(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、応用例、詳細説明、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
【0013】
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数等(個数、数値、量、範囲等を含む)についても同様である。
【0014】
以下、実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一または関連する符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、複数の類似の部材(部位)が存在する場合には、総称の符号に記号を追加し個別または特定の部位を示す場合がある。また、以下の実施の形態では、特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
【0015】
また、実施の形態で用いる図面においては、断面図であっても図面を見易くするためにハッチングを省略する場合もある。また、平面図であっても図面を見易くするためにハッチングを付す場合もある。
【0016】
また、断面図および平面図において、各部位の大きさは実デバイスと対応するものではなく、図面を分かりやすくするため、特定の部位を相対的に大きく表示する場合がある。また、平面図と断面図が対応する場合においても、各部位の大きさを変えて表示する場合がある。
【0017】
(実施の形態1)
以下、図面を参照しながら本実施の形態の半導体装置について詳細に説明する。本実施の形態の半導体装置は、半導体素子としてFINFETを有する。
図1は、本実施の形態の半導体装置の構成を模式的に示す斜視図である。
図2は、本実施の形態の半導体装置の構成を示す平面図である。
図3〜
図5は、本実施の形態の半導体装置の構成を示す断面図である。
図3の断面図は、例えば、
図2の平面図のA1−A1断面部に、
図4の断面図は、例えば、
図2の平面図のA2−A2断面部に、
図5の断面図は、例えば、
図2の平面図のB−B断面部に対応する。
【0018】
[構造説明]
本実施の形態の半導体装置の特徴的な構成について、
図1〜
図5を参照しながら説明する。
【0019】
本実施の形態の半導体装置は、支持基板SS上の半導体層よりなるフィンFの主表面に形成されたFINFETを有する。
【0020】
このFINFETは、フィン(凸部)F上にゲート絶縁膜GIを介して配置されたゲート電極GEと、このゲート電極GEの両側のフィンF中に形成された、ソース拡散層SDおよびドレイン拡散層DDを有する(
図3参照)。
【0021】
このように、直方体状のフィンFに対し、フィンFを跨ぐようにゲート電極GEを配置することで、フィンFの両側面部もチャネル領域となる(
図1参照)。なお、直方体状とは、例えば、側面がテーパー状であるもの、また、上面が斜面であるものも含むものとする。
【0022】
このような構成によれば、ソース拡散層SDとドレイン拡散層DDとの間のパンチスルー耐性を向上させ、短チャネル効果を抑制することができる。また、フィンFの両側面部もチャネル領域として使用できるため、高い電流駆動力を得ることができる。
【0023】
また、ソース拡散層SDおよびドレイン拡散層DD上には、それぞれ、ソース領域SRおよびドレイン領域DRが配置されている。
【0024】
上記ゲート電極GE、ソース領域SRおよびドレイン領域DR上には、層間絶縁膜(図示せず)が配置されている。この層間絶縁膜中には、複数のプラグP1が配置されている。複数のプラグP1のうち、ゲート電極GEの端部に配置された幅広部(ゲートパッド)GP上のプラグP1を「P1G」と、ソース領域SR上のプラグP1を「P1S」と、ドレイン領域DR上のプラグP1を「P1D」と示す(
図2参照)。
【0025】
次いで、本実施の形態の半導体装置の各構成部位の平面形状(上面からの平面視における形状)について説明する。
【0026】
図2に示すように、フィンFの平面形状は、一定の幅(Y方向の長さ、W1)を有するライン状(X方向に長辺を有する矩形状)である。
図2に示す2本のフィンFは、一定の間隔(ピッチ、D1)を置いて平行に配置されている。
【0027】
図2に示すように、ゲート電極GEの平面形状は、一定の幅(X方向の長さ、W2)を有するライン状(Y方向に長辺を有する矩形状)である。このように、ゲート電極GEは、フィンFと交差する方向に延在する。また、ゲート電極GEの端部には、ゲート電極GEの幅(W2)より大きい幅広部(ゲートパッド、幅W3)GPが配置されている。
【0028】
ゲート電極GEの両側のフィンF中にソース拡散層SDおよびドレイン拡散層DDが配置されている。また、フィンFとゲート電極GEとは、ゲート絶縁膜GIを介して重なっている。より具体的には、ゲート絶縁膜GIは、フィンFの側面および表面に配置されている(
図5参照)。
【0029】
図2に示すように、ソース領域SRの平面形状は、一定の幅(X方向の長さ、W4)を有するライン状(Y方向に長辺を有する矩形状)である。このように、ソース領域SRは、フィンFと交差する方向に延在する。また、ドレイン領域DRの平面形状は、一定の幅(X方向の長さ、W4)を有するライン状(Y方向に長辺を有する矩形状)である。このように、ドレイン領域DRは、フィンFと交差する方向に延在する。また、別の言い方をすれば、ソース領域SRは、ゲート電極GEの他方の側(
図2中では右側)に位置する2本のフィンF中の各ソース拡散層SD上に、Y方向に延在するように配置される。ドレイン領域DRは、ゲート電極GEの一方の側(
図2中では左側)に位置する2本のフィンF中の各ドレイン拡散層DD上に、Y方向に延在するように配置される。
図2においては、ゲート電極GEとドレイン領域DRとの間の距離は、ゲート電極GEとソース領域SRとの間の距離と同程度である。なお、ゲート電極GEとドレイン領域DRとの間の距離を、ゲート電極GEとソース領域SRとの間の距離より大きくしてもよい。
【0030】
図2に示すように、ソース領域SR上には、2つのソースプラグP1Sが配置されている。この2つのソースプラグP1Sは、2本のフィンFとソース領域SRとの交差領域(重なり領域)上にそれぞれ配置されている。また、ドレイン領域DR上には、1つのドレインプラグP1Dが配置されている。この1つのドレインプラグP1Dは、2本のフィンF間に位置する領域(溝領域)とソース領域SRとの交差領域上に配置されている。ドレインプラグP1Dの数は、ソースプラグP1Sの数より少ない。
【0031】
このように、ドレインプラグP1DとソースプラグP1Sとは、対向しないように配置されている。別の言い方をすれば、ドレインプラグP1Dは、2つのソースプラグP1S間の領域に対応するように配置されている。言い換えれば、ドレインプラグP1Dは、2つのソースプラグP1SのいずれともY方向の位置が重ならないようにずれて配置(交互配置)されている。Y方向の位置とは、例えば、ドレインプラグP1DまたはソースプラグP1Sの形成領域の中心座標(X、Y)のうち、Y座標をいう。
【0032】
このように、本実施の形態によれば、ドレインプラグ(プラグ、ドレイン側のコンタクト)P1Dの数と、ソースプラグ(プラグ、ソース側のコンタクト)P1Sの数とを、1:1とならないように設定し、かつ、ドレインプラグP1Dの数の方が、ソースプラグP1Sの数より少なくなるように設定している。そして、さらに、ドレインプラグP1DとソースプラグP1Sとを対向させないように配置している。
【0033】
このような構成により、ミラー効果による回路遅延を抑制することができる。また、回路動作の安定性を向上させることができる。
【0034】
[製法説明]
次いで、
図6〜
図23を参照しながら、本実施の形態の半導体装置の製造方法を説明するとともに、当該半導体装置の構成をより明確にする。
図6〜
図23は、本実施の形態の半導体装置の製造工程を示す断面図である。なお、各断面図は、例えば、
図2の平面図のA1−A1断面部、A2−A2断面部またはB−B断面部に対応する。また、以下に示す工程は、本実施の形態の半導体装置の製造工程の一例であり、本実施の形態の半導体装置を他の製造工程により形成してもよい。
【0035】
図6〜
図8に示すように、半導体層SLが形成された支持基板(基体)SSを準備し、フィン(凸部)Fを形成する。半導体層SLは、例えば、シリコン層である。例えば、半導体層SL上に、フォトレジスト膜(図示せず)を形成し、露光することにより、複数のライン状(X方向に長辺を有する矩形状)のフォトレジスト膜よりなるパターンを形成する。次いで、このフォトレジスト膜をマスクとして、半導体層SLをエッチングすることにより、複数のフィンFを形成する。
【0036】
複数のフィンFのそれぞれは、一定の幅(Y方向の長さ、W1)を有するライン状(X方向に長辺を有する矩形状)であり、一定の間隔(ピッチ、D1)を置いて配置されている。別の言い方をすれば、フィンFは、直方体状であり、隣り合う2つのフィンFの側面間は、距離D1だけ離間している(
図2参照)。また、フィンF間は、溝(凹部)となる(
図8参照)。なお、このように、露光、現像により所望の形状に加工したフォトレジスト膜、または、ハードマスク膜などをマスクとして、エッチングを行うことにより、下層の材料を所望の形状に加工することをパターニングという。
【0037】
次いで、
図9〜
図11に示すように、フィンFの表面に、絶縁膜よりなるゲート絶縁膜GIを形成する。例えば、熱酸化法によりフィンFの表面に酸化シリコン膜を形成する。さらに、この酸化シリコン膜上に、CVD法により高誘電率膜を堆積する。このようにして、酸化シリコン膜と高誘電率膜との積層膜よりなるゲート絶縁膜GIを形成することができる。ゲート絶縁膜GIは、フィンFの側面および表面に形成される(
図11参照)。なお、熱酸化法により形成された膜を単層でゲート絶縁膜GIとして用いてもよく、また、CVD法により形成された膜を単層でゲート絶縁膜GIとして用いてもよい。
【0038】
次いで、
図12〜
図14に示すように、フィンF上に、ゲート絶縁膜GIを介してゲート電極GEを形成する。別の言い方をすれば、複数のフィンFを跨ぐようにゲート電極GEを形成する。ゲート電極GEは、導電性膜よりなる。
【0039】
ゲート電極GEは、フィンFと交差する方向(ここでは、Y方向)に形成され、一定の幅(X方向の長さ、W2)を有するライン状(Y方向に長辺を有する矩形状)であり、その端部には、幅W2より大きい幅広部(ゲートパッド、幅W3)GPが形成されている(
図2参照)。
【0040】
例えば、ゲート絶縁膜GI上に、ゲート電極材料としてポリシリコン膜をCVD法などを用いて形成する。次いで、ポリシリコン膜をパターニングすることにより、ゲート電極GEを形成する。この際、ゲート電極GEの両側に露出したゲート絶縁膜GIを除去してもよい。
【0041】
次いで、
図15〜
図17に示すように、ゲート電極GEの両側のフィンFにソース拡散層SDおよびドレイン拡散層DDを形成する。例えば、ゲート電極GEをマスクとして、リン(P)や砒素(As)などのn型不純物をイオン注入することにより、n型不純物拡散領域(ソース拡散層SDおよびドレイン拡散層DD)を形成する。この際、斜めイオン注入法を用いることにより、精度良くn型不純物拡散領域を形成することができる。例えば、フィンFの第1側面に対し、斜めにn型不純物をイオン注入し、さらに、フィンFの第2側面(第1側面と対抗する面)に対し、斜めにn型不純物をイオン注入する。
【0042】
なお、pチャネル型のFINFETを形成する際には、p型不純物をイオン注入すればよい。また、ソース拡散層SDおよびドレイン拡散層DDを、いわゆるLDD(Lightly doped drain)構造としてもよい。即ち、ソース拡散層SDおよびドレイン拡散層DDを、それぞれ、高濃度の不純物領域と低濃度の不純物領域とで構成してもよい。この場合、ゲート電極GEをマスクとして、イオン注入することにより、低濃度の不純物領域を形成した後、ゲート電極GEの側壁にサイドウォール膜(側壁膜)を形成し、ゲート電極GEおよびサイドウォール膜をマスクとして、イオン注入することにより、高濃度の不純物領域を形成すればよい。また、ゲート電極GE、ソース拡散層SDおよびドレイン拡散層DDの上部に金属シリサイド膜を設けてもよい。また、ゲート電極GE上にあらかじめキャップ絶縁膜を設けていてもよい。
【0043】
次いで、
図18〜
図20に示すように、フィンF(ソース拡散層SDおよびドレイン拡散層DD)上に、ソース領域SRおよびドレイン領域DRを形成する。別の言い方をすれば、複数のフィンF(ソース拡散層SDおよびドレイン拡散層DD)を跨ぐようにソース領域SRおよびドレイン領域DRを形成する。
【0044】
ソース領域SRおよびドレイン領域DRは、それぞれ、フィンFと交差する方向(ここでは、Y方向)に形成され、一定の幅(X方向の長さ、W4)を有するライン状(Y方向に長辺を有する矩形状)である。
【0045】
例えば、フィンF上に、ソース領域およびドレイン領域材料として、導電性膜(半導体膜、金属膜、金属化合物膜など)をCVD法などを用いて形成する。次いで、必要に応じて、導電性膜の表面をCMP(Chemical Mechanical Polishing:化学的機械研磨)法などを用いて平坦化する、または、導電性膜の表面をエッチバックする。次いで、導電性膜をパターニングすることにより、ソース領域SRおよびドレイン領域DRを形成する。
【0046】
次いで、
図21〜
図23に示すように、支持基板SSの上方に層間絶縁膜(図示せず)を形成し、さらに、この層間絶縁膜中にドレインプラグP1D、ソースプラグP1Sおよびゲートプラグ(P1G、
図2参照)を形成する。
【0047】
例えば、フィンF、フィンF間、ゲート電極GE、ソース領域SRおよびドレイン領域DR上に、層間絶縁膜として酸化シリコン膜をCVD法などにより形成する。なお、酸化シリコン膜の下層に、例えば、窒化シリコン膜よりなるエッチングストッパー膜を形成してもよい。次いで、層間絶縁膜をパターニングすることによりコンタクトホールを形成する。即ち、図示しないフォトレジスト膜をマスクとして、幅広部(ゲートパッドGP、
図2参照)、ソース領域SRおよびドレイン領域DR上の層間絶縁膜を除去することにより、コンタクトホールを形成する。
【0048】
この際、ドレインプラグP1D用のコンタクトホールとソースプラグP1S用のコンタクトホールを、それぞれY方向の位置が重ならないようにずらして形成する。
【0049】
次いで、コンタクトホールに導電性膜を埋め込むことによりプラグP1(ドレインプラグP1D、ソースプラグP1SおよびゲートプラグP1G)を形成する。例えば、コンタクトホール内を含む層間絶縁膜上に、例えば、導電性膜として、タングステン(W)などの金属膜をスパッタリング法を用いて堆積する。次いで、コンタクトホール外の不要な金属膜を、CMP法やエッチバック法などを用いて除去する。
【0050】
これにより、ソース領域SR上に、2つのソースプラグP1Sを形成し、また、ドレイン領域DR上に、1つのドレインプラグP1Dを形成する。
【0051】
上記ドレインプラグP1DとソースプラグP1Sとは、前述したように、対向しないように配置される。別の言い方をすれば、ドレインプラグP1Dは、2つのソースプラグP1S間の領域に対応するように配置される。言い換えれば、ドレインプラグP1Dは、2つのソースプラグP1SのいずれともY方向の位置が重ならないようにずれて配置される(
図2参照)。
【0052】
次いで、プラグP1および層間絶縁膜上に、配線(図示せず)を形成する。この後、層間絶縁膜、プラグおよび配線の形成工程を繰り返すことにより、多層の配線を形成してもよい。配線は、導電性膜をパターニングすることにより形成してもよいし、また、いわゆるダマシン法を用いて形成してもよい。ダマシン法では、絶縁膜中に配線溝を形成し、この配線溝中に導電性膜を埋め込むことにより配線を形成する。
【0053】
以上の工程により、本実施の形態の半導体装置を形成することができる。
【0054】
このように、本実施の形態によれば、ドレインプラグP1Dの数と、ソースプラグP1Sの数とを、1:1とならないように設定し、かつ、ドレインプラグP1Dの数の方が、ソースプラグP1Sの数より少なくなるように設定している。そして、さらに、ドレインプラグP1DとソースプラグP1Sとを対向させないように配置している。
【0055】
このような構成によれば、ゲート−ドレイン間容量(ドレイン側の寄生容量)である、ゲート電極GEとドレイン拡散層DDとの容量、ゲート電極GEとドレイン領域DRとの容量およびゲート電極GEとドレインプラグP1Dとの容量のうち、ゲート電極GEとドレインプラグP1Dとの容量を低減することができる。よって、ゲート−ドレイン間容量を、ゲート−ソース間容量(ゲート電極GEとソース拡散層SDとの容量、ゲート電極GEとソース領域SRとの容量およびゲート電極GEとソースプラグP1Sとの容量)より、小さくすることができる(
図3、
図4参照)。
【0056】
このように、ゲート−ドレイン間容量を、ゲート−ソース間容量より小さくすることで、ミラー効果による回路遅延を抑制することができ、半導体素子の動作速度を向上させることができる。なお、ミラー効果とは、FETなどの増幅器の入出力間に接続された容量素子の容量値が本来の値よりも大きな値に見える現象をいう。また、上記構成によれば、ソース側の容量が、ドレイン側の容量に比べ増加し、ドレイン側の抵抗が相対的に上昇することとなり、回路動作の安定性を向上させることができる。ここで、フィンFをパターニングする場合に、ダブルパターニング法を用いてもよい。例えば、隣り合う2つのフィンFのうち、一方のフィンと他方のフィンを異なるフォトマスクを用いてフォトレジスト膜に転写し、露光、現像することで、フォトレジスト膜の加工精度を向上させることができる。その結果、フィンFの加工ばらつきを抑制し、精度良くフィンFのパターンを形成することができる。特に、微細なフィンが狭いピッチで配置されている場合にもフィンFのパターンを精度良く形成することができる。
【0057】
<応用例1>
上記半導体装置(
図1〜
図5)においては、2本のフィンFを用いたが、2本以上のフィンFを用いてもよい。
【0058】
図24は、本実施の形態の応用例1の半導体装置の構成を示す平面図である。なお、応用例1の半導体装置は、フィンFの本数以外は上記半導体装置(
図1〜
図5)と同様の構成であるため、同様の構成については、その詳細な説明を省略する。
【0059】
図24に示すように、フィンFの平面形状は、一定の幅(Y方向の長さ)を有するライン状(X方向に長辺を有する矩形状)であり、4本のフィンFは、一定の間隔(ピッチ)を置いて配置されている。
【0060】
図24に示すように、ゲート電極GEの平面形状は、一定の幅(X方向の長さ)を有するライン状(Y方向に長辺を有する矩形状)である。このように、ゲート電極GEは、フィンFと交差する方向に延在する。また、ゲート電極GEの端部には、ゲート電極GEの幅より大きい幅広部(ゲートパッド)GPが配置されている。
【0061】
ゲート電極GEの両側のフィンF中にソース拡散層SDおよびドレイン拡散層DDが配置されている。また、フィンFとゲート電極GEとは、ゲート絶縁膜GIを介して重なっている。
【0062】
図24に示すように、ソース領域SRの平面形状は、一定の幅(X方向の長さ)を有するライン状(Y方向に長辺を有する矩形状)である。このように、ソース領域SRは、4本のフィンF上に、フィンFと交差する方向に延在する。また、ドレイン領域DRの平面形状は、一定の幅(X方向の長さ)を有するライン状(Y方向に長辺を有する矩形状)である。このように、ドレイン領域DRは、4本のフィンF上に、フィンFと交差する方向に延在する。
【0063】
そして、
図24に示すように、4本のフィンF上にフィンFと交差する方向に延在するソース領域SR上には、4つのソースプラグP1Sが配置されている。この4つのソースプラグP1Sは、4本のフィンFとソース領域SRとの交差領域上にそれぞれ配置されている。また、4本のフィンF上にフィンFと交差する方向に延在するドレイン領域DR上には、3つのドレインプラグP1Dが配置されている。この3つのドレインプラグP1Dは、4本のフィンFのそれぞれの間に位置する3つのライン状の領域とソース領域SRとの交差領域上にそれぞれ配置されている。ドレインプラグP1Dの数は、ソースプラグP1Sの数より少ない。
【0064】
このように、本応用例1の場合においても、ドレインプラグP1DとソースプラグP1Sとは、対向しないように配置されている。別の言い方をすれば、ドレインプラグP1Dは、2つのソースプラグP1S間の領域に対応するように配置されている。言い換えれば、3つのドレインプラグP1Dは、4つのソースプラグP1SのいずれともY方向の位置が重ならないようにずれて配置されている。
【0065】
このように、本実施の形態によれば、ドレインプラグP1Dの数と、ソースプラグP1Sの数とを、1:1とならないように設定し、かつ、ドレインプラグP1Dの数の方が、ソースプラグP1Sの数より少なくなるように設定している。そして、さらに、ドレインプラグP1DとソースプラグP1Sとを対向させないように配置している。
【0066】
このような構成によっても、
図1〜
図5に示す半導体装置の場合と同様に、ミラー効果による回路遅延を抑制することができる。また、回路動作の安定性を向上させることができる。
【0067】
なお、本応用例の半導体装置は、
図1〜
図5に示す半導体装置の場合と同様の工程を経ることにより形成することができる。ここで、4本以上のフィンFをパターニングする場合に、ダブルパターニング法を用いてもよい。例えば、4本のフィンFのうち、上から1番目と3番目のフィンを一組とし、上から2番目と4番目のフィンを一組とし、これらを組ごとに、異なるフォトマスクを用いてフォトレジスト膜に転写し、露光、現像することで、フォトレジスト膜の加工精度を向上させることができる。その結果、フィンFの加工ばらつきを抑制し、精度良くフィンFのパターンを形成することができる。特に、微細なフィンが狭いピッチで配置されている場合にもフィンFのパターンを精度良く形成することができる。
【0068】
<応用例2>
上記応用例1の半導体装置(
図24)においては、4本のフィンF上に、フィンFと交差する方向に延在するドレイン領域DRを設けたが、このドレイン領域DRを分割してもよい。
【0069】
図25は、本実施の形態の応用例2の半導体装置の構成を示す平面図である。なお、応用例2の半導体装置は、ドレイン領域DRの形状以外は上記応用例1の半導体装置(
図24)と同様の構成であるため、ドレイン領域DRの形状について詳細に説明する。
【0070】
図25に示すように、4本のフィンF上にフィンFと交差する方向に延在するソース領域SR上には、4つのソースプラグP1Sが配置されている。この4つのソースプラグP1Sは、4本のフィンFとソース領域SRとの交差領域上にそれぞれ配置されている。
【0071】
ここで、ドレイン領域(DR)について、本応用例においては、4本のフィンFのうち、2本のフィンF上にフィンFと交差する方向に延在するドレイン領域(ドレイン部)DR1と、他の2本のフィンF上にフィンFと交差する方向に延在するドレイン領域(ドレイン部)DR2とが設けられている。このように、ドレイン領域(DR1、DR2)を分割して配置することで、ゲート−ドレイン間容量をさらに低減することができる。例えば、2個分のドレインプラグP1Dおよびドレイン領域間の領域に対応する容量を低減することができる。
【0072】
なお、本応用例の半導体装置は、
図1〜
図5に示す半導体装置の場合と同様の工程を経ることにより形成することができる。ここでも、ダブルパターニング法を用いてフィンを形成してもよい。
【0073】
(実施の形態2)
実施の形態1の半導体装置(
図1〜
図5)においては、2つのソースプラグP1Sを設けた、即ち、2本のフィンFとソース領域SRとの交差領域上にそれぞれソースプラグP1Sを設けたが、2つのソースプラグP1Sを繋いだ形状の長いソースプラグP1SLを設けてもよい。
【0074】
図26は、本実施の形態の半導体装置の構成を示す平面図である。
図27および
図28は、本実施の形態の半導体装置の構成を示す断面図である。
図27の断面図は、例えば、
図26の平面図のA1−A1断面部に、
図28の断面図は、例えば、
図26の平面図のA2−A2断面部に対応する。
【0075】
なお、本実施の形態の半導体装置は、ソースプラグP1SLの形状以外は、実施の形態1の半導体装置(
図1〜
図5)と同様の構成であるため、ソースプラグP1SLの形状について詳細に説明する。
【0076】
図26に示すように、2本のフィンF上にフィンFと交差する方向に延在するソース領域SR上には、1つのソースプラグP1SLが配置されている。このソースプラグP1SLは、2本のフィンFとソース領域SRとのそれぞれの交差領域間を繋ぐように配置されている。このソースプラグP1SLは、Y方向に長辺を有する矩形状である。ソースプラグP1SLのX方向の辺(短辺)の長さ(幅)は、ドレインプラグP1DのX方向の辺の長さと同程度であるが、ソースプラグP1SLのY方向の辺(長辺)の長さは、ドレインプラグP1DのY方向の辺の長さより長い。よって、ソースプラグP1SLとゲート電極GEとの対向面積は、ドレインプラグP1Dとゲート電極GEとの対向面積より大きくなる。言い換えれば、ソースプラグP1SLとゲート電極GEとが重なるY方向の線分(対向領域)は、ドレインプラグP1Dとゲート電極GEとが重なるY方向の線分(対向領域)より大きくなる。
【0077】
このような構成によれば、ゲート−ソース間容量である、ゲート電極GEとソース拡散層SDとの容量、ゲート電極GEとソース領域SRとの容量およびゲート電極GEとソースプラグP1SLとの容量のうち、ゲート電極GEとソースプラグP1SLとの容量が、実施の形態1の半導体装置(
図1〜
図5)と比較し大きくなる(
図27、
図28も参照)。これにより、回路動作の安定性を向上させることができる。
【0078】
なお、本実施の形態の半導体装置は、実施の形態1の半導体装置の場合と同様の工程を経ることにより形成することができる。
【0079】
<応用例>
上記半導体装置(
図26)においては、2本のフィンFを用いたが、実施の形態1の応用例1および応用例2で説明したように2本以上のフィンFを用いてもよい。
【0080】
図29は、本実施の形態の応用例1の半導体装置の構成を示す平面図である。なお、上記半導体装置(
図26)と同様の構成については、その詳細な説明を省略する。
【0081】
図29に示すように、フィンFの平面形状は、一定の幅(Y方向の長さ)を有するライン状(X方向に長辺を有する矩形状)であり、4本のフィンFは、一定の間隔(ピッチ)を置いてそれぞれ平行に配置されている。
【0082】
図29に示すように、ゲート電極GEの平面形状は、一定の幅(X方向の長さ)を有するライン状(Y方向に長辺を有する矩形状)である。このように、ゲート電極GEは、フィンFと交差する方向に延在する。また、ゲート電極GEの端部には、ゲート電極GEの幅より大きい幅広部(ゲートパッド)GPが配置されている。
【0083】
ゲート電極GEの両側のフィンF中にソース拡散層SDおよびドレイン拡散層DDが配置されている。また、フィンFとゲート電極GEとは、ゲート絶縁膜GIを介して重なっている。
【0084】
図29に示すように、ソース領域SRの平面形状は、一定の幅(X方向の長さ)を有するライン状(Y方向に長辺を有する矩形状)である。このように、ソース領域SRは、4本のフィンF上に、フィンFと交差する方向に延在する。また、ドレイン領域DRの平面形状は、一定の幅(X方向の長さ)を有するライン状(Y方向に長辺を有する矩形状)である。このように、ドレイン領域DRは、4本のフィンF上に、フィンFと交差する方向に延在する。
【0085】
そして、
図29に示すように、4本のフィンF上にフィンFと交差する方向に延在するソース領域SR上には、1つのソースプラグP1SLが配置されている。このソースプラグP1SLは、4本のフィンFのうち最外に位置するフィンF(
図29においては、最上のフィンFと最下のフィンF)とソース領域SRとのそれぞれの交差領域間を繋ぐように配置されている。このソースプラグP1SLは、Y方向に長辺を有する矩形状である。ソースプラグP1SLのX方向の辺(短辺)の長さ(幅)は、ドレインプラグP1DのX方向の辺の長さと同程度であるが、ソースプラグP1SLのY方向の辺(長辺)の長さは、ドレインプラグP1DのY方向の辺の長さより長い。
【0086】
また、4本のフィンF上にフィンFと交差する方向に延在するドレイン領域DR上には、3つのドレインプラグP1Dが配置されている。この3つのドレインプラグP1Dは、4本のフィンFのそれぞれの間に位置する3つのライン状の領域とソース領域SRとの交差領域上にそれぞれ配置されている。ドレインプラグP1Dの形成領域(3つのドレインプラグP1Dの形成領域の和)は、ソースプラグP1SLの形成領域より小さい。そして、ソースプラグP1SLとゲート電極GEとの対向面積は、3つのドレインプラグP1Dとゲート電極GEとの対向面積より大きい。
【0087】
このような構成によれば、ゲート−ソース間容量である、ゲート電極GEとソース拡散層SDとの容量、ゲート電極GEとソース領域SRとの容量およびゲート電極GEとソースプラグP1SLとの容量のうち、ゲート電極GEとソースプラグP1SLとの容量が、実施の形態1の応用例1の半導体装置(
図24)と比較し大きくなる。これにより、回路動作の安定性を向上させることができる。
【0088】
図30は、本実施の形態の応用例2の半導体装置の構成を示す平面図である。なお、応用例2の半導体装置は、ドレイン領域DRの形状以外は上記応用例1の半導体装置(
図29)と同様の構成であるため、ドレイン領域DRの形状について詳細に説明する。
【0089】
図30に示すように、本応用例においては、ドレイン領域(DR)が分割して設けられている。具体的には、4本のフィンFのうち、2本のフィンF上にフィンFと交差する方向に延在するドレイン領域DR1と、他の2本のフィンF上にフィンFと交差する方向に延在するドレイン領域DR2とが設けられている。このように、ドレイン領域(DR1、DR2)を分割して配置することで、ゲート−ドレイン間容量をさらに低減することができる。
【0090】
なお、本応用例の半導体装置は、実施の形態1の半導体装置の場合と同様の工程を経ることにより形成することができる。ここでも、ダブルパターニング法を用いてフィンを形成してもよい。
【0091】
(実施の形態3)
本実施の形態においては、フィンFのドレイン側の高さをソース側の高さより低くする。
【0092】
図31は、本実施の形態の半導体装置の構成を示す平面図である。
図32および
図33は、本実施の形態の半導体装置の構成を示す断面図である。
図32の断面図は、例えば、
図31の平面図のA1−A1断面部に、
図33の断面図は、例えば、
図31の平面図のA2−A2断面部に対応する。
【0093】
なお、本実施の形態の半導体装置は、フィンFのドレイン側の高さ以外は、実施の形態1の半導体装置(
図1〜
図5)と同様の構成であるため、フィンFの形状について詳細に説明する。
【0094】
本実施の形態の平面図は、実施の形態1の場合と同様である。即ち、
図31に示すように、2本のフィンF上にフィンFと交差する方向に延在するゲート電極GEが設けられ、このゲート電極GEの一方の側のソース拡散層SD上には、フィンFと交差する方向に延在するソース領域SRが設けられ、このゲート電極GEの他方の側のドレイン拡散層DD上には、フィンFと交差する方向に延在するドレイン領域DRが設けられている。
【0095】
そして、ソース領域SR上には、2つのソースプラグP1Sが配置されている。この2つのソースプラグP1Sは、2本のフィンFとソース領域SRとの交差領域上にそれぞれ配置されている。また、ドレイン領域DR上には、1つのドレインプラグP1Dが配置されている。この1つのドレインプラグP1Dは、2本のフィンF間に位置する領域とソース領域SRとの交差領域上に配置されている。ドレインプラグP1Dの数は、ソースプラグP1Sの数より少ない。
【0096】
このように、ドレインプラグP1DとソースプラグP1Sとは、対向しないように配置されている。別の言い方をすれば、ドレインプラグP1Dは、2つのソースプラグP1S間の領域に対応するように配置されている。言い換えれば、ドレインプラグP1Dは、2つのソースプラグP1SのいずれともY方向の位置が重ならないようにずれて配置されている。
【0097】
このように、本実施の形態によれば、ドレインプラグ(プラグ、ドレイン側のコンタクト)P1Dの数と、ソースプラグ(プラグ、ソース側のコンタクト)P1Sの数とを、1:1とならないように設定し、かつ、ドレインプラグP1Dの数の方が、ソースプラグP1Sの数より少なくなるように設定している。そして、さらに、ドレインプラグP1DとソースプラグP1Sとを対向させないように配置している。
【0098】
このような構成によれば、実施の形態1の場合と同様に、ミラー効果による回路遅延を抑制することができる。また、回路動作の安定性を向上させることができる。
【0099】
さらに、本実施の形態においては、
図32に示すように、フィンFのドレイン側の高さがソース側の高さより低くなっている。このような構成によれば、ゲート−ドレイン間容量である、ゲート電極GEとドレイン拡散層DDとの容量、ゲート電極GEとドレイン領域DRとの容量およびゲート電極GEとドレインプラグP1Dとの容量のうち、ゲート電極GEとドレイン拡散層DDとの容量を低減することができる。よって、ゲート−ドレイン間容量を、ゲート−ソース間容量(ゲート電極GEとソース拡散層SDとの容量、ゲート電極GEとソース領域SRとの容量およびゲート電極GEとソースプラグP1Sとの容量)より、小さくすることができ、ミラー効果による回路遅延をさらに抑制することができ、また、回路動作の安定性をさらに向上させることができる。
【0100】
本実施の形態の半導体装置は、実施の形態1の半導体装置と同様の工程を経ることにより形成することができる。但し、本実施の形態の場合は、複数の直方体状のフィンFを形成した後、ドレイン領域DR側のフィンFの上部をエッチングすることにより、フィンFのドレイン側の高さをソース側の高さより低くする。
【0101】
(実施の形態4)
実施の形態3の半導体装置(
図31〜
図33)においては、2つのソースプラグP1Sを設けた、即ち、2本のフィンFとソース領域SRとの交差領域上にそれぞれソースプラグP1Sを設けたが、2つのソースプラグP1Sを繋いだ形状の長いソースプラグP1SLを設けてもよい。
【0102】
図34は、本実施の形態の半導体装置の構成を示す平面図である。
図35および
図36は、本実施の形態の半導体装置の構成を示す断面図である。
図35の断面図は、例えば、
図34の平面図のA1−A1断面部に、
図36の断面図は、例えば、
図34の平面図のA2−A2断面部に対応する。
【0103】
本実施の形態においても、実施の形態3の半導体装置(
図31〜
図33)と同様に、フィンFのドレイン側の高さがソース側の高さより低くなっている(
図35参照)。なお、本実施の形態の半導体装置は、ソースプラグP1SLの形状以外は、実施の形態3の半導体装置(
図31〜
図33)と同様の構成であるため、ソースプラグP1SLの形状について詳細に説明する。
【0104】
図34に示すように、2本のフィンF上にフィンFと交差する方向に延在するソース領域SR上には、1つのソースプラグP1SLが配置されている。このソースプラグP1SLは、2本のフィンFとソース領域SRとのそれぞれの交差領域間を繋ぐように配置されている。このソースプラグP1SLは、Y方向に長辺を有する矩形状である。ソースプラグP1SLのX方向の辺(短辺)の長さ(幅)は、ドレインプラグP1DのX方向の辺の長さと同程度であるが、ソースプラグP1SLのY方向の辺(長辺)の長さは、ドレインプラグP1DのY方向の辺の長さより長い。よって、ソースプラグP1SLとゲート電極GEとの対向面積は、ドレインプラグP1Dとゲート電極GEとの対向面積より大きくなる。言い換えれば、ソースプラグP1SLとゲート電極GEとが重なるY方向の線分(対向領域)は、ドレインプラグP1Dとゲート電極GEとが重なるY方向の線分(対向領域)より大きくなる。
【0105】
このような構成によれば、ゲート−ソース間容量である、ゲート電極GEとソース拡散層SDとの容量、ゲート電極GEとソース領域SRとの容量およびゲート電極GEとソースプラグP1SLとの容量のうち、ゲート電極GEとソースプラグP1SLとの容量が、実施の形態3の半導体装置(
図31〜
図33)と比較し大きくなる。これにより、回路動作の安定性を向上させることができる。
【0106】
なお、本実施の形態の半導体装置は、実施の形態3の半導体装置の場合と同様の工程を経ることにより形成することができる。
【0107】
また、実施の形態1の応用例1および応用例2で説明したように2本以上のフィンFを用いた半導体装置において、フィンFのドレイン側の高さをソース側の高さより低くしてもよい。
【0108】
(実施の形態5)
実施の形態1の半導体装置(
図1〜
図5)においては、2本のフィンF上に、フィンFと交差する方向に延在するドレイン領域DRを設けたが、このドレイン領域DRを分割してもよい。
【0109】
図37は、本実施の形態の半導体装置の構成を示す平面図である。
図38および
図39は、本実施の形態の半導体装置の構成を示す断面図である。
図38の断面図は、例えば、
図37の平面図のA1−A1断面部に、
図39の断面図は、例えば、
図37の平面図のA2−A2断面部に対応する。
【0110】
図37に示すように、2本のフィンF上にフィンFと交差する方向に延在するゲート電極GEが設けられ、このゲート電極GEの一方の側のソース拡散層SD上には、フィンFと交差する方向に延在するソース領域SRが設けられ、このゲート電極GEの他方の側のドレイン拡散層DD上には、フィンFと交差する方向に延在するドレイン領域(DR)が設けられている。但し、本実施の形態においては、2本のフィンFのそれぞれの上に、ドレイン領域(DR1、DR2)が分割して配置されている。
【0111】
そして、ソース領域SR上には、2つのソースプラグP1Sが配置されている。この2つのソースプラグP1Sは、2本のフィンFとソース領域SRとの交差領域上にそれぞれ配置されている。また、2つのドレイン領域DR1、DR2上には、それぞれドレインプラグP1Dが配置されている。
【0112】
このように、本実施の形態においては、ゲート−ドレイン間容量である、ゲート電極GEとドレイン拡散層DDとの容量、ゲート電極GEとドレイン領域DRとの容量およびゲート電極GEとドレインプラグP1Dとの容量のうち、ゲート電極GEとドレイン領域DRとの容量を低減することができる。よって、ゲート−ドレイン間容量を、ゲート−ソース間容量(ゲート電極GEとソース拡散層SDとの容量、ゲート電極GEとソース領域SRとの容量およびゲート電極GEとソースプラグP1Sとの容量)より、小さくすることができる(
図38、
図39も参照)。
【0113】
なお、本実施の形態の半導体装置は、実施の形態1の半導体装置の場合と同様の工程を経ることにより形成することができる。
【0114】
<応用例>
上記半導体装置(
図37〜
図39)においては、2本のフィンFを用いたが、2本以上のフィンFを用いてもよい。
【0115】
図40は、本実施の形態の応用例の半導体装置の構成を示す平面図である。なお、本応用例の半導体装置は、フィンFの本数以外は上記半導体装置(
図37〜
図39)と同様の構成である。
【0116】
図40に示すように、4本のフィンF上にフィンFと交差する方向に延在するゲート電極GEが設けられ、このゲート電極GEの一方の側のソース拡散層SD上には、フィンFと交差する方向に延在するソース領域SRが設けられ、このゲート電極GEの他方の側のドレイン拡散層DD上には、フィンFと交差する方向に延在するドレイン領域(DR)が設けられている。但し、本実施の形態においては、4本のフィンFのそれぞれの上に、ドレイン領域(DR1、DR2、DR3、DR4)が分割して配置されている。
【0117】
そして、ソース領域SR上には、4つのソースプラグP1Sが配置されている。この4つのソースプラグP1Sは、4本のフィンFとソース領域SRとの交差領域上にそれぞれ配置されている。また、4つのドレイン領域DR1、DR2、DR3、DR4上には、それぞれドレインプラグP1Dが配置されている。
【0118】
このように、本実施の形態においては、ゲート−ドレイン間容量である、ゲート電極GEとドレイン拡散層DDとの容量、ゲート電極GEとドレイン領域DRとの容量およびゲート電極GEとドレインプラグP1Dとの容量のうち、ゲート電極GEとドレイン領域DRとの容量を低減することができる。よって、ゲート−ドレイン間容量を、ゲート−ソース間容量(ゲート電極GEとソース拡散層SDとの容量、ゲート電極GEとソース領域SRとの容量およびゲート電極GEとソースプラグP1Sとの容量)より、小さくすることができる。
【0119】
なお、本応用例の半導体装置は、実施の形態1の半導体装置の場合と同様の工程を経ることにより形成することができる。ここでも、ダブルパターニング法を用いてフィンを形成してもよい。
【0120】
(実施の形態6)
実施の形態5の半導体装置(
図37〜
図39)においては、2つのソースプラグP1Sを設けた、即ち、2本のフィンFとソース領域SRとの交差領域上にそれぞれソースプラグP1Sを設けたが、2つのソースプラグP1Sを繋いだ形状の長いソースプラグP1SLを設けてもよい。
【0121】
図41は、本実施の形態の半導体装置の構成を示す平面図である。
図42および
図43は、本実施の形態の半導体装置の構成を示す断面図である。
図42の断面図は、例えば、
図41の平面図のA1−A1断面部に、
図43の断面図は、例えば、
図41の平面図のA2−A2断面部に対応する。
【0122】
なお、本実施の形態の半導体装置は、ソースプラグP1SLの形状以外は、実施の形態5の半導体装置(
図37〜
図39)と同様の構成であるため、ソースプラグP1SLの形状について詳細に説明する。
【0123】
図41に示すように、2本のフィンF上にフィンFと交差する方向に延在するソース領域SR上には、1つのソースプラグP1SLが配置されている。このソースプラグP1SLは、2本のフィンFとソース領域SRとのそれぞれの交差領域間を繋ぐように配置されている。このソースプラグP1SLは、Y方向に長辺を有する矩形状である。ソースプラグP1SLのX方向の辺(短辺)の長さ(幅)は、ドレインプラグP1DのX方向の辺の長さと同程度であるが、ソースプラグP1SLのY方向の辺(長辺)の長さは、ドレインプラグP1DのY方向の辺の長さより長い。よって、ソースプラグP1SLとゲート電極GEとの対向面積は、ドレインプラグP1Dとゲート電極GEとの対向面積より大きくなる。言い換えれば、ソースプラグP1SLとゲート電極GEとが重なるY方向の線分(対向領域)は、ドレインプラグP1Dとゲート電極GEとが重なるY方向の線分(対向領域)より大きくなる。
【0124】
このような構成によれば、ゲート−ソース間容量である、ゲート電極GEとソース拡散層SDとの容量、ゲート電極GEとソース領域SRとの容量およびゲート電極GEとソースプラグP1SLとの容量のうち、ゲート電極GEとソースプラグP1SLとの容量が、実施の形態5の半導体装置(
図37〜
図39)と比較し大きくなる(
図42、
図43も参照)。これにより、回路動作の安定性を向上させることができる。
【0125】
なお、本実施の形態の半導体装置は、実施の形態1の半導体装置の場合と同様の工程を経ることにより形成することができる。
【0126】
<応用例>
上記半導体装置(
図41〜
図43)においては、2本のフィンFを用いたが、2本以上のフィンFを用いてもよい。
【0127】
図44は、本実施の形態の応用例の半導体装置の構成を示す平面図である。なお、本応用例の半導体装置は、フィンFの本数以外は上記半導体装置(
図41〜
図43)と同様の構成である。
【0128】
図44に示すように、4本のフィンF上にフィンFと交差する方向に延在するゲート電極GEが設けられ、このゲート電極GEの一方の側のソース拡散層SD上には、フィンFと交差する方向に延在するソース領域SRが設けられ、このゲート電極GEの他方の側のドレイン拡散層DD上には、フィンFと交差する方向に延在するドレイン領域(DR)が設けられている。但し、本実施の形態においては、4本のフィンFのそれぞれの上に、ドレイン領域(DR1、DR2、DR3、DR4)が分割して配置されている。
【0129】
そして、
図44に示すように、4本のフィンF上にフィンFと交差する方向に延在するソース領域SR上には、1つのソースプラグP1SLが配置されている。このソースプラグP1SLは、4本のフィンFのうち最外に位置するフィンF(
図44においては、最上のフィンFと最下のフィンF)とソース領域SRとのそれぞれの交差領域間を繋ぐように配置されている。このソースプラグP1SLは、Y方向に長辺を有する矩形状である。ソースプラグP1SLのX方向の辺(短辺)の長さ(幅)は、ドレインプラグP1DのX方向の辺の長さと同程度であるが、ソースプラグP1SLのY方向の辺(長辺)の長さは、ドレインプラグP1DのY方向の辺の長さより長い。
【0130】
また、4本のフィンF上に分割して配置されたドレイン領域(DR1、DR2、DR3、DR4)上には、それぞれドレインプラグP1Dが配置されている。ドレインプラグP1Dの形成領域(4つのドレインプラグP1Dの形成領域の和)は、ソースプラグP1SLの形成領域より小さい。そして、ソースプラグP1SLとゲート電極GEとの対向面積は、4つのドレインプラグP1Dとゲート電極GEとの対向面積より大きい。
【0131】
このような構成によれば、ゲート−ソース間容量である、ゲート電極GEとソース拡散層SDとの容量、ゲート電極GEとソース領域SRとの容量およびゲート電極GEとソースプラグP1SLとの容量のうち、ゲート電極GEとソースプラグP1SLとの容量が、実施の形態1の応用例1の半導体装置(
図24)と比較し大きくなる。これにより、回路動作の安定性を向上させることができる。
【0132】
なお、本実施の形態の半導体装置は、実施の形態1の半導体装置の場合と同様の工程を経ることにより形成することができる。ここでも、ダブルパターニング法を用いてフィンを形成してもよい。
【0133】
(実施の形態7)
ドレイン領域DRを分割して配置した実施の形態5の半導体装置(
図37〜
図39)において、フィンFのドレイン側の高さをソース側の高さより低くしてもよい。
【0134】
図45は、本実施の形態の半導体装置の構成を示す平面図である。
図46および
図47は、本実施の形態の半導体装置の構成を示す断面図である。
図46の断面図は、例えば、
図45の平面図のA1−A1断面部に、
図47の断面図は、例えば、
図45の平面図のA2−A2断面部に対応する。
【0135】
なお、本実施の形態の半導体装置は、フィンFのドレイン側の高さ以外は、実施の形態5の半導体装置(
図37〜
図39)と同様の構成であるため、フィンFの形状について詳細に説明する。
【0136】
本実施の形態の平面図は、実施の形態5の場合と同様である。即ち、
図45に示すように、2本のフィンF上にフィンFと交差する方向に延在するゲート電極GEが設けられ、このゲート電極GEの一方の側のソース拡散層SD上には、フィンFと交差する方向に延在するソース領域SRが設けられ、このゲート電極GEの他方の側のドレイン拡散層DD上には、フィンFと交差する方向に延在するドレイン領域(DR)が設けられている。但し、本実施の形態においては、2本のフィンFのそれぞれの上に、ドレイン領域(DR1、DR2)が分割して配置されている。
【0137】
そして、ソース領域SR上には、2つのソースプラグP1Sが配置されている。この2つのソースプラグP1Sは、2本のフィンFとソース領域SRとの交差領域上にそれぞれ配置されている。また、ドレイン領域DR1、DR2上には、それぞれドレインプラグP1Dが配置されている。
【0138】
このように、本実施の形態においては、ゲート−ドレイン間容量である、ゲート電極GEとドレイン拡散層DDとの容量、ゲート電極GEとドレイン領域DRとの容量およびゲート電極GEとドレインプラグP1Dとの容量のうち、ゲート電極GEとドレイン領域DRとの容量を低減することができる。よって、ゲート−ドレイン間容量を、ゲート−ソース間容量(ゲート電極GEとソース拡散層SDとの容量、ゲート電極GEとソース領域SRとの容量およびゲート電極GEとソースプラグP1Sとの容量)より、小さくすることができる。
【0139】
さらに、本実施の形態においては、
図46に示すように、フィンFのドレイン側の高さがソース側の高さより低くなっている。このような構成によれば、ゲート−ドレイン間容量である、ゲート電極GEとドレイン拡散層DDとの容量、ゲート電極GEとドレイン領域DRとの容量およびゲート電極GEとドレインプラグP1Dとの容量のうち、ゲート電極GEとドレイン拡散層DDとの容量を低減することができる。よって、ゲート−ドレイン間容量を、ゲート−ソース間容量(ゲート電極GEとソース拡散層SDとの容量、ゲート電極GEとソース領域SRとの容量およびゲート電極GEとソースプラグP1Sとの容量)より、小さくすることができ、ミラー効果による回路遅延をさらに抑制することができ、また、回路動作の安定性をさらに向上させることができる。
【0140】
本実施の形態の半導体装置は、実施の形態1の半導体装置と同様の工程を経ることにより形成することができる。但し、本実施の形態の場合は、複数の直方体状のフィンFを形成した後、ドレイン領域DR側のフィンFの上部をエッチングすることにより、フィンFのドレイン側の高さをソース側の高さより低くする。
【0141】
(実施の形態8)
ドレイン領域DRを分割して配置した実施の形態6の半導体装置(
図41〜
図43)において、フィンFのドレイン側の高さをソース側の高さより低くしてもよい。
【0142】
図48は、本実施の形態の半導体装置の構成を示す平面図である。
図49および
図50は、本実施の形態の半導体装置の構成を示す断面図である。
図49の断面図は、例えば、
図48の平面図のA1−A1断面部に、
図50の断面図は、例えば、
図48の平面図のA2−A2断面部に対応する。
【0143】
なお、本実施の形態の半導体装置は、フィンFのドレイン側の高さ以外は、実施の形態6の半導体装置(
図41〜
図43)と同様の構成であるため、フィンFの形状について詳細に説明する。
【0144】
本実施の形態の平面図は、実施の形態6の場合と同様である。即ち、
図48に示すように、2本のフィンF上にフィンFと交差する方向に延在するゲート電極GEが設けられ、このゲート電極GEの一方の側のソース拡散層SD上には、フィンFと交差する方向に延在するソース領域SRが設けられ、このゲート電極GEの他方の側のドレイン拡散層DD上には、フィンFと交差する方向に延在するドレイン領域(DR)が設けられている。但し、本実施の形態においては、2本のフィンFのそれぞれの上に、ドレイン領域(DR1、DR2)が分割して配置されている。
【0145】
そして、ソース領域SR上には、1つのソースプラグP1SLが配置されている。このソースプラグP1SLは、2本のフィンFとソース領域SRとのそれぞれの交差領域間を繋ぐように配置されている。このソースプラグP1SLは、Y方向に長辺を有する矩形状である。ソースプラグP1SLのX方向の辺(短辺)の長さ(幅)は、ドレインプラグP1DのX方向の辺の長さと同程度であるが、ソースプラグP1SLのY方向の辺(長辺)の長さは、ドレインプラグP1DのY方向の辺の長さより長い。よって、ソースプラグP1SLとゲート電極GEとの対向面積は、ドレインプラグP1Dとゲート電極GEとの対向面積より大きくなる。言い換えれば、ソースプラグP1SLとゲート電極GEとが重なるY方向の線分(対向領域)は、ドレインプラグP1Dとゲート電極GEとが重なるY方向の線分(対向領域)より大きくなる。
【0146】
このように、本実施の形態においては、ゲート−ドレイン間容量である、ゲート電極GEとドレイン拡散層DDとの容量、ゲート電極GEとドレイン領域DRとの容量およびゲート電極GEとドレインプラグP1Dとの容量のうち、ゲート電極GEとドレイン領域DRとの容量を低減することができる。よって、ゲート−ドレイン間容量を、ゲート−ソース間容量(ゲート電極GEとソース拡散層SDとの容量、ゲート電極GEとソース領域SRとの容量およびゲート電極GEとソースプラグP1SLとの容量)より、小さくすることができる。
【0147】
さらに、本実施の形態においては、
図49に示すように、フィンFのドレイン側の高さがソース側の高さより低くなっている。このような構成によれば、ゲート−ドレイン間容量である、ゲート電極GEとドレイン拡散層DDとの容量、ゲート電極GEとドレイン領域DRとの容量およびゲート電極GEとドレインプラグP1Dとの容量のうち、ゲート電極GEとドレイン拡散層DDとの容量を低減することができる。よって、ゲート−ドレイン間容量を、ゲート−ソース間容量(ゲート電極GEとソース拡散層SDとの容量、ゲート電極GEとソース領域SRとの容量およびゲート電極GEとソースプラグP1SLとの容量)より、小さくすることができ、ミラー効果による回路遅延をさらに抑制することができ、また、回路動作の安定性をさらに向上させることができる。
【0148】
本実施の形態の半導体装置は、実施の形態1の半導体装置と同様の工程を経ることにより形成することができる。但し、本実施の形態の場合は、複数の直方体状のフィンFを形成した後、ドレイン領域DR側のフィンFの上部をエッチングすることにより、フィンFのドレイン側の高さをソース側の高さより低くする。
【0149】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0150】
例えば、前述したように、実施の形態1の応用例1および応用例2で説明した、2本以上のフィンFを用いた半導体装置において、ドレイン側の高さをソース側の高さより低くしたフィンFの構成を適用してもよい。また、上記実施の形態においては、2本または4本のフィンFを例示したが、3本または5本以上のフィンを設けてもよい。また、上記実施の形態においては、フィンFとドレイン領域DR、フィンFとソース領域SRを異なる材料で形成したが、これらを単一の層で一体形成してもよい。また、上記実施の形態においては、ゲート電極GEとドレイン領域DRとの間の距離は、ゲート電極GEとソース領域SRとの間の距離と同程度としたが、ゲート電極GEとドレイン領域DRとの間の距離を、ゲート電極GEとソース領域SRとの間の距離より大きくしてもよい。また、実施の形態1において説明した半導体装置の製造工程は一例であり、他の工程により上記実施の形態に係る半導体装置を製造してもよい。また、半導体装置を構成する各部材の高さは、一例であり、例えば、ドレイン領域DR、ソース領域SR、ゲート電極GE、ドレインプラグP1DおよびソースプラグP1Sの高さやこれらの相対的な高さの関係は、適宜変更可能である。