【文献】
Biochemistry Research International, 2013, Vol.2013, Article ID 169797, pp.1-11
【文献】
J. Biosci. Bioeng., 1999, Vol.88, No.5, pp.488-494
【文献】
Enzyme and Microbial Technology, 1997, Vol.21, pp.221-229
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明のソフォロリピッドの製造方法は、次の成分(A)及び(B):
(A)液体状の油性物質
(B)固体状の油性物質
を含有し、油性物質の総モル量に対する成分(B)のモル量が20〜80モル%である培地にて、ソフォロリピッドを生産する能力を有する微生物を用いて発酵によりソフォロリピッドを得る工程を含むものである。
なお、本明細書における発酵とは、微生物の機能を物質生産(本明細書ではソフォロリピッドの生産)に利用することを意味する。
また、本明細書における油性物質とは、20℃における水100gへの溶解度が2g以下である脂肪族化合物を意味する。油性物質は、培養温度で液体状又は固体状のいずれかを呈する。
【0010】
ソフォロリピッドは、ソフォロースとヒドロキシ脂肪酸とからなる糖脂質である。ソフォロースは、グルコースがβ−1,2結合した二糖類であり、ヒドロキシ脂肪酸は、ω位、或いはω−1位にヒドロキシ基を有する脂肪酸である。ヒドロキシ脂肪酸の脂肪酸部分は、特に限定されないが、炭素数8〜22の飽和又は不飽和脂肪酸が好ましく、更に炭素数12〜22の飽和又は不飽和脂肪酸が好ましい。また、ソフォロースは、ヒドロキシ基が一部アセチル化したものも含む。
ソフォロリピッドは、ヒドロキシ脂肪酸のカルボキシル基が遊離した酸型と分子内のソフォロースと結合したラクトン型に大別され、一般的に発酵生産では酸型とラクトン型の混合物として得られることが知られている。
【0011】
本発明で用いられるソフォロリピッドを生産する能力を有する微生物は、基質からソフォロリピッドを生成し、菌体外に産出する能力を有する微生物であればよく、例えば、カンジダ属(
Candida)に属する微生物が挙げられる。
カンジダ属に属する微生物としては、
Candida bombicola、
Candida bogoriensis、
Candida magnoliae、
Candida gropengiesseri、
Candida apicola等が挙げられる。なかでも、ソフォロリピッド生産性の点から、
Candida bombicolaが好ましい。
【0012】
本発明で用いられる培地は、成分(A)液体状の油性物質を含有する。
ここで、液体状の油性物質とは、培養温度で液状の油性物質である。このような油性物質の融点としては、25℃以下が好ましく、更に好ましくは5℃〜25℃、より好ましくは10℃〜25℃である。なお、本明細書における融点は、油脂及び脂肪酸の場合は上昇融点であり、日本油化学協会法の「基準油脂分析試験法」中の上昇融点の測定法に準じ測定した値である。
液体状の油性物質の種類としては、例えば、炭化水素、動植物性油脂、脂肪酸、脂肪酸エステルが挙げられ、これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
炭化水素としては、脂肪族炭化水素やイソプレノイド炭化水素が挙げられ、例えば、n−ヘキサデセン、n−ヘキサデカン、スクアレン等が挙げられる。
また、動植物油脂としては、例えば、大豆油、ナタネ油、米糠油、サフラワー油、コーン油、ヒマワリ油、綿実油、オリーブ油、ゴマ油、シソ油、アマニ油等の植物性油脂、あるいはそれらのエステル交換油、分別油、廃油等が挙げられる。
【0013】
脂肪酸としては、炭素数8〜22の遊離脂肪酸が好ましく、例えば、カプリル酸、ペラルゴン酸等の飽和脂肪酸;パルミトレイン酸、リノール酸、オレイン酸、cis−バクセン酸、α−リノレン酸、ゴンドイン酸等の不飽和脂肪酸が挙げられる。
また、脂肪酸エステルとしては、脂肪酸と1価から3価のアルコールとのエステルが挙げられ、例えば、カプリル酸メチル、カプリル酸プロピル、カプリン酸メチル、カプリン酸エチル、カプリン酸ブチル、ラウリン酸メチル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ブチル、ラウリン酸ドデシル、ミリスチン酸メチル、ミリスチン酸エチル、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸エチル、パルミチン酸プロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸ブチル、パルミチン酸アミル、パルミチン酸オクチル、ステアリン酸ブチル等が挙げられる。
脂肪酸部の炭素数としては、より好ましくは12〜22、更に好ましくは16〜22、更に好ましくは16〜18である。
【0014】
高級アルコールとしては、例えば、ラウリルアルコール、2−ペンタデカノール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール等が挙げられる。
【0015】
液体状の油性物質の中でも、単一脂肪酸組成のソフォロリピッドを得やすい点から、炭化水素、脂肪酸又はそのエステルが好ましく、更にアルカン又は飽和脂肪酸のエステルが好ましく、更にn−ヘキサデセン、n−ヘキサデカン、ラウリン酸ブチル、ラウリン酸ドデシル、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸エチル、パルミチン酸プロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸ブチル、パルミチン酸アミル、パルミチン酸オクチル、パルミチン酸デシル又はステアリン酸ブチルが好ましく、更にn−ヘキサデカン、パルミチン酸プロピル、パルミチン酸イソプロピル又はパルミチン酸ブチルが好ましい。
【0016】
また、本発明で用いられる培地は、成分(B)固体状の油性物質を含有する。
ここで、固体状の油性物質とは、培養温度で固体状の油性物質である。固体状は、液体状ではない半固体状も含む。このような油性物質の融点としては、30℃以上が好ましく、更に好ましくは40℃〜80℃、より好ましくは50℃〜70℃である。
固体状の油性物質の種類としては、例えば、動植物性油脂、脂肪酸、脂肪酸エステル、高級アルコールが挙げられ、これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
動植物性油脂としては、例えば、パーム油、パームオレイン、パームステアリン、やし油、パーム核油、カカオ脂、サル脂、シア脂等の植物性油脂、ラード、牛脂、バター脂等の動物性油脂、それらのエステル交換油、水素添加油もしくは分別油等が挙げられる。また、大豆油、綿実油、魚油等の液状油の水素添加により固体状としたものも包含される。
【0017】
脂肪酸としては、炭素数10〜30の遊離脂肪酸が好ましく、例えば、カプリン酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシリ酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデシル酸、アラキジン酸、ヘンイコサン酸、ベヘン酸、トリコサン酸、リグノセリン酸等の飽和脂肪酸、ペトロセリン酸、エライジン酸、バクセン酸、エルカ酸、ソルビン酸、リノエライジン酸、プニカ酸等の不飽和脂肪酸が挙げられる。
また、脂肪酸エステルとしては、前記脂肪酸と1価から3価のアルコールとのエステルが挙げられ、例えば、ラウリン酸オクタデシル、ミリスチン酸テトラデシル、パルミチン酸メチル、パルミチン酸デシル、パルミチン酸ドデシル、パルミチン酸ヘキサデシル、ステアリン酸メチル、ステアリン酸エチル、ステアリン酸プロピル、ステアリン酸オクチル、アラキジン酸メチル、アラキジン酸エチル等が挙げられる。
脂肪酸部の炭素数としては、より好ましくは12〜24、更に好ましくは16〜22、更に好ましくは16〜18である。
【0018】
高級アルコールとしては、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、2−ヘキサデカノール、2−ヘキシルデカノール等が挙げられる。
【0019】
固体状の油性物質の中でも、単一脂肪酸組成のソフォロリピッドを得やすい点から、脂肪酸又はそのエステル、高級アルコールが好ましく、更に飽和脂肪酸又はそのエステル、高級アルコールが好ましく、更に脂肪酸部の炭素数16〜22の飽和脂肪酸又はそのエステルが好ましく、更にパルミチン酸が好ましい。
【0020】
本発明で用いられる培地において、培地中の油性物質の総モル量に対する成分(B)のモル量は20〜80モル%である。斯かる範囲内とすることで、基質からソフォロリピッドへの変換速度を高めることができる。また、培養時の泡立ちを抑えることができる。
ここで、培地中の油性物質の総モル量は、培養温度で液体状の油性物質のモル量と培養温度で固体状の油性物質のモル量を合わせた量であり、該油性物質の総モル量に対する成分(B)のモル量は、次式(1):
{[成分(B)のモル量]/[油性物質の総モル量]}×100(%)・・・(1)
で表される。
培地中の油性物質の総モル量に対する成分(B)のモル量は、効率的なソフォロリピッドの生産の点から、25モル%以上が好ましく、更に30モル%以上が好ましく、更に40モル%以上が好ましく、また、発泡を抑制する点から、75モル%以下が好ましく、更に70モル%以下が好ましく、更に60モル%以下が好ましい。また、25〜75モル%が好ましく、更に30〜70モル%が好ましく、更に40〜60モル%が好ましい。
【0021】
培地中の油性物質の初発の含有量は、特に制限されないが、効率的なソフォロリピッドの生産の点から、1%(w/v)以上、更に5%(w/v)以上であることが好ましく、また、20%(w/v)以下、更に15%(w/v)以下であることが好ましい。また、1〜20%(w/v)が好ましく、更に5〜20%(w/v)であることが好ましい。
【0022】
本発明で用いられる培地には、成分(A)、(B)の他に、微生物が資化し得る炭素源、窒素源、無機塩類、その他必要な栄養源等を適宜用いることができる。また、ソフォロリピッドの発酵培地として従来公知の培地を用いることができ、例えば、YM培地等の市販の固体培地又は液体培地を用いることができる。
炭素源としては、例えば、糖類(グルコース、アラビノース、キシロース、マンノース、フラクトース、ガラクトース、シュークロース、マルトース、ラクトース、ソルビトール、マンニトール、イノシット、グリセリン、可溶性澱粉、廃糖蜜、転化糖等)、酢酸等の資化しうる有機酸、エタノール等の低級アルコール類等が挙げられる。なかでも、増殖の点、ソフォロリピッドの生産の点から、糖類、更にグルコースを含有するのが好ましい。
培地中の初発の糖類の含有量は、増殖の点から、1〜15%(w/v)が好ましい。
窒素源としては、例えば、アンモニア、無機・有機アンモニウム塩、尿素、コーングルテンミール、大豆粉、酵母エキス、肉エキス、魚肉エキス、ポリペプトン、ペプトン、各種アミノ酸、ソイビーンミール等が挙げられる。
【0023】
本発明において、ソフォロリピッドを生産する能力を有する微生物を用いて発酵によりソフォロリピッドを得る工程では、該微生物が増殖する条件下で培養しつつソフォロリピッドを発酵生産させてもよく、また、休止菌体の状態、すなわち該微生物の生育、増殖を止めた状態で培養、反応させて、ソフォロリピッドを発酵生産させてもよい。増殖に必要とする時間の点からは、休止菌体の状態でソフォロリピッドを生産させることが好ましい。
休止菌体を用いる場合、ソフォロリピッドを生産する能力を有する微生物の濃度は660nmでの吸光度(OD660)として、10〜200が好ましい。また、休止菌体の状態で培養、反応を行う時間としては50〜200時間が好ましい。
【0024】
培養条件としては、ソフォロリピッドを生産する能力を有する微生物によりソフォロリピッドが発酵生産される条件であればよい。
培養方法は、好気的条件下が好ましく、通気攪拌培養、振盪培養等の一般的な方法を適用することができる。
培養温度は、通常、20〜33℃が好ましく、25〜30℃がより好ましく、更に28〜30℃が好ましい。このとき培養液の初発pH(30℃)は2〜7が好ましく、3〜6がより好ましい。
【0025】
培養液のpHを調整する緩衝剤としては、例えば、炭酸、酢酸、クエン酸、フマル酸、リンゴ酸、乳酸、グルコン酸、酒石酸等の有機酸又はその塩、リン酸、塩酸、硫酸等の無機酸又はその塩、水酸化ナトリウム等の水酸化物、アンモニア又はアンモニア水等が挙げられ、これらを単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0026】
このような培養により、培地中にソフォロリピッドが蓄積するので、培養終了後、適当な分離・精製手段により培地からソフォロリピッドを採取することができる。
例えば、酢酸エチル等を用いた溶剤抽出後、分別沈殿、液液分配、カラムクロマトグラフ及び高速液体クロマトグラフ等を単独或いは組み合わせて用いることによりソフォロリピッドを取得することができる。
【0027】
本発明によれば、15〜50%、より好ましくは18〜45%の変換率で基質からソフォロリピッドを製造することができる。
ソフォロリピッド変換率とは、培養液に含まれるソフォロリピッド生産モル量を、ソフォロリピッドの発酵生産にあたり培地に仕込んだ油性物質基質、つまり、初期仕込み油性物質の総モル量で割った値である。ソフォロリピッド変換率の算出方法の詳細は実施例に記載した。
【0028】
本発明により得られるソフォロリピッドは、界面活性剤、化粧品基材、各種中間体の原料等としての利用が期待される。
【実施例】
【0029】
以下の実施例及び比較例において、モル%を除き「%」は「%(w/v)」を意味する。
【0030】
〔ソフォロリピッドの分析〕
培養液10mLをサンプリングし、ヘキサン10mLで2回洗浄した後、酢酸エチル10mLで2回抽出し回収を行った。その後、溶媒を留去し、酢酸エチル画分の回収を行った。回収した酢酸エチル画分0.01gに対して、内部標準としてドデカンを用いて、メタノール1mL、濃塩酸0.03mLを添加し、100℃温浴バスにて2時間メタノール交換を行った。冷却後、飽和食塩水1mL、ヘキサン1.5mLを添加し混合を行い、静置後にヘキサン相を回収した。得られたヘキサン相の溶媒を留去し、シリル化剤TMSI−Hを0.2mL添加し70℃で20分シリル化を行った後、水1.5mL、ヘキサン1.5mLを添加し混合を行い、静置後にヘキサン相を回収し、GC分析に供した。
【0031】
〔ソフォロリピッド変換率の算出〕
ソフォロリピッド変換率は次式により算出した。
変換率(%)=(培養液に含まれるソフォロリピッドモル量)/(初期仕込み油性物質の総モル量)×100
【0032】
〔培養方法〕
1.プレート培養
Candida bombicola NBRC10243株を用いた。
グルコース1%、酵母エキス1%、トリプトン1%、寒天1.5%を含む寒天培地のシャーレに種菌を1白金耳植菌し、温度30℃で2日間培養を行った。
【0033】
2.前培養
グルコース1%、酵母エキス1%、トリプトン1%を含む培養液100mLを坂口フラスコに入れ、121℃、20分加熱滅菌を行った。冷却後、プレートから1白金耳、植菌を行い、温度30℃、撹拌回転数120r/minの条件にて2日間撹拌培養を行った。
【0034】
3.本培養
グルコース10%、酵母エキス2%、尿素1.2%を含む培養液をpH5.0に調整し、1.2Lにメスアップした。培養液を全容2Lのジャーファーメンターにて滅菌後に、前培養液24mL植菌し、温度30℃、撹拌回転数600r/min、通気速度(通気量)0.6L/分の条件にて48時間撹拌培養を行った。
【0035】
4.菌の回収
本培養で得られた培養液を6,000r/min、20分間の遠心分離を行い、菌体を回収した。生理食塩水で懸濁後に再度6,000r/min、20分間の遠心分離を行い、菌体を回収した。回収した菌体を用いて休止菌体反応を行った。
【0036】
実施例1
油性物質としてパルミチン酸イソプロピル(融点12℃)0.21gとパルミチン酸(融点63℃)0.72gを含み、当該油性物質、グルコース10%、20mMリン酸Naバッファーからなる培地(pH4.0)を試験管に10mL入れ、121℃、20分高温で滅菌を行った。冷却後に回収した休止菌体をOD660nmが30になるように培地に投入し、温度30℃、撹拌回転数240r/minの条件で76時間培養を行った。
培養後、ソフォロリピッド変換率を求めたところ19.1%であった。
【0037】
実施例2
パルミチン酸イソプロピルを0.42g、パルミチン酸を0.54gに代えた以外は実施例1と同様に培養を行った。
培養後、ソフォロリピッド変換率を求めたところ22.9%であった。
【0038】
実施例3
パルミチン酸イソプロピルを0.63g、パルミチン酸を0.36gに代えた以外は実施例1と同様に培養を行った。
培養後、ソフォロリピッド変換率を求めたところ21.6%であった。
【0039】
実施例4
パルミチン酸イソプロピルを0.84g、パルミチン酸を0.18gに代えた以外は実施例1と同様に培養を行った。
培養後、ソフォロリピッド変換率を求めたところ20.4%であった。
【0040】
実施例5
パルミチン酸イソプロピルをn−ヘキサデカン(融点18℃)0.16gに代え、パルミチン酸0.72gにて実験を行った以外は実施例1と同様に培養を行った。
培養後、ソフォロリピッド変換率を求めたところ17.0%であった。
【0041】
実施例6
n−ヘキサデカンを0.32g、パルミチン酸を0.54gに代えた以外は実施例5と同様に培養を行った。
培養後、ソフォロリピッド変換率を求めたところ19.7%であった。
【0042】
実施例7
n−ヘキサデカンを0.48g、パルミチン酸を0.36gに代えた以外は実施例5と同様に培養を行った。
培養後、ソフォロリピッド変換率を求めたところ20.5%であった。
【0043】
実施例8
n−ヘキサデカンを0.64g、パルミチン酸を0.18gに代えた以外は実施例5と同様に培養を行った。
培養後、ソフォロリピッド変換率を求めたところ21.9%であった。
【0044】
比較例1
パルミチン酸0.90gにて実験を行った以外は実施例1と同様に培養を行った。
培養後、ソフォロリピッド変換率を求めたところ14.5%であった。
【0045】
比較例2
パルミチン酸イソプロピル1.05gにて実験を行った以外は実施例1と同様に培養を行った。
培養後、ソフォロリピッド変換率を求めたところ17.3%であった。
【0046】
比較例3
n−ヘキサデカン0.80gにて実験を行った以外は実施例1と同様に培養を行った。
培養後、ソフォロリピッド変換率を求めたところ16.6%であった。
【0047】
各実施例、比較例の条件と結果を表1と表2に示す。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
表1及び表2に示すように、基質として、培養温度下で液体状の油性物質と固体状の油性物質を特定の比率で組み合わせることにより、高い変換率でソフォロリピッドが得られることが確認された。他方、液体状の油性物質のみ、或いは固体状の油性物質のみでは基質からソフォロリピッドへの変換速度が遅く、また固体状の油性物質のみでは培養時に泡量が多くなり、培養が困難であった。