(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
(実施の形態)
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるメッセージ処理システム、
メッセージ処理装置、メッセージ処理方法およびメッセージ処理プログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。以下のメッセージ処理システムでは、企業等における社員(ユーザ)の超過勤務申請および承認の処理を対話型で自動処理する例を説明する。
【0019】
(システムの概要構成)
図1は、実施の形態にかかるメッセージ処理システムの概要図である。メッセージ処理システムは、
メッセージ処理装置として機能するサーバ装置100と、インターネット等を介してサーバ装置100に通信接続される複数のWeb上の複数のクライアント101と、企業の業務システム等の基幹システム102に接続されるbot103と、を含む。
【0020】
サーバ装置100は、複数のクライアント101との間で、上述したLINE等のチャットサービスによりメッセージを送受信する。複数のクライアント101は、図示の例では、PC等、企業内の管理部門に設置されるクライアント101aと、社員等が携帯するスマートフォン等のクライアント101bと、ノードクライアント101cと、を含む。ノードクライアント101cは、基幹システムやクラウドサービス102にbot103を介して接続される。
【0021】
bot103は、基幹システム102とサーバ装置100とをつなぎ、チャットサービス上で基幹システム102とのデータ送受信を可能とする。このbot103は、ノードクライアント101c上にプログラム実装される。
【0022】
なお、以下の説明では、bot103は、サーバ装置100と、クライアント101bとの間のメッセージ処理を行う構成として説明する。すなわち、以下の説明では、基幹システム102とサーバ装置100とをつなぐ機能についての説明は省略する。
【0023】
具体的には、bot103は、サーバ装置100上のチャットサービス上で、超過勤務の申請および承認を行う社員が保持するクライアント101bとの間のメッセージ処理を行い、超過勤務の申請〜承認に至る一連のメッセージを自動処理する点について説明する。
【0024】
図2は、実施の形態にかかるメッセージ処理システムに用いるbotを示す図である。メッセージ処理システムは、bot103として、申請botB1と承認botB2とを含む。botとは、自動化プログラムを意味する。
【0025】
申請botB1は、超過勤務を申請する申請者に対する対話型の申請処理自動化プログラムであり、申請者から超過勤務の申請を受け付け、受け付けた申請を承認botB2へ伝え、承認結果を申請者に返す。
【0026】
承認botB2は、申請を承認する承認者に対する対話側の承認処理自動化プログラムであり、申請を適切な承認者へ伝え、また、承認を一覧化して承認者に渡すこともできる。また、承認者による承認結果を申請botB1へ返す。
【0027】
これら申請botB1と、承認botB2は、それぞれユーザ(申請者および承認者)と同等にアカウントを割り振って機能する。これら申請botB1と、承認botB2は、申請用と承認用とで異なる役割(機能)別のbotとして独立して設けている。
【0028】
図3は、実施の形態にかかるメッセージ処理システムの機能ブロック図である。
図3に示すシステムは、超過勤務の申請者の端末装置101b(T1)と、超過勤務の承認者の端末装置101b(T2)と、サーバ装置100と、申請bot103(B1)と、承認bot103(B2)と、を含む。
【0029】
図3の例では、申請者の端末装置101b(T1)側と承認者の端末装置101b(T2)側にそれぞれサーバ装置100が記載されているが、データの流れに沿って記載したものであり、サーバ装置100は1台設ければよい。
【0030】
申請者の端末装置101b(T1)は、端末側メッセージ受信手段301と、受信メッセージ表示手段302と、表示部303と、入力部304と、送信メッセージ表示手段305と、端末側メッセージ送信手段306と、を含む。例えば、スマートフォン等のように、表示部303上に透明なタッチパッドからなる入力部304を重ねて設けることで、表示部303の表示項目を指で選択することができる。
【0031】
端末側メッセージ受信手段301は、サーバ装置100から受信したメッセージを受信する。受信メッセージ表示手段302は、受信したメッセージを表示部303に表示させる。入力部304は、申請者による超過勤務申請の操作入力を受け付ける。送信メッセージ表示手段305は、操作入力された超過勤務申請の内容を表示部303に表示させる。端末側メッセージ送信手段306は、操作入力された超過勤務申請の内容をサーバ装置100に送信する。
【0032】
サーバ装置100は、端末装置101b(T1,T2)からメッセージを受信するサーバ側メッセージ受信手段311と、受信したメッセージを記録する記録部312と、端末装置101b(T1,T2)に対し、受信したメッセージに対応するメッセージを送信するサーバ側メッセージ送信手段313と、を含む。
【0033】
申請bot103(B1)は、申請bot側メッセージ受信手段321と、記録部322と、申請bot側申請内容送信手段323と、申請bot側承認内容受信手段324と、申請bot側メッセージ送信手段325と、を含む。
【0034】
申請bot側メッセージ受信手段321は、サーバ装置100から送信された超過勤務申請用のメッセージを受信する。記録部322は、受信した超過勤務申請用のメッセージを記録する。申請bot側申請内容送信手段323は、記録部322に記録された超過勤務申請用のメッセージを承認bot103(B2)に送信する。申請bot側承認内容受信手段324は、承認bot103(B2)から受信した超過勤務承認用のメッセージを受信する。申請bot側メッセージ送信手段325は、受信した超過勤務承認用のメッセージをサーバ装置100に送信する。
【0035】
承認bot103(B2)は、承認bot側申請内容受信手段331と、記録部332と、承認bot側承認内容送信手段333と、承認bot側メッセージ受信手段334と、承認bot側メッセージ送信手段335と、を含む。
【0036】
承認bot側申請内容受信手段331は、申請bot103(B1)から超過勤務申請用のメッセージを受信し、記録部332に記録する。承認bot側メッセージ受信手段334は、超過勤務承認用のメッセージをサーバ装置100から受信し、記録部332に記録する。承認bot側承認内容送信手段333は、記録部332に記録された超過勤務承認用のメッセージを申請bot103(B1)に送信する。承認bot側メッセージ送信手段335は、記録部332に記録された超過勤務申請用のメッセージをサーバ装置100に送信する。
【0037】
承認者の端末装置101b(T2)は、承認者用として申請者の端末装置101b(T1)と同様の構成を有する。
【0038】
図4は、実施の形態にかかるメッセージ処理システムに用いる機器のハードウェア構成例を示す図である。例えば、
図3に示すサーバ装置100は、
図4に示す構成を有する。サーバ装置100は、CPU401、ROM402、RAM403、磁気ディスクドライブ404、磁気ディスク405、光ディスクドライブ406、光ディスク407、入力デバイス408、映像I/F409、ディスプレイ410、通信I/F411、等を含む。各構成部401〜411は、バス420によってそれぞれ接続されている。
【0039】
CPU401は、サーバ装置100の全体の制御を司る。ROM402は、サーバのブートプログラムを記録している。RAM403は、CPU401のワークエリアとして使用される。すなわち、CPU401は、RAM403をワークエリアとして使用しながら、ROM402に記録された各種プログラムを実行することによって、サーバ装置100の全体の制御を司る。
【0040】
磁気ディスクドライブ404は、CPU401の制御にしたがって磁気ディスク405に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。磁気ディスク405は、磁気ディスクドライブ404の制御で書き込まれたデータを記録する。磁気ディスク405としては、例えば、HD(ハードディスク)を用いることができる。
【0041】
また、光ディスクドライブ406は、CPU401の制御にしたがって光ディスク407に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。光ディスク407は、光ディスクドライブ406の制御にしたがってデータが読み出される着脱自在な記録媒体である。光ディスク407は、書き込み可能な記録媒体を利用することもできる。着脱可能な記録媒体として、光ディスク407のほか、MO、メモリカードなどを用いることができる。
【0042】
入力デバイス408は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたリモコン、キーボード、タッチパネルなどが挙げられる。入力デバイス408は、リモコン、キーボード、タッチパネルのうちいずれか一つの形態によって実現されてもよいが、複数の形態によって実現することも可能である。
【0043】
映像I/F409は、ディスプレイ410に接続される。映像I/F409は、具体的には、例えば、ディスプレイ410全体を制御するグラフィックコントローラと、即時表示可能な画像情報を一時的に記録するVRAM(Video RAM)などのバッファメモリと、グラフィックコントローラから出力される画像データに基づいてディスプレイ410を制御する制御ICなどによって構成される。
【0044】
ディスプレイ410には、アイコン、カーソル、メニュー、ウインドウ、あるいは文字や画像などの各種データが表示される。ディスプレイ410としては、例えば、TFT液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどを用いることができる。
【0045】
通信I/F411は、無線を介してネットワークに接続され、サーバ装置100およびCPU401のインターフェースとして機能する。ネットワークとして機能する通信網には、インターネット、公衆回線網や携帯電話網、LAN、WANなどがある。
【0046】
図3に示したサーバ装置100は、
図4に記載のROM402、RAM403、磁気ディスク405、光ディスク407などに記録されたプログラムやデータを用いて、CPU401が所定のプログラムを実行することによって、
図3に記載の各機能を実現する。
【0047】
また、
図3に記載の端末装置101b(T1,T2)についても、
図4同様の構成を有する。この端末装置101b(T1,T2)は、携帯型のスマートフォンやタブレット等で構成でき、例えば、磁気ディスク405や光ディスク407に代えてフラッシュメモリを用いることができる。
【0048】
また、
図3に示した申請bot103(B1)と、承認bot103(B2)は、ノードクライアント101cに実装され、
図4同様の構成を有する。なお、超過勤務の申請および承認は、
図1に示した申請する申請者および承認者のクライアント101bと、企業内の管理部門に設置されるクライアント101aと、サーバ装置100と、からなる最小限のハードウェアで構成することもでき、この場合、申請bot103(B1)と、承認bot103(B2)は、サーバ装置100に実装してもよい。
【0049】
(超過勤務の申請〜承認の処理)
次に、超過勤務の申請〜承認に至る一連の処理について説明する。
図5〜
図10は、実施の形態にかかるメッセージ処理システムが実行する超過勤務の申請〜承認の処理例を示すシーケンス図である。これら
図5〜
図10には、上述した申請者の端末装置101b(T1)、申請bot103(B1)、サーバ装置100、承認bot103(B2)、承認者の端末装置101b(T2)を記載してある。
【0050】
はじめに、
図5に示すように、申請bot103(B1)は、所定のタイミング(例えば、毎日終業前)に超過勤務に関する申請時間の問い合わせメッセージをサーバ装置100に送信する(ステップS501)。
【0051】
この後、サーバ装置100は、申請時間の問い合わせメッセージを受信し、記録部312に記録する(ステップS502)。そして、サーバ装置100は、申請者の端末装置101b(T1)に申請時間の問い合わせのメッセージを通知する(ステップS503)。
【0052】
申請者の端末装置101b(T1)では、申請時間の問い合わせのメッセージを受信し、表示部303に表示する(ステップS504)。そして、申請者の端末装置101b(T1)は、超過勤務の申請用のメッセージをサーバ装置100に取得要求する(ステップS505)。この後、サーバ装置100は、超過勤務の申請時間の問い合わせのメッセージを読み出し、申請者の端末装置101b(T1)に送信する(ステップS506)。
【0053】
この後、申請者の端末装置101b(T1)は、サーバ装置100から送信された超過勤務の申請時間の問い合わせのメッセージを受信すると(ステップS507)、表示部303に表示する(ステップS508)。
【0054】
次に、
図6に示すように、申請者の端末装置101b(T1)は、超過勤務の申請時間の入力処理を行う(ステップS601)。そして、申請者の端末装置101b(T1)は、入力された超過勤務の申請時間をサーバ装置100に返信する(ステップS602)。
【0055】
サーバ装置100は、申請者の端末装置101b(T1)から送信された超過勤務の申請時間のメッセージを受信し、記録部312に記録する(ステップS603)。そして、サーバ装置100は、申請bot103(B1)に対し、申請者の端末装置101b(T1)からメッセージ返信があったことを通知する(ステップS604)。
【0056】
申請bot103(B1)は、サーバ装置100から送信されたメッセージを受信し(ステップS605)、サーバ装置100に対し、端末装置101b(T1)からの申請時間のメッセージの取得要求を行う(ステップS606)。そして、サーバ装置100は、端末装置101b(T1)からの申請時間のメッセージを記録部312から読み出し、申請bot103(B1)に送信する(ステップS607)。
【0057】
申請bot103(B1)は、サーバ装置100から申請時間のメッセージを受信し、記録部322に記録する(ステップS608)。
【0058】
次に、
図7に示すように、申請bot103(B1)は、承認bot103(B2)に対し、超過勤務の申請内容を通知する(ステップS701)。そして、承認bot103(B2)は、申請bot103(B1)から受信した申請内容を受信し、記録部322に記録する(ステップS702)。この後、承認bot103(B2)は、承認者に対する超過勤務の申請メッセージを作成処理し(ステップS703)、サーバ装置100に作成した申請メッセージを送信する(ステップS704)。
【0059】
この後、サーバ装置100は、承認bot103(B2)から受信した申請メッセージを記録部312に記録し(ステップS705)、承認事項がある旨のメッセージを承認者の端末装置101b(T2)に通知する(ステップS706)。承認者の端末装置101b(T2)は、承認事項がある旨のメッセージを受信し、表示部303に表示する(ステップS707)。
【0060】
次に、
図8に示すように、承認者の端末装置101b(T2)は、サーバ装置100に対し、申請メッセージの取得要求を行い(ステップS801)、サーバ装置100は、S705で記録部312に記録した申請メッセージを読み出し、承認者の端末装置101b(T2)に送信する(ステップS802)。
【0061】
この後、承認者の端末装置101b(T2)は、サーバ装置100から送信された申請メッセージを受信し(ステップS803)、表示部303上に申請メッセージを表示する(ステップS804)。
【0062】
この後、承認者は、端末装置101bの表示部303上に表示されている超過勤務の申請内容を見て承認の入力処理を行う(ステップS805)。この後、承認者の端末装置101b(T2)は、申請に対する承認の返信(承認メッセージ)をサーバ装置100に送る(ステップS806)。サーバ装置100は、受信した承認メッセージを記録部312に記録する(ステップS807)。
【0063】
次に、
図9に示すように、サーバ装置100は、承認bot103(B2)に対し承認用のメッセージがあることを通知する(ステップS901)。承認bot103(B2)は、サーバ装置100からの通知を受信し、承認用のメッセージがあること表示する(ステップS902)。そして、承認bot103(B2)は、サーバ装置100に対しメッセージを取得要求する(ステップS903)。サーバ装置100は、ステップS807で記録した承認メッセージを記録部312から読み出し、承認bot103(B2)に送信する(ステップS904)。
【0064】
この後、承認bot103(B2)は、サーバ装置100から受信した承認メッセージを記録部322に記録し(ステップS905)、申請bot103(B1)に対して承認内容があることを通知する(ステップS906)。
【0065】
この後、申請bot103(B1)は、承認bot103(B2)から受信した承認内容の通知を記録部322に記録し(ステップS907)、サーバ装置100に対し承認報告メッセージを送信する(ステップS908)。
【0066】
次に、
図10に示すように、サーバ装置100は、申請bot103(B1)から受信した承認報告メッセージを記録部312に記録する(ステップS1001)。そして、サーバ装置100は、申請者の端末装置101b(T1)に対し、承認のメッセージがあることを通知する(ステップS1002)。
【0067】
この後、申請者の端末装置101b(T1)は、サーバ装置100から通知された承認のメッセージの通知を表示部303に表示する(ステップS1003)。そして、申請者の端末装置101b(T1)は、サーバ装置100に対し、メッセージの取得要求を行う(ステップS1004)。そして、メッセージの取得要求を受けた、サーバ装置100承認報告メッセージを記録部312から読み出し、申請者の端末装置101b(T1)に送信する(ステップS1005)。
【0068】
申請者の端末装置101b(T1)では、サーバ装置100から送信された超過勤務に関する承認報告のメッセージを受信し(ステップS1006)、この承認報告のメッセージを表示部303に表示する(ステップS1007)。以上により、超過勤務の申請〜承認までの一連の処理が終了する。
【0069】
図11は、実施の形態にかかるメッセージ処理システムにおける申請時間の入力処理の詳細を示すフローチャートである。
図6のステップS601において、申請者の端末装置101b(T1)が実行する処理例を示す。はじめに、申請者の端末装置101b(T1)は、表示部303上に超過勤務時間を時刻別に複数のスタンプ(画像データ)で表示し、申請者が申請する時間を選択可能である。
【0070】
そして、申請者の端末装置101b(T1)は、申請者によっていずれかのスタンプが選択された場合(ステップS1101:No)、ステップS1103に移行し、申請者によっていずれかのスタンプが選択されなかった場合には(ステップS1101:Yes)、申請者により文字メッセージで申請時間を手入力させる(ステップS1102)。
【0071】
この後、ステップS1103では、申請理由があれば申請者により入力させ(ステップS1103)、処理を終了する(
図6のステップS602に移行する)。
【0072】
図12は、実施の形態にかかるメッセージ処理システムにおける申請メッセージの作成処理の詳細を示すフローチャートである。
図7のステップS703において承認bot103(B2)が実行する処理例を示す。
【0073】
はじめに、承認bot103(B2)は、承認先テーブルを参照して、申請の承認先を決定する(ステップS1201)。この後、承認bot103(B2)は、決定した承認先、申請された超過勤務の申請時間、申請理由を合わせた申請メッセージを作成し(ステップS1202)、処理を終了する(
図7のステップS704に移行する)。
【0074】
図13は、実施の形態にかかるメッセージ処理システムにおける承認先テーブルの例を示す図表である。承認先テーブル1301は、申請bot103(B1)が記録部322等に管理保持する。
図13の例では、申請者別の承認先が設定されている。例えば、申請者A,Bは承認者Aである。また、
図13に示すように、申請者C,D,Eの場合、承認グループBとしてグループ化し、承認グループBに属する承認者によって承認することもできる。
【0075】
図14は、実施の形態にかかるメッセージ処理システムにおけるペアトークとグループトークの例を示す図である。サーバ装置100と承認者の端末装置101b(T2)との間で、承認先テーブル1301の承認先について、ペアトークのときには承認者を指定し、グループトークの場合は、承認トークルーム名(承認グループB)を指定できる。グループトークを用いることで、代理承認(例えば、承認者である課長の代わりに課長代理が承認する等)を行うことができる。
【0076】
図15は、実施の形態にかかるメッセージ処理システムにおける承認の入力処理の詳細を示すフローチャートである。
図8のステップS805において承認者の端末装置101b(T2)が実行する処理例を示す。はじめに、承認者の端末装置101b(T2)は、表示部303上にスタンプで承認か却下を表示し、承認者によって選択可能となっている。
【0077】
そして、承認者の端末装置101b(T2)は、承認者によって承認または却下のスタンプを選択し(ステップS1501)、却下の場合には(ステップS1502:Yes)、却下理由を承認者により文字メッセージで手入力させ(ステップS1503)、処理を終了する。また、ステップS1502において、承認の場合には(ステップS1502:No)、処理を終了する(
図8のステップS806に移行する)。
【0078】
(申請および承認のスタンプ使用例)
図16は、実施の形態にかかるメッセージ処理システムにおける超過勤務申請のスタンプ表示例を示す図である。超過勤務の申請者の端末装置101b(T1)による画面表示例を示す。上述した申請時間の入力処理(
図11)の際、サーバ装置100は、
図16の表示画面1601に示すように、超過勤務の申請者に対し、チャットサービスにより、申請bot103(B1)が生成した申請操作を説明するメッセージ1602に加え、申請時間をスタンプ1603として複数表示する。例えば、終業時刻以降の時刻として19時、20時、21時、22時等の複数のスタンプ1603を画面表示する。
【0079】
申請者は、申請者の端末装置101b(T1)の表示部303に表示されたスタンプ1603のうち、希望する申請時間を指で操作入力するだけで、簡単に申請時間を選択できる。また、希望する申請時間がスタンプ1603上に表示されていない場合には、入力欄1604にテキストで手入力することができる。スタンプ1603は、予め想定した情報(申請時間)に対応して複数設定されており、図示のように選択可能となっている。このように、申請bot103(B1)は、メッセージをテキストだけに限らず、スタンプを用いて申請者が選択可能としているため、申請者の操作入力を簡素化できる。
【0080】
図16に示すように、超過勤務申請は、1画面だけを用いて簡単に行うことができる。なお、実施の形態で説明する超過勤務申請に限らず他のユーザに関連する情報の管理において、ユーザの入力毎に複数の画面をユーザに提示する構成として複数回の対話を行うことができる。例えば、ユーザの日報報告においては、申請bot103(B1)は、ある一つの画面でユーザによる業務内容入力後に、他の画面で他の業務の有無をユーザに問い合わせユーザ入力された後、さらに他の画面で目標達成度を問い合わせユーザ入力させる等、の処理を行う複数回の対話により、ユーザに関連する情報をより詳細に収集、管理することができるようになる。
【0081】
図17は、実施の形態にかかるメッセージ処理システムにおける超過勤務承認のスタンプ表示例を示す図である。超過勤務の承認者の端末装置101b(T2)による画面表示例を示す。上述した申請に対する承認処理(
図15)の際、サーバ装置100は、
図17の表示画面1701に示すように、承認者に対し、チャットサービスにより、承認bot103(B2)が生成した申請内容のメッセージ1702と、承認/却下をスタンプ1703として表示する。また、却下の場合には、却下理由の入力欄1704に却下理由をテキストで手入力することができる。
【0082】
図17に示す承認申請は、サーバ装置100から承認者の端末装置101b(T2)にPUSH通知されるため、複数の申請者に対する都度承認も容易に行える。また、承認bot103(B2)は、メッセージをテキストだけに限らず、スタンプを用いて承認者が選択可能としているため、承認者の操作入力を簡素化できる。スタンプ1703は、予め想定した情報(承認/却下)に対応して設定されており、図示のように選択可能となっている。
【0083】
図18は、実施の形態にかかるメッセージ処理システムの承認者の端末装置による申請一覧の取得例を示す図である。承認bot103(B2)は、複数の申請者からの超過勤務申請の一覧を記録部332に保持しており、承認者の端末装置101b(T2)は、超過勤務の申請一覧を取得することができる。
【0084】
例えば、
図18に示すように、サーバ装置100は、チャットサービスにより、承認bot103(B2)が生成した超過勤務の申請一覧をファイル添付(csvファイル等)して承認者の端末装置101b(T2)に送信することで、承認者が取得できる。この申請一覧は、超過勤務申請において管理する管理データに相当する。なお、管理データとしての申請一覧は、外部の基幹システムやクラウドサービス102に送信し、基幹システムやクラウドサービス102で管理する構成とすることもできる。
【0085】
承認者の端末装置101b(T2)の表示画面1801上には、超過勤務申請の一覧の取得の説明のメッセージ1802と、取得のスタンプ1803とを表示する。承認者が取得のスタンプ1803を選択することで、サーバ装置100は、チャットサービスにより、承認bot103(B2)が生成した超過勤務の申請一覧をファイル添付して承認者の端末装置101b(T2)に送信し、承認者が添付ファイルのスタンプ1804を選択することで、超過勤務の申請一覧を承認者の端末装置101b(T2)上で表示できる。
【0086】
このように、承認bot103(B2)が生成した超過勤務の申請一覧をファイル添付して承認者の端末装置101b(T2)に送信する構成により、例えば、ユーザ(申請者)のユーザ情報(超過勤務申請)を管理する管理者(承認者)は、外部の基幹システムやクラウドサービス102を用いなくても、サーバ装置100を介してユーザの情報を管理することができる。
【0087】
以上説明した実施の形態によれば、超過勤務の申請および承認のそれぞれについて、メッセージ処理を行うことで、超過勤務の申請および承認の操作(処理)を簡単に行える。このbotは申請者と承認者の端末装置に対話型のメッセージを送出することで超過勤務の申請および承認にかかる操作(処理)を効率的に実行できるようになる。
【0088】
そして、botは、汎用のチャットサービスを利用して申請者と承認者にメッセージとして伝えられるため、簡単な操作性を持ちながら社内ツール等の業務管理が行えるようになる。
【0089】
また、上記実施の形態では、サーバ装置100とクライアント101との間のメッセージ処理について説明したが、サーバ装置100に基幹システムやクラウドサービス102にbot103を介して接続される構成にも適用できる。この場合、bot103は、基幹システム102とサーバ装置100とをつなぎ、基幹システム102が遂行する所定の処理に対するクライアント101からのデータ入力等に必要なやり取りを対話型のメッセージでユーザに伝達できる。そして、bot103は、メッセージをテキストだけに限らず、スタンプを用いてユーザに選択可能としているため、ユーザの操作入力を簡素化できる。
【0090】
上述した実施の形態では、超過勤務の申請および承認を例に説明したが、この発明は、超過勤務管理に限ることなく、複数のユーザの直接あるいは間接的な情報(ユーザに関連する情報)を管理する管理部との間のメッセージ処理システムに同様に適用できる。例えば、巡回等で外出する複数ユーザ(ラウンダー)の出勤や位置管理、会議毎の議事録作成、アパレル等の複数店舗における来客者の声(意見)や気づき点等の情報管理、外食産業の複数店舗における定期的な品質管理の問い合わせおよび回答による品質管理、パート・アルバイトの管理者に対する定期的なシフト依頼および回答によるシフト勤務管理、タクシー等の運転日誌や車両情報、立替金等の日報管理等、多様なメッセージ処理に適用できる。
【0091】
なお、本実施の形態で説明したメッセージ処理にかかるプログラムは、予め用意されたプログラムをコンピュータで実行することにより実現することができる。また、このプログラムは、半導体メモリ、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また、このプログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布してもよい。