(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の非水電解質電池は、板状に形成されているため、例えばメガネ型のウエアラブル機器のフレーム内や、ペン型のウエアラブル機器のグリップ内へ搭載することが困難である。したがって、従来技術にあっては、レイアウトの自由度の向上という点で改善の余地がある。また、例えばメガネ型のウエアラブル機器のフレームは、外力により撓み変形が生じやすい。このため、上記のようなウエアラブル機器に搭載される電気化学セルにおいては、撓み変形に対する耐久性も要求される。
【0005】
そこで本発明は、レイアウトの自由度に優れ、かつ撓み変形に対する耐久性を備えた電気化学セルおよびこの電気化学セルを備えた携帯機器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電気化学セルは、
棒状または柱状の部材を有する携帯機器に搭載される電気化学セルであって、帯状の正極体および負極体が重なるように扁平捲回されている電極体と、シートを重ねられた状態で形成されており、前記シート間に前記電極体が収容されている外装体と、前記正極体および前記負極体にそれぞれ接続され、前記外装体の外部へ導出された一対の電極端子と、を備え、前記電極体の捲回軸は、前記電極体の長手方向に対して直交するように配置され、前記一対の電極端子は、前記電極体の前記長手方向両端部から、それぞれ前記外装体の外部へ導出される、ことを特徴とする。
本発明によれば、電極体は、帯状の正極体および負極体が重なるように扁平捲回されることで長尺に形成されるため、棒状や柱状の部材を有する携帯機器に搭載できる。また、電極体は、帯状の正極体および負極体が重なるように扁平捲回されているので、電極体の各層がずれることで、電極体の各層に大きな応力を作用させることなく容易に撓み変形できる。したがって、レイアウトの自由度に優れ、かつ撓み変形に対する耐久性を備えた電気化学セルを得ることができる。
【0007】
上記の電気化学セルにおいて、前記正極体は、一端部側から他端部側に向かうに従い漸次幅が狭くなり、前記負極体は、一端部側から他端部側に向かうに従い漸次幅が狭くなり、前記正極体および前記負極体は、それぞれの前記一端部が内側に位置するように捲回され、前記捲回軸は、偏心した位置に設けられている、ことを特徴とする。
本発明によれば、正極体および負極体がそれぞれ一端部側から他端部側に向かうに従い漸次幅が狭くなるとともに、一端部が内側に位置するように捲回され、さらに捲回軸が偏心した位置に設けられているので、電極体は捲回軸から離間するに従い漸次幅が狭くなる先細り状になる。このため、外装体を電極体の形状に対応する先細り状に形成することができる。これにより、電気化学セルを太さが変化する棒状や柱状の部材を有する携帯機器に搭載することが可能となる。したがって、よりレイアウトの自由度に優れた電気化学セルを得ることができる。
【0008】
上記の電気化学セルにおいて、前記正極体は、帯状の正極集電体と、前記正極集電体の表面に形成された正極と、を有し、前記負極体は、帯状の負極集電体と、前記負極集電体の表面に形成された負極と、を有し、前記正極は、前記正極体と前記負極体とが重ねられた状態で、前記負極の外周縁よりも内側に配置されている、ことを特徴とする。
正極が負極集電体に対向して配置されると、負極集電体の表面に例えばリチウム等の溶質が析出し、この析出物が正極体に接触してショートを起こす場合がある。
本発明によれば、正極は、正極体と負極体とが重ねられた状態で、負極の外周縁よりも内側に配置されているので、正極が負極集電体に対向して配置されることを防止できる。これにより、例えばリチウム等の溶質が負極集電体上に析出することを防止できる。したがって、信頼性の高い電気化学セルを得ることができる。
【0009】
上記の電気化学セルにおいて、前記負極体に用いる負極活物質は、ケイ素を含む材料により形成されている、ことを特徴とする。
一般に、電気化学セルは、負極活物質に例えば酸化ケイ素等のケイ素を含む材料を用いることで、エネルギー密度の向上を図ることができる。しかしながら、ケイ素を含む負極活物質により形成された電極体は、他の負極活物質により形成された電極体に比べて充放電に伴う膨張収縮が大きくなる。
本発明の電極体は、例えば円柱状に捲回された電極体と比較して、平坦な領域が占める割合が大きい。このため、負極活物質にケイ素を含む材料を用いても、充放電に伴う膨張収縮を、正極体および負極体が重なる積層方向の変形で吸収することができる。したがって、レイアウトの自由度に優れ、かつ撓み変形に対する耐久性を備えた、エネルギー密度の高い電気化学セルを得ることができる。
【0010】
上記の電気化学セルにおいて、前記外装体は、前記電極体を内包するように折り返された前記シートによって形成されており、前記シートの折り目は、前記電極体の前記長手方向に沿って形成されている、ことを特徴とする。
本発明によれば、シートを電極体の長手方向に沿って折り返すことで、電極体の周囲においてシートを重ね合わせた重ね合わせ部のうち、電極体の長手方向に沿う重ね合わせ部を1箇所のみとすることができる。ここで、電気化学セルが撓み変形した際には、電極体の長手方向に沿うシートの重ね合わせ部に応力がかかる。このため、電極体の長手方向に沿うシートの重ね合わせ部を1箇所とすることで、シートの重ね合わせ部が剥離等により破損して、外装体の内部の電解質が漏液するのを防止することができる。
また、電極体の長手方向に沿うシートの重ね合わせ部を1箇所とすることで、シートの重ね合わせ部の総距離を短くすることができる。これにより、シートの重ね合わせ部を通じて外装体の内部に侵入する水分量を低減させることができる。したがって、信頼性の高い電気化学セルを得ることができる。
【0011】
上記の電気化学セルにおいて、前記外装体は、前記シートの間に前記電極体が収納された収納部を有し、前記収納部は、一半部と他半部とに分割して形成され、前記一半部および前記他半部は、前記シートにそれぞれ凹みとして形成されている、ことを特徴とする。
本発明によれば、収納部の一半部と他半部とがシートにそれぞれ凹みとして形成されているので、収納部の全体がシートに1つの凹みとして形成されている構成と比較して、収納部の深さを浅くすることができる。このため、絞り加工により形成された収納部におけるシートの強度の低下を抑制できる。したがって、高品質な電気化学セルとすることができる。
【0012】
上記の電気化学セルにおいて、前記外装体の外部において前記電極端子に接続されるリード線を有し、前記外装体は、前記シートの間に前記電極体を収納した収納部と、前記収納部の周囲において前記シートを重ね合わせた重ね合わせ部と、を有し、前記重ね合わせ部のうち、前記電極体の前記長手方向に沿う部分は、前記電極体の前記長手方向に沿って折り曲げられ、前記リード線は、前記収納部と折り曲げられた前記重ね合わせ部との間に、前記電極体の前記長手方向に沿って配置されている、ことを特徴とする。
本発明によれば、一方の電極端子に接続されたリード線を、電極体の長手方向に沿って、収納部と重ね合わせ部との間に配置することで、電気化学セルの外形寸法を大型化することなく、リード線と他方の電極端子とを電極体の一端から引き出すことができる。したがって、長手方向の一端において外部機器と接続可能な、小型な電気化学セルを得ることができる。
【0013】
本発明の携帯機器は、上記の電気化学セルを備える、ことを特徴とする。
本発明によれば、棒状や柱状の部材を有するウエアラブルな携帯機器に好適である。
【発明の効果】
【0014】
本発明の電気化学セルによれば、電極体は、帯状の正極体および負極体が重なるように扁平捲回されることで長尺に形成されるため、棒状や柱状の部材を有する携帯機器に搭載できる。また、電極体は、帯状の正極体および負極体が重なるように扁平捲回されているので、電極体の各層がずれることで、電極体の各層に大きな応力を作用させることなく容易に撓み変形できる。したがって、レイアウトの自由度に優れ、かつ撓み変形に対する耐久性を備えた電気化学セルを得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、電気化学セルとして、非水電解質二次電池の一種であるリチウムイオン二次電池(以下、単に「電池」という。)を例に挙げて説明する。
【0017】
[第1実施形態]
(電気化学セル)
最初に、第1実施形態の電気化学セルについて説明する。
図1は、第1実施形態の電気化学セルの斜視図である。
図1に示すように、電池10は、電極体20と、電解液などの非水電解質とともに電極体20を収容する外装体30と、電極体20に接続され、外装体30の外部へ導出された一対の電極端子40と、を有する。
【0018】
(電極体)
図2は、第1実施形態の電極体の斜視図である。
図3は、
図2のIII−III線における断面図である。
図2に示すように、電極体20は、帯状の正極体21および負極体25が重なるように扁平捲回された直方体状に形成されている。より具体的には、電極体20は、長尺帯状の正極体21および負極体25が、セパレータ29(
図3参照)を介して積層された状態で、互いに平行かつ離間して配置された一対の捲回軸P1,P2周りに捲回された構造を有している。つまり、電極体20は、捲回軸P1,P2の軸方向視において長円形状に形成されている。このとき、一対の捲回軸P1,P2の離間距離が、正極体21および負極体25の幅よりも大きく設定されることで、電極体20は、捲回軸P1,P2の双方に対して直交する方向を長手方向とする直方体状に形成されている。
【0019】
また、電極体20は、捲回軸P1,P2の軸方向に沿う断面視において、正極体21および負極体25がセパレータ29を挟んで交互に配列されて構成されている(
図3参照)。正極体21の一端部および負極体25の一端部は、それぞれ電極体20の捲回中心に配置されている。正極体21の他端部は、電極体20の長手方向一端部(捲回軸P1側)から外側に向かって延出されている。負極体25の他端部は、電極体20の長手方向他端部(捲回軸P2側)から外側に向かって延出されている。
【0020】
図3に示すように、正極体21は、帯状の正極集電体22と、正極集電体22の両面に形成された正極23と、を有する。
正極集電体22としては、例えばアルミニウムやアルミニウム合金により形成された長尺状の金属箔を用いることができる。
【0021】
正極23は、正極活物質、導電助剤および結着材により形成されている。正極活物質としては、例えばモリブデン酸化物やリチウムマンガン酸化物、リチウム鉄リン酸化合物、リチウムコバルト酸化物、リチウムニッケル酸化物、バナジウム酸化物等が挙げられ、モリブデン酸化物、リチウムマンガン酸化物、リチウム鉄リン酸化合物等が好適に用いられる。導電助剤としては、例えばファーネスブラックやケッチェンブラック、アセチレンブラック、グラファイト等の炭素質材料が挙げられる。導電助剤は、上記のうちの1種を単独で用いてもよく、あるいは、2種以上を組み合わせて用いてもよい。結着材としては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)やヘキサフルオロプロピレン共重合化ポリフッ化ビニリデン(PVDF-HFP)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリアクリル酸(PA)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリビニルアルコール(PVA)等が挙げられ、中でも、ポリアクリル酸が好ましく、架橋型のポリアクリル酸やその中和物がより好ましい。
【0022】
負極体25は、帯状の負極集電体26と、負極集電体26の両面に形成された負極27と、を有する。
負極集電体26としては、例えば銅や銅合金、ニッケル、ステンレス等により形成された長尺状の金属箔を用いることができる。
【0023】
負極27は、負極活物質、導電助剤および結着材により形成されている。負極活物質としては、例えばSiOx(0<x<2)やSi、シリケート等のケイ素を含む材料等が好適に用いられる。導電助剤は、正極23の導電助剤と同様のものである。結着材としては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)やスチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリアクリル酸(PA)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)等が挙げられ、中でも、ポリイミド(PI)やポリアクリル酸が好ましく、架橋型のポリアクリル酸やその中和物がより好ましい。
【0024】
セパレータ29は、ポリオレフィン製のマイクロポーラスフィルムを単層または、複数枚を積層した積層体を用いることができる。さらに、例えばアルカリガラスやホウ珪酸ガラス、石英ガラス、鉛ガラス等のガラス、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリアミド、ポリイミド(PI)等の無機材質や樹脂材料からなる不織布等を用いることができる。
【0025】
セパレータ29は、例えば帯状の負極体25の両面を挟み込むように配置されてもよい。より具体的には、セパレータ29は、負極体25の長さと同等の長さ、かつ負極体25の幅の2倍以上の幅に形成され、セパレータ29の長さ方向に沿って折り曲げられて断面V字状とされ、負極体25を挟み込む。このとき、セパレータ29の折り目に沿う一対の端辺同士を融着等により繋ぎ合わせて、セパレータ29を袋状または筒状に形成してもよい。次いで、セパレータ29に挟まれた負極体25と正極体21とを重ねた状態で、正極体21および負極体25を一対の捲回軸P1,P2周りに捲回する。これにより、正極体21と負極体25との間にセパレータ29を介在させた状態で、正極体21と負極体25とを積層することができる。
なお、セパレータ29は、上記形態に限定されず、例えば正極体21を挟み込むように配置されてもよい。また、2枚のセパレータを正極体21または負極体25の両面にそれぞれ配置することで正極体21と負極体25との間にそれぞれ介在させてもよい。このとき、2枚のセパレータのうち、正極体21または負極体25からはみ出た部分を溶断しながら貼り合せ、セパレータを袋状に形成してもよい。
【0026】
電極体20の捲回軸P1,P2の軸方向両端面(
図2参照)には、端面絶縁膜50が形成されている。端面絶縁膜50は、金属酸化物および結着材により形成されている。金属酸化物としては、酸化チタンや酸化アルミ、酸化ニオブ、酸化タングステン、一酸化ケイ素、二酸化ケイ素等を用いることができる。金属酸化物の粒径としては、粒子径分布の中央値で10μm以下が好ましく、2μm以下がより好ましい。結着材とその溶剤としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)のN−メチルピロリドン(NMP)溶液や、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)との共重合体のN−メチルピロリドン(NMP)溶液、スチレンブタジエンゴム(SBR)の分散溶液、ポリアミック酸前駆体を分散したN−メチルピロリドン(NMP)溶液等が挙げられ、中でも水を分散媒とするスチレンブタジエンゴム(SBR)分散溶液が、加熱温度が低いため好適である。端面絶縁膜50は、例えば二流体ノズルによる塗布や、ディッピングコート、シルクスクリーン印刷、ドクターブレードコート、バーコート、リバースコート、インクジェット等により形成できる。
【0027】
なお、端面絶縁膜50は、下層に金属酸化物の含有率が低い緩衝層を設け、上層に金属酸化物の含有率が高い酸化物層を設けた二層構造としてもよい。
端面絶縁膜50は、正極体21と負極体25とが電極体20の両端面において短絡することを防止するとともに、電解液を透過させて電極体20内に含浸させる。
【0028】
(外装体)
図1に示すように、外装体30は、シート31を重ね合わせて形成され、シート31間に電極体20を収容する。このとき、外装体30は、電極体20を内包するように、1枚の矩形状のシート31を折り返して重ね合わせることにより形成されている。シート31の折り目31aは、電極体20の長手方向に沿って形成されている。
【0029】
シート31は、金属箔と、重ね合わせ面(内側面)に設けられた樹脂層と、外側面に設けられた保護層と、を有するラミネートフィルムである。金属箔は、例えばアルミニウムやステンレスなどの酸素や水分を遮断する金属材料を用いて形成され、予め防錆処理を施すことができる。重ね合わせ面の樹脂層は、例えば、ポリオレフィンのポリエチレンやポリプロピレン、アイオノマー、エチレン‐メタクリレート共重合樹脂などの熱可塑性樹脂を用いて形成される。外側面の保護層は、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、またはナイロン樹脂を用いて形成される。重ね合わせ面の樹脂層および外側面の保護層は、それぞれ金属箔との間に接合層を介して、熱融着または接着剤により接合される。
【0030】
シート31は、重ね合わせ面の樹脂層同士が接触するように重ね合わされ、折り目31aを除く3辺が熱融着されている。外装体30は、シート31の間に電極体20を収納した収納部32と、収納部32の周囲においてシート31を重ね合わせた重ね合わせ部33と、を有する。
収納部32は、シート31のうち折り目31aにより分割された二領域のうちの一方に、電極体20を包み込むカップ状の凹みとして形成されている。収納部32は、電極体20の形状に対応した直方体状に形成され、長手方向に沿う1辺がシート31の折り目31aと一致するように形成されている。収納部32には、電極体20が収納され、電極体20の正極体21および負極体25の積層方向と、シート31の重ね合わせ方向とが一致するように配置されている。
【0031】
図4は、第1実施形態の電気化学セルの正面図である。
図1および
図4に示すように、重ね合わせ部33には、収納部32を密封するようにシート31が熱融着された熱融着部34が、重ね合わせ部33の形状に対応して形成されている。熱融着部34は、重ね合わせたシート31の樹脂層同士を融点程度まで加熱することで形成される。重ね合わせ部33のうち、収納部32の長手方向に沿う部分は、収納部32の長手方向に沿って収納部32に向かって折り曲げられている。
【0032】
以下、外装体30の形成方法について説明する。
図5〜7は、外装体の形成工程を示す平面図である。
図5に示すように、まず平板状のステージ部材上にシート31を載置し、シート31上に後述する電極端子40が接続された電極体20を載置する。このとき、電極体20の捲回軸P1,P2がシート31の面方向に沿うように電極体20を配置する。
【0033】
次に、
図6に示すように、シート31を電極体20の長手方向に沿って折り返し、電極体20を挟んだ状態でシート31同士を重ね合わせる。これにより折り目31aと、収納部32と、収納部32の周囲においてシート31が重ね合わされた重ね合わせ部33とが形成される。次いで、重ね合わせ部33のうち、電極体20の長手方向における両端縁を、電極端子40を挟んだ状態で熱融着する。これによりシート31は、電極体20を挟んで折り目31aとは反対側の重ね合わせ部33が開口した袋状に形成される。次いで、袋状のシート31の開口からシート31の内部に電解液を注入する。
【0034】
次に、
図7に示すように、電極体20を挟んで折り目31aとは反対側の重ね合わせ部33を熱融着する。このように、重ね合わせ部33を全体に亘って熱融着して熱融着部34を形成することにより、電極体20を密封した状態で収容する外装体30が形成される。
最後に、重ね合わせ部33のうち電極体20の長手方向に沿う部分を収納部32に向かって折り曲げる(
図1および
図4参照)。これにより、上面視における外装体30の外形寸法を小さくすることができる。このとき、折り曲げられた重ね合わせ部33を絶縁テープ等により収納部32に対して固定してもよい。さらにこのとき、重ね合わせ部33の端縁(シート31の端縁)を被覆するように絶縁テープを貼り付けることで、シート31の端縁に露出した金属箔が電池負極と短絡して腐食することを防止できる。
【0035】
(電極端子)
図1に戻り、一対の電極端子40は、正極端子41と、負極端子42とを含んでいる。
正極端子41は、アルミニウムやアルミニウム合金等により、タブ状に形成されている。正極端子41は、外装体30の収納部32の内部において、電極体20の正極体21(正極集電体22)の他端部に接続され、外装体30の重ね合わせ部33と交差して外装体30の外部へ導出されている。
負極端子42は、ニッケルやステンレス等により、タブ状に形成されている。負極端子42は、外装体30の収納部32の内部において電極体20の負極体25(負極集電体26)の他端部に接続され、外装体30の重ね合わせ部33と交差して外装体30の外部へ導出されている。
【0036】
なお、電極端子40は、外装体30の熱融着部34と交差する位置において、タブフィルムを有してもよい。タブフィルムは、シート31の樹脂層と同様に熱可塑性樹脂により形成され、シート31とともに熱融着されることで、電極端子40の引き出し位置における外装体30内部の密閉性を高めることができる。
【0037】
このように、本実施形態の電池10は、帯状の正極体21および負極体25が重なるように扁平捲回された直方体状の電極体20と、シート31を重ね合わせて形成され、シート31間に電極体20を収容する外装体30と、正極体21および負極体25にそれぞれ接続され、外装体30の外部へ導出された一対の電極端子40と、を備える。電極体20の捲回軸P1,P2は、電極体20の長手方向に対して直交するように配置されている。一対の電極端子40は、電極体20の長手方向両端部から、それぞれ外装体30の外部へ導出されている。
この構成によれば、電極体20は、帯状の正極体21および負極体25が重なるように扁平捲回されることで長尺に形成されているため、棒状や柱状の部材を有する携帯機器に搭載できる。また、電極体20は、帯状の正極体21および負極体25が重なるように扁平捲回されているので、電極体20の各層がずれることで、電極体20の各層に大きな応力を作用させることなく容易に撓み変形できる。したがって、レイアウトの自由度に優れ、かつ撓み変形に対する耐久性を備えた電池10を得ることができる。
【0038】
また、負極27を形成する負極活物質は、ケイ素を含む材料により形成されている。
一般に、電池10は、負極活物質に例えば酸化ケイ素等のケイ素を含む材料を用いることで、エネルギー密度の向上を図ることができる。しかしながら、ケイ素を含む負極活物質により形成された電極体20は、他の負極活物質により形成された電極体に比べて充放電に伴う膨張収縮が大きくなる。
電極体20は、例えば円柱状に捲回された電極体と比較して、平坦な領域が占める割合が大きい。このため、負極活物質にケイ素を含む材料を用いても、充放電に伴う膨張収縮を、正極体21および負極体25が重なる積層方向の変形で吸収することができる。したがって、レイアウトの自由度に優れ、かつ撓み変形に対する耐久性を備えた、エネルギー密度の高い電気化学セルを得ることができる。
【0039】
また、外装体30は、電極体20を内包するようにシート31を折り返すことで重ね合わせて形成され、シート31の折り目31aは、電極体20の長手方向に沿って形成されている。
この構成によれば、シート31を電極体20の長手方向に沿って折り返すことで、重ね合わせ部33のうち、電極体20の長手方向に沿う重ね合わせ部33を1箇所のみとすることができる。ここで、電池10が撓み変形した際には、電極体20の長手方向に沿う重ね合わせ部33に応力がかかる。このため、電極体20の長手方向に沿う重ね合わせ部33を1箇所とすることで、重ね合わせ部33が剥離等により破損して、外装体30の内部の電解液が漏液するのを防止することができる。
また、電極体20の長手方向に沿う重ね合わせ部33を1箇所とすることで、重ね合わせ部33の総距離を短くすることができる。これにより、重ね合わせ部33を通じて外装体30の内部に侵入する水分量を低減させることができる。したがって、信頼性の高い電池10を得ることができる。
【0040】
[第1実施形態の変形例]
次に、第1実施形態の第1変形例について説明する。
図8は、第1実施形態の第1変形例に係る電気化学セルの斜視図である。
図8に示す第1実施形態の第1変形例の電池110は、負極端子42に接続されたリード線45を有する点で、
図1に示す電池10と異なっている。なお、
図1に示す電池10と同様の構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0041】
図8に示すように、電池110は、外装体30の外部において負極端子42に接続されるリード線45を有する。
リード線45は、電極体20の長手方向における外装体30の長さよりもやや長く形成されている。リード線45は、両端部において芯線が露出しており、一端部の芯線が負極端子42に対してハンダ付けや溶着等により接続されている。リード線45は、収納部32と、収納部32に向かって折り曲げられた重ね合わせ部33と、の間に、収納部32の長手方向(電極体20の長手方向)に沿って配置されている。
【0042】
なお、リード線45は、一端部が負極端子42に接続され、他端部が外装体30における正極端子41が導出されている端部側に配置されているが、これに限定されない。リード線45は、他端部が正極端子41に接続され、一端部が外装体30における負極端子42が導出されている端部側に配置される構成であってもよい。
また、リード線45の形状は、
図8に示す断面円形状に限定されず、例えば帯状であってもよい。
【0043】
このように、本変形例の電池110は、外装体30の外部において電極端子40に接続されるリード線45を有する。リード線45は、収納部32と折り曲げられた重ね合わせ部33との間に、電極体20の長手方向(収納部32の長手方向)に沿って配置されている。
この構成によれば、一方の電極端子40に接続されたリード線45を、電極体20の長手方向に沿って、収納部32と重ね合わせ部33との間に配置することで、電池110の外形寸法を大型化することなく、リード線45と他方の電極端子40とを電極体20の一端から引き出すことができる。したがって、長手方向の一端において外部機器と接続可能な、小型な電池110を得ることができる。
【0044】
なお、上記第1実施形態およびその第1変形例では、収納部32は、角部を有する直方体状に形成されているが、これに限定されるものではない。
図9は、第1実施形態の第2変形例に係る電気化学セル(電池210)の斜視図である。
図9に示すように、収納部232の長手方向における端部は、電極体20の端部の形状に倣って、曲面状に形成されていてもよい。
【0045】
また、上記第1実施形態およびその各変形例では、収納部32,232は、シート31のうち折り目31aにより分割された二領域のうちの一方に凹みとして形成されているが、これに限定されるものではない。
図10は、第1実施形態の第3変形例に係る電気化学セル(電池310)の斜視図である。
図11は、第1実施形態の第3変形例に係るシートの斜視図である。
【0046】
図10に示すように、収納部332は、電極体20の形状に対応して形成されている。収納部332は、捲回軸P1,P2の軸方向から見て長円形状に形成され、収納部332の長手方向における両端部が曲面状に形成されている。収納部332は、一半部332Aと他半部332Bとに、シート31の重ね合わせ方向に分割して形成されている。一半部332Aおよび他半部332Bは、シート31にそれぞれ凹みとして形成されている。より詳細に、
図11に示すように、シート31のうち折り目31aにより分割された二領域のうち一方に、収納部332の一半部332Aが形成され、シート31のうち折り目31aにより分割された二領域のうち他方に、収納部332の他半部332Bが形成されている。収納部332の一半部332Aと他半部332Bとは、シート31の重ね合わせ面に対して対称に形成されている。収納部の一半部332Aおよび他半部332Bの開口端同士を重ね合わせることで、収納部332が形成されている。
【0047】
このように、本変形例によれば、収納部332の一半部332Aと他半部332Bとがシート31にそれぞれ凹みとして形成されているので、収納部の全体がシートに1つの凹みとして形成されている構成と比較して、収納部332の深さを浅くすることができる。このため、絞り加工により形成された収納部332におけるシート31の強度の低下を抑制できる。したがって、高品質な電池310とすることができる。
【0048】
なお、上記第1実施形態の第2変形例では、収納部332の一半部332Aと他半部332Bとは、シート31の重ね合わせ面に対して対称に形成されているが、これに限定されるものではない。
図12は、第1実施形態の第4変形例に係る電気化学セル(電池410)の斜視図である。
例えば、
図12に示すように、収納部432の一半部432Aと他半部432Bとは、シート31の重ね合わせ面に対して非対称に形成されていてもよい。より詳細に、
図12に示す例では、収納部432の一半部432Aは、その長手方向における両端部に角部を有する直方体状に形成されている。また、収納部432の他半部432Bの長手方向における両端部は、電極体20の端部の形状に倣って、曲面状に形成されている。
【0049】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態の電気化学セルについて説明する。
図13は、第2実施形態の電気化学セルの斜視図である。
図1に示す第1実施形態では、収納部32は、直方体状に形成され、長手方向において略一様に形成されている。これに対して、
図13に示す第2実施形態では、収納部432は長尺に形成され、収納部432の長手方向における一端部側から他端部側に向かうに従い漸次細くなるように形成されている点で、第1実施形態と異なっている。なお、
図1から
図4に示す第1実施形態と同様の構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0050】
図13に示すように、電池510は、電極体520と、電極体520を収容する外装体530と、電極体520に接続され、外装体530の外部へ導出された一対の電極端子40と、を有する。
【0051】
図14は、第2実施形態の正極体の平面図である。
電極体520は、帯状の正極体521および負極体525を有する。
図14に示すように、正極体521は、後述する一対の接続部522bを除き、一端部側から他端部側に向かうに従い漸次幅が狭くなるように形成されている。正極体521は、その長手方向に沿う中心線に対して対称に形成されている。正極体521は、帯状の正極集電体522と、正極集電体522の両面に形成された正極523と、を有する。
【0052】
正極集電体522は、正極体521の外形形状をなしている。正極集電体522は、その長手方向における一端部側から他端部側に向かうに従い漸次幅が狭くなるように形成された本体部522aと、本体部522aの両端部から延出する一対の接続部522bと、を有する。正極集電体522の他端部に設けられた接続部522bには、電極端子40の正極端子41(
図13参照)が接続される。正極523は、正極集電体522の本体部522aの両面に形成されている。
【0053】
図15は、第2実施形態の負極体の平面図である。
図15に示すように、負極体525は、後述する一対の接続部526bを除き、一端部側から他端部側に向かうに従い漸次幅が狭くなるように形成されている。負極体525は、その長手方向に沿う中心線に対して対称に形成されている。負極体525は、帯状の負極集電体526と、負極集電体526の両面に形成された負極527と、を有する。
【0054】
負極集電体526は、負極体525の外形形状をなしている。負極集電体526は、その長手方向における一端部側から他端部側に向かうに従い漸次幅が狭くなるように形成された本体部526aと、本体部526aの両端部から延出する一対の接続部526bと、を有する。負極集電体526の他端部に設けられた接続部526bには、電極端子40の負極端子42(
図13参照)が接続される。負極527は、負極集電体526の本体部526aの両面に形成されている。
【0055】
ここで、
図14および
図15に示すように、正極523の平面視形状は、負極527の平面視形状よりも小さく、例えば相似形状となっている。より詳細に、正極体521の長手方向における正極523の長さL1は、負極体525の長手方向における負極527の長さL2よりも短くなっている。また、正極523の一端部における幅W1は、負極527の一端部における幅W2よりも狭くなっている。さらに、正極523の他端部における幅W3は、負極527の他端部における幅W4よりも狭くなっている。
【0056】
図16は、第2実施形態の電極体を模式的に示した平面図である。
図17は、第2実施形態の電極体を模式的に示した側面図である。
図16および
図17に示すように、電極体520は、セパレータ(不図示)を挟んで正極体521と負極体525とを重ねた状態で捲回されることで形成されている。このとき、正極523は、正極体521と負極体525との重ね合わせ方向から見て、負極527の外周縁よりも内側に位置するように配置される。
【0057】
以下、電極体520の捲回構造について詳述する。
正極体521および負極体525は、それぞれの幅広の一端部が内側に位置するように、互いに平行かつ離間して配置された一対の捲回軸P3,P4周りに捲回されている。このとき、正極体521および負極体525は、捲回軸P3の周りにおいて、1層内側に捲回された正極体521および負極体525にセパレータを介して密接するように捲回される。また、正極体521および負極体525は、捲回軸P4の周りにおいて、1層内側に捲回された正極体521および負極体525から、捲回軸P3,P4の離間方向に離れた位置において180°折曲されている。このように正極体521および負極体525が捲回されることで、捲回軸P3,P4は、捲回軸P3,P4の離間方向における電極体520の中心に対して非対称の位置に設けられた状態となる。すなわち、捲回軸P3,P4は、偏心した位置に設けられた状態となる。また、
図16に示すように、電極体520は、捲回軸P4から捲回軸P3とは反対側に向かうに従い、捲回軸P3,P4の軸方向における幅が段階的に狭くなっている。さらに、
図17に示すように、電極体520は、捲回軸P4から捲回軸P3とは反対側に向かうに従い、正極体521および負極体525の積層方向における厚さが段階的に薄くなっている。よって、電極体520は、捲回軸P3,P4の離間方向において先細り状となっている。
【0058】
図13に示すように、外装体530は、シート531を折り目531aにおいて折り返して重ね合わせることで形成され、シート531間に電極体520を収容する。外装体530は、シート531の間に電極体520を収納した収納部532と、収納部532の周囲においてシート531を重ね合わせた重ね合わせ部533と、を有する。重ね合わせ部533には、収納部532を密封するようにシート531が熱融着された熱融着部534が形成されている。熱融着部534は、重ね合わせ部533の形状に対応して形成されている。
【0059】
収納部532には、電極体520が正極体521および負極体525の積層方向と、シート531の重ね合わせ方向と、を一致させた状態で配置されている。収納部532は、シート531のうち折り目531aにより分割された二領域のうちの一方に、電極体520を包み込むカップ状の凹みとして形成されている。収納部532は、電極体520の形状に対応した形状に形成されている。より詳細に、収納部532は、シート531の重ね合わせ方向に直交する第1方向に沿って長尺に形成されている。収納部532は、その一端部から他端部に向かうに従い、内側の深さが浅くなるように形成されている。また、収納部532は、その一端部から他端部に向かうに従い、シート531の重ね合わせ方向および前記第1方向に直交する第2方向における幅が狭くなるように形成されている。収納部532の一端部は、電極体520の捲回軸P3側の端部に倣って、曲面状に形成されている。
【0060】
このように、本実施形態によれば、正極体521および負極体525がそれぞれ一端部側から他端部側に向かうに従い漸次幅が狭くなるとともに、一端部が内側に位置するように捲回され、さらに捲回軸P3,P4が偏心した位置に設けられているので、電極体520を捲回軸P3,P4から離間するに従い漸次幅が狭くなる先細り状に形成することができる。このため、外装体530を電極体520の形状に対応させて、先細り状に形成することができる。これにより、太さが変化する棒状や柱状の部材を有する携帯機器に搭載できる。したがって、よりレイアウトの自由度に優れた電池510を得ることができる。
【0061】
また一般に、正極が負極集電体に対向して配置されると、負極集電体の表面に例えばリチウム等の溶質が析出し、この析出物が正極体に接触してショートを起こす場合がある。
本実施形態によれば、正極523は、正極体521と負極体525とが重ねられた状態で、負極527の外周縁よりも内側に配置されているので、正極523が負極集電体526に対向して配置されることを防止できる。これにより、例えばリチウム等の溶質が負極集電体526上に析出することを防止できる。したがって、信頼性の高い電池510を得ることができる。
【0062】
[第2実施形態の変形例]
次に、第2実施形態の第1変形例の電気化学セルについて説明する。
図18は、第2実施形態の第1変形例に係る正極体の平面図である。
図19は、第2実施形態の第1変形例に係る負極体の平面図である。
図14および
図15に示す第2実施形態では、正極集電体522および負極集電体526は、それぞれの長手方向に沿う中心線に対して両側縁が線対称に形成されている。これに対して、
図18および
図19に示す第2実施形態の第1変形例では、正極集電体522および負極集電体526は、それぞれの長手方向に沿う中心線に対して両側縁が非対称に形成されている点で、第2実施形態と異なっている。なお、
図13から
図17に示す第2実施形態と同様の構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0063】
図18に示すように、正極体621は、帯状に形成され、後述する一対の接続部622bを除き、一端部側から他端部側に向かうに従い漸次幅が狭くなっている。正極体621は、その長手方向に沿う中心線に対して、正極体621の長手方向に沿うように延びる両側縁が非対称に形成されている。より詳細に、正極体621の側縁の一方は、正極体621の長手方向と平行に設けられ、他方は、正極体621の長手方向に対して傾斜している。正極体621は、帯状の正極集電体622と、正極集電体622の両面に形成された正極623と、を有する。正極集電体622は、正極体621の外形形状をなしている。正極集電体622は、その長手方向における一端部側から他端部側に向かうに従い漸次幅が狭くなるように形成された本体部622aと、本体部622aの両端部から延出する一対の接続部622bと、を有する。正極623は、正極集電体622の本体部622aの両面に形成されている。
【0064】
図19に示すように、負極体625は、帯状に形成され、一端部側から他端部側に向かうに従い漸次幅が狭くなっている。負極体625は、その長手方向に沿う中心線に対して、負極体625の長手方向に沿うように延びる両側縁が非対称に形成されている。より詳細に、負極体625の側縁の一方は、負極体625の長手方向と平行に設けられ、他方は、負極体625の長手方向に対して傾斜している。負極体625は、帯状の負極集電体626と、負極集電体626の両面に形成された負極627と、を有する。負極集電体626は、負極体625の外形形状をなしている。負極集電体626は、その長手方向における一端部側から他端部側に向かうに従い漸次幅が狭くなるように形成された本体部626aと、本体部626aの両端部から延出する一対の接続部626bと、を有する。負極627は、負極集電体626の本体部626aの両面に形成されている。
【0065】
ここで、
図18および
図19に示すように、正極623の平面視形状は、負極627の平面視形状よりも小さく、例えば相似形状となっている。より詳細に、正極体621の長手方向における正極623の長さL3は、負極体625の長手方向における負極627の長さL4よりも小さくなっている。また、正極623の一端部における幅W5は、負極627の一端部における幅W6よりも狭くなっている。さらに、正極623の他端部における幅W7は、負極627の他端部における幅W8よりも狭くなっている。
【0066】
図20は、第2実施形態の第1変形例に係る電極体を模式的に示した平面図である。
図20に示すように、電極体620は、セパレータ(不図示)を挟んで正極体621と負極体625とを重ねた状態で捲回されることで形成されている。このとき、正極623は、正極体621と負極体625との重ね合わせ方向から見て、負極627の外周縁よりも内側に位置するように配置される。
【0067】
正極体621および負極体625は、
図17に示す第2実施形態における正極体521および負極体525と同様に、一対の捲回軸P3,P4周りに捲回されている。すなわち、正極体621および負極体625は、それぞれの幅広の一端部が内側に位置するように、互いに平行かつ離間して配置された一対の捲回軸P3,P4周りに捲回されている。このとき、正極体621および負極体625は、捲回軸P3の周りにおいて、1層内側に捲回された正極体621および負極体625にセパレータを介して密接するように捲回される。また、正極体621および負極体625は、捲回軸P4の周りにおいて、1層内側に捲回された正極体621および負極体625から、捲回軸P3,P4の離間方向に離れた位置において180°折曲されている。これにより、電極体620は、捲回軸P4から捲回軸P3とは反対側に向かうに従い、捲回軸P3,P4の軸方向における幅が段階的に狭くなっている。さらに、電極体620は、捲回軸P4から捲回軸P3とは反対側に向かうに従い、捲回軸P3,P4の軸方向、および捲回軸P3,P4の離間方向に直交する方向における厚さが段階的に薄くなっている。よって、電極体620は、捲回軸P3,P4の離間方向において先細り状となっている。
【0068】
次に、第2実施形態の第2変形例の電気化学セルについて説明する。
なお、上記第2実施形態では、収納部532は、シート531のうち折り目531aにより分割された二領域のうちの一方に形成されているが、これに限定されるものではない。
図21は、第2実施形態の第2変形例に係る電気化学セル(電池710)の斜視図である。
例えば、
図21に示すように、外装体730の収納部732は、一半部732Aと他半部732Bとに、シート731の重ね合わせ方向に分割して形成され、一半部732Aおよび他半部732Bがシート731にそれぞれ凹みとして形成されてもよい。より詳細に、
図21に示す例では、シート731のうち折り目731aにより分割された二領域のうち一方に、収納部732の一半部732Aが形成され、シート731のうち折り目731aにより分割された二領域のうち他方に、収納部732の他半部732Bが形成されている。収納部732の一半部732Aと他半部732Bとは、シート731の重ね合わせ面に対して対称に形成されている。収納部の一半部732Aおよび他半部732Bの開口端同士を重ね合わせることで、収納部732が形成されている。
【0069】
(携帯機器)
次に、本発明に係る携帯機器の一実施形態について、
図22を参照して説明する。
図22は、携帯機器の一実施形態を示す構成図である。なお、携帯機器として、上述した電池10を有するメガネ型の表示装置1を例にして説明する。ただし、表示装置1が備える電池は、電池10に限定されず、上述した電池110,210,310,410,510,710のうちいずれかであってもよい。
【0070】
図22に示すように、表示装置1は、テンプル3およびリム4を有する本体2と、リム4に支持された表示部5と、を備えている。表示装置1は、使用者の頭部に装着可能に構成され、表示部5が使用者に画像を視認させることができるように構成されている。
長尺に形成されたテンプル3には、制御部7と電池10とが埋め込まれている。制御部7には、制御回路や電源回路等が実装されており、不図示の配線を介して表示部5の各部に接続されている。電池10は、制御部7に接続され、充電および制御部7への給電が可能となるように構成されている。
したがって、表示装置1は、棒状や柱状の部材を有するウエアラブルな携帯機器に好適である。
【0071】
なお、本発明は、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、上記第1実施形態においては、外装体30の重ね合わせ部33は、収納部32に向かって折り曲げられているが、これに限定されるものではない。例えば、
図23に示すように、重ね合わせ部33は、シート31の重ね合わせ方向における、収納部32とは反対の方向に折り返されてもよい。また、重ね合わせ部33は、折り曲げられない構成であってもよい。
【0072】
また、上記各実施形態においては、電気化学セルの一例として、非水電解質二次電池を例に挙げて説明したが、この場合に限定されず、電気二重層キャパシタや一次電池等に上述した構成を適用することができる。
また、上記各実施形態においては、電池10,110,210,310,410,510,610,710は保護回路基板を備えていないが、搭載先の機器の仕様に応じて保護回路基板を有する構成であってもよい。
【0073】
また、上記実施形態においては、正極および負極がそれぞれ正極集電体および負極集電体の両面に形成されているが、これに限定されず、片面に形成されてもよい。この場合には、正極集電体および負極集電体における正極または負極が形成されていない面に、絶縁処理を施すことが望ましい。
【0074】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。