特許第6611541号(P6611541)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6611541
(24)【登録日】2019年11月8日
(45)【発行日】2019年11月27日
(54)【発明の名称】ガス油混合物中の油滴を分離する装置
(51)【国際特許分類】
   B03C 3/40 20060101AFI20191118BHJP
   B03C 3/02 20060101ALI20191118BHJP
   B03C 3/45 20060101ALI20191118BHJP
   B03C 3/41 20060101ALI20191118BHJP
   B03C 3/36 20060101ALI20191118BHJP
   F01M 13/04 20060101ALI20191118BHJP
【FI】
   B03C3/40 A
   B03C3/02 C
   B03C3/45 Z
   B03C3/41 A
   B03C3/41 C
   B03C3/41 F
   B03C3/36 A
   B03C3/41 J
   F01M13/04 C
【請求項の数】25
【外国語出願】
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2015-195869(P2015-195869)
(22)【出願日】2015年10月1日
(65)【公開番号】特開2016-68085(P2016-68085A)
(43)【公開日】2016年5月9日
【審査請求日】2018年7月23日
(31)【優先権主張番号】1459387
(32)【優先日】2014年10月1日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】507063735
【氏名又は名称】アクウェル
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゲリー パスカル
(72)【発明者】
【氏名】セリュリエ リュドヴィック
(72)【発明者】
【氏名】ウスタシュ アドリアン
【審査官】 富永 正史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−008096(JP,A)
【文献】 実開昭57−123911(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0216660(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B03C 3/00−11/00
F01M 11/00−13/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス(4)と油滴(2)を含み、内燃機関から生じる混合物から油滴(2)を分離する分離装置(100、200、300、400、500、600、700)において、
−分離室(102−702)であって、i)混合物が分離室(102−702)に入るように構成された入口(104−704)と、ii)ガスが分離室(102−702)から出るように配置された出口(106−706)と、を有する分離室(102−702)と、
−分離室(102−702)に少なくとも1つのブリードポート(112、113−712)によって連結される油回収室(110−710)であって、液体の油が分離室(102−702)から油回収室(110−710)へと前記少なくとも1つのブリードポート(112、113−712)を通じて流れることができるようになっている油回収室(110−710)と、
−少なくとも部分的に分離室(102−702)内に延びる少なくとも1つのエミッタ電極(121−721)と、
−少なくとも部分的に分離室(102−702)内に延びる少なくとも1つのコレクタ電極(122−722)と、
−前記少なくとも1つのエミッタ電極(121−721)と前記少なくとも1つのコレクタ電極(122−722)に接続される電子ユニット(124−724)であって、少なくとも帯電フェーズ中に
・前記少なくとも1つのエミッタ電極(121−721)を負の電位にして、前記少なくとも1つのエミッタ電極(121−721)が、油滴(2)を負に帯電させるのに適した少なくとも1つの電界(E100、E300)を生成し、
・前記少なくとも1つのコレクタ電極(122−722)をゼロまたは正の電位にして、前記少なくとも1つのコレクタ電極(122−722)が負に帯電した油滴(2)を捕集する
ように構成された電子ユニット(124−724)と、
を含み、
分離室(102−702)内に、その中に上流部分(102.4、202.4)と下流部分(102.6、202.6)を画定するように配置された少なくとも1つの減圧部材(131、132−731)をさらに含み、減圧部材(131、132−731)は、ガスが入口(104−704)と出口(106−706)との間に流れるとき、上流部分(102.4、202.4)と下流部分(102.6、202.6)との間で減圧がなされるように構成されていることと、
油回収室(110−710)は、下流部分(102.6、202.6)に少なくとも1つの真空ポート(126−726)を介して連結されて、油回収室(110−710)内の圧力が上流部分(102.4、202.4)の圧力より低くなるようにすること
を特徴とする分離装置(100−700)。
【請求項2】
請求項1に記載の分離装置(100−700)において、
前記少なくとも1つのエミッタ電極(121−721)と前記少なくとも1つのコレクタ電極(122−722)は、少なくとも部分的に導電性材料からなり、前記少なくとも1つのエミッタ電極(121−721)と前記少なくとも1つのコレクタ電極(122−722)の各々は、その算術平均粗さRaが0.1μm〜100μmの間である表面粗さを有することを特徴とする分離装置(100−700)。
【請求項3】
請求項1〜2の何れか1項に記載の分離装置100−500)において、
前記少なくとも1つのエミッタ電極(121−521)は、入口(104−504)付近に延びることを特徴とする分離装置(100−500)。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか1項に記載の分離装置(100−700)において、
前記少なくとも1つのエミッタ電極(121−721)は、少なくとも1つの紐状部分を含むことを特徴とする分離装置(100−700)。
【請求項5】
請求項4に記載の分離装置(100−500)において、
少なくとも1つの紐状部分は、入口(104−504)と出口(106−506)との間の混合物の流れの方向を横切る方向に沿って延びることを特徴とする分離装置(100−500)。
【請求項6】
請求項4〜5の何れか1項に記載の分離装置(100−700)において、
少なくとも2つのエミッタ電極(321−621)を含み、紐状部分が実質的に平行に配置されることを特徴とする分離装置(100−700)。
【請求項7】
請求項1〜6の何れか1項に記載の分離装置(300−600)において、
電子ユニット(324−624)に接続された少なくとも1つの補助電極(340−640)をさらに含み、電子ユニット(324−624)は、少なくとも帯電フェーズ中に、前記少なくとも1つの補助電極(340−640)をゼロまたは正の電位にするように構成され、
前記少なくとも1つの補助電極(340−640)は、前記少なくとも1つのエミッタ電極(321−621)に対し、前記少なくとも1つのコレクタ電極(322−622)より近くに配置され、前記少なくとも1つのエミッタ電極(321−621)と前記少なくとも1つの補助電極(340−640)との間に確立される電界は、前記少なくとも1つのエミッタ電極(321−621)と前記少なくとも1つのコレクタ電極(322−622)との間に確立される電界より強力である
ことを特徴とする分離装置(300−600)。
【請求項8】
請求項6または7に記載の分離装置(300−500)において、
補助紐状部分によって形成され、相互に対して、およびエミッタ電極(321−521)に対して実質的に平行に配置された少なくとも2つの補助電極(340−540)を含み、補助電極(340−540)とエミッタ電極(321−521)は互い違いに配置されることを特徴とする分離装置(300−500)。
【請求項9】
請求項7〜8の何れか1項に記載の分離装置(300−600)において、
前記少なくとも1つの補助電極(340−640)は、前記少なくとも1つのエミッタ電極(321−621)の上流に配置されることを特徴とする分離装置(300−600)。
【請求項10】
請求項1〜9の何れか1項に記載の分離装置(100−700)において、
前記少なくとも1つの真空ポート(126−726)の流れの断面は、前記少なくとも1つのブリードポート(112、113−712)の流れの断面より大きいことを特徴とする分離装置(100−700)。
【請求項11】
請求項1〜10の何れか1項に記載の分離装置(100−700)において、
前記少なくとも1つのブリードポート(112、113−712)は、上流部分(102.4、202.4)の底部に配置されることを特徴とする分離装置(100−700)。
【請求項12】
請求項1〜11の何れか1項に記載の分離装置(100−700)において、
前記少なくとも1つのブリードポート(112、113−712)は、上流部分(102.4、202.4)のそれぞれの側壁の付近、またはその中に配置されることを特徴とする分離装置(100−700)。
【請求項13】
請求項1〜12の何れか1項に記載の分離装置(100−700)において、
少なくとも2つのブリードポート(112、113−612、613)を含み、これらはそれぞれ上流部分(102.4、202.4)の両側の側壁の付近に設置されることを特徴とする分離装置(100−700)。
【請求項14】
請求項1〜13の何れか1項に記載の分離装置(100−700)において、
前記少なくとも1つのコレクタ電極(122−722)は前記少なくとも1つのブリードポート(112、113−712)の付近に延びることを特徴とする分離装置(100−700)。
【請求項15】
請求項13または14に記載の分離装置(100−700)において、
少なくとも2つのブリードポート(112、113−612、613)と少なくとも2つのコレクタ電極(222.1、222.2−522)を含み、各コレクタ電極(122−722)はそれぞれのブリードポート(112、113−712)の付近に延びることを特徴とする分離装置(100−700)。
【請求項16】
請求項1〜15の何れか1項に記載の分離装置(100−700)において、
前記少なくとも1つのコレクタ電極(122−722)は導電フィルムを含み、前記少なくとも1つの導電フィルムは上流部分(102.4、202.4)の下面を少なくとも部分的に覆うことを特徴とする分離装置(100−700)。
【請求項17】
請求項14〜15の何れか1項に記載の分離装置(100−700)において、
前記少なくとも1つのコレクタ電極(122−722)は、
−前記少なくとも1つのブリードポート(112、113−712)の周囲に延びる周辺導電フィルムと、
−周辺導電フィルムを延長し、分離装置(100−700)が動作位置にあるときに実質的に縦に延びるように配置された少なくとも1つの隣接導電フィルムと、
を含むことを特徴とする分離装置(100−700)。
【請求項18】
請求項1〜17の何れか1項に記載の分離装置(400)において、
前記少なくとも1つのブリードポート(412、413)は、少なくとも1つの先鋭な境界を有し、これは曲げ半径が0.2mm未満の縁(415、416)を含み、前記少なくとも1つのコレクタ電極(422)は前記少なくとも1つの先鋭な境界を覆うことを特徴とする分離装置(400)。
【請求項19】
請求項18に記載の分離装置(400)において、
前記少なくとも1つの先鋭な境界は、曲げ半径が0.2mm未満の2つの縁(415、416)を含み、この2つの縁(415、416)は、円弧の形状の断面を有する丸みのある面取り部(417)によって結合され、丸みのある面取り部(417)の半径は0.5mmより大きく、前記少なくとも1つのコレクタ電極(422)は先鋭な境界と丸みのある面取り部(417)を覆うことを特徴とする分離装置(400)。
【請求項20】
請求項19に記載の分離装置(400)において、
前記丸みのある面取り部(417)の半径は1mmより大きいことを特徴とする分離装置(400)。
【請求項21】
請求項1〜20の何れか1項に記載の分離装置(100−700)において、
前記少なくとも1つの減圧部材(131、132−731)がそれぞれのブリードポート(112、113−712)の付近に配置されることを特徴とする分離装置(100−700)。
【請求項22】
請求項1〜21の何れか1項に記載の分離装置(100−700)において、
前記少なくとも1つの減圧部材(131、132−731)は障害物によって形成されることを特徴とする分離装置(100−700)。
【請求項23】
請求項1〜22の何れか1項に記載の分離装置(100−500)において、
分離室(102−502)は、長方形の底面を有する概して平行六面体の形状を有し、油回収室(110−510)は、長方形の底面を有する概して平行六面体の形状を有することを特徴とする分離装置(100−500)。
【請求項24】
請求項1〜22の何れか1項に記載の分離装置(600−700)において、
分離室(602−702)は、円形の底面を有する概して円筒の形状を有し、油回収室(610−710)は、分離室(602−702)の周囲に配置される概して管の形状を有することを特徴とする分離装置(600−700)。
【請求項25】
請求項1〜24の何れか1項に記載の分離装置(100−500)において、
油回収室(110−710)に連結される移送部材(134−534)をさらに含み、移送部材(134−534)は、内燃機関に向かう液体の油の流れを可能にし、内燃機関のガスの油回収室(110−710)への流れを防止するように構成されること特徴とする分離装置(100−500)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関からのガス油混合物から油滴を分離する分離装置に関する。さらに、本発明は、このような分離装置を利用した分離方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は特に、ディーゼルまたはガソリン式自動車の内燃機関からの混合物から油とガスを分離する分野に応用される。自動車とは、特に自家用車、商用車、または例えばトラック型の産業車両を意味する。
【0003】
内燃機関は動作中にクランク室ガスを生成し、これはガス中に浮遊する油滴を含むエアロゾル混合物を形成する。油滴は、油タンク内に収容された油中の接続ロッドとクランクシャフトによる跳ね上げに由来する。ガスは、シリンダとピストンとの間の漏れに由来し、これらの漏れは時々、ブローバイガスと呼ばれる。それゆえ、油を内燃機関に再注入するために、油をガスから分離する必要がある。
【0004】
特許文献1は、ガス油混合物から油滴を分離する静電フィルタを開示している。特許文献1の静電フィルタは、分離室と、分離室に連結され、油が流れ込む油回収室と、エミッタ電極と、コレクタ電極と、エミッタ電極に電源供給する電子ユニットと、を含む。
【0005】
しかしながら、特許文献1の静電フィルタにおいては、混合物に油分が多いと、コレクタ電極により捕捉された油が、完全には排出されずにコレクタ電極に凝集し、これが静電フィルタの詰まり、ひいてはその故障の危険につながる。さらに、凝集した油はコレクタ電極上で放電されにくい。しかしながら、凝集した静電電荷は静電フィルタの絶縁破壊を招き、ひいては静電フィルタを動作不能にする恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第2008216660 A1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は特に、効率的でコンパクトな分離装置を提供することによって、上記の問題の全部または一部を解決することを狙いとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この狙いのために、本発明の1つの目的は、ガスと油滴を含み、内燃機関から生じる混合物から油滴を分離する分離装置であり、この分離装置は少なくとも、
−分離室であって、i)混合物が分離室に入るように構成された入口と、ii)ガスが分離室から出るように配置された出口と、を有する分離室と、
−分離室に少なくとも1つのブリードポートによって連結される油回収室であって、液体の油が分離室から油回収室へと前記少なくとも1つのブリードポートを通じて流れることができるようになっている油回収室と、
−少なくとも部分的に分離室内に延びる少なくとも1つのエミッタ電極と、
−少なくとも部分的に分離室内に延びる少なくとも1つのコレクタ電極と、
−前記少なくとも1つのエミッタ電極と前記少なくとも1つのコレクタ電極に接続される電子ユニットであって、少なくとも帯電フェーズ中に
・前記少なくとも1つのエミッタ電極を負の電位にして、少なくとも1つのエミッタ電極が油滴を負に帯電させるのに適した少なくとも1つの電界を生成し、
・前記少なくとも1つのコレクタ電極をゼロまたは正の電位にして、前記少なくとも1つのコレクタ電極が負に帯電した油滴を捕集する
ように構成された電子ユニットと、
を含み、
分離装置は、分離室内に、その中に上流部分と下流部分を画定するように配置された少なくとも1つの減圧部材をさらに含み、減圧部材は、ガスが入口と出口との間に流れるとき、上流部分と下流部分との間で減圧がなされるように構成されていることと、
油回収室は、下流部分に少なくとも1つの真空ポートによって連結されて、油回収室内の圧力が上流部分の圧力より低くなるようにすること
を特徴とする。
【0009】
油回収室内の圧力が上流部分の圧力より低いため、ガスの一部がその、または各ブリードポートによって吸引され、それゆえ、その、または各ブリードポートを通って油回収室に向かって油が流れるようにするのに貢献する。
【0010】
それゆえ、このような分離装置により、混合物から分離された油の効率的な放電が可能となり、それは、これが混合物から分離された油の排出時の排出流速を最大化しながら、その体積を最小化できるからである。実際、油回収室と各ブリードポートは、高い排出流速の油を吸引する。このような油の吸引によって、各コレクタ電極の詰まりの危険性が低くなり、各コレクタ電極に凝集する油が減り、ひいては静電電荷も少なくなるため、絶縁破壊の危険性の低減化、または回避さえ可能となる。
【0011】
ディーゼルまたはガソリン式自動車上では、本発明による分離装置は例えば、シリンダヘッドカバーに組み込んでも、またはシリンダヘッドカバーとは独立したコンポーネントを形成してもよい。
【0012】
本願において、「連結」という用語とその派生形は、特に少なくとも2つの領域間で流体、ガスおよび/または液体を連通させることを指す。
【0013】
本願において、「接続」という用語とその派生形は、特に少なくとも2つのコンポーネント間の導電接続に関する。
【0014】
本願において、「上流」および「下流」という用語は、入口と出口との間のガス流の一般的な意味を指す。上流部分は、入口から前記少なくとも1つの減圧部材まで延びる。下流部分は、前記少なくとも1つの減圧部材から出口まで延びる。
【0015】
本発明のある変化形によれば、減圧部材は、油回収室と上流部分との間に5Pa〜200Paの圧力差を生じさせるように構成される。
【0016】
本発明のある実施形態によれば、前記少なくとも1つのエミッタ電極と前記少なくとも1つのコレクタ電極は、少なくとも部分的に導電性材料からなり、前記少なくとも1つのエミッタ電極と前記少なくとも1つのコレクタ電極の各々は、その算術平均粗さRaが0.1μm〜100μmの間の表面粗さを有する。
【0017】
それゆえ、このようなエミッタとコレクタ電極は比較的平滑であり、したがって濡れにくく、それゆえ、混合物から分離された油滴がエミッタおよびコレクタ電極上で広がりやすくなり、それによってエミッタおよびコレクタ電極に凝集する油が減る。
【0018】
本発明のある変化形によれば、前記少なくとも1つのエミッタ電極と前記少なくとも1つのコレクタ電極は、プラスチック材料に導電性材料をコーティングしたものからなる。この変化形の代わりに、前記少なくとも1つのエミッタ電極と前記少なくとも1つのコレクタ電極は、全体が導電性材料から、例えば金属材料からなっていてもよい。
【0019】
本発明のある変化形によれば、電子ユニットは、少なくとも帯電フェーズ中に、前記少なくとも1つのエミッタ電極を実質的に一定の負の電位にするように構成される。すると、このような電子ユニットによって静電界が生成され、それゆえ、油滴の電荷、それによって各コレクタ電極に沈着する油の収率、ひいては分離装置の分離効率が最大化する。
【0020】
本発明のある実施形態によれば、前記少なくとも1つのエミッタ電極は、入口付近に延びる。
【0021】
それゆえ、その、または各エミッタ電極は、混合物が分離室に入るとすぐに油滴を負に帯電させることができ、それゆえ、分離装置の体積を最小化できる。
【0022】
本発明のある変化形によれば、入口と前記少なくとも1つのエミッタ電極を分離する距離は、入口と出口を分離する距離の0%〜30%である。入口と出口を分離する距離は、分離チャンバの長さに対応する。
【0023】
本発明のある実施形態によれば、前記少なくとも1つのエミッタ電極は少なくとも1つの紐状部分を含む。
【0024】
それゆえ、このような紐状部分によって、ある電圧での電界の強度、ひいてはコレクタ電極に沈着する油の収率を高めることができる。実際に、紐状部分は、その断面の寸法が小さいため、重要な避雷針効果を生じる。
【0025】
本発明のある実施形態によれば、少なくとも1つの紐状部分は、入口と出口との間の混合物の流れの方向を横切る方向に沿って延びる。
【0026】
それゆえ、混合物の流れを横切るこのような紐状部分によって、分離室の流れの断面の重要な部分において電界を発生させることができる。したがって、このような紐状の横方向の部分により、混合物の中に含まれる多数の油滴を帯電させることができる。
【0027】
本発明のある変化形によれば、前記少なくとも1つの紐状部分は、全体的に入口と出口との間の混合物の流れの方向に対して垂直な少なくとも1つの方向に沿って延びる。
【0028】
本発明のある変化形によれば、紐状部分は直線である。それゆえ、このような直線紐状部分は分離室内に設置しやすい。
【0029】
この変化形の代わりに、紐状部分は曲線であってもよい。それゆえ、このような曲線紐状部分は、分離室の形状にとって適当とすることができる。
【0030】
本発明のある変化形によれば、各紐状部分は、概して円形の断面形状を有し、その直径は1mm未満である。それゆえ、このような紐状部分は重要な避雷針効果、ひいては強力な電界を生成する。
【0031】
本発明のある変化形によれば、少なくとも1つの紐状部分はワイヤにより形成される。本発明の他の変化形によれば、少なくとも1つの紐状部分は針によって形成される。
【0032】
本発明のある実施形態によれば、分離装置は少なくとも2つのエミッタ電極を含む。紐状部分は実質的に平行に配置される。
【0033】
それゆえ、いくつかのエミッタ電極によっていくつかの電界を生成でき、ひいては、油滴の電荷と帯電油滴の数を最大化できる。
【0034】
本発明のある実施形態によれば、分離装置は、電子ユニットに接続された少なくとも1つの補助電極をさらに含み、電子ユニットは、少なくとも帯電フェーズ中に、前記少なくとも1つの補助電極をゼロまたは正の電位にするように構成される。
【0035】
前記少なくとも1つの補助電極は、前記エミッタ電極に対し、前記少なくとも1つのコレクタ電極より近くに配置され、それによって前記少なくとも1つのエミッタ電極と前記少なくとも1つの補助電極との間に確立される電界は、前記少なくとも1つのエミッタ電極と前記少なくとも1つのコレクタ電極との間に確立される電界より強力である。
【0036】
それゆえ、各補助電極により、油滴が通る電界を最大化できる。実際に、各補助電極は、入口とエミッタ電極の付近に設置されてもよく、それに対して、各コレクタ電極はブリードポートの付近に、その出口付近の油を油回収室に向かって集めるような方法で設置されなければならない。
【0037】
本発明のある実施形態によれば、分離装置は少なくとも2つの補助電極を含み、これは補助的な紐状部分によって形成され、相互に対して、およびエミッタ電極に対して実質的に平行に配置され、補助電極とエミッタ電極は互い違いに配置される。
【0038】
換言すれば、各補助電極は、2つの連続するエミッタ電極によって画定される間隔に対面するように配置される。
【0039】
それゆえ、このような互い違いの配置により、電界中の油滴の経路長、ひいてはその帯電時間が長くなり、その電荷が増大する。実際に、エミッタ電極と補助電極との間に生成される各電界は、混合物の流れの方向に関して斜めの方向に沿って延びる。
【0040】
本発明のある変化形によれば、隣接する補助電極とエミッタ電極との間の距離は、このエミッタ電極と最寄りのコレクタ電極との間の距離の10%〜30%の間である。例えば、補助電極と隣接する出エミッタ電極との間の距離が5mmであるとすると、エミッタ電極と最寄りのコレクタ電極との間の距離は15mm〜50mmの間であってもよい。
【0041】
それゆえ、このような距離によって、エミッタ電極と補助電極との間に、エミッタおよびコレクタ電極との間より強力な電界を生成でき、それゆえ、油滴が各コレクタ電極付近に到達する前の帯電油滴の数が増え、各油滴の電荷が増大する。
【0042】
本発明のある実施形態によれば、前記少なくとも1つの補助電極は、前記少なくとも1つのエミッタ電極の上流に配置される。
【0043】
それゆえ、このような構成によって、コレクタ電極による油滴の収集を最大化できる。実際に、下流のエミッタ電極と上流の補助電極との間に生成される電界は、各帯電油滴に、空気の力と反対の静電力を誘発する。したがって、この電界は各油滴の速度を低下させ、それゆえ、コレクタ電極によるその捕集を容易にする。さらに、空気の力は各帯電油滴を(反対の、またはゼロの電荷の)補助電極から遠ざける傾向があり、それゆえ、補助電極への油の凝集を制限または防止する。
【0044】
本発明のある実施形態によれば、前記少なくとも1つの真空ポートの流れの断面は、前記少なくとも1つのブリードポートの流れの断面より大きい。
【0045】
それゆえ、このような真空ポートは、油回収室と分離室との間に十分な圧力差を確実に生じさせる。したがって、このような真空ポートによれ、油は確実に各ブリードポートを通って流れる。
【0046】
本発明のある変化形によれば、i)前記少なくとも1つの真空ポートの流れの断面と、ii)前記少なくとも1つのブリードポートの流れの断面の比は2より大きいか、2と等しい。すると、このような真空ポートは、油回収室と分離室との間の圧力差を最大化する。
【0047】
本発明のある実施形態によれば、前記少なくとも1つのブリードポートは、上流部分の下側領域、例えば上流部分の底部に配置される。
【0048】
それゆえ、このような位置により、油は、真空ポートによる吸引に加えて、重力によってブリードポートを通って流れることができる。
【0049】
本願において、「下側」および「上側」という用語は、分離装置が動作位置にある時の、ある要素の高さを指す。
【0050】
本発明のある実施形態によれば、前記少なくとも1つのブリードポートは、上流部分のそれぞれの側壁の付近、またはその中に配置される。
【0051】
それゆえ、このような位置によって、ブリードポートを通って流れる油の排出流速が高まる。実際に、ガスの速度、ひいては各油滴にかかる空気の力は壁付近で最小となり(平穏領域)、それゆえ、油滴がガスによってブリードポートから外に運ばれる危険性が最小化する。
【0052】
本発明のある実施形態によれば、分離装置は少なくとも2つのブリードポートを含み、これらはそれぞれ上流部分の両側の境界上に、例えばそれぞれ上流部分の両側の側壁の付近に設置される。
【0053】
それゆえ、いくつかのブリードポートによって、油回収室に向かって流れる油の排出流速が増大する。
【0054】
本願において、「境界」および「側」という用語は、入口と出口との間のガス流の一般的な方向を指す。
【0055】
この実施形態のある変化形によれば、分離装置は偶数のブリードポートを含み、ブリードポートは上流部分の各境界上に等しい数だけ配置される。すると、分離室内のガス速度分布は対称であり、それゆえ、油はブリードポートを通って等しい排出流速で流れることができる。
【0056】
たとえば、分離装置は4つのブリードポートを含んでいてもよく、2つのブリードポートが上流部分の一方の境界上に配置され、2のブリードポートが上流部分の反対の境界上に配置される。
【0057】
本発明のある変化形によれば、分離室は対称軸を有し、ブリードポートは対称軸の各境界上に対称に配置される。
【0058】
本発明のある実施形態によれば、前記少なくとも1つのコレクタ電極は前記少なくとも1つのブリードポートの付近に延びる。
【0059】
それゆえ、油は、ブリードポートに最も近い各コレクタ電極に沈着し、これによって油が油回収室に向かって流れやすくなる。
【0060】
本発明のある変化形によれば、それぞれのブリードポートとそれに対応するコレクタ電極を分離する距離は、入口と出口を分離する距離の0%〜5%の間にあたる。
【0061】
本発明のある実施形態によれば、分離装置は少なくとも2つのブリードポートと少なくとも2つのコレクタ電極を含み、各コレクタ電極はそれぞれのブリードポートの付近に延びる。
【0062】
それゆえ、いくつかのコレクタ電極といくつかのブリードポートにより、油回収室に向かって流れる油の排出流速を高めることができる。
【0063】
本発明のある実施形態によれば、前記少なくとも1つのコレクタ電極は導電フィルムを含み、前記少なくとも1つの導電フィルムは上流部分の下面を少なくとも部分的に覆う。
【0064】
それゆえ、このような導電性フィルムにより、効率的で軽量のコレクタ電極を形成できる。
【0065】
本発明のある変化形によれば、前記少なくとも2つのコレクタ電極の各々は、分離室の上流部分の下面(すなわち底部)のそれぞれの部分を覆う導電条片によって形成され、各導電条片の一部はそれぞれのブリードポートの付近または周囲に配置される。
【0066】
上述の実施形態の代替案によれば、分離装置は単独のコレクタ電極を含む。例えば、単独のコレクタ電極は、分離室の上流部分の下面(すなわち底部)を全体的または部分的に覆ってもよい。それゆえ、多数の油滴を帯電させ、捕集できる。
【0067】
本発明のある実施形態によれば、前記少なくとも1つのコレクタ電極は、
−前記少なくとも1つのブリードポートの周囲に延びる周辺導電フィルムと、
−周辺導電フィルムを延長し、分離装置が動作位置にあるときに実質的に縦に延びるように配置された少なくとも1つの隣接導電フィルムと、
を含む。
【0068】
それゆえ、このような周辺および隣接導電フィルムによって、油回収室に向かって流れる油の排出流速を高めることができる。実際に、周辺フィルムによってブリードポートの周囲からの油を捕集でき、その一方で、隣接フィルムによって重力が油をブリードポートへと導くことができる。
【0069】
本発明のある実施形態によれば、前記少なくとも1つのブリードポートは、少なくとも1つの先鋭な境界を有し、これは曲げ半径が0.2mm未満の縁を含み、前記少なくとも1つのコレクタ電極は前記先鋭な境界を覆う。
【0070】
このような先鋭な境界は避雷針効果を生み、それゆえ、帯電油滴と、先鋭な境界を覆うコレクタ電極との間に比較的強力な電界を発生させることができる。
【0071】
本発明のある変化形によれば、コレクタ電極はそれぞれのブリードポートの内部へと延びる。換言すれば、このコレクタ電極は、各境界をこのブリードポートの少なくとも1つの縁を覆う。
【0072】
本発明のある実施形態によれば、前記少なくとも1つの先鋭な境界は、曲げ半径が0.2mm未満の2つの縁を含み、この2つの縁は、例えば円弧の形状の断面を有する丸みのある面取り部によって結合され、丸みのある面取り部の半径は0.5mmより大きく、好ましくは1mmより大きく、前記少なくとも1つのコレクタ電極は先鋭な境界と丸みのある面取り部を覆う。
【0073】
それゆえ、このような先鋭な境界は、避雷針またはスパイク効果を生じ、それゆえ、帯電油滴と、先鋭な境界を覆うコレクタ電極との間に比較的強力な電界を発生させることができる。同様に、丸みのある面取り部は逆の避雷針効果を生み、それゆえ、帯電油滴と、丸みのある面取り部を覆うコレクタ電極との間に比較的強力な電界を発生させることができる。
【0074】
本発明のある実施形態によれば、前記少なくとも1つの減圧部材がそれぞれのブリードポートの付近に配置される。
【0075】
それゆえ、このような配置によって、減圧部材は、各ブリードポートの付近のガス速度を低下させる。したがって、この配置により、油滴が各ブリードポートから外へと導かれる危険性が低下する。これに加えて、減圧部材は各ブリードポート付近に分離領域を画定し、それゆえ、コレクタ電極による油滴の捕捉が促進される。
【0076】
本発明のある変化形によれば、前記少なくとも1つの減圧部材とそれぞれのブリードポートとを分離する距離は、入口と出口を分離する距離の0%〜20%の間である。
【0077】
本発明のある変化形によれば、前記少なくとも1つの減圧部材はそれぞれのブリードポートと連続する。
【0078】
本発明のある変化形によれば、前記少なくとも1つの減圧部材は、1カ所で減圧を行うように構成される。
【0079】
本発明のある実施形態によれば、前記少なくとも1つの減圧部材は障害物によって形成される。
【0080】
それゆえ、このような障害物は分離室内に容易に組み込まれ、それによる減圧は、ガス流の排出流速により変化しにくい。
【0081】
本発明のある変化形によれば、前記少なくとも1つの障害物の高さは上流部分の高さの50%から100%の間である。
【0082】
本発明のある変化形によれば、前記少なくとも1つの減圧部材は、分離室の流れの断面の5%〜30%を妨害する。
【0083】
上述の実施形態の代替案によれば、少なくとも1つの減圧部材は内側に曲げられた部分により形成される。
【0084】
上述の実施形態の他の変化形によれば、少なくとも1つの減圧部材は、入口に関して流れの断面が縮小された狭小区間により形成される。
【0085】
本発明のある実施形態によれば、分離室は一般に、例えば長方形の底面を有する平行六面体の形状を有し、油回収室は一般に、例えば長方形の底面を有する平行六面体の形状を有する。
【0086】
それゆえ、平行六面体の形状のこのような分離室はエンジンコンパートメント内に埋め込みやすい。
【0087】
本発明のある実施形態によれば、分離室は一般に、例えば円形の底面を有する円筒の形状を有し、油回収室は一般に、分離室の周囲に配置される管の形状を有する。
【0088】
それゆえ、円筒形のこのような分離室のガス流は、速度の分布が均一である。
【0089】
この実施形態のある変化形によれば、分離装置はいくつかのエミッタ電極を含み、これらは相互に対して、および円筒の軸に概して平行に配置された紐状部分により形成される。
【0090】
2つの上記の実施形態の代わりに、分離室は入口と出口との間に概して内側に曲げられた形状を有する。換言すれば、分離室はエルボウを形成し、それによって入口と出口との間のガスの流れの線が曲がる。
【0091】
本発明のある実施形態によれば、分離装置は、油回収室に連結された移送部材をさらに含み、移送部材は、内燃機関に向かう液体の油の流れを可能にし、内燃機関のガスの油回収室への流れを防止するように構成される。
【0092】
それゆえ、このような移送部材によって、油回収室を分離室に関して真空に保持でき、それは、移送部材により、内燃機関からガスが到達して、移送部材を介して油回収室へと向かうのを完全に防止するからである。
【0093】
本発明のある変化形によれば、移送部材は、油をエンジンユニットに向かって移送するように構成されたサイフォンと移送管を含む。あるいは、移送部材は、油をエンジンユニットに向かって移送するように構成された弁と移送管を含む。
【0094】
さらに、本発明の目的は、ガスと油滴を含み、内燃機関から発せられる混合物から油滴を分離する分離方法であり、この分離方法は、
−本発明による分離装置を実装するステップと、
−帯電フェーズ中に、電子ユニットを、
・前記少なくとも1つのエミッタ電極が、油滴を負に帯電するのに適した少なくとも1つの電界を生成し、
・前記少なくとも1つのコレクタ電極が、負に帯電した油滴を捕集する
ような方法で制御するステップと、
−混合物が分離室に入るようにするステップと、
を含む。
【0095】
それゆえ、このような分離方法により、混合物から分離された油の効率的な放電が可能となる。
【0096】
上記の実施形態と変化形は、単独でも、技術的に可能な何れの組み合わせによっても利用されてよい。
【0097】
非限定的な例として示されているにすぎず、次のような添付の図面を参照しながらなされる以下の説明を読むことにより、本発明はよく理解され、その利点もまた明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0098】
図1】本発明の第一の実施形態による分離装置の概略斜視図である。
図2】本発明の第二の実施形態による分離装置の概略斜視図である。
図3】本発明の第三の嫉視形態による分離装置の概略斜視図である。
図4図3の詳細部IVの拡大図である。
図5図4の平面Vによる断面図であり、図5図3の分離装置に属するエミッタ電極と補助電極との間の電界の線を概略的に示す。
図6】本発明の第四の実施形態による分離装置の概略斜視図である。
図7図6の詳細部VIIの拡大図である。
図8図7の一部の、図7の平面VIIIによる拡大切断斜視図である。
図9】本発明の第五の実施形態による分離装置の概略斜視図である。
図10】本発明の第六の実施形態による分離装置の概略斜視図である。
図11】本発明の第七の実施形態による分離装置の断面図である。
図12】本発明による分離方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0099】
図1は、油滴2と、流れの線4により記号化されるガスと、を含む混合物から油滴2を分離する分離装置100を示す。この混合物は、図示されていない内燃機関から発せられる。油滴2は概して球形であり、その直径は0.1μm〜100μmの間である。
【0100】
分離装置100は分離室102を含む。分離室102は一般に、長方形の底面を持つ平行六面体の形状を有する。
【0101】
分離室102は入口104を有し、これは、混合物が分離室102に入るように構成される。さらに、分離室102は出口106を有し、これはガス4が分離室102から出るように配置される。分離装置100が動作中であるとき、混合物は、入口104を介して分離室102に入り、ガス4は出口106によって分離室102から出る。
【0102】
さらに、分離装置100は油回収室110を含む。油回収室110は一般に、長方形の底面を有する平行六面体の形状を有する。
【0103】
油回収室110は、2つのブリードポート112と113によって分離室102に連結される。分離装置100が動作中であるとき、液体の油が分離室102から油回収室110へとブリードポート112と113を通じて流れる。
【0104】
これに加えて、分離装置100は、エミッタ電極121とコレクタ電極122を含む。エミッタ電極121は完全に分離室102の中へと延びる。同様に、コレクタ電極122も完全に分離室102の中へと延びる。
【0105】
エミッタ電極121とコレクタ電極122は、プラスチック材料に導電性材料、例えば金属合金をコーティングしたものからなる。エミッタ電極121とコレクタ電極122の各々は、その算術平均粗さRaが約50μmに等しい表面粗さを有する。
【0106】
エミッタ電極121は、入口104の付近に延びる。入口104とエミッタ電極121を分離する距離は、入口104と出口106を分離する距離の15%に略等しい。入口104と出口106を分離する距離は、分離室102の長さL102に対応する。
【0107】
エミッタ電極121は、直線ワイヤにより形成される紐状部分を含む。エミッタ電極121は、入口104と出口106との間で混合物の流れる方向に対して垂直な方法Y121に概して沿って延びる。
【0108】
エミッタ電極121を形成するワイヤは円形の断面形状を有し、その直径は約0.8mmと等しい。それゆえ、このような紐状部分は重要な避雷針効果、ひいては強力な電界を生成する。
【0109】
コレクタ電極122は、ブリードポート112の周囲とブリードポート113の周囲に延びる。それぞれのブリードポート112または113とコレクタ電極122を分離する距離は、入口104と出口106を分離する距離の0%にあたる。
【0110】
コレクタ電極122は、上流部分102.4の下面103を完全に覆う導電フィルムを含む。
【0111】
分離装置100は、エミッタ電極121とコレクタ電極122に接続される電子ユニット124をさらに含む。電子ユニット124は、帯電フェーズ中に、
・エミッタ電極121を負の電位にして、エミッタ電極121が負に帯電させるのに適した少なくとも1つの電界E100を発生させ、エミッタ電極121の負の電位は例えば−5kV〜−20kVを含んでいてもよく、
・コレクタ電極122をゼロまたは正の電位にして、コレクタ電極122が電界E100の中での負に帯電した油滴2を捕集し、コレクタ電極122のゼロまたは正の電位は例えば0V〜12Vの間である
ように構成される。
【0112】
電子ユニット124は、帯電フェーズ中に、エミッタ電極121を実質的に一定の負の電位にし、それゆえ静電電界を発生させるように構成される。
【0113】
分離装置100は、2つの減圧部材131と132をさらに含む。減圧部材131と132は、分離室102の中に、上流部分102.4と下流部分102.6をその中に画定するように配置される。
【0114】
上流部分102.4は入口104から減圧部材131および132まで延びる。下流部分102.6は、減圧部材131と132から出口106まで延びる。
【0115】
減圧部材131と132は、ガス4が入口104と出口106の間を流れるときに、上流部分102.4と下流部分102.6との間で減圧がなされるように構成される。各減圧部材131または132は、ここでは、障害物として形成される。各減圧部材131または132は1カ所で減圧させる。
【0116】
各減圧部材131または132はここでは、分離室102の流れの断面の約20%を妨害する。それゆえ、減圧部材131と132によって、上流部分102.4と油回収室110との間に100Paに略等しい圧力差を生成できる。
【0117】
減圧部材131は、ブリードポート112の付近に配置される。減圧部材132は、ブリードポート113の付近に配置される。各減圧部材131または132の高さは、上流部分102.4の高さの100%に等しい。
【0118】
各減圧部材131または132は、それぞれのブリードポート112または113と連続する。したがって、減圧部材131または132とそれぞれのブリードポート112または113とを分離する距離はここでは、入口104と出口16を分離する距離の0%にあたる。
【0119】
ブリードポート112は、上流部分102.4の下側領域に配置される。図1の例では、ブリードポート112は、上流部分102.4の底部に配置される。油回収室110は、分離室102の下に配置される。したがって、油は、前述の圧力差による吸引に加えて、重力によってもブリードポート112から流れることができる。
【0120】
さらに、ブリードポート112と113は、それぞれ上流部分102.4の両側の境界の上に配置される。図1の例において、ブリードポート112は上流部分102.4の側壁の付近に配置され、ブリードポート113は反対の側壁の付近に配置される。
【0121】
油回収室110は、下流部分102.6に真空ポート126によって連結され、油回収室110の中の圧力は上流部分102.4の中の圧力より低くなる。真空ポート126は断面が円形の管部に形成される。
【0122】
真空ポート126の流れの断面は、各ブリードポート112または113の流れの断面より大きい。図1の例において、i)真空ポート126の流れの断面と、ii)各ブリードポート112または113の流れの断面との比は10に略等しい。
【0123】
分離装置100は移送部材134をさらに含み、これは油回収室110に連結される。移送部材134は、液体の油の内燃機関に向かう流れを可能にし、ガス4の流れを防止するように構成される。
【0124】
移送部材134は、サイフォン136と図示されていない移送管を含む。移送管は、図示されていないエンジンユニットに向かって油を移送するように構成される。
【0125】
分離装置100が動作中であるとき、電子ユニット124はエミッタ電極121を負の電位(−20kV)にしてもよい。エミッタ電極121は、それが極性化されると(負の電位にされると)、負の電荷を放出する。
【0126】
帯電フェーズ中、電子ユニット124はコレクタ電極122をゼロ電位(0V)にすることができる。コレクタ電極122は負に帯電した油滴を引き付けるが、これは、コレクタ電極122と帯電油滴の各々との間に電界が確立されるからである。これらの電界は、静電力を各帯電油滴にかける。
【0127】
すると、油滴はコレクタ電極122に沈着し、そこでブリードポート112と113を通過するガスの流れが油を油回収室110へと吸引する。最後に、液体の油は移送部材134によって油回収室110から出る。
【0128】
図2は、本発明の第二の実施形態による分離装置200を含む。分離装置200が分離装置100と同様であるかぎり、図1に関して上述した分離装置100の説明を分離装置200にも転用できるが、後述の顕著な相違を除く。
【0129】
分離装置200の、その構造または機能の点で分離装置100のコンポーネントと同一の、またはそれに対応するコンポーネントには、同じ参照番号に100を加えたものが付されている。それゆえ、分離室202、入口204、出口206、油回収室210、2つのブリードポート212と213、エミッタ電極221、電子ユニット224、真空ポート226、分離室202の上流部分202.4と下流部分202.6を画定する減圧部材231と232、サイフォン236を有する移送部材234が定義される。
分離装置200が分離装置100と異なる点は、それが2つのコレクタ電極222.1と222.2を含むのに対し、分離装置100は単独のコレクタ電極122を含むことである。
【0130】
コレクタ電極222.1と222.2の各々は、上流部分202.4の下面のそれぞれの部分を覆う導電条片により形成される。各導電条片の一部は、それぞれのブリードポート212または213の周囲に配置される。コレクタ電極222.1と222.2の各々は、入口204と出口206を接続する方向に平行に延びる。
【0131】
分離装置200が動作中であるとき、電子ユニット224はコレクタ電極222.1および222.2を異なる電位にすることができる。帯電フェーズ中、電子ユニット224はコレクタ電極222.1と222.2をゼロ電位にしてもよい。
【0132】
すると、放電フェーズ中に、電子ユニット224はコレクタ電極222.1と222.2を負の電位、例えば−10kVにすることができる。帯電フェーズは放電フェーズより長く続いてもよい。放電フェーズ中にコレクタ電極222.1と222.2に凝集した油滴は放電され、コレクタ電極222.1と222.2によって、それらがブリードポート212および213を通って流れやすくなるように付勢される。
【0133】
これに加えて、電子ユニット224は、コレクタ電極222.1と222.2の帯電および放電フェーズを異なる方法で動作させることができ、それゆえ、コレクタ電極222.1で油滴をゼロ電位で継続的に帯電させ、それに対して、コレクタ電極222.2が負の電位であるときに放電する。それゆえ、電子ユニット224により、油滴を永久的に帯電させながら、油を効率的に放電できる。
【0134】
図3、4、5は、本発明の第三の実施形態による分離装置300を示す。分離装置300が分離装置200と同様である限り、図2に関して上述した分離装置200の説明を分離装置300にも転用できるが、後述の顕著な相違を除く。
【0135】
分離装置300の、その構造または機能の点で分離装置200のコンポーネントと同一の、またはそれに対応するコンポーネントには、同じ参照番号に100を加えたものが付されている。それゆえ、分離室202、入口304、出口306、油回収室310、2つのブリードポート312と313、2つのコレクタ322.1と322.2、電子ユニット324、真空ポート326、減圧部材331と332、および移送部材334が定義される。
【0136】
分離装置300が分離装置200と異なる点は、それが3つのエミッタ電極321を含むのに対し、分離装置200は1つの単独のエミッタ電極221を有することである。エミッタ電極321は、相互に実質的に平行に配置された紐状部分により形成される。
【0137】
これに加えて、分離装置300が分離装置200と異なる点は、それが2つの補助電極340を含むことである。補助電極340は電子ユニット324に接続される。電子ユニット324は、帯電フェーズ中に補助電極340をゼロ電位にするように構成される。
【0138】
補助電極340は、エミッタ電極に対して、コレクタ電極322.1および322.2より近くに配置され、エミッタ電極と補助電極340との間に確立される電界E300はエミッタ電極321とコレクタ電極322.1および322.2との間に確立される電界より強力となる。
【0139】
補助電極340は、補助紐状部分により形成され、これは相互に対して、およびエミッタ電極321に対して実質的に平行に配置される。補助電極340はエミッタ電極321の上流に配置される。
【0140】
図4と5に明確に示されているように、補助電極340とエミッタ電極321は互い違いに配置される。それゆえ、各補助電極340は、2つの連続するエミッタ電極321により画定されるギャップの前に配置される。動作中、この互い違いの配置によって、各エミッタ電極321と各補助電極340との間の電界E300の中の油滴2の経路長を長くすることができる。したがって、油滴2はより長い帯電時間に曝され、それによってこれらはより強力に、より多くの数で帯電される。
【0141】
図3に示されるように、補助電極340と隣接するエミッタ電極321との間の距離321.340は、このエミッタ電極321と最寄りのコレクタ電極322.1または322.2との間の距離321.322の約10%に等しい。
【0142】
さらに、分離装置300が分離装置200と異なる点は、コレクタ電極322.1と322.2が立体形状を有するのに対し、コレクタ電極222.1および222.2が平坦な形状を有することである。
【0143】
実際に、各コレクタ電極322.1または322.2は、i)それぞれのブリードポート312または313の周囲に延びる周辺導電フィルムと、ii)周辺導電フィルムを延長し、分離装置300が動作位置にあるとき(図3)に実質的に縦方向に延びるように配置された2つの隣接する導電フィルムと、を含む。
【0144】
それゆえ、各コレクタ電極322.1または322.2は3つの条片で形成され、これらは交差する縁の上に連続的に取り付けられ、その各々がそれぞれの平面上に延びる。コレクタ電極322.1を形成する3つの条片はそれぞれ、分離室302の下面、平坦な側壁、および減圧部材331と適合する。
【0145】
図6は、本発明の第四の実施形態による分離装置400を示す。分離装置400が分離装置300と同様であるかぎり、図3、4および5に関して上述した分離装置300の説明を分離装置400に転用してもよいが、後述の顕著な相違を除く。
【0146】
分離装置400の、その構造または機能の点で分離装置300のコンポーネントと同一の、またはこれに対応するコンポーネントには、同じ参照番号に100を加えたものが付されている。それゆえ、分離室402、入口404、出口406、油回収室410、2つのブリードポート412と413、エミッタ電極421、電子ユニット424、真空ポート426、補助電極440、減圧部材431と432、および移送部材434が定義される。
【0147】
図6に示されるように、分離装置400が分離装置300と異なる点は、2つのコレクタ電極422.1と422.2が2つのコレクタ電極322.1と322.2より短いことである。各コレクタ電極422.1または422.2の長さは、各コレクタ電極322.1または322.2の長さの約15%にあたり、この長さは、分離室402の長さ(図1のL102参照)に平行に測定される。分離室402の長さは、入口104と出口106を分離する長さに対応する。
【0148】
コレクタ電極422.1と422.2はコレクタ電極322.1と322.2より短く、それ以外の点はすべての同じであるため、エミッタ電極421と補助電極440との間の電界は、エミッタ電極421とコネクタ電極422.1および422.2との間のそれよりはるかに強力である。これによって、油滴2がコレクタ電極422.1および422.2に到達する前の帯電の油滴2の数と各油滴2の電荷が増大する。
【0149】
さらに、図7と8に示されるように、各ブリードポート412または413の周辺は、4つの先鋭な境界によって形成され、その各々は2つの縁415と416を含む。縁315と416の各々の曲げ半径は約0.1mmに等しい。
【0150】
これに加えて、図8に示されるように、各コレクタ電極422.1または422.2は、それぞれのブリードポート412または413の内部に延びる。したがって、それぞれのコレクタ電極422.1または422.2は、各ブリードポート412または413の周辺を形成する先鋭な境界を覆う。
【0151】
それゆえ、縁415と416はスパイク効果を生み、それによって帯電の油滴2とそれぞれのコレクタ電極422.1または422.2との間に比較的強力な電界を発生させることができる。
【0152】
縁415と416は、円弧状の断面を有する丸みのある面取り部417によって結合される。ここで、丸みのある面取り部417の半径は、約1mmに等しい。各コレクタ電極422.1または422.2は、先鋭な境界と丸みのある面取り部417を覆う。それゆえ、丸みのある面取り部は、逆の避雷針効果を生み、それによって、帯電の油滴2と、丸みのある面取り部417を覆うコレクタ電極422.1との間に比較的強力な電界を発生させることができる。
【0153】
図9は、本発明の第五の実施形態による分離装置500を示す。分離装置500が分離装置400と同様である限り、図6に関して上述した分離装置400の説明を分離装置500にも転用できるが、後述の顕著な相違を除く。
【0154】
分離装置500の、その構造または機能の点で分離装置400のコンポーネントと同一の、またはそれに対応するコンポーネントには、同じ参照番号に100を加えたものが付されている。それゆえ、分離室502、入口504、出口506、油回収室510、エミッタ電極521、電子ユニット524、真空ポート526、補助電極540、減圧部材531と532、および転送部材534が定義される。
【0155】
分離装置500が分離装置400と異なる点は、分離装置500が4つのブリードポート512.1、512.2、513.1、および513.2を有するのに対して、分離装置400は2つのブリードポート412と413を有することである。
【0156】
同様に、分離装置500が分離装置400と異なる点は、分離装置500が4つのコレクタ電極522を含むのに対して、分離装置400は2つのコレクタ電極422.1と422.2を含むことである。
【0157】
ブリードポート512.1と512.2は上流部分の片側に配置され、2つのブリードポート513.1と513.2は上流部分の反対側に配置される。
【0158】
コレクタ電極522はブリードポート512.1、512.2、513.1、および513.2の周囲に延びるため、2つのコレクタ電極522が上流部分の片側に配置され、2つのコレクタ電極522は上流部分の反対側に配置される。
【0159】
分離装置400と同様に、分離装置500は偶数のブリードポートを含み、ブリードポートは上流部分のそれぞれの側に等しい数だけ配置される。
【0160】
さらに、図9の例において、分離室502は、対称軸X500を有する。ブリードポート512.1、512.2、513.1および513.2は、対称軸X500の両側に対称に配置される。
【0161】
これに加えて、分離装置500が分離装置400と異なる点は、分離装置500が6つの減圧部材を含むのに対して、分離装置400は2つの減圧部材431および432を含むことである。実際に、分離装置500は、
−2つの減圧部材431と432と同一の2つの主減圧部材531と532と、それに加えて、
−4つの第二の減圧部材541.1、541.2、542.1、および542.2と、
を含む。
【0162】
第二の減圧部材541.1、541.2、542.1、および542.2は、それぞれブリードポート512.1、512.2、513.1、および513.2の周囲に配置される。4つの第二の圧力低下部材541.1、541.2、542.1、および542.2の各々によって、ブリードポート512.1、512.2、513.1、および513.2の付近におけるガス速度を低下でき、その一方で、2つの主減圧部材531と532はむしろ、分離室502の上流部分と油回収室510との間の圧力差を生じることができる。
【0163】
分離装置500が動作中であるとき、電子ユニット524はコレクタ電極522を異なる電位にすることができる。
【0164】
図2に関して前述したように、電子ユニット524は、コレクタ電極522の帯電および放電フェーズを遅延させた方法で実行できる。例えば、3つのコレクタ電極522は、ゼロ電位にされてもよく(帯電フェーズ)、これに対し、4つ目のコレクタ電極522は負の電位(放電フェーズ)にされて、帯電油滴を対応するブリードポート512.1、512.2、513.1、または513.2に向かって付勢する。
【0165】
その後、電子ユニット524は残りのコレクタ電極522の放電を一度に進める。それによって、3つのコレクタ電極522で油滴を継続的に帯電させ、それと同時に、第四のコレクタ電極522が負の電位にあるときに油滴は放電される。それゆえ、電子ユニット524は、油滴を永久的に帯電させながら、油を有効に放電させることができる。
【0166】
図10は、本発明の第六の実施形態による分離装置600を示す。分離装置600が分離装置500と同様である限り、図9に関して上述した分離装置500の説明を分離装置600に転用できるが、後述の顕著な相違を除く。
【0167】
分離装置600の、その構造または機能の点で分離装置500のコンポーネントと同じ、またはこれに対応するコンポーネントには、同じ番号に100を加えたものが付されている。それゆえ、分離室602、入口604、出口606、油回収室610、ブリードポート612、613およびこれと同等のもの、エミッタ電極621、コレクタ電極622、電子ユニット624、真空ポート626、補助電極640、主減圧部材631、第二の減圧部材641と642が定義される。分離装置600は転送部材をさらに含み、これは図示されておらず、その機能の点で、転送部材534と同様である。
【0168】
分離装置600が分離装置500と異なる点は、分離室602が概して円形の底面を有する円筒の形状を有するのに対して、分離室502は概して平行六面体の形状を有することである。
【0169】
同様に、分離装置600は分離装置500と異なる点は、油回収室610が分離室602の周囲に配置された、概して円形管の形状を有するのに対して、油回収室510は、分離室502の下に配置された、概して平行六面体の形状を有することである。
【0170】
さらに、分離装置600が分離装置500と異なる点は、紐状部分で形成されるエミッタ電極621と補助電極640が相互に対して、および分離室602を画定する円筒の軸に対して実質的に平行に、したがって、入口604と出口606と間の混合物の流れの方向に対して実質的に平行に配置されることである。これに対して、エミッタ電極521と補助電極540は、入口504と出口506との間の混合物の流れの方向に対して垂直に延びる。
【0171】
分離装置500と同様に、分離装置600は4つのブリードポートを有し、そのうちの2つが図10において、参照番号612と613として見えるが、そのうちの2つは図示されていない。その2つのブリードポートは、それぞれブリードポート612と613の、分離室602を形成する円筒の軸に関して反対側に配置される。
【0172】
さらに、混合物は、90°のエルボウを介して分離装置600の中に導入される。
【0173】
図11は、本発明の第七の実施形態による分離装置700を示す。分離装置700が分離装置600と同様であるかぎり、図10に関して上述した分離装置600の説明を分離装置700に転用してよいが、後述の顕著な相違を除く。
【0174】
分離装置700の、その構造または機能の点で分離装置600のコンポーネントと同一の、またはこれに対応するコンポーネントには、同じ参照番号に100を加えたものが付されている。それゆえ、分離室702、入口704、出口706、油回収室710、電子ユニット724、真空ポート726、主減圧部材731、および転送部材734が定義される。
【0175】
図9に示されるように、分離装置700が分離装置600と異なる点は、
−分離装置700が1つの単独のエミッタ電極721を含み、これは分離室702の全長に沿って延び、分離室702を形成する円筒の軸と同一直線上にあるワイヤによって形成されること、
−分離装置700が1つの単独のコレクタ電極722を含むこと、
−分離装置700が環状の1つの単独のブリードポート712を含むこと、
−分離装置700が、環状の1つの単独の減圧部材731を含むこと、
−分離装置700が補助電極740を持たないこと、
である。
【0176】
図12は、内燃機関からの、ガス4と油滴2を含む混合物から油滴2を分離する分離方法1000を示している。分離方法1000は、
−1002)上述の実施形態の何れかによる分離装置を実装するステップと、
−1004)帯電フェーズ中に電子ユニットを制御して、
・1006)その、または各エミッタ電極が油滴を負に帯電させるのに適した少なくとも1つの電界を発生させ、
・1008)その、または各コレクタ電極が負の帯電油滴を捕集する
ようにするステップと、
−1010)混合物が分離室に入るようにするステップと、
を含む。
【0177】
もちろん、本発明は本特許出願の中で説明した具体的な実施形態に限定されず、また当業者が着想する実施形態にも限定されない。本発明の範囲から逸脱することなく、本特許出願において示されている要素と均等の要素から他の実施形態が考案されるかもしれない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12