(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
可動家具部分(2)のため、特に引出しのための駆動装置(1)であって、前記可動家具部分(2)を閉鎖位置(SS)から開放位置(OS)に押し出すためのエジェクション装置(3)と、該エジェクション装置(3)をロック位置(VS)においてロックするためのロック装置(56)とを備えており、該ロック装置(56)は、特に心臓形のロックガイド軌道(41)と、該ロックガイド軌道(41)において可動でかつロック可能なロックピン(36)とを有している、駆動装置において、
前記ロックガイド軌道(41)および前記ロックピン(36)とは別個の制御装置(40,38,45,37)が設けられており、前記ロックガイド軌道(41)における前記ロックピン(36)の運動が、少なくとも部分的に前記制御装置(40,38,45,37)によって制御可能であり、
前記ロックピン(36)は、保持体に形成されており、該保持体の運動は前記制御装置(40,38,45,37)によって制御可能であり、
前記制御装置(40,38,45,37)は、前記保持体に配置された連結ピン(37)と、連結軌道(45)とを有している、
ことを特徴とする、駆動装置。
前記連結軌道(45)は、前記連結ピン(37)を保持するための保持面(72)と、前記連結ピン(37)を前記連結軌道(45)のガイド領域(47)内に変向させるための傾斜領域(73)とを有している、請求項3記載の駆動装置。
前記ロックガイド軌道(41)は、ほぼ長手方向(L)に方向付けられた緊張部分(78)、曲線部分(79)、予備ロック部分(74)および係止部分(80)を有している、請求項1から8までのいずれか1項記載の駆動装置。
同時に前記連結軌道(45)の前記傾斜領域(73)に位置していて該傾斜領域(73)によって変向された前記連結ピン(37)による、前記緊張部分(78)からの離間時における前記ロックピン(36)を介して、前記回転軸線(X)を中心にした前記保持体の回転運動が作動可能であり、かつ前記保持体のこの回転運動によって、前記予備ロック部分(74)内への前記曲線部分(79)に沿った前記ロックピン(36)の運動も制御される、請求項8を引用する請求項9記載の駆動装置。
前記連結ピン(37)への前記連結エレメント(9)の前記回転運動の運動伝達によって、前記保持体も前記ロックガイド軌道(41)に対して相対的に可動であり、同様に前記保持体に配置された前記ロックピン(36)は、前記予備ロック部分(74)から前記係止部分(80)を介して制御されて、前記ロックガイド軌道(41)の係止凹部(R)内に達する、請求項9または10を引用する請求項11記載の駆動装置。
エジェクションハウジング(11,12)が、その中に形成された前記ロックガイド軌道(41)と共に、前記連結エレメント(9)が、その中に形成された前記連結軌道(45)と共に、かつ前記ハウジングが、その中に形成された前記制御軌道(40)と共に、円筒形に形成されており、前記ロックガイド軌道(41)、前記連結軌道(45)および前記制御軌道(40)はそれぞれ、前記エジェクション装置(3)の長手方向軸線(L)に対して平行に方向付けられた回転軸線(X)を中心にして湾曲した円筒周面に形成されている、請求項5を引用する請求項13記載の駆動装置。
前記ロック位置(VS)は、前記閉鎖位置(SS)の後ろに位置している超過押圧位置(US)内への前記可動家具部分(2)の超過押圧によって、ロック解除可能である、請求項1から15までのいずれか1項記載の駆動装置。
前記エジェクション装置(3)は、エジェクション蓄力器(13)と、該エジェクション蓄力器(13)によって力を加えられるエジェクションキャリッジ(10)とを有している、請求項1から16までのいずれか1項記載の駆動装置。
ハウジング(6,7)が設けられており、前記エジェクション装置(3)と、前記可動家具部分(2)を開放位置(OS)から前記閉鎖位置(SS)に引き込むための引込み装置(4)とが、前記ハウジング(6,7)内に配置されている、請求項1から18までのいずれか1項記載の駆動装置。
前記引込み装置(4)は、前記ハウジング(6,7)に保持された引込み蓄力器(18)と、前記ハウジング(6,7)内に形成された引込みロック軌道(17)と、前記引込み蓄力器(18)によって力を加えられる、前記引込みロック軌道(17)において走行可能な引込みロック体(14)を介して、ロック可能な引込みキャリッジ(15)とを有している、請求項19記載の駆動装置。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1には、家具本体51と、引出しとして形成されていて互いに上下に配置された3つの可動家具部分2と、を備えた家具50が斜視図で示されている。
【0021】
図2には、可動家具部分2を斜め下から見た図が示されており、両側には引出しガイド52が示されている。各引出しガイド52には、特に引出しガイド52の各引出しレール54には、可動家具部分2のための駆動装置1が配置されている。両方の駆動装置1のエジェクション装置3,3’のための同期化装置76が設けられている場合には、好ましくは互いに鏡面対称に形成された両方の駆動装置1は、一緒に1つの共通の駆動装置1’を形成している。両方の引出しガイド52の本体レール53の下側には、保持プレートを介して各1つのピン形状の連行体49が取り付けられており、この連行体49は、それぞれの駆動装置1と共働する。各駆動装置1は可動家具部分2に(特に引出しレール54に)対応配置されており、これに対して連行体49は本体固定である。これによって、駆動装置1は、いわば固定の連行体49において突き放される。しかしながらまた、記載された駆動装置1は、逆の形式で、つまり駆動装置1が家具本体51または本体レール53に取り付けられており、可動家具部分2に対応配置された連行体49に作用するような形式で、使用されてもよい。これによって、連行体は、連行体49に結合された可動家具部分2と一緒に、開放方向ORにおいて駆動装置1によって押し出される。
【0022】
図3には、本体レール53と引出しレール54とを有する引出しガイド52が、引出しレール54に取り付けられた駆動装置1と一緒に斜視図で示されている。
【0023】
図4aには、同期化ロッド保持体35の領域における駆動装置1および引出しガイド52が断面図で示されている。この
図4aから分かるように、引出しガイド52は、本体レール53および引出しレール54の他に、完全引出しのための中間レール55をも有している。重要なことは、エジェクション装置3および引込み装置4がただ1つのハウジング内に組み込まれていることであり、このハウジングは、ハウジングカバー6およびハウジングベースプレート7を有している(残りの符号については、後の図面において詳説する)。基本的に、ハウジングは一体に形成されていてもよい。またハウジングによって個々のコンポーネントが完全に収容されていなくてもよい。例えばハウジングは単に一種のベースプレートの形態で形成されていてよく、このベースプレートにすべてのコンポーネントが保持されている。好ましくは、ハウジングは2部分から成っていて、個々のコンポーネントをほぼ完全に収容している。内部にエジェクション装置3および引込み装置4が配置されている一方のハウジングによって、駆動装置の比較的簡単でかつ比較的迅速な組立てが可能である。
【0024】
これに対して、
図5aには、当時本出願人によって製造されかつ販売されていた従来技術が示されている。この
図5aを一目見て分かるように、駆動装置の両方の主要なコンポーネント、つまりエジェクション装置3および引込み装置4は、互いに隔てられて形成されかつ配置されている。すなわち、引込み装置4は、別体のハウジングを介して引出しレール54に取り付けられており、これに対して、エジェクション装置3は、同様に別体のハウジングを介して引込み装置4に(または可動家具部分2の図示されていない下面にも)取り付けられている。エジェクション装置3のためにも引込み装置4のためにも、それぞれ別個の連行体(ここには図示せず)が設けられていなくてはならない。
【0025】
図4bおよび
図5bはそれぞれ、前に述べた
図4aおよび
図5aに対応するものであり、両方の図は、それぞれの駆動装置の正面図を示す。
【0026】
次に、
図6および
図7を参照しながら、駆動装置1の主要なコンポーネントについて記載する。この駆動装置1は、収容のために働く2つのエレメントとして、ハウジングカバー6およびハウジングベースプレート7を有している。原則的にはもちろん、より多くのコンポーネントがハウジングを形成することも可能であるが、可能な限り僅かしか手間のかからない簡単な製造のためには、正確に2つのハウジング部分だけが設けられているようになっている。ハウジングベースプレート7の上には、駆動装置1が引出しレール54に取付け可能である。
【0027】
エジェクション装置3(チップオン機構またはタッチラッチ機構とも呼ばれる)の2つの主要構成部材は、エジェクション蓄力器13およびエジェクションキャリッジ10であり、このエジェクション蓄力器13およびエジェクションキャリッジ10は、長手方向軸線Lに沿って可動である。このエジェクション蓄力器13は、圧縮ばねとして形成されている。基本的にこのエジェクション蓄力器13およびエジェクションキャリッジ10も、ハウジングまたはハウジング部分に直接保持されていてよい。図示の実施形態では追加的に、固有のエジェクションハウジングが設けられており、このエジェクションハウジングは、内側エジェクションハウジング11および外側エジェクションハウジング12の形態で形成されている。これらのエジェクションハウジング部分内において、両方の他のコンポーネント(エジェクション蓄力器13およびエジェクションキャリッジ10)が少なくとも部分的に案内されている。エジェクション蓄力器13の位置決めを可能な限り正確に維持するために、ガイド心棒29が設けられている。このガイド心棒29においては、さらに分離エレメント30が、溝(ガイド心棒29における)および突出部(分離エレメント30における)を介して案内されている。スペーサ形状(beilagenscheibenfoermig)のこの分離エレメント30は、長手方向軸線Lに対して平行に方向付けられた回転軸線Xを中心にしたエジェクションキャリッジ10の回転時、およびエジェクション蓄力器13のねじれに基づいて、エジェクション蓄力器13とエジェクションエレメント10との間において直接的なトルク伝達が行われないようにするために機能する。エジェクションキャリッジ10の、蓄力器に向けられた端部には、ロックピン36が配置されている。このロックピン36は、エジェクションハウジング11,12内に形成された心臓形のロックガイド軌道41および同期化連結部材31と一体に形成されたロックエレメント58(
図9参照)と一緒に、エジェクション装置3のためのロック装置56を形成している。
【0028】
基本機能のためには、このエジェクションハウジング11,12内にロックガイド軌道41が位置固定に形成されていれば十分である。可動家具部分2の他方の側に配置された第2の駆動装置1との簡単な同期化のために、同期化連結部材31が設けられている。この同期化連結部材31は、長手方向軸線Lにおいてエジェクションハウジング11,12に対して可動である。この同期化連結部材31には、同期化蓄力器32(この場合、圧縮ばね)によって力が加えられている。同期化連結部材31は、ハウジングの同期化ガイド34に可動に、特に回転可能に支持された同期化対応部材33に、運動伝達するように結合可能である。具体的に言えば、同期化連結部材31にはラックが形成されており、このラックは、同期化対応部材33に形成された歯車と噛み合っている。同期化対応部材33には同期化ロッド77が取付け可能である。確実な保持のために、同期化ロッド保持体35が設けられている。この同期化装置全体の機能形式については、例えば国際公開第2015/051386号を参照することができる。
【0029】
さらに、駆動装置1は、引込み装置4を有している。この引込み装置4の主要なコンポーネントは、引込み蓄力器18、引込みキャリッジ15、引込みロック体14および引込みロック軌道17である。引込み蓄力器18は、一方ではハウジングベースプレート7の引込み蓄力器ベース19に保持され、かつ他方では引込みキャリッジ15に保持されている。原則的には、引込みキャリッジ15は、引込みロック軌道17の、屈曲した端部分において直接ロック可能であってよい。しかしながら、本実施形態では、引込みキャリッジ15に引込み結合ピン16を介して、引込みロック体14が旋回可能に支持されており、これによって、引込みキャリッジ15全体が、引込みロック位置において、引込みロック体14に取り付けられた引込みロックピン23を介して、引込みロック軌道17の屈曲した端部分においてロック可能であるようになっている。引込み蓄力器18は、引張りばねとして形成されており、この引張りばねは、
図6に示されているように弛緩時に引込みキャリッジ15を右に向かって移動させる。
【0030】
この引込み運動はそれ自体、引込み蓄力器18の力だけによって行うことができる。しかしながら、ソフトな引込みを可能にするために、駆動装置1は引込み装置4のための緩衝装置5をも有している。そのために緩衝装置5は、シリンダ21と、このシリンダ21内において案内される緩衝ピストン20とを有している。緩衝シリンダ21は、ハウジングカバー6とハウジングベースプレート7との間において保持されている。緩衝ピストン20は、緩衝ピストンガイド22によって案内される。この緩衝ピストン20は、その移動行程中に部分的に中間部材24に対して作用する。この中間部材24は、相応のガイド突出部を介して中間部材ガイド軌道39において制限されて可動に支持されている。
【0031】
引込み装置4とエジェクション装置3とがただ1つのハウジング7,6内において収容され得ることを可能にするために、駆動装置はさらに推進エレメント8および連結エレメント9を有している。
図6および
図7に示された図面では、連結エレメント9は2部分として示されている。この形態は単に製造技術的な理由から有利なだけである。それ以外にこの連結エレメント9は、一体に形成されていてもよい。また推進エレメント8は、相応の突出部を介してガイド軌道28内において移動可能に支持されている。掴みフォーク25もまた、このガイド軌道28内において案内される。さらに、掴みフォーク25は、掴みフォーク回転軸受27を介して推進エレメント8に回転可能に支持されている。さらに、掴みフォーク25と推進エレメント8との間には、掴みフォーク蓄力器26(脚付ばねとして形成)が配置されており、この掴みフォーク蓄力器26は、ガイド軌道28の屈曲した端部分における掴みフォーク25の確実なロックを保証する。コンパクトな構造形式のために、駆動装置1のハウジング6,7、連結エレメント9およびエジェクションキャリッジ10(保持体)は、少なくとも部分的にスリーブ形状にまたは円筒形に形成されるようになっている。特にエジェクションハウジング11,12はその中に形成されたロックガイド軌道41と一緒に、連結エレメント9はその中に形成された連結軌道45と一緒に、かつハウジング6,7は特にその中に形成された制御軌道40の領域において、円筒形に形成されており、ロックガイド軌道41、連結軌道45および制御軌道40は、それぞれ、回転軸線Xを中心にして湾曲した、好ましくは内部に位置しているシリンダ周面に形成されている。
【0032】
図8には、ハウジングカバー6およびハウジングベースプレート7が、開かれた状態で示されているので、その中に形成された細部を良好に見ることができる。両方のハウジング部分6,7内にはそれぞれ鏡面対称に、引込みロック体14のための引込みロック軌道17、掴みフォーク25および推進エレメント8のためのガイド軌道28、ならびに中間部材ガイド軌道39が形成されている。これに対して、ハウジングベースプレート7内またはハウジングベースプレート7には、引込み蓄力器ベース19および緩衝ピストンガイド22が形成されている。さらに、ハウジングカバー6には、同期化ガイド34および開口57を見ることができ、この開口57を通して同期化連結部材31は、ハウジングから進出する。
【0033】
図9では、2つの異なった斜視図で、半分に切断されたエジェクションハウジング11,12の内部が見える。この
図9から、内側エジェクションハウジング11内および外側エジェクションハウジング12内に、ロックピン36のためのロックガイド軌道41の一部が形成されていることを認識することができる。さらに、係止凹部Rが、一部は内側エジェクションハウジング11によって、かつ一部はロックエレメント58によって形成されている。
図9の下図には、ロックピン36が係止凹部R内においてロックされている状態で、ロックピン36が略示されている。
【0034】
閉鎖方向SRにおける可動家具部分2の超過押圧によるロック装置56のロック解除時に、ロックピン36は変位傾斜(Abweisschraege)42の方向に移動し、この変位傾斜42を介して変向(ablenken)し、これによって、ロックピンは、ロックガイド軌道41のエジェクション部分内に達する。可動家具部分2の解放後にロックピン36は、ロックエレメント58を端面に接触させ(
図10参照)、これによって、エジェクション蓄力器13の力は、エジェクションキャリッジ10を、およびエジェクションキャリッジ10と共にエジェクションキャリッジ10に取り付けられたロックピン36を、開放方向ORにおいて押し出す。
【0035】
さらなる続きにおいて、同期化連結部材31と一体に形成されているロックエレメント58は、さらに開放方向ORにおいて移動し、この移動は、
図11に示された位置が得られるまで続く。この位置においてロックピン36は、ちょうど、ロックガイド軌道41のエジェクション部分における斜面によってもう一度変向される(
図11の図示参照)。
【0036】
図12においては、異なった方向から見た図で、エジェクションキャリッジ10が、そのエジェクション蓄力器に向けられた端部に、互いに反対側に位置している2つのロックピン36を有していることが示されている。エジェクション蓄力器から離れた端部には、半球形状のストッパ43が設けられている。このストッパ43は、互いに接触している部分(エジェクションキャリッジ10および連結エレメント9)の間におけるトルクを最小にするように機能する。さらに、この端部には切欠きが設けられており、この切欠きには、ここには図示されていない連結ピン37を取り付けることができる。
【0037】
図13a〜
図13dには、スリーブ形状の連結エレメント9が部分的に切断された図、または部分的に透明な異なった図で示されている。この連結エレメント9には、制御ピン38が形成されている。さらに、バヨネット状の連結部分44が、ヘッド端部に設けられている。この連結エレメント9の内部には、つまり円筒周壁内面には、互いに180°ずらされた2つの同一の連結軌道45が形成されている。これらの連結軌道45は、エジェクションキャリッジ10に配置された連結ピン37のための連続する自由移動領域(Freilaufbereich)46を有している。
【0038】
図14には、このような連結軌道45が示されている。この連結軌道45は、3つの部分、すなわち自由移動領域46、ガイド兼空移動領域47(Fuehrungs- und Leerlaufbereich)および保持領域48を有している。この連結軌道45内において連結ピン37は可動である。
【0039】
これに対して、
図15には、ハウジングカバー6の、円筒周壁形状の内側に形成された制御軌道40が、1つの面に投影されて示されている。この制御軌道40内において、連結エレメント9に配置された制御ピン38が移動する。制御軌道40内における制御ピン38の位置に応じて、連結エレメント9は、バヨネット状の連結部分44を介して推進エレメント8に連結されているか(連結領域K)または連結解除されている(連結解除領域EK)。さらに、この制御軌道40を介して、長手方向軸線Lに対して平行に方向付けられた回転軸線Xを中心にした、連結エレメント9とエジェクションキャリッジ10との相互の相対的な回転運動も制御される。これらの制御運動全体は、駆動装置1全体の、以下の
図16〜
図31に示されかつ詳説される運動経過から明らかである。
【0040】
図16について最初に述べると、駆動装置1は、組み立てられた状態においてハウジングカバー6なしで示されている。さらに、個々のコンポーネントは部分的に透明に(破線参照)示されている。
図16において可動家具部分2は、閉鎖位置SSにある。さらに、ロック装置56はロック位置VSにある。それというのは、ロックピン36は、(上側の詳細図において認識できるように)ロックガイド軌道41の係止凹部Rにおいてロックされているからである。エジェクション蓄力器13は、分離エレメント30を介して、エジェクションキャリッジ10に配置されたロックピン36を押圧しているので、このロックピン36が、内側エジェクションハウジング11(この内側エジェクションハウジング11はハウジング6,7に不動に結合されている)に対して相対的に移動することはできない。同期化連結部材31によって形成されたロックエレメント58は、ロックガイド軌道41と一緒に係止凹部Rを形成している。
図16における下側の詳細図において、バヨネット状の連結部分44を備えた連結エレメント9の端部領域がさらに認識可能である。閉鎖位置SSにおいて連結エレメント9は、推進エレメント8と連結されていない。さらに
図16から分かるように、引込み蓄力器18は緊張していない。引込みロック体14は、その掴み領域59で推進エレメント8の推進ノーズ60と接触している。
【0041】
いまや、
図16に示された閉鎖位置SSを起点として閉鎖方向SRにおいて、可動家具部分2が押圧されると、
図17に示されているロック解除が行われる。これによって、駆動装置1の第2の運転モードB2が開始される。好適な実施形態では、駆動装置1は可動家具部分2に配置されているので、駆動装置1のハウジング6,7は閉鎖方向SRにおいて(
図17において左に向かって)移動する。しかしながら、掴みフォーク25は、本体不動の略示された連行体49に接触しているので、掴みフォーク25を介して、掴みフォーク25に結合された推進エレメント8を介して、および推進エレメント8に接触している連結エレメント9を介して、さらにこの連結エレメント9に接触しているエジェクションキャリッジ10は、駆動装置1の残りのコンポーネントに対して相対的に、エジェクション蓄力器13の力に抗して移動し、この移動は、ロックピン36がロックガイド軌道41の変位傾斜42に接触し、この変位傾斜42から、ロックガイド軌道41のエジェクション部分の、
図17に示された位置に達するまで続く。これによって、ロック装置56は、もはやロック位置VSにあるのではなく、ロック解除されている(ロック解除位置ES)。超過押圧移動行程は、約1〜3mmである。ハウジング6,7は可動家具部分2にではなく、家具本体51に配置されているので、超過押圧時には基本的に、駆動装置1の個々のコンポーネントの間において同じ相対運動が行われる。しかしながらこのとき、
図17の矢印SRとは逆に、エジェクションキャリッジ10は、可動家具部分2に配置された移動した連行体49を介して、右に向かって閉鎖位置SRに移動する。
【0042】
次いで、この超過押圧位置USを起点として、もはやこの可動家具部分2が押圧されなくなると、エジェクション蓄力器13は
図18に示されているように、弛緩し始めることができる。弛緩するこのエジェクション蓄力器13は、これによってエジェクションキャリッジ10を押圧し、これによりロックピン36は端面側において、同期化連結部材31のロックエレメント58に接触する。これによって、同期化連結部材31全体は、エジェクションハウジング11,12に対して相対的に移動する。この移動によって、同期化連結部材31のラックも、同期化対応部材33の歯車と噛み合う(
図18の詳細図参照)。これによって、可動家具部分2の他方の側に配置された図示されていない駆動装置においては、ロック解除が作動する(後でさらに
図33参照)。エジェクション蓄力器13の弛緩開始によって、ハウジング6,7も、エジェクションエレメント10、連結エレメント9、推進エレメント8および掴みフォーク25に対して相対的に、開放方向ORにおいて移動する。推進エレメント8は、推進ノーズ60を介して引込みロック体14を連行するので、引込み蓄力器18の緊張も開始する。したがって、エジェクション蓄力器13のばね力はまた、引込み蓄力器18のばね力よりも大きい。説明のために
図16〜
図18にはそれぞれ、特に外側エジェクションハウジング12の部分領域が、部分的にフェイドアウトされているので、エジェクションハウジング11,12の内部構造を良好に覗き込むことができる。
【0043】
図19によれば、可動家具部分2はさらに大きく押し出されていて、第1の軽い開放位置OSに達している。外側エジェクションハウジング12におけるロックガイド軌道41の構成に基づいて、下の詳細図において認識できるように、ロックピン36はさらに変向し、これによってこのロックピン36はロックエレメント58から逃げている(
図11も参照)。ロックピン36がこの位置においてまた、もはや同期化連結部材31を押圧しなくなった後で、同期化蓄力器32は再び弛緩することができ、かつ同期化連結部材31を再び例えば
図16に示された位置に移動させる。
【0044】
図20において、エジェクション運動または開放運動はさらに続いている。エジェクション蓄力器13は既に大部分、少なくとも、引込み蓄力器18が完全に緊張しているほどには、弛緩している。引込み蓄力器18のこの完全に緊張した位置において、引込みロック体14は、引込み結合ピン16を中心にして引込みキャリッジ15に対して相対的に旋回しており、これによって、引込みロックピン23は、引込みロック軌道17の屈曲した端部分においてロックされる(
図20の詳細図参照)。この旋回運動によって、推進エレメント8の推進ノーズ60もまた、もはや引込みロック体14の掴み領域59において接触していない。さらに
図20においてまた認識できるように、中間部材24は、緩衝ピストン20の追従移動に基づいて、中間部材ガイド軌道39のリミットストッパ内に達している。さらに
図20について(以下の図面についても)特に重要なことを述べると、ハウジングカバー6はそれぞれ部分的にフェイドアウトしている。ハウジングカバー6は、なお示されているハウジングカバー6において正確に制御軌道40が残っているような程度に、切断またはフェイドアウトされている。この図示は単に略示のためのものである。例えば
図20から認識できるように、連結エレメント9における制御ピン38は、既に押出し・制御軌道領域61のかなりの部分を進んでいる(
図15も参照)。
【0045】
図21〜
図31には、それぞれの上側の全体図において、ハウジングカバー6の外側領域がフェイドアウトされており、その結果、ハウジングカバー6の残っている内側領域において、制御軌道40における制御ピン38の位置を良好に認識することができる。これら
図21〜
図31の下側のすべての図において、ハウジングカバー6は完全にフェイドアウトされている。そのために、それぞれ連結エレメント9の外側領域がフェイドアウトされており、その結果、連結エレメント9の残っている内側領域において、連結軌道45における連結ピン37の位置を良好に認識することができる。その間には、それぞれ上側に位置している全体図の詳細図が示されている。
【0046】
図21によれば、エジェクション蓄力器13は完全に弛緩されている。これによって、一方では
図21の上側の詳細図において分かるように、推進エレメント8は、緊張した引込み装置4の引込みロック体14からさらに大きく離される。他方において、制御ピン38は制御軌道40の連結・制御軌道領域62を通って移動している。これによって、ハウジングカバー6に対して相対的な、連結エレメント9の回転運動が作動し、これにより連結エレメント9のバヨネット状の連結部分44は、
図21の下側の詳細図において分かるように、推進エレメント8に形成された突出部71に連結する。これによって、もはや連結解除位置EKは存在しておらず、推進エレメント8と連結エレメント9との間における連結位置Kが得られている。
図21に示されたこの位置を起点として、蓄力器のうちの1つの蓄力器13または18による影響なしに、さらなる開放運動が行われる。さらなる開放運動は、さらに、エジェクション蓄力器13によって可動家具部分2内にもたらされる力による揺動によって、または可動家具部分2におけるアクティブな引張りによって行うことができる。
【0047】
このさらなる開放運動によって、
図22に示されているように、制御ピン38は、制御軌道40の移動・制御軌道領域63を通してさらに移動する。
図21に示された位置を起点として、エジェクションキャリッジ10もまたもはやさらに移動することができない。それというのは、エジェクションハウジング11,12におけるロックピン36のリミットストッパが得られているからである(図示せず)。連結位置Kに達した後で連結エレメント9は、推進エレメント8によるさらなる開放運動時に一緒に移動するので、エジェクションキャリッジ10に対する連結エレメント9の相対運動が行われる。これによって、エジェクションキャリッジ10の、エジェクション蓄力器から離れている端部に配置された連結ピン37は、自由移動領域46から、連結エレメント9における連結軌道のガイド兼空移動領域47内に達する。このことは、
図22の下側の詳細図において示されている。説明のために、この詳細図では、ハウジングカバー6における上側の詳細図におけると同様に、連結エレメント9の外側領域がフェイドアウトされているので、連結エレメント9における残っているガイド軌道45を直接見ることができる。これはまた、単に説明のためだけのものである。
【0048】
最後に、また
図23に示されているように残りの開放移動行程が終了しており、その結果、掴みフォーク25はガイド軌道28の屈曲した端部分内に変向している。掴みフォーク蓄力器26によって、掴みフォーク25はこの位置において保持される。この残りの開放運動によって、また
図23の下側の詳細図に示されているように、エジェクションキャリッジ10における連結ピン37は、連結エレメント9の連結軌道45の屈曲した保持領域48内に移動する。この保持領域48における連結軌道45の斜めの構成によって、連結エレメント9はエジェクションエレメント10に対して相対的に回転する。この回転運動によってまた、
図23の上側の詳細図によれば、制御ピン38は、制御軌道40の変向・制御軌道領域64を通して移動している。
図23において、連行体49は、ちょうどなお掴みフォーク25と接触している。
【0049】
これに対して、
図24では、連行体49は、既に掴みフォーク25から持ち上げられているかまたは離されている。これによって、可動家具部分2は自由移動状態にある。この自由移動中に、駆動装置1のすべてのコンポーネントはその位置に留まっている。すなわち、引込み蓄力器18は緊張していて、エジェクション蓄力器13は弛緩している。
【0050】
図25によれば、可動家具部分2の閉鎖運動が再び始まっている。連行体49は、掴みフォーク25と接触しているので、掴みフォーク25は、掴みフォーク蓄力器26の力に抗して、ガイド軌道28の屈曲した端部分から解離される。
図25によれば、推進エレメント8を介して、推進エレメント8に接触している連結エレメント9は、既に幾分右に向かって移動している。エジェクションエレメント10は、エジェクション蓄力器13によって力を加えられているので、連結ピン37は、
図25の下側の詳細図に示されているように、長手方向軸線Lに対して少なくとも直角に方向付けられた、または軽くアンダカットされた、制御軌道45の保持面72に接触している。この場合、力は連結エレメント9からほぼ垂直に連結ピン37に対して作用するので、さらなる押込み運動(Einschubbewegung)時に連結ピン37は連結エレメント9によって連行される。この押込み運動時に制御ピン38は、制御軌道40の真っ直ぐな緊張・制御軌道領域65を通して移動する。このことは特に、連結ピン37がアンダカットされた保持面72に位置していることによって生じる。
【0051】
図25に示された位置から
図26に示された位置に到るまでに、エジェクション蓄力器13は緊張し、掴みフォーク25、推進エレメント8および連結エレメント9を介して、エジェクションエレメント10は、制御軌道45の保持面72に接触している連結ピン37によって、エジェクション蓄力器13の力に抗して移動する。
図26において、制御ピン38は、既に、制御軌道40の変向・制御軌道領域66における移動行程の一部を進んでいる。この変向・制御軌道領域66は、ハウジングカバー6に対して相対的に連結エレメント9を回転させる。この連結エレメント9のこの回転によって、同時に連結ピン37は、
図26の下側の詳細図に示されているように、連結軌道45の保持領域72から解離され、制御軌道45の傾斜領域73内に達する。この傾斜領域73における接触時に、引き続きエジェクション蓄力器13は緊張する。傾斜領域73における接触に基づいて、連結ピン37は傾斜領域73に対して相対的に上方に向かって逃げようと、または連結エレメント9を下方に向かって押し離そうとする。しかしながら、両方の運動は、
図26に示された位置においてはまだ不可能である。すなわち、連結ピン37に対して相対的な連結エレメント9のさらなる下方に向かっての移動は、連結エレメント9に取り付けられた制御ピン38が制御軌道40の保持・制御軌道領域67内に位置する程度しか可能でない。すなわち、
図26の上側の詳細図において鎖線で示された、制御ピン38の位置においては、ハウジングカバー6と連結エレメント9との間における相対運動は、ちょうどまだ、連結ピン37が連結軌道45のガイド兼空移動領域47内に到ることができるような程度には進められていない。他方において、上方に向かっての連結エレメント9に対する連結ピン37の相対運動は、不可能である。それというのは、エジェクションキャリッジ10の、エジェクション蓄力器に向けられた端部において、ロックピン36はまだ上方に向かって移動することができないからである。なぜならば、ロックピン36は、まだロックガイド軌道41の緊張部分78に位置しているからである。
【0052】
しかしながら、
図27においてエジェクション蓄力器13はいまや、ロックピン36がもはや緊張部分78において保持されておらず、ロックガイド軌道41の曲線部分79内に達することができる程度に緊張している。曲線部分79内へのロックピン36のこの運動は、連結軌道45によって制御されて行われる。すなわち、
図27において左側の詳細図において分かるように、連結ピン37は制御軌道45の傾斜領域73に接触している。ロックピン36は曲線領域79に達しているので、いまやエジェクションキャリッジ10は回転することができる。
【0053】
この回転運動は、ロックピン36がロックガイド軌道41の、長手方向軸線Lに対して直角に方向付けられた予備ロック部分74に正確に位置している場合に、連結ピン37が制御軌道45のガイド兼空移動領域47に達するように、調整されている(
図28参照)。ロックピン36がこの予備ロック部分74にある間に、エジェクション蓄力器13は緊張し、予備ロック位置VVが得られている。この予備ロック位置VVに対する詳細については、例えば国際公開第2014/165878号を参照のこと。この予備ロック位置VVは、過剰押込み防止(Durchdrueckschutz)を可能にしているので、閉鎖時に不所望に直ちに再び作動が行われることはない。
図28においてさらに認識できるように、予備ロック位置VVの到達直後にまたはこの位置が得られると共に、推進エレメント8の推進ノーズ60は、引込みロック体14内に係合し、かつこの引込みロック体14を、引込みロック軌道17の屈曲した端部分から解離させる。これによって、引込み蓄力器18は弛緩し始め、かつ可動家具部分2はアクティブに閉鎖方向SRに引っ張られる。
【0054】
図29においては、引込み移動行程の約半分が既に進められている。つまり引込み蓄力器18は既にかなりの部分弛緩している。この引込み運動は、緩衝装置5の緩衝ピストン20によって緩衝され、緩衝ピストン20は、中間部材24を介して制動作用をもって推進エレメント8に対して作用する。
図29の上側の詳細図において、制御ピン38は制御軌道40の係止・制御軌道領域68に達している。この係止・制御軌道領域68の斜めの構成によって、連結エレメント9はハウジングカバー6に対して相対的に上方に向かって回転する。同時に連結ピン37は、連結エレメント9の上方に向かって回転する連結軌道45のガイド兼空移動領域47に接触しているので、エジェクションキャリッジ10もまた幾分上方に向かって回転する。これによって、ロックピン36は、
図29の右下の詳細図に示されているように予備ロック部分74から進出し、係止傾斜部に沿ってロック装置56の係止凹部R内に移動する。これによって、予備ロック部分74から係止凹部R内へのロックピン36のこの移動もまた、制御軌道40および連結軌道45を介してかつ所属の制御ピン38および連結解除ピン37を介して制御される。これによって、係止凹部R内におけるロックピン36のソフトでかつ静かな収納が行われる。制御軌道40、この制御軌道40内において案内される制御ピン38、連結エレメント9における連結軌道45、およびこの連結軌道45内において案内されかつエジェクションキャリッジ10に配置された連結ピン37は、一緒に、エジェクションキャリッジ10に配置されかつロックガイド軌道41内において案内されるロックピン36の運動を制御する制御装置を形成している。
【0055】
図30によれば、ロックピン36は最終的に係止凹部Rに達しており、ロック装置56はロック位置VSにある。同時に左下の詳細図によれば、連結ピン37は、連結軌道45の自由移動領域46に位置している。上側に示された詳細図において、制御ピン38は、制御軌道40の連結解除・制御軌道領域69内に移動している。これによって、70°〜150°、好ましくは約120°の、ハウジングカバー6に対する連結エレメント9の回転運動が作動される。連結エレメント9のこの比較的大きな回転運動を阻止しないために、連結ピン37は、連結エレメント9の自由移動領域46に位置している。それというのは、エジェクションキャリッジ10は、ロックピン36のロックに基づいて回転することができないからである。エジェクションキャリッジ10もまた、この自由移動領域46によって連結エレメント9に対して相対的に自由に回転可能である。
図30において、引込み装置4による引込み運動は、ほとんど終了している。
【0056】
図31において最終的に、可動家具部分2の閉鎖位置SSが得られている。制御ピン38は、再び制御軌道40の連結解除領域EK内に位置しており、これによって、連結エレメント9と推進エレメント8との間における連結は、消滅する。
図31は再び、
図15に示された出発位置に相当している。
【0057】
図32には、本発明に係る駆動装置1の別の重要な機能が示されている。つまり、本発明に係る駆動装置1によって、第1運転モードB1において、過剰負荷装置またはその他の補助手段を使用する必要なしに、損傷を惹起することなく、可動家具部分2を閉鎖位置SSから開放方向ORに引っ張ることが可能である。すなわち、超過押圧による可動家具部分2の開放だけが、およびこれによって作動される、第2運転モードB2におけるようなロック解除だけが可能なのではなく、可動家具部分2における引張りをも行うことができる。このことは、閉鎖位置SSにおいて連結エレメント9が推進エレメント8から連結解除されることによって可能である。これによって、ロック装置56のロック位置VSが維持され、かつエジェクション装置3もまた不変なままである。第1運転モードB1における引張りによるこの開放と共に、単に引込み装置4がアクティブに手によって緊張させられ、その結果、再閉鎖時にソフトな閉鎖動作が保証される。この機能に対する詳しい情報については、例えば国際公開第2014/165873号を参照することができる。
【0058】
原則的には、エジェクション装置3および引込み装置4のための駆動装置1は、可動家具部分2または家具本体51との連結のために互いに別個の連行体を有することが可能である。しかしながら、単純な構成および組立てのためには、駆動装置1がただ1つの連行体49だけを有していることが好ましい。この1つの連行体49を介して、エジェクション装置3および引込み装置4が作動可能である。閉鎖位置SSにある可動家具部分2における引張りによって、この1つの連行体49を介して第1運転モードB1をアクティブにすることができる。閉鎖位置SSにある可動家具部分2を押圧することによって、この1つの連行体49を介して、第2運転モードB2をアクティブにすることができる。
【0059】
図33には、駆動装置1の別の機能が示されている。この図面によれば、係止凹部Rからのロックピン36のロック解除は、超過押圧によって行われるのではなく、他方の側に設けられた駆動装置(
図2参照)が超過押圧によってロック解除されることによって行われる。そこに設けられたロック装置56、および特に開放時に移動する同期化連結部材31によって、同期化対応部材33および
図2に示された同期化ロッド77に対する運動が、さらに導かれ、その結果、
図33に示された駆動装置1では、同様にちょうど始まる開放運動時に、同期化連結部材31が移動される。この同期化連結部材31が、ロックエレメント58と一体に形成されていることによって、このロックエレメント58はもはや係止凹部Rを一緒に形成しておらず、これによってロックピン36は、それ自体が超過押圧されている必要なしに、斜めに設置されたロックガイド軌道41に基づいて、かつエジェクション蓄力器13によるばね力の負荷に基づいて、エジェクション部分内に達することができる。この機能に対する詳細については、例えば国際公開第2015/051386号を参照のこと。
【0060】
最後にさらに、過剰押圧運動(Durchdrueckbewegung)が図示されている
図34を参照する。この過剰押圧運動時に、ロックピン36は、予備ロック部分74からロックガイド軌道41の超過押圧軌道75内に移動する。同時に、制御ピン38もまた制御軌道40の超過押圧・制御軌道領域70内にある。この機能によって、特に超過押圧軌道75によって、直接的な過剰押圧、ひいては超過押圧および閉鎖時における作動が阻止されることが阻止される。つまりロックピン36は、ロックガイド軌道41のエジェクション部分内に直接達しないことが可能である。