(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1滑り止め部は、第2基節骨と第3基節骨の間、第2中足骨と第3中足骨の間、第3基節骨と第4基節骨の間、及び第3中足骨と第4中足骨の間で区切られている請求項1に記載の靴下。
前記樹脂は、ポリウレタン、シリコーン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマー、ゴム系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、及びアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体及びアクリル系樹脂からなる群から選ばれる1種以上の弾性樹脂である請求項5又は7に記載の靴下。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明者らは、テニス、バレーボール、バスケットボールなどの運動時における横動きや回転動作の瞬発力を向上させることについて検討を重ねた。その結果、サイドステップ時の足圧及びせん断力や、横動き及び前後動き時の靴底の屈曲状況などに基づいて、靴下の前足部及び後足部の表側の所定箇所に複数の異方性の滑り止め部を長手方向が所定方向になるように設けることで、運動時における横動きや回転動作の瞬発力が向上することを見出した。
【0013】
具体的には、室内運動の代表的な種目であるテニス、バレーボール、バスケットボールの3種目におけるサイドステップについて検討した。被験者は経験者3名及び非経験者2名の計5名として、圧力分布測定システムを用い、上記3種目におけるサイドステップ時の足圧データを解析した。同時に、床反力計を用いせん断力を解析した。同時に、三次元動作分析システムを用い、横動き及び前後動き時の靴底の屈曲状況を解析した。その結果を
図1に示した。
図1は右足を甲側から投影した模式図であり、(a)はサイドステップ時の足圧の分布を示す模式図であり、(b)はサイドステップ時のせん断力の分布を示す模式図であり、(c)は横動き及び前後動き時の靴底の屈曲ラインを示す模式図である。
図1(a)から分かるように、母指球から第一中足骨を覆う位置(A領域)、小指球から第五中足骨及び第四中足骨を覆う位置(B領域)及び踵骨を覆う位置(C領域)は足圧が高かった。
図1(b)において、矢印は床反力の向きを示す。
図1(b)から分かるように、前足部の内側において、せん断力は、外側上部から側内側下部に向けて斜め方向に作用しており、前足部の外側及び後足部においては、せん断力は、足の幅方向に沿う方向に作用していた。
図1(c)において、実線の円で示されているのは、横動きで靴底が屈曲するラインであり、一点鎖線の円で示されているのは、前後の動きで靴底が屈曲するラインである。
【0014】
本発明では、1以上の実施形態において、上記データに基づいて、足圧が高い領域に滑り止め部を配置するとともに、滑り止め部に異方性を持たせ、その長手方向をせん断力の方向に合わせることで、テニス、バレーボール、バスケットボールなどの運動時において、靴と足の密着性を高め、横動きや回転動作の瞬発力を向上させている。また、1以上の実施形態において、屈曲ラインに沿う形で滑り止め部を区切ることで、テニス、バレーボール、バスケットボールなどの運動時において、靴と足の密着性をより高め、横動きや回転動作の瞬発力を向上させている。
【0015】
本明細書において、外側とは足の小指側に対応し、内側とは足の親指側に対応し、上部とは足先側に対し、下部とは踵側に対応する。
【0016】
前記靴下は、靴下本体の前足部に設けられた複数の異方性の第1滑り止め部と、靴下本体の後足部に設けられた複数の異方性の第2滑り止め部を有する。本明細書において、「異方性」とは、滑り止め部が、等方性の形状ではなく、長手方向と短手方向を有することを意味する。例えば、滑り止め部は、帯状又は略帯状であってもよい。
【0017】
前記第1滑り止め部は、足甲及び足底の基節骨及び中足骨を覆う領域、すなわち足圧が高い領域に配置されている。前記第1滑り止め部は、基節骨及び中足骨の長手方向の少なくとも一部を覆う領域に配置されていればよい。第1基節骨、第2基節骨、第3基節骨、第1中足骨、第2中足骨及び第3中足骨を覆う領域において、前記複数の第1滑り止め部は、各々の長手方向が外側上部から内側下部に向けて斜め方向になるように、すなわち、サイドステップ時のせん断力の方向に沿うように配置されている。第4基節骨、第5基節骨、第4中足骨及び第5中足骨を覆う領域において、前記複数の第1滑り止め部は、各々の長手方向が靴下の幅方向に沿うように、すなわち、サイドステップ時のせん断力の方向に沿うように配置されている。
【0018】
前記第1滑り止め部は、足底において、拇指から小指まで及び拇指球から小指球までを覆う領域にも配置されていることが好ましい。足圧が高い領域を網羅することができ、より効果的に靴と足の密着性を高め、横動きや回転動作の瞬発力をより向上させることができる。
【0019】
前記複数の第2滑り止め部は、足底の踵骨を覆う領域、すなわち足圧が高い領域に配置されている。前記複数の第2滑り止め部は、各々の長手方向が靴下の幅方向に沿うように、かつ互いにほぼ平行するように配置されている。前記足底部の外側において、複数の第2滑り止め部は、各々の長手方向が内側下部から外側上部に向けて斜め方向になるように、かつ互いにほぼ平行するように配置されていてもよい。
【0020】
前足部及び後足部に、それぞれ、上述した第1滑り止め部及び第2滑り止め部を有することにより、テニス、バレーボール、バスケットボールなどの運動時において、靴と足の密着性を高め、横動きや回転動作の瞬発力を向上させることができる。
【0021】
前記第1滑り止め部は、足甲側及び足底側のいずれにおいても、第2基節骨と第3基節骨の間、第2中足骨と第3中足骨の間、第3基節骨と第4基節骨の間、及び第3中足骨と第4中足骨の間で区切られていることが好ましい。このように、第1滑り止め部を横動きの際に靴底が屈曲するラインに沿って区切ることにより、靴と足の密着性がより高まり、横動き時の瞬発力をより向上させることができる。
【0022】
前記第2滑り止め部は、踵骨及び足底筋膜の内側及び外側のそれぞれにおいて区切られていることが好ましい。このように、第2滑り止め部を横動きの際に靴底が屈曲するラインに沿って区切ることにより、靴と足の密着性がより高まり、横動き時の瞬発力をより向上させることができる。
【0023】
前記靴下は、さらに、踵部の表側に設けられた複数の異方性の第3滑り止め部を有することが好ましい。踵部の表側に設けられた複数の異方性の第3滑り止め部を有することにより、テニス、バレーボール、バスケットボールなどの運動時において、靴と足の密着性を高め、直進動作時の瞬発力を向上させることができる。
【0024】
前記第1滑り止め部、第2滑り止め部及び第3滑り止め部は、樹脂で構成されていることが好ましい。樹脂としては、特に限定されず、例えば、弾性を有するものを用いることができる。弾性を有する樹脂としては、例えば、ポリウレタン、シリコーン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマー、ゴム系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、EVA樹脂(エチレン−酢酸ビニル共重合体)、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)及びアクリル樹脂等が挙げられる。
【0025】
靴下本体の足甲部の表側の所定領域に、例えば、これらの樹脂材料を流動可能な状態(例えば、液状)でプリント加工法により塗布し、加熱し、硬化させることで滑り止め部を形成することができる。靴下本体の足底部及び踵部の表側の滑り止め部も同様にして形成することができる。
【0026】
足甲部の第1滑り止め部の厚みは、足底部の第1滑り止め部及び第2滑り止め部、並びに踵部の第3滑り止め部の厚みと同様であってもよい。着用感の観点から、足甲側の第1滑り止め部の厚みは、足底部の第1滑り止め部及び第2滑り止め部、並びに踵部の第3滑り止め部の厚みより薄いことが好ましい。
【0027】
第3基節骨及び第3中足骨までの第1滑り止め部の面積(第1〜第3基節骨及び第1〜第3中足骨の第1滑り止め部)の面積が、第3基節骨及び第3中足骨より外側の第1滑り止め部(第4〜第5基節骨及び第4〜第5中足骨の第1滑り止め部)の面積が大きいことが好ましい。このように、足圧がより強い部分における滑り止め部の面積を大きくすることで、靴と足の密着性をより高め、横動きや回転動作の瞬発力をより向上させることができる。また、第3基節骨及び第3中足骨より内側(第1〜第2基節骨及び第1〜第2中足骨)の第1滑り止め部の面積が、第3基節骨及び第3中足骨より外側(第4〜第5基節骨及び第4〜第5中足骨)の第1滑り止め部の面積が大きいことが好ましい。このように、足圧がより強い部分における滑り止め部の面積を大きくすることで、靴と足の密着性をより高め、横動きや回転動作の瞬発力をより向上させることができる。
【0028】
第1滑り止め部、第2滑り止め部及び第3滑り止め部を樹脂で構成する場合、着用性の観点から、滑り止め部の樹脂面積率は15〜85%であることが好ましく、35〜65%であることがより好ましい。本明細書において、滑り止め部の樹脂面積率は、滑り止め部が配置されている部位において、滑り止め部の面積に対する樹脂面積の割合を示すものであり、滑り止め部の面積とは、靴下本体に配置されている滑り止め部の外周で囲まれている領域の面積をいう。例えば、
図3において、滑り止め部の面積とは、各々の滑り止め部が配置されている部位において、ドットで示されている領域の面積に該当する。
【0029】
本発明において、靴下本体は、着用感の観点から、伸縮性を有することが好ましい。JIS L 1096に準じて測定した15N荷重下におけるタテ方向及び/又はヨコ方向の伸長率が40%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましい。
【0030】
本発明において、靴下本体に使用する繊維は、弾性糸を含む繊維糸が好ましい。弾性糸は、ポリウレタン系弾性糸及びポリエステル系弾性糸からなる群から選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。ストレッチ性が高く、靴下に適しているからである。上記弾性糸は、ベアヤーン(裸糸)として、非弾性糸(リジッド糸)と引きそろえて使用しても良いし、又は表面にポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ウール、木綿等が被覆されたカバードヤーンとして使用しても良い。
【0031】
前足の周縁部を覆う領域において、前記第1滑り止め部は靴下本体を構成する繊維より細い繊度の繊維で構成されていることが好ましい。このような足と靴が密着する箇所において、滑り止め部を細い繊度の繊維で構成することにより、着用感が良好になる。
【0032】
以下図面を用いて説明する。
図2は本発明の一実施例における靴下(右足)の着用状態の模式図であり、(a)は足甲側から見た模式図であり、(b)は足底側から見た模式図であり、(c)は踵側から見た模式図である。
図3は本発明の同靴下の平置状態の模式図であり、(a)は足甲側から見た模式図であり、(b)は足底側から見た模式図であり、(c)は踵側から見た模式図である。
【0033】
図2及び
図3に示されているように、該実施形態の靴下1は、靴下本体2と、靴下本体2の前足部の表側に設けられた複数の異方性の第1滑り止め部10、20と、靴下本体の後足部の表側に設けられた複数の異方性の第2滑り止め部100を有する。また、踵部の表側に設けられた複数の異方性の第3滑り止め部200を有する。
【0034】
第1滑り止め部10、20は、足甲の基節骨及び中足骨を覆う領域に配置された第1滑り止め部10と、足底の基節骨及び中足骨を覆う領域に配置された第1滑り止め部20で構成されている。
【0035】
足甲の第1基節骨、第2基節骨、第3基節骨、第1中足骨、第2中足骨及び第3中足骨を覆う領域において、複数の第1滑り止め部11は、各々の長手方向が足甲の外側上部から内側下部に向けて斜め方向になるように、かつ互いにほぼ平行するように配置されている。足底の第1基節骨、第2基節骨、第3基節骨、第1中足骨、第2中足骨及び第3中足骨を覆う領域において、複数の第1滑り止め部21は、各々の長手方向が足甲の外側上部から内側下部に向けて斜め方向になるように、かつ互いにほぼ平行するように配置されている。
【0036】
足甲の第4基節骨、第5基節骨、第4中足骨及び第5中足骨を覆う領域において、複数の第1滑り止め部12は、各々の長手方向が靴下の幅方向に沿うように、かつ互いにほぼ平行するように配置されている。足底の第4基節骨、第5基節骨、第4中足骨及び第5中足骨を覆う領域において、複数の第1滑り止め部22は、各々の長手方向が靴下の幅方向に沿うように、かつ互いにほぼ平行するように配置されている。
【0037】
第1滑り止め部11と第1滑り止め部12は、第3基節骨と第4基節骨の間、及び第3中足骨と第4中足骨の間で区切られている。また、第1滑り止め部11は、第2基節骨と第3基節骨の間、及び第2中足骨と第3中足骨の間で区切られ、第1滑り止め部11a及び第1滑り止め部11bを形成している。第1滑り止め部21と第1滑り止め部22は、第3基節骨と第4基節骨の間、及び第3中足骨と第4中足骨の間で区切られている。また、第1滑り止め部21は、第2基節骨と第3基節骨の間、及び第2中足骨と第3中足骨の間で区切られ、第1滑り止め部21a及び第1滑り止め部21bを形成している。
【0038】
第1滑り止め部11及び第1滑り止め部21の面積は、それぞれ、第1滑り止め部12及び第1滑り止め部22の面積より大きいことが好ましく、より好ましくは2倍以上大きく、さらに好ましくは2.5倍以上大きい。第1滑り止め部11、12、21及び22の面積は、それぞれ、
図3(a)及び(b)において、ドットで示されている、靴下本体2に配置されている第1滑り止め部11、12、21及び22の外周で囲まれている領域の面積をいう。第1滑り止め部11、12、21及び22の樹脂面積率は、15〜85%であることが好ましく、より好ましくは35〜65%である。
【0039】
第2滑り止め部100は、足底の踵骨を覆う領域に配置されている。前記足底部の内側において、複数の第1滑り止め部101は、各々の長手方向が靴下の幅方向に沿うように、かつ互いにほぼ平行するように配置されている。前記足底部の外側において、複数の第2滑り止め部102は、各々の長手方向が外側上部から内側下部に向けて斜め方向になるように、かつ互いにほぼ平行するように配置されている。
【0040】
第2滑り止め部101と第2滑り止め部102は、踵骨及び足底筋膜の外側で区切られている。また、第2滑り止め部101は、踵骨及び足底筋膜の内側で区切られ、第2滑り止め部101a及び第2滑り止め部101bを形成している。
【0041】
第2滑り止め部101及び第2滑り止め部102の樹脂面積率は、15〜85%であることが好ましく、より好ましくは35〜65%である。第2滑り止め部101及び102の面積は、それぞれ、
図3(b)において、ドットで示されている、靴下本体2に配置されている第2滑り止め部101及び102の外周で囲まれている領域の面積となる。
【0042】
踵部において、複数の異方性の第3滑り止め部200は、踵部の幅方向の中央に左右対称になるように配置されていることが好ましい。第3滑り止め部200の樹脂面積率は、15〜85%であることが好ましく、より好ましくは35〜65%である。第3滑り止め部200の面積は、
図3(c)において、ドットで示されている、靴下本体2に配置されている第3滑り止め部200の外周で囲まれている領域の面積となる。
【0043】
本発明の1以上の実施形態の靴下は、骨盤を前傾させることが可能なスポーツ用パンツ(以下において、単に「骨盤前傾パンツ」とも記す。)と併用することができる。前記靴下と骨盤前傾パンツを併用することで、テニス、バレーボール、バスケットボールなどの運動時における横動きや回転動作の瞬発力をより高めることができる。
【0044】
骨盤前傾パンツとしては、特に限定されないが、例えば、強緊締性の第1の生地部と弱緊締性の第2の生地部を含み、第1の生地部は骨盤及び下腹部を含む胴体周囲を覆い、前面よりも背面の方が高い位置にあり、第1の生地部の下部には弱緊締性の第2の生地部が配置され、パンツの上端にはベルト部があり、ベルト部の背面及び両側面は第1の生地部で形成され、ベルト部の前面は第2の生地部で形成されているスポーツ用パンツが挙げられる。上述した構成であることにより、前記スポーツ用パンツは、下腹部及び腰の後部を含む胴体周囲を締め付ける。さらに、骨盤を前傾させ、前記骨盤の前傾姿勢を保つことができる。また、第1の生地部の下部には弱緊締性の第2の生地部が配置されていることにより、大殿筋と股間を含む下腹部の大きな動きを阻害しない。
【0045】
前記スポーツ用パンツにおいて、第1の生地部と第2の生地部との間であって、両側面から背面まで連続し、中臀筋の一部を覆う位置に中緊締性の第3の生地部が配置されていてもよい。これにより、中臀筋の大きな動きを妨げない。このような形態は女性用に好適であり、男性用はこの部分も強緊締性の第1の生地部としてもよい。
【0046】
第1の生地部は弾性糸を含むストレッチ織物であり、第2の生地部は弾性糸を含むストレッチ編物であるのが好ましい。織物は薄くて質量(目付)も軽く、ストレッチパワー(緊締性)も高く、骨盤の前傾姿勢を保つのに好適である。編物は臀部から脚部の筋肉をフリー状態に保ち、自由な動きを保つのに好適である。
【0047】
第1の生地部は、弾性糸を含むストレッチ織物が2枚積層された生地部であるのが好ましい。ストレッチ織物を2枚積層すると強い緊締性を出せる。弾性糸を含めることで伸びを出しやすく、スポーツによる筋肉の動きに追従しやすい。
【0048】
第2の生地部は、弾性糸を含むストレッチ編物1枚であるのが好ましい。編物1枚であれば弱緊締性を出すのが容易で、大殿筋と股間を含む下腹部の大きな動きを阻害しない。
【0049】
第3の生地部は、弾性糸を含むストレッチ織物1枚であるのが好ましい。第3の生地部は中臀筋の一部を覆う位置に配置することにより、中臀筋の大きな動きを妨げない。
【0050】
JIS L 1096に準じて測定した荷重17.6Nにおける各生地部の伸長率は、第1の生地部の伸長率(S1)がタテ方向(身丈方向に対応する。)20〜30%、ヨコ方向(身幅方向に対応する。)10〜20%、第2の生地部の伸長率(S2)がタテ方向160〜190%、ヨコ方向70〜100%、第3の生地部の伸長率(S3)がタテ方向30〜60%、ヨコ方向20〜50%であるのが好ましい。但し、タテ方向において、S1≦S3<S2の関係である。
【0051】
また、異なる領域において、第1の生地部の伸長率を変えてもよい。例えば骨盤の前傾姿勢を保ちつつ着用感をよくする目的で、前面及び背面の中央部に配置された第1の生地部(例えば、後述する
図7に示されている302b及び302d)の伸長率を前面及び背面の側面部に配置された第1の生地部(例えば、後述する
図7に示されている302a及び302c)の伸長率より小さくしてもよい。但し、この場合でも、タテ方向においてS、1≦S3<S2の関係である。
【0052】
第1の生地部の初期縦弾性率(タテ方向に5%伸長時の応力の傾き)は、第2の生地部の初期縦弾性率の3倍以上であるのが好ましい。これにより、第1の生地部分は下腹部及び腰の後部を含む胴体周囲を締め付け、骨盤を前傾させ、骨盤の前傾姿勢を保つことができる。また、第2の生地部分は、大殿筋と股間を含む下腹部の大きな動きを阻害しない。
【0053】
第1の生地部の背面の上端は骨盤の上端を超える位置であり、前面は上前腸骨棘と股下の間に位置し、かつ第1の生地部の体長方向(身丈方向)の幅は前面よりも背面の方が広いのが好ましい。これにより、より強く骨盤の前傾姿勢を保つことができる。また、第1の生地部の背面の上端は骨盤の上端を超える位置とすることにより、前記パンツはスポーツ時の動きによってずり下がることはない。
【0054】
第1の生地部は、背面中央上端部の方が前面中央上端部よりも60mmを超えて高い位置にあるのが好ましい。より好ましくは80mm以上である。上限は120mm以下が好ましい。これにより、骨盤の前傾姿勢をより強く保つことができる。このため、パンツ上端のベルト部の背面及び両側面を第1の生地部で形成し、前面は第2の生地部で形成すると、前面中央上端部に比べて背面中央上端部をより高い位置に配置できる。
【0055】
第1の生地部の単位面積当たりの質量(目付)は100〜400g/m
2が好ましく、さらに好ましくは150〜360g/m
2である。第2の生地部の目付は100〜400g/m
2が好ましく、さらに好ましくは150〜300g/m
2である。第3の生地部の目付は、100〜220g/m
2が好ましく、さらに好ましくは120〜200g/m
2である。第1の生地部は第3の生地部を2枚積層して使用してもよい。目付が前記の範囲であれば、前記の範囲であれば軽量であり、スポーツ用パンツとして好適である。
【0056】
前記パンツ上端のベルト部は、前面にウエストゴムを配置し、両側面と背面部にはウエストゴムを配置しなくてもよい。これにより、前面のウエストゴムの弾性によりパンツの着脱ができ、スポーツ時の動きによってずり下がることはない。なお、ベルト部には紐をつけてもよい。
【0057】
前記パンツの裾の長さは、股下部より下方まで延びていればよく、股下部から下に向かって2〜100cmの長さであってもよい。
【0058】
第1の生地部を構成する第1の生地及び第3の生地部を構成する第3の生地は織物が好ましく、例えば平織、綾織、朱子織等がある。第2の生地部を構成する第2の生地は編物が好ましく、例えば、丸編、ヨコ編、タテ編(トリコット編、ラッセル編を含む)、パイル編等を含み、平編、天竺編、リブ編、スムース編(両面編)、ゴム編、パール編、デンビー組織、コード組織、アトラス組織、鎖組織、挿入組織等がある。第1〜3の生地に用いる繊維は、ポリエチレンテレフタレート(ポリエステル)フィラメント糸、同紡績糸、ナイロンフィラメント糸、同紡績糸、ポリウレタンフィラメント糸(弾性糸)あるいはこれらの組み合わせが好ましい。弾性糸の周囲に非弾性糸を巻き付けたカバーリングヤーンとしてもよい。第1の生地、第2の生地及び第3の生地は、縫製することで、それぞれ、第1の生地部、第2の生地部及び第3の生地部となり、パンツを構成する。
【0059】
骨盤サポートによる作用効果は、骨盤を前傾させると重心位置が前に、足圧中心がつま先方向になる。また、静姿勢で骨盤を後傾、中間位、前傾にした時に重心位置が変化するが、背骨を湾曲させずに上体を前方に傾斜できる。この結果、骨盤前傾により、腿が前上方にあがりにくくなり、脚の斜め後方への蹴り出しが強く大きくなり、脚を後方に振り出す最大伸展可動域が大きくなる。また、斜め下方に蹴った反動で股関節の最大伸展が起こり、その影響で大腰筋などの筋肉が急激に縮まる。大腰筋は伸ばされながら力を発揮する(伸張性収縮)のが得意な筋肉であり、この瞬間に最大のパフォーマンス(力)を発揮する。そのため、前記スポーツ用パンツは骨盤を前傾させ、これにより筋肉の直進、回転、ヨコ動きなど様々な動きを促進させることができる。
【0060】
以下図面を用いて前記スポーツ用パンツを説明する。以下の図面において同一符号は同一物を示す。
図7は一例のスポーツ用パンツの模式図であり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は背面図である。スポーツ用パンツ301において、強緊締性の第1の生地部302a、302b、302c及び302dが骨盤及び下腹部を含む胴体周囲を覆っている。スポーツ用パンツ301の下部には、弱緊締性の第2の生地部304a、304b、304c、304d及び304eが配置されている。スポーツ用パンツ301の上端にはベルト部305a〜305dが配置されており、背面のベルト部305d、及び両側面のベルト部305a、305cは第1の生地部で形成され、前面のベルト部305bは第2の生地部で形成されている。ベルト部305a、305cは、それぞれ強緊締性の第1の生地部306a、306cが折り返されて袋状に形成されたものであり、ベルト部305dは、強緊締性の第1の生地部302dが折り返されて袋状に形成されたものである。ベルト部305bは、弱緊締性の第2の生地部306bが折り返されて袋状に形成されたものである。弾性ゴム(図示なし)が入っているのは前面のベルト部305bであり、他のベルト部305a、305c、305dには弾性ゴムは入っていない。ベルト部305a〜305dには紐308が挿入されている。307は裾部である。このスポーツ用パンツ301はコアインナーパンツとして有用である。
【0061】
強緊締性の第1の生地部302a、302cと弱緊締性の第2の生地部304a、304eとの間には、それぞれ、中緊締性の第3の生地部303a、303bを配置するのが好ましい。このように中緊締性の第3の生地部303a、303bを有する場合、女性用として好ましい。男性用の場合は303a、303bの部分に強緊締性の第1の生地部を配置するのが好ましい。
【0062】
図8は他の1例のスポーツ用パンツの模式図であり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は背面図である。
図8に示されているスポーツ用パンツ309が、
図7に示されているスポーツ用パンツ301と異なる点は、前部の股合わせ部の縫製線310が体長方向に1本となっている点である。スポーツ用パンツ309は主に女性用として好適であるが、男性用としても使用できる。
【0063】
本発明は、1以上の実施形態において、前記靴下と前記スポーツ用パンツを組み合わせた機能性衣類を提供することができる。該機能性衣類は、前記靴下と前記スポーツ用パンツを併用することで、該テニス、バレーボール、バスケットボールなどの運動時における横動きや回転動作の瞬発力を高めることができる。
【0064】
本発明は、また、1以上の実施形態において、前記靴下と前記スポーツ用パンツを組み合わせて用いることで、運動機能を向上させることができる、具体的には、テニス、バレーボール、バスケットボールなどの運動時における横動きや回転動作の瞬発力を高めることができる、運動機能向上方法を提供することができる。
【実施例】
【0065】
以下、本発明の実施例について述べるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0066】
(実施例1)
(1)靴下本体の作製
<使用糸>
本実施例の靴下の糸使いは、表糸として、綿50%/ポリエステル50%紡績糸(32/−:毛番手)、裏糸として、ポリウレタンにナイロンをカバーリングしているFTY(ファイバーツイステッドヤーン)(繊度:33decitex(30d)/77decitex(70d))及び弾性糸として、ポリウレタンにナイロンをカバーリングしているDCY(ダブルカバードヤーン)(繊度:77decitex(70d)/77decitex(70d))の3種類からなり、表糸、裏糸及び弾性糸が靴下の全体を構成し、表糸と裏糸が履き口部分を構成している。
<編成方法>
編み物組織はシングル編みとし、
図2に示すような靴下本体(サイズ:26cm用)を作製した。
(2)滑り止め部の形成
靴下本体の足甲部、足底部及び踵部に、シリコーン樹脂をプリント加工により塗布し、加熱し、硬化させて、
図2に示すように、足甲部の第1滑り止め部10、足底部の第1滑り止め部20、足底部の第2滑り止め部100、踵部の第3滑り止め部200を形成した。足甲の第1滑り止め部11の面積は38cm
2であり、樹脂面積率は38.5%であり、第1滑り止め部12の面積は11cm
2であり、樹脂面積率は58%であった。足底部において、第1滑り止め部21の面積は43cm
2であり、樹脂面積率は38.5%であり、第1滑り止め部22の面積は15.5cm
2であり、樹脂面積率は58%であり;第2滑り止め部101の面積は32.8cm
2であり、樹脂面積率は38.5%であり、第2滑り止め部102の面積は14cm
2であり、樹脂面積率は50%であった。踵部において、第3滑り止め部200の面積は18cm
2であり、樹脂面積率は42%であった。
【0067】
(比較例1)
実施例1と同様にして、靴下本体を作製し、比較例1とした。
【0068】
健康な男性被験者2名に靴下を着用させて反復横跳びを行い、全力試技タイムを測定し、その結果を、それぞれ、
図4(a)及び(b)に示した。
図4から分かるように、いずれの被験者においても、実施例1の靴下を着用した方が、比較例1の靴下を着用した場合に比べて、全力試技タイムが早まっており、横動き時の瞬発力が向上していた。
【0069】
健康な男性被験者3名に靴下を着用させて180度ターン(進行方向を180度変化させる切り返し動作)を行い、進行方向の床反力のピーク値(N)を測定し、その結果を、それぞれ、
図5(a)、(b)及び(c)に示した。
図5から分かるように、いずれの被験者においても、実施例1の靴下を着用した方が、比較例1の靴下を着用した場合に比べて、進行方向の床反力のピーク値が増加して、切り返し動作時の瞬発力が向上していた。
【0070】
健康な男性被験者2名に靴下を着用させてスタートダッシュ(静止状態からスタートの合図で全力でダッシュ)を行い、身体重心の進行方向速度及び鉛直方向速度の時間履歴を測定し、その結果を
図6(a)及び(b)に示した。
図6(a)及び(b)において、横軸の時間は、計測開始から離地までの時間を100ポイントとして正規化した。
図6から分かるように、実施例1の靴下を着用した方が、比較例1の靴下を着用した場合に比べて、接地中期における進行方向の速度上昇が多く、鉛直方向の速度変化が少なかった。これは、スタートダッシュ時の加速度が向上していることを意味する。
【0071】
実施例1及び比較例1の靴下の足底の前足部を切り取り、その静止摩擦係数を下記のように測定した。また、参考例1として、実施例1の足底の前足部の第1滑り止め部20の代わりに、第1滑り止め部の該当箇所に、ドット状にシリコーン樹脂を塗布した試験片を用い、その静止摩擦係数を下記のように測定した。結果を下記表1に示した。
【0072】
(静止摩擦係数の測定方法)
静止摩擦係数は摩擦係数試験機(GOTECH社製、型番「GT−7012−M2」)を用いて測定した。試験片を試験機に貼り付けて所定の角度で固定し、10lb(≒4.54kg)の荷重を掛けてから8秒間での変位が1mm以内の時の傾きを静止摩擦係数とした。試験片は縦・横それぞれで計測を行った。
【0073】
【表1】
【0074】
表1の結果から分かるように、ドット状の滑り止め部を有する参考例より、異方性であり、長手方向が所定の方向に並んでいる滑り止め部を有する実施例1の方が、静止摩擦係数が高いことから、実施例の方が靴と足の密着性がより高まると推測される。
【0075】
(スポーツ用衣服の製造例1)
(1)第1の生地
ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート:PET)のマルチフィラメント糸(繊度85decitex、フィラメント数37本)82質量%、ポリウレタンフィラメント糸(繊度44decitex)18質量%を使用し、平織物組織の織物を作製した。目付は170g/m
2であった。この織物を2枚重ねて第1の生地(目付340g/m
2)とした。第1の生地部の伸長率は、タテ方向25.1%、ヨコ方向17.4%であり、第1の生地の初期縦弾性率は656×10
-6N/m
2であった。伸長率及び初期縦弾性率は、JIS L 1096に準じて荷重17.6N下で測定した。
(2)第2の生地
ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート:PET)のマルチフィラメント糸(繊度44decitex,フィラメント数13本)82質量%、ポリウレタンフィラメント糸(繊度44decitex)18質量%を使用し、トリコット組織の編物を作成した。目付は225g/m
2であった。この編物の伸長率は、タテ方向175%、ヨコ方向85%であり、第2の生地の初期縦弾性率は86×10
-6N/m
2であった。伸長率及び初期縦弾性率は、JIS L 1096に準じて荷重17.6N下で測定した。
(3)第3の生地
ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート:PET)のマルチフィラメント糸(繊度85decitex,フィラメント数37本)82質量%、ポリウレタンフィラメント糸(繊度44decitex)18質量%を使用し、平織物組織の織物を作製した。目付は170g/m
2であった。該織物を第3の生地として用いた。第3の生地の伸長率は、タテ方向48%、ヨコ方向33.6%、第3の生地の初期縦弾性率は558×10
-6N/m
2であった。伸長率及び初期縦弾性率は、JIS L 1096に準じて荷重17.6N下で測定した。
【0076】
第1の生地、第2の生地及び第3の生地を使用して
図7に示すスポーツ用コアインナーパンツを縫製により作製した。JASPOのLサイズとした。第1の生地で、強緊締性の第1の生地部302a、302b、302c、302d、306a及び306cを構成し、第2の生地で、弱緊締性の第2の生地部304a、304b、304c、304d、304e及び306bを構成し、第3の生地で第3の生地部303a及び303bを構成した。強緊締性の第1の生地部306a、306cをそれぞれ折り返してベルト部305a、305cを構成した。強緊締性の第1の生地部302dを折り返してベルト部305dを構成した。弱緊締性の第2の生地部306bを折り返してベルト部305bを構成した。股下部から背面のベルト部の上端部までの身丈は300mm、股下部から前面のベルト部の上端部までの身丈は240mm、静置したときの腰幅は300mmであった。また、矢状(しじょう)面で、強緊締性の第1の生地部で構成される背面のベルト部305dの上端と、強緊締性の第1の生地部302bの上端の差は110mmであり、背面のベルト部305d及び第1の生地部302dの身丈方向の合計幅は85mm、前面の第1の生地部302bの身丈方向の幅は55mmであった。また、ベルト部305a−305dの身丈方向の幅は約35mmであった。得られたスポーツ用パンツの1着当たりの質量は80gであった。
【0077】
製造例1のスポーツ用パンツは、スポーツ時には臀部から脚部の筋肉はフリー状態に保たれ、自由な動きができ、下腹部及び腰の後部を含む胴体周囲は固定され、前傾姿勢を保つことができた。
【0078】
(スポーツ用パンツの製造例2)
製造例1における強緊締性の第1の生地部302a、302b、302c、302d、306a、306c、及び中緊締性の第3の生地部303a、303bを、第2の生地で構成した以外は、製造例1と同様にして製造例2のスポーツ用パンツを作製した。製造例2のスポーツ用パンツは、第2の生地で構成された弱緊締性の第2生地部からなるものであった。
【0079】
製造例1及び製造例2のスポーツ用パンツを、コアインナーパンツとして着用し、矢状面における上前腸骨棘と上後腸骨棘を結んだラインと水平面のなす角度を骨盤前傾角度として測定したところ、製造例1のスポーツ用パンツを着用した場合は20.1度であり、製造例2のスポーツ用パンツを着用した場合は9.8度であった。製造例1のスポーツ用コアインナーパンツを着用すると、骨盤を前傾させた姿勢を取る事ができた。
【0080】
健康な男性被験者5名(年齢19〜22歳)に、比較例1の靴下を着用させた場合(試験例1)、実施例1の靴下を着用させた場合(試験例2)、実施例1の靴下を着用させるとともに、製造例1のスポーツ用パンツをコアインナーパンツとして着用させた場合(試験例3)、180度ターンを行い、床に設置したフォースプレートにて、地面反力パラメータを測定算出することで、ターン動作中に地面との摩擦によって生じる鉛直軸回りの回転力(フリーモーメント)の最大値を測定・算出し、その結果を下記表2に示した。下記表2では、試験例1におけるフリーモーメントの最大値を100とし、それに対する相対値を示した。
【0081】
健康な男性被験者5名(年齢19〜22歳)に、比較例1の靴下を着用させた場合(試験例1)、実施例1の靴下を着用させた場合(試験例2)、実施例1の靴下を着用させるとともに、製造例1のスポーツ用パンツをコアインナーパンツとして着用させた場合(試験例3)、スタートダッシュを行い、モーションキャプチャシステムで、着用者の全身に付けたマーカーの動きに基づいて、運動時の身体重心パラメータを計測し、ダッシュ動作中の後方足が離地した瞬間の身体重心速度の平均値を算出し、その結果を下記表3に示した。下記表3では、試験例1における身体重心速度の平均値を100とし、それに対する相対値を示した。
【0082】
【表2】
【0083】
【表3】
【0084】
表2の結果から分かるように、比較例1の靴下を着用した場合と比べて、実施例1の靴下を着用した場合、フリーモーメントの最大値が30%以上高まっており、切り返し動作時、すなわち回転動作の瞬発力が向上していた。また、実施例1の靴下を着用するとともに、製造例1のスポーツ用パンツをコアインナーパンツとして着用した場合は、フリーモーメントの最大値が48%以上高まっており、回転動作時の瞬発力がさらに向上していた。
【0085】
表3の結果から分かるように、比較例1の靴下を着用した場合と比べて、実施例1の靴下を着用した場合、身体重心速度の平均値が2.7%以上高まっており、スタートダッシュ時の瞬発力が向上していた。また、実施例1の靴下を着用するとともに、製造例1のスポーツ用パンツをコアインナーパンツとして着用した場合は、身体重心速度の平均値が6%以上高まっており、スタートダッシュ時の瞬発力がさらに向上していた。
本発明は、靴下本体2と、複数の異方性の第1滑り止め部10、20と、複数の異方性の第2滑り止め部100を有し、第1滑り止め部10、20は、足甲及び足底の基節骨及び中足骨を覆う領域に配置されており、第1〜第3基節骨、第1〜第3中足骨を覆う領域において、第1滑り止め部11、21は、各々の長手方向が外側上部から内側下部に向けて斜め方向になるように、かつ互いにほぼ平行するように配置され、第4〜第5基節骨、第4〜第5中足骨を覆う領域において、複数の第1滑り止め部12、22は、各々の長手方向が靴下の幅方向に沿うように、かつ互いにほぼ平行するように配置され、第2滑り止め部100は、足底の踵骨を覆う領域において、各々の長手方向が靴下の幅方向に沿うように、かつ互いにほぼ平行するように配置されている靴下1に関する。これにより、運動時における横動きや回転動作の瞬発力を向上させることができる靴下を提供する。