【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のファスナが、ファスナ本体と、この本体をハウジングに取り付けるためのカプラと、チューブの波形部の中に挿入することで本体をチューブの軸方向において固定できる少なくとも1つの本体リテーナとを備えることによって、この問題が解決される。封止要素が、チューブの波形部の中に挿入することで封止要素をチューブの軸方向において固定できる封止リテーナを備えることによって、上に記載した問題が解決される。本体/封止リテーナをチューブの波形部の中に挿入することによって、リテーナは波形部に係合し、これにより軸方向においてこの波形部に当接する。そしてこのようにして、誰かがチューブを引っ張った、すなわちチューブに沿って軸方向に引っ張り力を加えた場合に、コルゲートチューブからファスナ/封止要素が脱離するのを防止する。
【0009】
チューブをその軸方向において強固にする補強要素を備えることによって、本発明のコルゲートチューブにより、上に記載した問題が解決される。補強要素は、その強固にする機能により、コルゲートチューブの中で保護されるべきコネクタおよび/またはケーブルを損なう可能性のある、引っ張りの下での可撓性のコルゲートチューブの伸張を防止する。
【0010】
ハウジングをコルゲートチューブ上に封止的に結合するための組立体が、本発明によるファスナおよび/または本発明による封止要素および/または本発明によるコルゲートチューブを備えることによって、上述の問題が解決される。この進歩性を備えた解決策は、ハウジングをコルゲートチューブ上に封止的にかつ確実に結合できるという利点を有する。組立体は、任意の種類のケーブル/ケーブル接続に対して様々に使用できる。またこの組立体は、本発明の引っ張りに抵抗するコルゲートチューブのそれぞれの端部上に封止材を固定し、本発明によるファスナを固定し、次いでハウジングをファスナを介して封止要素上に結合することによって、容易に組み立てられる。このことは本来の場所で、すなわち現地で行うことができ、したがって本発明により、コネクタの現地での組み立ておよび設置が可能となる。
【0011】
本発明による上述の複数の解決策は、以下の本発明の複数の有利な実施形態のうちのいずれか1つと、それぞれ任意の方法で組み合わせることができ、またこのことによりさらに改善することができる。
【0012】
第1の可能な実施形態によれば、カプラはファスナ本体の外側に配置することができる。この配置では、カプラは外側から容易にアクセス可能であり、このことにより本体をハウジングに取り付けるのが容易になる。カプラは、軸方向に対して横断するように、たとえば垂直に対向する、本体の取り付け領域上に配置することができる。そのような配置により、カプラの引っ張りへの抵抗性が改善される。その理由は、このカプラが、ファスナ本体を、引っ張り力−軸方向に沿って働く−の方向に対して横断するようにハウジングに結合し/取り付け、これらの力により良好に耐えかつこれらの力を打ち消すからである。
【0013】
さらなる実施形態では、カプラおよび本体リテーナはいずれも、ファスナ本体の取り付け領域上に配置される。これにより非常にコンパクトな設計が可能となる。カプラおよびリテーナは、取り付け領域に対して反対方向に面を向けてもよい。たとえば、カプラおよびリテーナは、ファスナ本体の同じ壁部の各反対側に配置できる。さらに、カプラおよび本体リテーナは、チューブに対する引っ張りから本体リテーナを介して主にカプラおよびハウジングの中に直接的に伝達される偏向した引っ張り力に沿って、軸方向に沿った同じ位置に配置できる。
【0014】
さらなる実施形態では、カプラは、ハウジングとの繰り返し着脱可能な接合部のための、形状に適合する拘束具とすることができる。この種類の接合部により、ハウジング上の対応する相手カプラ、たとえばレセプタクル内に配設された突起またはピンとの拘束具の、形状に適合する接続により、カプラとハウジングとの間の確実な接続が達成される。一方、同時に、必要であれば、この種類の接合部により、形状に適合する拘束具の、そのハウジング上の対応する相手カプラとの係合および係脱を可能にする、繰り返し着脱可能な接合部により、コネクタの容易な設置および保全が達成される。
【0015】
さらなる実施形態では、カプラは、ハウジングへの本体の容易な取り付けを可能にするラッチとして形成されてよく、またこのカプラはコンパクトな形態で設計が容易である。さらなる実施形態では、カプラは、軸方向を横断するように延在する取り付け突出部を備えてよく、このことによりカプラをハウジングと軸方向において容易に当接させることができる。この結果、ファスナ本体のハウジングへの取り付けが、コルゲートチューブの軸方向への引っ張りに対して、非常に引っ張り抵抗性の高いものとなる。
【0016】
さらに別の実施形態では、カプラは弾性的に撓み可能とすることができる。カプラは、軸方向に対して垂直に、弾性的に撓み可能とすることができる。そのようなカプラまたはその係合要素、たとえば形状に適合する拘束具および/またはラッチは、それがハウジング上の相手カプラと係合するロック位置から、ファスナをハウジングに対して移動させてこれら2つの要素の組み立ておよび/または分解を可能にする結合/脱結合位置へと容易に移動される。
【0017】
以下では、ファスナの本体リテーナに関する様々な実施形態を提示する。本体リテーナの個々の実施形態を、互いの間でならびに本発明によるファスナの任意の他の態様と、任意に組み合わせることができる。
【0018】
一実施形態では、本体リテーナは、軸方向に延在してチューブの少なくとも一部を受容するファスナ本体の経路の中に延在する、ロック突出部を備える。これによりファスナの非常にコンパクトな設計が可能となるが、これは、チューブの波形部の中に挿入されて本体をチューブの軸方向において固定することになるロック突出部が、チューブを受容するように設計される本体の部分、すなわち経路の中に延在するからである。
【0019】
さらなる実施形態によれば、本体リテーナは経路を囲むことができる。この経路はたとえば貫通孔とすることができる。この結果、経路内にチューブの断面を完全に受容できる。本体がチューブを完全に取り囲むとき、本体は軸方向を横断するような各方向に境界部を提供し、また、経路を囲む本体は保持具と共に、チューブを各方向において、すなわち保持具によって軸方向において固定し、さらに、本体が前記本体の経路内に配設されたチューブを完全に囲むことにより、他の方向にも固定する。
【0020】
さらなる実施形態によれば、本体リテーナを、経路の中に面する本体の内側表面に形成することができる。これは、チューブが延在するところ、すなわち経路の中に本体リテーナが直接配置されるため、非常にコンパクトな設計である。
【0021】
別の実施形態によれば、本体リテーナは少なくとも1つのリブを備えることができる。このリブの設計により、本体リテーナの設計を、本体リテーナが中に挿入されるチューブの溝のような波形部に整合させることを通して、本体リテーナとチューブの波形部との間の係合の領域を、設計容易に改善することができる。チューブの軸方向における本体の固定は、本体リテーナが互いから軸方向に離間された一連のリブを備える実施形態において改善することができる。隣接するリブの間の距離を、チューブ上の波形部同士の間の距離またはこの距離を整数倍したものと整合させかつ対応させることができる。リブまたは一連のリブは、円、弓形、または区切られた円、すなわち複数の交切を有する円の形態で設計でき、このことにより、これらのリブまたは一連のリブをたとえばチューブの波形部の中に軸方向に対向する両側で挿入することが可能になる。このようにして、コルゲートチューブをチューブの対向する両側から本体リテーナに「挟持」する。
【0022】
さらなる実施形態によれば、ファスナは、ファスナ本体へと組み立てることのできる少なくとも2つの本体部品を備えることができる。これにより、コルゲートチューブの外郭に適応させた本体断面を使用して、本体をコルゲートチューブ上に仕様にぴったり適合するように装着することが容易となる。少なくとも2つの本体部品から構成される本体をチューブ上に組み付けることができるので、チューブを押して本体の経路を通す必要がない。そのように押すことはチューブおよび/またはファスナを損傷する可能性がある。
【0023】
さらなる実施形態によれば、各本体部品は、ファスナ本体への正しい組み立てを案内する位置合わせ要素を備えることができる。この設計により、本体の組み立てが容易になり、また各本体部品が他の本体部品に対して正しく配設されることが確実となる。たとえば、本体部品は、別の本体部品上の対応する突出部/凹部と相補の関係にある突出部および/または凹部を有する、位置合わせ面を備えることができる。位置合わせ要素は雌雄同体であってよい、すなわち、相補的な対となった同一の部品を備えてよい。
【0024】
さらなる実施形態では、接合部により本体部品を接続することができる。接合部は、費用効果が高く製造が容易であり、また組み立てられるファスナ本体の本体部品の組み立てを容易にする、一体型接合部などのヒンジ接合部とすることができる。当然ながら、一体型接合部は、個々の本体部品をどのように拘束的に一体化するかの一例に過ぎず、本発明はこれに限定されるものではない。
【0025】
これらのさらなる実施形態では、個々の本体部品は個別の要素である。この場合、ファスナ本体の組み立てに際し、各本体部品が対応する本体部品と位置合わせされる、各本体部品の各組み立て表面には、位置合わせ要素が設けられる。本体部品の個別の位置合わせ領域を、個々に相異なるように設計する、すなわち、ある特定の方法でのみ対応する相手要素と組み立てることのできる固有の位置合わせ要素を用いて設計することにより、ファスナ本体の正しくない組み立てを回避する。本体部品を組み立てられた状態に維持するために、ロックを設けることができる。ロックは、1つまたは全ての本体部品上に一体化されてもよく、または個別の個々の要素であってもよい。
【0026】
さらなる実施形態では、各本体部品は、カプラおよび/またはリテーナを備えることができる。これにより、本発明によるファスナのカプラおよびリテーナの総数が改善されるとともに、カプラおよび/またはリテーナを長手軸の周りに均一に分布させることが可能になる。一実施形態では、本体は、2つの半裁シェル本体部品から構成されてよい。これらの半裁シェルは同一であってよく、このことによりファスナ本体を組み立てるために必要な要素の数を最小にすることができる。
【0027】
さらなる実施形態によれば、カプラおよび/または本体リテーナを、本体と一体に形成することができ、この結果、扱いが容易でありかつその生産のための労力が最小となる一体型のファスナが得られる。
【0028】
以下では、本発明による封止要素の複数の実施形態を記載する。
【0029】
封止要素の封止リテーナは、本体リテーナと同じまたは類似の設計のものとすることができる。たとえば、封止リテーナは、通路の中に延在する停止突出部を備えることができる。さらに、封止リテーナを、通路の中に面する封止スリーブの内側表面上に形成できる。さらに、封止リテーナは、少なくとも1つのリブ、好ましくは互いから軸方向に離間された一連のリブを備えることができる。
【0030】
さらなる実施形態では、封止要素は、少なくとも1つの外側薄板を備えることができる。外側薄板は、ハウジングの封止表面と液密に接触させることができる。通路の中に面することができしたがってコルゲートチューブと係合してこれとの液密な封止を形成できる、封止リテーナのリブまたは一連のリブと同様に、外側薄板は、封止要素をハウジングの封止表面に対して封止できる。さらなる実施形態では、封止要素は、互いから軸方向に離間できる一連の外側薄板を備えることができる。外側薄板および/または封止リブのそれぞれは、封止障壁を形成する。これにより、混入物がハウジングの内側に達する前に通過しなければならない封止障壁の数が増え、したがって本発明による封止要素の封止性能が改善される。
【0031】
封止要素のさらなる実施形態では、その封止スリーブは弾性的に延長可能とすることができる。そのような弾性により、チューブの一部を封止スリーブの通路の中に受容することが可能となる。一実施形態では、封止スリーブは、軸方向に対して垂直に延長可能であり、したがって通路の内側幅を広くすることができ、このことによりコルゲートチューブの挿入を容易にすることができる。さらに、封止スリーブを、封止スリーブの内側幅が、その休止(すなわち延長されていない)位置において、通路の中に受容されることになるチューブの部分の外側幅以下となるように設計することができる。封止スリーブを弾性的に延長した、したがって内側幅を広くし管材を導入した後、封止スリーブは収縮し、チューブの中心に向けて収縮力を加え、この収縮力により封止リテーナをチューブの波形部の中に押し込む。
【0032】
一実施形態では、封止スリーブはチューブを完全に取り囲み、このことにより、封止リテーナをコルゲートチューブの周囲の周りに等しく分布させることが可能となる。このようにして、封止リテーナが波形部の中に挿入された結果生じる保持力が増大する。
【0033】
さらなる実施形態によれば、封止要素は、チューブの端面上に当接するためのおよびコルゲートチューブ上で封止要素が意図するよりも大きく滑動することを回避するための、ストッパを備えることができる。ストッパにより、封止スリーブの通路の内側でのチューブの挿入が制約され限定される。ストッパにより、ストッパと封止リテーナとの間の距離がチューブの波形部とチューブの当接する端面との間の距離に対応する場合に、波形部の中への封止リテーナの挿入も容易になる。
【0034】
さらなる一実施形態では、ストッパは、通路の内側幅を低減する。通路の内側幅を低減するストッパにより、コルゲートチューブとの当接が容易になる。ストッパを、通路の軸方向端部上に配置することができる。つば部によりストッパを形成でき、この設計により、通路の内側幅を低減するように軸方向軸の周りでのストッパの均一な分布がもたらされる。ストッパを通路の軸方向端部上に配置することにより、封止は、コルゲートチューブの一方の端部を覆って配設できるキャップの設計を採り、このことによって、封止要素のコルゲートチューブ上での正しい位置決めが容易となる。この場合、封止要素はハウジングに対して軸方向においても封止を行うことができる。
【0035】
本発明による封止要素の部品を減らすために、ストッパを形成するつば部などの、封止リテーナおよび/またはストッパを、封止スリーブ上に一体に形成できる。既に上で本体リテーナに関して検討したように、封止リテーナおよび/またはストッパは、軸方向の周りで通路を囲むことができ、このようにして、チューブの波形部の中での封止リテーナの係合および/またはストッパに対するチューブの当接がそれぞれ、均一に分布される。外側薄板は、封止要素の外周を取り囲むことができ、したがって軸方向における完全な封止を提供できる。同じことを封止リブに対しても適用することができる。
【0036】
以下では、本発明のコルゲートチューブの好ましい実施形態を検討する。ファスナおよび封止要素の上記の好ましい実施形態の場合のように、コルゲートチューブの好ましい実施形態の特徴を、互いと、ならびに、本発明の組立体において本発明のファスナおよび本発明の封止要素の任意の可能な実施形態と、任意に組み合わせることができる。
【0037】
コルゲートチューブの第1の実施形態では、補強要素がチューブの軸方向に沿って延びる。このようにして、強固にする補強要素の長手軸、すなわちチューブの軸方向にわたる均一な分布を達成するとともに、コルゲートチューブの全長に沿った牽引力を分散させる。補強要素は軸方向に沿って蛇行することができ、このようにしてチューブ上の補強要素の全体の長さを改善できる。
【0038】
一実施形態では、補強要素は、補強突条を備えることができる。前記突条は、長手軸、すなわちチューブの軸方向に沿って延びることができる。突条は設計が容易であり、またこの突条によってコルゲートチューブをその全長にわたって強固にすることが効果的に可能になる。当然ながら、コルゲートチューブの周囲の周りに均一に分布させることができる2つ以上の補強要素、たとえば複数の補強突条を設けてよい。したがって、牽引力が、軸方向に沿ってだけではなく、チューブの周囲の周りに均一にも撓む。
【0039】
さらなる実施形態では、補強要素は波形部を交差する場合がある。波形部は通常、引っ張り強度の弱められたチューブ区域を表すが、この弱化は補強要素の交点のところで断ち切られる。また、交差する補強要素により波形部のところでチューブを強固にすることによって、波形部のところでのチューブの伸張が回避される。
【0040】
さらなる実施形態では、波形部を、中断されている周囲の溝として設計することができる。この場合、溝の中断部は軸方向において位置合わせしており、前記位置合わせによって、チューブの軸方向に沿って連続的に強固となった帯域がもたらされる。さらなる実施形態では、位置合わせされた交点は、上で検討した補強突条を形成できる。補強突条などの補強要素を、チューブと一体に形成できるか、またはチューブの本体上に配置するもしくは本体内に組み込むことができる。
【0041】
ハウジングをコルゲートチューブ上に封止的に結合するための本発明による組立体に関して、この組立体は、上記のような本発明によるファスナのうちの少なくとも1つ、好ましくは全てと、上記のような本発明の封止要素と、上記のような本発明の実施形態によるコルゲートチューブと、を備えることができる。組立体は、本発明によるファスナのカプラと接合できる相手カプラを備える、コネクタハウジングまたはアダプタハウジングに関するハウジング、ならびに/あるいは、封止要素の封止スリーブのつば部のような外側薄板および/またはストッパが液密に押圧され得る封止表面をさらに備えることができる。
【0042】
本発明を、本発明の有利な実施形態を例示する添付の図面を参照して、以下に例としてより詳細に記載する。記載する実施形態は可能な構成に過ぎないが、これらの構成に基づいて、上記のように、個々の特徴を互いから独立して実施できるか、または個々の特徴を省略できる。図面に示した対応する要素には、同じ参照符号を付す。異なる図中の同じ要素に関連する説明の部分は省略する。