【課題を解決するための手段】
【0019】
この課題を解決した本発明は以下のとおりである。
[請求項1記載の発明]
3Dレーザー・スキャナーを用いてトンネルの内空壁面を計測し、その計測により得られた点群のデータを、RANSAC(Random Sampling Consensus)を用いてノイズ及び外れ値を排除してトンネルの内空壁面断面形状の少なくとも一部の形状データに対し、線分、円弧の群から選ばれる基本的な平面図形を近似させる処理を行ない、前記基本的な平面図形の結合を含むトンネルの内空壁面の形状を推定することを特徴とするトンネル内空形状の把握方法。
[請求項2記載の発明]
3Dレーザー・スキャナーを用いてトンネルの内空壁面を計測し、その計測により得られた大規模点群データによるトンネルの内空壁面の形状の推定に用いるロバスト推定方法であって、
検査対象のトンネル線形断面から離隔して指定距離D1内の領域内にあるトンネルの内空壁面の3次元位置計測データを抽出し、
前記3次元位置計測データからトンネル検査断面への正射影投影点群を作成し、
前記トンネル線形断面におけるトンネル線形計画断面形状の輪郭線を構成する部分の図形の中からモデル・フィッティングの対象とする基本的な平面図形をモデル平面図形として選択してそのモデル平面図形を生成する回帰式とそのパラメータ変数とその個数sを特定し、
前記輪郭線からの所定の許容平面距離値D2以下の領域にある点を前記正射影投影点群から基本的な平面図形を構成し得る検索対象点群として抽出し、
前記パラメータ変数を特定できる前記s個からなる点の組を前記検索対象点群からランダムに選択してモデル平面図形の回帰式のパラメータを算出し、
トンネルの内空壁面の部分の当該検査対象のトンネル線形断面上で当該パラメータから生成されるモデル平面図形の回帰式が与える輪郭線から前記許容平面距離D2以下で所定の許容誤差範囲Eaの距離で定める限度の領域に含まれる前記正射影投影点群の点の数をカウントし、
前記s個からなる点の組を前記検索対象点群からランダムに選択して前記パラメータの算出を繰返し、
所定の統計確率上の要求精度から推定される回数に足りるかを判定し、
前記判定の条件を満たす繰返し数に達したならば、前記カウントの値が最大であった回帰式を選定し、
当該検査対象のトンネル線形断面上で当該回帰式が与える輪郭線から所定の平面距離D3離隔する限度の領域に含まれる投影点群を前記検索対象点群から最終抽出し、
最終抽出された当該投影点群を用いて回帰式のパラメータ変数を最小二乗法により決定し、
当該パラメータが規定する図形をトンネル内空断面の部分の実形状を表す平面図形としてトンネルの内空壁面の部分の形状を推定するRANSAC(Random Sampling Consensus)を含むトンネル内空形状の把握方法。
【0020】
[発明の作用効果]
計測されたトンネル内空壁面の断面形状を評価するに当たっては、取り扱い易くするために断面形状を基本的な図形に近似させるのが望ましい。基本的な図形は設計要素形状の一部から採用するのが好適である。しかし、トンネル坑内での測定では、トンネル内空壁面だけでなく作業員、重機、坑内設備、粉塵なども同時に測定してしまい、測定されたデータの中に内空壁面の基本的形状データ以外の不要なデータ(ノイズ)が含まれていることがある。内空壁面の断面形状を図形に適合させる際、これらのノイズの影響を除かないと、最も適切な図形に近似することは出来ない。本発明においては、ノイズの影響を抑えるためにRANSACを用いる。設計断面の形状に基づき、近似の対象とする範囲と近似させる図形を選択すれば、RANSACにより実際の内空壁面の形状に最も適合する図形を求めることができる(例: トンネル上半部を基本的な図形である円弧にフィッティングさせる)。
【0021】
複数のデータの分析に当たって、モデルの方程式である回帰式を求める方法としては最小二乗法が一般に用いられているが、データの中に外れ値(ノイズ)が含まれていると、最小二乗法では適切な結果が得られない場合がある。このような場合、ノイズの影響を排除して回帰式を求めるための方法にRANSACがある。
【0022】
ここでいうRANSACとは、処理対象点群より求めようとする図形を表す回帰式の未知数と同じ数sの点をランダムに抽出して、回帰式の未知数を求めることを繰り返す。この時、特定された回帰式による図形に一定の幅を与え、処理対象点群の中から、その幅の中に含まれる点数を数え、一定の幅中に含む点数の最も多いもの(外れ値の数が最も少ないs点の組み合わせによる回帰式)を推定値とする(幅については別途指定する)。
【0023】
したがって、上記の推定を繰り返した上で、指定範囲内にもっとも多くのデータを含むような推定を最も正しい推定とみなし、さらに、上記推定値を求めるのに使用された点群(外れ値以外の点群)から最小二乗法によりノイズ及び外れ値の影響を排除した最適な回帰式が得られる。
【0024】
本願発明では、RANSACを用いるにあたり、計画データを活用する。観測データよりトンネル断面構成図形を推定する工程において計画データの利用は必要条件ではない。よくあるトンネル断面は公知の基本的な幾何図形の組み合わせにより構成されているので計画データが存しない場合であっても、数学的にはRANSACの推定アルゴリズムにより推定も原理的には可能であるが、計画データを活用して、観測データの中から各構成図形毎に、その図形が存在するであろう位置(推定に使用すべき点群の検索範囲)を絞り込むことができれば、推定結果のロバスト性(信憑性)を高めることができる。この点、RANSACは、モデルへのフィッティングにランダムに当てはめを試行するアプローチを取るため、特に、計画データ採用によって、推定結果のロバスト性(信憑性)を高め、処理時間の短縮も可能となるという効果が得られる。
【0025】
[請求項3記載の発明]
前記基本的な平面図形は、線分、円弧の群から選ばれる請求項2のいずれかに記載のトンネル内空形状の把握方法。
【0026】
[発明の作用効果]
基本的な実施形態では、トンネルの上半部に適合する基本的な図形の円弧をフィッテングの基本図形として部分的な設計形状を採用して設計値との比較を簡便化するという効果を得る。このことは、実際の曲面を例えばスプライン・ベジェ曲線等の自由曲線や曲面、ポリゴンで把握して設計との対比をする場合を考えると明らかな利点として理解される。
断面形状を特定している各幾何学図形に相当する部分の実際の出来形を設計データと同じ種類の図形(円形、円弧、矩形又は線分等)に近似推定することができれば 意義があり、かつその工程により、トンネル観測点群の効率的で正確なフィルタリングが可能となる。その推定の工程において、円形は円弧へ還元し、矩形は線分に還元すれば、基本的な平面図形は、線分、円弧の群から選ばれるものとすれば足り、このようにトンネルの設計データを直接・概念的に活用する事により、高速で信頼性の高い内空断面管理を可能とする。
【0027】
[請求項4記載の発明]
前記RANSAC(Random Sampling Consensus)のランダムサンプリング回数は、
0.95から0.99の間の数値を結果に対する所定の要求精度pとするものであって、
検索対象点群の全点数をK、
検索対象点群の隣接点間平均距離をd、
モデル平面図形の線分長及び弧長をL、
選定点が回帰式の基礎にされない異常値である確率eを
【数1】
とみなし、
モデル平面図形のパラメータ数をsとし、
要求精度が求める回数Nを次式、
【数2】
によって算出してこれよりも大であることを繰返し数の判定条件とする請求項1又は2のいずれか一項に記載の方法。
【0028】
[発明の作用効果]
単純な場合で、異なる n 個のものから異なる m 個のものを選ぶ(このとき必然的に n 、 mは自然数でなければいけないが, このほかには何の制限も課されない)組合せというのを考えると、その選び方の総数はよく知られており、Combination の頭文字を取って、しばしば nCm または C(n, m) のような記号を使って表される。これは具体的には、 nCm = { n×(n-1)× ・・・ ×(n-m+1) } / { m×(m-1)× ・・・ ×1 }
という数値になる。
【0029】
従って、前記RANSACのランダムサンプリングの繰り返し計算においては、検査対象域内にある点群の数が多い時には計算コストが莫大になるが、結果に対する要求精度を特定できるときには確率論により、実用上問題のない繰り返し回数を求めるための次の関係式が証明されている。
【数3】
ここで、
N:要求精度が求める繰返し回数
p:結果に対する所定の要求精度p(0.95から0.99の間の数値)
e:選定点が回帰式の基礎にされない異常値である確率
s:モデル図形のパラメータ数
【0030】
繰り返し回数Nは、確率論により、結果に対する所定の要求精度p、選定点が回帰式の基礎にされない異常値である確率及びモデル図形のパラメータ数を定めるために必要な選定点数sにより算出され得る。繰り返し回数Nを算出するパラメータのうち要求精度pは、0.95から0.99の範囲で施工管理の精度、RANSAC計算所要時間との見合いで決定すればよく、モデル図形のパラメータ数を定めるために必要な選定点数sもモデル図形が円であれば3であり、線分であれば2とモデル図形の選択により一義的に定まる。一方、選定点が回帰式の基礎にされない異常値である確率 e についての一般式は存在せず、本願発明では、eを本請求項で規定しRANSAC(Random Sampling Consensus)のランダムサンプリング回数の最低繰返し回数を定める。eの決定に際して、
1)最低繰り返し回数を実用的な回数で定められるという効果及び大規模点群に適用しても試行回数の増大を招かず実用的な時間で解析を可能とする効果を奏すること、
2)トンネルの内空計測断面全体を分割して基本的図形に還元して、モデル図形の探索対象の検査対象域内にある点群の数を減じてRANSAC試行回数を少なくする工夫と合わせ、大規模点群に適用しても総合的に試行回数の増大を招かず実用的な時間で解析を可能とする効果を奏すること、
を目的とする。
【0031】
選定点が回帰式の基礎にされない異常値である確率は以下のように定めた。
モデル図形の線分長及び弧長がLの場合には、検索対象点群の隣接点間平均距離をdとして、L/d個の検索対象範囲にある点数が推定図形の決定に使用されるものと見積もられる。
【0032】
そうすると推定図形の決定に使用されない点数は、 K−L/d である。
したがって、ある点が回帰式の基礎にされない確率 e は、(K−L/d)/Kとなる。
これが、本請求項でみなし規定する、選定点が回帰式の基礎にされない異常値である確率eであり、e、sを基礎として所定の要求精度pを満たす繰返し回数Nは、確率論により、上式のとおりとされる。
【0033】
以上のように、本請求項に係る発明は、
前記検索対象点群の全点数をK、
前記検索対象点群の隣接点間平均距離をd、
モデル図形の線分長及び弧長をLとして、
選定点が回帰式の基礎にされない異常値である確率eは
【数4】
とみなして、基本的図形の選択と検索対象点群の全個数を元に、選定点が回帰式の基礎にされない異常値である確率eを定めて、最低繰り返し回数を実用的な本請求項記載のNで定められるという効果を与え、トンネルの内空計測断面全体を分割してRANSAC試行回数を少なくする工夫をして大規模点群に適用しても試行回数の増大を招かず実用的な時間で解析を可能とする効果を与える具体的な手段を開示する。
【0034】
[請求項5記載の発明]
請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法により得たトンネルの内空壁面の前記基本的な平面図形の形状、寸法の図形パラメータに基づき、トンネルの中心点の座標を求めるトンネル中心点算出工程とトンネル中心点算出工程を、トンネル方向に所定の間隔をもって複数の断面で行い、複数の断面におけるトンネル中心点をトンネル基盤面上へ正射影した点をトンネル中心投影点とし、求められた全てのトンネル中心投影点を順次結んでいくことで得られる連続した線分として、トンネル線形を求めるトンネル線形算出工程を含むことを特徴とするトンネル線形の把握方法。
【0035】
[発明の作用効果]
内空壁面の形状を表す点群データから推定された基本的な図形形状、寸法決定の図形パラメータに基づき、トンネルの中心点の座標を求め計測中心点としてトンネル中心点をトンネル基盤面上へ正射影した点をトンネル中心投影点とし、これを順次結んで連続した線分をトンネル線形の実際値とする。トンネル線形を基準として計画との対比が様々に可能となる。
【0036】
[請求項6記載の発明]
請求項5の方法により得た前記トンネル線形と、設計トンネル線形とを比較し、それらの差異に基づきトンネル線形管理を行うことを特徴とするトンネル線形管理方法。
【0037】
[発明の作用効果]
トンネル線形により実際値と設計値を比較することを可能とする効果が得られる。
【0038】
[請求項7記載の発明]
請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法により得たトンネルの内空壁面の形状、寸法、図形パラメータに基づき、トンネルの中心点の座標を求め、このトンネルの中心点座標の経時変化を把握することにより、その断面の位置におけるトンネルの経時的挙動を把握し、この断面の位置におけるトンネルの経時的挙動把握をトンネル方向に所定の間隔をもって複数の断面で行い、トンネル方向の少なくとも部分範囲のトンネル挙動を監視することを特徴とするトンネル挙動監視方法。
【0039】
[発明の作用効果]
一実施形態では、例えば、局所的な変形を把握可能とする。
【0040】
[請求項8記載の発明]
3Dレーザー・スキャナー3次元座標計測手段を用いて:
所定の角度毎にトンネル内空壁面に水平方向及び周方向にパルス・レーザービームを走査・照射するステップと;
絶対座標の基準となる少なくとも二つの不動点からの3Dレーザー・スキャナーの座標算出手段によって絶対座標を求めるステップと;
前記パルス・レーザービームの反射光を検知する手段によってパルス・レーザービーム照射から反射光のセンサ―による検知までの時間と光速からトンネル内空壁面の測定対象点と3Dレーザー・スキャナーの距離を算出し、レーザービームの照射角及び3Dレーザー・スキャナーの前記絶対座標からトンネル内壁計測点の位置を算出する絶対座標算出手段によって計測点の三次元絶対座標を算出するステップ及び;
3Dレーザー・スキャナーのデータ出力手段により複数の前記計測点の点群の三次元絶対座標データを電子データとして出力して伝送する手段により次の正射影点群データ加工段階へ電子データを提供するステップ、
を含む第一の空間点群データ取得レーザー計測段階を含み、
三次元空間データ加工手段を用いて:
前記第一の空間点群データ取得レーザー計測段階から前記点群の三次元絶対座標をデータ入力手段によって計測点群として受取るステップと;
トンネル線形計画データをデータ入力手段によって収納し、計画トンネル線形上の所定の測点に垂直な断面を検査トンネル断面と設定するステップと;
前記検査トンネル断面に近接する軸方向の前記指定距離D1内の計測点を群として抽出する手段によって検査対象の点群を抽出するステップと、及び;
正射影データ加工手段によって前記抽出された点群の前記検査トンネル断面上への正射影の投影点群を求め、前記投影点群の座標を次のRANSAC(Random Sampling Consensus)法処理段階に提供するステップを含む第二の正射影点群データ加工段階をさらに含み、
RANSAC(Random Sampling Consensus)解析手段を用いて:
インタラクティブ表示入力手段により前記検査トンネル断面におけるトンネル計画断面形状の輪郭線を構成する部分の図形の中からモデル・フィッティングの対象とする基本的な平面図形をモデル平面図形として選択するステップと;
前記投影点群から前記検査トンネル断面上での前記選択された前記基本的な平面図形の前記輪郭線からの所定の許容距離値D2内の点を前記モデル平面図形のフィッテング検索対象点群として抽出する手段によって前記投影点群のうちモデル平面図形のフィッテング検索対象の投影点群を抽出するステップと;
前記モデル平面図形のフィッテング検索対象の投影点群から、前記基本的な平面図形から決まるパラメータ変数の数の点をランダムに選択してモデル平面図形の回帰式に代入し、パラメータを未知数とする連立方程式を解き、当該パラメータから成るモデル平面図形の部分の回帰式が与える輪郭線から許容距離値D2以下の所定の許容誤差範囲Eaの距離で離隔する限度の領域に含まれる前記投影点群の点の数をカウント処理し、前記フィッテング検索対象の投影点群のランダムな組み合わせの群から任意に選択された一つの組について所定の統計確率上推定される要求精度が求める回数だけ前記カウント処理を繰返した後に、カウント値が最も大となる投影点群の一つの組を評価選出するステップと、及び;
前記カウント値が最も大となる投影点群の回帰式が与える輪郭線から所定の距離D3離隔する限度の領域に含まれる前記投影点群を用いて回帰式のパラメータ変数を最小二乗法により決定し、トンネル内空断面の部分の実形状を表す平面図形として推定されるステップ;
を含む第三のRANSAC(Random Sampling Consensus)処理段階をさらに含み、
三次元空間データ表示手段を用い:
前記測点でのトンネル計画断面内の前記推定の図形の回帰式に基づき、実際のトンネル出来形をトンネル計画断面形状に当てはめた場合における実中心点または実中心線を求めるトンネル中心算出ステップ及び;
複数の前記モデル平面図形の結合によってトンネルの内空壁面の全体形状を推定し、結果をインタラクティブ表示手段によって表示させるステップを含む第四のトンネル出来形処理段階をさらに含む請求項2に記載の方法。
【0041】
[発明の作用効果]
請求項1及び2について段落0020〜0024に記載された発明の作用効果と同じ作用効果を奏することに加えて、インタラクティブ表示入力手段を用いて、インタラクティブモデリングを採用し、トンネルの内空計測断面全体をこの基本的な設計要素図形に分割し、その図形の当てはめには、インタラクティブに対話表示を利用し、計画データの基本的図形と実計測データの大まかな対応付けをRANSAC適用前に、事前処理として施し、モデル図形のパラメータ決定にランダムなサンプリングによるRANSAC(Random Sampling Consensus)を用いても総工数の増大を招かず、RANSAC試行回数を少なく実現可能とし、総合的に3Dレーザーデータの大規模計測点群から適時に適当なインタラクティブ工数で正確なトンネルの内空三次元形状を把握し、トンネル管理の方法を提供できるという総合的に優れた効果を奏する。
【0042】
[請求項9記載の発明]
トンネル軸方向の前記指定距離D1は、前記検索対象点群の隣接点間平均距離の1倍以上、5倍以内の範囲に含まれて、当該トンネルの内空壁面断面上の輪郭推定に関係する点群として予めフィルタして大規模計測点群にRANSAC(Random Sampling Consensus)を適用して試行回数の増大を招かず所定の精度で、かつ実用的な時間内で推定を可能とする請求項2、請求項2を準用する請求項3〜4、及び請求項8のいずれか一項に記載の方法。
【0043】
[発明の作用効果]
トンネル断面の位置は、設計断面中心座標値(XYZ)を含み、設計平面線形上のその点における中心線に直角方向の角度(横断方向の角度Θ)により特定されるが、隣接点間平均距離の1倍以上、5倍以内の範囲に含まれて、当該トンネルの内空壁面断面上の輪郭推定に関係する点群として予めフィルタして大規模計測点群にRANSACを適用して試行回数の増大を招かず所定の精度で、かつ実用的な時間内で推定を可能とし好ましい数値範囲である。
【0044】
[請求項10記載の発明]
前記指定距離D1は、前記検索対象点群の隣接点間平均距離の2倍±10%の範囲に含まれて、当該トンネルの内空壁面断面に関係する点群として予めフィルタして大規模計測点群にRANSAC(Random Sampling Consensus)を適用して試行回数の増大を招かず所定の精度で、かつ実用的な時間内で推定を可能とする請求項2、請求項2を準用する請求項3〜4、及び請求項8のいずれか一項に記載の方法。
【0045】
[発明の作用効果]
前記指定距離D1は、点群の平均点間距離の2倍程度、2倍±10%を基準として決定するのが好ましい。
【0046】
[請求項11記載の発明]
前記基本的な平面図形の前記輪郭線からの所定の許容距離値D2は、10cm〜50cmの範囲から選択してモデル平面図形のフィッテング検索対象域を予めフィルタして大規模計測点群にRANSAC(Random Sampling Consensus)を適用して試行回数の増大を招かず所定の精度で、かつ実用的な時間内で推定を可能とする請求項2、請求項2を準用する請求項3〜4、及び請求項8のいずれか一項に記載の方法。
【0047】
[発明の作用効果]
検査断面を構成する基本的な計画図形に相当する実図形を観測点群からRANSAC推定する際に、予めフィルタして大規模計測点群からモデル平面図形のフィッテング検索対象域にある点群からモデルパラメータを決定する基本実図形構成点をランダムに選択すれば、RANSACを適用して試行回数の増大を招かず所定の精度で、かつ実用的な時間内で推定を可能とする効が得られるが、具体的にその検索範囲として、基本的な平面図形の前記輪郭線からの所定の許容距離値D2は、10cm〜50cmの領域に含まれるのが好ましい。
【0048】
[請求項12記載の発明]
前記モデル平面図形の部分の回帰式が与える輪郭線からの所定の前記許容誤差範囲Eaは、前記平面図形の内外にD2/2±10%の範囲から選択する請求項2、請求項2を準用する請求項3〜4、及び請求項8のいずれか一項に記載の方法。
【0049】
[発明の作用効果]
前記モデル図形の部分の回帰式が与える輪郭線からの所定の前記許容誤差範囲Eaは、前記平面図形の内外にD2/2±10%の範囲がノイズや異常値の計測データからの外れ値として排除に好適であり、図形パラメータ決定にRANSACを用いて総工数の増大を招かず、RANSAC試行回数を少なく実現可能とする効果を与える。
【0050】
[請求項13記載の発明]
平面距離D3は、前記モデル平面図形の部分の回帰式が与える輪郭線から所定の許容誤差範囲Ea以下、かつ、前記隣接点間平均距離の5倍±10%の関係を満たす請求項
2を準用する請求項4に記載の方法。
【0051】
[発明の作用効果]
前記輪郭線からの距離D3は、前記モデル図形の部分の回帰式が与える輪郭線から所定の許容誤差範囲Ea以下、かつ、前記点群の隣接点間平均距離の5倍±10%の関係を満たせば、ノイズや異常値の計測データからの外れ値として排除に好適であり、さらに精度の高く図形パラメータ決定にRANSACを用いて総工数を最適化し、RANSAC試行回数を適当に好ましく実現可能とする効果を与える。