特許第6611227号(P6611227)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社アマダの特許一覧

<>
  • 特許6611227-NC機械制御システム 図000002
  • 特許6611227-NC機械制御システム 図000003
  • 特許6611227-NC機械制御システム 図000004
  • 特許6611227-NC機械制御システム 図000005
  • 特許6611227-NC機械制御システム 図000006
  • 特許6611227-NC機械制御システム 図000007
  • 特許6611227-NC機械制御システム 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6611227
(24)【登録日】2019年11月8日
(45)【発行日】2019年11月27日
(54)【発明の名称】NC機械制御システム
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/4067 20060101AFI20191118BHJP
   B23Q 15/00 20060101ALI20191118BHJP
【FI】
   G05B19/4067
   B23Q15/00 D
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-107554(P2015-107554)
(22)【出願日】2015年5月27日
(65)【公開番号】特開2016-224533(P2016-224533A)
(43)【公開日】2016年12月28日
【審査請求日】2018年4月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】390014672
【氏名又は名称】株式会社アマダホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100100712
【弁理士】
【氏名又は名称】岩▲崎▼ 幸邦
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】瀬頭 信幸
【審査官】 稲垣 浩司
(56)【参考文献】
【文献】 特開平02−050703(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/4067
B23Q 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のパーツを順次に加工する加工機と、前記加工機の加工動作に同期して動作する周辺機器と、前記加工機および前記周辺機器と連結して制御するコントローラからなるNC機械制御システムであって、
前記加工機は、前記加工機において複数のパーツを順次に加工する毎に前記周辺機器に動作指令するNCプログラムにより制御され、
前記周辺機器は、前記NCプログラムで動作指令される順序に動作制御するために必要な情報を並べた動作データを参照して制御され、
前記コントローラは、前記加工機が加工途中に中断した場合に加工を再開するための修正後のNCプログラム及び修正後の動作データを作成する再開データ作成機能を有し、前記修正後のNCプログラムを前記加工機に転送すると共に、前記修正後の動作データを前記周辺機器に転送することを特徴とするNC機械制御システム。
【請求項2】
前記周辺機器が、前記加工機による加工済みのパーツを順次に搬出する搬出装置からなり、前記周辺機器を動作制御するための動作データが、前記加工済みのパーツを順次に搬出するための搬出データからなることを特徴とする請求項1記載のNC機械制御システム。
【請求項3】
前記再開データ作成機能が、加工再開位置を任意に指定する処理と、前記指定された加工再開位置におけるモーダル情報を前記NCプログラムから算出して修正後のNCプログラムに出力する処理と、前記指定された加工再開位置以降の加工プログラムを前記NCプログラムから呼び出して修正後のNCプログラムに出力する処理と、前記指定された加工再開位置における搬出回数を計算する処理と、前記搬出回数分の搬出情報を先頭から削除して修正後の搬出データを作成する処理と、を含むことを特徴とする請求項2に記載のNC機械制御システム。
【請求項4】
複数のパーツを順次に加工する加工機と、加工済みのパーツを順次に搬出する搬出装置と、前記加工機および前記搬出装置と連結して制御するコントローラからなるNC機械制御システムであって、
前記加工機は、前記加工機において複数のパーツを順次に加工する毎に前記搬出装置に搬出指令するNCプログラムにより制御され、
前記搬出装置は、前記NCプログラムで搬出指令される順序に搬出制御するために必要な情報を並べた搬出データを参照して制御され、
前記コントローラは、前記加工機が加工途中に中断した場合に加工を再開するための修正後のNCプログラム及び修正後の搬出データを作成する再開データ作成機能を有し、
前記再開データ作成機能は、
加工再開位置を任意に指定する処理と、
前記指定された加工再開位置におけるモーダル情報を前記NCプログラムから算出して修正後のNCプログラムに出力する処理と、
前記指定された加工再開位置以降の加工プログラムを前記NCプログラムから呼び出して修正後のNCプログラムに出力する処理と、
前記指定された加工再開位置における搬出回数を計算する処理と、
前記搬出回数分の搬出情報を先頭から削除して修正後の搬出データを作成する処理と、
を含むことを特徴とするNC機械制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工プログラムや周辺機器の動作データに基づいて、加工機およびその周辺機器の動作を制御するNC機械制御システムに関し、特に、加工動作が中断した場合にも、指定した加工再開位置から加工動作が再開するように加工機および周辺機器を制御することができるNC機械制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、NC機械制御システムにおいては、加工プログラムや周辺機器の動作データに基づいて、加工機およびその周辺機器の自動加工動作中に、特急品の割り込みにより加工動作が中断する場合やトラブルが発生してシート等の被加工部材の加工動作が中断する場合があった。
【0003】
そのような場合、加工プログラムのどのブロックの加工途中であるかを表示器へカーソル表示等しており、オペレータがカーソル表示等された情報を参照して手入力で加工プログラムを修正編集(GoTo文等を挿入)して加工の途中から再開させていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−286720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記したように加工プログラムのどのブロックに対応する加工途中であるかをカーソル表示等で表示された時に、オペレータはその表示を参照して加工プログラムの内容を理解するための検討を行わなければならず面倒であり、時間的な損失も大きく、オペレータの負担も増大する問題があった。
【0006】
さらに、加工機と共に、例えば、ワーク搬送機等の周辺機器が、加工動作に同期して動作している場合、その周辺機器の動作もリセットしなければならず、さらにオペレータの負担を増大させていた。
【0007】
本発明は、上記した事情に着目してなされたものであり、その目的とするところは、加工動作が中断した場合に、加工機による加工動作の再開と共に、周辺機器としての搬出装置の動作も再開されるように、加工機および搬出装置を自動的に制御することができるNC機械制御システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上述の問題を解決するためのものであり、請求項1に係る発明は、複数のパーツを順次に加工する加工機と、前記加工機の加工動作に同期して動作する周辺機器と、前記加工機および前記周辺機器と連結して制御するコントローラからなるNC機械制御システムであって、
前記加工機は、前記加工機において複数のパーツを順次に加工する毎に前記周辺機器に動作指令するNCプログラムにより制御され、
前記周辺機器は、前記NCプログラムで動作指令される順序に動作制御するために必要な情報を並べた動作データを参照して制御され、
前記コントローラは、前記加工機が加工途中に中断した場合に加工を再開するための修正後のNCプログラム及び修正後の動作データを作成する再開データ作成機能を有し、前記修正後のNCプログラムを前記加工機に転送すると共に、前記修正後の動作データを前記周辺機器に転送することを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、前記周辺機器が、前記加工機による加工済みのパーツを順次に搬出する搬出装置からなり、前記周辺機器を動作制御するための動作データが、前記加工済みのパーツを順次に搬出するための搬出データからなることを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明では、請求項2の発明において、前記再開データ作成機能が、加工再開位置を任意に指定する処理と、前記指定された加工再開位置におけるモーダル情報を前記NCプログラムから算出して修正後のNCプログラムに出力する処理と、前記指定された加工再開位置以降の加工プログラムを前記NCプログラムから呼び出して修正後のNCプログラムに出力する処理と、前記指定された加工再開位置における搬出回数を計算する処理と、前記搬出回数分の搬出情報を先頭から削除して修正後の搬出データを作成する処理と、を含むことを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明では、複数のパーツを順次に加工する加工機と、加工済みのパーツを順次に搬出する搬出装置と、前記加工機および前記搬出装置と連結して制御するコントローラからなるNC機械制御システムであって、
前記加工機は、前記加工機において複数のパーツを順次に加工する毎に前記搬出装置に搬出指令するNCプログラムにより制御され、
前記搬出装置は、前記NCプログラムで搬出指令される順序に搬出制御するために必要な情報を並べた搬出データを参照して制御され、
前記コントローラは、前記加工機が加工途中に中断した場合に加工を再開するための修正後のNCプログラム及び修正後の搬出データを作成する再開データ作成機能を有し、
前記再開データ作成機能は、
加工再開位置を任意に指定する処理と、
前記指定された加工再開位置におけるモーダル情報を前記NCプログラムから算出して修正後のNCプログラムに出力する処理と、
前記指定された加工再開位置以降の加工プログラムを前記NCプログラムから呼び出して修正後のNCプログラムに出力する処理と、
前記指定された加工再開位置における搬出回数を計算する処理と、
前記搬出回数分の搬出情報を先頭から削除して修正後の搬出データを作成する処理と、
を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
加工動作が中断した場合にも、加工機による加工動作の再開と共に、周辺機器としての搬出装置の動作も再開されるように、加工機および搬出装置を自動的に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明を実施したNC機械制御システムの全体概略を示す機能ブロック図である。
図2図1に示したNC機械制御システムにおける加工機5および周辺機器6およびシステムコントローラ7の加工再開動作のフローチャートである。
図3】加工再開動作における一連のNCプログラムおよびSY2データの一例を示す説明図である。
図4】システムコントローラ7に表示されたシート再加工画面の一例を示す説明図である。
図5】システムコントローラ7に表示されたシート再加工画面の一例を示す説明図である。
図6図2のステップ131の再開データ作成機能におけるNCプログラム修正処理のフローチャートである。
図7図2のステップ131の再開データ作成機能におけるSY2データ修正処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本発明を実施したNC機械制御システムの全体概略を示す機能ブロック図である。
【0015】
このNC機械制御システムは、自動プログラミング装置、ホストコンピュータ、MMC等を適用し得る外部コンピュータ1と、外部コンピュータ1により作成された加工プログラムや種々のデータを記憶する記憶手段としてのデータベース3と、データベース3よりの情報(加工プログラムおよびSY2データ)に従って加工機5および周辺機器としての搬出装置6を制御するシステムコントローラ7とがネットワーク9を介して接続され、システムコントローラ7に加工機5および搬出装置6が並列に接続されている。
【0016】
なお、加工機5は、システムコントローラ7よりのNCプログラムにより加工動作を行うためのNC装置を有しており、搬出装置6は、システムコントローラ7よりのSY2データ(搬出データ)により加工機5の加工動作に同期して製品の搬出動作するための駆動制御部を有している。
【0017】
また、システムコントローラ7は、後述するシート再加工画面等を表示し、オペレータの指示を入力する入力表示装置を有している。
【0018】
この実施形態では、加工機5は、例えば、シート(被加工部材)をレーザ加工するレーザ加工機からなり、搬出装置6は、加工機5に対してシートを搬入・搬出するTK装置からなるが、他の加工機あるいは周辺装置に適用することも可能である。
【0019】
図1に示したNC機械制御システムにおいては、データベース3よりの加工プログラムやSY2データ(周辺機器の動作データ、ここでは搬出データ)に基づいて、加工機5および搬出装置6の動作が制御されるようになっている。
【0020】
NC機械制御システムにおいては、特急品の割り込みにより加工動作が中断した場合やトラブルが発生して加工動作が中断した場合に、指定した加工再開位置から加工動作を再開するように加工機5および搬出装置6の加工再開動作が制御される。
【0021】
次に、図2のフローチャートを参照して、NC機械制御システムにおける加工機5および搬出装置6およびシステムコントローラ7の加工再開動作について説明する。
【0022】
図2は、NC機械制御システムにおける加工機5および搬出装置6およびシステムコントローラ7の加工再開動作のフローチャートであり、図3〜7は、NC機械制御システムにおける加工機5および搬出装置6およびシステムコントローラ7の加工再開動作の説明図である。
【0023】
図2のステップ101において、まず、システムコントローラ7は、搬出装置6へSY2データ(搬出データ)を転送し、ステップ103において、搬出装置6の駆動制御部は、その転送されたSY2データを受信する。
【0024】
次に、ステップ105において、システムコントローラ7は、加工機5へNCプログラムを転送し、ステップ107において、加工機5のNC装置は、その転送されたNCプログラムを受信する。
【0025】
ステップ109において、システムコントローラ7から加工機5へ加工開始指令が送られると、ステップ111において、加工機5のNC装置は、NCプログラムによる自動運転を開始し、ステップ113において、加工機5のNC装置は、NCプログラムにおける当該行の加工を実行する。
【0026】
図3は、加工再開動作における一連のNCプログラムおよびSY2データの一例を示す説明図である。
【0027】
図3に示すように、NCプログラムとSY2データとは相互に関連しており、加工機5により加工された製品を、搬出装置6が搬出するようになっている。
【0028】
図2に戻り、次に、ステップ115において、加工機5のNC装置は、NCプログラムにおいて搬出装置6に製品の搬出を指令する搬出指令(M32)があるか否かを判定し、搬出指令(M32)があると判定された場合、ステップ117において、加工機5のNC装置は、搬出装置6に製品の搬出を指令する。
【0029】
ステップ119において、搬出装置6の駆動制御部は、加工機5側よりの搬出指令を受信すると、SY2データから搬出指令と対になる搬出情報を読み込み、指定された搬出位置に搬出機器を移動させ、製品を吸着して搬出し(ステップ121)、搬出が完了すると、搬出完了を加工機5側へ送る(ステップ123)。
【0030】
次に、ステップ125において、加工機5のNC装置は、搬出完了を待つ状態で、搬出装置6側から搬出完了を受け取る。
【0031】
ステップ113においての加工実行中あるいはステップ125で完了を待つ搬出装置6における搬出実行中に処理を中断し、ステップ127において加工機5のNC装置により加工動作が中断したことを認識した場合、ステップ129において、システムコントローラ7は、中断したプログラムの行およびエラー番号等を受け取り、ステップ131において、再開データ作成機能を起動する。
【0032】
ステップ127において加工動作が中断しない場合、ステップ133において、加工機5のNC装置は、実行したNCプログラムの行が最終行か否かを判定し、実行したNCプログラムの行が最終行である場合、ステップ135において、加工機5のNC装置は、システムコントローラ7に加工の完了を伝え、ステップ137において、システムコントローラ7は、終了状態が正常終了である場合の通常終了処理を行う。
【0033】
また、ステップ133において、実行したNCプログラムの行が最終行でない場合、ステップ139において、加工機5のNC装置は、NCプログラムの次の行に移り、ステップ113へ戻る。
【0034】
次に、図4図7を参照して、ステップ131におけるシステムコントローラ7による再開データ作成機能について説明する。
【0035】
まず、システムコントローラ7による再開データ作成機能が起動される前に、オペレータによる加工再開位置の選択処理が行われる。図4および図5は、システムコントローラ7の入力表示装置に表示されたシート再加工画面の一例を示す説明図である。
【0036】
図4に示すように、シート再加工画面は、被加工部材としてのシート上の各加工パーツA,B,C,Dを図示する画面Xと、画面Xに示された加工パーツA,B,C,Dの加工プログラムを示す画面Yと、加工再開位置の指定や作成および閉じる等の指示の指示ボタンが示された画面Zとからなっている。
【0037】
例えば、図4に示すように、画面Xにおいて加工パーツBの途中で加工が中断した中断マークFのあるシート再加工画面が、システムコントローラ7の入力表示装置に表示された場合、オペレータは、シート再加工画面に表示された画面Zを使って再加工開始位置および再加工終了位置の指示入力を行う。この場合、オペレータは、再加工開始位置として、加工パーツBの先頭要素を選択し、再加工終了位置として、加工パーツDの最後尾要素を選択して指示入力を行う。
【0038】
なお、再加工開始位置として、加工パーツBの先頭要素を選択し、再加工終了位置として、加工パーツDの最後尾要素を選択して指示入力を行うと、図5に示すようなシート再加工画面がシステムコントローラ7の入力表示装置に表示される。
【0039】
なお、図4に示す例では加工再開位置が1つであるが、加工再開位置が複数(この場合2つ)の場合もあり、この場合、複数の加工再開位置のそれぞれに対して、再加工開始位置および再加工終了位置の指示入力を行う。
【0040】
図6は、図2のステップ131の再開データ作成機能におけるNCプログラム修正処理のフローチャートであり、図7は、図2のステップ131の再開データ作成機能におけるSY2データ修正処理のフローチャートである。
【0041】
ここでは、加工再開位置以降の加工が可能となるように修正NCプログラムおよび修正SY2データを作成する。
【0042】
図6のステップ201において、システムコントローラ7は、修正前NCプログラムを1行読み込み、ステップ202において、読み込んだ修正前NCプログラムの行が、NCプログラムにおける加工再開位置の行の前か否を判定する。
【0043】
ステップ202において読み込んだ修正前NCプログラムの行が加工再開位置の行の前である場合、ステップ203において、システムコントローラ7は、再加工に必要なモーダル情報を更新して内部情報として保持する。
【0044】
ここで、モーダル情報とは、再加工に必要なデータのことであり、例えば、図3に一部が表示されるように、リポ移動量を考慮し座標値を補正し出力される指令(G92等)、元にあった場合必ず再出力する指令(M102,G92等)、レーザー切断条件(E003等)、加工再開位置の状況によって出力されるMコード、レーザー開始指令:M100、TK装置指令:M31,383等、パンチモーダルMコード:M08,120等、金型Mコード:M690,696等、再加工以降で使用されるUV定義、モーダル座標情報からなる。
【0045】
ステップ201において読み込んだ修正前NCプログラムの行が加工再開位置の行であるとステップ205で判定した場合、ステップ209において、システムコントローラ7は、ステップ203で内部情報として更新されて蓄えられたモーダル情報をまとめて修正NCプログラムとする。
【0046】
ステップ201において読み込んだ修正前NCプログラムの行が加工再開位置の行の前ではない場合、ステップ205において、システムコントローラ7は、読み込んだ修正前NCプログラムの行が加工再開位置の行であるか否かを判定し、読み込んだ修正前NCプログラムの行が加工再開位置の行ではない場合、ステップ207において、システムコントローラ7は、修正前NCプログラムをそのまま修正NCプログラムとする。
【0047】
次に、ステップ211において、システムコントローラ7は、読み込んだ修正前NCプログラムの行が最終行か否かを判定し、読み込んだ修正前NCプログラムの行が最終行である場合、処理を終了し、読み込んだ修正前NCプログラムの行が最終行でない場合、ステップ213において、次の行へ移行し、ステップ201に戻る。
【0048】
次に、図7を参照して、図2のステップ131の再開データ作成機能におけるSY2データ修正処理について説明する。
【0049】
図7のステップ301において、システムコントローラ7は、修正前NCプログラムにおける加工再開位置の行に至る搬出指令(M32)の回数をチェックし、搬出指令(M32)の回数が0より大きいか否かを判定し、搬出指令(M32)の回数が0より大きい場合、ステップ303において、システムコントローラ7は、修正前SY2データのヘッドデータ(HEADER−INFO:図3参照)を修正後SY2データのファイルに出力する。
【0050】
ここで、システムコントローラ7は、ヘッドデータ(HEADERINFO)におけるPDNUMを、PDNUMから搬出指令回数を減算したものに更新する。
【0051】
次に、ステップ305において、システムコントローラ7は、修正前SY2データにおけるPDxxxxを、上から搬出指令回数だけ削除し、それ以降のPDxxxxを、1から発番し直し、ステップ307において、修正前SY2データにおける他のデータは修正せずに修正後SY2データのファイルに出力する。
【0052】
ステップ301において搬出指令(M32)の回数が0より大きくない場合、ステップ309において、システムコントローラ7は、修正前SY2データをそのまま修正せずに修正後SY2データのファイルに出力する。
【0053】
このように、本実施形態によれば、特急品の割り込みにより加工動作が中断した場合やトラブルが発生して加工動作が中断した場合にも、オペレータの指定した加工再開位置から加工動作を再開するように加工機5および搬出装置6を自動的に制御することができる。
【0054】
従って、加工動作が中断した場合に、加工機5による加工動作を再開と共に、搬出装置6の動作も再開されるので、オペレータは搬出装置6のリセットに伴う煩雑な操作から解放される。
【0055】
この発明は前述の発明の実施の形態に限定されることなく、適宜な変更を行うことにより、その他の態様で実施し得るものである。
【符号の説明】
【0056】
1 外部コンピュータ
3 データベース
5 加工機
6 周辺装置(搬出装置)
7 システムコントローラ
9 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7