特許第6611972号(P6611972)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6611972
(24)【登録日】2019年11月8日
(45)【発行日】2019年11月27日
(54)【発明の名称】アドバイス提示システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/335 20190101AFI20191118BHJP
【FI】
   G06F16/335
【請求項の数】8
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-40028(P2019-40028)
(22)【出願日】2019年3月5日
【審査請求日】2019年3月6日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518348919
【氏名又は名称】亀井 正通
(74)【代理人】
【識別番号】100087491
【弁理士】
【氏名又は名称】久門 享
(74)【代理人】
【識別番号】100104271
【弁理士】
【氏名又は名称】久門 保子
(72)【発明者】
【氏名】亀井 正通
【審査官】 早川 学
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−186764(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0097110(US,A1)
【文献】 特開2003−186881(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00−16/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末に使用者の感情に関連する1または複数の感情関連データを入力するためのデータ入力手段と、
人間の感情を分類して感情データとして収録した感情データベースと、
格言、名言、諺、哲学者の言葉、または宗教家の言葉を含むアドバイスとしての言葉を人の感情に関連付けて分類し、アドバイスデータとして収録したアドバイスデータベースと、
前記データ入力手段によって入力された1または複数の感情関連データに基づいて、前記感情データベースから1または複数の感情データを選択する感情データ選択手段と、
前記感情データ選択手段によって選択された感情データに基づいて、前記アドバイスデータベースから複数のアドバイスデータを選択するアドバイスデータ選択手段と、
前記複数のアドバイスデータについて、前記感情データとの相関性が高い順に優先順位を付加する優先順位付加手段と、
前記優先順位付加手段により優先順位を付加された前記アドバイスデータに基づいて、アドバイスの言葉を表示するアドバイス表示手段と、
を備えることを特徴とするアドバイス提示システム。
【請求項2】
請求項1記載のアドバイス提示システムにおいて、前記感情データベース、前記アドバイスデータベース、前記感情データ選択手段および前記アドバイスデータ選択手段の全部または一部が前記端末と通信回線を介して接続される外部サーバに設置されていることを特徴とするアドバイス提示システム。
【請求項3】
請求項1または2記載のアドバイス提示システムにおいて、
前記データ入力手段が、前記端末の文字入力装置または音声入力装置、またはタッチパネルであることを特徴とするアドバイス提示システム。
【請求項4】
請求項1〜3の何れかに記載のアドバイス提示システムにおいて、
感情データ選択手段は、前記データ入力手段から入力された文字データ、音声データ、または他の入力信号と、前記感情データベースに収録された感情データとの対応関係を規定するインターフェイス機能を備えたものであることを特徴とするアドバイス提示システム。
【請求項5】
請求項1〜4の何れかに記載のアドバイス提示システムにおいて、さらに、
性別、年齢を含む個人的特徴を分類して個人的要素データとして収録した個人的要素データベースと、
学歴、職業、経歴、出身地、居住地域の何れか1つ以上を分類して環境要素データとして収録した環境要素データベースと、
体調、時間、天候の何れか1以上を含む変動要素を分類して変動要素データとして収録した変動要素データベースと、
の何れか1以上のデータベースを備え、
前記データ入力手段から入力された前記個人的要素データ、前記環境要素データまたは変動要素データの何れか1以上のデータを前記選択手段に送信し、前記感情データとの組み合わせに基づいて、前記アドバイスデータを選択するようにしたことを特徴とするアドバイス提示システム。
【請求項6】
請求項5記載のアドバイス提示システムにおいて、前記個人的要素データには、さらに個人的特徴としての体格に関するデータが含まれることを特徴とするアドバイス提示システム。
【請求項7】
請求項1〜6の何れかに記載のアドバイス提示システムにおいて、前記データ入力手段および前記アドバイス表示手段が端末装置が備える入力手段および表示手段であり、前記感情データベースは前記端末装置と通信回線を介して接続される外部サーバに収納されており、前記アドバイスデータ選択手段は前記端末装置または前記外部サーバの何れかに収納されていることを特徴とするアドバイス提示システム。
【請求項8】
請求項7記載のアドバイス提示システムにおいて、前記端末装置が携帯端末であり、前記感情データベース、前記アドバイスデータベース、前記感情データ選択手段および前記アドバイスデータ選択手段のうちの少なくとも一部が携帯アプリとして前記携帯端末にインストールされたものであることを特徴とするアドバイス提示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スマートフォンやパソコンなどの端末に使用者の感情に関する情報を入力することで、使用者のそのときの感情に適した格言や名言を抽出してアドバイスとして提示するアドバイス提示システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
パソコンに加え、スマートフォンやPCタブレットなどの携帯端末が普及し、通信回線を通じて使用者の要求に即座に対応できる各種のアプリケーションソフトあるいはシステムが開発されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、相談者が発した言葉の文字列に基づいて、文字列に含まれる感情に関係するキーワードを抽出し、抽出したキーワードを用いて相談者に対する助言を選択する助言システムが開示されている。
【0004】
この特許文献1に記載された助言システムは、具体的には、相談者が発話した内容から、相談者に適切なアドバイスを回答する助言システムであって、相談者の音声情報を取得する取得手段と、取得手段で取得した音声情報に基づいて、その音声情報に対応する文字列を特定する音声認識手段と、相談者に対する助言を、相談の属性毎に蓄積する属性蓄積手段と、特定した文字列の中から感情に関係するキーワード及び強調語を抽出し、抽出した感情に関係するキーワード及び強調語に基づいて感情に関係するキーワードとは異なるキーワードに対して相談者が抱く感情度を推論し、推論した感情度及び感情に関係するキーワードとは異なるキーワードに基づいて前記属性蓄積手段より所定の助言を選択し、相談者に助言を行なう推論手段とを備えるというものである。
【0005】
特許文献2には、レストランや居酒屋等の飲食店で飲食した顧客に対して、その摂取した栄養素に基づき、健康状態を向上させる上で摂取すべき最適なサプリメントを通知するためのサプリメント探索システムが開示されている。
【0006】
この特許文献2に記載されたサプリメント探索システムは、具体的には、入力された飲食物のオーダーに基づいて摂取した栄養素の摂取量を集計する集計手段と、集計手段により集計された摂取量の集計値と、予め取得してある摂取量の理想値との乖離傾向を分析する分析手段と、乖離傾向と補充すべきサプリメントの種類との3段階以上の連関度を含む連関性が予め記憶されている連関サプリメントデータベースと、連関サプリメントデータベースに記憶されている上記連関性を参照し、分析手段により分析された乖離傾向に基づき、1以上のサプリメントを探索する探索手段とを備えることを特徴とするものである。
【0007】
特許文献3には、文章の作成した時の作成者の感情が読み手に正しく伝わらないために、コミュニケーション上の誤解が生じ、当事者同士の関係性を悪化させてしまうことを解決すべき課題として、文章情報を作成する文章情報作成者の感情情報を取得する感情情報取得手段と、感情情報取得手段によって取得した感情情報に基づきレコメンド情報を通知するリコメンド情報通知手段とを有する情報処理装置であって、リコメンド設定部が、感情情報推測部から感情情報を取得して、取得した感情情報に対応するアドバイスをリコメンド情報として注釈に設定し、フィルタリング部が、予め定めた感情に対応する注釈をフィルタリングし、出力部から注釈が付与された文書情報を出力するようにした情報処理装置が開示されている。
【0008】
また、特許文献4には、システムの利用者に、システムとのやり取りを通じて人間が努力を反復継続させるうえで欠かせない感情を持続的に抱かせるために、あたかも人間と話しているかのような温かみのある対話を行える対話式健康促進システムの提供をすることを目的として開発された対話式健康促進システムが開示されている。
【0009】
この特許文献4に記載された対話式健康促進システムは、具体的には、SNSを利用するユーザを識別するユーザ識別情報を保持するユーザ識別情報保持部と、ユーザ識別情報と関連付けてユーザが利用するSNSのユーザの発言を含むユーザ関連情報であるSNSユーザ関連情報を外部情報として取得するSNSユーザ関連情報取得部と、ユーザ識別情報と関連付けて外部情報を健康状況の把握の観点で分析して健康状況情報を取得するためのルールである分析ルールを保持する分析ルール保持部と、ユーザ識別情報に関連付けられている取得した外部情報と同じユーザ識別情報に関連付けられている分析ルールとに基づいて健康状況情報を取得する健康状況情報分析取得部と、ユーザ識別情報に関連づけて取得した健康状況情報に応じて発信すべき対話情報を蓄積した対話情報蓄積部と、取得した健康状況情報に基づいて蓄積されている対話情報を選択するユーザ識別情報に関連付けられたルールであるユーザ別対話情報選択ルールを保持するユーザ別対話情報選択ルール保持部と、取得した健康状況情報と保持されているユーザ別対話情報選択ルールと、に基づいて対話情報を対話情報蓄積部から選択し、そのユーザごとの特性に即した対話形式の対話情報に変換する対話情報選択部と、選択した対話情報をユーザ識別情報で識別されるユーザに対して前記SNSを介して出力するための対話情報出力部と、を有するというものである。
【0010】
また、特許文献5には、相手が身振り手振りや声の調子、口数の多さ、頷き等により出すシグナルに基づいて相手の感情を把握し、理想的なコミュニケーション状態を構築するためのアドバイスを生成することが可能な情報処理システムが開示されている。
【0011】
この特許文献5に記載された情報処理システムは、具体的には、第1ユーザが第2ユーザとコミュニケーションを行う用途を設定する用途設定部と、第1ユーザおよび第2ユーザのうち少なくともいずれか一方の感情シグナルを受信する通信部と、受信した感情シグナルの用途に応じた理想的な状態に基づいて、第1ユーザへのアドバイスを生成する生成部と、生成されたアドバイスを、通信部を介して前記第1ユーザに対応するクライアント端末に送信する制御部と、を備えるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特許第4451038号公報
【特許文献2】特許第6112328号公報
【特許文献3】特開2018−163409号公報
【特許文献4】特許第6362286号公報
【特許文献5】国際公開第2016/178329号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
人類の歴史において、古くから格言や名言あるいは諺といわれるもの、哲学者や宗教家、あるいは偉人たちの言葉などが世界各国にあり、人生の指針あるいは人を勇気付ける言葉などとして伝えられている。また、現代においても有名な企業家、政治家、スポーツ選手、タレントなどの発した言葉が、教訓やアドバイスとして広く利用されている。
【0014】
これらは、従来、格言集、名言集など、書籍あるいは辞典などとしてまとめられたものも多く、その量は膨大である。また、最近では、インターネットなどを通じてこれらの格言や名言を検索することもできる。
【0015】
もちろんこれらの書物を読むことも有意義ではあるが、例えばつらい思いや悲しい思いをして、人知れずアドバイスが欲しいといったときに、その時の気持ちに的確に答えてくれる言葉を直ちに見つけ出すことは容易ではない。
【0016】
本発明は、スマートフォン、PCタブレット、パソコンなどの端末の機能とデータベース化された格言、名言などのデータと、通信回線などの機能を組み合わせ、そのときどきの使用者の感情に合わせて的確なアドバイスを即時に与えることができるアドバイス提示システムを提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明のアドバイス提示システムは、
端末に使用者の感情に関連する1または複数の感情関連データを入力するためのデータ入力手段と、
人間の感情を分類して感情データとして収録した感情データベースと、
格言、名言、諺、哲学者の言葉、または宗教家の言葉を含むアドバイスとしての言葉を人の感情に関連付けて分類し、アドバイスデータとして収録したアドバイスデータベースと、
前記データ入力手段によって入力された1または複数の感情関連データに基づいて、前記感情データベースから1または複数の感情データを選択する感情データ選択手段と、
前記感情データ選択手段によって選択された感情データに基づいて、前記アドバイスデータベースから複数のアドバイスデータを選択するアドバイスデータ選択手段と、
前記複数のアドバイスデータについて、前記感情データとの相関性が高い順に優先順位を付加する優先順位付加手段と、
前記優先順位付加手段により優先順位を付加された前記アドバイスデータに基づいて、アドバイスの言葉を表示するアドバイス表示手段と、
を備えていることを特徴とするものである。
【0018】
アドバイスデータの例としては、例えば、ソクラテス、プラトン、アリストテレス、カント、ニーチェ、サルトル、孔子、孟子、老子、モーゼ、キリスト、モハメッド、ブッダ、最澄、空海、日蓮などの哲学者・思想家・宗教家などの名言、ナポレオン、ワシントン、チャーチル、リンカーン、アインシュタイン、徳川家康、吉田松陰などの権力者・政治家・学者などの名言、スティーブジョブス、松下幸之助、本田宗一郎などの経営者・起業家などの名言、その他、スポーツ選手・作家・詩人・芸能人などの名言、世界各地で古くから伝わる各種の格言、諺、言伝え、生活の知恵、医学・心理学・健康などに関する名言、アドバイス、映画・ドラマ・歌・名曲などのセリフ、歌詞、フレーズなどが挙げられる。
【0019】
本発明のアドバイス提示システムにおいて、上述の感情データベース、アドバイスデータベース、感情データ選択手段およびアドバイスデータ選択手段の全部または一部は端末内ではなく、端末と通信回線を介して接続される外部サーバに設置することが望ましい。
【0020】
技術的には、これらを端末にインストールすることも可能であるが、外部サーバに置くことで、端末のメモリ領域の節約が可能であり、選択手段や演算手段などの機能を備えたプログラムやデータベースのアップデートをサーバ側で行うことができる。また、データベースの拡充によるビッグデータの生成、利用と言った面でも外部サーバに置くことが望ましい。
【0021】
一つの形態としては、スマートフォンあるいはパソコンなどの端末装置が備える入力手段および表示手段が、本発明のシステムのデータ入力手段およびアドバイス表示手段となり、外部サーバとインターネットなどの通信回線で接続され、外部サーバに収納されている感情データベースやアドバイスデータ選択手段を利用する形態が考えられる。あるいはアドバイスデータ選択手段は端末装置にインストールされるプログラムとすることもできる。
【0022】
また、端末装置がスマートフォンやPCタブレットなどの携帯端末である場合、感情データベース、アドバイスデータベース、感情データ選択手段およびアドバイスデータ選択手段の一部を携帯アプリの形で、インストールする構成としてもよい。
【0023】
データ入力手段としては、端末の文字入力装置、音声入力装置、タッチパネルなどの利用が一般的であり、またこれらを併用あるいは選択的に利用できるように構成することも可能である。
【0024】
特に、端末としてスマートフォンなどを利用する場合には、スマートフォンの音声入力装置やその音声認識機能を利用することができ、また音声に基づいて使用者の感情や健康状態を併せて認識する機能を備えた装置や機能を用いれば、認識されたデータを感情関連データなどの入力データの一部として利用することもできる。
【0025】
本発明における感情データ選択手段は、前記データ入力手段から入力された文字データ、音声データ、または他の入力信号に基づいて、感情データベースに収録された感情データから使用者の使用時の感情を選択するプログラムによって作動するものである。入力データの種類が多く、感情データも細かく細分されたものである場合、複雑なアルゴリズムを備えたインターフェイス機能を備えたものとすることができる。また、使用者の任意の入力に対応するためにはAI機能を備えたプログラムを用いることも有効である。
【0026】
また、本発明のアドバイス提示システムにおいては、さらに、
性別、年齢を含む個人的特徴を分類して個人的要素データとして収録した個人的要素データベースと、
学歴、職業、経歴、出身地、居住地域の何れか1つ以上を分類して環境要素データとして収録した環境要素データベースと、
体調、時間、天候の何れか1以上を含む変動要素を分類して変動要素データとして収録した変動要素データベースと、
の何れか1以上のデータベースを備えるようにすることができる。
【0027】
すなわち、データ入力手段から入力された個人的要素データ、環境要素データまたは変動要素データの何れか1以上のデータを選択手段に送信し、感情データとの組み合わせに基づいて、アドバイスデータを選択するようにすれば、使用者の個性や環境に応じたより的確なアドバイスを選択し、提示することができる。
【0028】
例えば、男性であるか女性であるかによっても、求めるアドバイスは大きく異なり、男性あるいは女性にはアドバイスとして適さないものを排除して、より的確なアドバイスを選択できる場合がある。
【0029】
また、幼い年齢層あるいは若年層では到底理解できない名言や格言も多く、また年代の相違による好みなども別れるため、年齢なども選択判断における一要素としてより的確なアドバイスを選択できることが望ましい。また、個人的特徴としての身長や体重など体格に関するデータを含めることも可能である。
【0030】
環境要素データとして、学歴、職業、経歴なども、好みや個性への影響があり、出身地、居住地域など、国あるいは国内のどの地域の出身あるいは居住であるかによっても、求められる的確なアドバイスが異なると考えられることから、それらもアドバイスデータの選択の要素とすることが考えられる。
【0031】
また、国ごと言語が選択できるように、言語の切り替え機能を設けたり、また名言、格言を原語で知りたいという要求に対し、多言語のデータの拡充によって対処することも考えられる。
【0032】
また、嬉しい、楽しい、悲しい、つらい、悔しいといった単語だけでは表現できない感情に対し、使用者の使用時の体調や、朝、昼、晩の時間、晴れ、曇り、雨、雪、嵐といったその日の天候などを変動要素データとして収録し、それらが感情に与える影響などを考慮してアドバイスデータを選択するように構成することもできる。
【0033】
また、本発明のアドバイス提示システムにおいて、選択されるアドバイスデータは一つに限る必要はなく、むしろ複数、多数選択するようにすることができる。その場合に、感情データと選択された複数のアドバイスデータとの相関性が高い順に優先順位を付加して表示したり、あるいは音声として出力するようにしてもよい。
【0034】
選択された単一のアドバイスが、使用者にとって必ずしも最善とは言えない場合も多いものと考えられる。複数のアドバイスを提示することで、使用者は自分の感情や判断に基づいて、アドバイスを受け入れたり、拒否することができる。
【0035】
また、優先順位を付加された多数の文字あるいは音声などによるアドバイスが提示されることで、切迫した使用者の感情が徐々に癒されていくという効果が得られる。なお、優先順位を付けずに、選択された複数あるいは多数のアドバイスをランダムに表示あるいは音声として出力するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明のアドバイス提示システムの一実施形態におけるシステム構成機器の全体構成の概要図である。
図2】本発明のアドバイス提示システムの一実施形態におけるブロック図である。
図3】本発明のアドバイス提示システムの一実施形態におけるフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明を添付した図面に基づいて説明する。
【0038】
図1は、本発明のアドバイス提示システムの一実施形態におけるシステム構成機器の全体構成を概略的に示した図である。
【0039】
本発明のシステムは、図1に示すように、使用者が操作するスマートフォン、PCタブレット、パソコンなどの端末から、インターネットなどの通信回線を利用して、システム運用者が運用する外部サーバにアクセスし、格言、名言などのアドバイスデータを収録したアドバイスデータベースから使用者のそのときの感情に応じた適切なアドバイスが提示されるようにしたものである。
【0040】
外部サーバは例えば図1に示すようなアクセスを管理するウェブサーバ、システムを作動させるためのプログラムを内蔵したアプリケーションサーバ、本システムで使用する1または複数のデータベースを記憶させたデータベースサーバなどの機器から構成することができるが、外部サーバの構成はこれに限られるものではなく、種々のパターンが考えられる。
【0041】
図2は、本発明のアドバイス提示システムの一実施形態におけるブロック図を示したものである。
【0042】
スマートフォン、PCタブレット、パソコンなどの端末のデータ入力装置をデータ入力手段として利用することができ、データ入力手段から使用者に関するデータや使用者のそのときの感情に関連する感情関連データを入力する。
【0043】
入力装置は、例えば文字入力装置としてのキーボードや、タッチパネル、音声入力装置などが利用可能である。音声言語の認識機能や対話が可能なAI機能を備えた端末においてはそれらの機能を利用することもできる。
【0044】
使用者に関するデータとしては、例えば、システムを使用するためのアカウント情報、使用者の性別、年齢、学歴、職業、経歴、出身地、居住地域などが挙げられる。
これらのデータの全部または一部は、システムのデータベースに記憶させておくようにすれば、その都度入力することを省略することができる。
【0045】
感情関連データは使用者のそのときの感情に関するデータであり、楽しい、嬉しい、楽しい、悲しい、つらい、悔しいといった言葉をそのまま入力することもできるが、それらに限らず、文章的な入力や、対話機能や、音声認識機能によって把握される感情に関するデータを用いたり、あるいは多種の形態の感情関連データを複合的に利用するようにしてもよい。
【0046】
データ入力手段によって入力された感情関連データは、アプリケーションサーバにインストールされているプログラムに備えられた感情データ選択手段により、データサーバ内の感情データベースに収録された感情データと対比され、アドバイスデータを抽出するための1または複数(好ましくは多数)の感情データが選択される。
【0047】
図2では例示的に、楽しい、嬉しい、楽しい、悲しい、つらい、悔しい、…といった感情を表記しているが、実際には人間の感情を細かく分類し、その組み合わせを感情データ選択手段で選択することで、アドバイスデータベースからより的確なアドバイスデータを抽出することができることになる。
【0048】
アドバイスデータ選択手段は、感情データ選択手段とともにアプリケーションサーバにインストールされているプログラムに備えられた機能であり、感情データ選択手段によって選択された、通常は多数の感情データに基づいてデータサーバ内のアドバイスデータベースに収録されたアドバイスデータを選択し、抽出する。
【0049】
アドバイスデータは、感情データと関連付けて分類された、例えば哲学者、宗教家などの格言、名言、諺などである。アドバイスデータは1つのみ抽出することも可能であるが、通常は複数、好ましくは多数、選択される。選択されたアドバイスデータは、優先順位をつけてあるいはランダムな順番で端末に送信され、端末のモニター画面などのアドバイス表示手段に表示される。あるいは音声出力によって提示されるようにすることもできる。
選択されるアドバイスデータの数を端末での入力によって制御することもできる。
【0050】
アドバイスデータ選択手段によるアドバイスデータの抽出は、感情データのみに基づく選択に限らず、例えば図2に示すように、データサーバに、さらに、性別、年齢、体格などの個人的特徴を分類して個人的要素データとして収録した個人的要素データベース、学歴、職業、経歴、出身地、居住地域などを分類して環境要素データとして収録した環境要素データベース、体調、時間、天候などを変動要素を分類して変動要素データとして収録した変動要素データベースなどを設け、前述したデータ入力手段から入力された使用者のデータをアドバイスデータの選択、抽出における判断要素として加えることもできる。
このような構成を加えることで、使用者により的確なアドバイスを提言することが可能となる。
【0051】
この他、図3に示すように、「当アプリ独自のアドバイスデータベース」というものを用意し、システム運用者が独自に考えたアドバイスを蓄積し、定期的に追加あるいは更新を可能としたアドバイスデータを設け、名言や格言を蓄積した通常のアドバイスデータベースと併用できるシステム構成としてもよい。
【0052】
図3は、本発明のアドバイス提示システムにおけるフローを単純化して示したフローチャートである。
【0053】
(1) 端末アプリケーションの起動
スマートフォン、PCタブレット、パソコンといった端末の電源がオンの状態で、端末にインストールされている状態で、本システムのアプリケーションを起動させる。
【0054】
(2) ウェブサーバへの接続
端末からインターネット回線などを通じてウェブサーバに接続する。ウェブサーバへの接続は専用のプログラムによる接続の他、既存のウェブブラウザによる方法でもよい。
【0055】
(3) ログイン
使用者のアカウント情報、パスワードなどの入力により、ウェブサーバにログインする。
【0056】
(4) 感情関連データの入力
端末から前述した使用者のそのときの感情に関する感情データを入力する。この入力は例えばスマートフォンの音声入力機能によって行うこともできる。
【0057】
(5) 感情データの選択
アプリケーションサーバにインストールされたプログラムの感情データ選択手段により、
入力された感情関連データに基づいて、感情データベースから1または複数、通常は多数の感情データを選択、抽出する。
【0058】
(6) アドバイスデータの選択
選択された感情データに基づいて、アプリケーションサーバにインストールされたプログラムのアドバイスデータ選択手段により、アドバイスデータベースから1または複数、通常は多数のアドバイスデータを選択、抽出する。
【0059】
アドバイスデータを選択に関しては、前述したように、さらに、性別、年齢、体格などに関する個人的要素データ、学歴、職業、経歴、出身地、居住地域などに関する環境要素データ、体調、時間、天候などに関する変動要素データなどを併用して、アドバイスデータの選択、抽出を行う構成とすることもできる。
【0060】
(7) 端末へのアドバイスデータの送信
アドバイスデータ選択手段により選択、抽出されたアドバイスデータを使用者の端末に送信する。
【0061】
(8) 端末画面への表示または音声出力
使用者の端末に受信された1または複数のアドバイスデータを端末の画面に表示したり、あるいは音声出力の形で使用者に提示する。
【0062】
必要に応じ、使用者が再度、(4)の感情関連データの入力を行うことで、(8)までのフローが繰り返される。
【0063】
(9) ログアウト
ログアウトして端末のアプリケーションを終了させる。

【要約】      (修正有)
【課題】スマートフォンなどの端末の機能とデータベース化された格言、名言などのアドバイスデータと、通信回線などの機能を組み合わせ、そのときの使用者の感情に合わせて的確なアドバイスを与えるアドバイス提示システムを提供する。
【解決手段】アドバイス提示システムにおいて、端末から使用者の感情に関連する感情関連データを入力する。インターネット回線を通じてウェブサーバに接続し、アプリケーションサーバの感情データ選択手段により、入力された感情関連データに対応する感情データを感情データベースから選択、抽出する。選択された感情データに基づいて、アプリケーションサーバのアドバイスデータ選択手段により、アドバイスデータベースに収録された1または複数のアドバイスデータを選択、抽出する。選択されたアドバイスデータを使用者の端末に送信し、アドバイスデータとしての格言、名言などをアドバイス表示手段から提示する。
【選択図】図2
図1
図2
図3