(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第二データ取得部は、前記Webコンテンツを配信するサーバ、又は前記Webコンテンツの利用時に前記調査対象者が利用したデバイスと通信することで前記第二データを取得する請求項1に記載のデータ処理装置。
前記第一データ取得部は、放送メディアにて放送される放送情報に接触した前記調査対象者、及び前記放送情報への接触履歴を特定するための前記第一データを取得する請求項1又は2に記載のデータ処理装置。
前記第一データは、前記被伝達情報に接触した前記調査対象者を特定するためのデータとして、前記被伝達情報に接触した前記調査対象者が用いるIPアドレスを示すデータを含み、
前記第二データは、前記Webコンテンツを利用した前記調査対象者を特定するためのデータとして、前記Webコンテンツを利用した前記調査対象者が用いるIPアドレスを示すデータ、若しくは、広告識別子及びCookie情報のいずれかに紐付けられるデータを含む請求項1乃至5のいずれか一項に記載のデータ処理装置。
前記設定条件は、前記Webコンテンツの閲覧の有無、前記Webコンテンツを通じた特定商品の購入の有無、前記Webコンテンツを通じた検索の内容、及び前記Webコンテンツのサービスを利用するために登録した情報の内容のうちの少なくとも一つに関する条件である請求項1乃至6のいずれか一項に記載のデータ処理装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、メディアを利用した広告を検討する際に、良好な広告効果が得られる出稿先を見つけるためには、人の動向(行動及び意識の傾向)や潜在的な興味関心と関連付けてメディアへの接触状況を特定することが求められる。一方、興味関心をアンケート調査等によって直接的に質問したとしても、その調査対象者の動向や潜在的な興味関心までは把握し難い。
【0007】
また、調査対象者の動向や潜在的な興味関心を把握する目的から質問数を増やすことになると、調査対象者にとって回答負担が大きくなる。
【0008】
そこで、本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、以下に示す目的を解決することを課題とする。
具体的に説明すると、本発明は、上記従来技術の問題点を解決し、調査対象者の動向を踏まえて調査対象者のメディアへの接触状況を特定することが可能なデータ処理装置及びデータ処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明のデータ処理装置は、複数の調査対象者に関するデータを処理するデータ処理装置であって、メディアにて伝達される被伝達情報に接触した前記調査対象者、及び前記被伝達情報への接触履歴を特定するための第一データを取得する第一データ取得部と、対象とするWebコンテンツを利用した前記調査対象者、及び前記Webコンテンツの利用履歴を特定するための第二データを取得する第二データ取得部と、前記第一データ及び前記第二データに基づき、前記Webコンテンツの利用履歴が設定条件を満たす前記調査対象者のうち、前記被伝達情報に接触した前記調査対象者の人数に応じた値を算出する算出部と、を有し、前記第一データ取得部による前記第一データの取得、前記第二データ取得部による前記第二データの取得、及び前記算出部による前記値の算出が所定の期間中、
設定された時間を空けて繰り返し実施されることを特徴とする。
【0010】
以上のように構成された本発明のデータ処理装置では、対象とするWebコンテンツの利用履歴が設定条件を満たす調査対象者のうち、メディアにて伝達される情報(被伝達情報)に接触した人数に応じた値を算出する。ここで、対象とするWebコンテンツの利用履歴は、調査対象者の潜在的な興味関心を含め、調査対象者の動向を反映している。また、本発明のデータ処理装置によって算出される上記の値は、メディア接触状況(厳密には、メディアにて伝達される被伝達情報への接触状況)を表す一つの指標である。
したがって、上述した本発明のデータ処理装置によれば、調査対象者のメディア接触状況を、調査対象者の動向を踏まえて特定することが可能となる。
【0011】
また、上記のデータ処理装置において、前記第二データ取得部は、前記Webコンテンツを配信するサーバ、又は前記Webコンテンツの利用時に前記調査対象者が利用したデバイスと通信することで前記第二データを取得すると、より一層良好である。
上記の構成では、Webコンテンツの利用履歴を示す第二データを、サーバ又はデバイスとのデータ通信を通じて、Webコンテンツの利用時と略同時(リアルタイム)に取得する。かかる構成は、一般的なアンケート調査等によって調査対象者の興味関心を調査することに比べて有利である。
具体的に説明すると、アンケート調査では調査実施時点での調査対象者の興味関心を把握し得るものの、調査実施時点から時間が経過した時点での興味関心については、把握が困難となる。
これに対して、上記の構成では、調査対象者のWebコンテンツの利用履歴を逐次把握することができる。この結果、調査対象者の最新の動向を踏まえて、調査対象者のメディアへの接触状況を特定することが可能となる。
【0012】
また、上記のデータ処理装置において、前記第一データ取得部は、放送メディアにて放送される放送情報に接触した前記調査対象者、及び前記放送情報への接触履歴を特定するための前記第一データを取得すると、好適である。
上記の構成によれば、調査対象者の、放送メディアにて放送される放送情報への接触状況を、調査対象者の動向を踏まえて特定することが可能となる。
【0013】
また、上記のデータ処理装置において、前記第一データ取得部は、テレビにて放送される放送情報を視聴した前記調査対象者、及び、前記放送情報への視聴履歴を特定するための前記第一データを取得し、前記算出部は、前記第一データ及び前記第二データに基づき、前記Webコンテンツの利用履歴が前記設定条件を満たす前記調査対象者のうち、前記放送情報を視聴した前記調査対象者の人数に応じた視聴率を算出すると、より好適である。
上記の構成によれば、テレビにて放送される放送情報を視聴した調査対象者の人数に応じた視聴率を、調査対象者の動向を反映したWebコンテンツの利用履歴と関連付けて算出することが可能となる。
【0014】
また、上記のデータ処理装置において、前記算出部は、前記視聴率を予め設定された時間枠毎に算出すると、さらに好適である。
上記の構成では、上述した視聴率を時間枠毎に特定する。これにより、例えば、ある商品に興味を有する調査対象者についての視聴率が最も高くなる時間枠を容易に特定することができるので、その時間枠を利用して上記商品の広告を放送すれば、良好な広告効果が得られるようになる。
【0015】
また、上記のデータ処理装置において、前記第一データは、前記被伝達情報に接触した前記調査対象者を特定するためのデータとして、前記被伝達情報に接触した前記調査対象者が用いるIPアドレスを示すデータを含み、前記第二データは、前記Webコンテンツを利用した前記調査対象者を特定するためのデータとして、前記Webコンテンツを利用した前記調査対象者が用いるIPアドレスを示すデータ、若しくは、広告識別子又はCookie情報に紐付けられるデータを含むとよい。
上記の構成では、同一のIPアドレスに対応する被伝達情報への接触履歴及びWebコンテンツの利用履歴の組み合わせを、同一の調査対象者に関するデータとして取り扱う。これにより、それぞれの調査対象者について、被伝達情報への接触履歴と、対象とするWebコンテンツの利用履歴と、を適切に特定することが可能となる。
【0016】
また、上記のデータ処理装置において、前記設定条件は、前記Webコンテンツの閲覧の有無、前記Webコンテンツを通じた特定商品の購入の有無、及び前記Webコンテンツを通じた検索の内容、及び前記Webコンテンツのサービスを利用するために登録した情報の内容のうちの少なくとも一つに関する条件であるとよい。
上記の構成では、対象とするWebコンテンツの利用履歴に対して、調査対象者の動向を把握する上で相応しい条件を設定することができる。この結果、調査対象者の動向を踏まえて調査対象者のメディアへの接触状況を特定するという本発明の効果が、より有効に発揮されるようになる。
【0017】
また、上記のデータ処理装置において、前記算出部は、前記値を、設定された時間を空けて繰り返し算出すると、好適である。
対象とするWebコンテンツの利用履歴が設定条件を満たす調査対象者のうち、メディアにて伝達される被伝達情報に接触した人数に応じた値は、各調査対象者のコンテンツ利用履歴が変化すると、それに連動して変わり得る。上記の構成であれば、時間を空けて上記の値を繰り返し算出するので、変化後の値を適切に求めることができる。
【0018】
また、前述の課題を解決するために、本発明のデータ処理方法は、複数の調査対象者に関するデータをコンピュータにより処理するデータ処理方法であって、コンピュータが、メディアにて伝達される被伝達情報に接触した前記調査対象者、及び前記
被伝達情報への接触履歴を特定するための第一データを取得する工程と、コンピュータが、対象とするWebコンテンツを利用した前記調査対象者、及び前記Webコンテンツの利用履歴を特定するための第二データを取得する工程と、コンピュータが、前記第一データ及び前記第二データに基づき、前記Webコンテンツの利用履歴が設定条件を満たす前記調査対象者のうち、前記被伝達情報に接触した前記調査対象者の人数に応じた値を算出する工程と、を有し、前記第一データを取得する工程、前記第二データを取得する工程、及び前記値を算出する工程を所定の期間中、
設定された時間を空けて繰り返し実施することを特徴とする。
上記の方法によれば、調査対象者のメディア接触状況(厳密には、メディアにて伝達される被伝達情報への接触状況)を、調査対象者の動向を踏まえて特定することが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、調査対象者のメディア接触状況(厳密には、メディアにて伝達される被伝達情報への接触状況)を、調査対象者の動向を踏まえて特定することが可能となる。これにより、例えば、広告の出稿先の候補となるメディアについて、各調査対象者の接触状況を各調査対象者の動向と関連付けて把握することができ、結果として、適切な出稿先を決めることが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明のデータ処理装置及びデータ処理方法について、以下、添付の図面に示す好適な実施形態を参照しながら詳細に説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするために挙げた一例にすぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、以下に説明する実施形態から変更又は改良され得る。また、当然ながら、本発明には、その等価物が含まれる。
【0022】
また、本明細書において、「装置」とは、単独で特定の機能を発揮する一つの装置の他、分散して存在しているものの特定の機能を発揮するために協働する複数の装置をも含むものである。
【0023】
また、以下の説明において、「者」及び「人」には、個人が含まれることは勿論であり、さらに、個人が属するグループ又は組織(例えば、世帯)も含まれることとする。
【0024】
また、以下の説明において、「メディア」とは、情報伝達媒体(マスメディア)を意味し、具体的には、新聞及び雑誌等の印刷媒体、並びに放送メディアが挙げられる。ここで、「放送メディア」としては、例えば、テレビ(インターネットテレビを含む)、及びラジオ(IPサイマルラジオを含む)等が該当する。
【0025】
また、以下の説明において、「放送情報」は、上述した放送メディアにて放送される情報を意味し、例えば、テレビ又はラジオで放送される番組及び広告、及びこれらを組み合わせた情報が該当する。ここで、「番組」とは、予め決められた番組枠にて放送される放送情報(コンテンツ)である。また、「広告」とは、広告主が購入した広告枠にて放送される宣伝用の放送情報である。
【0026】
また、以下の説明において、「Webコンテンツ」とは、Web上で提供及び配信される情報(コンテンツ)を意味し、例えば、Webサイト及びWeb広告等が該当する。なお、Webコンテンツには、電子商取引(EC)サイト及び検索サイトが含まれる。また、Webコンテンツには、ソーシャルネットワークサービス(SNS)のWebサイトも含まれる。
【0027】
また、以下の説明において、「ターゲット」とは、メディア接触者の属性に応じて設定される分類カテゴリを意味する。属性としては、例えば、性別、年齢、年収及び職業等の人口統計学的属性(デモグラフィック);商品/サービスに対する興味関心及び嗜好、価値観、生活行動(ライフスタイル)、Web利用行動等の心理学的属性(サイコグラフィック)が挙げられる。心理学的属性のうち、「Web利用行動」は、上述したWebコンテンツの利用履歴に応じて決められる属性である。なお、Webコンテンツの利用履歴については、後に詳しく説明することとする。
【0028】
<<データ処理装置の概要について>>
先ず、本発明の一実施形態に係るデータ処理装置(以下、データ処理装置10)について、
図1を参照しながら、その概要を説明する。
図1は、データ処理装置10及び関連機器を示す図である。データ処理装置10は、複数の調査対象者に関するデータを処理する装置である。
【0029】
ここで、調査対象者は、メディアへの接触状況及びWebコンテンツの利用状況に関する調査を実施する目的で無作為抽出又は応募によって選ばれた者(モニタ)である。また、調査対象者は、いずれもWeb利用者である。そして、調査期間中、調査対象者の行動(主に、メディア接触行動及びWeb利用行動)に付随して各種のデータが随時生成され、データ処理装置10によって処理される。
なお、調査対象者の人数については、良好な調査結果を得るのに十分な人数である限り、2以上の任意の数に設定することができる。
【0030】
データ処理装置10によって処理されるデータには、二種類のデータが含まれる。一種類目のデータは、メディアにて伝達される被伝達情報に接触した調査対象者、及び被伝達情報への接触履歴を特定するための第一データである。ここで、「被伝達情報」とは、メディアに掲載される情報、あるいはメディアにて放送される情報が該当する。
【0031】
なお、以下では、メディアの一例としてテレビ(放送メディア)を挙げて具体的に説明することとする。つまり、以下では、テレビの放送情報(具体的には、テレビ番組及びテレビコマーシャル等)を視聴した調査対象者、及び当該放送情報への視聴履歴(視聴ログ)を特定するためのデータを第一データとして取り扱うケースを想定して説明することとする。
ただし、以下に説明する内容は、テレビ以外のメディア、例えば、ラジオ、あるいは新聞又は雑誌等の印刷媒体に対しても適用し得るものである。つまり、テレビ以外のメディアにて伝達される被伝達情報への接触状況に関するデータを第一データとする場合においても、本発明を実施することが可能である。
【0032】
二種類目のデータは、対象とするWebコンテンツを利用した調査対象者、及び当該Webコンテンツの利用履歴を特定するための第二データである。ここで、「対象とするWebコンテンツ」とは、調査に際して調査実施者又は調査依頼主によって指定されるWebコンテンツであり、例えば、調査依頼主である企業が販売する商品に関する記事が掲載されたWebサイト、または、同商品を購入可能なECサイト等が該当する。さらに、上記の商品に関する記事を検索する際に利用される検索サイト、及び、上記の商品に関する投稿を行うためのSNSサイトも「対象とするWebコンテンツ」に含まれる。さらにまた、会員登録した者のみが利用可能な会員サービスの提供元であるWebコンテンツも、「対象とするWebコンテンツ」に含まれる。なお、以下では、対象とするWebコンテンツを「対象コンテンツ」と呼ぶこととする。
【0033】
上記二種類のデータがデータ処理装置10によって処理されることにより、あるWeb利用行動と対応するターゲットに属する調査対象者について、各テレビ番組及び各テレビコマーシャル等の視聴状況、具体的には、ターゲット視聴率を特定することができる。ここで、「ターゲット視聴率」とは、当該ターゲットに属する調査対象者のうち、テレビ番組及びテレビコマーシャル等を視聴した調査対象者の人数に応じて求められる視聴率である。
【0034】
ちなみに、Web利用行動とは、前述したように、調査対象者のWebコンテンツの利用履歴に応じて決められる属性である。また、Webコンテンツの利用履歴は、Webコンテンツの閲覧の有無及び回数、Webコンテンツを通じた特定商品(例えば、調査依頼主の企業が販売する商品等)の購入の有無、Webコンテンツを通じた検索の内容、及びWebコンテンツのサービス(以下、Webサービス)を利用するために登録した情報(サイト会員情報)の内容などが挙げられる。なお、Webサービスの中には、Webコンテンツを通じてダウンロード可能なアプリケーションプログラムによって提供されるサービスも含まれる。
【0035】
<<データ取得環境について>>
次に、データ処理装置10が上述した各種データを取得する環境について説明する。データ処理装置10は、インターネットを通じて各調査対象者から上述のデータを取得する。より具体的に説明すると、各調査対象者は、自宅にテレビ受信機51を有する。各調査対象者のテレビ受信機51は、調査対象者の家に設置されたルータ52を介してインターネットに接続されている。
【0036】
そして、各調査対象者が自宅にてテレビ番組及びテレビコマーシャル等を視聴すると、前述の第一データ(詳しくは、後述する視聴ログデータ)がテレビ受信機51から送信される。データ処理装置10は、インターネット経由で(
図1のケースでは、さらにテレビ局サーバ20を介して)第一データを受信する。
【0037】
また、各調査対象者は、自宅にて対象コンテンツを利用する際に、パソコン又はスマートフォン等の通信用のデバイス53を操作する。各調査対象者のデバイス53は、ルータ52を介してインターネットに接続されている。
【0038】
そして、各調査対象者が自宅にて対象コンテンツを利用すると、前述の第二データ(詳しくは、後述する利用ログデータ)が、デバイス53の操作に基づいて送信される。データ処理装置10は、インターネット経由で(
図1のケースでは、コンテンツ配信サーバ30、40から)第二データを受信する。
【0039】
ちなみに、データ処理装置10は、各調査対象者の登録情報を記憶している。具体的に説明すると、データ処理装置10は、各調査対象者の氏名、年齢、性別、家族構成、住所及びその他の統計学的属性(デモグラフィック)を記憶している。これらの情報は、調査に際して各調査対象者に記入用紙に記入させたりWeb上の入力フォームに入力させたりすることで入手することができ、調査実施者が入手した情報を所定の入力機器を通じて入力することでデータ処理装置10に記録される。
【0040】
また、データ処理装置10は、各調査対象者の自宅に設置されたルータ52に付与されたIPアドレスを調査対象者毎に記憶している。IPアドレスに関する情報は、例えば、調査に際して各調査対象者がデバイス53を操作して所定のWebサイト(調査対象者専用のWebサイト)にアクセスした際に入手することができ、入手したIPアドレスの情報は、調査対象者の氏名又はID(識別情報)と関連付けられてデータ処理装置10に記録される。
【0041】
<<データ処理装置の構成について>>
次に、データ処理装置10の構成について説明する。データ処理装置10は、例えば、視聴率調査会社が保有するコンピュータ(厳密には、サーバコンピュータ)によって構成されている。なお、
図1に図示のケースでは、1台のコンピュータによってデータ処理装置10が構成されているが、これに限定されるものではなく、複数のコンピュータによって構成されてもよい。
【0042】
データ処理装置10は、一般的なサーバコンピュータと同様、CPUと、ROM及びRAM等のメモリと、通信用インタフェースと、ハードディスクドライブと、キーボード及びマウス等の入力機器と、ディスプレイ及びプリンタ等の出力機器と、を有する。また、データ処理装置10をなすサーバコンピュータには、データ処理装置10としての機能を発揮するためのコンピュータプログラム(以下、データ処理用プログラム)がインストールされている。
【0043】
また、データ処理装置10は、
図1に示すように、インターネットを介してテレビ局サーバ20及びコンテンツ配信サーバ30、40と通信可能である。
【0044】
テレビ局サーバ20は、テレビ局が利用するサーバコンピュータであり、インターネットを通じて各調査対象者のテレビ受信機51と通信し、各調査対象者のテレビ受信機51から視聴ログデータを受信する。テレビ局は、例えば、放送情報(テレビ番組及びテレビコマーシャル等)を示す映像データに所定の制御データ(例えば、BML(Broadcast Markup Language)形式のタグ等)を重畳させて発信する。
【0045】
なお、
図1には、テレビ局サーバ20が一つのみ図示されているが、複数のテレビ局が存在する場合には、各テレビ局が個別にテレビ局サーバ20を有することになる。また、テレビ局は、テレビ放送にインターネット通信を連携させたサービス(いわゆるハイブリッドキャスト)を提供するものでもよい。
ちなみに、以下では、説明を分かり易くする都合上、テレビ局の数を1局のみとし、テレビ局サーバ20が一つのみ設けられているケースを想定して説明することとする。
【0046】
視聴ログデータは、テレビ受信機51がテレビ局から発信された映像データを受信して当該映像データを展開した場合に、テレビ受信機51によって生成される。つまり、視聴ログデータは、調査対象者がテレビ番組及びテレビコマーシャル等をテレビ受信機51にて視聴した視聴履歴を示すデータであり、前述の第一データに相当する。
【0047】
視聴ログデータは、各調査対象者の自宅においてテレビ受信機51が電源オン状態で映像データを受信している期間中、定期的(例えば、1分毎)にテレビ受信機51から送信される。テレビ受信機51から送信された視聴ログデータは、ルータ52を経由し、インターネットを通じてテレビ局サーバ20に受信され、逐次テレビ局サーバ20に蓄積される。
【0048】
そして、テレビ局サーバ20は、受信した視聴ログデータをデータ処理装置10に提供する。データ処理装置10は、インターネットを通じて視聴ログデータを取得(受信)する。なお、テレビ局サーバ20からデータ処理装置10への視聴ログデータの提供については、テレビ局サーバ20が視聴ログデータを受信する度に実施されてもよく、あるいは、1時間分又は1日分の視聴ログデータをまとめて提供してもよい。
【0049】
視聴ログデータについて詳しく説明すると、視聴ログデータは、テレビ局が放送する放送情報を視聴した調査対象者、及び、当該放送情報の視聴履歴(つまり、放送情報への接触履歴)を特定するためのデータである。
【0050】
より具体的に説明すると、視聴ログデータは、視聴ログデータ送信時に用いられるルータ52に付与されたIPアドレス、放送情報を視聴した視聴時刻等を示すデータを含んでいる。ここで、視聴ログデータが示すIPアドレスは、放送情報を視聴した調査対象者が用いるIPアドレスに該当し、視聴ログデータの送信元である調査対象者を一義的に特定するための情報である。また、視聴ログデータが示す視聴時刻等は、視聴ログデータの送信元である調査対象者が放送情報を視聴した履歴(視聴履歴)を特定するための情報である。
【0051】
ちなみに、
図1に図示の構成では、データ処理装置10がテレビ局サーバ20から視聴ログデータを取得することになっているが、これに限定されるものではなく、データ処理装置10が各調査対象者の視聴ログデータを上記の入手経路から入手してもよい。
【0052】
コンテンツ配信サーバ30、40は、各調査対象者のデバイス53からの配信要求があったときに、対象コンテンツを配信するサーバコンピュータである。
図1の構成では、二つのコンテンツ配信サーバ30、40が図示されているが、一方のコンテンツ配信サーバ30は、所定のWebサイトの表示用データをデバイス53に向けて配信する。もう一方のコンテンツ配信サーバ40は、ECサイトの表示用データをデバイス53に向けて配信すると共に、調査対象者がデバイス53を通じて特定商品の購入操作を行うと、デバイス53と通信して購入手続き用のデータ処理を実行する。
【0053】
なお、
図1には二つのコンテンツ配信サーバ30、40のみを図示しているが、当然ながらコンテンツ配信サーバの数は自由に設定することができ、対象コンテンツとして設定されたWebサイト及びWeb広告の数及び種類等に応じて適当な数のコンテンツ配信サーバが設けられるとよい。
【0054】
また、コンテンツ配信サーバ30、40は、対象コンテンツをその利用先のデバイス53に向けて配信した際に(換言すると、ある調査対象者が対象とするWebコンテンツをデバイス53にて利用した場合に)、利用ログデータを生成する。つまり、利用ログデータは、調査対象者が対象コンテンツをデバイス53にて利用した利用履歴を示すデータであり、前述の第二データに相当する。
【0055】
そして、コンテンツ配信サーバ30、40は、生成した利用ログデータをデータ処理装置10に提供する。データ処理装置10は、インターネットを通じて利用ログデータを取得(受信)する。なお、コンテンツ配信サーバ30、40からデータ処理装置10への利用ログデータの提供については、利用ログデータが生成される度に(換言すると、調査対象者が対象コンテンツを利用する度に)実施されてもよく、あるいは、1時間分又は1日分の利用ログデータをまとめて提供してもよい。
【0056】
利用ログデータについて詳しく説明すると、利用ログデータは、対象コンテンツを利用した調査対象者、及び、当該対象コンテンツの利用履歴を特定するためのデータである。
【0057】
より具体的に説明すると、利用ログデータは、対象コンテンツの利用時に用いられるルータ52に付与されたIPアドレス、利用された対象コンテンツのURL(Uniform Resource Locator)及び利用日時等を示すデータを含んでいる。また、利用された対象コンテンツがECサイトであり、当該ECサイトにて特定商品を購入した場合には、その購入履歴を示すデータが利用ログデータに含まれる。また、利用された対象コンテンツが検索サイトであり、当該検索サイトにて検索が行われた場合には、その検索履歴を示すデータが利用ログデータに含まれる。また、利用された対象コンテンツが会員サービスであり、当該会員サービスの利用に際して利用者(会員希望者)に関する情報の登録が行われた場合には、その登録情報の内容を示すデータが利用ログデータに含まれる。
【0058】
ここで、利用ログデータが示すIPアドレスは、対象コンテンツを利用した調査対象者が用いるIPアドレスに該当し、利用ログデータの送信元である調査対象者を一義的に特定するための情報である。また、利用ログデータが示す対象コンテンツのURLは、利用ログデータの送信元である調査対象者が対象コンテンツとして閲覧したWebサイトを特定するための情報である。
【0059】
また、利用ログデータが示す利用日時は、利用ログデータの送信元である調査対象者が対象コンテンツを利用した回数を特定するための情報である。つまり、例えば、ある調査対象者が同一の対象コンテンツを異なる日時にて利用した場合、利用ログデータからそれぞれの利用日時を特定することで、ある調査対象者が上記の対象コンテンツを利用した回数が特定される。
【0060】
また、利用ログデータが示す特定商品の購入履歴は、利用ログデータの送信元である調査対象者が対象コンテンツとしてのECサイトを通じて購入した特定商品の商品名及び購入数等を特定するための情報である。また、利用ログデータが示す検索履歴は、利用ログデータの送信元である調査対象者が対象コンテンツとしての検索サイトを通じて行った検索の内容を特定するための情報である。また、利用ログデータが示す登録情報は、利用ログデータの送信元である調査対象者が対象コンテンツとしての会員サービスを利用するために登録した内容を特定するための情報である。
【0061】
以上のように、利用ログデータは、対象コンテンツの利用履歴を特定するためのデータであり、具体的には対象コンテンツの閲覧の有無、対象コンテンツの利用回数、対象コンテンツを通じた特定商品の購入の有無、対象コンテンツを通じた検索の内容、及び対象コンテンツを利用するために登録した情報の内容等を利用ログデータから特定することができる。
【0062】
そして、上述した対象コンテンツに関する各種の情報は、その時点における調査対象者の動向(具体的には、行動及び意識の傾向、並びに潜在的な興味関心)を反映している。例えば、引っ越し用のWebサイトを閲覧した調査対象者については、その者が閲覧時点で引っ越しに興味関心を有しており、近いうちに引っ越しをする予定があり、引っ越しに伴って家電等を買い替える見込みがあると考えられる。また、ECサイトで化粧水を購入した調査対象者については、その者が購入時点で化粧水に興味関心を有しており、今後も化粧水の購入の見込みがあると考えられる。また、新商品である「アルコール飲料G」を検索サイトで検索した調査対象者については、その者が検索時点で「アルコール飲料G」に興味関心を有しており、同商品を購入する見込みがあると考えられる。また、ある会員サービスを利用するために会員登録をした調査対象者については、その者が会員登録時点で上記会員サービスの掲載情報(コンテンツ)に興味関心を有しており、今後も上記会員サービスの掲載情報を利用する見込みがあると考えられる。
【0063】
ちなみに、
図1に図示の構成では、データ処理装置10がコンテンツ配信サーバ30、40から利用ログデータを取得することになっているが、これに限定されるものではなく、対象コンテンツを利用した調査対象者のデバイス53から利用ログデータがデータ処理装置10に向けて送信されてもよい。つまり、データ処理装置10は、対象コンテンツの利用時に調査対象者が利用したデバイス53と通信することで、第二データとしての利用ログデータを取得してもよい。なお、この場合の利用ログデータとしては、例えば、広告識別子又はCookie情報に直接的あるいは間接的には紐付けられるデータが挙げられる。ここで、広告識別子は、対象コンテンツの利用時に調査対象者が利用したデバイス53の識別情報であり、主に広告用に用いられる。また、Cookie情報は、対象コンテンツの利用時に用いたブラウザの識別情報である。また、広告識別子又はCookie情報に紐付けられるデータとしては、具体的には、対象コンテンツへの接触(利用)に関する情報(利用時間及び利用回数等)、若しくは、調査対象者(モニタ)の端末側にCookie情報が記憶されている場合においてアンケート等によって取得済みである調査対象者(モニタ)のプロフィール情報等が該当する。
【0064】
<<データ処理装置の機能について>>
次に、
図2を参照しながら、前述したデータ処理装置10の構成を機能面から改めて説明することとする。
図2は、データ処理装置10の各機能部を示すブロック図である。
【0065】
データ処理装置10は、
図2に示すように複数の機能部、具体的には第一データ取得部11、第二データ取得部12、算出部13、出力部14及び記憶部15を有する。これらの機能部は、データ処理装置10を構成するコンピュータ(サーバコンピュータ)のハードウェア機器が、ソフトウェアとしての前述のデータ処理用プログラムと協働することにより実現される。
【0066】
第一データ取得部11は、インターネットを通じてテレビ局サーバ20と通信することで、テレビ局サーバ20から第一データとしての視聴ログデータを取得する。視聴ログデータは、テレビの放送情報を視聴した調査対象者を特定するためのデータとして、その調査対象者が用いるIPアドレス(より厳密には、その調査対象者の自宅にあるルータ52に付与されたIPアドレス)を示すデータを含んでいる。
【0067】
また、第一データ取得部11は、取得した視聴ログデータを、同データが示すIPアドレス別に記憶部15に記憶させる。
【0068】
第二データ取得部12は、インターネットを通じてコンテンツ配信サーバ30、40と通信することで、コンテンツ配信サーバ30、40から第二データとしての利用ログデータを取得する。利用ログデータは、対象コンテンツを利用した調査対象者を特定するためのデータとして、その調査対象者が用いるIPアドレス(より厳密には、その調査対象者の自宅にあるルータ52に付与されたIPアドレス)を示すデータを含んでいる。
【0069】
また、第二データ取得部12は、取得した利用ログデータを、同データが示すIPアドレス別に記憶部15に記憶させる。
【0070】
算出部13は、第一データとしての視聴ログデータ及び第二データとしての利用ログデータに基づき、対象コンテンツの利用履歴が設定条件を満たす調査対象者のうち、テレビの放送情報(テレビ番組及びテレビコマーシャル等)を視聴した調査対象者の人数に応じた値を算出する。
【0071】
具体的に説明すると、算出部13は、記憶部15に記憶された利用ログデータの中から、対象コンテンツの利用履歴が設定条件を満たす調査対象者の利用ログデータを抽出する。ここで、設定条件は、前述のWeb利用行動をカテゴリ化する目的で設定された条件であり、対象コンテンツの閲覧の有無、対象コンテンツを通じた特定商品の購入の有無、対象コンテンツを通じた検索の内容、対象コンテンツを利用するために登録した情報の内容のうちの少なくとも一つに関する条件である。
【0072】
「対象コンテンツの閲覧の有無」に関する条件としては、例えば、「所定のWebサイトを閲覧したことがある(又は閲覧したことがない)」、「所定のWebサイトをある期間内に閲覧した」、及び、「所定のWebサイトを閲覧した回数が規定回数以上である」等の条件が挙げられる。
【0073】
「対象コンテンツを通じた特定商品の購入の有無」に関する条件としては、例えば、「ECサイトを通じて所定の商品を購入したことがある(又は購入したことがない)」、「ある期間内にECサイトを通じて所定の商品を購入した」、及び、「ECサイトを通じて所定の商品を購入した回数が規定回数以上である」等の条件が挙げられる。
【0074】
「対象コンテンツを通じた検索の内容」に関する条件としては、例えば、「検索サイトを通じて所定のキーワード(例えば、商品名等)を検索したことがある」等の条件が挙げられる。
「対象コンテンツを利用するために登録した情報の内容」に関する条件としては、例えば、「ある会員サービスを利用するために所定の情報を登録した」等の条件が挙げられる。
【0075】
なお、設定条件については、一つのみ設定されるケースに限られず、複数の条件を組み合わせて用いてもよい。
また、以下では、対象コンテンツの利用履歴が設定条件を満たす調査対象者のグループを、「条件該当ターゲット」と呼ぶこととする。ちなみに、条件該当ターゲットは、対象コンテンツの利用履歴が設定条件を満たしていることに加え、性別及び年齢等の属性(デモグラフィック)を限定したものであってもよい。
【0076】
算出部13による値算出の手順に戻って説明すると、算出部13は、記憶部15に記憶された視聴ログデータの中から、条件該当ターゲットに属する調査対象者の視聴ログデータを抽出する。具体的に説明すると、算出部13は、抽出した条件該当ターゲットの利用ログデータが示すIPアドレスと一致するIPアドレスを示す視聴ログデータを抽出する。つまり、算出部13は、IPアドレスが一致する視聴ログデータ及び利用ログデータを同一の調査対象者のデータとみなし、IPアドレスを手掛かりにして、条件該当ターゲットに属する調査対象者の視聴ログデータを抽出する。
【0077】
なお、条件該当ターゲットに属する調査対象者の視聴ログデータを抽出する方法としては、IPアドレスを手掛かりにして抽出する方法には限定されるものではない。換言すると、テレビの放送情報を視聴した調査対象者を特定するためのデータ、及び、対象コンテンツを利用した調査対象者を特定するためのデータは、IPアドレスに限られず、他のデータであってもよい。例えば、調査に際して、各調査対象者のテレビ受信機51及びデバイス53の各々について機器識別データを事前に登録し、その対応関係をデータ処理装置10の記憶部15に記憶しておく。そして、機器識別データと上記の対応関係に基づき、条件該当ターゲットに属する調査対象者が使用したデバイス53と対応するテレビ受信機51を特定し、特定したテレビ受信機51から受信した視聴ログデータを抽出すれば、条件該当ターゲットに属する調査対象者の視聴ログデータを抽出することができる。
【0078】
その後、算出部13は、抽出した視聴ログデータに基づき、条件該当ターゲットに属する調査対象者のうち、テレビの放送情報を視聴した調査対象者の人数に応じた視聴率(ターゲット視聴率)を算出する。また、算出部13は、ターゲット視聴率を予め設定された時間枠毎に算出する。
【0079】
より詳しく説明すると、本実施形態では、各曜日について所定の時間帯(例えば、5時〜29時)の範囲を1時間刻みで区画して時間枠を設定する。そして、算出部13は、各時間枠について、条件該当ターゲットに属する調査対象者のうち、テレビの放送情報を視聴した調査対象者の人数を特定する。
【0080】
具体的に説明すると、算出部13は、抽出した視聴ログデータに係る各調査対象者について、当該データが示す視聴時刻から、各時間枠におけるテレビ視聴の有無を特定する。これにより、各時間枠について、条件該当ターゲットに属する調査対象者のうち、テレビの放送情報を視聴した調査対象者(以下、条件該当ターゲットのテレビ視聴者)の人数が特定される。また、算出部13は、条件該当ターゲットのテレビ視聴者の各々について、抽出した視聴ログデータに基づき、各時間枠におけるテレビ視聴分数を特定する。
【0081】
そして、算出部13は、各時間枠についてターゲット視聴率を次式(1)及び(2)により算出する。
S=S1+S2+S3+・・・・・Sn (1)
T=S/(60×m)×100 (2)
【0082】
上式(1)及び(2)において、mは、条件該当ターゲットに属する調査対象者の人数であり、nは、条件該当ターゲットのテレビ視聴者の人数である。また、Siは、条件該当ターゲットのテレビ視聴者のうち、i番目(i=1〜n)のテレビ視聴者の、ある時間枠におけるテレビ視聴分数である。Tは、ある時間枠におけるターゲット視聴率である。
【0083】
以上の手順により、
図3に示すように、各時間枠についてターゲット視聴率の算出結果が得られる。
図3は、算出部13によって算出された各時間枠でのターゲット視聴率を示す図(厳密には、ヒートマップ)である。なお、
図3に図示した各カラムが時間枠に相当し、各カラム内の数値がターゲット視聴率の算出結果を示している。
【0084】
ちなみに、本実施形態では、上述したように、時間枠が1時間刻みで設定されているが、これに限定されるものではない。例えば、テレビで放送される番組(テレビ番組)に対して予め設定された放送時間枠(すなわち、番組枠)を時間枠として設定してもよい。
【0085】
出力部14は、算出部13が算出した各時間枠のターゲット視聴率を
図3のように視覚化し、調査結果の利用者(例えば、調査依頼主等)に対して出力する。出力方法としては、算出部13の算出結果を視覚化して示すデータ(具体的には、
図3に図示したテーブルデータ)を、調査結果の利用者に向けてメール等にて送信する方法、あるいは、調査結果の利用者に提示する目的でプリンタ等によって印刷する方法が挙げられる。
【0086】
調査結果の利用者は、出力された各時間枠のターゲット視聴率を確認することにより、条件該当ターゲットによって最も視聴される時間枠を見つけ出し、例えば、その時間枠での広告の出稿を検討することができる。具体例を挙げて説明すると、調査結果の利用者が化粧品メーカーであり、条件該当ターゲットを「ECサイトにて化粧品を度々購入する女性」としたとき、ターゲット視聴率が最も高くなる時間枠に自社製品である化粧品の広告を出稿することができる。この場合には、その時点で化粧品に興味関心を有し、今後も化粧品を購入する見込みがある女性に対して、自社の化粧品の広告を打つことができるので、良好な広告効果を得ることができる。
【0087】
以上のように、データ処理装置10によれば、調査対象者の動向及び潜在的な興味関心がWeb利用行動に反映されることを踏まえ、Web利用行動が所定の条件を満たすターゲット(条件該当ターゲット)を特定する。そして、データ処理装置10によれば、条件該当ターゲットにおけるテレビ視聴状況、具体的には各時間枠でのターゲット視聴率を割り出す。これにより、調査対象者のテレビ視聴状況を、潜在的な興味関心を含めた調査対象者の動向と関連付けて特定することが可能となる。
【0088】
また、本実施形態では、各調査対象者が対象コンテンツを利用する度に、その利用履歴を示す使用ログデータが第二データ取得部12によって取得される。さらに、本実施形態では、算出部13が上述した一連の手順を定期的に繰り返す。すなわち、算出部13は、各時間枠のターゲット視聴率を、設定された時間を空けて算出する。
【0089】
なお、ターゲット視聴率の算出時点は、任意の時点に設定することができ、また、算出時点の間隔(インターバル)については、一様であってもよく、あるいは算出時点毎に変化してもよい。
【0090】
さらにまた、出力部14は、算出部13が各時間枠のターゲット視聴率を算出すると、その都度、算出結果を調査結果の利用者に対して出力する。
【0091】
以上により、調査結果の利用者は、最新のターゲット視聴率(厳密には、直近で算出した時点でのターゲット視聴率)を確認することができる。この結果、調査結果の利用者は、各調査対象者の興味関心が時間と共に変化することを踏まえつつ、例えば広告枠として利用する時間枠を適切に選定することが可能となる。
【0092】
上記の効果について、以下、
図4を参照しながら説明する。
図4は、本発明の効果についての説明図である。なお、以下では、「最近1カ月以内にECサイトにて化粧品Kを購入していない女性」を条件該当ターゲットとするケースを例に挙げて説明することとする。
【0093】
ある算出時点(
図4中の時点t1)では、条件該当ターゲットに属する調査対象者の人数がf1人である。また、時点t1において、各時間枠でのターゲット視聴率を算出した結果、条件該当ターゲットによって最も視聴される時間枠(
図4では、「最頻視聴時間枠」と表記)が時間枠A及びBであったとする。この場合、化粧品Kのメーカーは、最頻視聴時間枠A及びBにある広告枠Ma、Mbを化粧品Kの広告に利用すれば、条件該当ターゲットに対して効果的に広告を打つことができる。
【0094】
一方、時点t1から暫く時間が経過した時点(
図4中の時点t2)では、条件該当ターゲットに属する調査対象者の人数がf2となり、時点t1での人数f1から変化している場合がある。これは、調査対象者の化粧品(特に、化粧品K)に対する興味関心が時間と共に変化し、それに伴う形で条件該当ターゲットに属する人数が変わる可能性があるためである。同様に、時点t2では、各時間枠でのターゲット視聴率の算出結果が時点t1での算出結果から変わっている場合があり、その場合には、最頻視聴時間枠も
図4に示すように変化し得る。なお、
図4では、時点t2での最頻視聴時間枠が時間枠A、B及びCとなっている。この場合、化粧品Kの広告を放送する広告枠としては、時間枠A、B及びCにある広告枠Ma、Mb、Mcが有効である。
【0095】
以降の算出時点(
図4中の時点t3、t4)においても、上記と同様の傾向が見受けられ、条件該当ターゲットに属する調査対象者の人数が変わり、それに伴って、各時間枠でのターゲット視聴率の算出結果、及び最頻視聴時間枠も変化し得る。ちなみに、
図4に図示のケースにおいて、時点t3では、条件該当ターゲットに属する調査対象者の人数がf3であり、最頻視聴時間枠が時間枠A〜Dであり、有効な広告枠が時間枠A〜D内の広告枠Ma〜Mdとなる。また、時点t4では、条件該当ターゲットに属する調査対象者の人数がf4であり、最頻視聴時間枠が時間枠A、B及びDであり、有効な広告枠が時間枠A、B及びD内の広告枠Ma、Mb及びMdとなる。
【0096】
以上のように、本実施形態では、利用ログデータを対象コンテンツの利用時と略同時(リアルタイム)に取得することで、調査対象者の対象コンテンツの利用履歴を逐次把握することができる。また、各時間枠でのターゲット視聴率を定期的に算出することで、調査対象者の動向(潜在的な意識を含む)の変化を踏まえつつ、調査対象者のテレビ視聴状況を特定することが可能となる。これにより、広告の出稿先(具体的には広告枠)を検討する際、その時点での最頻視聴時間枠の中から広告枠を見つければ、狙いとするターゲット(条件該当ターゲット)に対して効果的に広告を打つことができる。また、例えば、調査結果の利用者である広告主が、ある時点で最頻視聴時間枠であった時間枠(
図4では時点t1における時間枠A及びB)の中で広告枠を購入した後、別の時点(
図4の時点t2、t3、t4)では最頻視聴時間枠が変化している場合がある。この場合、広告主は、変化後の最頻視聴時間枠を確認し、その時間枠の中で広告枠を買い直すことができてもよい。
【0097】
上記の効果が得られる点において、本実施形態は、一般的なアンケート調査等によって調査対象者の興味関心を調査する場合に比べて有利であると言える。すなわち、アンケート調査では調査実施時点での調査対象者の興味関心を把握し得るものの、調査実施時点から時間が経過した時点での興味関心を把握することが困難である。
【0098】
これに対して、本実施形態では、上述したように、各調査対象者の興味関心を反映した各調査対象者のWeb利用行動をリアルタイムで把握することができるので、各調査対象者の現時点での興味関心を踏まえてテレビの視聴状況を特定することが可能となる。
【0099】
<<本実施形態に係るデータ処理方法について>>
次に、データ処理装置10の動作例として、データ処理装置10が調査対象者に関するデータを処理する流れ(以下、データ処理フロー)について説明する。
【0100】
なお、データ処理フローでは、本発明のデータ処理方法が採用されている。すなわち、以下の説明には、本発明のデータ処理方法に関する説明が含まれており、また、以下に述べるデータ処理フロー中の各ステップは、本発明のデータ処理方法を構成する工程に相当する。
【0101】
データ処理フローにおいて、データ処理装置10は、
図5に図示の各ステップを実施する。
図5は、本実施形態に係るデータ処理方法の流れを示す図であり、データ処理フローについての説明図である。
【0102】
データ処理フローの流れについて詳細に説明すると、データ処理フローでは、先ず、データ処理装置10を構成するサーバコンピュータが、上述した要領にて第一データとしての視聴ログデータを調査対象者毎に取得する(S001)。ここで、データ処理装置10を構成するサーバコンピュータは、本発明の『コンピュータ』に相当し、以下では、単にサーバコンピュータと呼ぶこととする。
【0103】
なお、本実施形態では、前述したように、サーバコンピュータがテレビ局サーバ20と通信することで視聴ログデータを取得する。また、本実施形態では、テレビの放送情報(テレビ番組及びテレビコマーシャル等)を視聴している調査対象者については、テレビ視聴中、視聴ログデータが随時生成され、それぞれの視聴時刻に生成された視聴ログデータが、テレビ局サーバ20からサーバコンピュータに向けて送られる。
【0104】
また、サーバコンピュータは、上述した要領にて第二データとしての利用ログデータを調査対象者毎に取得する(S002)。なお、本実施形態では、前述したように、各調査対象者が対象コンテンツを利用すると、その利用履歴を示す利用ログデータをコンテンツ配信サーバ30、40が生成し、コンテンツ配信サーバ30、40が利用ログデータをサーバコンピュータに向けて送信する。サーバコンピュータは、インターネットを通じて利用ログデータを取得(受信)する。
【0105】
サーバコンピュータは、上述した視聴ログデータの取得工程S001及び利用ログデータの取得工程S002を随時繰り返し、例えば、視聴ログデータ及び利用ログデータの各々が生成されたタイミングで、上記2つの工程S001、S002のうち、対応する工程を実施する。また、サーバコンピュータは、取得した視聴ログデータ及び利用ログデータを、各々のデータが示すIPアドレス別に記憶する。
【0106】
その後、現時点が予め設定された算出時点に至ると(S003)、サーバコンピュータは、それまでに取得した視聴ログデータ及び利用ログデータに基づいて、各時間枠でのターゲット視聴率を算出する算出工程を実施する(S004)。算出工程において、サーバコンピュータは、先ず、サーバコンピュータ内に記憶された利用ログデータの中から、対象コンテンツの利用履歴が設定条件を満たす調査対象者(条件該当ターゲット)の利用ログデータを抽出する。
【0107】
次に、サーバコンピュータは、サーバコンピュータ内に記憶された視聴ログデータの中から、条件該当ターゲットの利用ログデータが示すIPアドレスと一致するIPアドレスを示す視聴ログデータを抽出する。ここで、抽出される視聴ログデータは、条件該当ターゲットのテレビ視聴者の視聴ログデータに相当する。
【0108】
次に、サーバコンピュータは、抽出した視聴ログデータに基づき、条件該当ターゲットのテレビ視聴者の人数に応じた視聴率(すなわち、ターゲット視聴率)を時間枠毎に算出する。具体的に説明すると、サーバコンピュータは、抽出した視聴ログデータを解析する。これにより、条件該当ターゲットのテレビ視聴者の人数、及び、各テレビ視聴者の各時間枠におけるテレビ視聴分数が特定される。その後、サーバコンピュータは、特定した結果を前述の式(1)及び(2)に適用することで、各時間枠でのターゲット視聴率を算出する。
【0109】
次に、サーバコンピュータは、算出した各時間枠のターゲット視聴率を視覚化し、調査結果の利用者に対して出力する(S005)。調査結果の利用者は、出力された各時間枠のターゲット視聴率を確認し、その中から最頻視聴時間枠を見つけ、当該時間枠中にある広告枠の購入等を検討する。
【0110】
以上までに説明した一連の工程S001〜S005は、所定の期間(以下、データ処理期間)中、繰り返し実施される。すなわち、サーバコンピュータは、予め設定された時間を空けて各時間枠のターゲット視聴率を繰り返し算出し、各算出時点での算出結果を逐次出力する。そして、データ処理期間が経過した時点で(S006)、データ処理フローが終了する。
【0111】
なお、データ処理期間については、特に限定されるものではなく、例えば、サーバコンピュータの稼働期間としてもよい。かかる場合には、サーバコンピュータが稼働している限り、データ処理フローが続行されることになる。また、ある広告(テレビコマーシャル)を出稿する広告枠を決める目的でデータ処理フローを実行する場合には、上記の広告枠の販売期間をデータ処理期間としてもよい。ここで、広告枠の販売期間の終了時点については、当該広告枠にて広告が放送される日時の数月前、数週間前、数日前、数時間前、数分前あるいは数秒前に設定することができる。
【0112】
<<その他の実施形態>>
以上までに本発明のデータ処理装置及びデータ処理方法について、具体的な実施形態を挙げて説明してきたが、上記の実施形態は、あくまでも一例であり、他の実施形態も考えられ得る。
【0113】
例えば、上記の実施形態において、データ処理装置10の算出部13は、取得した第一データ及び第二データ(具体的には、視聴ログデータ及び利用ログデータ)に基づき、条件該当ターゲットのテレビ視聴者の人数に応じた値として、ターゲット視聴率を算出することとした。ただし、上記の値については、ターゲット視聴率に限定されるものではなく、他の値であってもよく、具体的には、例えば、条件該当ターゲットのテレビ視聴者の人数(リーチ)、視聴回数(フリクエンシー)別の人数、条件該当ターゲットのテレビ視聴者のテレビ視聴分数の総和、延べ視聴率(GRP:Gross Rating Point)等であってもよい。
【0114】
また、上記の実施形態では、テレビの視聴履歴を特定するための第一データとして、視聴ログデータを、テレビ局サーバ20又は各調査対象者のテレビ受信機51からネットワーク経由で取得することとしたが、これに限定されるものではない。例えば、公知の機械式視聴率調査方法によって得られるデータ、具体的には、各調査対象者の自宅に設置された測定機器等によって各調査対象者の視聴状態を測定して得られるデータ(視聴状態データ)を、第一データとして取得してもよい。
【0115】
また、上記の実施形態では、対象コンテンツの利用履歴を特定するための第二データとして、利用ログデータを、コンテンツ配信サーバ30、40又は各調査対象者のデバイス53からネットワーク経由で取得することとしたが、これに限定されるものではない。例えば、アンケート調査等において対象コンテンツの利用履歴に関する質問を調査対象者に尋ね、その回答内容を示すデータを、第二データとして取得してもよい。ただし、前述したように、利用ログデータであれば、対象コンテンツの利用時と略同時(リアルタイム)に取得することができ、その時点でのWeb利用履歴を把握することが可能である。かかる点では、利用ログデータを第二データとして取得する方がより好ましい。
【0116】
また、上記の実施形態では、一回のデータ処理フローにおいて、各時間枠でのターゲット視聴率を算出する工程を、予め設定された時間を空けて繰り返し実施することとした。ただし、これに限定されるものではなく、例えば、一回のデータ処理フローにおいてターゲット視聴率の算出を一回のみ実施することとしてもよい。
【解決手段】コンピュータが、メディアにて伝達される被伝達情報に接触した調査対象者、及び被伝達情報への接触履歴を特定するための第一データを取得し、コンピュータが、対象とするWebコンテンツを利用した調査対象者、及び対象とするWebコンテンツの利用履歴を特定するための第二データを取得し、コンピュータが、第一データ及び第二データに基づき、対象とするWebコンテンツの利用履歴が設定条件を満たす調査対象者のうち、被伝達情報に接触した調査対象者の人数に応じた値を算出する。