特許第6612537号(P6612537)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6612537
(24)【登録日】2019年11月8日
(45)【発行日】2019年11月27日
(54)【発明の名称】ゴルフボール
(51)【国際特許分類】
   A63B 37/00 20060101AFI20191118BHJP
【FI】
   A63B37/00 626
   A63B37/00 644
   A63B37/00 128
   A63B37/00 140
【請求項の数】5
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-127995(P2015-127995)
(22)【出願日】2015年6月25日
(65)【公開番号】特開2017-6555(P2017-6555A)
(43)【公開日】2017年1月12日
【審査請求日】2018年5月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】592014104
【氏名又は名称】ブリヂストンスポーツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【弁理士】
【氏名又は名称】有原 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【弁理士】
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100114591
【弁理士】
【氏名又は名称】河村 英文
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100170379
【弁理士】
【氏名又は名称】徳本 浩一
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 克典
【審査官】 砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】 特開平7−289661(JP,A)
【文献】 特開2000−245869(JP,A)
【文献】 特開昭62−181069(JP,A)
【文献】 特開2008−12300(JP,A)
【文献】 特開平7−112036(JP,A)
【文献】 特開2001−218875(JP,A)
【文献】 実開昭61−180056(JP,U)
【文献】 特開2005−6755(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0009644(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0125250(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 37/00−37/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に複数のディンプルを備えたゴルフボールであって、このゴルフボールは、
このゴルフボールを初期荷重98Nから終荷重1275Nに負荷したときまでのたわみ量H(mm)と、
このゴルフボールの直径に沿った断面の円の面積であって、ゴルフボール表面にディンプルが全くない場合の仮想平面積S(mm)と、
このゴルフボールに6864Nの荷重をかけた際に平面に接するゴルフボールの面積である加圧面積PS(mm)と
を有し、以下の式1:
PS/S/H×100≧6.25(mm−1) ・・・(式1)
を満たし、
且つ、このゴルフボールに1961Nの荷重をかけた際に平面に接するゴルフボールの面積である加圧面積PSを有し、以下の式2:
PS/S/H×100≧1.85(mm−1) ・・・(式2)
を満たし、
前記ディンプルの底面が、ゴルフボールの外側方向に向かって凸状に湾曲した形状をしており、
前記ディンプルの底面の中央の凸状部分における深さdは、ディンプルの外周縁の両端を結ぶ線Sを基準として、前記凸状部分の最も高い地点までの垂直距離であり、前記深さdが0.020〜0.100mmであるゴルフボール。
【請求項2】
前記ゴルフボールは、このゴルフボールに5883Nの荷重をかけた際に平面に接するゴルフボールの面積である加圧面積PSを有し、以下の式3:
PS/S/H×100≧5.40(mm−1) ・・・(式3)
を更に満たす請求項1記載のゴルフボール。
【請求項3】
前記ゴルフボールは、このゴルフボールに3922Nの荷重をかけた際に平面に接するゴルフボールの面積である加圧面積PSを有し、以下の式4:
PS/S/H×100≧3.30(mm−1) ・・・(式4)
を更に満たす請求項1又は2に記載のゴルフボール。
【請求項4】
前記ゴルフボールは、このゴルフボールに7845Nの荷重をかけた際に平面に接するゴルフボールの面積である加圧面積PSを有し、以下の式5:
PS/S/H×100≧6.50(mm−1) ・・・(式5)
を更に満たす請求項1〜のいずれか一項に記載のゴルフボール。
【請求項5】
前記凸状に湾曲した形状の部分が、更にその中央の領域で、平坦な形状を有しており、この平坦な領域の外縁部分は、角部分が面取りされた構成である請求項1〜4のいずれか一項に記載のゴルフボール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフボールに関し、より詳しくは、打撃時の摩擦力が向上したゴルフボールに関する。
【背景技術】
【0002】
ゴルフボールを打撃すると、ゴルフボールにバックスピンがかかることはよく知られている。ドライバーショットでバックスピンがかかり過ぎると、ボールが吹き上がる傾向があるため、飛距離を延ばすためには、一般的にはバックスピン量を減らすことが求められる。その反面、アプローチショットでは、バックスピン量が多い方が、ゴルフボールを落下地点付近にぴったりと止めることができる。よって、ドライバーショットとアプローチショットでは、相反するバックスピン量が求められる。また、そのバックスピン量はクラブとボールとの摩擦が関係していることがよく知られている。
【0003】
例えば、特開2004−201787号公報には、ロフト角の大きいヘッドほど、フェース面の摩擦係数の大きさに伴い、ボールのバックスピン量は大きくなることが開示されている。一方、ロフト角の小さいヘッドでは、フェース面の摩擦係数が大きいほど、バックスピン量が減少することも開示されている。
【0004】
また、ゴルフボールの飛距離を延ばすために、ボール表面に多数形成されるディンプルの形状に工夫をして、ゴルフボールの空気力学的性能を向上させる研究が行われている。例えば、特開2005−6755号公報には、ディンプルの底面中央に凸部を設け、この中央凸部の曲率半径が所定の条件となるようなディンプルの構成が開示されている。特開2008−12300号公報には、ディンプルの底面中心付近に円形状の凸部を設け、この凸部の上端面を平坦とするとともに、凸部の高さとその周りのリング状部分の深さが所定の条件となるようなディンプルの構成が開示されている。特開2011−120612号公報には、ディンプルの断面形状が、上向きに凸な部分と下向きに凸な部分とが交互に複数配置される波状曲線となるようなディンプルの構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−201787号公報
【特許文献2】特開2005−6755号公報
【特許文献3】特開2008−12300号公報
【特許文献4】特開2011−120612号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、クラブとの摩擦力を向上させ、ドライバーショットではバックスピン量が少なくなり、アプローチショットではバックスピン量が多くなるような性能を有するゴルフボールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明は、その一態様として、表面に複数のディンプルを備えたゴルフボールであって、このゴルフボールは、このゴルフボールを初期荷重98N(10kgf)から終荷重1275N(130kgf)に負荷したときまでのたわみ量H(mm)と、このゴルフボールの直径に沿った断面の円の面積であって、ゴルフボール表面にディンプルが全くない場合の仮想平面積S(mm)と、このゴルフボールに6864N(700kgf)の荷重をかけた際に平面に接するゴルフボールの面積である加圧面積PSとを有し、以下の式1:
PS/S/H×100≧6.25(mm−1) ・・・(式1)
を満たすものである。
【0008】
また、このゴルフボールは、このゴルフボールに1961N(200kgf)の荷重をかけた際に平面に接するゴルフボールの面積である加圧面積PSを有し、以下の式2:
PS/S/H×100≧1.85(mm−1) ・・・(式2)
を更に満たすことが好ましい。
【0009】
また、前記ゴルフボールは、このゴルフボールに5883N(600kgf)の荷重をかけた際に平面に接するゴルフボールの面積である加圧面積PSを有し、以下の式3:
PS/S/H×100≧5.40(mm−1) ・・・(式3)
を更に満たすことが好ましい。
【0010】
また、前記ゴルフボールは、このゴルフボールに3922N(400kgf)の荷重をかけた際に平面に接するゴルフボールの面積である加圧面積PSを有し、以下の式4:
PS/S/H×100≧3.30(mm−1) ・・・(式4)
を更に満たすことが好ましい。
【0011】
また、前記ゴルフボールは、このゴルフボールに7845N(800kgf)の荷重をかけた際に平面に接するゴルフボールの面積である加圧面積PSを有し、以下の式5:
PS/S/H×100≧6.50(mm−1) ・・・(式5)
を更に満たすことが好ましい。
【0012】
本発明は、別の態様として、表面に複数のディンプルを備えたゴルフボールであって、このゴルフボールは、このゴルフボールを初期荷重98Nから終荷重1275Nに負荷したときまでのたわみ量H(mm)と、このゴルフボールの直径に沿った断面の円の面積であって、ゴルフボール表面にディンプルが全くない場合の仮想平面積S(mm)と、このゴルフボールに1961Nの荷重をかけた際に平面に接するゴルフボールの面積である加圧面積PSとを有し、以下の式2:
PS/S/H×100≧1.85(mm−1) ・・・(式2)
を満たすものである。
【0013】
本発明は、別の態様として、表面に複数のディンプルを備えたゴルフボールであって、このゴルフボールは、このゴルフボールを初期荷重98Nから終荷重1275Nに負荷したときまでのたわみ量H(mm)と、このゴルフボールの直径に沿った断面の円の面積であって、ゴルフボール表面にディンプルが全くない場合の仮想平面積S(mm)と、このゴルフボールに5883Nの荷重をかけた際に平面に接するゴルフボールの面積である加圧面積PSとを有し、以下の式3:
PS/S/H×100≧5.40(mm−1) ・・・(式3)
を満たすものである。
【0014】
本発明は、別の態様として、表面に複数のディンプルを備えたゴルフボールであって、このゴルフボールは、このゴルフボールを初期荷重98Nから終荷重1275Nに負荷したときまでのたわみ量H(mm)と、このゴルフボールの直径に沿った断面の円の面積であって、ゴルフボール表面にディンプルが全くない場合の仮想平面積S(mm)と、このゴルフボールに3922Nの荷重をかけた際に平面に接するゴルフボールの面積である加圧面積PSとを有し、以下の式4:
PS/S/H×100≧3.30(mm−1) ・・・(式4)
を満たすものである。
【0015】
本発明は、別の態様として、表面に複数のディンプルを備えたゴルフボールであって、このゴルフボールは、このゴルフボールを初期荷重98Nから終荷重1275Nに負荷したときまでのたわみ量H(mm)と、このゴルフボールの直径に沿った断面の円の面積であって、ゴルフボール表面にディンプルが全くない場合の仮想平面積S(mm)と、このゴルフボールに7845Nの荷重をかけた際に平面に接するゴルフボールの面積である加圧面積PSとを有し、以下の式5:
PS/S/H×100≧6.50(mm−1) ・・・(式5)
を満たすものである。
【0016】
上述した式1〜式5の少なくとも1つを満たすようにするために、所定の加圧面積を有するように、ディンプルの底面が、ディンプルの中央で、ゴルフボールの外側方向に向かって凸状に湾曲した形状をしていることが好ましい。この凸状に湾曲した形状の部分は、更にその中央の領域で、平坦な形状を有しており、この平坦な領域の外縁部分は、角部分が面取りされた構成とすることもできる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、一般的なゴルファーのドライバーショットにおける荷重でのゴルフボールの加圧面積が、上記式1に示す条件を満たすようなゴルフボールの構成にすることで、ゴルフボールとゴルフクラブとの接触面積が増加すると共にクラブとの摩擦力が向上し、ドライバーショットでのバックスピン量を低減することができ、飛距離を向上することができる。
【0018】
また、本発明によれば、一般的なゴルファーのアプローチショットにおける荷重でのゴルフボールの加圧面積が、上記式2に示す条件を満たすようなゴルフボールの構成にすることで、ゴルフボールとゴルフクラブとの接触面積が増加すると共にクラブとの摩擦力が向上し、アプローチショットでのバックスピン量を増加することができ、ゴルフボールを落下地点付近でより直ぐに止めることができる。
【0019】
また、本発明によれば、ヘッドスピードの速いゴルファーのミドルアイアンを用いたショットにおける荷重でのゴルフボールの加圧面積が、上記式3に示す条件を満たすようなゴルフボールの構成にすることで、ゴルフボールとゴルフクラブとの接触面積が増加すると共にクラブとの摩擦力が向上し、、ショットでのバックスピン量を低減することができ、飛距離を向上することができる。
【0020】
また、本発明によれば、一般的なゴルファーのミドルアイアンを用いたショットにおける荷重でのゴルフボールの加圧面積が、上記式4に示す条件を満たすようなゴルフボールの構成にすることで、ゴルフボールとゴルフクラブとの接触面積が増加すると共にクラブとの摩擦力が向上し、ショットでのバックスピン量を低減することができ、飛距離を向上することができる。
【0021】
また、本発明によれば、ヘッドスピードの速いゴルファーのドライバーショットにおける荷重でのゴルフボールの加圧面積が、上記式5に示す条件を満たすようなゴルフボールの構成にすることで、ゴルフボールとゴルフクラブとの接触面積が増加すると共にクラブとの摩擦力が向上し、、ドライバーショットでのバックスピン量を低減することができ、飛距離を向上することができる。
【0022】
このような式1〜式5の条件を少なくとも1つを満たすためには、ディンプルの底面が、ディンプルの中央で、ゴルフボールの外側方向に向かって凸状に湾曲した所定の形状とすることで、ディンプル本来の空力性能を損なうことなく、所定の加圧面積を有するようにすることができる。この凸状に湾曲した形状の部分は、更にその中央の領域で、平坦な形状とすることもでき、この場合は、この平坦な領域の外縁部分は、角部分が面取りされた構成とすることで、ボール打撃時の接触面積を効果的に増加することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明に係るゴルフボールの一実施の形態を示す斜視図である。
図2図1に示すゴルフボールの一つのディンプルの拡大断面図である。
図3】本発明に係るゴルフボールの別の実施の形態を示す斜視図である。
図4図3に示すゴルフボールの一つのディンプルの拡大断面図である。
図5】ゴルフボールの一比較例を示す斜視図である。
図6図5に示すゴルフボールの一つのディンプルの拡大断面図である。
図7】本発明に係るゴルフボールの加圧面積を求める方法を説明するための一例を示す図である。
図8】本発明に係るゴルフボールの加圧面積を求める方法を説明するための他の例を示す図である。
図9】本発明に係るゴルフボールの更に別の実施の形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付図面を参照して、本発明に係るゴルフボールの一実施の形態について説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。
【0025】
本発明に係るゴルフボールは、その一実施形態として、このゴルフボールのたわみ量H(mm)と、このゴルフボールの仮想平面積S(mm)と、このゴルフボールの加圧面積PS(mm)との関係が、
PS/S/H×100≧6.25(mm−1)・・・(式1)
を満たすものである。
【0026】
ゴルフボールのたわみ量Hとは、ゴルフボールに、初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nに負荷した時までのゴルフボールのたわみ量(圧縮変形量)である。単位はmmで表す。測定温度は23℃±1、圧縮する速度は10mm/sである。通常、10個のゴルフボールを測定して平均値を求める。このたわみ量は、数値が低い方がゴルフボールが硬く、高い方が軟らかい。また、このたわみ量は、ゴルフボールのショット時にゴルファーが感じる打感や耐久性等にも影響する。よって、たわみ量の下限は、1.5mm以上が好ましく、上限は、5.0mm以下が好ましい。
【0027】
なお、このようなたわみ量(ボール硬度)を有するゴルフボールを製造するためには、特に限定されないが、コアとカバーからなるツーピース構造や、コアとカバーの間に中間層を備えるスリーピース構造などのマルチピース構造を採用することができる。コアは、主に基材ゴムにより形成することができる。基材ゴムとしては、広くゴムを用いることができ、例えば、ポリブタジエンゴム(BR)の他、スチレンブタジエンゴム(SBR)、天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリウレタンゴム(PU)、シリコーンゴムなどを用いることができるが、これらに限定されるものではない。
【0028】
コアには、主成分となる基材ゴムの他、任意に、例えば、共架橋剤、架橋剤、充填剤、老化防止剤、異性化剤、素練り促進剤、硫黄、及び有機硫黄化合物を添加することができる。また、主成分として、基材ゴムに代えて、熱可塑性エラストマー、アイオノマー樹脂、またはこれらの混合物を用いることもできる。
【0029】
カバーは、その材料として、これらに限定されないが、アイオノマー樹脂、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、熱硬化性ポリウレタン、またはこれらの混合物を主成分として使用して形成することができる。また、カバーには、上記主成分の他に、他の熱可塑性エラストマーや、ポリイソシアネート化合物、脂肪酸又はその誘導体、塩基性無機金属化合物、充填剤などを添加することができる。
【0030】
中間層は、上述したコアと同様の材料を用いて、コア的な機能を有する中間層を設けてもよいし、上述したカバーと同様の材料を用いて、カバー的な機能を有する中間層を設けてもよい。また、複数の中間層を設けてもよく、例えば、コア的な機能を有する第1の中間層とカバー的な機能を有する第2の中間層を設けてもよい。
【0031】
ゴルフボールの仮想平面積Sとは、ゴルフボールの直径に沿った断面の円の面積であって、ゴルフボール表面にディンプルが全くない場合の仮想の平面積である。よって、この仮想平面積は、ゴルフボールの直径によって定まるものである。ゴルフボールの直径は、公式の規則によって定められており、通常、42.6〜42.8mmである。仮想平面積の単位はmmで表す。
【0032】
ゴルフボールの加圧面積PSとは、所定のディンプルが配置されたゴルフボールに6864Nの荷重をかけた際に、平面に接するゴルフボールの面積をいう。なお、1961Nの荷重をかけた際は加圧面積PSといい、5883Nの荷重をかけた際は加圧面積PSといい、3922Nの荷重をかけた際は加圧面積PSといい、7845Nの荷重をかけた際は加圧面積PSという。加圧面積の単位はmmで表す。この加圧面積は、ボールにかける荷重の高低によって変わるのはもちろん、詳しくは後述するが、ディンプルの形状および配置によって大きな影響を受ける。また、この加圧面積の測定例についても後述するが、この加圧面積は、ゴルフボールの任意の一位置における測定の結果でよく、すなわち、上記式はゴルフボールの一位置で満たされていればよいものである。
【0033】
そして、このゴルフボールの加圧面積PSは、所定のショット時のゴルフクラブに対するゴルフボールの接触面積を表すものであり、本発明は、ディンプルの構造によって、この接触面積を従来よりも広くしたものであるが、この加圧面積PSは、ゴルフボールの大きさに依存し、ゴルフボールの寸法が大きいほど高くなり、ゴルフボールの寸法が小さいほど低くなることから、仮想平面積Sで除して百分率とすることで、ゴルフボールの大きさに影響されずに、ディンプルの構造による接触面積の増加を評価することができる。また、上記の加圧面積PSは、ゴルフボールのたわみ量Hに依存し、このたわみ量Hが大きいほど広くなり、このたわみ量Hが小さいほど狭くなることから、更にたわみ量Hで除することで、ゴルフボールのたわみ量にも影響されずに、ディンプルの構造による接触面積の増加を評価することができる。
【0034】
上記式1は、一般的なゴルファーのドライバーショットにおける荷重である6864Nをゴルフボールに負荷した際の式であり、この式1の値を、従来よりも高くし、6.25mm−1以上になるようにすることで、ゴルフボールとゴルフクラブとの接触面積が最適化され、ドライバーショットでのバックスピン量を低減することができる。
【0035】
また、このたわみ量Hと、仮想平面積Sと、加圧面積PSとの関係は、
PS/S/H×100≧6.80(mm−1) ・・・(式1a)
を満たすことがより好ましく、
PS/S/H×100≧7.20(mm−1) ・・・(式1b)
を満たすことが更に好ましい。
【0036】
本発明のゴルフボールは、その一実施形態として、上記の式1とは別に又は加えて、以下の式2:
PS/S/H×100≧1.85(mm−1) ・・・(式2)
を満たすものである。
【0037】
このたわみ量Hと、仮想平面積Sと、加圧面積PSとの関係は、
PS/S/H×100≧2.00(mm−1) ・・・(式2a)
を満たすことがより好ましく、
PS/S/H×100≧2.10(mm−1) ・・・(式2b)
を満たすことが更に好ましい。
【0038】
また、本発明のゴルフボールは、その一実施形態として、上記の式1、式2とは別に又は加えて、以下の式3:
PS/S/H×100≧5.40(mm−1) ・・・(式3)
を満たすものである。
【0039】
このたわみ量Hと、仮想平面積Sと、加圧面積PSとの関係は、
PS/S/H×100≧5.90(mm−1) ・・・(式3a)
を満たすことがより好ましく、
PS/S/H×100≧6.40(mm−1) ・・・(式3b)
を満たすことが更に好ましい。
【0040】
また、本発明のゴルフボールは、その一実施形態として、上記の式1、式2、式3とは別に又は加えて、以下の式4:
PS/S/H×100≧3.30(mm−1) ・・・(式4)
を満たすものである。
【0041】
このたわみ量Hと、仮想平面積Sと、加圧面積PSとの関係は、
PS/S/H×100≧3.80 ・・・(式4a)
を満たすことがより好ましく、
PS/S/H×100≧4.00 ・・・(式4b)
を満たすことが更に好ましい。
【0042】
また、本発明のゴルフボールは、その一実施形態として、上記の式1、式2、式3、式4とは別に又は加えて、以下の式5:
PS/S/H×100≧6.50(mm−1) ・・・(式5)
を満たすものである。
【0043】
このたわみ量Hと、仮想平面積Sと、加圧面積PSとの関係は、
PS/S/H×100≧7.20(mm−1) ・・・(式5a)
を満たすことがより好ましく、
PS/S/H×100≧8.00(mm−1) ・・・(式5b)
を満たすことが更に好ましい。
【0044】
次に、このような式1、式2、式3、式4、式5の少なくとも1つを満たすことができるゴルフボールの構成についての実施形態を、図1図4を用いて説明するが、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。例えば、後述する凸部を二つ以上設けたり、その中央に凸部のピークを配置するのではなく、中央から左右にずれたところにピークを配置したりしてもよく、あくまで上記式を満たす構成であればよい。
【0045】
図1及び図2に示すように、この実施の形態のゴルフボール1の表面には、複数のディンプル10が形成されている。また、ゴルフボール1の表面のうち、複数のディンプル10の間の部分を、通常、陸部20と呼んでいる。陸部20は、ゴルフボール1の球状の表面を構成するものであり、よって、陸部20は、曲率表面を有する。
【0046】
ゴルフボール1の表面に形成されるディンプル10の平面形状(すなわち、ディンプル10の外周縁12を、又はディンプル10と陸部20との境界線を、そのディンプルの真上から見た形状)は、円形や多角形、非円形等の形状であってよい。本実施の形態は、平面形状が円形のものである。このような円形の形状の場合、その直径は2〜5mmの範囲内にすることが好ましい。なお、ディンプルの平面形状が非円形の場合の一例を、図9に示す。図9に示すディンプルは、ディンプル内側に向かって凸状に湾曲した部分を複数(図では12個)組み合わせた平面形状を有している。
【0047】
そして、本実施の形態のディンプル10は、その底面の一部がボールの外側方向に向かって凸状に湾曲した形状をしている。ディンプル10のその直径に沿った断面図を図2に示す。図2に示すように、ディンプル10は、その外周縁12の一端から一端へとつながる湾曲した形状の底面14を有している。この底面14としては、その中央の領域において、ボールの外側方向に向かって凸状に湾曲した形状の部分、すなわち、中央凸状部分15と、その外周の環状の領域において、ボールの外側方向に対して凹状に湾曲した形状の部分がある。
【0048】
中央凸状部分15の両側に位置する最深点18において、深さがピークとなるように湾曲している。最深点18の平面上における位置は、ディンプルの外周縁12から中央地点16までの距離を100とすると、20〜45の範囲が好ましく、25〜40の範囲がより好ましく、30〜35の範囲内が更に好ましい。
【0049】
ディンプル10の中央凸状部分15における深さdは、ディンプルの外周縁12の両端を結ぶ線Sを基準として、中央凸状部分15の最も高い地点(中央地点16)までの垂直距離である。中央凸状部分15の深さdは、ディンプル直径によって異なるが、所定の加圧面積を得るために、例えば、その下限は、0.020mm以上が好ましく、0.025mm以上がより好ましい。また、その上限は、0.100mm以下が好ましく、0.080mm以下がより好ましい。
【0050】
ディンプル10の深さDは、ディンプルの外周縁12の両端を結ぶ線Sを基準として、ディンプル底面14の最深点18までの垂直距離である。ディンプル10の深さDは、中央凸状部分15の深さdによって異なり、例えば、中央凸状部分15の深さdよりも、0.050mm以上深くすることが好ましく、0.100mm以上深くすることがより好ましい。ディンプル10の深さDの上限は、特に限定されないが、0.200mm以下が好ましく、0.150mm以下がより好ましい。
【0051】
ディンプル10の底面14の形状は、なだらかな曲線を有することが好ましい。特に、ディンプル底面14の曲線形状は、中央凸部部分に対するエッジ角A1の下限が、2°以上であることが好ましく、3°以上であることが好ましい。このエッジ角A1の上限は、15°以下が好ましく、11°以下がより好ましい。なお、エッジ角A1は、その底面曲線上の深さdから更にその10%深い点を通る接線と、上記線Sとの角度である。
【0052】
図3及び図4に、他の実施の形態のゴルフボールを示す。この実施の形態のゴルフボール1の表面には、複数のディンプル10Aが形成されている。この実施の形態のディンプル10Aは、特に図4に示すように、その底面がディンプルの中央で、ボールの外側方向に向かって凸状に湾曲した形状をしているが、図2のように全て湾曲しておらず、その先端部分は平面となっている。
【0053】
より具体的に説明すると、ディンプル10Aの外周縁22の一端から一端へとつながる底面24は、その中央の領域において、ボールの外側方向に向かって凸状に湾曲するが、その更に中央の領域では平坦となっている形状の部分、すなわち、中央凸状部分25と、その外周の環状の領域において、ボールの外側方向に対して凹状に湾曲した形状の部分がある。
【0054】
中央凸状部分25の平坦な領域において、その両端27間の距離Wは、ディンプルの外周縁22から中央地点26までの距離を100とすると、35〜65の範囲が好ましく、40〜60の範囲がより好ましく、45〜55の範囲内が更に好ましい。
【0055】
中央凸状部分25の平坦な領域の外縁部分29は、角部分を面取りするように構成してある。このように角部分を面取りすることによって、外縁部分29が効果的に本発明の接触面積の増加に寄与でき、スピン性能を向上させることができる。この面取りの曲率半径Rは、0.4mm以上とすることが好ましく、0.5mm以上がより好ましい。また、この曲率半径Rの上限は、2.5mm以下とすることが好ましく、2.0mm以下にすることがより好ましい。
【0056】
中央凸状部分25の平坦な領域における深さdは一定である。なお、この中央凸状部分25における深さdは、上述したように、ディンプルの外周縁22の両端を結ぶ線Sを基準とするものである。中央凸状部分25の深さdは、ディンプル直径によって異なるが、所定の加圧面積を得るために、例えば、その下限は、0.020mm以上が好ましく、0.030mm以上がより好ましい。また、その上限は、0.120mm以下が好ましく、0.100mm以下がより好ましい。
【0057】
中央凸状部分25の両側の領域では、その最深点28において、深さがピークとなるように湾曲している。最深点28の平面上における位置は、ディンプルの外周縁22から中央地点26までの距離を100とすると、25〜55の範囲が好ましく、30〜50の範囲がより好ましく、35〜45の範囲内が更に好ましい。
【0058】
ディンプル10Aの深さDは、中央凸状部分25の深さdによって異なり、例えば、中央凸状部分25の深さdよりも、0.025mm以上深くすることが好ましく、0.030mm以上深くすることがより好ましい。ディンプル10Aの深さDの上限は、特に限定されないが、0.200mm以下が好ましく、0.150mm以下がより好ましい。
【0059】
ディンプル10Aの底面24の曲線形状は、中央凸部部分に対するエッジ角A2の下限が、2°以上であることが好ましく、3°以上であることが好ましい。このエッジ角A2の上限は、15°以下が好ましく、11°以下がより好ましい。なお、エッジ角A2は、その底面曲線上の深さdから更にその10%深い点を通る接線と、上記線Sとの角度である。
【0060】
ゴルフボールの表面上に形成した全てのディンプルが、上述した中央凸状形状を備える必要はなく、ディンプルの総数に対して、50%以上のディンプルが中央凸状形状を備えることが好ましく、70%以上がより好ましい。もちろん、全てのディンプルが備えるようにしてもよい。また、このような中央凸状形状を備えるディンプルは、優れた空力等方性および空気抵抗を発揮する観点から、ゴルフボール全体に均等に配置することが好ましい。
【0061】
なお、ディンプルの総数の上限は、これに限定されないが、500個以下が好ましく、450個以下がより好ましい。また、ディンプルの総数の下限は、これに限定されないが、250個以上が好ましく、300個以上がより好ましい。
【0062】
ディンプルの表面占有率SR(すなわち、ディンプルがないと仮定したゴルフボールの仮想球面の全表面積に対して、ディンプルの面積の総和が占める比率)を、70%以上とすることが好ましく、75%以上がより好ましく、80%以上が更に好ましい。ディンプルの表面占有率SRの上限は、特に限定されないが、99%以下が好ましい。特に、大きさが異なる少なくとも3種類のディンプルを配置することが好ましく、これによって、ゴルフボールの球状表面上に隙間なく均一にディンプルを配置することができる。
【0063】
ディンプルの体積占有率VR(すなわち、ディンプルがないと仮定したゴルフボールの仮想球容積に対して、ディンプルの縁に囲まれた平面から下方に形成されるディンプル容積の総和が占める比率)を0.75%以上にすることが好ましく、0.80%以上がより好ましく、1.1%以上が更に好ましい。ディンプルの体積占有率VRの上限は、1.5%以下とすることが好ましく、1.4%以下とすることがより好ましい。
【0064】
本発明に係るゴルフボールは金型により製造することができる。このような金型の作成には、3DCAD又はCAMを使用し、反転用マスター型に、全表面形状を直接3次元で削りだす手法や、又は成型用金型のキャビティ部を直接3次元で削りだす手法を用いることができる。金型のパーティングラインがゴルフボール表面の陸部を通るように金型を設計することによって、仕上げ加工(トリミング)を容易にすることができる。また、ゴルフボールの球面にディンプルを偏りなく展開するには、20面体、12面体、8面体などの多面体の他、3回転対称、5回転対称などの回転対称といった配置手法を利用することが好ましい。
【実施例】
【0065】
ゴルフボール表面に形成するディンプルおよびその断面形状について、図1図2に示す構成と、図3図4に示す構成の2種類を採用した。また、ゴルフボールの材料の構成については、たわみ量が異なるように以下に説明する4種類を採用した。そして、これらの各組み合わせである8種類のゴルフボール(実施例1〜8)について、6864N、1961N、5883N、3922N、7845Nの各荷重での加圧面積を測定し、その加圧面積を仮想平面積とたわみ量で除して100を乗じた値(PS/S/H×100)を算出した。その結果について、荷重毎に、表1〜表5に示す。
【0066】
また、比較例として、図5図6に示す構成を採用し、実施例と同じゴルフボール材料を用いて、3種類のゴルフボール(比較例1〜3)についても、実施例と同様の試験を行った。その結果を表1〜表5に合わせて示す。
【0067】
なお、ディンプルの直径およびその個数については、表6に示す。実施例および比較例のいずれのゴルフボールも、表6に示すように、6種類の直径の異なるディンプルを配置して、同一の表面占有率SRとした。これら直径の異なる6種類のディンプルのうち、代表的である直径が4.4mmのディンプルの構造は、以下の通りである。図2の断面形状のものは、中心地点の深さdが0.029mm、最深点の深さDが0.130mm、外周縁から中心地点までの距離を100として外周縁から最深点までの位置が33、エッジ角A1が3.5°である。図4の断面形状のものは、中心地点の深さdが0.097mm、最深点の深さDが0.131mm、外周縁から中心地点までの距離を100として外周縁から最深点までの位置が39、曲率半径Rは0.5mm、エッジ角A2が10.5°である。比較例の図6の断面形状では、最深点36の深さDは0.150mmである。
【0068】
ゴルフボールの加圧面積PSの測定方法は、先ず、平面上に感圧紙(富士フィルム社製の圧力測定フィルム・プレスケール中圧用)を敷き、その上に実施例1〜8および比較例1〜3の各ゴルフボールを設置し、そして、インストロン・コーポレーション製4204型を用いて、これらゴルフボールに6864N、1961N、5883N、3922N、7845Nの各荷重をかけ、ゴルフボールとの接触によって感圧紙が発色した部分の面積の総和を測定する。図7に、6864Nの荷重をかけた時に実際に発色した感圧紙を示し、図8に、1961Nの荷重をかけた時に実際に発色した感圧紙を示す。図7図8ともに、(a)が実施例1、(b)が比較例1、(c)が比較例2の場合である。発色した部分の面積は、プレスケール圧力画像解析システムFPD−9270(富士フィルム社製)を用いることで、容易に求めることができる。なお、この加圧面積は、ゴルフボールの任意の一位置における測定の結果である。
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】
【0071】
【表3】
【0072】
【表4】
【0073】
【表5】
【0074】
【表6】
【0075】
実施例および比較例のゴルフボールの作製には、たわみ量が異なるようにA〜Dの4種類の材料構成を採用した。各材料構成に用いたコアの配合については表7に、中間層の配合については表8に、カバーの配合については表9に示す。
【0076】
【表7】
【0077】
表7中のポリブタジエンAは、JSR社製、商品名「BR01」、ポリブタジエンBは、JSR社製、商品名「BR51」である。アクリル酸亜鉛は、日本触媒社製のものである。過酸化物は、ジクミルパーオキサイド、日油社製、商品名「パークミルD」である。老化防止剤は、2,2−メチレンビス(4−メチル−6−ブチルフェノール)、大内新興化学工業社製、商品名「ノクラックNS−6」である。硫酸バリウムは、商品名「バリコ#300」(ハクスイテック社製)である。酸化亜鉛は、商品名「酸化亜鉛3種」(堺化学工業社製)である。ペンタクロロチオフェノール亜鉛塩は、ZHEJIANG CHO & FU CHEMICAL社製である。
【0078】
【表8】
【0079】
【表9】
【0080】
表8中の「HPF1000」は、Dupont社製のアイオノマー樹脂である。表9中の「ハイミラン1650」は、三井・デュポンポリケミカル社製のアイオノマー樹脂である。「AN7329」は、三井・デュポンポリケミカル社製のニュクレルという商標のエチレン−メタクリル酸共重合体である。
【0081】
この実施例および比較例の各ゴルフボールのサンプルについて、バックスピン量(rpm)を測定した。その結果を表10〜12に示す。なお、各表は同一のたわみ量でまとめたものである。
【0082】
なお、バックスピン量(rpm)の測定は、ゴルフ打撃ロボットにドライバーW#1を装着して、ヘッドスピード50m/sおよび45m/s、打ち出し角11°でサンプルを打撃した場合(HS50、HS45)と、ゴルフ打撃ロボットにアイアン#6を装着して、ヘッドスピード40m/s、打ち出し角17°でサンプルを打撃した場合(IRON#6)と、ゴルフ打撃ロボットにサンドウェッジを装着して、ヘッドスピード20m/s、打ち出し角17°でサンプルを打撃した場合(AP)とを測定した。
【0083】
【表10】
【0084】
【表11】
【0085】
【表12】
【0086】
表10〜表12に示すように、たわみ量H(ボール硬度)が同一の場合、いずれのたわみ量においても、比較例1〜3のゴルフボールよりも、PS/S/H×100が所定の値以上となるようにディンプルを構成した実施例1、3、4、5、7、8のゴルフボールは、ドライバーやアイアン#6のショットではバックスピン量が低減し、アプローチショットではバックスピン量を増加させることができた。
【符号の説明】
【0087】
1 ゴルフボール
10 ディンプル
20 陸部
15、25 中央凸状部分
18、28 最深点
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9