特許第6611266号(P6611266)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6611266
(24)【登録日】2019年11月8日
(45)【発行日】2019年11月27日
(54)【発明の名称】住宅
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/70 20060101AFI20191118BHJP
   F24F 7/10 20060101ALI20191118BHJP
【FI】
   E04B1/70 B
   F24F7/10 A
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-70497(P2017-70497)
(22)【出願日】2017年3月31日
(65)【公開番号】特開2018-172889(P2018-172889A)
(43)【公開日】2018年11月8日
【審査請求日】2018年3月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004673
【氏名又は名称】パナソニックホームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104134
【弁理士】
【氏名又は名称】住友 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100156225
【弁理士】
【氏名又は名称】浦 重剛
(74)【代理人】
【識別番号】100168549
【弁理士】
【氏名又は名称】苗村 潤
(74)【代理人】
【識別番号】100200403
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 幸信
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 寛
【審査官】 立澤 正樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−209631(JP,A)
【文献】 特開2014−051874(JP,A)
【文献】 米国特許第05954046(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地面、断熱された基礎及び1階の床で囲まれた前記地面と熱交換可能な床下空間と、前記床を介して前記床下空間の上に隣接配置された床上空間と、前記床下空間の空気を前記床上空間に供給するための換気手段とを具えた住宅であって、
前記基礎には、前記床下空間に外気を導入するための少なくとも1つの開口部が形成されており、
前記開口部の合計面積A(cm2)が、前記床上空間と前記床下空間との間を連通する床隙間の合計面積B(cm2)の1〜8倍とされている住宅。
【請求項2】
前記床隙間の合計面積Bを、前記床の面積で除した前記床の相当隙間面積であるC値が0.83cm2/m2以下である請求項1記載の住宅。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅に関し、詳しくは、床下空間の空気を床上空間に供給して換気が行われる住宅に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1は、床下空間の空気を、床を介して隣接する床上空間に供給して、換気を行うことが可能な住宅を提案している。この住宅は、床下空間に外気を導入するための基礎に設けられた開口部と、床下空間に導入された外気を床上空間に供給するためのファンを含む換気手段とを有している。このような換気手段は、ファンを駆動して、床下空間の空気(外気)を床上空間に供給するとともに、床上空間に供給された空気に相当する外気を、前記開口部から床下空間へと導入することを意図している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−209631号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、住宅の床には、床上空間と床下空間との間で空気が行き来可能な隙間(以下、「床隙間」という。)がやむを得ず存在している。従って、例えば、前記開口部の面積が十分でないと、ファンが駆動した場合に床下空間が負圧となり、床上空間の空気が床隙間を介して床下空間に取り込まれるため、換気効率を高めるには、さらなる改善の余地があった。
【0005】
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、換気効率を高めることができる住宅を提供することを主たる目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、地面、断熱された基礎及び1階の床で囲まれた前記地面と熱交換可能な床下空間と、前記床を介して前記床下空間の上に隣接配置された床上空間と、前記床下空間の空気を前記床上空間に供給するための換気手段とを具えた住宅であって、前記基礎には、前記床下空間に外気を導入するための少なくとも1つの開口部が形成されており、前記開口部の合計面積A(cm2)が、前記床上空間と前記床下空間との間を連通する床隙間の合計面積B(cm2)の1〜8倍とされていることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る前記住宅において、前記床隙間の合計面積Bを、前記床の面積で除した前記床の相当隙間面積であるC値が0.83cm2/m2以下であってもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明の住宅は、地面、断熱された基礎及び1階の床で囲まれた前記地面と熱交換可能な床下空間と、前記床を介して前記床下空間の上に隣接配置された床上空間と、前記床下空間の空気を前記床上空間に供給するための換気手段とを具えている。このような床下空間は、夏は前記外気よりも冷たく、かつ、冬は前記外気よりも暖かい空気を蓄えることができる。従って、本発明の住宅は、前記床下空間の空気を利用して、前記床上空間を換気できるため、空調効率を向上しうる。
【0009】
本発明の住宅では、前記開口部の合計面積A(cm2)が、前記床上空間と前記床下空間との間を連通する床隙間の合計面積B(cm2)の1〜8倍とされている。このように、本発明の住宅では、前記開口部の合計面積A(cm2)が床隙間の合計面積B(cm2)の1倍以上に限定されるため、前記開口部から前記床下空間に多くの外気を導入することができる。従って、本発明の住宅は、前記床上空間に前記外気を効率よく供給することができるため、換気効率を高めることができる。
【0010】
また、本発明の住宅は、前記開口部の合計面積A(cm2)が床隙間の合計面積B(cm2)の8倍以下に限定されるため、前記床下空間に導入される前記外気の量の増加に伴って、前記床下空間と前記床上空間との間の圧力差が大きくなるのを防ぐことができる。従って、本発明の住宅では、前記床下空間に導入された外気が、前記床上空間に必要以上に供給されるのを防ぐことができるため、過換気を防ぐことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の住宅の一例を示す断面図である。
図2図1の基礎、断熱材及び開口部の部分拡大図である。
図3】本発明の他の実施形態の住宅の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。図1は、本発明の住宅の一例を示す断面図である。なお、各図面は、発明の内容の理解を高めるためのものであり、誇張された表示が含まれる他、各図面間において、縮尺等は厳密に一致していない点が予め指摘される。
【0013】
本実施形態の住宅1は、例えば、優れた断熱性能を具えた工業化住宅として構成されている。なお、住宅1は、このような工業化住宅に限定されるものではない。本実施形態の住宅1は、床下空間2、床上空間3、及び、換気手段4を具えている。
【0014】
床下空間2は、地面6、基礎7、及び、1階の床8で囲まれて形成されている。
【0015】
本実施形態の地面6は、例えば、土間コンクリート等で仕上げられている。この地面6は、一年を通して温度変化が小さい地中熱が伝達されている。従って、床下空間2は、地面6(即ち、地中熱)と、床下空間2の空気(以下、単に「床下空気」ということがある。)Adとを熱交換可能に構成されている。これにより、床下空間2は、夏は外気Aoより冷たく、かつ、冬は外気Aoよりも暖かい床下空気Adを蓄えることができる。
【0016】
基礎7は、住宅1の外周に連続して配置されている。基礎7は、例えば、鉄筋コンクリート製の布基礎として構成されている。基礎7は、地中で水平にのびるベース部7Aと、該ベース部7Aの幅方向の略中央から上方へのび、かつ、地面6から突出する立上がり部7Bとを含んで構成されている。
【0017】
基礎7には、基礎7を断熱するための断熱材14が設けられている。従って、本実施形態の住宅1は、基礎断熱住宅として構成されている。本実施形態の断熱材14は、床下空間2側に水平にのびる水平部14Aと、基礎7の立上がり部7Bに沿って上下にのびる縦部14Bとを含んでおり、断面略L字状に構成されている。このような断熱材14は、基礎7を介して伝えられる外気Aoの熱を遮断することができるため、床下空気Adの温度変化を小さくすることができる。なお、断熱材14としては、例えば、ポリスチレンフォーム等が適宜採用されうる。
【0018】
基礎7には、開口部15が設けられている。本実施形態の開口部15は、屋外12と床下空間2との間において、基礎7の立上がり部7B及び断熱材14の縦部14Bを貫通する孔として構成されている。このような開口部15により、床下空間2には、新鮮な外気Aoが導入される。本実施形態の開口部15は、風圧力の影響を受け難くするために、一つのみ設けられている。なお、住宅1の大きさに応じて、複数の開口部15が設けられてもよい。この場合、開口部15は、基礎7の同一辺に複数設けられてもよい。
【0019】
図2は、図1の基礎7、断熱材14及び開口部15の部分拡大図である。本実施形態の開口部15において、立上がり部7Bの屋外12側の外側面7oで開口する第1部分15Aの第1面積S1と、縦部14Bの床下空間2側の内側面14iで開口する第2部分15Bの第2面積S2とが、同一に設定されている。また、立上がり部7B及び縦部14Bの厚さ方向において、開口部15の断面積S3が一定に形成されており、第1面積S1及び第2面積S2と同一に設定されている。従って、開口部15は、立上がり部7Bの外側面7oから縦部14Bの内側面14iにかけて、一定の大きさで貫通している。
【0020】
なお、開口部15は、第1面積S1と第2面積S2とが互いに異なるものでも良いし、立上がり部7B及び縦部14Bの厚さ方向において、断面積S3が変化するものでもよい。
【0021】
図1に示されるように、床8は、基礎7の立上がり部7B、7B間を、水平にのびている。本実施形態の床8は、例えば、複数の板パネル8aが並べられたフローリングとして構成されている。
【0022】
床上空間3は、床8を介して床下空間2の上に隣接配置されている。床上空間3は、床8、天井16、外壁17、及び、間仕切り壁18で囲まれて形成されており、本実施形態では、居室19、及び、トイレ等の非居室20を含んで構成されている。
【0023】
天井16は、床8の上方に配置されている。外壁17は、基礎7の立上がり部7Bの上に固定されている。間仕切り壁18は、外壁17、17間に配置されている。
【0024】
換気手段4は、床下空気Adを床上空間3に供給するためのものである。本実施形態の換気手段4は、空気流路21と、ファン22とを含んで構成されている。
【0025】
空気流路21は、例えば、住宅1の配管スペースに配置されるダクト23によって構成されている。なお、空気流路21は、例えば、間仕切り壁等で囲まれた空間(図示省略)によって構成されてもよい。空気流路21の一端は、床下空間2に連通している。空気流路21の他端は、床上空間3(居室19)に連通している。
【0026】
本実施形態のファン22は、床下空間2から空気流路21(床上空間3)に向かって送風する向きに設置されている。このようなファン22の駆動により、換気手段4は、床下空気Ad(外気Ao)を、床上空間3に供給することができる。また、床下空間2には、床上空間3に供給された空気(床下空気)Adに相当する外気Aoが、開口部15を介して床下空間2に導入される。床下空間2に導入された外気Aoは、地面6(即ち、地中熱)と熱交換される。
【0027】
また、床上空間3の空気(以下、単に「床上空気」ということがある。)Aiは、例えば、外壁17に設けられた換気口24や排気ファン25によって屋外12へ排出される。これにより、住宅1では、床上空間3が換気される。
【0028】
上述したように、床下空間2には、夏は外気Aoよりも冷たく、かつ、冬は外気Aoよりも暖かい床下空気Adが蓄えられている。従って、本実施形態の換気手段4は、このような床下空気Adを利用して、床上空間3を換気できるため、空調効率の向上に役立つ。
【0029】
本実施形態の住宅1では、換気効率を高めるために、開口部15の合計面積A(cm2)が、床隙間の合計面積B(cm2)の1〜8倍に限定されている。なお、従来の一般的な基礎断熱住宅では、開口部15の合計面積A(cm2)が、床隙間の合計面積B(cm2)の1倍未満である。
【0030】
開口部15の合計面積Aは、開口部15が一つのみ形成される場合、その開口部15の面積(cm2)に基づいて定義される。なお、開口部15が複数形成される場合には、それらの開口部15の合計面積(cm2)に基づいて、開口部15の合計面積Aが定義される。
【0031】
また、合計面積Aの計算に用いられる各開口部15の面積は、その開口部15の第1部分15A(図2に示す)の第1面積S1、第2部分15B(図2に示す)の第2面積S2、又は、開口部15の断面積S3によって定義される。なお、第1面積S1、第2面積S2、及び、断面積S3が互いに異なる場合には、最も小さい面積S1、S2又はS3に基づいて、各開口部15の面積が定義される。
【0032】
床隙間の合計面積Bとしては、図1に示した床上空間3において、床8以外の建築資材(天井16や外壁17等)を気密処理した状態で、JIS−A2201「送風機による住宅等の気密性能試験方法」に準拠し、床下空間2を室内とみなし、かつ、床上空間3を室外とみなして測定された隙間面積である。なお、床8の相当隙間面積であるC値が既知の場合には、このC値に、床8の面積(即ち、1階の床面積)が乗じられることにより、床隙間の合計面積Bが求められてもよい。
【0033】
本実施形態の住宅1では、開口部15の合計面積A(cm2)が、床隙間の合計面積B(cm2)の1倍以上に限定されているため、床下空間2に多くの外気Aoを導入することができる。これにより、本実施形態の住宅1は、外気Ao(床下空気Ad)を床上空間3に効率よく供給することができるため、0.5回/h以上の換気回数を確実に維持することができる。従って、本実施形態の住宅1は、換気効率を高めることができる。このような換気効率をさらに高めるために、開口部15の合計面積A(cm2)は、床隙間の合計面積B(cm2)の3倍以上が望ましい。
【0034】
また、本実施形態の住宅1では、開口部15の合計面積A(cm2)が、床隙間の合計面積B(cm2)の8倍以下に限定されている。これにより、本実施形態の住宅1は、床下空間2に導入される外気Aoの量の増加により、床下空間2と床上空間3との間の圧力差が大きくなるのを防ぐことができる。従って、本実施形態の住宅1では、圧力差の増加に起因して、床下空間2に導入された外気Aoが、床上空間3に必要以上に供給されるのを防ぐことができる。これにより、本実施形態の住宅1では、例えば0.8回/h以下の換気回数を維持することができ、過換気による空調効率の低下を防ぐことが可能となる。このような過換気を効果的に防ぐために、開口部15の合計面積A(cm2)は、床隙間の合計面積B(cm2)の5倍以下が望ましい。
【0035】
床8の相当隙間面積であるC値については、適宜設定することができる。なお、C値が大きいと、床下空間2に取り込まれる床上空気Ai(図1において、二点鎖線で示す。)の量が大きくなり、住宅1の換気効率を十分に高められないおそれがある。このような観点より、C値は、好ましくは0.83cm2/m2以下である。なお、床8の相当隙間面積であるC値は、床隙間の合計面積B(cm2)を、床8の面積(即ち、1階の床面積)で除することで求められる。
【0036】
上述のように、開口部15の合計面積A(cm2)に上限値(本実施形態では、床隙間の合計面積B(cm2)の8倍以下)が設定されていても、外気Aoと床上空間3との間の温度差が大きくなり、過換気が発生しやすくなる場合がある。このため、開口部15には、外気Aoと床上空間3との間の温度差に応じて、開口部15の合計面積A(cm2)を変化させるダンパーが設けられてもよい。図3は、本発明の他の実施形態の住宅1の一例を示す部分断面図である。この実施形態において、前実施形態と同一の構成については、同一の符号を付し、説明を省略することがある。
【0037】
この実施形態のダンパー26は、開口部15を開閉して、開口部15の面積(図2に示した第1部分15Aの第1面積S1、第2部分15Bの第2面積S2、又は、開口部15の断面積S3)を変化させるためのものである。ダンパー26は、各開口部15に設けられており、例えば、外気Aoの温度、及び、床上空間3の温度を測定可能なセンサーを具えた制御手段(図示省略)によって制御される。
【0038】
この実施形態の制御手段(図示省略)は、外気Aoと床上空間3との間の温度差が、予め定められた閾値以上の場合に、開口部15の合計面積A(cm2)が小さくなるように、ダンパー26を制御する。さらに、制御手段は、外気Aoと床上空間3との温度差が大きくなるほど、開口部15の合計面積A(cm2)が小さくなるように、ダンパー26を制御する。従って、この実施形態の住宅1は、外気Aoと床上空間3との温度差が大きくなるほど生じやすい過換気を、効果的に防ぐことができる。
【0039】
閾値については、例えば、開口部15の合計面積A(cm2)、及び、床上空間3(居室19)の大きさ等に応じて、適宜設定することができる。また、制御手段(図示省略)は、例えば、床下空間2と床上空間3との間の圧力差が大きくなるほど、開口部15の合計面積A(cm2)が小さくなるように、ダンパー26を制御するものでもよい。この場合、制御手段には、床下空間2の気圧、及び、床上空間3の気圧を、それぞれ測定可能なセンサーが設けられるのが望ましい。
【0040】
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
【実施例】
【0041】
図1に示した床下空間、床上空間、及び、換気手段を具えた住宅が、コンピュータで取り扱い可能なモデルとして作成された(実施例1〜6、比較例1〜3)。実施例1〜6のモデルでは、基礎に形成された開口部の合計面積A(cm2)が、床隙間の合計面積B(cm2)の1〜8倍に設定された。他方、比較例1のモデルでは、開口部の合計面積A(cm2)が、床隙間の合計面積B(cm2)の1倍未満に設定された。比較例2、3のモデルでは、開口部の合計面積A(cm2)が、床隙間の合計面積B(cm2)の8倍よりも大に設定された。
【0042】
そして、実施例1〜6のモデル、及び、比較例1〜3のモデルを用いて、開口部から外気を導入するとともに、床下空間の空気を床上空間に供給して換気するシミュレーションが実施された。そして、実施例1〜6のモデル、及び、比較例1〜3のモデルにおいて、住宅全体の換気回数(回/h)が計算された。換気回数が0.62回/h以上であると、換気効率が良好であることを示している。また、換気回数が0.80回/h以下であると、過換気を防ぐことができることを示している。共通仕様は、次のとおりである。
【0043】
1階床の面積:62.7m2
給気ファンの合計風量:90m3/h(冬期)
開口部の個数:1個
外気温:5℃
LDK:
室温:18.4℃、給気ファン配分:25m3/h
2階ホールの室温:13℃
和室:
室温:14℃、給気ファン配分:13m3/h
主寝室:
室温:14.6℃、給気ファン配分:13m3/h
洋室1:
室温:12.2℃、給気ファン配分:13m3/h
洋室2:
室温:16.1℃、給気ファン配分:13m3/h
書斎:
室温:13.3℃、給気ファン配分:13m3/h
玄関ホールの室温:13.4℃
洗面所の室温:14.3℃
浴室の室温:13.8℃
台所近傍の収納スペースの室温:13.8℃
1階トイレの室温:15.2℃
2階トイレの室温:11.9℃
納戸の室温:11.8℃
テスト結果を、表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
テストの結果、実施例1〜6は、比較例1に比べて、換気効率が良好であった。また、比較例2、3では、床上空間に外気が必要以上に供給されてしまい、過換気となった。従って、実施例1〜6は、床上空間の換気効率を高めつつ、過換気を防ぐことができた。
【符号の説明】
【0046】
1 住宅
2 床下空間
3 床上空間
6 地面
7 基礎
8 床
15 開口部
図1
図2
図3