(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
車輌のシャーシとタンクとの間に介在する架台であって、前記シャーシの長手方向に沿って、幅方向に所定の間隔をおいて配設可能な複数の梁部材と;これらの梁部材の少なくとも両側部に取り付けられた複数の取付部材と;前記梁部材及び/又は取付部材に配設され、前記タンクと外部ユニットとに接続可能な配管とを備え、前記梁部材及び取付部材が、前記シャーシ及びタンクに対してそれぞれ着脱可能であり、
前記配管が、タンクに対する接続部を有し、長手方向に延びるメイン配管と;このメイン配管から分岐し、外部ユニットに対する接続部を有するサブ配管とを備えており;このサブ配管が、前記メイン配管から少なくとも一方の幅方向に分岐して、車両又は架台の少なくとも一方の側部に延びた形態で、少なくとも梁部材に形成された収容横断部としての貫通孔及び/又は切り欠き部に挿入又は配設可能であり、かつ幅方向の側部方向にいくにつれて下方に傾斜している、架台。
複数の梁部材の間に、長手方向に所定の間隔をおいて複数の架設部材が取り付けられ;取付部材と梁部材とが筋交い状の補強部材で連結されている請求項1又は2記載の架台。
タンクがコンテナ枠に取り付けられ、取付部材の両端部と前記コンテナ枠とが連結可能であり、幅方向の外側に位置する梁部材とシャーシとが連結可能である請求項1〜3のいずれかに記載の架台。
シャーシの長手方向に沿って、幅方向に所定の間隔をおいて配設可能な2つの梁部材と;これらの梁部材の両側部に取り付けられた取付部材と;前記梁部材及び/又は取付部材を横断して形成され、配管の少なくとも一部が収容可能な収容横断部と;この収容横断部に配設され、タンクの接続口に対して接続可能な接続部を有するメイン配管と;このメイン配管から分岐し、梁部材及び/又は取付部材の収容横断部に配設され、外部ユニットの接続口に対して接続可能な接続部を有するサブ配管とを備えている請求項1〜4のいずれかに記載の架台。
メイン配管に取り付けられ、流路を切り換えるための流路切り換えバルブと、このバルブを操作するための切り換え操作部とを備えており;メイン配管から幅方向及び後方向のうち少なくとも1つの方向に分岐したサブ配管が、開閉バルブを備えた開閉ユニットを有している請求項2〜7のいずれかに記載の架台。
車輌の後方から前方にいくにつれてシャーシが下方に傾斜しており;後方の取付部材に形成された収容横断部に、タンクに対する接続部を備えたメイン配管が長手方向に延びて配設され、後方にいくにつれて前記メイン配管が上方に傾斜しており;前記メイン配管から分岐し、外部ユニットに対する接続部を有するサブ配管が、梁部材及び/又は取付部材に形成された収容横断部に配設された形態で延び、前記サブ配管が外部ユニットに対する接続部の方向にいくにつれて下方に傾斜しており;前記サブ配管の分岐部よりもタンクとの接続部側のメイン配管に、車両の駆動系で作動可能なポンプが接続されている請求項1〜8のいずれかに記載の架台。
配管が、流体が流通可能な第1の流路と、この流路の流体の温度を調整するための媒体が流通可能な第2の流路とを有する多重構造を有しており、第2の流路に媒体を供給するための二次配管が、梁部材、取付部材及び架設部材から選択された少なくとも1つの部材を横断した形態で、当該部材に固定されている請求項1〜10のいずれかに記載の架台。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明の目的は、タンクを容易に交換でき、車輌の稼働率を向上するのに有用な架台と、この架台を備えたタンク搭載車輌を提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、配管の自由度が高く、シャーシとタンクとの間にポンプも配置可能な架台と、この架台を備えたタンク搭載車輌を提供することにある。
【0010】
本発明のさらに他の目的は、車輌の停止位置及び停止方向に制約されることなく、車輌の任意の箇所、例えば、タンクの両側部及び/又は後端部において、タンクの流体の流通(タンク内への流体の注入又はタンクからの流体の吐出(又は抜き取り))が可能な架台と、この架台を備えたタンク搭載車輌を提供することにある。
【0011】
本発明の別の目的は、配管内の残液を低減可能であり、タンク交換と配管だけの洗浄で、異なる種類のタンク内容物の変更に対応可能な架台と、この架台を備えたタンク搭載車輌を提供することにある。
【0012】
本発明のさらに別の目的は、高い強度を維持しつつ軽量化できるとともに、配管構造の補修も容易な架台と、この架台を備えたタンク搭載車輌を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者は、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、車輌のシャーシとタンクとの間に所定の形態(例えば、井桁状)の架台を着脱可能に配設すると、タンクだけを円滑に交換でき、車輌の稼働率を大きく改善できること、前記架台の高さ空間を利用して配管すると、配管の自由度を大きく改善できることを見いだし、本発明を完成した。
【0014】
すなわち、本発明の架台は、車輌のシャーシとタンクとの間に介在しており;前記シャーシの長手方向に沿って、幅方向に所定の間隔をおいて配設可能な複数の梁部材と;これらの梁部材の両側部(少なくとも両側部)に取り付けられた取付部材(複数の取付部材)と;梁部材及び/又は取付部材に配設され(又は横断した形態で配設され)、前記タンクと外部ユニットとに接続可能な配管とを備えており、前記梁部材及び取付部材が、前記シャーシ及びタンクに対してそれぞれ着脱可能である。このような架台では、車輌のシャーシに対して着脱可能であるとともに、タンクも着脱可能であるため、タンクを交換でき、車輌の稼働率を改善できる。また、架台の高さ空間を利用して、配管することができ、配管の自由度を大きく改善でき、シャーシとタンクとの間にポンプも配置できる。
【0015】
前記複数の梁部材の間には、長手方向に所定の間隔をおいて複数の架設部材を取り付けてもよい。また、取付部材と梁部材とは筋交い状の補強部材で連結してもよい。そのような架設部材及び/又は補強部材により、軽量化しつつ架台を有効に補強できる。
【0016】
前記タンクはコンテナ枠に取り付けて、コンテナタンクを形成してもよい。このようなコンテナタンクにおいて、取付部材の両端部と前記コンテナ枠とが連結可能であってもよく、幅方向の外側に位置する梁部材とシャーシとが連結可能であってもよい。また、タンクは、複数室に区画されていてもよく、一室仕様のタンクであってもよい。
【0017】
前記配管は、少なくとも取付部材を横断した形態(横切る形態)で取り付け(例えば、交換可能に固定し)てもよく、配管は、例えば、取付部材の上部壁又は下部壁を除く下部又は上部を貫通した形態、取付部材の下部又は上部に形成された切り欠き部に挿入した形態で、配管を取付部材に取り付け(例えば、交換可能に固定し)てもよい。
【0018】
なお、配管は、通常、前記タンクの接続口に対して接続可能な接続部と、流路開閉バルブを介して、この接続部と連通して系外のユニット(外部ユニット)の接続口に対して接続可能な接続部とを有しており、前記タンクと系外のユニットとの間で流体を流通可能である。例えば、配管は、タンクに対する接続部を有するメイン配管と、このメイン配管から分岐し、外部ユニットに対する接続部を有するサブ配管とを備えていてもよい。
【0019】
より具体的には、架台は、シャーシの長手方向に沿って、幅方向に所定の間隔をおいて配設可能な2つの梁部材と;これらの梁部材の両側部に取り付けられた取付部材と;前記梁部材及び/又は取付部材を横断して形成され、配管の少なくとも一部が収容可能な収容横断部と;この収容横断部に配設され(例えば、収容横断部の横断方向に延びた形態で配設又は延びて)、タンクの接続口に対して接続可能な接続部を有するメイン配管と;このメイン配管から分岐し、梁部材及び/又は取付部材の収容横断部に配設され(例えば、収容横断部の横断方向に延びた形態で配設又は延び)、外部ユニットの接続口に対して接続可能な接続部を有するサブ配管とを備えていてもよい。例えば、シャーシの長手方向に沿って、幅方向に所定の間隔をおいて配設可能な2つの梁部材を備えていてもよく、これらの梁部材の両側部に幅方向に延びた取付部材(例えば、幅方向に延びて取付部材)を取り付けてもよい。前記梁部材及び/又は取付部材、例えば、車輌の後方に位置する取付部材には、配管の少なくとも一部(一部又は全部)が収容可能な収容横断部を横断して(横切って)形成してもよく、この収容横断部は、前記梁部材及び/又は取付部材の下部及び/上部に形成された切り欠き部(例えば、半円形状の切り欠き部又は挿通部など)であってもよく、前記梁部材及び/又は取付部材を貫通する貫通孔であってもよい。前記収容横断部(切り欠き部など)には、メイン配管を配設(例えば、横断方向(又は長手方向)に延びて配設)してもよく、このメイン配管は、タンクの接続口(例えば、タンクの前方又は後方に形成された接続口)に対して接続可能な接続部を有していてもよい。このような形態により、前記メイン配管は後方にいくにつれて上方に傾斜していてもよい。
【0020】
前記梁部材及び取付部材は中空角形鋼材(又はパイプ)で形成してもよく、架設部材は、前記梁部材及び取付部材よりも厚みが小さな中空角形鋼材(又はパイプ)で形成してもよく、架設部材は、下部又は上部に空間を形成した状態で、前記梁部材の上部壁又は下部壁に架設して連結してもよい。
【0021】
前記メイン配管からは所定の方向(例えば、幅方向及び後方向のうち少なくとも1つの方向;少なくとも一方の幅方向、例えば、双方の幅方向)にサブ配管が分岐していてもよく、このサブ配管は、梁部材及び/又は取付部材に形成された収容横断部に配設された形態(梁部材及び/又は取付部材を横断(又は貫通)した形態)で延び(例えば、少なくとも一方の幅方向に延び)、外部ユニットに対する接続部を有していてもよい。前記サブ配管は、外部ユニットに対する接続部の方向(例えば、幅方向に延びる方向)にいくにつれて(外部ユニットに対する接続部又は幅方向に向かって)下方に傾斜していてもよい。さらに、架台では、サブ配管の分岐部よりもタンクとの接続部側(後方側)のメイン配管にポンプ(例えば、車両の駆動系で作動可能なポンプ)を接続又は位置させてもよい。なお、車輌のシャーシは、通常、後方から前方にいくにつれて下方に傾斜している場合が多い。
【0022】
前記配管構造は、メイン配管に取り付けられ、流路を切り換えるための流路切り換えバルブと、このバルブを操作するための切り換え操作部とを備えていてもよい。メイン配管から分岐したサブ配管は、開閉バルブを備えた開閉ユニットを有していてもよい。
【0023】
さらに、配管は、流体が流通可能な第1の流路と、この流路の流体の温度を調整するための媒体(例えば、加温するための加温媒体)が流通可能な第2の流路とを有する多重構造を有していてもよい。このような配管において、第2の流路に媒体を供給するための二次配管は、取付部材、梁部材及び架設部材から選択された少なくとも1つの部材を、横断又は通過(貫通)した形態で、当該部材に固定(例えば、交換可能に固定)してもよい。
なお、少なくとも梁部材は、二段重ね状の中空鋼材で形成されていてもよい。また、梁部材、取付部材及び架設部材から選択された少なくとも1つの枠形成部材(例えば、少なくとも梁部材及び取付部材で形成された枠形成部材)は、塗料でコーティングされていてもよい。
【0024】
本発明は、車輌のシャーシとタンクとの間に、前記架台が介在するタンク搭載車輌(タンクローリー)も包含する。このタンク搭載車輌において、前記シャーシと梁部材とは着脱可能(例えば、梁部材の長手方向の複数箇所で着脱可能)に連結してもよく、前記タンクと取付部材とは着脱可能(例えば、取付部材の両側部で着脱可能)に連結してもよい。
【0025】
なお、本明細書において、長手方向とは、車輌の前進方向及び後退方向を意味し、幅方向とは、長手方向に対して交差(例えば、直交)する方向を意味し、車輌の前方及び後方とは、それぞれ、車輌の前進方向及び後退方向を意味する。また、外部ユニットは、車輌のタンク内の流体を貯留又は保存可能な収容容器(タンク、ドラム容器など)を包含し、固定されていてもよく移送可能であってもよく、流体を一時的に貯留又は保存してもよい。
【0026】
なお、タンクに関し、一室仕様とは、タンクが1つの部屋を有する態様又は形態に限らず、タンクが1又は複数の区画壁で区画されていても、連通孔を通じて複数の部屋が連通又は通じている態様又は形態(一室として機能する態様又は形態)も包含する意味に用いる。
【0027】
また、用語「架台」は、タンクと車輌(シャーシ)とに対して脱着可能であり、タンクと車輌(シャーシ)とを固定してタンク内の輸送物を運搬するための固定運搬台、固定台、又はジョイントベースなどと同義に用いる。
【発明の効果】
【0028】
本発明では、シャーシ及びタンクに対して架台が着脱可能であるため、タンクを容易に交換でき、車輌の稼働率を向上できる。また、架台の高さ空間を利用して、配管の自由度を高めることができ、シャーシとタンクとの間にポンプも配置可能である。さらに、配管の自由度が大きいため、車輌の任意の部位に配管でき、車輌の停止位置及び停止方向に制約されることなく、配管部位(例えば、タンクの両側部及び/又は後端部など)において、タンクの流体の流通(タンク内への流体の注入又はタンクからの流体の吐出(又は抜き取り))が可能である。さらに、梁部材及び/又は取付部材の横断収容部(例えば、取付部材の下部切り欠き部)、サブ配管の傾斜を利用して、配管内の残液を低減できる。また、タンクの内容物が同じであれば、タンク交換だけで、異なる容量のタンクの変更に対応でき、タンクの内容物が異なっていても、タンク交換と配管だけの洗浄とで、異なる種類のタンク内容物の変更に対応できる。さらには、中空角形鋼材及び補強部材を利用することにより、軽量化しつつ高い強度を維持できる。さらに、シャーシ及びタンクに対して架台が着脱可能であるため、配管構造の補修も容易である。特に、配管構造が交換可能に架台に取り付けると、配管構造が損傷しても、補修及び交換が容易である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下に、添付図面を参照しつつ、本発明を詳細に説明する。
【0031】
図1〜
図4に示すタンク搭載車輌は、車輌のシャーシ(又は車輌の骨格となるフレーム)1とタンク(コンテナ型タンク)2との間に架台6が介在し、この架台6は、前記シャーシ1及びタンクに対して着脱可能に連結される。なお、車輌のシャーシ1は、通常、後方から前方にいくにつれて下方に傾斜している。また、図示する例では、タンク2の後方に接続口2aが位置する例が示されている。
【0032】
図1に示されるように、前記タンク2は、複数の部屋に区画されることなく、1つのタンク2が1室を形成する一室仕様に形成されている。このようなタンク2は、コンテナ枠3に固定されており、コンテナ型タンク2を形成している。前記コンテナ枠3は、タンク2を囲う四角枠状の(直方体の稜線に対応する)フレーム枠4と、このフレーム枠の上下枠、各側部枠及び前後枠のコーナー部(この例では、上下枠、各側部枠及び前後枠の各4つのコーナー部)に筋交い状に固定された補強フレーム5とを備えている。なお、前記コンテナ型タンク2は、ISO規格に合致しており、容量の異なるタンク2に対応するため、コンテナ枠3の底辺のサイズ及び構造は同じであり、容積(高さ)の異なる各種のタンク2が搭載可能である。
【0033】
図2〜
図4に示されるように、架台6は、前記シャーシ1の長手方向に沿って、幅方向に所定の間隔をおいて配設可能な2つの梁部材7と、これらの梁部材7の両側部に取り付けられ、幅方向に延びる取付部材11とを備えており、井桁状の架台本体13を形成している。この例では、梁部材7の両端部が取付部材11から延出し、かつ取付部材11の両側部が梁部材7から延出した形態を有している。さらに、梁部材7の間には、架台6を補強するため、長手方向に所定の間隔をおいて複数の架設部材14が取り付けられている。
【0034】
より具体的には、
図2及び
図3に示されるように、取付部材11は、中空角形鋼材(断面四角形状の鋼材)で形成されており、取付部材11の両端部の上壁には、ツイストロック機構のツイスト金具12aが取り付けられ、前記コンテナ枠3の連結部12bとツイストロック方式で着脱可能に連結可能な連結部(ツイストロック連結部)を形成している。そのため、コンテナ枠3に対して架台6は、取付部材11の両側部(4つのコーナー部)で着脱可能に連結できる。
【0035】
梁部材7は、取付部材11の第1の鋼材よりも若干高さが低い中空角形鋼材(断面四角形状の鋼材)で形成されており、梁部材7は、断面中空四角形状の第1の鋼材8と、この第1の鋼材8を補強するため、第1の鋼材8上に対して溶接され、第1の鋼材8よりも厚み(高さ)の薄い断面中空四角形状の第2の鋼材9とで、二段重ね状の形態で形成され、第1の鋼材8と第2の鋼材9との接合部を含む領域とともに取付部材11も溶接され、取付部材11と一体に接合されている。そのため、車輌の横方向の揺れに伴って、架台6の幅方向にいくにつれて大きな曲げ力が作用しても、このような第1の鋼材8と第2の鋼材9との接合、及び取付部材11との接合により、前記曲げ力に抗することができる。
図1に示されるように、このような梁部材7及びシャーシ1には、長手方向に間隔をおいて互いに着脱可能に連結可能な連結部(緊締ボルトで締結可能な緊締部)10a,10bが形成されている。そのため、梁部材7の長手方向の複数箇所で前記シャーシ1と着脱可能に連結できる。
【0036】
前記2つの梁部材7と取付部材11との交差部(コーナー部)には、平面正三角形状の第1の補強部材15が筋交い状に接合され、前記2つの梁部材7と、取付部材11の延出部とには、筋交い状に第2の補強部材16が接合されており、架台6又は架台本体13を補強している。なお、この例では、取付部材11の内壁側の第1の補強部材15の高さ位置は、取付部材11の外壁側の第1の補強部材15よりも若干下に位置している。
【0037】
さらに、2つの梁部材7の間に架設された架設部材14は、前記梁部材7及び取付部材11よりも厚み(高さ)が小さな中空角形鋼材(断面四角形状の鋼材)で形成され、前記梁部材7の内壁の上部壁に架設して連結(溶接)され、梁部材7と一体化している。また、梁部材7と架設部材14との下部交差部(梁部材7の内壁下部と架設部材14の下部壁との間)には側面正三角形状などの直角三角形状の第3の補強部材(アーチ状補強部材)17が接合され、架台本体13のうち架設部材14の下部に空間(例えば、配管空間)を形成している。
【0038】
なお、図示する例では、架台6のうち取付部材11から下部に段差をもって梁部材7が取り付けられ、この梁部材7から下部に段差をもって第2の補強部材16が取り付けられ、この第2の補強部材16と同じ高さで又は下部に段差をもって第1の補強部材15が取り付けられている。例えば、取付部材11の内側のコーナー部では、第1の補強部材15(15a)は、第2の補強部材16と同じ高さ位置に取り付けられ、取付部材11の外側のコーナー部では、第1の補強部材15(15b)は、第2の補強部材16よりも若干低い位置に取り付けられている。また、取付部材11及び梁部材7の両端開口部にはそれぞれ閉塞板(図示せず)が接合されている。
【0039】
このような架台6の下部空間(枠内空間)には、一次配管(メイン配管21及びサブ配管23)と二次配管35とを有する配管構造が形成されている。この例では、車輌の後方(
図2では右側、
図3では左側)に位置する取付部材11の下部には、収容横断部としての半円状の切り欠き部11aが形成され、この切り欠き部11aには、タンク2の接続口2aに対する接続部22を備えたメイン配管21が長手方向に延びて配設されている。このような後方の取付部材11の切り欠き部11aにメイン配管21を配設すると、メイン配管21の後方を上方に位置させる(持ち上げる)ことができ、後方にいくにつれて前記メイン配管21を上方に傾斜できる。そのため、シャーシ1が傾斜していることと相まって、メイン配管21をより一層傾斜(後方から前方にいくにつれてより一層下方に傾斜)させることができる。すなわち、メイン配管21の傾斜角度を大きくすることができ、液体をメイン配管21の前方方向に流動させることができる。
【0040】
このようなメイン配管21の前方部からは、管継ぎ手を介して、サブ配管23が両幅方向(双方の幅方向)にT字状の形態で分岐しており、これらのサブ配管23(第1のサブ配管24及び第2のサブ配管26)は、梁部材7に収容横断部として形成された貫通孔に挿通(梁部材7を貫通)した形態で延び、サブ配管23(24,26)の延出端部は、外部ユニットの接続口に対する接続部(開閉バルブを備えた接続部、開閉バルブユニット)25,27を備えている。これらのサブ配管23(24,26)は、外部ユニットに対する接続部25,27までの長さが短く、しかも幅方向の側部方向にいくにつれて下方に傾斜しており、外部ユニットに対する接続部25,27の高さ位置が、一次配管構造のうち最も低い高さに位置している。そのため、液体をサブ配管23の側部方向に流動させて、配管内に液体が残留するのを防止している。
【0041】
さらに、メイン配管21の後方部には、開閉バルブを備えた開閉ユニット(接続部)30が取り付けられ、この開閉ユニット(接続部)30とタンク2の開口部に対する接続部22との間のメイン配管21からは、第3のサブ配管28が分岐して延びており、この第3のサブ配管28には外部ユニットの接続口に対して接続可能であり、開閉バルブを備えた接続部(開閉バルブユニット)29が取り付けられている。
【0042】
このように、サブ配管23を車輌の両側部(作業空間部)と後方部(オーバーハング部)に位置させているため、車輌の後方にタンク2の接続口2aが位置していても、車輌の停止姿勢(停止位置、停止方向)に拘わらず、車輌の後方の1箇所に制約されることなく、車輌の両側部及び後方部に位置するサブ配管23(24,26,28)の接続部(3つのサブ配管の接続部)25,27,29を利用して、タンク2と外部ユニットとの間で液体を流通させることができ、液体の移送作業効率を向上できる。
【0043】
さらに、サブ配管23の分岐部よりも後方側(タンク2との接続部側)のメイン配管21には、駆動伝達手段(駆動ライン)31を介して、車両の駆動系(エンジン)により作動可能なポンプ(PTO(Power Take-Off)方式で作動可能なギアポンプ)32が接続されている。すなわち、前記架台6の下部空間内にポンプ32も設置されており、コンパクトな構造を形成している。なお、ポンプをシャーシ1の後方に配置していた従来の構造と異なり、前記ポンプ32は、シャーシ1の長手方向のほぼ中央部に配置されている。そのため、ポンプ32の駆動を短い駆動伝達手段(駆動ライン)31を利用して行うことができ、油圧装置(油圧シリンダーなど)などを配置してポンプを駆動する必要がない。
【0044】
なお、
図4に示されるように、メイン配管21は、梁部材7に対する架設部材14及び/又は梁部材7間に架設したアングル又はブラケット71と、このアングル又はブラケットを利用して、メイン配管21を仮止め固定する仮止め固定手段(この例では、Uボルト72)とを利用して交換又は着脱可能に配管されている。また、第1及び第2のサブ配管24,26も、梁部材7に取り付けられたブラケット73と、Uボルト72とを利用して交換又は着脱可能に配管されている。さらに、ポンプ32は、梁部材7間に架設したアングル又はブラケット74と、このブラケットとポンプ32を連結する連結金具75とを利用して固定されている。なお、仮止め固定手段としては、サドルバンド、蝶番式バンドなどの支持金具(止め金具)などが利用できる。
【0045】
このような配管構造は、ポンプ32よりも前方にサブ配管が位置するため、ポンプ32よりも前方の配管(メイン配管21及びサブ配管)内に液体が残存(残液)するのを防止できる。また、前記タンク2の接続口2aに対して接続可能な接続部22と、系外のユニットの接続口に対して接続可能な接続部25,27,29とを有する配管構造により、前記タンク2と系外のユニットとの間で液体を流通させることができる。
【0046】
メイン配管21とサブ配管23とで液体を流通させるため、配管構造は、流路切り換えバルブと切り換え操作ハンドル(操作部)とを備えている。すなわち、前記ポンプ32の作動に関連又は連動して、少なくともメイン配管21の流体を排出又は吸引(メイン配管21の流体をサブ配管23へ流出又はメイン配管21の後方側に流出)するため(この例では、さらにメイン配管21の流路を開放するため)、ポンプ内においてメイン配管21の流路とサブ配管(第1のサブ配管24又は第2のサブ配管26)との流路を選択的に開閉(連通又は遮断)するためのバルブ(流路切り換えバルブ、ヘッド弁又はボールバルブ、図示せず)と、このバルブの開閉又は切り換えを操作するための操作部(切り換え操作ハンドル又はヘッド弁操作ハンドル)33とを備えている。このバルブ開閉操作部(切り換え操作ハンドル)33は、前記梁部材7を貫通して(梁部材7に収容横断部として形成された貫通孔に挿通して)前記車輌の側部(例えば、シャーシ1の長手方向のほぼ中央部の側部)に位置している。すなわち、架台本体13が井桁状の形態を有するため、架台6の両側部に空間を形成でき、この両側部空間の一方の側部の空間に操作部(切り換え操作ハンドル)33を位置させている。そのため、前記空間を操作空間(又は作業空間)として利用でき、バルブ開閉操作部(切り換え操作ハンドル)33の操作を円滑に行うことができる。また、前記両側部の空間には、前記サブ配管23の接続部25,27、種々の架装物(例えば、消火器34a、工具箱34b、接地導線34cなど)を配置するための配置空間としても利用できる。なお、この例では、開閉操作部(切り換え操作ハンドル)33の切り換え操作により、バルブ(切り換えバルブ)は、ポンプ32の作動により、タンク2内の液体の抜き取り(メイン配管21の流体の排出に伴う、タンク2から外部ユニットへの液体の移送又は排出)、タンク2への液体の注入(メイン配管21の流体の吸引に伴う、外部ユニットからタンク2への液体の移送又は注入)、又は自重による液体の移送(メイン配管21の流路の開放に伴う、タンク2から外部ユニットへの液体の流動又は排出)が可能である。
【0047】
前記配管は、液体が流通可能な第1の流路と、この第1の流路の外周部に同心円状に形成され、液体の温度を調整するための媒体(例えば、加温又は加熱するための加熱媒体)が流通可能な第2の流路とを有する二重環構造に形成されており、メイン配管21及びサブ配管23の前記第2の流路には、メイン配管21及びサブ配管23の流体を加温又は加熱するための二次配管(加温又は加熱媒体が流通可能な配管)35が接続されている。一次配管(メイン配管21、サブ配管26)の第2の流路に接続された前記二次配管35は、少なくとも梁部材7及び/又は取付部材11(取付部材11、梁部材7及び架設部材14から選択された少なくとも1つの枠形成部材)を横断又は通過した形態(例えば、枠形成部材に形成された収容横断部に配設した形態、又は枠形成部材(例えば、架設部材)の下部空間に配設した形態)で、当該部材に固定(例えば、交換可能に固定)されている。この例では、サブ配管26からの二次配管35は梁部材7及び架設部材14を横断又は貫通した形態(梁部材及び架設部材に形成された収容横断部としての貫通孔に挿通した形態)で一方の側部に延出しており、メイン配管21からの二次配管35は、車輌の後方側において、梁部材7を横断又は貫通した形態(梁部材に形成された収容横断部としての貫通孔に挿通した形態)で一方の側部に延出している。なお、二次配管35は、前記枠形成部材に取り付けられたブラケット(又は取付台、ステイ)において、支持金具(止め金具)などの仮止め固定手段を利用して、適所で交換可能に固定されている。
【0048】
二次配管35に加温又は加熱媒体を供給するため、車輌は、三次配管及び加温又は加熱ユニットを備えている。すなわち、加温又は加熱ユニットは、液体(例えば、水)を貯留するためのタンク(又は温水タンク)38(この例では、前方の取付部材11の前側に位置するタンク38)と、このタンク38の液体を熱交換器37に供給するためのポンプ36(この例では、前方から第1番目の架設部材14と第2番目の架設部材14との間に位置するポンプ36)と、このポンプ36から移送された液体を熱交換するための熱交換器37(前方の取付部材11と第1番目の架設部材14との間に位置する熱交換ユニット37)とを備えており、前記タンク38、ポンプ36及び熱交換器37は、それぞれ三次配管としての加温又は加熱配管39で接続されている。なお、熱交換器37は、熱媒ライン47を介して、車輌のラジエーター(図示せず)に接続されている。また、前記タンク38、ポンプ36及び熱交換器37は、それぞれ、前記ポンプ32などと同様に、アングル又はブラケットなどを利用して、仮止め固定されている。
【0049】
前記熱交換器37からの加熱媒体は、三次配管として供給配管40を通じて、サブ配管26から延びた二次配管35に供給され、二次配管35に供給された加熱媒体は、サブ配管26及びメイン配管21の第1の流路内の流体を加熱しつつ、サブ配管26の第2の流路及びメイン配管21の第2の流路を経て、車輌の後方側において、メイン配管21からの二次配管35に流出し、この流出した媒体は、三次配管としてリサイクル配管41を通じて、前記タンク38に供給されている。
【0050】
また、サブ配管26から延びる二次配管35には、前記タンク2を加温又は加熱するため、タンク2の加温流路の供給口に対して接続可能な接続口42aを有する供給配管42が接続され、メイン配管21から延びる二次配管35には、タンク2の加温流路の流出口に対して接続可能な接続口43aを有する流出配管43が接続されており、流出配管43からの媒体は、二次配管35を介して、三次配管としてリサイクル配管41の媒体と合流している。なお、サブ配管26の二次配管35と、三次配管として供給配管40との流路の切り替え、メイン配管21の二次配管35と、三次配管としてリサイクル配管41との流路の切り替えなどの流路の切り替えは、バルブ(図示せず)により行うことができる。
【0051】
なお、図示する例では、二次配管35を通じて、スチームなどの形態で第2の流路に加熱媒体を導入可能である。すなわち、この例では、加熱媒体(スチームなど)を、サブ配管26の二次配管35に接続されたスチーム配管のスチーム導入口44を通じて前記第2の流路に供給し、一次配管(サブ配管23及びメイン配管21)に沿って流動した加熱媒体を、後方側のメイン配管21の二次配管35から分岐したスチーム配管の吐出口45から排出又は吐出している。なお、二次配管35とスチーム配管との流路の切り替えも、前記と同様に、バルブ(図示せず)により行うことができる。
【0052】
このような架台6は、コンテナ型タンク2及びシャーシ1に対してそれぞれ着脱可能であるため、タンク(コンテナ型タンク)2を交換できる。より具体的には、液体の容量だけが異なるタンク2では、タンク2を洗浄することなく、異なる容積のタンク2に交換可能である。また、種類の異なる液体を輸送する場合には、コンテナ式タンクを交換し、配管だけを洗浄すればよく、残液が低減することと相まって、廃液量を大きく低減できる。さらに、タンク2の洗浄が必要な場合でも、一室仕様のタンク2であるため、洗浄が容易である。そのため、車輌の稼働率を大きく改善できる。また、一室仕様のタンク2であるため、液体の注入に伴うオーバーフロー事故が生じにくい。
【0053】
また、架台6の高さ空間を利用して、配管でき、配管の自由度を大きく改善でき、シャーシ1とタンク2との間にポンプ32も配置(例えば、シャーシ1の長手方向の中央部に設置)できる。しかも、車輌の前方に向かってメイン配管21を大きな傾斜角度で下降させ、長さが短いサブ配管23を幅方向に向かって下降して傾斜させることができる。そのため、配管内での残液が生じるのを極力抑制でき、メンテナンスを少なくできる。さらに、架台6の両側部に、サブ配管23の接続部25,27及び操作部33が位置するため、液体の注入・排出操作を円滑に行うことができる。さらには、仮に配管構造が損傷しても、架台6を脱着して、損傷した配管を交換可能であるため、補修作業を極めて簡便かつ効率よく行うことができる。また、架台6を中空枠形成部材(中空構造体)と補強部材とで形成できるため、軽量化しつつ高い強度を維持できる。
【0054】
なお、架台は、少なくとも複数の前記梁部材と、これらの梁部材の少なくとも長手方向の両側部に取り付け可能な少なくとも複数の取付部材とで形成すればよい。例えば、架台は、シャーシの長手方向に沿って、幅方向に所定の間隔をおいて配設可能な少なくとも2つの梁部材を備えていればよく、3以上の複数(例えば、3〜5)の梁部材を備えていてもよい。また、取付部材は、梁部材の端部(又は両端部)に取り付けてもよく(例えば、幅方向に延びて取り付けてもよく)、梁部材の端部などを残して梁部材の途中部(又は両側部)に取り付けてもよい(例えば、幅方向に延びて取り付けてもよい)。さらに、梁部材の両端部又は両側部に取り付けられた少なくとも2つの取付部材を備えていてもよく、3以上の複数の取付部材を、梁部材の長手方向に間隔をおいて梁部材に取り付けてもよい。さらには、取付部材は、梁部材の長手方向に対して交差する方向に延びて梁部材に取り付けられていればよく、梁部材の長手方向に対して斜め方向、幅方向(梁部材の長手方向に対して直交する方向など)などに延びて取り付けてもよく、通常、梁部材の幅方向に延びて取り付ける場合が多い。
【0055】
また、取付部材と梁部材とは、平面四角枠を形成してもよく、この平面四角枠において、取付部材は、梁部材の長手方向に対して直交方向、斜め方向(例えば、平行で同じ向きの斜め方向、八字状などの異なる向きの斜め方向)に配設されていてもよく、隣接する複数の平面多角枠(例えば、平面三角枠及び/又は四角枠)で形成された平面四角枠を形成してもよく、四角枠から取付部材及び梁部材の端部が延出している必要はない。好ましい形態は、シャーシに対応して長方形状の四角枠(特に、井桁状の四角枠)であってもよい。また、取付部材の端部は四角枠から延出している場合が多い。
【0056】
梁部材の間には必ずしも架設部材を架設する必要はないが、架台を補強するだけでなく、配管構造を交換可能に固定するため、少なくとも1つ(例えば、長手方向に所定の間隔をおいて複数)の架設部材を架設するのが好ましい。また、筋交い状の補強部材(梁部材と取付部材との交差部の第1の補強部材及び第2の補強部材(筋交い部材))も必ずしも必要ではないが、これらの部材も架台を補強する上で有用である。必要であれば、各コーナー部では複数の筋交い状の補強部材(第1及び第2の補強部材)に限らず、単一の補強部材を、取付部材と梁部材とに筋交い状に連結してもよい。また、梁部材と架設部材とのコーナー部にも、筋交い状に補強部材を取り付けてもよい。また、梁部材と取付部材(及び/又は架設部材)との交差部の第1の補強部材の高さ位置は、取付部材の内壁及び外壁において同一又は異なっていてもよく、前記とは逆に、外壁側の第1の補強部材が内壁側の第1の補強部材よりも上部に位置していてもよい。
【0057】
梁部材及び取付部材並びに架設部材(枠形成部材)は、機械的強度を維持できる限り、前記中空角形鋼材に限らず、種々の形態の材料が利用でき、非中空の鋼材などで形成してもよい。例えば、取付部材も接合した2つの中空鋼材で形成してもよく、梁部材は、必ずしも2つの中空鋼材で形成する必要はなく、第1及び/又は第2の鋼材は中空でなくてもよい。なお、枠形成部材は、軽量化のためには中空構造を有するのが好ましい。二段重ね状の中空鋼材で形成した枠形成部材(少なくとも梁部材など)は、軽量であり、かつ補強されている。なお、梁部材と取付部材(さらには架設部材)との軸組(接合)には、種々の継ぎ手構造(合い欠き、渡りあご又は渡り欠き構造などの仕口構造など)などを利用してもよい。
【0058】
梁部材と取付部材と架設部材の上部壁(上端面)には段差を形成してもよく、段差を形成することなく、枠形成部材の上部壁(上端面)はほぼ面一に形成してもよい。例えば、取付部材と梁部材(さらには架設部材)とは同じ高さ(例えば、上端面がほぼ面一の形態)で枠形成部材(又は架台)を形成していてもよく、基準の部材(例えば、梁部材)の高さ位置(上端面)が他の部材(例えば、取付部材及び/又は架設部材)の高さ位置(上端面)よりも高くてもよく、通常、取付部材の高さ位置は、梁部材の高さ位置と同じ又は梁部材の高さ位置よりも高く、梁部材の高さ位置は架設部材の高さ位置と同じ又は架設部材の高さ位置よりも高い場合が多い。
【0059】
また、架設部材は、梁部材の内壁上部(梁部材の対向する内部壁の上部壁)に限らず、梁部材の内壁下部(対向する内部壁の下部壁)に取り付けてもよく、内壁中間部(対向する内部壁の中間部)に取り付けてもよい。架設部材は、梁部材の長手方向に延びる空間を遮断する形態で(例えば、梁部材と高さ又は厚みが同じ架設部材を)梁部材間に取り付けてもよく、梁部材の長手方向に空間が通じた形態(例えば、梁部材よりも高さが小さな架設部材、切り欠き部又は貫通孔などの連通部を有する架設部材を)で梁部材間に取り付けてもよい。
【0060】
架設部材は、架台本体の下部又は上部に空間を形成するため、梁部材と取付部材よりも高さ(又は厚み)が小さいのが好ましく、架設部材と梁部材とに第3の補強部材を接合する必要はないが、第3の補強部材の接合により枠形成部材の強度を大きく改善できる。この第3の補強部材は、架設部材と梁部材とを筋交い状に補強可能であればよく、断面直角三角形状の形態に限らず、梁部材と架設部材との交差部の内壁に接触可能な辺と、梁部材と架設部材との間で斜め方向に延びる斜辺とを有する断面形状を有している場合が多く、前記斜辺は直線状の斜面に限らず、外方向又は内方向に湾曲した湾曲面で形成してもよい。第3の補強部材は、前記の例のように、例えば、交差部の上部内壁に、斜辺を下向きにしてアーチ状(下向きアーチ状)に取り付けてもよく、例えば、交差部の下部内壁に、斜辺を上向きにして又は逆アーチ状(上向きアーチ状)に取り付けてもよく、アーチ状及び逆アーチ状の双方に取り付けてもよい。逆アーチ状の形態で第3の補強部材を取り付けた態様では、架設部材は、配管(一次配管、二次配管、及び/又は三次配管)を載置又は受け可能であってもよく、必要であれば、さらに固定又は仮固定可能であってもよい。第3の補強部材の接合によりアーチ状(下向き又は上向きアーチ状)の形態で架設部材を形成するのが好ましい。なお、車輌の幅方向(横方向)の揺れに伴って架台(枠形成部材)の幅方向には曲げ力が作用する。このような曲げ力に抗するためには、補強部材を利用してアーチ状の架設部材を形成するのが有利である。
【0061】
本発明では、架台の高さ空間を利用して架台本体内で配管でき、配管の自由度が高い。配管は、梁部材、取付部材及び架設部材から選択された少なくとも1つの部材(例えば、少なくとも梁部材及び/又は取付部材)に取り付けられ(例えば、交換可能に固定され)、前記タンクの接続口に対して接続可能な接続部(メイン配管の接続部)と、流路開閉バルブを介して、この接続部と連通して外部ユニット(系外のユニット)の接続口に対して接続可能な接続部(サブ配管の接続部)とを備えている。これらの接続部は、直接的に、又はホースなどを介して間接的に、タンク及び外部ユニットの接続口に対して接続可能であってもよい。なお、前記接続部は、切り換え操作バルブでの切り換えバルブにより、タンク内の液体を吐出又は排出するための吐出部、又はタンク内へ液体を注入するための注入部として機能してもよい。また、各接続部には、通常、開閉バルブを備えた開閉ユニットが取り付けられている。
【0062】
枠形成部材(梁部材、取付部材、及び架設部材から選択された少なくとも部材、特に、少なくとも梁部材及び/又は取付部材)には、配管(一次配管、二次配管及び/又は三次配管)の少なくとも一部(一部又は全部)を収容可能な収容横断部を形成できる。この収容横断部は、枠形成部材に形成された切り欠き部、貫通孔などであってもよく、切り欠き部は、枠形成部材の下部及び/又は上部に、配管が枠形成部材を横断して収容可能な形態、例えば、コ字状、U字状(半円状)、V字状などの形態に形成できる。
【0063】
なお、タンクの接続口に接続する配管が横断する枠形成部材(例えば、車輌の後方に位置する取付部材)には、配管を上方に位置させる(持ち上げる)ため、切り欠き部(下部又は上部の切り欠き部)又は貫通孔を形成する場合が多く、外部ユニットの接続口に接続する配管が横断する枠形成部材には、配管を下降させるため、貫通孔又は下部の切り欠き部を形成する場合が多い。
【0064】
配管は、通常、長手方向に延びて配設され、タンクの接続口(例えば、車輌の前方又は後方に形成されたタンクの接続口)に対して接続可能な接続部を有するメイン配管と、このメイン配管から分岐し、外部ユニットの接続口に対して接続可能な接続部を有するサブ配管とを備えている場合が多く、サブ配管は、メイン配管から外部ユニットの接続口に対して接続可能な形態で、直接的又は間接的に、幅方向及び後方向のうち少なくとも1つの方向に分岐していればよく、通常、少なくとも一方の幅方向(又は双方の幅方向)、後方向に分岐している場合が多い。サブ配管は、さらには、前記のように、タンクの接続口側のメイン配管から分岐していてもよい。なお、サブ配管は、メイン配管に対して交差する方向に延びていればよく、斜め方向に延びていてもよいが、架台本体の下部空間を有効に利用するため、メイン配管に対して直交する方向に延びている場合が多い。
【0065】
なお、前記の例では、バルブの開閉操作部が、車輌の一方の側部に位置しているが、本発明では、配管の自由度が大きいため、開閉操作部は、車輌又は架台の適所に位置させることができる。
図6は本発明の架台の他の例を示す概略平面図である。なお、以下の図示する例において、共通の部材又はユニットについては、前記と同様の符号を付して説明する。
【0066】
この例では、タンク2の後方に位置する接続口に対するメイン配管21の接続部22に隣り合って、ポンプ(ギヤポンプ)52が接続され、ポンプ52の開閉弁(切り換え弁)の切り換え操作をするための開閉又は切り換え操作部(又は操作ハンドル)53は、梁部材7を貫通することなく、タンク2の後方(車輌の後方のオーバーハング部)に位置している。
【0067】
また、前記ポンプ52の接続口に接続されたメイン配管21と、第1のサブ配管24及び第2のサブ配管26がT字状の形態で分岐する分岐部との間(この例では、メイン配管21の最後方部であって、架台本体13の取付部材11の外側)には、開閉バルブを備えた開閉ユニット60が接続され、この開閉ユニット60とバルブの開閉又は切り換え操作部53との間のメイン配管21からは、短い第3のサブ配管58が分岐して延びており、この第3のサブ配管58の接続部には開閉バルブユニット59が取り付けられている。
【0068】
このような配管構造では、車輌の後方(オーバーハング部)に位置する1つのサブ配管58の接続部59と、車輌の両側部の操作空間に位置する2つのサブ配管24,26の接続部25,27(合計3つのサブ配管の接続部)とを利用して、車輌の停止姿勢に拘わらず、開閉又は切り換え操作部53により開閉弁を利用して流路を切り換え、いずれかの接続部25,27,59を利用して、タンク2と外部ユニットとの間で液体を流通させることができる。
【0069】
なお、ポンプ(ギヤポンプ)も架台本体内に収容して配置し、第3のサブ配管も架台本体内から架台本体から延出させて、ポンプの開閉弁開閉又は切り換え操作部(又は操作ハンドル)を梁部材から延出させてもよい。
【0070】
前記の例では、外部ユニットに対するサブ配管の接続部が、車輌(又は架台)の一方の側部のうち、長手方向の中央部(中央域)に位置しているが、配管の自由度が高いことを利用して、サブ配管の接続部も車輌の適所に位置させることができる。
図7は本発明の架台のさらに他の例を示す概略平面図である。
【0071】
この例では、配管の自由度が高いことを利用して、
図2に示す配管構造と異なり、メイン配管61が湾曲又は屈曲して長手方向に延びており、メイン配管61に対して後方の第3のサブ配管28を接続することなく、長手方向に延びるメイン配管21の前方部の分岐部では、第1のサブ配管24が分岐し、外部ユニットとの接続部25が、車輌(又は架台)6の一方の側部において、長手方向の中央部(中央域)に位置し、第2のサブ配管66が分岐して湾曲(この例では、後方に湾曲)し、第2のサブ配管66の接続部67が、車輌(又は架台)6の他方の側部において、長手方向の中央部(中央域)よりも後方側に位置している。なお、メイン配管61は、前記と同様に、タンクとの接続部62を備えている。
【0072】
このような配管構造でも、車輌(又は架台)6の両側部において、長手方向の異なる位置の第1のサブ配管24及び第2のサブ配管66の接続部25,67を利用して、タンク2と外部ユニットとの間で液体を移送できる。
【0073】
なお、サブ配管は、メイン配管から少なくとも一方の幅方向に分岐していればよく、前記幅方向に限らず、タンクの接続口の位置(例えば、前方又は後方)の方向(前記の例では、後方)に延びていてもよい。
図8は本発明の架台の別の例を示す概略平面図である。
【0074】
この例では、メイン配管21から延びるサブ配管23は、メイン配管21の前方部から両幅方向(双方の幅方向)にT字状の形態で分岐し、梁部材7を貫通して延びる第1のサブ配管24及び第2のサブ配管26と、架台本体13の側部に位置する第2のサブ配管26から、車輌の後方の方向に延び、架台本体13内でメイン配管21と並行に延びる第3のサブ配管88とを備えており、この第3のサブ配管88は、第2のサブ配管26から車輌の後方の方向に延びて湾曲又は屈曲し、梁部材7を貫通して架台本体13内に延び、かつメイン配管21の後方部の方向に延びている。また、第3のサブ配管88にも、前記と同様に、接続部(開閉バルブを備えた開閉ユニット)89が取り付けられている。
【0075】
また、配管内で残液が生じるのを回避するため、メイン配管21は、後方側の取付部材11の側壁の上部を貫通し、第3のサブ配管88は、後方側の取付部材11の側壁の下部の切り欠き部に挿入されており、メイン配管21の後部(後方側の取付部材11を貫通するメイン配管21)は、第3のサブ配管88よりも高い位置に位置している。なお、第1のサブ配管24及び第2のサブ配管26の接続部25,27と、第3のサブ配管88の接続部89とは、梁部材7、取付部材11及び架設部材14の貫通孔の高さ位置、切り欠き部の深さ(又は高さ)を調整することにより、ほぼ同じ高い位置に位置させることができる。また、タンクに対する接続部側においてメイン配管21が取付部材11を横断(貫通)する高さ位置は、ポンプ32とメイン配管21との接続部の高さ位置に比べて、同等又は低くてもよく、若干高くてもよい。
【0076】
このような配管では、第1のサブ配管24、第2のサブ配管26及び第3のサブ配管88の接続部25,27,89を利用して、車輌(又は架台)6の両側部及び後方部において、タンク2と外部ユニットとの間で液体を移送できる。
【0077】
なお、タンクの接続口に対するメイン配管の接続部は、タンクの接続口の位置(例えば、前方又は後方)に対応する車輌(又は架台)の部位に位置させることができる。また、外部ユニットに対するサブ配管の接続部は、配管の自由度が高いため、車輌の適所に位置させることができ、車輌(又は架台)の少なくとも一方の側部(例えば、両側部)、後方部/前方部などに位置させることもできる。また、サブ配管の接続部は、車輌(又は架台)の側部において、長手方向の前方部、中間部、後方部に位置させてもよい。サブ配管の接続部は、少なくとも車輌(又は架台)の両側部に位置させる場合が多く、車輌(又は架台)の両側部及び後方部に位置すると、前記のように、車輌の停止姿勢に拘わらず、タンクと外部ユニットとの間で液体を流通させることができ、液体の移送作業効率を向上できる。
【0078】
前記配管は、少なくとも取付部材(例えば、取付部材の下部)を横断又は通過した形態(若しくは横切る形態)で配管構造を形成しているのが好ましい。このような横断又は通過する形態は、前記枠形成部材(梁部材、取付部材及び架設部材)の貫通孔を貫通した形態、枠形成部材の上部及び/又は下部(特にも下部)に形成された切り欠き部(断面コ字状、半円状切り欠き部など)に挿入又は配設された形態であってもよく、枠形成部材の内壁部(若しくは架設部材の下部壁及び/又は内壁部)にブラケットを介して固定金具で交換可能に取り付けた形態などであってもよい。
【0079】
車輌のシャーシが、通常、後方から前方に向かって下降して傾斜しているため、前記メイン配管は、必ずしも傾斜させる必要はないが、取付部材に対する配管(例えば、メイン配管)の横断又は通過箇所を調整することにより、配管の傾斜を調整できる。そのため、液体の移送方向(例えば、前方又は後方に形成されたタンクの接続口から外部ユニットの接続口への移送方向)に向かって下方に傾斜させてもよい。このようなメイン配管の傾斜は、前記取付部材及び/又は架設部材を利用して容易かつ正確に調整できる。例えば、メイン配管の傾斜方向に応じて、車輌の後方又は前方に位置する取付部材(少なくとも一方の取付部材)に貫通孔を形成したり、取付部材の下部に切り欠き部(半円形切り欠き部など)を形成し、この切り欠き部に長手方向に延びてメイン配管を配設してもよい。また、メイン配管の傾斜方向に応じて、車輌の後方又は前方に位置する架設部材に貫通孔又は切り欠き部を形成し、上記と同様に、メイン配管を配設してもよい。
【0080】
メイン配管は、少なくとも取付部材(例えば、後方にタンクの接続口が位置する場合には、後方の取付部材など)の貫通孔又は下部に形成された切り欠き部に、長手方向に延びて配設する場合が多い。また、このような配設形態により、メイン配管を所定の方向に傾斜(例えば、後方にいくにつれて上方に傾斜、又は前方にいくにつれて下方に傾斜)させることができる。
【0081】
枠形成部材(梁部材、取付部材及び架設部材から選択された少なくとも1つの部材)は、防錆塗料、耐薬品性塗料(耐溶剤性塗料など)などの塗料でコーティングし、耐久性を向上させてもよい。特に、塩害を防止するため、防錆塗料でコーティングするのが有利である。塗料は、油性タイプであってもよく、水性タイプであってもよい。
【0082】
メイン配管には、タンクと外部ユニットとの間で液体を流通させるためのポンプが接続可能であり;メイン配管とサブ配管との流路の開閉を選択的に切り換える(連通/遮断する)ための流路切換バルブ(切り換えバルブ、開閉弁(切り換え弁))は、このポンプと隣接させて配置してもよいが、通常、ポンプと一体化している。このポンプの位置は、配管の自由度が高いため、特に制限されず、架台本体内の適所に配置でき、バルブ(開閉弁又は切り換え弁)の切換又は開閉操作部(ヘッド弁操作ハンドル)も流路切換バルブの配置位置に応じて、梁部材と遊離して(又は架台からは離れて)、又は梁部材の適所から延出した形態で配置でき、架台のうちシャーシの長手方向の後方部、中間部(中央域)、前方部のいずれであってもよい。四角枠状の架台本体では、前記ポンプと同様に、長手方向の中央部(又は中央域)にバルブを配置でき、このバルブの切換又は開閉操作軸部が一方の梁部材を貫通した形態で、バルブ開閉操作部が上記長手方向の中央部(又は中央域)に位置する場合が多く、ポンプ(ギヤポンプ)のバルブ開閉操作部(ヘッド弁操作ハンドル)は、梁部材と遊離した形態、例えば、架台本体の外側又は後方部(例えば、車輌の後方部のオーバーハング部又は作業部)に配置してもよい。なお、流路切り換えバルブは、ヘッド弁、ボールバルブに限らず、メイン配管及びサブ配管の流路と流体の流動方向に応じて、バタフライバルブ、グローブバルブ、ゲートバルブなどの種々のバルブが使用できる。なお、メイン配管及びサブ配管の接続部には、タンク又は外部ユニットとの流体の流路を開閉するための開閉バルブを取り付ける場合が多い。
【0083】
本発明では、ポンプの開閉操作空間(作業空間)を車輌(又は架台)の側部に形成できるため、ポンプの位置は、架台の長手方向の中間部(中央域)である場合が多い。このような位置にポンプを設置すると、短い経路でエンジンからの作動力をポンプに伝達できる。また、通常、シャーシが前方に向かって下方に傾斜しているため、ポンプよりも前方にサブ配管を位置させると、配管内での残液を防止できる。
【0084】
ポンプは、メイン配管及び/又はサブ配管に設けることができ、通常、メイン配管のうち、サブ配管の分岐部よりもタンクの接続口側(例えば、前記の例では分岐部よりも後方側)に設ける場合が多く、サブ配管の分岐部とタンクの接続口に対する接続部との間の適所、例えば、分岐部に近い側に設けてもよく、タンクに対する接続部側に設けてもよい。また、ポンプに対するメイン配管の接続部の高さ位置は、特に制限されず、配管構造のうち、最下部、中間位置、最高部に位置していてもよいが、ポンプとの接続部の高さ位置が最も高い位置であってもよく、タンクに対する接続部側においてメイン配管が取付部材を横断(貫通又は挿入)する高さ位置と同等又は低くてもよく、高くてもよい。
【0085】
なお、ポンプの種類は特に制限されないが、通常、短い経路で作動力を伝達するため、車両の駆動系(エンジン)で作動可能なポンプ(ギヤポンプ)である場合が多い。
【0086】
サブ配管は、梁部材を横断した形態(梁部材の貫通孔を貫通又は切り欠き孔に配設した形態)で幅方向に延びており、梁部材に対するサブ配管の貫通する高さ位置を調整することにより、サブ配管の傾斜角度を調整できる。サブ配管は、必ずしも幅方向の側部方向にいくにつれて下方に傾斜する必要はなく、若干上方に傾斜して、又は水平方向に延びていてもよい。好ましい態様では、残液を低減するため、ポンプに対するサブ配管の接続位置よりも低い位置に、梁部材に貫通孔を形成してサブ配管を配設することにより、前記サブ配管が幅方向の側部方向にいくにつれて下方に傾斜させている。このような配管構造により、サブ配管の接続部(外部ユニットの接続口に対する接続部)は、配管構造の最下部に位置していてもよい。
【0087】
配管の構造は、前記第1の流路と第2の流路とを有する同心円状の二重管構造である必要はなく、単一の流路を形成するパイプ又はホース(例えば、フレキシブルホースなど)で形成してもよく、さらに多くの流路を有する同心円状又は非同心円状の多重管構造を有していてもよい。
【0088】
二次配管及び/又は三次配管は必ずしも必要ではない。また、二次配管及び/又は三次配管には、流体の種類に応じて、加熱媒体に限らず冷媒などを利用してもよい。このような冷媒供給ユニットも、前記加熱媒体供給ユニット(ポンプ、熱交換器、温水タンク、二次配管及び/又は三次配管など)と同じく、架台本体の枠内に配置してもよい。また、加熱媒体又は冷媒供給ユニット(ポンプ、熱交換器、タンクなど)の配置形態は、前記形態に限らず、種々の形態で配置でき、一部のユニットは、架台本体の枠外に位置していてもよい。二次配管及び/又は三次配管は、配管構造に応じて、前記と同様に、枠形成部材(梁部材、取付部材及び架設部材から選択された少なくとも1つの部材)を横断又は通過した形態で配設してもよく、二次配管及び/又は三次配管は、枠形成部材を貫通する形態、枠形成部材の切り欠き部に挿入して配設する形態で取り付ける場合が多い。
【0089】
また、タンクの流路に加熱媒体又は冷媒を供給するための配管、スチームなどの加熱媒体による加熱(例えば、高温加熱媒体による高温加熱)するための配管も必ずしも必要ではない。
【0090】
なお、一次配管(メイン配管、サブ配管)、及び二次配管及び/又は三次配管は、枠形成部材を横断又は通過した形態で、非交換式(又は一体)に枠形成部材に固定してもよいが、配管構造を補修するためには、配管形態に応じた慣用の仮止め固定手段(例えば、Uボルト、ボルト・ナット、止め金具などの固定金具;フック部材などの係合部材;支持金具などの支持部材など)を用いて、当該枠形成部材に交換可能に固定してもよく、枠形成部材に取り付けられたブラケット(取付部)を介して、交換可能に固定してもよい。ブラケットは、架台本体の内方へ延びる延出部(取付部)を有していればよく、断面L字状の形態で、前記延出部から上方へ延びる延出部を架設部材などに固定してもよい。
【0091】
また、ポンプなどの駆動手段(駆動ユニット)、バルブなどの流路コントロールユニットなどのユニットは、このユニットの配置形態に応じて、直接的又は間接的に枠形成部材に配置でき、例えば、枠形成部材から内方へ延びる取付部を溶接などで接合し、この取付部に配置してもよい。
【0092】
また、架台本体の枠内には、前記配管構造、ポンプなどに限らず、架台の下部空間(枠内空間)を利用して、他の種々の配管、接続ユニットなどを配置できる。
【0093】
本発明は、タンク搭載車輌も包含する。この車輌では、シャーシとタンクとの間に前記架台が介在しており、前記シャーシと梁部材とが着脱可能に連結され、前記タンクと取付部材とが着脱可能に連結されている。
【0094】
タンクは、複数の部屋に区画されたタンク(種類の異なる複数の液体成分をそれぞれ収容可能な収容空間を有するタンク)であってもよいが、一室仕様のタンクであると、前記のような利点がある。なお、複数の部屋に区画されたタンクを利用する場合、メイン配管には、各部屋の接続口に対する接続部(開閉バルブを備えた開閉ユニット)を長手方向に間隔をおいて形成してもよい。
【0095】
タンクで輸送する被輸送物(又はタンクの収容物)の種類は、流体(流動体)であれば特に制限されず、気体(液化ガスを含む)、液体又は液体組成物(粘稠物を含む)などであってもよい。
【0096】
タンクは、架台に対して着脱又は交換可能であればよく、タンクと架台とを直接的に連結してもよいが、通常、中間部材を利用して、タンクと架台とを間接的に固定して連結する場合が多い。このような中間部材として、タンクを囲繞するコンテナ枠を利用すると有利である。コンテナ枠の形態は、通常、タンクを囲繞可能なフレーム枠を有しており、このフレーム枠は、筋交い状の補強フレームで補強されている。なお、コンテナ枠のフレーム枠の形態は特に制限されず、タンクの形態に応じて、四角柱状体、例えば、直方体、立方体の稜線に対応する枠体であってもよい。特に、ISO規格では、コンテナ枠の底辺のサイズ及び構造が同じであり、容積(高さ)の異なる各種のタンクが搭載可能である。そのため、このようなコンテナ枠に搭載されたタンク(コンテナ型タンク)に好適に適用される。
【0097】
梁部材とシャーシとの着脱機構は、両者を固定可能であり、タンクの輸送に支障がない限り特に制限されず、タンク輸送に利用されている種々の固定具、例えば、ボルト/ナット、緊締ボルトなどの緊締金具などが利用できる。なお、梁部材(例えば、複数の梁部材では幅方向の外側の梁部材)とシャーシとの着脱機構補強フレームは、梁部材及びシャーシの長手方向に間隔をおいて取り付ける場合が多い。
【0098】
取付部材とタンク(又はコンテナ型タンク)との着脱機構も、両者を安定に固定可能であり、タンクの輸送に支障がない限り特に制限されず、前記と同様の締結手段の他、ワンタッチ式ロック機構、例えば、ツイストロック機構(回転ロック機構)などが利用できる。ツイストロック機構において、取付部材と前記コンテナ枠(タンク)との結合(ロック)及び開放(アンロック)は半自動式又は自動式に行う方式(オートツイストロック機構)であってもよい。取付部材とタンク(又はコンテナ型タンク)との着脱機構は、取付部材の適所に形成できるが、通常、4つのコーナー部(4隅)、例えば、取付部材の両側部(例えば、両端部)と前記コンテナ枠(タンク)のコーナー部とに形成する場合が多く、取付部材に突起状ツイスト金具を装着する場合が多い。
【0099】
なお、前記のように、車輌の側部には、前記井桁状などの架台本体により、操作空間(作業空間)、配置空間を形成できるため、サブ配管の接続部(開閉バルブを備えた接続部)、バルブ(切り換え弁)開閉操作ハンドルなどを位置させることもでき、種々の架装物、例えば、消火器、工具類、梯子などを配置することもできる。
【0100】
また、タンク搭載車輌は、タンク内の収容物の種類に応じて、タンク内に窒素ガスなどを注入するための窒素ガス封入ユニットなどを備えていてもよい。
【0101】
なお、本発明の車輌では、必ずしも配管ドレン(配水管)を必要としないため、ドレンバルブの閉止忘れの事故も防止できる。