特許第6613085号(P6613085)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6613085
(24)【登録日】2019年11月8日
(45)【発行日】2019年11月27日
(54)【発明の名称】照明器具用パッキン
(51)【国際特許分類】
   F21V 31/00 20060101AFI20191118BHJP
   F21S 8/04 20060101ALI20191118BHJP
   F21V 29/83 20150101ALI20191118BHJP
   F21V 29/503 20150101ALI20191118BHJP
   F21Y 103/33 20160101ALN20191118BHJP
【FI】
   F21V31/00 100
   F21V31/00 150
   F21V31/00 200
   F21S8/04 110
   F21V29/83
   F21V29/503
   F21Y103:33
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-183375(P2015-183375)
(22)【出願日】2015年9月16日
(65)【公開番号】特開2017-59412(P2017-59412A)
(43)【公開日】2017年3月23日
【審査請求日】2018年7月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】391018341
【氏名又は名称】株式会社NBCメッシュテック
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100128783
【弁理士】
【氏名又は名称】井出 真
(74)【代理人】
【識別番号】100160886
【弁理士】
【氏名又は名称】久松 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】川端下 栄治
(72)【発明者】
【氏名】木下 史也
(72)【発明者】
【氏名】大石 正三
【審査官】 山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−110839(JP,A)
【文献】 特開2000−041565(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 31/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源が取り付けられる本体部と、前記光源を覆い、前記本体部に着脱可能なカバーを有する照明器具に用いられ、前記本体部と前記カバーの接続部分に配置されるパッキンであって、
前記パッキンは、通気性を有する織物又は編物であることを特徴とするパッキン。
【請求項2】
前記パッキンは、一定間隔で配置された複数の緯糸に、複数の経糸が交絡する畳織り構造の織物であることを特徴とする請求項に記載のパッキン。
【請求項3】
前記パッキンにおいて、前記本体部および前記カバーの接続部分に沿って配置される糸に、防虫剤が含有されていることを特徴とする請求項またはに記載のパッキン。
【請求項4】
前記パッキンは、メッシュ数が5以上、500以下である織物であり、
この織物を構成する糸の径が10μm以上、1000μm以下であることを特徴とする請求項からのいずれか一つに記載のパッキン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源を備えた本体部と、本体部に着脱可能なカバーからなる照明器具に用いられ、本体部とカバーの接続部分の隙間に配置されるパッキンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、家庭用の照明器具は、光源を備えた本体部と、本体部を覆うカバーを備えており、光源(電球)の交換等を目的として、カバーが本体部に着脱可能となっている。このような照明器具として、天井に取り付けられるシーリングライトがある。
【0003】
本体部に着脱可能なカバーは、本体部とカバーの接続部分に大抵は隙間が発生する。この隙間から、光源の光に誘引された虫が、カバーの内側に侵入してしまい、器具の見栄えが悪くなることがある。
【0004】
この課題を解決する方法として、軟質ポリウレタンフォームを用いたパッキン(特許文献1)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−110839号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、軟質ポリウレタンフォームを用いたパッキンでは、照明器具の内部を密閉状態とするため、光源から発する熱が照明器具の内部に溜まりやすい。ここで、光源の点灯および消灯を繰り返すと、照明器具の内部の温度が変動し、照明器具の内部の空気が膨張と収縮を繰り返す。これにより、パッキンと照明器具の本体部の接触部分や、あるいはパッキンとカバーの接触部分に圧力が作用し、隙間が生じてくる。また、照明器具の内部に熱が溜まったままでは、この熱により、照明器具の不具合を生じることもある。
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、照明器具の内部に虫が侵入することを防ぐとともに、照明器具の内部で発生した熱を照明器具の外部へ放出しやすい照明器具用パッキンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の要旨は以下のとおりである。
【0009】
[1] 光源が取り付けられる本体部と、前記光源を覆い、前記本体部に着脱可能なカバーを有する照明器具に用いられ、前記本体部と前記カバーの接続部分に配置されるパッキンであって、
前記パッキンは、通気性を有する織物又は編物であることを特徴とするパッキン
[2] 前記パッキンは、一定間隔で配置された複数の緯糸に、複数の経糸が交絡する畳織り構造の織物であることを特徴とする[]に記載のパッキン。
[] 前記パッキンにおいて、前記本体部および前記カバーの接続部分に沿って配置される糸に、防虫剤が含有されていることを特徴とする[]または[]に記載のパッキン。
[] 前記パッキンは、メッシュ数が5以上、500以下である織物であり、この織物を構成する糸の径が10μm以上、1000μm以下であることを特徴とする[]から[]のいずれか一つに記載のパッキン
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、照明器具の内部に虫が侵入することを防ぐとともに、照明器具の内部で発生した熱を照明器具の外部へ放出しやすい照明器具用パッキンを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態の照明器具の概略図である。
図2】実施形態の照明器具において、本体部とカバーの接続部分を示す断面拡大図である。
図3】別の実施形態の照明器具において、本体部とカバーの接続部分を示す断面拡大図である。
図4】平畳織り構造を有する繊維構造体の概要を示す正面図である。
図5】平畳織り構造を有する繊維構造体の概要を示す断面図(図4のA−A断面図)である。
図6】平畳織り構造を有する繊維構造体の概要を示す断面図(図4のB−B断面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の実施形態の1つについて、図を用いて詳細に説明する。
【0013】
本実施形態は、照明器具の一例として天井に取り付ける照明器具に関し、図1に示すように、本実施形態の照明器具は、天井10に取り付けられた本体部1と、本体部1に取り付けられる光源(電球)2と、カバー3を有している。カバー3は、本体部1と光源2を保護するために、本体部1に取り付けられ、さらに光源2からの光を透過させる。
【0014】
図2は、本実施形態の照明器具において、本体部1とカバー3の接続部分を示す断面拡大図である。本体部1は、図2の下方に突出するフランジ部1aを有しており、カバー3は、図2の上方に突出するフランジ部3aを有する。そして、フランジ部3の外面が、フランジ部1aの内面に取り付けられる。なお、図3に示すように、フランジ部3aの内面を、フランジ部1aの外面に取り付けるようにしてもよい。
【0015】
本体部1にカバー3を着脱可能とする場合、本体部1とカバー3の接続部分には隙間が生じ、その隙間から光源2の光に引き寄せられた虫が、カバー3と本体部1によって囲まれた空間(光源2が配置された空間)に侵入してくる。そのため、本実施形態では、本体部1とカバー3の接続部分に形成される隙間に、パッキン4を配置している。パッキン4を配置することにより、本体部1とカバー3の接続部分に形成される隙間を埋めることができ、この隙間から照明器具の内部に虫が侵入することを防ぐことができる。
【0016】
パッキン4は、多孔質体であり、通気性を有する。具体的には、多孔質体として、織物、編物、不織布、多孔質シートなどが挙げられる。パッキン4に通気性を持たせることで、カバー3を本体部1に取り付けたときに、本体部1とカバー3によって囲まれた空間(照明器具の内部)に存在する空気が膨張・収縮を繰り返しても、パッキン4を介して、照明器具の内部から外部へ空気を逃がしたり、照明器具の外部から内部に空気を取り入れたりすることができる。具体的には、光源2の発熱によって、照明器具の内部における空気が膨張したとき、この空気は、パッキン4を通過して照明器具の外部に移動する。一方、光源2を消灯すると、光源2が発熱しなくなり、照明器具の内部における空気が収縮する。このとき、照明器具の外部に存在する空気がパッキン4を通過して、照明器具の内部に移動する。このように、パッキン4を介して、照明器具の内部および外部の間で空気を移動させることにより、照明器具の内部における空気の圧力を調整可能である。
【0017】
パッキン4として、より好ましくは、パッキン4の厚さ方向に弾力性のある繊維構造体(繊維で形成された多孔質体)を用いることが好ましい。パッキン4の厚さ方向とは、パッキン4が本体部1およびカバー3によって挟まれる方向である。例えば、繊維構造体として、不織布、織物、編物などが挙げられる。その中でも、織物がより好ましい。また、不織布、織物、編物などを重ねることにより、繊維構造体を構成することができる。本体部1とカバー3の接続部分に形成される隙間の大きさは一定ではなく、照明器具の機種によって異なったり、同一機種の照明器具であっても個体差によって異なったりする。このため、パッキン4に弾力性を持たせることにより、隙間の大きさにバラツキが発生していても、この隙間に対してパッキン4をフィットさせることができる。
【0018】
パッキン4の繊維構造体を構成する糸は、特に限定されないが、各種樹脂を原料として生成される繊維や、合成繊維や、綿、麻、絹等の天然繊維や炭素繊維などを用いることができる。
【0019】
繊維構造体を構成する糸の具体例としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、EVA樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアクリル酸メチル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ETFE(ethylene tetra fluoro ethylene)、PTFE(poly tetra fluoro ethylene)などの熱可塑性樹脂、ポリ乳酸樹脂、ポリヒドロキシブチレート樹脂、修飾でんぷん樹脂、ポリカプロラクト樹脂、ポリブチレンサクシネート樹脂、ポリブチレンアジペートテレフタレート樹脂、ポリブチレンサクシネートテレフタレート樹脂、ポリエチレンサクシネート樹脂などの生分解性樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ケイ素樹脂、アクリルウレタン樹脂、ウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂、シリコーン樹脂、ポリスチレンエラストマー、ポリエチレンエラストマー、ポリプロピレンエラストマー、ポリウレタンエラストマーなどのエラストマー、漆などの天然樹脂などから生成される繊維を用いることができる。
【0020】
パッキン4を構成する繊維構造体の織り構造としては、特に限定されるものではないが、所定方向から繊維構造体を見たときには、開口面積を小さくでき、所定方向と直交する方向から繊維構造体を見たときには、開口面積を確保して通気性を有する畳織り構造が好ましい。畳織り構造としては、平畳織り構造や、綾畳織り構造、逆綾畳織り構造などがある。
【0021】
図4は、平畳織り構造の繊維構造体を模式的に表した図であって、所定方向から繊維構造体を見たときの図である。図5は、図4の平畳織り構造の繊維構造体におけるA−A位置での断面図であり、所定方向と直交する方向から繊維構造体を見たときの図である。図4及び図5に示すように、繊維構造体は、経糸5及び緯糸6によって構成されている。
【0022】
平畳織り構造は、一定の間隔で配置された緯糸6に対して、緯糸6の長手方向で隣り合う経糸5同士が密接して緯糸6に交絡して編みこまれた構造である。そして、平畳織り構造では、繊維構造体を正面から観察した際に、経糸5が密接して並んでいるため、開口面積を小さくできる。一方、繊維構造体の断面方向(緯糸6の長手方向)から繊維構造体を観察した場合には、図5に示すように、経糸5と緯糸6によって、緯糸6の周囲に隙間Sが形成されており、この隙間Sを介して通気性を確保することが可能となっている。綾畳織り構造や逆綾畳織り構造では、それぞれ緯糸6に対する経糸5の交わり方が、平畳織り構造と異なるが、いずれの畳織り構造でも、経糸5と緯糸6によって緯糸6の外周面に形成される隙間Sを介して、通気性を確保できる点は共通である。
【0023】
本実施形態においては、繊維構造体を形成する糸に、防虫剤を含有させることで、虫がパッキン4に近寄りにくくして、より防虫効果を高めてもよい。ここで、糸を溶融紡糸する際に糸の内部に防虫剤が残ればよく、糸に防虫剤を含有させるときの防虫剤の形態は、特に限定されず、当業者が適宜選択できる。
【0024】
本実施形態においては、液状化合物としての防虫成分を糸に含有させることが好ましい。液状化合物の防虫成分を用いることで、防虫成分を安定した状態で糸に高濃度添加することが可能となるとともに、糸の内部における防虫成分の拡散速度を調整しやすくなる。
【0025】
液状化合物の防虫成分を用いる場合、例えば、マイクロカプセル化した防虫剤を糸の内部に含有させたり、多孔質物質に防虫剤を担持させ、この多孔質物質を糸の内部に含有させたりすることができる。
【0026】
本実施形態では、マイクロカプセル化した防虫剤を糸に含有させることが好ましい。マイクロカプセル化した防虫剤とは、液状化合物としての防虫成分をマイクロカプセル内に充填したものである。熱可塑性樹脂を溶融混練して紡糸するときに、単に防虫成分を糸に含有させた場合には、防虫成分が糸の外表面にブリードアウトして、糸の外部に蒸発してしまう。
【0027】
これにより、糸の外表面にタック性(粘着性)が発生して、製織し難くなったり、防虫成分の蒸発分を補うために、溶融混練のときに必要量以上の防虫成分が必要となったりする。また、糸の外表面にタック性が発生しやすいと、糸の外表面に塵埃等が付着し易くなる。そして、糸の外表面に付着した塵埃等は、糸の外部に防虫成分が放出されることを阻害し、防虫効果を低減させてしまう。
【0028】
一方、マイクロカプセル化した防虫剤を用いれば、溶融混練のときに、液状化合物としての防虫成分をマイクロカプセル内に留めて、防虫成分が糸の外表面にブリードアウトしにくくできる。これにより、タック性を発生し難くできるとともに、必要量以上の防虫成分が用いられることを抑制できる。
【0029】
本実施形態では、より好ましくは芯鞘構造の糸の芯部に防虫成分を含ませ、鞘部を樹脂のみで形成することができる。これにより、芯部に含ませた防虫成分が、鞘部を通過して糸の外表面に放出されるため、鞘部において、防虫成分の放出量を調整しやすくなる。
【0030】
また、本実施形態では、経糸5と緯糸6のどちらかに防虫剤を含ませてもよく、経糸5と緯糸6の両方に防虫剤を含ませてもよい。ここで、防虫剤を含ませた糸の強度を確保したり、防虫成分の放出速度を抑制したりするためには、糸径を太くする必要がある。しかし、糸径が太くなると、メッシュ数を大きくし難くなるため、経糸5と緯糸6のどちらかに防虫剤を含ませた方がよい。
【0031】
経糸5と緯糸6のどちらかに防虫剤を含ませる場合、照明器具の本体部1とカバー3の接続部分に配置されるパッキン4において、フランジ部1a,3aの周方向に沿って配置される糸に防虫剤を含ませることが好ましい。図1に示すように、天井部に取り付ける照明器具の場合、パッキン4において、天井10の壁面と平行な面内に配置される糸に防虫剤を含ませることが好ましい。フランジ部1a,3aの周方向に沿って配置される糸に防虫剤を含ませることで、フランジ部1a,3aの全周に防虫剤を含む糸を配置することができるため、より虫が侵入し難くなる。より好ましくは経糸5に防虫剤を含ませ、経糸5をフランジ部1a,3aの周方向に沿って配置されるようにパッキン4を取り付けることが好ましい。これにより、図2又は図3に示す構造において、防虫剤による防虫効果を確保しつつ、天井10の壁面に垂直な方向に沿って形成された隙間Sを利用して空気の出入り(通気性)を確保することができる。緯糸6に防虫剤を含ませ、緯糸6をフランジ部1a,3aの周方向に沿って配置されるようにパッキン4を取り付けた場合、図6に示すように、空気の出入りする方向(天井10の壁面に垂直な方向)からパッキン4を見ると見かけ上は隙間Sがゼロになり空気の出入りがし難くなるからである。
【0032】
本実施形態では、メッシュ数は虫が侵入し難いメッシュ数であれば特に限定されることはないが、好ましくは5以上、500以下がよい。メッシュ数を5以上とすることで、多くの虫の侵入を防ぐことが可能となる。また、メッシュ数を500より大きくすると、製織し難くなるため、メッシュ数は500以下が好ましい。
【0033】
本実施形態では、繊維構造体を構成する糸の径は、虫の侵入し難いメッシュ数と、繊維構造体の強度を確保できれば特に限定されないが、好ましくは10μm以上、1000μm以下がよい。糸径が10μm以上であれば、本体部1にカバー3を取り付ける際の摩擦力によって、パッキン4が磨耗して糸が切れてしまうことはない。また、糸径が1000μmより大きくなると、メッシュ数を大きくすることが難しくなる。
【0034】
本実施形態におけるパッキン4は、照明器具の本体部1に予め取り付けたり、カバー3に予め取り付けたりしてもよい。パッキン4の交換のしやすさを考えると、パッキン4をカバー3に予め取り付ける方が好ましい。パッキン4の取り付け方法は、特に限定されることはなく、公知の方法で取り付ければよい。例えば、パッキン4の溶着によって取り付けてもよいし、粘着剤などを用いて取り付けてもよい。
【0035】
また、本実施形態のパッキン4は、任意の機能を付与するための成分を機能性材料として含んでもよい。当該機能性材料としては、艶消剤としての二酸化チタン、滑剤としてのステアリン酸カルシウム、シリカやアルミナなどの微粒子、抗酸化剤としてヒンダートフェノール誘導体、さらには顔料などの着色剤、安定剤、分散剤等の添加材料の他、紫外線遮蔽剤、近赤外線遮蔽剤、抗菌剤、防黴剤、帯電防止剤、難燃剤、耐候剤および各種触媒などの機能性材料がある。なお、この機能性材料は、パッキン4を構成する繊維に分散して存在したり、パッキン4の外表面に付着したりしていればよい。
【0036】
以上のようにして得られた本実施形態に係る照明器具用のパッキンは、虫の侵入を防ぐことができるため、カバー3を本体部1から取り外して、カバー3を清掃する回数を減らすことができる。発泡体などと比較して、繊維構造体のパッキン4は薄くすることができるため、様々な形状のカバー3に対応でき、円形状から四角形状、その他多角形状など様々な形状の照明器具に用いることが可能である。
【符号の説明】
【0037】
1:照明器具の本体部
2:光源
3:カバー
4:パッキン
5:経糸
6:緯糸
図1
図2
図3
図4
図5
図6