特許6612472IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

血漿由来画分から、血液凝固第VII因子及び/又は活性型血液凝固第VII因子を高収率に回収する方法

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

従来の方法では、純度の高いFVII濃縮物が得られるものの、クリオプレシピテートを除去したヒト血漿からのFVII濃縮物の回収率が低い点が大きな問題となっていた。これは、FVIIが他の類似するビタミンK依存性凝固因子と比較してアニオン交換体に対する親和性が低い上に(非特許文献6)、ヒト血漿中の濃度が著しく低いこと(表1:非特許文献8)が理由である。また、クリオプレシピテートを除去したヒト血漿を強アニオン交換樹脂に供すると凝固傾向を示すことが一般的に知られており、このことも回収率が低くなる理由として挙げられる。
【表1】

回収率が低くなるのは、ヒト血漿からFVIIをアニオン交換樹脂吸着により回収する際に、FVIIよりもアニオン交換体に対する親和性が高い他のビタミンK依存性凝固因子と競合する結果、FVIIの一部が非吸着画分に分配されるためと考えられる。非特許文献7の大規模生産方法では、クリオプレシピテートを除去したヒト血漿をアニオン交換樹脂(Q-FF)に展開し、FVIIを含むビタミンK依存性凝固因子群を吸着回収しているが、その回収率は70%に留まっていることから、FVIIの一部が非吸着画分に残存していることが推測された。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

の問題点を解決するべく、本願発明者等は鋭意研究を重ねた結果、第1のアニオン交換樹脂に吸着されなかった非吸着画分に残存するFVII及び/又はFVIIaを第2のアニオン交換樹脂に吸着させることで、目的とするFVII及び/又はFVIIaを90%以上の高回収率で回収することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【発明の効果】
本発明は、血漿由来画分をアニオン交換樹脂で処理する際に、非吸着画分に残存したFVII及び/又はFVIIaを、第2のアニオン交換樹脂処理により回収する方法である。1回目のアニオン交換樹脂処理により、FVII以外のビタミンK依存性凝固因子が除去されるため、その非吸着画分中の蛋白に占めるFVII及び/又はFVIIaの濃度が相対的に上昇し、2回目のアニオン交換樹脂処理による効率的なFVII及び/又はFVIIaの回収が可能となる。 また本発明によれば、血漿由来画分をアニオン交換樹脂で処理する際の凝固傾向を抑制し、クリオプレシピテートを除去したヒト血漿からFVII及び/又はFVIIaを90%以上の高収率で回収することが可能となる。

この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]

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