特許第6612510号(P6612510)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6612510
(24)【登録日】2019年11月8日
(45)【発行日】2019年11月27日
(54)【発明の名称】アテローム切除装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/3207 20060101AFI20191118BHJP
【FI】
   A61B17/3207
【請求項の数】12
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-39062(P2015-39062)
(22)【出願日】2015年2月27日
(65)【公開番号】特開2015-164529(P2015-164529A)
(43)【公開日】2015年9月17日
【審査請求日】2018年2月27日
(31)【優先権主張番号】61/946,733
(32)【優先日】2014年3月1日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/616,670
(32)【優先日】2015年2月7日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】514318507
【氏名又は名称】レックス メディカル リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100170634
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 航介
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ エフ マックグーキン ジュニア
【審査官】 木村 立人
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2002/0099367(US,A1)
【文献】 米国特許第6572630(US,B1)
【文献】 特表平11−506359(JP,A)
【文献】 国際公開第1998/004199(WO,A1)
【文献】 特表2001−510383(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/22
A61B 17/3207
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
血管の内部からプラークのような付着物を除去するための外科アテローム切除装置であって、該外科アテローム切除装置は、
外側部材と、
前記外側部材内に回転運動できるように位置決めされる回転可能なシャフトと、を含み、前記回転可能なシャフトは、ガイドワイヤを受け入れるように寸法形状決めされた内部を貫通して延びる管腔と、前記管腔と連通した遠位開口部と、を有し、前記管腔は、前記回転可能なシャフトの内径と、前記ガイドワイヤとの間で流体注入を可能にする横断面形状寸法を有し、
長手方向軸線を有する回転可能なチップをさらに含み、前記回転可能なチップは、前記回転可能なシャフトが回転するときに、前記長手方向軸線を中心として回転できるように前記回転可能なシャフトに取り付けられており、前記回転可能なチップは内側管腔を有し、かつ、前記回転可能なシャフトの前記遠位開口部が前記回転可能なチップの遠位端壁の内側表面から軸線方向に間隔を隔てて配置されるように前記回転可能なシャフトの遠位部分に取り付けられており、前記内側管腔は、前記回転可能なシャフトの前記管腔を通して前記シャフトの開口部から外に注入された流体が、前記内側管腔を通して流れ、前記回転可能なチップの前記遠位端壁の内側表面に接触し、前記回転可能なチップの回転運動によって除去されて前記チップ内に受けられた付着物を近位方向に差し向けるように、前記回転可能なシャフトと外側部材との間の隙間に向かって前記チップ内を通して近位方向に逆向きに方向転換されるように構成されており、前記回転可能なチップは、該外科アテローム切除装置のワイヤ上挿入を可能にするようにガイドワイヤを受け入れるためのガイドワイヤ管腔を含み、
前記回転可能なチップは、付着物を除去するための複数の側方開口部を含み、前記複数の側方開口部は、前記チップを通して前記付着物を吸い込み、前記付着物を前記回転可能なシャフトと外側部材との間の隙間を通じて差し向けるように構成され、前記側方開口部は前記遠位端壁よりも近位に位置している、
ことを特徴とする外科アテローム切除装置。
【請求項2】
前記回転可能なチップは、遠位部分と近位部分の間の中間部分と、該中間部分に設けられたスカラップ状部分と、を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の外科アテローム切除装置。
【請求項3】
前記回転可能なシャフトは、外側表面上に、該回転可能なシャフトが回転されるときに付着物を近位方向に差し向けるためのねじ山領域を有する、ことを特徴とする請求項1または2に記載の外科アテローム切除装置。
【請求項4】
前記回転可能なチップの近位端は、前記外側部材の遠位縁から軸線方向遠位方向に間隔を隔てて配置される、ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の外科アテローム切除装置。
【請求項5】
前記回転可能なチップの遠位部分は、弾丸状先端部を有する、ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の外科アテローム切除装置。
【請求項6】
切除表面を形成するように前記回転可能なチップの外側表面に形成された複数の長手方向に延びる溝をさらに含む、ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の外科アテローム切除装置。
【請求項7】
前記回転可能なシャフトおよびチップは、モータによって回転される、ことを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の外科アテローム切除装置。
【請求項8】
導入器シースと組み合わされた請求項1ないしのいずれか1項に記載の外科アテローム切除装置であって、該外科アテローム切除装置は、付着物を含む目標血管に接近するように前記導入器シースを通して挿入可能である、ことを特徴とする外科アテローム切除装置。
【請求項9】
付着物を吸引するように、前記外側部材の外径と前記導入器シースの内径との間に間隙が設けられる、ことを特徴とする請求項に記載の外科アテローム切除装置。
【請求項10】
前記導入器シースは、付着物が前記外側部材と該導入器シースとの間の間隙で吸引されるように吸引源に接続可能な側方アームを有する、ことを特徴とする請求項またはに記載の外科アテローム切除装置。
【請求項11】
前記回転可能なチップは、前記導入器シースの内径よりも大きい外径を有し、さらに、第1および第2の対向する狭小部分を有する、ことを特徴とする請求項ないし10のいずれか1項に記載の外科アテローム切除装置。
【請求項12】
前記導入器シース内に前記回転可能なチップが挿入されることによって、前記導入器シースは、前記回転可能なチップのより大きな外径を収容するように変形され、前記回転可能なチップを前記導入器シースの遠位開口部を通して外へ前進させた後、前記導入器シースは、変形されない形状に戻る、ことを特徴とする請求項11に記載の外科アテローム切除装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、出典を明示することによってその内容全体が本願の開示の一部とされる2014年3月1日に出願された仮出願第61/946,733号からの優先権を主張する。
【0002】
本願は、血管外科装置、さらに詳しくは、血管の内部からプラークあるいはその他の付着物を除去するための最小侵襲性装置に関する。
【背景技術】
【0003】
血管の病気であるアテローム硬化症は、血管壁内でのプラークまたは物質の蓄積であり、この蓄積によって、血管を通る通路の寸法が減少し、それによって、血流を制限する。かかる血管内の通路の狭窄または狭小化は、狭窄症と呼ばれている。血管の末端のアテローム硬化症である末梢血管の病気の場合、血管の狭窄が治療されないままにされると、その結果としての不十分な血流により、跛行が生じ、患者の肢の切断を必要とする可能性が生じる。冠状動脈の病気の場合、治療されないままにされると、冠状動脈を通って心筋に至る血流が不十分となり、心筋梗塞を生じ、場合によっては、発作、および死に至ることすらある。
【0004】
現在では、動脈の病気を治療するためのいくつかの異なる治療法がある。最も侵襲性の治療は、大手術である。脛骨動脈の閉塞のような末梢血管の病気では、大手術は、血流が閉塞部をバイバスするように動脈にバイパスグラフトを移植するおよび取り付けることを伴う。手術は、大きな切開部を伴い、例えば、脚の10インチ(25.4cm)の切開部は、高価であり、外科医にとっては時間がかかり、患者の痛みおよび不快感を増大させ、患者の回復時間を延ばし、合成グラフトによる感染のリスクを増大させる。
【0005】
冠状動脈を治療するための大手術は、さらにより複雑である。通常開心術と呼ばれるこの手術では、バイパスグラフトが、心臓を、閉塞部の下流の血管に連結し、それにより、閉塞部をバイパスする。バイパス手術は、患者の開胸を必要とし、複雑であり、患者固有のリスクを有し、高価であり、患者の長い回復時間を必要とする。バイパス手術はまた、心臓を止めている間、血液を圧送するために心肺機の使用を必要とし、心肺機の使用は、それ自身のリスクと不利益を有する。しばしば、患者の脚の伏在静脈をバイパスグラフトとして使用しなければならず、追加の侵襲性の脚の切開が必要となり、それにより、さらに処置を複雑にし、手術時間を増大させ、患者の回復時間を延ばし、患者に苦痛を与えることがあり、感染のリスクを増大させる。
【0006】
冠状動脈手術の侵襲性を最小にする試みが現在開発中であり、いくつかの例で使用されている。これらには、代表的には、2、3本のあばら骨を割り、心臓への「窓接近路(window approach)」を作ることが含まれる。窓接近路は、開心術に比べ、患者の外傷および回復時間を減らすことができるけれども、窓接近路はなお、大手術を必要とし、複雑であり、手術を成功裏に行うためには限られた接近と限られた器具類の故に行うのが困難な手術である。心臓安定化法(heart stabilization method)を使用することによって心肺機の使用を回避する試みがより受け入れられるようになっているが、これまた、この方法は、大手術を回避しない。
【0007】
大末梢または冠状血管手術でのこれらの問題により、最少侵襲性処置が開発された。バルーン血管形成術は、血管の閉塞部を治療するための最小侵襲性法の1つである。基本的には、バルーンを有するカテーテルを、接近動脈、例えば、患者の脚の大腿動脈、または腕の橈骨動脈を通して挿入し、血管系を通してワイヤ上で閉塞部位に前進させる。萎まされたバルーンを閉塞部に配置し、バルーンを膨張させてプラークおよびその他の付着物を割り、引き伸ばし、血管の開口部を広げる。バルーン血管形成術は、特に冠状動脈においては、しばしば、次いで直ちに、バルーンによって形成された開口部を保持するために血管壁内に配置される小さい金属製の拡張可能な装置であるステントを挿入する。バルーン血管形成術は、硬い閉塞部がある場合に部分的に閉塞された通路を強制的に通過する困難性、バルーンが完全に膨張されたときに血流を遮断することに伴うリスク、プラークは本質的には割られ、引き伸ばされ、血管壁から除去されないこと、または内膜肥厚による短い時間後の再狭窄の頻発を含むいくつかの欠点を有する。
【0008】
アテローム硬化症を治療するために使用されるもう1つの最小侵襲性技術は、アテローム切除術と呼ばれ、切断または切除器具によるプラークの除去を伴う。この技術は、上述したバイパス手術技術に代替する最少侵襲性技術を提供し、さらに、いくつかの例では、バルーン血管形成術に優る利点を提供することができる。アテローム切除処置は、代表的には、接近動脈、例えば、大腿動脈または橈骨動脈を通して、切断または切除装置を挿入し、切断または切除装置を、血管系を通して閉塞領域に前進させ、ワイヤ上で、プラークを切断し、または切除するように高速で装置を回転させることを伴う。次いで、除去されたプラークまたは物質を、血管外へ吸引するのがよく、除去されたプラークまたは物質は、細網内皮系によって取り除かれるような細かい径を有することができる。アテローム切除処置におけるプラークの除去は、物質を減量させるので、バルーン血管形成術のプラーク押退けに優る利点を有する。
【0009】
従来技術のアテローム切除装置の例には、米国特許第4,990,134号、米国特許第5,681,336号、米国特許第5,938,670号、および米国特許第6,015,420号がある。これらの装置は、内側血管壁上のプラークあるいはその他の付着物を切除するように高速で回転される楕円形のチップを有する。よく知られた装置が、ボストンサイエンチフィック社によって市販されており、Rotablatorと呼ばれている。わかるように、これらの装置では、回転チップによって接触されるプラークの部分だけが除去されるので、除去されるプラークの領域は、切断チップの外径によって支配される。明らかに、除去されるプラークの領域が大きければ大きいほど、血管を通して創出される通路はそれだけますます大きくなり、その結果生じる血流はそれだけますます良好になる。
【0010】
これらのアテローム切除チップは、導入器シースまたはカテーテルを通して目標部位に挿入されることが必要なので、チップが大きければ大きいほど、導入器シースの径はそれだけますます大きいことが必要とされる。しかしながら、より大きな導入器シースは、患者に対する外傷のリスクを増大させ、血管中を通り抜けることがより困難であり、接近血管へのより大きな切開部を作り(より大きな穿孔部位を必要とし)、それにより、追加の出血、および処置の終わりでの切開部の複雑な閉塞を生じさせる。他方、より小さな導入器シースが使用される場合には、回転アテローム切除チップはまた、シース内に嵌合するようなより小さい寸法形状を有する必要があるが、かかるより小さいチップは、閉塞付着物の十分な領域を除去することができないかもしれず、血管は部分的に閉塞されたままになる可能性がある。かくして、より大きな切断チップとより小さな導入器シースというこれらの2つの相対立する目標の間でトレードオフを行わなければならない。
【0011】
この問題は、例えば、米国特許第5,217,474号および米国特許第6,096,054号で既に認識されており、これらの特許は、拡張可能な切断チップを伴うことにより問題を解決しようとした。しかしながら、これらのチップは、極めて複雑であり、外科医による追加の拡張および収縮段階を必要とする。
【0012】
米国特許第6,676,698号は、従来技術の上記の問題を解決するように設計されたアテローム切除装置を開示している。この装置は、挿入を容易にし、血管に対する外傷を減少させる最も小さい導入器シース寸法と、血管壁からプラークあるいはその他の付着物のより大きな領域を除去する最も大きいアテローム切除チップ寸法という競合する目的の間の最良のバランスを得るための改良されたアテローム切除チップを提供することを試みた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、米国特許第6,676,698号のアテローム切除チップによって一旦破砕された後、小さい粒子の除去を向上させることが有利であろう。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、1つの観点では、血管の内部からプラークのような付着物を除去するための外科システムであって、該外科システムは、
アテローム切除装置を含み、該アテローム切除装置は、
外側部材と、
前記外側部材から遠位方向に延び、内側遠位表面と、複数の開口部と、を有する回転可能なチップと、
前記外側部材内に位置決めされ、長手方向軸線と、遠位開口部と、を有する回転可能なシャフトと、を有し、前記回転可能なチップは、前記回転可能なシャフトの遠位部分に取り付けられ、前記回転可能なチップは、血管の内部から付着物を除去するように、前記回転可能なシャフトが前記長手方向軸線を中心として回転するときに、その長手方向軸線を中心として回転可能であり、前記回転可能なシャフトは、付着物(粒子)を近位方向に差し向けるように寸法形状決めされた外側ねじ山を含み、
該外科システムは、
導入器をさらに含み、前記アテローム切除装置は、付着物を含む目標血管に接近するように該導入器を通して挿入可能であり、
該外科システムは、
前記回転可能なシャフトおよびチップを回転させるためのモータと、
前記回転可能なチップによって除去された付着物を近位方向に差し向けるように、前記回転可能なチップの前記複数の開口部、および、前記回転可能なシャフトと前記外側部材との間の間隙を通して付着物を吸引するための吸引装置と、
前記回転可能なシャフトを通して高圧流体を注入するための流体注入装置と、をさらに含み、前記流体は、前記回転可能なシャフトの前記遠位開口部から出て、前記回転可能なチップの前記内側遠位表面に接触し、そこで、前記流体は、前記回転可能なチップによって除去された付着物を近位方向に差し向けるように後方に差し向けられる、ことを特徴とする外科システムを提供する。
【0015】
いくつかの実施形態では、回転可能なチップの遠位部分は、弾丸状先端部を有する。いくつかの実施形態では、複数の遠位方向に延びる溝が、切除表面を形成するように回転可能なチップの外側表面に形成ざれている。いくつかの実施形態では、回転可能なチップは、中間部分にスカラップ状領域を有する。
【0016】
いくつかの実施形態では、導入器シースは、付着物が外側部材と導入器シースとの間の間隙で吸引されるように吸引源に接続可能な側方アームを有する。
【0017】
もう1つの観点によれば、本発明は、血管の内部からプラークのような付着物を除去するためのアテローム切除装置であって、該外科アテローム切除装置は、
外側部材と、
前記外側部材内に回転運動できるように位置決めされる回転可能なシャフトと、を含み、前記回転可能なシャフトは、ガイドワイヤを受け入れるように寸法形状決めされた内部を貫通して延びる管腔と、前記管腔と連通した遠位開口部と、を有し、前記管腔は、前記回転可能なシャフトの内径と、前記ガイドワイヤの外径との間で流体注入を可能にする横断面形状寸法を有し、
長手方向軸線を有する回転可能なチップをさらに含み、前記回転可能なチップは、前記回転可能なシャフトが回転するときに、前記長手方向軸線を中心として回転できるように前記回転可能なシャフトに取り付けられており、前記回転可能なチップは、前記回転可能なシャフトの前記管腔を通して注入された流体が前記回転可能なチップの遠位内側表面に接触し、前記回転可能なチップの回転運動によって除去された付着物を近位方向に差し向けるように近位方向に方向転換されるように、前記回転可能なシャフトの前記遠位開口部が該回転可能なチップの遠位内側表面から軸線方向に間隔を隔てて配置されるように前記回転可能なシャフトの遠位部分に取り付けられており、前記回転可能なチップは、該外科アテローム切除装置のワイヤ上挿入を可能にするようにガイドワイヤを受け入れるためのガイドワイヤ管腔を含む、ことを特徴とするアテローム切除装置を提供する。
【0018】
いくつかの実施形態では、回転可能なチップは、遠位部分と近位部分の間の中間部分と、該中間部分に設けられたスカラップ状部分と、を有する。いくつかの実施形態では、回転可能なシャフトは、外側表面上に、該回転可能なシャフトが回転されるときに付着物を近位方向に差し向けるためのねじ山領域を有する。
【0019】
もう1つの観点によれば、本発明は、血管の内部からプラークのような付着物を除去するための方法であって、該方法は、
内径を有する導入器シースを準備する段階と、
回転シャフトと、前記回転シャフトの遠位部分に設けられた回転チップと、を含む付着物除去装置であって、前記回転チップは、前記導入器シースの内径よりも大きい外径を有し、前記回転可能なチップは、前記導入器シースの内径よりも大きい外径を有し、さらに、第1および第2の対向する狭小部分を有し、前記回転シャフトは、外側ねじ山を有する付着物除去装置を準備する段階と、
皮膚切開部を通して血管内に前記導入器シースを挿入する段階と、を含み、前記導入器シースは、該導入器シースの外径に少なくとも等しい切開開口部を形成し、
除去すべき付着物に隣接して前記回転チップを前進させる段階と、
付着物に接触して付着物を血管から除去するように高速で前記回転チップを回転させ、前記回転シャフトの外側ねじ山が付着物を近位方向に差し向けるように前記回転シャフトを回転させるためのモータを作動させる段階と、
流体が前記回転チップの内側表面に接触し、そこで、流体が、前記回転チップによって除去された付着物を近位方向に差し向けるように近位方向に方向転換されるように前記回転シャフトを通して流体を注入する段階と、
前記回転チップの回転運動によって除去された付着物を近位方向に吸引するように真空を印加する段階と、を含むことを特徴とする方法を提供する。
【0020】
いくつかの実施形態では、方法は、回転チップのより大きな外径を収容するようにを導入器シースを変形させるように導入器内に回転チップを挿入する段階と、導入器シースを通して外へ回転チップを前進させ、それによって、導入器シースを変形されない形状に戻す段階と、をさらに含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、装置は、外側部材を含み、回転シャフトは、外側部材内に回転可能に位置決めされ、粒子が、回転シャフトの外径と外側部材の内径との間の間隙で近位方向に吸引される。
【0022】
いくつかの実施形態では、追加的に、または、回転シャフトと外側部材との間の間隙で吸引する実施形態の代替として、付着物は、外側部材の外径と導入器シースの内径との間の間隙で近位方向に吸引される。
【0023】
方法は、ガイドワイヤ上で回転チップを挿入する段階をさらに含むのがよい。いくつかの実施形態では、高圧流体を、回転シャフトの内径と、内側シースを通して挿入されたガイドワイヤの外径との間の間隙で注入する。
【0024】
いくつかの実施形態では、方法は、回転チップの側方開口部を通して付着物を除去する段階を含む。
【0025】
添付図面を参照して本開示の好ましい実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明のアテローム切除システムの1つの実施形態の概略図である。
図2】導入器シースに導入される前の本発明のアテローム切除装置の遠位端の斜視図ある。
図3】導入器内に挿入されている図2のアテローム切除装置の部分断面側面図である。
図4】導入器内に挿入されているアテローム切除装置の断面図である。
図5】導入器内のアテローム切除装置の横断面図である。
図6】導入器内に挿入されたアテローム切除装置の遠位端の斜視図ある。
図7】導入器内に挿入されたアテローム切除装置の部分断面側面図である。
図8】導入器内に挿入されたアテローム切除装置の断面図である。
図9】流体および粒子の流れを示す図2のアテローム切除装置の遠位端部分の断面側面図である。
図10】アテローム切除装置の回転チップ(ヘッド)の平面図である。
図11】アテローム切除装置の回転チップの側面図である。
図12】アテローム切除装置の回転チップの背面斜視図である。
図13】アテローム切除装置の回転チップの正面斜視図である。
図14】粒子除去用の追加の開口部を有する本発明のアテローム切除装置の回転シャフトおよびチップの代替実施形態の正面斜視図である。
図15】ガイドワイヤ上に挿入された図14のアテローム切除装置の回転シャフトおよびチップを示す斜視図である。
図16A】除去すべきプラークに隣接して血管内に前進されたガイドワイヤを示す斜視図である。
図16B】プラークを除去するためにガイドワイヤ上で血管内に挿入された図15のアテローム切除装置、並びに、アテローム切除チップの回転方向および流体の流れの方向をさらに示す斜視図である。
図16C】実線矢印が流体の流れを示し、波形矢印が粒子(付着物)の還流を示している、血管からのプラークの除去を示す図15と同様な図である。
図17】本発明のアテローム切除システムの代替実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明は、血液通路を広げるために血管の内壁上のプラーク、あるいはその他の付着物を除去するために高速回転するように設計されたアテローム切除チップに向けられている。かかる回転を達成するために、回転可能なアテローム切除チップは、ガスまたは電気で動力供給できる可撓性回転シャフトの遠位端に位置決めされている。シャフトは、高速、代表的には100,000〜200,000 rpmで回転し、チップの切断(cutting)または切除(abrasing)表面に、接触するプラークおよび付着物を除去させる。本発明のアテローム切除チップは、冠状動脈、脛骨動脈、大腿動脈、膝窩動脈のような末梢血管、および、伏在静脈バイパスグラフトのような種々の血管における適用を有する。
【0028】
アテローム切除チップが血管狭窄部(閉塞部)に到達するためには、アテローム切除チップを、導入器シースを通して、かつ、ガイドワイヤ上で、可撓性シャフトに沿って挿入する。さらに詳しくは、導入器シースを、目標部位への接近を提供するために、皮膚切開部を通して血管、例えば、患者の脚の大腿動脈内に配置する。次いで、ガイドワイヤを導入器シースを通して挿入し、適当な血管を通して目標閉塞部位、例えば、冠状動脈に前進させる。次いで、可撓性シャフトおよび取り付けられたアテローム切除チップを導入器シースを通して挿入し、ガイドワイヤの長さ上を目標閉塞部位まで通す。モータを作動することにより、切断表面が閉塞部、例えば、プラークに繰り返し接触するようにシャフトおよびチップを回転させ、血管壁から閉塞部を除去する。以下に説明する代替実施形態では、シースを経血管的に目標部位に前進させ、アテローム切除装置を目標部位に現れているシースを通して挿入することができる。
【0029】
本発明のアテローム切除装置は、回転可能なアテローム切除チップの高速回転運動によって除去された粒子(付着物)を除去するためのいくつかの特徴を提供する。かかる特徴には、以下の1以上が含まれる:1)除去された粒子を受け入れるためにアテローム切除チップに設けられた穴、および、アテローム切除チップに設けられたこれらの穴を通して粒子を吸い込むためのバキューム;2)装置の回転シャフトと外側管との間の間隙を通して粒子を吸い込むためのバキューム;3)装置の外側管と導入器シースとの間の間隙を通して粒子を吸い込むためのバキューム;4)シャフトが回転されるときに粒子を後方に差し向けるために回転シャフト上に設けられたねじ山;および/または5)アテローム切除チップの内側端壁に接触し、後方に差し向けられるアテローム切除シャフトとガイドワイヤとの間の間隙での流体注入。これらの特徴の各々は、以下で詳細に説明される。
【0030】
本発明のアテローム切除チップは、かかるアテローム切除チップが除去することができるプラークの領域を犠牲にすることなくより小さく寸法決めされた導入器シースを通して配置されるように設計される。これは、その長さに沿った種々の部分におけるチップの周と径の関係により達成される。より小さく寸法決めされたシースを使用する利点は、上記の本願の発明の背景で詳細に説明したように、より小さく寸法決めされたシースの血管に対する外傷性がより小さいこと、出血量を低減すること、感染のリスクを低減させること、処置の終わりで血管の閉鎖を容易にすることである。
【0031】
わかるように、従来技術のアテローム切除チップは、チップの径よりも径が大きいシース寸法を必要とする。チップが高速で回転するときに、チップは、その最外表面に接触するプラークだけを切断するので、チップの最も大きな径が、除去することができるプラークの領域を支配する。
【0032】
以下で、本発明を、添付図面を参照して詳細に説明する。添付図面において、同じ参照番号は、いくつかの図を通して同様なまたは同じ構成要素を同定する。
【0033】
図1は、チップ30の回転を生じさせるためのシステムの1つの実施形態を示しており、システムは、概略的に示されている。装置10のアテローム切除チップ30は、可撓性内側シャフト22(図3参照)の回転により、回転可能なチップ30が回転されるように、可撓性内側シャフト22の遠位端に連結されている。最遠位端にバール(burr)またはチップ30がある回転可能なシャフト22は、シャフト22およびチップ30を回転させるように高速回転できるように電気で動力供給される。シャフト22の高速回転は同様にチップ30を回転させ、それにより、チップ30は、血管の狭窄症を治療するようにプラークを破壊することができるようになる。概略的に示されているモータハウジング2は、内部に取り付けられたモータ、およびモータシャフト(図示せず)を収容している。アテローム切除装置またはカテーテル10は、モータの作動によりカテーテルの内側シャフト22が回転されるようにモータハウジング2に作動的に連結されている。シャフト22およびチップ30の回転速度を調節するために制御ノブが設けられるのがよく、速度を視覚的に表示するために窓が設けられるのがよい。血管内で所望の距離(例えば、約3−10cm)シャフト22およびチップ30をスライドさせるための前進機構(図示せず)が設けられるのがよい。シャフト22およびチップ30は使い捨てであるのがよい。例示目的のために示されているように、導入器シースまたはカテーテル24が、患者の脚の切開部A、および大腿動脈Cの切開部Bを通して挿入される。次いで、シャフト22およびチップ30は、導入器シース24を通して大腿動脈C内に導入され、目標動脈、例えば、冠状動脈の治療閉塞部位に前進される。ガイドワイヤ(図示せず)が、シャフト22およびチップ30がガイドワイヤ上で挿入されるようにシース24を通して目標動脈内に延びていることに留意されたい。
【0034】
システムは、概略的に示されており、それぞれ、参照番号4および6で指示されている吸引源および流体源をさらに含む。管8が、シャフトの外壁とカテーテル10の外側管(部材)20の内壁との間での吸引のために、好ましくはカテーテルハブ27の側方アームを通して、吸引源4からカテーテル10に延びている。管11が、ガイドワイヤとシャフト22の内壁との間の空間(間隙)でシャフト22の内側管腔と連通するように、好ましくはハブ27の第2の側方アームを通して、流体源6から延びている。
【0035】
図17の代替実施形態では、概略的に示されているシステムは、導入シース35の内壁とカテーテル10の外側管20の外壁との間の空間(間隙)での吸引を提供するためにハブ37に設けられたポートまたは側方アームを介して導入器シース35と連通する吸引源9を有する点を除いて、図1のシステムと同一である。これは、以下でさらに詳細に説明される。導入器シース35は、チップに隣接した領域まで延びるのがよく、代替的には、スリーブが、導入器シース24を通して挿入され、ガイドワイヤ上で前進されるであろう。導入器シース35を通した吸引は、単一の吸引源であっても、あるいは、図1にあるようなカテーテルを通しての吸引に追加して使用されてもよい。
【0036】
回転可能な(回転)チップ30は、橈骨動脈のような接近のための他の動脈を利用することができるので、例として大腿動脈を通して挿入されるように示されていることを理解すべきである。同様に、本発明のチップ30(およびここで説明される他のチップ)は、冠状動脈、脛骨動脈、浅大腿動脈、膝窩動脈、伏在静脈バイパスグラフト、およびステント内再狭窄のような種々の血管中のプラークあるいはその他の閉塞部を除去するのに使用することができる。
【0037】
次に、図2図13を参照して、本発明のアテローム切除チップ30の第1の実施形態を詳細に説明する。チップまたはバール30は、前方(遠位)部分40と、後方(近位)部分42と、中間部分44と、を含む。これらの部分は、図でわかるように横断面が変化する。かくして、前方部分40は、便宜のために最遠位端46から始まり、スカラップ状(scalloped)領域に終わり、弾丸状先端部形状を形成する領域として定義することができる。前方部分40の断面は、1つの実施形態では、実質的に円形形状である。用語「遠位(distal)」は、使用者からより遠い領域を指し、用語「近位(proximal)」は、使用者により近い領域を指すことに留意されたい。
【0038】
中間部分44は、便宜のためにスカラップ状部分(前方部分40の近位端の近位側)から始まり、スカラップ状領域の近位端に終わるものとして考えることができる。中間部分44の断面は、実質的に円形から、2つの実質的に平らな(実質的に直線的な)対向する側壁44aを有する細長い形状に徐々に変化する。わかるように、細長い形状は、第1の寸法形状で増大するのに対し、第2の寸法形状で狭くなる。かくして、直線的な対向壁44aの間の距離は、弧状の対向壁45aの間の距離よりも小さく、直線的な対向壁44aの間の距離は、後方部分42に向かって減少する。
【0039】
後方部分42は、便宜のために中間部分44のスカラップ状領域の近位端から始まり、チップ30の最近位縁48に終わるものとして考えることができる。後方部分42は、好ましくは、その長さに亘って同じ断面寸法形状を有し、実質的に直線的な対向壁44aは、湾曲した対向壁45aの間の距離よりも小さい距離だけ分離されている。
【0040】
同様に、前方部分、中間部分、および後方部分は、便宜のために指示されており、互いに連結された3つの別個の部分を必要的に指すことを意図するものではないことに留意すべきである。回転可能なチップ30は、好ましくは、一体的なピース(monolithic piece)である。
【0041】
チップ30は、管腔によって連結された近位または後方(近位)開口部32および前方(遠位)開口部34を有する。可撓性シャフト22は、後方開口部34を通して挿入され、管腔36内でチップ30に取り付けられるが、高圧流体流れの経路を残すようにチップの最遠位端46の近位側で終端する。ガイドワイヤGが、アテローム切除チップ30のワイヤ上挿入を可能にするように、中空の可撓性シャフト22およびチップ30の前方開口部34を通して延びているのがよい。1つまたはそれ以上の開口部33をチップ30に設けてもよく、かかる開口部33は、粒子(付着物)が吸引源4によって粒子(付着物)が該開口部33を通して吸引されることができるので、プラークの除去を可能にする。図14及び図15は、図12の開口部33と同一の開口部33’を有するのに加えて、粒子を吸引するための追加の開口部50’を有する参照番号30’によって指示されるチップの代替実施形態を示すことに留意されたい。他の全ての点では、チップ30’は、チップ30と同一である。チップ30’は、以下で説明する図15でシャフト22および外側部材20がガイドワイヤG上に位置決めされて示されている。ここでは、付着物(deposits)および粒子(particles)は、互換的に使用されていることに留意されたい。
【0042】
スカラップ状または狭小化部分47が、チップ30の輪郭を低減するようにチップの中間部分44の両側に形成されている。これらのスカラップ状部分47は、上述した実質的に直線的な対向壁を形成する。輪郭、すなわち、径と周を低減することによって、本発明のアテローム切除チップは、径の増大に伴って周が増大する場合にそうである場合に比べて、より小さい導入器シースを通して挿入することができるであろう。
【0043】
チップが高速で回転し、プラークは、チップがプラークに接触する場所だけが切断または切除されるので、除去されるプラークの領域は、チップの最大径領域によって規定される。しかしながら、必要なシース寸法は、チップの最大周領域によって決定される。
【0044】
これらのスカラップ状部分の結果として、チップ30の径は、一配向で増大するにつれて、チップ30の径は、横断配向で減少し、それによって、周を一定にすることが可能になる。径は、一横断配向で減少されるので、チップ30は、チップの最大径よりもわずかに小さい内径を有する導入器シース内に導入することができる。なぜならば、シースは、チップ30の低減領域、すなわち、スカラップ状部分の故に変形する余裕を有するからである。従来技術の楕円形チップでは、丸い対称的な形状は、シースの寸法が最大径領域を越えなければならないようにシースが変形する余裕を残さない。
【0045】
わかるように、本発明のチップ30は、チップ30の最大外径よりも小さい内径を有する在来の導入器シース内に嵌合することができる。これは、チップ30が、図7および図8に示される方向に導入器シース24を伸ばすことによって、チップ30が挿入されるときに導入器シース24の内壁を変形させることができることによって達成できる。スカラップ状壁が設けられない場合には、シースが、以下に説明するようにチップの幅によって制限されるので、シースは変形することができないであろう。
【0046】
チップ30を考えるもう1つの方法は、外科医によって使用される所望の一定のフレンチ寸法のカテーテルに対して、従来技術の楕円形のチップの代わりに、本発明のアテローム切除チップ30を選択する場合に、より大きなアテローム除去チップを使用することができ、それによって、除去されるプラークの領域を有利に増大させ、血管中により大きな通路を作ることである。
【0047】
チップ30の代替実施形態では、チップが回転されるときに、プラークを切断または切除するための粗表面を提供するために、長手方向のまたは細長い円形または長円形の溝を設けるのがよい。溝または窪み(indentations)は、チップ素材内に長手方向に延びる一連の溝をレーザカットすることによって形成することができる。次いで、チップを、溝と部分的に連通するように外側表面の一部を除去するように研磨し、それによって、プラークと接触するための粗表面を形成する窪み(indentations)を作る。その結果としてできる形成部は、前方部分および中間部分上の一連の細長い切抜き部(cutouts)/窪み(indentations)、および遠位部分および中間部分上の長円形の切抜き部(cutouts)/窪み(indentations)である。
【0048】
粗表面を形成するために考えられるもう1つの方法は、チップを、ブラスティングする、例えば、サンドブラスティングまたはグリットブラスティングすることによるものである。チップを固定具に保持し、一定の圧力でブラスト処理し、それによって、外側表面の一部を除去し、粗表面を形成する。
【0049】
シャフト22は、一連のねじ山25を含む。これらのねじ山は、チップ30によって除去された粒子/付着物を除去するためのアルキメデススクリュー、すなわち、スクリューポンプとして機能する。すなわち、シャフト22が回転されるときに、スクリューの螺旋状表面は、付着物をすくい、シャフト22に沿って付着物を近位方向(後方)に差し向ける。シャフト22と外側部材20との間の空間での吸引は、除去された粒子を近位方向に引く。図面は、外側部材20にほとんど当接するねじ山を示しているが、好ましい実施形態では、ねじ山は、回転および吸引のための空間を残すように外側部材からさらに内方に間隔を隔てて配置されるであろう。
【0050】
本発明のシステムは、上述したように、吸引システムおよび流体システムを含む。吸引システム4は、吸引システム4が作動されるときに、シャフト22の外径とカテーテル10の外側部材(外側管)20の内径との間の間隙36で、シャフト22を通して吸引を提供する。ガイドワイヤGの外径とシャフト22の内径との間の間隙38内に流体を高圧で圧送することができる。このようにして、図9に示されているように、流体源6から注入された流体は、シャフト22の管腔の内径とガイドワイヤGの外径との間の間隙38を通して流れる。流体は、シャフト22の開口部26から出て、チップ30の内側管腔を通して流れ、チップ30の内側端壁に接触し、そこで、流体は、次いで、図9に実線矢印で示されているように、逆向きに差し向けられ、それによって、粒子上に近位方向の力を付与し、粒子を、シャフト22と外側部材20との間の間隙38を通して後方に(近位方向に)押しやり、回転する螺旋状スクリューは、さらに粒子(付着物)を後方に(近位方向に)差し向ける。同様に、粒子は、チップ30の開口部33を通して吸引され、図9の波形矢印によって指示されているようにシャフト22と外側管20との間の間隙36を通して後方に差し向けられる。図1のシステムを利用する図9の実施形態では、吸引は、カテーテル10の外側部材20と導入器シース24との間の間隙39では、提供されていないことに留意されたい。しかしながら、図17のシステムを利用する実施形態では、導入器シース24とカテーテル10との間の間隙39で、吸引が提供され、これは、以下に説明する図16Cに示されている。
【0051】
本発明のアテローム切除チップの使用が、図16A−16Cに示されている。図16Aに示されているように、血管V上に蓄積したプラークPは、血管中の通路を閉塞している。チップ30’(またはチップ30を)を、ガイドワイヤG上で挿入し、可撓性の回転可能なシャフト22をモータにより回転させることで、シャフト22および取り付けられた回転可能なチップ30’(または30)は、図16Bの矢印の方向に高速で回転され、チップ30’(または30)の外側表面に接触したプラークを除去する。チップ30’(または30)の内側遠位壁から跳ね返り、チップに受け入れられた粒子(付着物)に後方への力を付与するように、ガイドワイヤGとシャフト22の内壁との間の間隙38で、実線矢印の方向に高圧流体を注入する。チップの開口部33’および50、およびカテーテル10の外壁と導入器シース35の内壁との間の間隙39を通して破砕された粒子を吸引するように吸引を提供する。図16Cにおいて、流体の流れは、実線によって指示され、吸引は、波形矢印によって指示されている。かくして、粒子がチップ30’(または30)によって除去されるときに、切断されたプラークおよび砕屑物を、患者の身体から除去することができる。
【0052】
上述した説明は多くの特定の実施形態を含んでいるけれども、かかる特定の実施形態は、本開示の範囲を制限するものと解釈すべきではなく、好ましい実施形態の例示にすぎないと解釈すべきである。当業者は、添付の特許請求の範囲によって規定される本開示の範囲および精神内にある多くの他の可能な変形を考えるであろう。
【符号の説明】
【0053】
22 回転可能なシャフト
30、30’ 回転可能なチップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16A
図16B
図16C
図17