(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記弾性部材に吹き付けられた前記第2の接着剤が前記繊維材料に浸み込んで、前記弾性部材と前記繊維材料との接合におけるアンカー作用を発揮する接着剤浸透部が形成される、
請求項1に記載の使い捨て繊維製品用生地の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1には、本発明実施形態の生地1の表面状態を示す実施形態が示されている。
図1において、生地1は第1方向であるx方向に連続するものである。5は生地内部に設けられた弾性部材を示し、多数の弾性部材5により多数の凹凸面が形成されている態様が同図に示されている。この多数の凹凸面により、
図2に示すように、多数の襞部6が形成されている。
【0016】
図4、
図5に示すように、生地1は、通気性を有する第1の繊維状シート2と同様に通気性を有する第2の繊維状シート3と、第1と第2の繊維状シート2、3の間に介在される液拡散性を有する繊維材料4とを有し、前記第1と第2の繊維状シート2、3と前記繊維材料4とを積層してなる積層シート30により構成される。第1と第2の繊維状シート2、3は、通気性を有する繊維層を構成するものであり、また繊維材料4は、液拡散性を有する繊維層を構成するものである。このように、積層シート30は、通気性を有する繊維層(通気性繊維層)と液拡散性を有する繊維層(液拡散性繊維層)とが積層された複合層31を形成しており、複合層31は、第1の通気性繊維層と、この第1通気性繊維層と隣り合う液拡散性繊維層と、この液拡散性繊維層と隣り合う第2の通気性繊維層との3層から構成されている。
【0017】
第1繊維状シート2と繊維材料4とは弾性部材5を介して間欠的に接合されている。第2繊維状シート3と繊維材料4との接合も間欠的な接合であることが好ましい。前記接合手段としては接着、熱融着、超音波接合等が用いられるが、作業上の容易さの観点から接着が好ましい。以下、接合手段として接着を採用した場合の本発明実施形態を説明する。
【0018】
接合手段としての接着において、接着剤としてホットメルト接着剤を用いることが好ましい。以下、接着剤としてホットメルト接着剤を用いる場合の本発明実施形態を説明する。ホットメルト接着剤を用いて、第2繊維状シート3と繊維材料4とを間欠的に接合するには、
図14に示すように、繊維材料4にホットメルト接着剤を間欠的に塗布し(或いは、第2繊維状シート3にホットメルト接着剤を間欠的に塗布してもよい)、両者を積層して接合一体化する。このとき第2繊維状シート3と繊維材料4との間に接着層7が存在しない非接着部8が形成され、この非接着部8により空間9が形成される。また、第1繊維状シート2と繊維材料4との間には弾性部材5が介在するため、弾性部材5の箇所で第1繊維状シート2と繊維材料4とを接合することにより、第1繊維状シート2と繊維材料4との間欠的結合が行われる。即ち、
図14に示すように所定間隔を置いて平行して多数配列されている弾性部材5の周面にホットメルト接着剤を吹き付けて塗布し、このホットメルト接着剤を塗布された弾性部材5を、第2繊維状シート3と繊維材料4との積層体シートにおける繊維材料4の面と、第1繊維状シート2との間に位置させ、前記積層体シートにおける繊維材料4の面と第1繊維状シート2との間に弾性部材5を挟み込んで積層し、接合一体化する。
図14において特に図示しないが、弾性部材5の存在しない第1繊維状シート2と繊維材料4との対向面は非接着部8となっており、この非接着部8により空間9が形成されている。
図15には、襞部6において非接着部8による空間9が形成されている態様が示されている。このように、非接着部8による空間9が形成されている構造により、生地1における水分蒸散性、放熱性および透湿性の各機能が向上するものである。
【0019】
図4に示すように、積層シート30において、複合層31により凹凸面が形成されており、この凹凸面により襞部6が形成されている。
図2、
図3、
図4に示すように、凹凸面における凸部6aと凹部6bとで襞部6が形成されており、凸部6aと凹部6bとが連続して形成されることにより多数の襞部6が構成される。
【0020】
凸部6aと凹部6bとからなる襞部6を形成する手段として前述したように生地1の内部に弾性部材5が配置されている。弾性部材5として伸縮性を有する線状弾性体5aが用いられ、この線状弾性体5aとして糸状ゴムが好適に用いられる。以下、弾性部材5として線状弾性体5aを用いる場合の実施形態について説明する。
【0021】
図1、
図2に示すように、線状弾性体5aはその線の延びる方向が積層シート30の長手方向(
図1、
図2においてx方向)と同一の方向に配置され、且つ所定間隔を置いて多数の線状弾性体5aが平行して配置されている。即ち、線状弾性体5aは積層シート30の幅方向(
図1、
図2においてy方向)に間隔を設けて多数配置されており、多数の線状弾性体列が形成されている。
【0022】
線状弾性体5aは、
図5に示すように、第1繊維状シート2と繊維材料4との間に位置して設けられる。本発明において単位面積当たりの線状弾性体5aの本数は任意に設定でき従ってまた、線状弾性体列における線状弾性体5a相互の間隔も任意に設定できる。ここにおいて、
図1および
図2におけるy方向(第1方向とは異なる第2方向)に沿って一端から他端まで延びている一つの襞部6を“一列の襞部”と称すこととする。襞部6は
図1および
図2におけるx方向に所定間隔を置いて多数列形成されている。ここで襞部6における複合層31と線状弾性体5aとの接合部位を襞部支持点という。上記の如く単位面積当たりの線状弾性体5aの本数は任意に設定できるが、線状弾性体5aの本数を多くして線状弾性体5a相互の間隔を小さくすれば、それにより一列の襞部における襞部支持点の数が増えるため、一列の襞部6における凸部6aと凹部6bを均一な形状に形成し且つその形状を保持することができる。それによって襞部6の型崩れがなく、生地1の柔軟性、水分蒸散性、放熱性および透湿性を増大する観点から好ましいものとなる。このような趣旨から、襞部6相互の間隔即ち、凸部6a相互間のピッチ間隔は、2mm〜7mmが好ましい。この凸部6a相互間のピッチ間隔は、3.00mm〜6.25mmがより好ましい。凸部6a相互間のピッチ間隔を狭くすることにより、きめの細かな襞ができるので外観が美しくなり、また1つの襞当たりの肌との接触面積は小さくなるので肌触りがよくなり、更に表面積が大きくなるので汗などの吸収性が向上する。一方、凸部6a相互間のピッチ間隔を広くすることにより、糸状ゴムの弾性力を適度に抑えることができ、製造コストを低減することができる。
【0023】
ここで、線状弾性体5aとして糸状ゴムを用い、また接着剤としてホットメルト接着剤を用いて本発明生地1を製造する製造方法の一例について説明する。後述するように、繊維材料4として紙材料を用いることが好ましく、また第1繊維状シート2、第2繊維状シート3としてそれぞれ不織布を用いることが好ましいので、繊維材料4として紙材料を用い、第1繊維状シート2、第2繊維状シート3としてそれぞれ不織布を用いる場合を例にとり本発明生地1の製造方法を説明する。ここで、第1繊維状シート2として用いる不織布を第1不織布シートといい、第2繊維状シート3として用いる不織布を第2不織布シートという。
【0024】
まず、繊維材料4としての紙材料をロール巻回体から繰り出す。この紙材料には予め印刷層4a(
図4、
図14参照)が形成されている。繰り出された紙材料をエンボスロールに通し、ロール間で押圧することにより機械的柔軟化処理を行う。この機械的柔軟化処理は、平ロールを用いたエンボス処理でも或いはロール面に多数の突起を有する噛み合せロールを用いたエンボス処理でもよい。後者のエンボス処理の場合には、紙材料に多数の微細な孔が開く。前記エンボス処理後の紙材料に、ホットメルト接着剤を間欠的に吹き付ける。尚、エンボス加工以外の機械加工を採用してもよい。一方、第2繊維状シート3としての第2不織布シートをロール巻回体から繰り出し、この第2不織布シートと、ホットメルト接着剤が塗布された紙材料とを平ロールに通して圧着し、両者を積層し接合体シートを製造する。この接合体シートにおいて、第2不織布シートと紙材料とは間欠的に接合されている。
【0025】
多数の糸状ゴムを並列状に巻回してなるロール巻回体から多数列の糸状ゴムを繰り出す。糸状ゴムは所定の引っ張り力で引っ張られた状態で繰り出される。繰り出された糸状ゴムにホットメルト接着剤を吹き付ける。この場合、糸状ゴムの長さ方向全長に亘って連続的に接着剤を吹き付ける。また接着剤は糸状ゴムの全周面に塗布される。一方、第1繊維状シート2としての第1不織布シートをロール巻回体から繰り出し、この第1不織布シートを前記の接合体シートと対向するように送り出し、これら接合体シートと第1不織布シートとの間に、前記の如く接着剤が塗布された糸状ゴムが挟み込まれるようにして糸状ゴムを供給する。この場合、糸状ゴムは接合体シートの紙材料の面と、第1不織布シートとの間に供給される。
【0026】
糸状ゴムが接合体シートの紙材料の面と、第1不織布シートとの間に挟み込まれた状態で平ロールに通される。接合体シート、糸状ゴム、第1不織布シートは平ロールにより圧着され、積層一体化される。第1不織布シートと紙材料とは、糸状ゴムを介しての接合なので、両者は間欠的に接合される。このようにして、第2不織布シートと紙材料とが間欠的に接合され且つ第1不織布シートと紙材料とが間欠的に接合されて構成される積層シート30が製造される。必要に応じて積層シート30をエンボスロールに通し、機械的柔軟化処理を行う。この処理を行うことにより、生地1の柔軟性をさらに向上できる。
【0027】
製造された積層シート30は長尺寸法であるため、積層シート30の長手方向(
図1、
図2においてx方向)における長さ寸法を所定の長さにするための裁断が行われる。この裁断において、第1不織布シート、第2不織布シート、紙材料および糸状ゴムとが切断される。糸状ゴムの切断により、引っ張り状態にあった糸状ゴムは引っ張り力から解放されて復元力により収縮する。このときの収縮応力により、第1不織布シートと第2不織布シートと紙材料とから構成される複合層31は長さが短くなる方向に力を受けるため、複合層31に凹凸面が形成され、それにより襞部6が形成される。このようにして、多数の襞部6を有する生地1が製造される。
【0028】
ここで本発明生地1の構成を説明すると、線状弾性体5aは復元力により縮んだ状態即ち、非引っ張り状態にあり、この非引っ張り状態にある線状弾性体5aの長手方向(
図1、
図2における積層シート30の長手方向即ち、x方向と同方向)と直交する方向(
図1、
図2における積層シート30の幅方向即ち、y方向と同方向)に延びる襞部6が多数形成され、積層シート30に襞部列がパターン形成されている。
【0029】
線状弾性体5aは、積層シート30の内部における全部の領域に設けられていても或いは一部の領域に設けられていてもよい。線状弾性体5aを、積層シート30の内部における全部の領域に設けた場合には、生地1に均質な弾力性が付与されるので、生地1を使い捨てパンツや紙おむつの被覆シートとして用いる場合、身体への保持が確実なものとなり、ずれ落ちる虞がないという利点がある。
【0030】
積層シート30の内部に配置された線状弾性体5aにより、積層シート30には弾力性が付与されている。従って積層シート30により構成される生地1を
図1、
図2においてx方向に手で引っ張ると、線状弾性体5aが伸びることによって生地1も伸びて広がり、またこの状態から手を離すと、線状弾性体5aはその復元力により収縮し、それにより生地1も元の寸法状態に復帰する。このように生地1は伸縮性を有するので、生地1を下着、おむつ等の使い捨て繊維製品用の生地として適用した場合、身体に対するフィット感に優れたものとなると共に、フリーサイズ化できる。
【0031】
尚、生地1は、積層シート30の2枚以上を積層させて構成することもでき、また、積層シート30の1枚又は2枚以上と、他のシートの1枚又は2枚以上とを積層させて構成することもできる。
【0032】
本発明の生地1は、使い捨て繊維製品用の素材として好適に用いられ、従来にない優れた性質を有する素材として有益なものである。本発明の生地1が適用される使い捨て繊維製品とは、1回の使用で廃棄するものに限らず、使用用途、目的に応じ、短期間内で繰り返し用いるものをも含み、繰り返し用いるものにあっては、数回の洗濯に耐えうるものをも含むものである。
【0033】
第1と第2の繊維状シート2、3は、いずれも通気性および透湿性を有する素材からなるものであることが好ましく、このような通気性および透湿性を有する繊維素材として、前述したように不織布を用いることが好ましい。
【0034】
本発明において上記不織布としては、従来から一般的に用いられている公知の不織布を用いることができる。即ち、繊維が一方向またはランダムに配向しており、交絡、融着、または接着によって繊維間が結合された繊維構造を有する公知の不織布を用いることができる。不織布の繊維素材としては、植物繊維(セルロース高分子)、動物繊維(タンパク質高分子)等の天然繊維;リヨセル、テンセル等の精製繊維;レーヨン、ビスコースレーヨン等の再生繊維;アセテート等の半合成繊維;ナイロン、アクリル繊維等の合成繊維;PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)等の化学繊維等が挙げられ、それらのうちの1種を単独で用いても或いはそれらのうちの2種以上を併用してもよい。また必要に応じて他の材料を含ませることもできる。
【0035】
第1繊維状シート2及び第2繊維状シート3に使用される不織布としては、生地1が適用される製品の種類や用途に応じ適宜選択可能である。例えば、生地1を使い捨て繊維製品としての衣類に適用する場合であって、着用時に第1繊維状シート2又は第2繊維状シート3が、使用者の身体と接触する態様で用いられる場合には、柔軟性、肌触り性、汗吸収性等の機能を発揮し得る材質の不織布を第1繊維状シート2又は第2繊維状シート3として用いることが好ましい。一方、第1繊維状シート2又は第2繊維状シート3が、使用者の身体と接触せず衣類表面側に位置する態様で用いられる場合には、上記とは別の機能、例えば防水性等を発揮できる不織布を第1繊維状シート2又は第2繊維状シート3として用いることが好ましい。
【0036】
第1繊維状シート2及び第2繊維状シート3に用いられる不織布の素材としては、例えば、スパンボンド不織布、サーマルボンド不織布、スパンレース不織布、乾式不織布、湿式不織布、メルトブロー不織布、ケミカルボンド不織布、ニードルパンチ不織布、ステッチボンド不織布、スチームジェット不織布等が挙げられ、このうち、スパンボンド不織布、サーマルボンド不織布及びスパンレース不織布を用いることが好ましい。
【0037】
第1繊維状シート2及び第2繊維状シート3に用いられる不織布の好ましい目付量は、5〜60g/m
2が好ましく、7〜40g/m
2がより好ましい。不織布の目付量を上記の範囲とするのが好ましい理由は、目付量が5g/m
2未満であると、例えばホットメルト接着剤が塗布された際にホットメルト接着剤が不織布の表面に滲み出る虞があるからであり、また目付量が60g/m
2を超えると、製品としての厚さが厚くなり、製造効率が悪く、また梱包作業が煩わしくなるからである。不織布の目付量を7〜40g/m
2とした場合、ホットメルト接着剤による接合方法と、ヒートシールや超音波接合による接合方法とを併用して接合強度を増大することができる。
【0038】
第1繊維状シート2及び第2繊維状シート3の材料としては、通気性および透湿性を有する素材からなるものであれば、不織布以外の材料を用いてもよい。例えば、合成樹脂製の透気性シートや透湿性シート等を用いることもできる。
【0039】
本発明生地1を、使い捨て衣類の素材として使用する場合には、
図13aに示すように、第2繊維状シート3は、使用者の肌200に接する側に配されることは少ないが、生地1を、使い捨て寝具(例えば、シーツ等)の素材として使用する場合には、第2繊維状シート3は、使用者の肌200に接する側に配される場合が多い。このように第2繊維状シート3が人の身体に直接接するような場合には、柔軟性、肌触り性、汗吸収性等の機能を有する不織布を、第2繊維状シート3の材料として用いることが好ましい。
【0040】
繊維材料4は、液拡散性および液透過性を有する素材からなるものであることが好ましく、このような液拡散性および液透過性を有する素材として、前述したように紙材料を用いることが好ましい。
【0041】
本発明において繊維材料4は、液拡散性および液透過性を有する素材であれば紙材料以外の材料を用いることができる。このような材料としては、例えばケナフ、竹繊維、藁、綿、繭糸、サトウキビ等の天然繊維を用いることができる。繊維材料4として紙材料を用いることが本発明の好ましい実施形態であるので、以下、繊維材料4として紙材料を用いる場合を例にとり説明する。
【0042】
前記紙材料としては、パルプ紙又はパルプを主原料とする材料から形成された紙材料を用いることができる。即ち、パルプを原料として用い、抄紙工程等の紙製造工程を経て製造される紙材料を用いることができる。
【0043】
原料パルプとしては、木材パルプ、合成パルプ、古紙パルプ等を用いることができる。また、パルプなどの天然繊維に限られず、レーヨン等の再生繊維等も用いることができる。更に、本発明は、原料パルプとして、トイレットペーパー材料を用いることもできる。この場合には、例えば赤松、エゾ松、トド松、ダグラスファー、ヘムロック、スプルースなどの針葉樹から得られる針葉樹晒クラフトパルプからなる原料パルプを用いることができる。また、前記針葉樹晒クラフトパルプと、ブナ、ナラ、カバ、ユーカリ、オーク、ポプラ、アルダーなどの広葉樹から得られる広葉樹晒クラフトパルプとを配合してなるものを用いることもできる。製造コストの問題や製造し易さという観点から、前記針葉樹晒クラフトパルプ単独を原料パルプとして用いることが好ましい。
【0044】
紙材料がパルプを主原料とする材料から形成される場合には、パルプの配合が30%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好まく、さらには、80%以上であることが最も好ましい。パルプの配合を上記した割合とすることにより、生地1の全体としての柔軟性を向上させたり、製造時の生産効率を向上させたりすることができる。また、パルプの配合割合を高くすることにより、廃棄後に、その廃棄物が、例えば土中等において分解され易くすることができる。従って、環境負荷をより低減し、環境面に対する配慮をより向上させることができる。また、紙材料としては、水解性の良好な紙シートを用いることが好ましい。尚、繊維材料4を構成する紙材料は、一枚の紙からなる単層構成のものが好ましいが、複数枚の紙を重ねてなる複層構成のものでもよい。複層構成のものとする場合、各層の紙の素材や厚さは同じものでもよく或いは異なるものでもよい。尚、繊維材料4を構成する紙材料は、不織布に上記パルプを配合したものでもよい。例えば、スパンレース不織布に上記パルプを配合したもの或いはエアレイド不織布に上記パルプを配合したものを紙材料として用いることもできる。
【0045】
繊維材料4を構成する紙材料の目付量は、7〜50g/m
2が好ましい。目付量が7g/m
2未満では、本発明生地1から構成される使い捨て繊維製品を着用したときの着用感を良好なものとすることが困難となり、また前記製品に十分な水分蒸散性能および放熱能を付与することが困難となる上、生地1としての強度も不十分となる。目付量が50g/m
2を超えると、生地としての厚さが厚くなり、上記した着用感も悪くなり且つ上記した水分蒸散性能および放熱性能も低下する。また製品厚さも厚くなるため、製品梱包の際に梱包しにくくなる。より好ましい紙材料の目付量は10〜30g/m
2である。
【0046】
繊維材料4を構成する紙材料として、色紙を用いることもでき、このように構成することにより、審美性の高い生地1を提供することができる。
【0047】
繊維材料4を構成する紙材料には、機械的柔軟化処理により柔軟構造が付与されていることが好ましい。機械的柔軟化処理としてはエンボス処理が採用される。エンボス処理に用いられるエンボスロールとして、ロール面に多数の突起を形成してなる一対のエンボスロールが用いられる。上記エンボスロールを用いてエンボス処理を行うと、紙材料に多数の微細な孔が開き同時に紙の組織が脆弱化されて紙材料に柔軟性が付与される。前記孔は円形の孔であっても、線状の孔であっても、スリット状の孔であってもよい。紙材料に孔を開けずに、多数の凹凸による粗面を設けることによっても同様に紙材料に柔軟性を付与することができる。
【0048】
エンボス処理に用いるエンボスロールは、突起を備えたロールに限定されず、突起がなく平滑なロール面を有する一対の平ロールを用いてもよい。紙材料を平ロール間に通し、ロール間で押圧することにより、紙組織の脆弱化が行われる。即ち、穿孔処理が行われなくても、ロール間の押圧力により紙組織は脆弱化される。紙材料に柔軟構造を付与するためのエンボス処理は、ロール面に突起を備えるエンボスロールによるエンボス処理と、平ロールによるエンボス処理とを組み合わせて行うこともできる。
【0049】
上記の如く紙材料に柔軟構造が付与されることにより、生地1全体も柔軟性に富むものとなり、かかる生地1から構成される使い捨て繊維製品を着用したときの着用感を良好なものにできる効果がある。即ち、前記製品の材料として紙材料が使われていることによる違和感を使用者に感じさせず、ソフトな着用感による満足感を使用者に与えるものである。
【0050】
紙材料に柔軟構造が付与されることにより、以下の如き効果が生じる。即ち、繊維材料4としての紙材料が柔軟構造であれば積層シート30全体として柔軟構造となるため変形が容易となり、そのため線状弾性体5aの収縮応力により襞部6が形成されるとき、積層シート30が容易に変形し、凸部6aと凹部6bの形状が均一である襞部6を形成することができる。凸部6aと凹部6bの形状が均一である襞部6の形成により、生地1全体としての柔軟性も増大し、生地1から構成される使い捨て繊維製品において、一段とソフトな着用感を使用者に与えることができる。また紙材料に柔軟性を与えることにより、生地1全体にふっくら感を与えることができる。
【0051】
また上記したエンボスによる紙組織の脆弱化処理は、後述するように生地1に対して一段と優れた水分蒸散性、放熱性および透湿性を与える効果がある。
【0052】
上記したように、第2繊維状シート3と繊維材料4との接合には、ホットメルト接着剤を用いることが好ましい。ホットメルト接着剤としては、EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合体)系、PO(ポリオレフィン)系、PA(ポリアミド)系、SR(シリコーン合成ゴム)系、ACR(アクリル)系、PUR(ポリウレタン・湿気硬化型)系等の接着剤が挙げられ、これらのうちの1種を用いてもよく、或いは2種以上を併用してもよい。第2繊維状シート3と繊維材料4との接合に用いられる接着剤としては、前記ホットメルト接着剤以外に、有機溶剤系接着剤、水溶性接着剤等を用いることができる。
【0053】
第2繊維状シート3と繊維材料4とを接合する形態は、両者の接触面の前面に亘って接着剤を塗布することも可能であるが、上記したように間欠的に塗布することが好ましい。全面塗布よりも間欠的塗布のほうが、生地1が柔軟になり、また生地1の水分蒸散性、放熱性および透湿性が良好となる。接着剤の間欠的塗布方法としては、線状、点状、ストライプ状、スパイラル状、ブロック状、パターン状等に塗布する方法が挙げられ、それらのうちの1つの方法を用いても或いは複数の方法を組み合わせて用いてもよい。
【0054】
接着剤の間欠塗布により、第2繊維状シート3と繊維材料4との間に非接着部8が形成されるが、非接着部8の面積割合は、第2繊維状シート3の面積に対し5〜85%であることが好ましく、10〜80%であることがより好ましく、30〜75%であることが更に好ましい。非接着部8の面積割合が上記範囲内であれば、生地1の柔軟性、水分蒸散性、放熱性および透湿性に優れたものとなり、生地1全体のふっくら感にも優れたものとなる。このことから、接着剤の塗布量は所定の接合強度を得るに必要な量であればよく、塗布量はなるべく少ないほうが好ましいといえる。
【0055】
上記したように、線状弾性体5aはその線の延びる方向が積層シート30の長手方向(
図1、
図2においてx方向)と同一の方向に配置されると共に、積層シート30の幅方向(
図1、
図2においてy方向)に間隔を設けて多数配置されており、多数の線状弾性体列が形成されている。多数の線状弾性体5aを積層シート30に配置するに当たり、各線状弾性体5aを平行に配置することに限定されるものではない。
図6a〜
図6jに、線状弾性体5aの配置態様を示す。
【0056】
線状弾性体5aの配置態様としては、
図6aに示すように、直線状の線状弾性体5aを平行して配列してもよく、
図6b及び
図6cに示すように、平行して配列した直線状の線状弾性体5aの全部または一部に断線部を設けてもよく、
図6d、
図6f及び
図6gに示すように、湾曲する曲線状の線状弾性体5aを並列状に配列してもよく、
図6e及び
図6jに示すように、波形の曲線状の線状弾性体5aが不規則に並んでいる態様で配列してもよい。また、
図6h及び
図6iに示すように、線状弾性体5aを網目パターンで配列してもよい。多数の線状弾性体5aの配列において、各線状弾性体5aは同一の伸縮率を有することが好ましいが、異なった伸縮率を有する線状弾性体5aの組み合わせでもよい。尚、図示は省略するが、弾性部材5として線状形態のものに限定されず、多数の穴または切り込みを設けて所定の通気性を備えているシート状の弾性体を用いることもできる。このようなシート状弾性体として、ウレタン、シリコン等をベースとしたゴム、天然ゴム等のゴム材料を素材とするものを用いることができる。本発明において、弾性部材5として線状形態の線状弾性体5aを用いることが好ましい。
【0057】
線状弾性体5aが、第1繊維状シート2と繊維材料4との間に接合される態様は、線状弾性体5aに塗布された接着剤によって第1繊維状シート2と繊維材料4との間に線状弾性体5aが接合されていてもよく、或いは第1繊維状シート2と繊維材料4に塗布された接着剤によって第1繊維状シート2と繊維材料4との間に線状弾性体5aが接合されていてもよい。前記接着剤としては、上記した、第2繊維状シート3と繊維材料4との接合に用いる接着剤と同様な接着剤を用いることができる。接着剤としてはホットメルト接着剤を用いることが好ましい。
【0058】
ホットメルト接着剤は、各線状弾性体5aの周面に吹き付けられて塗布され、この塗布されたホットメルト接着剤が第1繊維状シート2と繊維材料4との間に線状弾性体5aを挟んだ状態でそれら3者を接合する働きをするので、第1繊維状シート2と繊維材料4のそれぞれにはホットメルト接着剤を塗布する必要がない。尚、線状弾性体5aに接着剤を塗布せずに、第1繊維状シート2と繊維材料4のそれぞれにおける、線状弾性体5aとの接触対向面に接着剤を塗布するようにしてもよい。
【0059】
上記の如く、各線状弾性体5aの周面に吹き付けられて塗布されたホットメルト接着剤により、第1繊維状シート2と繊維材料4との間に線状弾性体5aを挟んだ状態でそれら3者が接合されるが、この接合状態において、ホットメルト接着剤の一部が繊維材料4の層内に浸み込んで
図16に示すように、接着剤浸透部Zが形成されている。この接着剤浸透部Zは線状弾性体5a周面のホットメルト接着剤と一体となっているため、当該接着剤浸透部Zは、線状弾性体5aと繊維材料4との接合におけるアンカー作用を発揮し、ホットメルト接着剤による線状弾性体5aと繊維材料4との接合をより強固なものにする。このように繊維材料4には、接着剤によるアンカー構造が形成されている。従って、線状弾性体5aへの接着剤塗布量が少なくても所定の接合強度を得られるという利点が得られ、また、生地1全体の強度が向上し、堅牢度に富んだ生地1を提供できる。尚、
図16において、第2繊維状シート3と繊維材料4との間に施された接着剤については図示を省略している。
【0060】
従来の使い捨て繊維製品の生地において、不織布同士を接着剤により接合するに際し、接着剤が不織布の繊維間隙を通って生地表面に滲み出るという不具合があったが、本発明生地1には複合層31が形成され、複合層31に繊維材料4が含まれているため、繊維材料4に接着剤が浸透することにより、生地表面への接着剤の滲み出しを防止できる効果がある。
【0061】
上記したように、生地1の製造工程において、連続して製造される積層シート30に対して、これを所定寸法長さの製品にするため裁断が行われる。積層シート30は長尺寸法であるため、積層シート30の長手方向(
図1、
図2においてx方向)における長さ寸法を所定の長さにするための裁断が行われる。この裁断の際、線状弾性体5aが切断されることにより、引っ張り状態にあった線状弾性体5aは引っ張り力から解放されて復元力により収縮する。このときの収縮応力により、複合層31に凹凸面が形成されるのであるが、ここにおいて線状弾性体5aと第1繊維状シート2との接合力および線状弾性体5aと繊維材料4との接合力が小さい場合には、線状弾性体5aと第1繊維状シート2、繊維材料4との相互間に剥離が起こり、当該線状弾性体5aにより接合していた第1繊維状シート2と繊維材料4とからなる複合層31に収縮応力が及ぼされず、いわゆる“ゴム抜け”という現象が起こる。この“ゴム抜け”により、複合層31はその長さが短くなる方向に力を受けないため、複合層31に凹凸面が形成されず、それにより襞部6が形成されないという事態が生じる。ここにおいて。
図16に示すように、繊維材料4の層内にホットメルト接着剤による接着剤浸透部Zが形成されていると、繊維材料4と線状弾性体5aの接合力が強固なものとなるので、線状弾性体5a切断時に“ゴム抜け”が起こるのを防止することができる。
【0062】
生地1の厚みは任意に設定でき、薄く形成することもできる。生地厚みを薄く形成した場合には、生地1を用いて構成される使い捨て繊維製品の通気性および透水性を良好なものとすることができると共に、着用感を良好なものとすることができる。
【0063】
繊維材料4として紙材料を用いる場合、紙材料には、
図4、
図14に示すように、必要に応じて印刷層4aが形成される。印刷層4aは、
図14に示すように繊維材料4において、第2繊維状シート3と対向する面側に形成されている。本発明の実施形態によれば、不織布に印刷を施すのではなく、紙材料に印刷を施すことができるため、鮮明な絵柄を容易且つ効率的に印刷することができ、それにより、多様なデザインやメッセージを、効率的且つ効果的に表現することが可能である。特に、紙材料に印刷するデザインやパターンの選択、第2繊維状シート3に用いる不織布の選択、接着層7の形成方法等を適宜選択することにより、全体として、デザイン性、審美性の高い生地1を提供することができる。紙材料へ印刷するデザインやパターンとしては、例えば、絵柄、色彩、模様、写真等(以下、“絵柄等”という)が挙げられる。
【0064】
繊維材料4としての紙材料には、例えば、インクジェット、フレキソ印刷、グラビア印刷等の手法により、絵柄等が印刷される。印刷層4aの表面は、例えば、ニス引き加工を行ったり、バインダーを加えたりすることにより、色落ち防止処理がなされていてもよい。バインダーとしては、PVA(ポリビニルアルコール)、CMC(カルボキシメチルセルロース)、EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合体)、アクリル、ラッカー等公知の材料が挙げられる。また、色落ち防止処理がなされているインクを使用することもできる。
【0065】
印刷層4aはフレキソ印刷により形成することが好ましい。フレキソ印刷法では、版と紙材料との間の接触面積が小さくて済み、また印圧が低い等の利点がある。このため、版から紙材料を剥がし易く、特に紙材料の厚みが薄い場合、印刷層4aを形成するのに好適である。また、フレキソ印刷では、使用できるインクの種類が多く、この点においてノズル等を通してインクを吐出させるインクジェット印刷法に比べ、インクの粘度等に影響されるという欠点がない。
【0066】
印刷層4aに絵柄等を表す場合、版によって印刷される絵柄等は、積層シート30が線状弾性体5aの伸縮方向(
図2においてx方向)に引き延ばされた状態に合わせて、引き伸ばされたデザインの絵柄等として印刷される。そして線状弾性体5aの引っ張り状態を解除したときに、本来の目的とするデザイン(引き伸ばされていないデザイン)の絵柄等が表示される。上記の場合、印刷される絵柄等の上記x方向の引き伸ばし率は、線状弾性体5aの伸縮率によって定まる。例えば、本来の目的とするデザイン(引き伸ばされていないデザイン)の絵柄等の上記x方向の長さを1.1倍〜3.5倍に引き伸ばして印刷することができる。
【0067】
紙材料にエンボス処理を施して複数の凹部や凸部を形成することにより、印刷層4aに立体的な絵柄等を表示でき、見る角度により異なったデザインの絵柄等を表現することができる。また、
図14に示すように、空間9に位置して形成される印刷層4aと接着層7により被覆される位置に形成される印刷層4aとがあり、このような印刷層4aの組み合わせにより外観に表れるデザインを変化に富んだものにすることができる。空間9の割合が大きいと、外観に表れる印刷層4aはボカシがかかった感じで視認され、また空間9の割合が小さいと、外観に表れる印刷層4aは鮮明に視認される。
【0068】
印刷層4aは第2繊維状シート3を通して外部から視認されるので、生地1において多様なデザインやメッセージを、効率的、効果的に表現することができる。印刷層4aを外部から的確に認識できるようにし、しかも審美性を具有させるようにするため、第2繊維状シート3として不織布を用いることが好ましい。
【0069】
本発明生地1を用いて構成された使い捨て繊維製品においては、
図13aに示すように汗300が肌200に付着した場合に、
図13bに示すように身体を動かすことにより襞部6が汗300を拭き取るように作用し、このように拭き取られた汗300は複合層31
(
図4参照)における繊維材料4(紙材料)に吸収される。また、拭き取られなかった汗300は
図13cに示すように、襞部6により形成される空間内に蒸散し同様に繊維材料4(紙材料)に吸収される。これにより、生地1は汗300によって肌200に密着することはなく、また、繊維材料4(紙材料)に吸収された汗300は外部に効率的に蒸散される(
図13c)。そのため、汗300の乾きも速く汗300によるべたつき感がなく、心地よく着用できるものである。
【0070】
本発明生地1を使い捨て繊維製品に適用する場合の製品の性質に応じて、各種の添加剤を生地1に添加することができる。添加剤としては例えば、消臭剤、虫避剤、香料、防水剤、防汚剤、抗菌剤、柔軟剤等が挙げられ、それらのうちの1種または2種以上を生地1に添加することができる。生地1に添加する態様として、添加剤は第1繊維状シート2、第2繊維状シート3、繊維材料4のうちのいずれかに添加されてもよく或いはそれらの2つ以上に添加されてもよい。添加手段として、添加剤は第1繊維状シート2、第2繊維状シート3、繊維材料4の表面に塗布される。また第1繊維状シート2、第2繊維状シート3への添加の場合、それらのシートを構成する繊維に添加剤を予め練り込んでおいてもよい。繊維材料4としての紙材料への添加の場合、紙を製造する抄紙工程において、予め水に添加剤を添加させて抄紙することにより紙に添加剤を含有させるようにしてもよい。また、生地1に印刷層4aを形成する場合には、印刷インクに予め添加剤を混合しておき、添加剤を含有した印刷インクにより印刷するようにしてもよい。
【0071】
上記消臭剤の具体例としては、カテキン類やタンニン類などの植物からの抽出物であるカテキン、エピガロカテキン、ガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレード、ガロタンニン、エラジタンニン;鉄−アスコルビン酸キレート化合物;ジルコニウムの水酸化物;ランタノイドの水酸化物;Zn、Cu、Fe、等の金属塩(例えばZnSO4)等が挙げられる。また、吸着作用を有する消臭剤として、例えば、活性炭;ゼオライト;シリカ;セラミック;大谷石;木炭高分子;カーボンナノチューブ;カーボンナノホーン;クエン酸、コハク酸等の有機酸;硫酸、ホウ酸、リン酸等の無機酸;イオン交換体;アニオン、アンモニア、アミン類、アルケン、アルキン、芳香族等の求核剤;カチオン、フッ化ホウ素、塩化アルミニウム、臭化鉄、塩化亜鉛、アセトン等の求電子剤等が挙げられる。これらの消臭剤のうちの1種を用いてもよく或いは2種以上を併用してもよい。
【0072】
上記虫避剤の具体例としては、N,N−ジエチル−m−トルアミド(DEET)、ジプロピルピリジン−2,5−ジカルボキシレート、ピレチリン、ジメチルフタレート、2,3:4,5−ビス(2−ブチレン)テトラヒドロフルフラール、シトロネラ、ゲラニオール、レモングラス油(精油)、オイゲノール、p−メンタン−3,8−ジオール、エチルブチルアセチルアミノプロピオネート、1−ピペリジンカルボン酸、2−(2−ヒドロキシエチル)−エステル1−メチルプロピル−エステル等が挙げられる。また、天然の植物精油、シトロネラ油、レモングラス油、シナモン油、ユーカリ油、クローブ油、シナモン油、レモンユーカリ油、ヒバ油、ラベンダー油、オレンジ油、グレープフルーツ油、シダーウッド油、ゼラニウム油、タイムホワイト油、ハッカ油等を虫避剤として用いることができる。更に、シトロネラール、シトロネロール、シトラール、リナロール、ジヒドロリナロール、テトラヒドロリナロール、デヒドロリナロール、テルピネオール、メントール、メンタン、p−メンタン−3,8−ジオール、カンフェン、メチルサリシレート、ピネン、リモネン、ゲラニオール、ボルネオール、ゲラニルフォーメート等の成分を含有する精油等を虫避剤として用いることができる。これらの虫避剤のうちの1種を用いてもよく或いは2種以上を併用してもよい。
【0073】
上記香料の具体例としては、オレンジ、レモン、ライム、ピーチ等の果物;バラ、ラベンダー等の花;ミント、白檀等(草木)の精油等が挙げられる。通常、芳香成分は、油性または水−アルコール溶性のものである。油性の香料としては、フェニルエチルアルコール、リナロール、ジャスモン、ヘキシルシナミックアルデヒド、α−リネモン、α−ピネン、ブロムスチロール、シトロネラール、コロラール、テルピオネール、メントール、桂皮酸等が挙げられる。これらの香料のうちの1種を用いてもよく或いは2種以上を併用してもよい。
【0074】
上記抗菌剤としては、抗菌性のあるカルベンダジム誘導体等を用いることができる。上記防汚剤および柔軟剤としては、頭髪のリンス剤や衣類の柔軟仕上げ剤として汎用されているアルキル化4級アンモニウム塩等のカチオン性界面活性剤を用いることができ、かかるカチオン性界面活性剤として、塩化ジココイルジメチルアンモニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム等が挙げられる。また、防汚剤および柔軟剤として、グリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、流動パラフィン等を用いることもできる。これらの防汚剤、柔軟剤のうちの1種を用いてもよく或いは2種以上を併用してもよい。
【0075】
本発明生地1は、使い捨て繊維製品の材料として適用されるものであり、特に使い捨てパンツ等の使い捨て下着や使い捨ておむつの構成材料として用いる場合に有益である。また上記以外に、本発明生地1を用いて構成される使い捨て繊維製品としては、
図7に示すような下着またはTシャツ100、
図8に示すようなチューブトップ101、
図9に示すような腹巻102、
図10に示すようなレインコート等の雨具103、
図11a〜
図11eに示すような身体の手、腕、手首、膝、及び足首等の各部位に用いるサポーター104、
図12に示すような包帯105等が挙げられる。また特に図示しないが、使い捨て繊維製品としてのフィットネス着、スポーツ着、汗取りインナー、海水着、ルームウエア等にも適用できる。また、本発明生地1を使い捨て繊維製品としての帽子に適用した場合、繊維材料4に水を含ませてかぶることが可能であり、この場合、水の気化により使用者の頭部への冷却効果が得られる。
【0076】
その他、本発明生地1は、使用済みおむつを収納するおむつ袋、女性用の各種生理用品、キャンプ、野外活動において用いる各種使い捨て衣類、冷却または保温マフラー、タオル、病院や宿泊施設等において、患者や客に提供される使い捨て衣類、寝具類、ステテコ、ブラジャー、ショーツ、バスローブ、レッグウォーマー、ハチマキ、ヘアバンド、マッサージ着、介護用衣料等の構成材料として適用することができる。
【0077】
本発明生地1を用いて使い捨て繊維製品としての使い捨て下着10を構成した実施形態を
図17に示す。
図17に示す下着10は、使用者Pの胴部に装着して用いる、いわゆるパンツタイプのおむつであり、本発明生地1から構成され、使用者Pの胴部全体を覆い、その下腹部を軽く押圧する部分を含む胴部装着部12と、胴部装着部12の上側に設けられ、ゴム等の弾性部材を含み、使用者Pの腰回りに装着される腰部装着部14を有する。胴部装着部12の内側(身体に接する側)には、胴部装着部12の前部と後部との間に弾性シート16が架け渡されており、この弾性シート16の内側(使用者Pの肌当接側)には、排泄物吸収用の吸収体18が装着されている。
【0078】
図17に示す下着10は、上記したようにおむつとしての機能を有するものであり、大人用のおむつとしても或いは幼児用のおむつとしても使用することができる。本発明生地1を用いたおむつは、従来のおむつに比べて柔軟な感触を有し、水分蒸散性、放熱性および透湿性に優れ、しかも好ましい冷温感性を備えている。本発明生地1を用いた下着10は、着用したときの感じとして通常の下着(パンツ)に近い感覚を有しており、使用に対して抵抗感が少ないという、従来の使い捨ておむつにはない特徴を有する。従って、失禁等の恐れのある被介護者や高年齢出産後の女性や、経血のもれのある女性等が使い捨て下着として抵抗感なく安心して使用することができる。尚、本発明生地1の構成材料である繊維材料4として紙材料を用いた場合、紙材料は摩擦による帯電が小さいため、使用時の静電気の発生を防止できる。
【0079】
上記の如く構成される本発明の生地および本発明生地を用いて構成される使い捨て繊維製品の作用効果につき説明する。本発明生地1において積層シート30に襞部6が形成されているので、身体の肌への当たりが柔らかく、生地全体として柔軟性を発揮できるという作用効果を有する。
【0080】
また、積層シート30は、通気性を有する第1繊維状シート2と、同様に通気性を有する第2繊維状シート3と、液拡散性を有する繊維材料4とを積層構成材料として含み、通気性を有する繊維層と液拡散性を有する繊維層とが相互に隣り合って存在する。このようにして、通気性を有する繊維層と液拡散性を有する繊維層とが相互に隣り合って積層された複合層31が積層シート30に形成されている。本発明生地1からなる使い捨て繊維製品を、例えば第1繊維状シート2が身体の肌側に当接するように当該製品を着用した場合、身体に発生した汗は第1繊維状シート2を通して繊維材料4の層内に吸収され、汗はこの繊維材料4の層内で拡散される。拡散されて層内に広く分散した汗は第2繊維状シート3を通して外部に蒸散される。従って、汗が生地に接触している部位に局部的に滞留するということがなく、効率よく汗の蒸散が行われる。
【0081】
即ち、積層シート30における複合層31は通気性機能層と液拡散性機能層が隣り合って存在するため、通気性機能層と液拡散性機能層が相互作用を発揮し、この相互作用により汗の蒸散効率が飛躍的に増大する。即ち、通気性機能層における水分通路と液拡散性機能層における水分通路が隣り合って連続しているため、汗の吸収、乾燥の効率が極めて大きいのである。また、積層シート30に形成される襞部6は、複合層31により凹凸面が形成された構造の襞部として構成されているので、複合層31における通気性機能層と液拡散性機能層は凹凸状の形態となり、それにより表面積が大きい状態となっている。その結果、複合層31からの汗の蒸散効率は一段と向上する。
【0082】
本発明生地1は、身体から発散される熱を効率よく放散でき、放熱性に優れている。身体から発散される熱は第1繊維状シート2を通して繊維材料4の層内に伝達され、熱はこの繊維材料4の層内で拡散される。繊維材料4は液拡散性の性状を有するが、液拡散性を有することにより同時に熱拡散性をも発揮する。拡散されて層内に広く分散した熱は第2繊維状シート3を通して外部に放散される。従って、熱が身体と生地1との間に滞留するということがなく、効率よく熱の放散が行われる。本発明生地1においてこのような優れた放熱性が発揮できるのは、上記した汗の蒸散性の作用の場合と同様、積層シート30が、通気性を有する繊維層と液拡散性を有する繊維層とが相互に隣り合って積層された複合層31を有し、この複合層31において、通気性機能層と液拡散性機能層が相互作用を発揮することによるものである。
【0083】
更に本発明生地1は、透湿性にも優れている。一般に複数の構成材料を積層してなる積層シートにおいて、構成層の数が増えれば透湿性が低下する傾向にある。本発明においては、2つの繊維状シートを積層してなる通常の積層シートに比べて繊維材料4という材料層が加わっているので構成層の数が多い。しかしながら、透湿性良好な従来品に比べて本発明生地1は意外にも透湿性の低下がみられず、透湿性良好な従来品と同等な透湿性を発揮できるものである。構成層の数が増えているにもかかわらず良好な透湿性を維持できることは、本発明における特有の効果といえる。このような効果を発揮できるのは、上記に述べたと同様、積層シート30が、通気性を有する繊維層と液拡散性を有する繊維層とが相互に隣り合って積層された複合層31を有し、この複合層31において、通気性機能層と液拡散性機能層が相互作用を発揮することによるものと考えられる。
【0084】
本発明生地1において繊維材料4が紙材料である場合、紙材料に上記したようなエンボス処理を行って紙組織の脆弱化処理を行えば、通気性機能層と液拡散性機能との相互作用が一段と増大し、水分蒸散性、放熱性および透湿性をより向上させることができる。
【0085】
また、本発明の実施形態として生地1に印刷を施すことにより、多様なデザインやメッセージを効率的、効果的に表現することが可能となる。本発明実施形態の生地1は、生地の素材そのものの風合いを活かしつつ、全体的なふっくら感や柔軟性に優れ、各種の機能を効率的、効果的に付与することが可能である。更に、本発明生地1は安価に製造でき、製造も容易である等の利点を有する。
【実施例】
【0086】
以下に本発明に用いる伸縮性複合シートの具体的な実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
(実施例1)
通気性シートとして、スパンボンド不織布を用い、液拡散性繊維シートとして、パルプ100%の紙(トイレットペーパー用の紙シート:目付量18g/m
2)をそのまま印刷せずに用い、線状弾性体として、径620デシテックスのウレタンゴムを用いた。2枚の不織布の間に、紙とウレタンゴムとをホットメルト接着剤(ホットメルト接着剤の総目付量1.2g/m
2)により接着して得た総目付量38g/m
2のシート素材を実施例1とした。
【0087】
(比較例1)
実施例1と同様の不織布、ウレタンゴムを用い、ホットメルト接着剤により、不織布間にウレタンゴムを挟み込んで接着し(ホットメルト接着剤の総目付量1.2g/m
2)、総目付量が20g/m
2であるシート素材を比較例1とした。
【0088】
(比較例2)
表面及び裏面の不織布がスパンボンド不織布であり、不織布間にゴム径620デシテックスのウレタンゴムが介在している総目付量が24g/m
2である従来品のシート素材を比較例2とした。
【0089】
(比較例3)
表面及び裏面の不織布がサーマルボンド不織布であり、不織布間にゴム径620デシテックスのウレタンゴムが介在している総目付量を22g/m
2である従来品のシート素材を比較例3とした。
【0090】
(比較例4)
表面及び裏面の不織布がサーマルボンド不織布であり、不織布間にゴム径620デシテックスのウレタンゴムが介在している総目付量を22g/m
2である他の従来品のシート素材を比較例4とした。
【0091】
(比較例5)
表面及び裏面の不織布がサーマルボンド不織布であり、不織布間にゴム径620デシテックスのウレタンゴムが介在している総目付量を20g/m
2である従来品のシート素材を比較例5とした。
【0092】
まず、このような実施例1及び比較例1〜5のシート素材の吸水速乾性(蒸散性)及び透湿性を評価した。
【0093】
まず、吸水速乾性(蒸散性)は、蒸散性(II)試験(ボーケン規格BQEA028)を行い、吸水性と速乾性との両方を総合的に評価した。
【0094】
実施例1及び比較例1〜5のシート素材についてそれぞれ直径約9cmの試験片を作製し、各試験片とシャーレの質量(W)を測定した。次にシャーレ上に水0.1mLを滴下し、その上に試験片を載せ、質量(W0)を測定した。これを標準状態(20℃、湿度65%RH)下に放置して、所定時間(5分、10分、以下10毎に60分迄)経過毎の質量(Wt)を測定した。測定された質量W、W0、Wtから、下記式(1)を用いて、所定時間経過毎の蒸散率(%)を算出した。
【0095】
蒸散率(%)={(W0−Wt)/(W0−W)}×100・・・・(1)
結果を表1に示す。
【表1】
【0096】
表1に示す蒸散率の結果から明らかなように、比較例3〜5では、いずれも、60分経過しても蒸散率が20%以下であり、比較例1及び2では、20分経過して蒸散率が20%未満であり、60分経過しても蒸散率が40%以下であるのに対して、実施例1では、10分経過後に蒸散率が20%を超え、20分経過後に蒸散率が40%を超え、その後、30分経過後に蒸散率が60%を超え、40分経過後に蒸散率が75%を超え、50分経過後には蒸散率が85%を超え、60分経過後には蒸散率が90%を超えたことが分かる。
【0097】
なお、ボーケン規格BQEA028においては、評価の目安として、試験開始後20分の蒸散率が、スポーツ用途の場合、織物で50%以上、ニットで40%以上であることが好ましく、一般用途の場合、織物で40%以上、ニットで30%以上であることが好ましいと言われている。
【0098】
したがって、実施例1のシート素材は、40%以上の蒸散率を得ることができているので、スポーツ用途にしても、一般の用途としても、快適に着用することができると言える。
【0099】
以上から、実施例1のシート素材を用いた本発明の使い捨て衣類は、極めて高い吸水速乾性(蒸散性)を持つことが分かる。
【0100】
次に、透湿性は、JIS−L1099(2012)のA−1法(塩化カルシウム法)を行い、透湿度(g/m
2・h)を求めて評価した。
【0101】
なお、透湿度は、規定の温度及び湿度において、繊維製品を透過する水蒸気の質量(g)を、その繊維製品の1m
2×1時間当たりに換算した値として定義される。
【0102】
JISL0105の6.3(布状の試料及びその試験片)に準じ、実施例1及び比較例1〜5のシート素材から試験片を採取した。
【0103】
この塩化カルシウム法に規定された透湿カップ、恒温・恒湿装置、円形板、及び吸湿剤の等の装置及び材料を準備し、実験を行った。
【0104】
まず、予め約40℃に温めた透湿カップに吸湿剤を約33g入れ、透湿カップに振動を与えて均一にした後、薬さじで表面を平らにならし、円形板を用いて、吸湿剤と試験片の下面との距離が3mmになるように調節した。
【0105】
次に、実施例1及び比較例1〜5のシート素材について、JISL0105の6.3(布状の試料及びその試験片)に従って、それぞれ直径約70mmの試験片を3枚採取した。
【0106】
各試験片の表面を吸湿剤側に向けて透湿カップに対して同心円になるように載せ、パッキン及びリングを順次装着し,蝶ナットで固定した後,装着側面をビニル粘着テープでシールして試験体とした。この試験体を温度40℃±2℃、湿度(90±5)%RHの恒温・恒湿装置内の試験片上約10mm上部の風速が0.8m/sを超えない位置に置いた。1時間後に試験体を取り出し、直ちに質量(a1)を1mgまで測定した。測定後,再び試験体を恒温・恒湿装置の同位置に置き、1時間後に試験体を取り出し、直ちに質量(a2)を1mgまで測定した。測定された質量a1、a2から、下記式(2)を用いて、透湿度PA1(g/m
2・h)を算出した。
【0107】
透湿度PA1(g/m
2・h)=(a2−a1)/SA1・・・・(2)
式(2)において、a2−a1は、試験体の1時間当たりの質量の変化量(g/h)であり、SA1は、透湿面積(m
2)である。
【0108】
試験結果は、3回の平均値JISZ8401の規則(四捨五入法)によって整数に丸めて表した。得られた結果を表2に示す。
【表2】
【0109】
表2に示す透湿度の結果から明らかなように、比較例2、3、及び5では、いずれも、透湿度が500g/m
2・h以下であるが、比較例1では、563g/m
2・hであり、比較例4では透湿度が526g/m
2・hである。一方、実施例1では、564g/m
2・hであり、比較例より高いことが分かる。
【0110】
以上から、本発明の機能性生地素材は、高安定して良好な透湿性を持つことが分かる。
【0111】
次に、実施例1及び比較例1〜5について、透湿性評価結果、並びに20分後及び60分後の蒸散性評価結果を表3に示す。
【0112】
表3に示す透湿性評価結果、及び蒸散性評価結果から明らかなように、実施例1の本発明の機能性生地素材は、比較例1〜5の機能性生地素材に比べ、透湿性、及び蒸散性の両方において、高い透湿度及び高い蒸散率をしるすことが分かる。
【0113】
以上から、本発明に係る使い捨て製品用の機能性生地素材、及び使い捨てファブリック製品の効果は明らかである。
【表3】
【0114】
なお、当然のことながら、本発明は以上に説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成し得るすべての実施形態を含むものである。
【0115】
次に、不織布間に紙を介在させたシート素材と、不織布間に紙が介在していないシート素材の接触冷感(ひんやり感)及び湿潤接触冷温感(発汗時のべたつき感)を試験した。
【0116】
(実施例2〜5)
実施例1と同様の不織布、紙、ホットメルト接着剤、ウレタンゴムを用いてシート素材を調整した。実施例2、3で用いた紙は、一対の平ロールを用いて表4に示す回数のエンボス処理を施した。使用した紙の目付量、ホットメルト接着剤の総目付量、シート素材の総目付量を表4にあわせて示す。これらのシート素材について以下の方法で接触冷感、湿潤接触温熱感を測定した。接触冷感、湿潤接触例温感、及び接触冷感と湿潤接触冷温感の比(接触冷感/湿潤接触冷温感)の値の結果を表5に示す。
【0117】
接触冷感:接触冷感は着用したときの、ひんやり爽やかな感覚の大きさを示し、精密迅速熱物性測定装置(カトーテック株式会社製のKES−F7サーモラボII)を用い、以下の方法で測定した。
【0118】
シート素材から切り出した試験片(6cm×6cm)を20℃のベースプレート上に載置する。精密熱センサー付き熱板を40℃に加熱し、20℃の試験片の上に熱板を乗せ、熱板の熱センサーで測定した放熱挙動から接触冷感値(qmax)を算出した。
【0119】
湿潤接触冷温感:湿潤接触冷温感は、汗をかいた時のべたべた感の大きさを示し、精密迅速熱物性測定装置(カトーテック株式会社製のKES−F7サーモラボII)を用い以下の方法で測定した。
【0120】
シート素材から切り出した試験片(6cm×6cm)に、80g/m
2の水を吸収させ給水させた試験片を20℃のベースプレート上に載置する。精密熱センサー付き熱板を40℃に加熱し、20℃の試験片の上に熱板を乗せ、熱板の熱センサーで測定した放熱挙動から、湿潤接触冷温感値(wet−qmax)を算出した。
【0121】
(比較例6)
比較例2と同様のシート素材を用い、実施例2〜5と同様に接触冷感、湿潤接触冷温感を試験した。結果を表5に示す。
【0122】
(比較例7)
比較例4と同様のシート素材を用い、実施例2〜5と同様に接触冷感、湿潤接触冷温感を試験した。結果を表5に示す。
【0123】
(比較例8)
比較例3と同様のシート素材を用い、実施例2〜5と同様に接触冷感、湿潤接触冷温感を試験した。結果を表5に示す。
【0124】
(比較例9)
比較例5と同様のシート素材を用い、実施例2〜5と同様に接触冷感、湿潤接触冷温感を試験した。結果を表5に示す。
【表4】
【0125】
【表5】