開示したもの以外の実施形態が、本発明の範囲内で等しく可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6