(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記透明なコート層が、露出した上部表面、及び前記ベース層に接する底部表面を有し、前記複合フィルムが、前記ベース層にわたって延び且つ前記ベース層に接する接着層を更に含み、前記ベース層が前記透明なコート層と前記接着層との間に挟入されている、請求項6又は7に記載の複合フィルム。
前記ポリオールが、カプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリオレフィンポリオール、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】種々の実施形態に従った、ポリウレタン複合フィルムの正面断面図を示す。
【
図2】種々の実施形態に従った、ポリウレタン複合フィルムの正面断面図を示す。
【
図3】種々の実施形態に従った、ポリウレタン複合フィルムの正面断面図を示す。
【0019】
用語の定義
本明細書において使用されるとき、
「周囲条件」とは、摂氏25℃の温度、及び1気圧の圧力(約100キロパスカル)を意味する。
「触媒」とは、化学反応の速度を増加させることが可能な物質を意味する。
「ジオール」とは、厳密に2つのヒドロキシル官能基を有する化合物を意味する。
「ジイソシアネート」とは、厳密に2つのイソシアネート官能基を有する化合物を意味する。
「硬化させる」とは、組成物の物理的状態及び/又は化学状態を変化させて、流体状態から、流動性が低い状態に変化させること、粘着性状態から非粘着性状態にすること、可溶性状態から非可溶性状態にすること、化学反応における消費により、重合性材料の量を減少させること、又は、特定の分子量を有する材料を、より高い分子量にすること、を意味する。
「硬化性」とは、硬化可能であることを意味する。
「ポリイソシアネート」とは、2つ以上のイソシアネート官能基を有する化合物を意味する。
「ポリオール」とは、2つ以上のヒドロキシル官能基を有する化合物を意味する。並びに
「一級イソシアネート」とは、イソシアネート基が結合する炭素原子が、2つの水素原子を有していることを意味する。
【0020】
[詳細な説明]
本明細書で使用する場合、用語「好ましい」及び「好ましくは」は、特定の状況下において特定の利益をもたらし得る、本明細書で記載される実施形態を意味する。しかしながら、同じ、又は他の状況下において他の実施形態が好ましい場合もある。更に、1つ以上の好ましい実施形態の引用は、他の実施形態が有用ではないことを示唆するものではなく、他の実施形態を本発明の範囲から除外することを目的とするものではない。
【0021】
本明細書及び添付の「特許請求の範囲」において使用される場合、文脈上特に明記されない限り、単数形「a」、「an」及び「the」は複数の指示物を含むものとする。したがって、例えば、「1つの(a)」又は「前記(the)」構成要素への言及は、構成要素及び当業者に既知のその等価物の1つ以上を含み得る。更に、「及び/又は」という用語は、列記される要素の1つ若しくは全て、又は列記される要素の任意の2つ以上の組み合わせを意味する。
【0022】
「備える」という用語及びその変形は、これらの用語が添付の説明で使用される場合、限定的な意味を有さないことに留意されたい。その上、「a」、「an」、「the」、「少なくとも1つの」及び「1つ以上の」は本明細書では交換可能に使用される。
【0023】
左、右、前方、後方、上部、底部、側、上方、下方、水平、垂直等の相対語が、本明細書において使用される場合があり、その場合、これらの相対語は、特定の図面において見られる視点からである。これらの用語は、説明を簡単にするためだけに使用され、しかしながら、本発明の範囲を決して制限しない。図の縮尺は必ずしも正しくない。
【0024】
本明細書全体での「一実施形態」「特定の実施形態」「1つ以上の実施形態」又は「ある実施形態」に対する参照とは、その実施形態に関して記載される特定の特徴、構造、材料、又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれていることを意味する。したがって、本明細書全体の様々な場所に「1つ以上の実施形態では」「特定の実施形態では」「一実施形態では」又は「ある実施形態では」などの表現が出てくるが、本発明の同一の実施形態を参照する必要はない。更に、特定の特徴、構造、材料、又は特性は、任意の好適な方法で1つ以上の実施形態に組み合わされてもよい。
【0025】
層構造及び組成物
一実施形態に従った複合フィルムを
図1に示し、数字100で表す。複合フィルム100は、上部表面104及び底部表面105を有する透明なコート層102を含む。透明なコート層102の底部表面105に沿って、底部表面105の実質的に全体に沿って透明なコート層102と接している、ベース層106が延びている。透明なコート層102はベース層106に積層されるのが好ましい。
【0026】
ベース層106は、ここでは平面シートとして描かれているが、任意の多数の異なる形状を有してもよい。例えば、ベース層106は、正曲率及び/又は負曲率を有する領域を含む、3次元の外形を有してよい。代表的なベース層としては、シート、装飾用物品、グラフィック等が挙げられる。ベース層106が平面シートとして形成されても、ベース層106は実質的にダイカット、熱成形、エンボス加工、デボス加工されることができ、又は別様においては、その元の形状とは異なる形状で形成されることができる。いくつかの実施形態では、ベース層106は、保護される所与の基材の上で延伸可能な任意のポリマー、例えば、脂肪族熱可塑性ポリウレタン又はポリ塩化ビニルである。所望により、別の接着剤又は機械装置を使用して、ベース層106を基材に固定してよい。
【0027】
透明なコート層102は、成分が互いに反応して硬化組成物を得られる、硬化性組成物から形成される。代表的実施形態において、硬化性組成物はポリオール、ポリイソシアネート、及びモノヒドロキシルアクリルポリジメチルシロキサンを含む。硬化は、硬化性組成物の成分の重合を触媒して、架橋ネットワークとすることで生じる。
【0028】
ポリウレタンの架橋密度は、3つ以上の官能基を有する反応成分の重量を、ポリウレタンの全重量で割り、100を掛けることにより計算される。例えば30%を超える高架橋密度は、通常剛性のポリウレタン材料と関係する。しかし、一級脂肪族ポリイソシアネートの使用により、可撓性、及び高架橋密度の両方を有するポリウレタンを可能にすることができる。第2の反応成分のポリイソシアネート含量が約50重量%以上である場合、架橋密度は、少なくとも25%、少なくとも26%、少なくとも27%、少なくとも28%、少なくとも29%、少なくとも30%、少なくとも31%、少なくとも32%、少なくとも33%、少なくとも34%、少なくとも35%、少なくとも36%、少なくとも37%、少なくとも38%、少なくとも39%、又は少なくとも40%とすることができる。
【0029】
いくつかの実施形態では、透明なコート層102は2部硬化性組成物から製造され、この硬化性組成物では、第1部分及び第2部分をしばらくの間混合した後硬化して、最終のポリウレタン物品を製造する。代表的な2部組成物においては、第1部分はポリイソシアネートを含む一方、第2部分はポリオール、モノヒドロキシルポリジメチルシロキサン、及び好適な触媒の混合物を含む。第1部分及び第2部分の一方又は両方を、好適な溶剤内にて希釈するか、又は無溶剤形態で提供してよい。第1部分及び第2部分の両方は、周囲温度及び周囲圧力にて液体であることが好ましい。
【0030】
使用する場合、溶媒は、2部硬化性組成物の第1及び/又は第2部分の粘度の調節を補助することができる。このような溶媒としては、例えば、酢酸エーテル、アセテート、ケトン、ベンゼン誘導体、及びこれらの混合物が挙げられる。使用する溶剤の量に特定の制限はないが、その量が、第1及び第2部分を互いに十分に混合することを促進するのに十分でありながら、透明なコート層102の硬化前に蒸発可能でもあることが好ましい。このような蒸発は、加熱、減圧、又は両方により促進することができる。
【0031】
透明なコート層102を含む硬化性組成物の種々の成分を、以下で更に記載する。本記載は網羅的ではなく、所望により追加の成分が、本明細書で記載される硬化性組成物に含まれ得ることと理解されなければならない。硬化性組成物を透明なコート層102に限定する必要はないことに更に注意されたい。
【0032】
第1に、提供される硬化性ポリウレタン組成物はポリオールを含む。ポリウレタンの合成において、ポリオールのヒドロキシル(−OH)基が、通常は好適な触媒の存在下においてイソシアネート成分の官能基と反応する。好適なポリオールとしては、ポリエステル組成物、ポリアクリル組成物、ポリエーテル組成物、ポリカーボネート組成物、ポリアルキレン組成物、カプロラクトン組成物、ポリオレフィン組成物、及びこれらの混合物が挙げられる。特に好ましいポリオールとしては、カプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリオレフィンポリオール、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0033】
提供される実施形態に有用な、ポリオールの典型的な分子量は通常、28〜6000g/モルの範囲である。しかし、上記範囲外の分子量を有するジオール及びポリオールもまた、これらの硬化性組成物において使用可能であり得る。
【0034】
好適なポリオールは、種々の供給元から市販されている。ポリオールは、商標名DESMOPHEN及びMULTRANOLにて、Bayer Corporation of Pittsburgh,PAから、商標名FORMREZにて、Crompton Corporation of Greenwich,CTから、商標名JONCRYL又はPLURACOLにて、BASF Corporation of Ludwigshafen,Germanyから、商標名ACRYLOIDにて、Dow Chemical Company of Midland,MIから、商標名CAPAにて、Perstorp of Perstorp,Swedenから、Kuraray Company,Ltd.Tokyo,Japan、Dupont Company of Wilmington,DEから、商標名TERATHANEにて商標名DIEXTERにて、COIM USA Inc,West Deptford,NJから、商標名K−FLEXにて、King Industries Specialty Chemicals of Norwalk,CTから、商標名POLY BD及びKRASOLにて、Cray Valley USA of Exton,PAから、並びに、商標名STEPANOLにて、Stepen Company of Northfield,ILから、並びに、商標名URETHHALLにて、Hall Star Company of Chicago,ILから入手可能である。
【0035】
第2に、提供される硬化性組成物は、化学式−N=C=Oを有する、2つ以上のイソシアネート官能基を特徴とする好適なポリイソシアネートを含む。ポリイソシアネートは脂肪族又は芳香族であってよく、更に、一級、二級、三級、又はこれらの混合物であってよい。しかし、好ましい実施形態において、ポリイソシアネート成分は一級ポリイソシアネートである。一級ポリイソシアネートの分子構造は、シリコーン官能基の能力を実質的に高めて、組成物を自由表面に移動させることが判明した。これらの官能基の容易な移動は次いで、硬化組成物の表面エネルギーを低下させ、汚染物質をはじく傾向にあるクリーニング容易性表面を作製する。
【0036】
官能性の高い二級ポリイソシアネート及びポリイソシアネートは、一級ポリイソシアネートで観察された有益な特性を示さなかった。理論に束縛されるものではないが、高次のポリイソシアネート類は、シリコーン基がポリマー鎖の末端に配置された場合でも、シリコーン基の可動性を抑制する、実質的な立体、又は鎖/環ひずみ効果に影響を受ける場合があると推定される。
【0037】
一級ポリイソシアネートは、一級ジイソシアネートから製造することができる。一級ポリイソシアネートの合成に特に好適な一級ジイソシアネートとしては、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチル−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,3−キシレンジイソシアネート、1,4−キシレンジイソシアネート、1,12−ドデカメチレンジイソシアネート、2−メチルペンタメチレンジイソシアネート、又は1,4−シクロヘキサンジメチレンジイソシアネートが挙げられるが、これらに限定されない。
【0038】
選択されるポリイソシアネートは多くの場合、得られるポリウレタンの耐久性に影響を及ぼす。屋外耐候性を必要とする物品については、脂肪族ポリイソシアネートが通常好ましい。真空熱成形により3次元物品にするのに使用される可撓性シート材料については、好適な一級ポリイソシアネートは、例えばビウレット、又はイソシアヌレートとすることができる。
【0039】
第3に、提供される硬化性組成物は、単官能性シリコーン成分(例えばモノヒドロキシルポリジメチルシロキサン)を含む。好ましい実施形態では、ポリジメチルシロキサンはアクリルポリジメチルシロキサンであり、ここでは、ポリジメチルシロキサンはアクリル主鎖から分岐する側鎖である。このシリコーン成分は官能基を1つ有するため、透明なコート組成物の重合中に、連鎖停止剤として機能する。
【0040】
モノヒドロキシルアクリルポリジメチルシロキサンの量は、透明なコートの特定の性能、例えば透明性、耐紫外線性、及び熱老化性能に関係することが見出された。実施例にて後ほど報告されるように、硬化性組成物の全重量に対して5重量%を超えるモノヒドロキシルアクリルポリジメチルシロキサンを加えることで、透明なコート用途には許容されない程度のヘイズを有するフィルムが得られた。
【0041】
モノヒドロキシルアクリルポリジメチルシロキサンの量は、得られる透明なコート層102に、光学特性を極度に損なうことなく、許容される低表面エネルギー及びクリーニング容易特性を付与するのに十分であることが好ましい。代表的実施形態において、モノヒドロキシルアクリルポリジメチルシロキサンは、硬化性組成物の全重量を基準にして、少なくとも0.1重量%、少なくとも0.3重量%、又は少なくとも0.5重量%の量で存在する。モノヒドロキシルアクリルポリジメチルシロキサンは、硬化性組成物の全重量を基準にして、最大6重量%、最大5重量%、又は最大4重量%の量で存在するのが好ましい。ポリジメチルシロキサン官能基の濃度は、透明なコート層102のバルクよりも透明なコート層102の表面で大きいため、観察される、向上した「ドライイレイズ」クリーニング特性を提供すると考えられている。
【0042】
いくつかの実施形態では、硬化性組成物は、硬化性組成物の全重量に対して、0.1重量%、かつ5.0重量%(この値を含む)まで0.1重量%ずつ増える(即ち、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0 2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0)範囲、かつ、これらの間の任意の範囲(例えば0.5〜5.0重量%、0.5〜4.5重量%、0.7〜4.8重量%、等)の量で存在する、モノヒドロキシルアクリルポリジメチルシロキサンを含む。
【0043】
硬化性組成物は、成分の反応を促進するために、ポリオール及びイソシアネート成分と組み合わせて、触媒を含むのが好ましい。ポリウレタンの重合で使用することが一般に認識されている従来の触媒は、本発明で用いるのに好適とすることができる。例えば、アルミニウム、ビスマス、スズ、バナジウム、亜鉛、ジルコニウム系触媒、アミン触媒、又はこれらの混合物を使用してよい。好ましさは低下するが、水銀系触媒もまた使用してよい。好ましい触媒としては、ジブチルスズ化合物等の、スズ系触媒が挙げられる。ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセチルアセトネート、ジブチルスズジメルカプチド、ジブチルスズジオクトエート、ジブチルスズジマレエート、ジブチルスズアセトニルアセトネート、及びジブチルするオキシドからなる群から選択される触媒が特に好ましい。触媒は、第1成分の溶液総重量を基準にして、好ましくは少なくとも10ppm部、及びより好ましくは、少なくとも25ppm以上の量で含まれる。
【0044】
硬化性組成物は、保護用ポリマーコートで従来使用される他の添加剤を含んでよい。これらの添加物としては例えば、抗酸化剤又は紫外線安定剤を挙げてよい。硬化性組成物はまた、透明なコート層102の着色が望まれる場合、色素で着色されてよい。無機又は有機色素は、ポリウレタン層の光学及び機械的特性を低下させる可能性があるが、少量であれば、許容される耐候性、耐化学及び耐熱性、並びに良好な耐磨耗性及び耐引掻抵抗性を達成しながら、ポリウレタンに添加することができる。
【0045】
特に好ましい着色剤は、顔料及び染料である。ポリウレタン層への添加に好適な染料及び顔料は、ペースト形態であってよい。本発明のポリウレタン層で使用可能な市販の顔料としては、商標名ISOVERSALにてISL Chemie GmbH of Kurten,Germanyから、及び商標名LUCONYLにてBASF of Ludwigshafen,Germanyから入手可能な顔料が挙げられる。通常、染料着色剤は、ポリウレタンの有益な特性を許容されない程度に損なうことなく、ポリウレタン層に0.5pph(百分率)〜10pph以下の量で、ポリウレタンの有益な特性を許容されない程度に損なうことなく添加することができる。
【0046】
図1を再び参照すると、ベース層106は事実上、透明なコート層102の支持体として機能する。ベース層106は、透明なコート層102に関して前述した2部硬化性組成物を硬化することにより、又は任意の他の合成方法により得ることができる。ベース層106の合成及びポリマー加工は、合わせて、又は分離した工程で実施することができる。
【0047】
代表的実施形態において、ベース層106は、ポリウレタン、ポリエステル、並びに/又は、ポリプロピレン、ポリエチレン、及びポリエチレンとポリプロピレンのブレンド、エチレン変性コポリマー(例えばエチレン酢酸ビニル、エチレン(メタ)アクリル、エチレンメタクリレート樹脂、及びこれらのブレンド)等のポリオレフィンから製造される。自動車の外面を保護するための複合フィルムにおいて特に望ましい特性を得るための組成物としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、亜鉛、アルミニウム及びカルシウムのカチオンを含む種々の金属カチオンと組み合わせた、エチレンアクリル酸とエチレンメタクリル酸のコポリマー等の、オレフィン/ビニルカルボキシレートコポリマーのアイオノマーが挙げられる。適した商用アイオノマー樹脂としては、商標名SURLYNにて、E.I.DuPont de Nemours & Co.,Wilmington,DEから入手可能な材料が挙げられる。
【0048】
好ましい実施形態では、ベース層106は脂肪族熱可塑性ポリウレタンであり、これは、優れた光学特性、高可撓性、良好な耐熱性及び耐紫外線性、並びに良好な耐砂利性(gravel resistance)(又は耐破片性)を提供することができる。
【0049】
任意の多数の、既知の従来のコート技術を使用して、ベース層106上に硬化性コート組成物をコートしてよい。有用なコート技術の例としては、メイヤーバーコート、スプレーコート、スクリーン印刷、回転スクリーンコート、並びに直接グラビアコート、リバースグラビアコート、ダイコート及びオフセットグラビアコートが挙げられる。所望により、これらの技術を、本明細書で開示した他の複合フィルム層のいずれかのコートに用いてよい。
【0050】
図2は、実質的に
図1のフィルムに類似し、かつ接着剤層208及び接着ライナ210を更に含む、透明なコート層202及びベース層206を有する、第2の実施形態に従った複合フィルム200を示す。示すように、接着剤層208はベース層206の、透明なコート層202に接する側面の反対側の主表面にわたって延びて接している。したがって、本構造において、ベース層206は透明なコート層202と接着剤層208の間に挟入されている。複合フィルム200の底部表面において、接着剤層208は剥離ライナ210により保護されており、剥離ライナ210は接着剤層208にわたって延びて接するため、接着剤層208は、ベース層206と剥離ライナ210の間に挟入されている。
【0051】
所望により、剥離ライナ210は、複合フィルム200を使用する場合に廃棄されるキャリアフィルムとして機能する。例えば、複合フィルム200の典型的なエンドユーザ用途において、剥離ライナ210は接着剤層208から剥離されることが可能であり、その後、透明なコート層202、ベース層206、及び接着剤層208は合わせて、保護される基材上に広がって押下される。
【0052】
ここでは図示していないが、剥離ライナ210は、
図2に示す構造から省略されてもよい。そのような場合、複合フィルム200は保存のために、それ自体がロールされることが可能であり、これにより、透明なコート層202そのものが、剥離ライナとしてもまた機能しながら接着剤層208を保護する。この実施形態では、接着剤層208と透明なコート層202の間の接着力は、互いのロールを十分に保持しつつも、複合フィルム200をロールから巻き戻すことで容易に分配できるように調整することができる。
【0053】
好ましい実施形態では、接着剤層208は、通常周囲条件にて粘着性である感圧接着剤である。好適な感圧接着剤は、ポリアクリレート、合成及び天然ゴム、ポリブタジエン及びコポリマー、又はポリイソプレン及びコポリマーをベースにすることができる。ポリジメチルシロキサン及びポリメチルフェニルシロキサン等の、シリコーン系接着剤を使用してもよい。特に好ましい感圧接着剤としては、ポリアクリレート系接着剤が挙げられ、これは高い透明性、紫外線安定性、及び耐老化性等の有利な性質を示すことができる。保護フィルム用途に好適なポリアクリレート接着剤は、例えば米国特許第4,418,120号(Kealy et al.)、同RE24,906号(Ulrich)、同第4,619,867号(Charbonneau et al.)、同第4,835,217号(Haskett et al.)、及び国際公開第87/00189号(Bonk et al.)に記載されている。
【0054】
ポリアクリレート感圧接着剤は、C4〜C12アルキルアクリレートとアクリル酸の、架橋可能なコポリマーを含むことが好ましい。接着剤は架橋剤と共に、又はそれ無しで使用することができる。有用な架橋反応としては、化学架橋及びイオン性架橋が挙げられる。化学架橋剤としては、ポリアジリジン及び/又はビスアミドを挙げることができ、イオン性架橋剤としては、アルミニウム、亜鉛、ジルコニウム、又はこれらの混合物を挙げることができる。化学架橋剤とイオン性架橋剤の混合物もまた使用することができる。いくつかの実施形態では、ポリアクリレート感圧接着剤は、ロジンエステル等の粘着付与剤を含む。本発明で有用な接着剤はまた、表面に結合する接着剤の品質を極度に低下させない量で提供される限り、すりガラス、二酸化チタン、シリカ、ガラスビーズ、ワックス、粘着付与剤、低分子量熱可塑性プラスチック、オリゴマー種、可塑剤、顔料、金属粉及び金属性粉末等の添加剤を含有してよい。
【0055】
感圧接着剤に代えて、接着剤層208は、室温で粘着性ではないが、加熱により粘着性になるホットメルト接着剤を含んでよい。このような接着剤としては、アクリル、エチレンビニルアセテート、及びポリウレタン材料が挙げられる。
【0056】
一般に、接着剤層208は25〜560マイクロメートルの範囲内の厚さで提供される。複合フィルム200を自動車の外面に適用するといった特定の用途に関して、接着剤を、永続的な結合が形成される前に、シートを所望の位置に合わせるように調節できるように、少なくとも最初は再配置可能とすることが望ましい場合がある。このような再配置可能性は、例えば、米国特許第3,331,729号(Danielson et al.)に記載されているような、接着剤表面に微細なガラスバブル層を提供することにより達成されてよい。
【0057】
図3は、上記コンポジットフィルム100、200の多くの態様を共有している、更に別の実施形態に従った複合フィルム300を示す。上述の複合フィルムのように、複合フィルム300は、透明なコート層302、ベース層306、加えて任意の接着剤層308及び剥離ライナ310を含む。しかし、複合フィルム300は、透明なコート層302の上部表面304にわたって延びて接している透明なコートライナ312を、透明なコート層302が透明なコートライナ312とベース層306の間に挟入されるように更に含む。
【0058】
複合フィルム300に対するキャリアフィルムとしても機能し得る透明なコートライナ312は、複合フィルム300の製造、パッケージング、保存、及び分配中に、透明なコート層302の外表面を保護する。透明なコートライナ312は通常、透明なコート層302の上部表面304に積層され、次いで、透明なコート層302が実質的に完全に硬化した後に剥離される。いくつかの用途において、透明なコートライナ312は、保護される物品がエンドユーザに移される準備ができるまで、透明なコート層302と接触したままであることができる。別の用途において、透明なコートライナ312は、真空熱成形等の成形プロセス前に、透明なコート層302から剥離されてよい。
【0059】
透明なコートライナ312に使用する材料に特定の制限はないが、透明なコートライナ312は、透明なコート層302に沿ってたやすくスライドしないながらも、透明なコート層302から容易に剥離することが好ましい。透明なコートライナ312として使用可能な代表的な材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0060】
典型的な実施形態において、透明なコート層302の上部表面304は滑らかであり、光沢のある外観が得られる。特定の用途において、複合フィルム300は艶消し仕上げを有するのが望ましい。これは、粗面仕上げのテクスチャを有する透明なコートライナ312を提供し、これを透明なコート層302に対してプレスして、完全に硬化する前にテクスチャを複製することにより達成することができる。その後、続いて透明なコートライナ312を剥離して、光沢が低下した粗面仕上げ表面を有する透明なコート層302を製造することができる。
【0061】
複合フィルム100、200、300のいずれかに関し、1つ以上の追加層を、複合フィルム100、200、300の主表面のいずれかにコート若しくは積層してよいし、又は代わりに、複合フィルム100、200、300に存在する任意の2つの隣接層の間に挟入してよい。このような層(1つ又は複数)は、既に記載した層に類似していてよいし、又は構造的若しくは化学的に異なっていてもよい。異なる層は、例えば、押出シート、金属蒸気コート、印刷グラフィック、粒子、及びプライマを含むことができ、連続的、又は不連続的であってよい。例えば、接着剤とベース層との間の接着の質を改善するために、更なる結合層が、ベース層206、306と、接着剤層208、308との間に配置されてよい。
【0062】
所望により、複合フィルム100のベース層106は、自動車の車体パネル等の基材上に積層されることができる。あるいは、ベース層106は、既に接着した、又は別様においては基材に結合した構成で提供されることができる。
【0063】
1つ以上の追加層が、透明なコート層102、202、302の上部表面104、204、304上に永続的、又は一時的に配置されることができる。例えば、透明なコート層自体は、複数の透明なコート層を含んでよい。透明なコート層102、202、302同様に、本明細書で記載されるその他の層のいずれかを顔料で着色し、複合フィルムの外観を変化させることができる。
【0064】
複合フィルム100、200、300に関係する他の特徴、オプション及び利点は、米国特許第6,607,831号(Ho et al.)及び同6,383,644号(Fuchs)に、更に記載されている。
【0065】
製造方法
複合フィルム100、200、300の製造には、記載したように、後で互いに結合される2つ以上の層の形成が伴う。複合フィルム100、200、300を構成する層は、平行して、又は連続して調製されてよい。
【0066】
透明なコート層は特に、当業者に既知の従来技術を使用して形成されることができる。このような技術としては、例えば基材上へのコート、又は押出が挙げられる。当業者は、技術をバッチで、又は連続して使用することで、開示した硬化性の透明なコート組成物を基材上にコート、又は押出することができる。
【0067】
代表的な方法において、ウェブ上へのコート又は押出の前に、透明なコート層用の2部硬化性組成物の第1部分を、まず、モノヒドロキシルアクリルポリジメチルシロキサンを有するポリオール成分と、好適な溶剤(必要であれば)と、いずれかの任意の添加剤を混合することにより調製する。2部硬化性組成物の第2部分は、イソシアネート成分と共に、任意の溶剤又は任意の添加剤を含有する。次に、第1部分及び第2部分を好適な量で混合して、所望のNCO:OH比を得る。NCO:OH比は、0.75〜1.25の間から選択されるのが好ましい。次いで、組成物を好適な基材上にコーティングする。
【0068】
いくつかの実施形態では、従来の装置(例えばナイフコーター、ロールコーター、リバースロールコーター、ノッチバーコーター、カーテンコーター、輪転グラビアコーター、又は輪転印刷機)を使用して、ポリオール成分とイソシアネート成分を、ポリウレタンベース層等の基材上にコーティングする。コートは手で広げることができるか、又は自動化することができ、かつ、バッチプロセス又は連続プロセスのいずれかに従って実施してよい。組成物の粘度は、使用するコーターの種類に適合するように、必要に応じて調節することができる。
【0069】
次いで、コートした硬化性組成物を乾燥させて、一実施形態においては、高温で部分的に硬化する。増加した温度プロファイルを使用して、まず溶剤を蒸発させて、次いで組成物を部分硬化させるのが好ましい。連続プロセスを用いる場合、これらのプロセスは移動するウェブに沿って行うことができる。例えば、約45%の固形分含有量を有する、0.0076センチメートル(0.003インチ)厚のウェットコートには、80℃で2分、次いで125℃で10分の温度プロファイルを使用することができる。一般に、コート組成物は、25℃〜150℃の温度範囲で乾燥及び/又は硬化されるのが好ましい。
【0070】
乾燥及び硬化工程中の、透明なコート層の処理により、その表面特性に実質的な効果を有することができる。
【0071】
特に、ある考慮事項は、透明なコート層上での自由表面の存在に関する。例えば、硬化反応中、透明なコート層上に自由表面を提供することにより、ポリジメチルシロキサン官能基の自由表面への移動又は再配向を誘発し、これにより、観察された防汚性を複合フィルムに付与すると考えられている。驚くべきことに、透明なコート層上に透明なコートライナ(例えば
図3の透明なコートライナ312)を配置することは、自由表面の機能化を著しく損なうことが観察された。したがって、透明なコート層のコートと、透明なコートライナの透明なコート層上への積層との間には十分な時間間隔があり、ポリジメチルシロキサン官能基が、自由表面に確認可能な程に移動することができることが好ましい。
【0072】
その情報と信ずるところによれば、自由表面を有する透明なコート層の形成と、透明なコートライナの自由表面への積層、又は別様においては配置との間の十分な時間間隔が、透明なコート層の上部表面付近に、ポリジメチルシロキサン官能基の実質的な濃度勾配をもたらす。このような濃度勾配は、複合フィルムの厚み寸法によって規定され、複合フィルムの上部表面の位置と、複合フィルムの上部表面から離れた位置との間の、ポリジメチルシロキサン官能基の濃度差として観察することができ、ここで、透明なコート層を硬化する際には自由表面は存在しなかった。
【0073】
ポリウレタン層の厚みは、最終用途の必要性に応じて変えることができる。通常、硬化後のフィルム厚は、少なくとも0.05ミリメートル、少なくとも0.075ミリメートル、又は少なくとも0.1ミリメートルである。いくつかの実施形態では、硬化後のフィルム厚は最大1.27ミリメートル、最大1.1ミリメートル、又は最大1.0ミリメートルである。
【0074】
用途及び性質
提供される物品はあらゆる多種多様な基材へ適用することができる。このような基材は、
図1〜3の複合フィルム100、200、300のように平らであってもよく、又は、三次元の複合曲率を備える外形を有してもよい。これらの物品の、このような曲面への接着が所望される場合、複合フィルムは、端が離層することなく、又は実質的にしわを形成することなく、基材表面に適合するだけの十分な可撓性を有することが好ましい。
【0075】
保護に適し得る一般的な基材としては、例えば、バンパフェイシア、ピラーポスト、ロッカーパネル、ホイールカバー、ドアパネル、トランク及びボンネット蓋、ミラー入れ、ダッシュボード、フロアマット、ドアの敷居が挙げられる。代表的な適用方法において、複合フィルムを、剥離ライナを接着剤層から剥離しながら、同時に基材上へフィルムを単一の連続動作で貼り付けることで、好適な基材上に固定することができる。
【0076】
いくつかの実施形態では、提供される複合フィルム100、200、300は、自動車、トラック、オートバイ、列車、航空機、海洋車両、及びスノーモービルの外面に貼り付けられる。代替実施形態において、複合フィルムは、自動車以外の構造物の表面、例えば付属品、建物及び建築用表面に貼り付けることができる。これらのフィルムの用途は事実上、主に室内又は屋外のいずれかであってよい。提供される複合フィルム100、200、300は特に、低表面エネルギー及びクリーニング容易特性のためだけでなく、非常に可撓性でありながら、優れた耐候性、耐化学性及び磨耗耐性も示すため、屋外で有利である。
【0077】
いくつかの実施形態では、複合フィルム100、200、300は露出した上部表面を有する。有利には、透明なコート層102は、所望の光学及び機械的特性の組み合わせを提供し、特に保護フィルム用途において最外層として好適となる。
【0078】
透明なコート層又は複合フィルムの光学特性は、測定される光透過率及びヘイズ値により特徴付けることができる。透明なコート用途には、できる限り低いヘイズを有することが一般的に望ましい。透明なコート層サンプルの透過率及びヘイズ値は、例えば、BYK Gardner USA(Columbia,MD)から入手可能なHaze−Gard Plus機器を使用して入手することができる。硬化した透明なコート層又は複合フィルムは、後の実施例セクションで記載したヘイズ試験に従い測定したように、6%未満、5%未満、4%未満、3.5%未満、又は3%未満のヘイズを示すのが好ましい。
【0079】
硬化透明なコート層102はまた、液体汚染物質をはじく傾向にある、防汚性の低表面エネルギー表面を呈し、透明なコート表面に曝された際、汚染物質の「小粒化」を引き起こす。これらの汚染物質は透明なコート表面を濡らさないため、保護フィルムのクリーニングは著しく促進される。透明なコート層102の表面エネルギーは、接触角測定を用いて実験により特徴付けることができる。いくつかの実施形態では、硬化組成物は、周囲温度及び周囲圧力にて、少なくとも97°、少なくとも99°、少なくとも101°、少なくとも102°、又は少なくとも103°の、前進水接触角を示す。いくつかの実施形態では、前進水接触角は最大125°、最大122°、最大119°、最大117°、又は最大116°である。
【0080】
いくつかの実施形態では、硬化組成物は、周囲温度及び周囲圧力において、97°から、1°ずつ増加して、125°までの範囲にわたる、及びこれらの間の任意の範囲(例えば100°〜115°)の前進水接触角を示す。
【0081】
本発明の制限を意図するものではないが、特定の代表的実施形態A−AMを想到し、以下の通り記載する。
A.硬化性組成物であって、
一級ポリイソシアネート;上記硬化性組成物の全重量に対して、0.1重量%〜5.0重量%の範囲の量で存在するモノヒドロキシルポリジメチルシロキサン;並びに、カプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリオレフィンポリオール、及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリオールを含む硬化性組成物。
B.一級ポリイソシアネート;モノヒドロキシルポリジメチルシロキサン;並びに、カプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、アクリルポリオール、ポリオレフィンポリオール、及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリオールを含む硬化性組成物。
C.上記モノヒドロキシルポリジメチルシロキサンが、上記硬化性組成物の全重量に対して0.1重量%〜5.0重量%の範囲の量で存在する、実施形態Bに記載の硬化性組成物。
D.上記モノヒドロキシルポリジメチルシロキサンが、上記硬化性組成物の全重量に対して0.1重量%〜4.0重量%の範囲の量で存在する、実施形態A又はCに記載の硬化性組成物。
E.上記モノヒドロキシルポリジメチルシロキサンが、上記硬化性組成物の全重量に対して、1.0重量%〜4.0重量%の範囲の量で存在する、実施形態Dに記載の硬化性組成物。
F.上記硬化性組成物が、0.75:1〜1.25:1の範囲の、ヒドロキシル基に対するイソシアネートの化学量論比を有する、実施形態A〜Eのいずれか1つに記載の硬化性組成物。
G.上記硬化性組成物が、上記ポリイソシアネートを含む第1部分と、上記ポリオール及び上記モノヒドロキシルポリジメチルシロキサンの混合物を含む第2部分と、を含む2部硬化性組成物である、実施形態A〜Fのいずれか1つに記載の硬化性組成物。
H.上記第1部分及び第2部分のいずれか、又は両方が更に、酢酸エーテル、アセテート、ケトン、ベンゼン誘導体、及びこれらの混合物からなる群から選択される溶剤を含む、実施形態Gに記載の硬化性組成物。
I.上記第1部分は更に触媒を含む、実施形態G又はHに記載の硬化性組成物。
J.上記触媒が、スズ触媒、亜鉛触媒、ビスマス触媒、ジルコニウム触媒、アルミニウム触媒、アミン触媒、及びこれらの混合物から選択される、実施形態Iに記載の硬化性組成物。
K.上記ポリイソシアネートは脂肪族ポリイソシアネートである、実施形態A〜Jのいずれか1つに記載の硬化性組成物。
L.実施形態A〜Kのいずれか1つに記載の硬化性組成物の成分を共に反応させることで得られる、硬化組成物。
M.上記硬化組成物は実質的に透明である、実施形態Lに記載の硬化組成物。
N.上記硬化組成物は、ヘイズ試験に従い測定すると7%未満のヘイズを示す、実施形態L又はMに記載の硬化組成物。
O.上記硬化組成物は、ヘイズ試験に従い測定すると5%未満のヘイズを示す、実施形態Nに記載の硬化組成物。
P.上記硬化組成物は、ヘイズ試験に従い測定すると4%未満のヘイズを示す、実施形態Oに記載の硬化組成物。
Q.上記硬化組成物は、周囲温度及び周囲圧力において95°〜112°の前進水接触角を示す、実施形態L〜Pのいずれか1つに記載の硬化組成物。
R.上記硬化組成物は、周囲温度及び周囲圧力において97°〜112°の前進水接触角を示す、実施形態Qに記載の硬化組成物。
S.上記硬化組成物は、周囲温度及び周囲圧力において99°〜112°の前進水接触角を示す、実施形態Rに記載の硬化組成物。
T.上記硬化組成物は、少なくとも25%の架橋密度を有する、実施形態L〜Sのいずれか1つに記載の硬化組成物。
U.上記硬化組成物は、少なくとも30%の架橋密度を有する、実施形態Tに記載の硬化組成物。
V.上記硬化組成物は、少なくとも40%の架橋密度を有する、実施形態Uに記載の硬化組成物。
W.実施形態L〜Vのいずれか1つに記載の硬化組成物でコートされた基材を含む物品。
X.ベース層;及びベース層にわたって延びる透明なコート層
を含む、複合フィルムであって、
透明なコート層が、一級ポリイソシアネート;モノヒドロキシルポリジメチルシロキサン;並びに、カプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリオレフィンポリオール、及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリオールを含む、複合フィルム。
Y.上記ベース層が脂肪族熱可塑性ウレタンを含む、実施形態Xに記載の複合フィルム。
Z.上記ベース層はポリ塩化ビニルを含む、実施形態Xに記載の複合フィルム。
AA.透明なコート層は、露出した上部表面、及び上記ベース層に接する底部表面を有する、実施形態X〜Zのいずれか1つに記載の複合フィルム。
AB.上記ベース層にわたって延びて接する接着層を更に含む、実施形態X〜AAのいずれか1つに記載の複合フィルムであって、上記ベース層が、上記透明なコート層と上記接着層の間に挟入されている、複合フィルム。
AC.上記接着層が感圧接着剤を含む、実施形態ABに記載の複合フィルム。
AD.上記接着層はホットメルト接着剤を含む、実施形態ABに記載の複合フィルム。
AE.モノヒドロキシルポリジメチルシロキサンはモノヒドロキシルアクリルポリジメチルシロキサンである、実施形態X〜ADのいずれか1つに記載の複合フィルム。
AF.上記接着層にわたって延びて接する剥離ライナを更に含む、実施形態AB〜AEのいずれか1つに記載の複合フィルムであって、上記接着層は、上記ベース層と上記剥離ライナの間に挟入されている、複合フィルム。
AG.上記透明なコート層にわたって延びて接する透明なコートライナを更に含む、実施形態X〜AFのいずれか1つに記載の複合フィルムであって、上記透明なコート層は、上記ベース層と上記透明なコートライナの間に挟入されている、複合フィルム。
AH.上記複合フィルム内の各層が透明である、実施形態X〜AGのいずれか1つに記載の複合フィルム。
AI.一級ポリイソシアネート;モノヒドロキシルポリジメチルシロキサン;及びポリオール;
を共に反応させることにより、透明なコート層を提供することと、透明なコート層をベース層上にコーティングすることと、並びに、反応中に、ポリジメチルシロキサン官能基が自由表面に移動することが可能にするのに十分な時間間隔で、透明なコート層上に自由表面を提供し、これにより複合フィルムへの防汚特性を付与することと、を含む、防汚性複合フィルムの製造方法。
AJ.上記ポリオールが、カプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリオレフィンポリオール、及びこれらの混合物からなる群から選択される、実施形態AIに記載の方法。
AK.透明なコートライナを、上記透明なコート層の上記上部表面に積層することを更に含む、実施形態AI又はAJに記載の方法。
AL.上記透明なコートライナは、ポリエチレンテレフタラート、ポリオレフィン、及び変性ポリオレフィンからなる群から選択されるポリマーを含む、実施形態AKに記載の方法。
AM.上記透明なコートライナが上記透明なコート層から剥離される際に、上記複合フィルムの光沢を低減するために、上記透明なコートライナは粗面仕上げ表面テクスチャを有する、実施形態AK又はALに記載の方法。
【0082】
試験法
インクマーカー及びドライイレイズ
フィルムを白色の塗装パネルに貼り付けて、自動車の金属パネルを覆っている保護フィルムをシミュレートすることにより、複合フィルムの防汚性を試験した。このフィルムに、水とイソプロピルアルコールの混合物(75:25)からなる塗布用流体を、30PSI(207kPa)の塗布圧力にて塗布した。黒色のSHARPIEパーマネントインクマークペンを用いて、複合フィルムに3つの線を引いた。3分後、フィルムがインクを湿らす能力について評価した。ペーパータオルを使用して、適度な手指圧力で、引いた線を消そうと試みた。
【0083】
接触角
水滴形状分析システムDSA−100(Kruss,Hamburg,Germany)の技術マニュアルに記載されている手順を使用して、透明なコートの前進及び後退水接触角を測定した。測定システムはデジタルカメラ、自動液体分配器、及びサンプルステージを取り付けており、水滴の自動配置による、ハンズフリーでの接触角測定を可能にする(ここで、水滴は約5マイクロリットルのサイズを有する)。水滴の形状を自動で捉えた後、コンピュータによる水滴形状分析により分析し、前進、及び後退水接触角を測定した。
【0084】
ヘイズ
複合フィルムを、水とイソプロピルアルコール(75:25)の混合物からなる塗布用流体により、30PSI(207kPa)の塗布圧力にて、透明な100マイクロメートル(.004インチ)のポリエチレンテレフタレートフィルムに貼り付けた。Byk Gardner USA(Columbia,MD)から入手したヘイズ−ガードプラスを使用して、ヘイズ値を測定した。
【0085】
防汚性
複合フィルムの防汚性を、透明なコート層への種々の液体の塗布の前後の変色に基づいて測定した。複合フィルムを、水とイソプロピルアルコール(75:25)の混合物からなる塗布用流体により、207kPa(30PSI)の塗布圧力にて白色塗装パネルに貼り付けた。Datacolor International(Lawrenceville,NJ)のCS−5クロマセンサーを使用して、種々の汚染性液体の透明なコート層への塗布前後での変色を測定した。汚染性液体を透明なコート層に、約25マイクロメートル(1インチ)直径の点で透明なコート層に適用した。室温で24時間後に、ワニスメーカ及び塗料用ナフサ(VM&P)で汚染性液体をきれいにした。ΔE、ΔL、Δa、Δbを各サンプルについて測定した。汚染性液体の詳細が、下表1にて報告されている。試験結果を以下の表2で報告する。
【実施例】
【0086】
【表1】
【0087】
(実施例1)
丸底フラスコ内で、C−1090ポリオール(15.8グラム)、CAPA 3031ポリオール(4.0グラム)、MCR−C12(0.3g)、及びDBTDL(0.01g)をジアセトンアルコール(51.8g)と混合し、5分間攪拌して第1反応成分を作製することにより、2成分型ポリウレタン組成物を調製した。
【0088】
第2反応成分は、ジアセトンアルコール(63.2g)中にTOLONATE HDT−LV(8.69g)で構成された。第1及び第2反応成分を室温で1:1の体積比で、5分間攪拌しながら混合し、次いでSPF6基材上に注ぎ、従来の#12メイヤーバーを用いて手で線を引き、約30マイクロメートル(0.0012インチ)厚のコートを作製した。コートしたフィルムを対流式オーブンで、1時間120℃でキュアした。得られたコートは、SHARPIEマーカーの優れた小粒化と、優れたドライイレイズ性能を示した。
【0089】
(実施例2)
第1反応成分を、丸底フラスコ内でC−1090ポリオール(15.8g)、MCR−12(0.3g)、及びDBTDL(0.01g)と、ジアセトンアルコール(28.3g)を混合することにより調製したことを除いて、実施例1の通りに2成分型ポリウレタン組成物を調製した。第2反応成分は、ジアセトンアルコール(38.2g)中にTOLONATE HDT−LV(6.12g)で構成された。第1及び第2反応成分を、室温で5分間、1:1の体積比で混合し、次いで、SPF6基材上に注ぎ、従来の#12メイヤーバーを用いて手で線を引き、約30マイクロメートル(0.0012インチ)厚のコートを作製した。コートしたフィルムを対流式オーブンで、1時間120℃で硬化した。得られたコートは、SHARPIEマーカーインクの優れた小粒化と、優れたドライイレイズ性能を示した。
【0090】
比較例C1
H12MDI(50.25g)、FOMREZ 44−111(31.25g)、MCR−CR12(1.5g)、及びDBTDL(0.01g)を丸底フラスコで共に混合し、70℃で1時間加熱したことを除いて、実施例1の通りに2成分型ポリウレタン組成物を調製した。ジメチルホルムアミド(DMF)(50g)と1,4−ブタンジオール(13.6g)を次いでフラスコに加え、反応を更に2時間続けた。チヌビン292(1.4g)、チヌビン571(2.0g)、及びDMF(300g)を次いでフラスコに加えた。20分後、フラスコを20℃まで冷却して、DMF中に25%固体のポリジメチルシロキサン(PDMS)末端処理熱可塑性ポリウレタン(TPU)を得た。次いで、ポリウレタン組成物をSPF6基材上に注ぎ、従来の#12メイヤーバーにより手で線を引き、約30マイクロメートル(0.0012インチ)厚のコートを作製した。コートしたフィルムを対流式オーブンで、1時間80℃でキュアした。得られたコートはSHARPIEマーカーインクの小粒化を示さず、ドライイレイズ性能を示さなかった。
【0091】
比較例C2
第1反応成分は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(12g)、ブチルアセテート(14g)、キシレン(25.3g)、及びCAB 381−01(1.83g)と丸底フラスコ内で混合したFOMREZ 55−112(8.4g)、FOMREZ 55−225(8.4g)、CAPA 3031(8.4g)、チヌビン405(1.8g)、並びに、チヌビン292(1.3g)を含み、室温で1時間混合したことを除いて、実施例1の通りに2成分型ポリウレタン組成物を調製した。次いで、第2反応成分(DESMODUR N3390 30.3g)をフラスコに加え、室温で5分間混合した。混合物を十分に混合した後、ポリウレタン組成物を次いでSPF6基材上に注ぎ、従来の#12メイヤーバーにより手で線を引き、約30マイクロメートル(0.0012インチ)厚のコートを作製した。コートしたフィルムを、対流式オーブンで80℃で2分間、及び110℃で10分間硬化した。得られたコートはSHARPIEマーカーインクの小粒化を示さず、ドライイレイズ性能を示さなかった。
【0092】
(実施例3)
TEGO 5001(1.0g)を第1反応成分に加えたことを除いて、比較例C2の通りに2成分型ポリウレタン組成物を調製した。得られたコートは、SHARPIEマーカーインの優れた小粒化と、優れたドライイレイズ性能を示した。
【0093】
(実施例4)
TEGO 5001(2.0g)を第1反応成分に加えたことを除いて、実施例3の通りに2成分型ポリウレタン組成物を調製した。得られたコートは、SHARPIEマーカーインクの優れた小粒化と、優れたドライイレイズ性能を示した。
【0094】
(実施例5)
TEGO 5001(3.0g)を第1反応成分に加えたことを除いて、実施例3の通りに2成分型ポリウレタン組成物を調製した。得られたコートは、SHARPIEマーカーインクの優れた小粒化と、優れたドライイレイズ性能を示した。
【0095】
(実施例6)
TEGO 5001(5.0g)を第1反応成分に加えたことを除いて、実施例3の通りに2成分型ポリウレタン組成物を調製した。得られたコートは、SHARPIEマーカーインクの優れた小粒化と、優れたドライイレイズ性能を示した。
【0096】
(実施例7)
TEGO 5001(8.0g)を第1反応成分に加えたことを除いて、実施例3の通りに2成分型ポリウレタン組成物を調製した。得られたコートは、SHARPIEマーカーインクの優れた小粒化と、優れたドライイレイズ性能を示した。
【0097】
(実施例8)
TEGO 5001(14.0g)を第1反応成分に加えたことを除いて、実施例3の通りに2成分型ポリウレタン組成物を調製した。得られたコートは、SHARPIEマーカーインクの優れた小粒化と、優れたドライイレイズ性能を示した。
【0098】
(実施例9)
第1反応成分は、丸底フラスコ内でTEGO−5001(0.85g)と混合した、表1に記載したポリウレタンの透明コート溶液(99.15g)で構成され、その後室温で10分間十分に混合したことを除いて、比較例C2の通りに2成分型ポリウレタン組成物を調製した。第2反応成分は、DESMODUR N3390(17.1g)からなった。第1及び第2反応成分を、重量比100/17.1で混合した。ポリウレタン組成物を次いでSPF6基材上に注ぎ、従来の#12メイヤーバーにより手で線を引き、約30マイクロメートル(0.0012インチ)厚のコートを作製した。コートしたフィルムを、対流式オーブンで80℃で2分間、及び110℃で10分間硬化した。得られたコートは、SHARPIEマーカーインクの優れた小粒化と、優れたドライイレイズ性能を示した。
【0099】
(実施例10)
第1反応成分は、TEGO−5001(1.7g)と混合した、表1に記載したポリウレタンの透明コート溶液(98.3g)で構成されたことを除いて、実施例9の通りに2成分型ポリウレタン組成物を調製した。ポリウレタン組成物を次いでSPF6基材上に注ぎ、従来の#12メイヤーバーにより手で線を引き、約30マイクロメートル(0.0012インチ)厚のコートを作製した。得られたコートは、SHARPIEマーカーインクの優れた小粒化と、優れたドライイレイズ性能を示した。
【0100】
(実施例11)
第1反応成分は、TEGO−5001(2.55g)と混合した、表1に記載したポリウレタンの透明コート溶液(97.45g)で構成されたことを除いて、実施例9の通りに2成分型ポリウレタン組成物を調製した。ポリウレタン組成物を次いでSPF6基材上に注ぎ、従来の#12メイヤーバーにより手で線を引き、約30マイクロメートル(0.0012インチ)厚のコートを作製した。得られたコートは、SHARPIEマーカーの優れた小粒化と、優れたドライイレイズ性能を示した。
【0101】
比較例C3
第1反応成分は、TEGO−5001(0.85g)と混合した、表1に記載したポリウレタンの透明コート溶液(99.15g)で構成されたことを除いて、実施例9の通りに2成分型ポリウレタン組成物を調製した。第2反応成分はDESMODUR Z4470(二級脂肪族ポリイソシアネート)(27.95g)で構成され、DESMODUR N3390の代わりに第1反応成分に加えた。第1及び第2反応構成成分を室温で5分間混合した。得られたコートはSHARPIEマーカーインクの小粒化を示さず、ドライイレイズ性能を示さなかった。
【0102】
比較例C4
TEGO 5001(1.7g)を第1反応成分に加えたことを除いて、比較例C3の通りに2成分型ポリウレタン組成物を調製した。第2反応成分は、DESMODUR Z4470(27.95g)からなり、DESMODUR N3390の代わりに第1反応成分に加えた。第1及び第2反応成分を室温で5分間混合した。得られたコートはSHARPIEマーカーインクの小粒化を示さず、ドライイレイズ性能を示さなかった。
【0103】
比較例C5
TEGO 5001(2.55g)を第1反応成分に加えたことを除いて、比較例C3の通りに2成分型ポリウレタン組成物を調製した。第2反応成分は、DESMODUR Z4470(27.95g)からなり、DESMODUR N3390の代わりに第1反応成分に加えた。第1及び第2反応成分を室温で5分間混合した。得られたコートはSHARPIEマーカーインクの小粒化を示さず、ドライイレイズ性能を示さなかった。
【0104】
比較例C6
TEGO 500
0(0.30g)を第1反応成分に加えたことを除いて、実施例3の通りに2成分ポリウレタンを調製した。得られたコートは外観が濁っており、手触りが粘着性であり、SHARPIEマーカーインクの小粒化を示さず、ドライイレイズ性能を示さなかった。
【0105】
比較例C7
TEGO 500
0(0.60g)を第1反応成分に加えたことを除いて、実施例3の通りに2成分型ポリウレタン組成物を調製した。得られたコートは外観が濁っており、手触りが粘着性であり、SHARPIEマーカーインクの小粒化を示さず、ドライイレイズ性能を示さなかった。
【0106】
比較例C8
TEGO 500
0(0.91g)を第1反応成分に加えたことを除いて、実施例3の通りに2成分ポリウレタンを調製した。得られたコートは外観が濁っており、手触りが粘着性であり、SHARPIEマーカーインクの小粒化を示さず、ドライイレイズ性能を示さなかった。
【0107】
比較例C9
市販されているウレタン保護フィルム(XPEL Technologies,Corp,San Antonio,TX,USA製のXPEL Ultimateフィルム)を評価した。SHARPIEマーカーインクの小粒化を示さず、ドライイレイズ性能を示さなかった。
【0108】
比較例C10
市販されているウレタン塗料保護フィルム(PPF C SunTek,Martinsville,VA USA)を評価した。SHARPIEマーカーインクの小粒化を示さず、ドライイレイズ性能を示さなかった。
【0109】
比較例C11
市販されているウレタン塗料保護フィルム(DEFENZALL,Haartz Corp,Acton,MA,USA)を評価した。SHARPIEマーカーインクの小粒化を示さず、ドライイレイズ性能を示さなかった。
【0110】
【表2】
【0111】
【表3】
【0112】
上記特許及び特許出願の全ては、本明細書において参照により明示的に援用される。本明細書において、特定の実施形態に関して本発明を説明してきたが、これらの実施形態は、本発明の原理及び適用の単なる説明にすぎないことを理解されたい。本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく、本発明の方法及び装置に対して様々な修正や変更が可能であることは、当業者には明らかであろう。したがって、本発明は、以下の特許請求の範囲、並びにそれらの等価物内である修正及び変形を含むと意図される。