特許第6611430号(P6611430)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6611430
(24)【登録日】2019年11月8日
(45)【発行日】2019年11月27日
(54)【発明の名称】防水構造
(51)【国際特許分類】
   F16J 15/10 20060101AFI20191118BHJP
   F16L 5/02 20060101ALI20191118BHJP
【FI】
   F16J15/10 L
   F16L5/02 J
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-258593(P2014-258593)
(22)【出願日】2014年12月22日
(65)【公開番号】特開2016-118265(P2016-118265A)
(43)【公開日】2016年6月30日
【審査請求日】2017年7月4日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000167325
【氏名又は名称】光陽産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085556
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100115211
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 三十義
(74)【代理人】
【識別番号】100153800
【弁理士】
【氏名又は名称】青野 哲巳
(72)【発明者】
【氏名】越智 毅
(72)【発明者】
【氏名】平野 亮一
(72)【発明者】
【氏名】和田 徹也
【審査官】 谷口 耕之助
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−181752(JP,A)
【文献】 実開昭63−125270(JP,U)
【文献】 特開2003−287127(JP,A)
【文献】 実開昭63−094375(JP,U)
【文献】 実開昭56−132788(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16J 15/10
F16L 5/02
WPI
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁を貫通する貫通孔の室外側の周縁部と前記貫通孔に向かうガス供給部との間の防水構造において、
前記ガス供給部の外周をシールするシール手段と、このシール手段を壁に保持する保持手段とを備え、
前記シール手段は、周方向の一部が切断されてC字形状をなすとともに前記ガス供給部の外径より小さい内径を有する第1、第2のC字型パッキンを有し、これら第1、第2のC字型パッキンはその切断部分の位置を周方向にずらして軸方向に重ねられており、
前記保持手段は、前記第1、第2のC字型パッキンを挟んで軸方向に押圧力を付与する環状の第1、第2の挟持部材を有し、
前記第1、第2のC字型パッキンは互いの接触面において、互いに嵌り合う嵌合部を有することを特徴とする防水構造。
【請求項2】
前記第1、第2のC字型パッキンのいずれか一方の前記嵌合部が凸部で、他方の前記嵌合部が凹部であることを特徴とする請求項1に記載の防水構造。
【請求項3】
前記第1、第2のC字型パッキンが同一形状をなし、それぞれ前記嵌合部として凸部と凹部を有し、前記第1のC字型パッキンの前記凸部が前記第2のC字型パッキンの前記凹部に嵌り、前記第2のC字型パッキンの前記凸部が前記第1のC字型パッキンの凹部に嵌ることを特徴とする請求項1に記載の防水構造。
【請求項4】
前記第1、第2の挟持部材の内周部は前記貫通孔の軸線と直交する平坦な挟圧部として提供され、これら挟圧部間に前記シール手段が配置され、前記第1挟持部材の外周部は前記壁の室外側の面に当たり、前記第2挟持部材は前記第1挟持部材より大径をなしてその外周部が前記壁の室外側の面に固定され、
前記第2挟持部材は前記外周部から前記挟圧部に向かって順に、前記貫通孔の軸線と直交する平坦な支持部と、前記挟圧部に向かって縮径するテーパ部を有し、
前記第1挟持部材の径方向外側には環状パッキンが配置され、この環状パッキンが前記壁の室外側の面と前記第2挟持部材の前記支持部の間で挟圧され、
前記第2挟持部材のテーパ部で前記シール手段の外周部を押さえることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の防水構造。
【請求項5】
前記ガス供給部は、前記貫通孔内に収容されたガス栓にガスを供給することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の防水構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防水構造に関し、特に、壁を貫通する貫通孔の室外側の周縁部とその貫通孔に向かうガス供給部との間の防水構造に関する。
【背景技術】
【0002】
壁を貫通する貫通孔の室外側の周縁部とその貫通孔に向かうガス供給部との間の防水構造の一例が特許文献1に記載されている。
この防水構造では、壁に室内と室外とを連通する円形の貫通孔が形成され、壁の室外側でこの貫通孔の周縁部に座板が配置されている。座板の中央に透孔が形成され、この透孔には環状のパッキンが装着されている。座板の透孔に、ガス供給部の筒部が挿通されると、パッキンによって筒部と透孔との間がシールされ、室外からの雨水の侵入が防止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭63−94375号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の防止構造では、壁の貫通孔内にあるガス栓にガス供給部の筒部を接続するために、筒部を座板の透孔に挿通させると、透孔に装着されたパッキンの内周面と筒部の外周面とが擦れ合うことによりパッキンが痛み、防水機能が低下するという問題があった。また、環状のパッキンを透孔に装着し忘れてガス栓に筒部を接続してしまうと、パッキンを装着するためにガス栓と筒部との接続を取り外さなければならないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、前記問題を解決するためになされたものであり、壁を貫通する貫通孔の室外側の周縁部と前記貫通孔に向かうガス供給部との間の防水構造において、前記ガス供給部の外周をシールするシール手段と、このシール手段を壁に保持する保持手段とを備え、前記シール手段は、周方向の一部が切断されてC字形状をなすとともに前記ガス供給部の外径より小さい内径を有する第1、第2のC字型パッキンを有し、これら第1、第2のC字型パッキンはその切断部分の位置を周方向にずらして軸方向に重ねられており、前記保持手段は、前記第1、第2のC字型パッキンを挟んで軸方向に押圧力を付与する環状の第1、第2の挟持部材を有することを特徴としている。
【0006】
前記構成によれば、シール手段は周方向の一部が切断された2つのC字型パッキンで構成され、C字型パッキンをその切断部分からガス供給部に取り付けることができるので、シール手段にガス供給部を挿通させてシール手段を取り付け位置まで移動させる必要が無く、シール手段の内周面を傷つけることがない。また、ガス栓の配管後においても、配管の接続を取り外すことなくシール手段を取り付け位置に正確に取り付けることができる。さらに、C字型パッキンの切断部分の位置をずらして重ねることにより、シール手段は環状となるとともに、保持手段によって押圧されてガス供給部に密着するため、防水機能を高めることができる。
【0007】
好ましくは、前記第1、第2のC字型パッキンは互いの接触面において、互いに嵌り合う嵌合部を有する。
前記構成によれば、C字型パッキンが相対的に周方向にずれることを防止することができる。
【0008】
好ましくは、前記第1、第2のC字型パッキンのいずれか一方の前記嵌合部が凸部で、他方の前記嵌合部が凹部である。
前記構成によれば、第1、第2のC字型パッキンの嵌合を強固にし、周方向へのずれを防止することができる。
【0009】
好ましくは、前記第1、第2のC字型パッキンが同一形状をなし、それぞれ前記嵌合部として凸部と凹部を有し、前記第1のC字型パッキンの前記凸部が前記第2のC字型パッキンの前記凹部に嵌り、前記第2のC字型パッキンの前記凸部が前記第1のC字型パッキンの凹部に嵌る。
前記構成によれば、嵌合部を有する同一形状の部材を、第1、第2のC字型パッキンとして共用することができる。
【0010】
好ましくは、前記第1、第2の挟持部材の内周部は前記貫通孔の軸線と直交する平坦な挟圧部として提供され、これら挟圧部間に前記シール手段が配置され、前記第1挟持部材の外周部は前記壁の室外側の面に当たり、前記第2挟持部材は前記第1挟持部材より大径をなしてその外周部が前記壁の室外側の面に固定され、前記第2挟持部材は前記外周部から前記挟圧部に向かって順に、前記貫通孔の軸線と直交する平坦な支持部と、前記挟圧部に向かって縮径するテーパ部を有し、前記第1挟持部材の径方向外側には環状パッキンが配置され、この環状パッキンが前記壁の室外側の面と前記第2挟持部材の前記支持部の間で挟圧され、前記第2挟持部材のテーパ部で前記シール手段の外周部を押さえる。
前記構成によれば、シール手段によりガス供給部付近からの水の浸入を防ぐことができるとともに、環状パッキンにより壁からの水の侵入を防ぐことができる。
【0011】
好ましくは、前記ガス供給部は、前記貫通孔内に収容されたガス栓にガスを供給する。
前記構成によれば、ガス供給部として、例えば、ガス栓のガス流入部である継手接続部、ガス栓と室外のガス配管部とをつなぐ継手部等があるが、C字型パッキンを用いることにより、ガス供給部の各種形状に対応して防水処理を施すことができる。
【0012】
また、本発明の防水構造は、周方向の一部が切断されてC字形状をなし、その切断部分の位置を周方向にずらして軸方向に重ねられた第1、第2のC字型パッキンと、前記第1、第2のC字型パッキンを挟んで軸方向に押圧力を付与する環状の第1、第2の挟持部材とを備える。
【0013】
前記構成によれば、第1、第2のC字型パッキンの切断部分の位置をずらして重ねているので、重ねられた2つのC字型パッキンは環状になり、切断部分から水が浸入することを防止できる。また、押圧力の付与により第1、第2のC字型パッキンの防水機能を高めることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、周方向の一部が切断されたC字型パッキンをシール手段に用いることによって、壁の貫通孔に向かう部材への取り付けが容易な防水構造を提供することができる。
シール手段である2枚のC字型パッキンを、切断部分の位置をずらして重ねることによりシール手段は環状になり切断部分からの雨水の侵入を防止するとともに、シール手段を押圧することにより防水機能を高めた防水構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】この発明の第1の実施の形態に係る防水構造の縦断面図である。
図2】同実施の形態に係る防水構造の分解縦断面図である。
図3】(A)は、同実施の形態の防水構造に用いられるC字型パッキンの斜視図である。(B)は、同C字型パッキンの縦断面図である。(C)は、同C字型パッキンを2つ重ね合わせて嵌合部を嵌合させた状態を示す縦断面図である。
図4】同C字型パッキンを2つ重ね合わせて嵌合部を嵌合させた状態を示す正面図である。
図5】同実施の形態の防水構造に用いられた防水カバーの正面図である。
図6】この発明の第2の実施の形態に係る防水構造に用いられるC字型パッキンの斜視図である。
図7】この発明の第3の実施の形態に係る防水構造に用いられるC字型パッキンの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、この発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して説明する。図1図5は、この発明の第1実施の形態を示す。この実施の形態は、本発明の防水構造を壁面に埋設されるガス栓に適用したものである。
そこで、まず図1を参照して、壁埋設型のガス栓1について説明する。室内Iと室外Oを隔てる壁Wは内壁Wiと外壁Woで構成され、壁Wを室内外方向に貫通する貫通孔Waに、フランジ部21を有するケーシング2が埋設され、フランジ部21は内壁Wiの室内I側の面に固定されている。ケーシング2の開口部22を覆うように内壁Wiの室内I側の面に化粧板3が取り付けられている。
【0017】
ケーシング2には、ガス栓1が内蔵され、ガス栓1は、プラグ部11、つば部12及び継手接続部13を具備している。ガス栓1のつば部12とケーシング2の底部23とがビス14によって固定されている。ケーシング2の底部23からは、継手接続部13が突出して外壁Woから室外Oに露出している。継手接続部13には、継手4が螺合により接続され、継手4には、一次側ガス配管であるエルボ5が螺合により接続されている。ガス栓1は、二次側のガス管に接続されたソケット(図示せず)をプラグ部11に接続すると内部の弁が開き、ソケットを取り外すと内部の弁が閉じる構造になっている。継手接続部13、継手4及びエルボ5は、ガス栓1のガス流出部であるプラグ部11にガスを供給するガス供給部として機能する。
【0018】
次に、壁埋設型のガス栓1に適用される防水構造について、図1図5を参照して説明する。壁Wを貫通する貫通孔Waに雨水が侵入することを防ぐために、貫通孔Waの外壁Wo側の周縁部と継手接続部13との間に防水処理を施すことが必要になる。そのための防水構造は、継手接続部13の外周をシールするシール手段6と、このシール手段6を外壁Woに保持する保持手段7とを含んでいる。
【0019】
シール手段6は、図3(A)〜(C)に示すC字型パッキン61を2つ用いて構成され継手接続部13の外周に取り付けられている。C字型パッキン61は、ゴム等の弾性材料で形成され、環状体の周方向の一部が切断されてC字形状をなしており弾性的に拡縮径可能であって、自然状態では継手接続部13の外径より小さい内径を有している。図4に示すように、2つのC字型パッキン61,61は、それぞれの切断部62(切断部分)の位置を周方向にずらして、軸方向に重ねて、内周面63が継手接続部13の外周に接する形で継手接続部13に取り付けられる。
【0020】
図1図4に示すように、C字型パッキン61は、軸方向に重ね合わせたときに互いに接触する接触面64において、互いに嵌り合う嵌合部を有している。この実施の形態では、図3(A)〜(C)に示すように、C字型パッキン61の接触面64には、周方向に180°離間させた凹部66(嵌合部)と凸部67(嵌合部)が形成されている。重ね合わされる2つのC字型パッキン61,61は同一形状をなしており、接触面64,64を対向させて重ね合わせることにより、一方のC字型パッキン61の凹部66及び凸部67は、他方のC字型パッキン61の凸部67及び凹部66にそれぞれ嵌合するようになっており、嵌合時には、各C字型パッキン61の切断部62の位置が周方向にずれるようになっている。接触面64の反対側の面は、保持手段7によって押圧される被押圧部68として提供される。
【0021】
次に、図1図2図5を参照して、シール手段6を外壁Woに保持する保持手段7について説明する。保持手段7は、環状の防水リング71(第1の挟持部材)及び環状の防水カバー81(第2の挟持部材)で構成されている。防水リング71及び防水カバー81は、2つのC字型パッキン61,61を挟んで継手接続部13周囲に配され、これらC字型パッキン61,61に継手接続部13の軸方向に押圧力を付与するものである。
【0022】
図1図2に示すように、防水リング71は、硬質の材料、例えば黄銅により円盤状に形成され、中央に透孔72が形成されている。防水リング71は、外壁Wo面の貫通孔Waの周縁部に配置され、透孔72には、継手接続部13が挿通される。後述するように、防水リング71の内周部73の防水カバー81側の面は、シール手段6を押圧する挟圧部として提供される。防水リング71の外周部74の一方の面は、外壁Woとの接触面として提供される。
【0023】
図1図2図5を参照して防水カバー81について説明すると、防水カバー81は、硬質の材料、例えばステンレスにより、防水リング71より大径をなして円盤状に形成され、中央に透孔82が形成されている。防水カバー81には、透孔82から防水カバー81の外周に向かって順に、第1平坦部85(内周部)、テーパ部86、第2平坦部87、起立壁部88、及び第3平坦部89(外周部)が形成されている。
【0024】
第1平坦部85は、透孔82の軸線と直交し、後述するように防水リング71に対してシール手段6を押圧する挟圧部として提供される。テーパ部86は、第2平坦部87から第1平坦部85に向かって縮径して形成されている。第2平坦部87は、透孔82の軸線と直交し、テーパ部86及び起立壁部88に連なっており、後述する環状パッキン9の支持部として提供される。起立壁部88は、透孔82の軸線と平行な平面であって、第2平坦部87及び第3平坦部89に連なっている。第3平坦部89は、透孔82の軸線と直交し、ビス止め用の透孔89aが形成されている。防水カバー81の外壁Woへ取り付けは、透孔89aに挿通させたビス89bでビス止めすることにより行う。
【0025】
図1図2を参照して、環状パッキン9について説明すると、防水リング71の径方向外側には、環状パッキン9が配置される。環状パッキン9は、弾性材で形成され、好ましくはウレタン等の独立発泡樹脂で形成されている。環状パッキン9の外径は、防水カバー81の起立壁部88における直径と同じか又はそれよりやや小さく形成され、内径は、防水リング71の外径と同じか又はそれよりやや小さく形成されている。環状パッキン9の厚みは、防水リング71の厚みより大きい。
【0026】
図1図2を参照して、本実施の形態の防水構造の設置工程について説明する。
まず室内I側において、ケーシング2の底部23から、ガス栓1の継手接続部13を突出させて、つば部12とケーシング2の底部23をビス14により固定し、ガス栓1をケーシング2に内蔵させる。継手接続部13に継手4を螺合接続し、継手4にエルボ5を螺合接続する。このようにして構成されたアッセンブリを内壁Wi側から貫通孔Waにエルボ5から挿入して、フランジ部21を内壁Wiに固定し、ケーシング2の開口22を塞ぐように化粧板3をケーシング2に取り付ける。
【0027】
次に室外O側において、防水リング71及び環状パッキン9を、外壁Woから突出したエルボ5に通し、外壁Woの貫通孔Wa周縁部まで移動させ、防水リング71の外周に環状パッキン9を嵌め込む。
【0028】
防水リング71の貫通孔Waと反対側の位置において、2つのC字型パッキン61,61のそれぞれの接触面64,64が対向するようにして、C字型パッキン61,61を各切断部62,62から継手接続部13に嵌め込み、C字型パッキン61,61の各内周面63,63を継手接続部13の外周に接触させるとともに、C字型パッキン61,61の凹部66と凸部67を嵌合させる。このとき、好ましくは、防水カバー81側のC字型パッキン61の切断部62が下側を向くように配置する。
【0029】
C字型パッキン61の内径は、継手接続部13の外径より小さく、C字型パッキン61は弾性を有するため、継手接続部13の外周面に多少の凹凸があっても、C字型パッキン61の内周面63を継手接続部13の外周面に隙間なく接触させることができる。また、2つのC字型パッキン61,61を軸方向に重ねているので、取り付けられる部位の外周面の形状が軸方向に変化する場合にも対応して隙間なく接触させることができる。さらに、C字型パッキン61の接触面64には、凹部66及び凸部67が形成され、2つのC字型パッキン61,61を重ね合わせたときに嵌合されるため、これらC字型パッキン61,61の周方向へのずれを強固に防止することができる。本実施の形態においては、対をなすC字型パッキン61,61として同一形状のC字型パッキン61を共用することができる。
【0030】
2つのC字型パッキン61,61を継手接続部13に取り付けた後、防水カバー81をエルボ5に通し、第3平坦部89が外壁Woに接するまで移動させて、防水カバー81の第3平坦部89の透孔89aを通したビス89bにより防水カバー81を外壁Woに固定する。このとき、2つのC字型パッキン61,61の被押圧面68,68は、防水リング71の内周部73と防水カバー81の第1平坦部85により挟み込まれて押圧される。押圧により、C字型パッキン61,61の内径は縮径し、外径は拡径する。縮径によりC字型パッキン61,61の内周面63は継手接続部13の外周に密着し、拡径により、防水カバー81側のC字型パッキン61の被押圧面68の外周部分は、防水カバー81のテーパ部86により、外壁Wo方向及び継手接続部13の中心軸方向に押し付けられる。
【0031】
したがって、防水リング71と防水カバー81により、C字型パッキン61,61を挟み込んで押圧することにより、C字型パッキン61の内周面64と継手接続部13の外周面との間の防水機能が高められるとともに、C字型パッキン61,61の軸方向へのずれが防止される。
【0032】
また、防水カバー81の第3平坦部89が外壁Woに接すると、第2平坦部87は、防水リング71の外周部74に接する。このとき、環状パッキン9は、防水カバー81の第2平坦部87と外壁Woに挟み込まれて押圧される。この押圧により、環状パッキン9は、第2平坦部87と外壁Woに密着し、その内径が縮径して防水リング71に密着し、外径は拡径して防水カバー81の起立壁部88に密着する。したがって、外壁Wo面と防水リング71との間の防水機能が高められる。
【0033】
次に、この発明の他の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態については、前記実施の形態と異なる構成だけを説明することとし、同様な構成部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0034】
図6は、この発明の第2の実施の形態を示す。この実施の形態においては、一方のC字型パッキン61の接触面64において、周方向に180°離間した位置に2つの凹部66,66を設けるとともに、他方のC字型パッキン61の接触面64において、180°離間した位置に2つの凸部67,67を設け、これら凹部66,66と凸部67,67が嵌合するようにしたものである。
【0035】
図7は、この発明の第3の実施の形態を示す。この実施の形態においては、シール手段6であるC字型パッキン61の接触面64は平坦であり、このC字型パッキン61を2つ用いて、各切断部62の位置を周方向にずらして軸方向に重ねて継手接続部13に接続される。この実施の形態においても、対をなすC字型パッキン61,61として同じ形状のC字型パッキン61,61を共用することができる。
【0036】
なお、この発明は、前記の実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲において各種の変形例を採用することができる。
例えば、前記の実施の形態においては、シール手段6によってシールされる部分が、ガス栓1の継手接続部13であるが、図1の想像線(二点鎖線)で示すように継手4若しくはエルボ部5であってもよく、又は、継手接続部13と継手4の間の位置、若しくは継手4とエルボ5の間の位置であってもよい。
前記の実施の形態においては、一次側ガス配管が鋼管配管の場合であるが、フレキシブル配管であってもよく、シール手段6によってシールされる部分が、フレキシブル管の先端に接続されたフレキシブル管用継手であってもよく、このフレキシブル管用継手とガス栓1とを接続する継手4であってもよく、フレキシブル管用継手と継手4との間の部分であってもよい。
前記の実施の形態においては、保持手段の第1の挟持部材を防水リング71で構成しているが、壁Wが第1の挟持部材を兼ねてもよい。
前記の実施の形態においては、シール手段6を2つのC字型パッキン61,61で構成したが、3つ以上で構成してもよく、その場合、これらC字型パッキンの互いの接触面には嵌合部を形成してもよい。
前記の実施の形態においては、C字型パッキン61の切断部62の切断端面は離間しているが、接していてもよい。
第1及び第2の実施の形態においては、2つのC字型パッキン61,61の互いの接触面64,64に、凹部66と凸部67、2つの凹部66,66、又は2つの凸部67,67を形成したが、一方の接触面64に1つの凹部66を形成し、他方の接触面64に1つの凸部67を形成してもよい。
第1及び第2の実施の形態においては、凹部66と凸部67、2つの凹部66,66、又は2つの凸部67,67を周方向に180°離間させた位置に形成したが、離間角度は180°に限られない。
本発明の防水構造が適用されるのは、壁を貫通する貫通孔に向かうガス供給部に限られず、住宅等の外壁に挿入固定される管状又は筒状の部材の防水に適用することができる。
前記各実施の形態及び前記変形例を各種組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0037】
この発明に係る防水構造は、壁を貫通する貫通孔の室外側の周縁部とこの貫通孔に向かう部材との間における、貫通孔内への水の浸入防止に適用することができる。
【符号の説明】
【0038】
W 壁
Wo 外壁
Wa 貫通孔
1 ガス栓
13 継手接続部(ガス供給部)
4 継手(ガス供給部)
5 エルボ(ガス供給部)
6 シール手段
61 C字型パッキン(シール手段)
62 切断部(切断部分)
64 接触面
66 凹部(嵌合部)
67 凸部(嵌合部)
68 被押圧面
7 保持手段
71 防水リング(保持手段、第1の挟持部材)
73 内周部
74 外周部
81 防水カバー(保持手段、第2の挟持部材)
85 第1平坦部(内周部、挟圧部)
86 テーパ部
87 第2平坦部(支持部)
89 第3平坦部(外周部)
9 環状パッキン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7