(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
定着部による所定の加熱影響を有していない転写媒体が、第1回の定着後、第2回の定着による加熱影響を有していない転写媒体であり、定着部による定着を行った転写媒体が、第1回の定着後、第2回の定着を行った転写媒体であり、画像形成に際し定めた、前記転写媒体に対する前記画像形成位置の位置が、第1回の定着後、第2回の定着前の転写媒体に対する画像形成位置であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
前記定着部による加熱影響を有していない転写媒体は、前記定着部における押圧を解除して前記定着部を通過したもの、前記定着部で加熱しない状態にして前記定着部を通過したもの、前記定着部の転写媒体搬送方向の下流側で転写媒体を給紙したもの、前記定着部で加熱された後、所定状態まで冷却されたもののいずれかであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
前記制御部は、画像形成位置を求める際に読み取られる画像として、所定のパターンの画像を前記転写媒体に形成することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
前記制御部は、前記画像形成位置の補正に用いる画像と同じ印字率の画像が形成された前記転写媒体を、定着を行った転写媒体として伸縮率の算出に用いることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
前記制御部は、前記画像形成位置の補正に用いる画像と同一の画像が形成された前記転写媒体を、定着を行った転写媒体として伸縮率の算出に用いることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
前記制御部は、画像が形成された前記転写媒体の読み取り結果を前記伸縮率の算出に用いるとともに、前記画像の読み取り結果を前記画像形成位置の補正に用いることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
前記制御部は、前記伸縮率を、転写媒体搬送速度、定着温度、印字率、転写媒体種別の1つ以上の条件毎に算出することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
転写媒体上に画像を形成し、加熱を伴って前記転写媒体上の画像の定着を行う定着部を有する画像形成部と、前記定着部よりも転写媒体搬送方向の下流側に配置され、前記転写媒体を読み取るセンサ部と、を制御する制御部を有し、
前記制御部は、前記定着部による所定の加熱影響を有していない転写媒体と、前記定着部による定着を行った転写媒体とについて、前記センサ部による読取結果を受け、該読取結果に基づいて、加熱影響を有していない前記転写媒体に対し、定着を行った前記転写媒体の伸縮率を算出し、
転写媒体上に画像が形成され、定着が行われた前記転写媒体上に形成された画像の読取結果に基づいて画像形成位置を求め、
画像形成に際し定めた、前記転写媒体に対する前記画像形成位置の位置と、読み取り結果に基づく画像形成位置と、前記伸縮率とに基づいて、定着前の画像形成位置ずれ量を算出することを特徴とする画像形成システム。
定着部による所定の加熱影響を有していない転写媒体が、第1回の定着後、第2回の定着による加熱影響を有していない転写媒体であり、定着部による定着を行った転写媒体が、第1回の定着後、第2回の定着を行った転写媒体であり、画像形成に際し定めた前記画像形成位置の位置が第1回の定着後、第2回の定着前の転写媒体に対する画像形成位置であることを特徴とする請求項14記載の画像形成システム。
定着部による所定の加熱影響を有していない転写媒体が、第1回の定着後、第2回の定着による加熱影響を有していない転写媒体であり、定着部による定着を行った転写媒体が、第1回の定着後、第2回の定着を行った転写媒体であり、画像形成に際し定めた前記画像形成位置の位置が第1回の定着後、第2回の定着前の転写媒体に対する画像形成位置であることを特徴とする請求項16記載の画像形成方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、一般的に転写紙は、定着器により加熱されることで、水分が蒸発し、出力直後の全体のサイズは、定着前より縮む。インラインセンサは定着器の下流に配置されるため、定着直後の縮んだ状態の転写媒体を測定することになる。そこから検出される印字位置は縮み分小さくなるため、その値で印字位置を調整すると基準に対して位置ずれが生じる。定着前の用紙に対する印字位置の調整が必要なため、定着前の紙における画像書き込み位置を知る必要がある。
【0005】
特許文献1では、未定着の用紙と、定着した用紙のサイズをセンサで検知して定着による伸縮程度を算出し、表裏倍率が一致するように裏面の書き込み倍率を補正する技術が開示されている。しかし、この提案技術では、表裏の画像倍率を合わせることができるが、画像形成位置を補正することはできない。
【0006】
本願発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、定着前後の伸縮を考慮して画像形成位置の補正を行うことができる画像形成装置、画像形成システムおよび画像形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の画像形成装置のうち、第1の形態は、転写媒体上に画像を形成し、加熱を伴って前記転写媒体上の画像の定着を行う定着部を有する画像形成部と、
前記画像形成部の制御を行い、前記定着部よりも転写媒体搬送方向の下流側に配置されて前記転写媒体を読み取るセンサ部の読み取り結果を受ける制御部と、を備え、
前記制御部は、前記定着部による所定の加熱影響を有していない転写媒体と、前記定着部による定着を行った転写媒体と、におけ
る前記センサ部の読取結果に基づいて、加熱影響を有していない前記転写媒体に対し、定着を行った前記転写媒体の伸縮率を算出し、
転写媒体上に画像が形成され、定着が行われた前記転写媒体上に形成された画像の読取結果に基づいて画像形成位置を求め、
画像形成に際し定めた、前記転写媒体に対する前記画像形成位置の位置と、読み取り結果に基づく画像形成位置と、前記伸縮率と
に基づいて、
定着前の画像形成位置ずれ量を算出することを特徴とする。
【0008】
他の形態の画像形成装置は、前記他の形態の画像形成装置において、前記定着部よりも転写媒体搬送方向の下流側に配置され、前記転写媒体を読み取るセンサ部を備えることを特徴とする。
【0009】
他の形態の画像形成装置は、前記他の形態の画像形成装置において、前記制御部は、
画像形成に際し定めた、前記転写媒体に対する前記画像形成位置の位置と、読み取り結果に基づく転写後の前記転写媒体上の画像形成位置との差分により、転写後の画像形成位置ずれ量を求め、
転写後の前記画像形成位置ずれ量を前記伸縮率で補正して定着前の画像形成位置ずれ量を求め、
定着前の前記画像形成位置ずれ量と、画像形成に際し定められる距離と読み取り結果に基づく転写後の転写媒体上の距離を前記伸縮率で補正した転写前の転写媒体上の距離との比率を示す印字倍率と、を印字の際の補正値に用いることを特徴とする。
【0010】
他の形態の画像形成装置は、前記他の形態の画像形成装置において、定着部による所定の加熱影響を有していない転写媒体が、第1回の定着後、第2回の定着による加熱影響を有していない転写媒体であり、定着部による定着を行った転写媒体が、第1回の定着後、第2回の定着を行った転写媒体であり、画像形成に際し定めた、前記転写媒体に対する前記画像形成位置の位置が、第1回の定着後、第2回の定着前の転写媒体に対する画像形成位置であることを特徴とする。
【0011】
他の形態の画像形成装置は、前記他の形態の画像形成装置において、前記第1回の定着が転写媒体の表面画像用の定着であり、前記第2回の定着が転写媒体の裏面画像用の定着であることを特徴とする。
【0012】
他の形態の画像形成装置は、前記他の形態の画像形成装置において、前記定着部による加熱影響を有していない転写媒体は、前記定着部における押圧を解除して前記定着部を通過したもの、前記定着部で加熱しない状態にして前記定着部を通過したもの、前記定着部の転写媒体搬送方向の下流側で転写媒体を給紙したもの、前記定着部で加熱された後、所定状態まで冷却されたもののいずれかであることを特徴とする。
【0013】
他の形態の画像形成装置は、前記他の形態の画像形成装置において、前記制御部は、画像形成位置を求める際に読み取られる画像として、所定のパターンの画像を前記転写媒体に形成することを特徴とする。
【0014】
他の形態の画像形成装置は、前記他の形態の画像形成装置において、前記制御部は、前記画像形成位置の補正に用いる画像と同じ印字率の画像が形成された前記転写媒体を、定着を行った転写媒体として伸縮率の算出に用いることを特徴とする。
【0015】
他の形態の画像形成装置は、前記他の形態の画像形成装置において、前記制御部は、前記画像形成位置の補正に用いる画像と同一の画像が形成された前記転写媒体を、定着を行った転写媒体として伸縮率の算出に用いることを特徴とする。
【0016】
他の形態の画像形成装置は、前記他の形態の画像形成装置において、前記制御部は、画像が形成された前記転写媒体の読み取り結果を前記伸縮率の算出に用いるとともに、前記画像の読み取り結果を前記画像形成位置の補正に用いることを特徴とする。
【0017】
他の形態の画像形成装置は、前記他の形態の画像形成装置において、前記制御部は、前記伸縮率を、転写媒体搬送速度、定着温度、印字率、転写媒体種別の1つ以上の条件毎に算出することを特徴とする。
【0018】
他の形態の画像形成装置は、前記他の形態の画像形成装置において、前記制御部は、前記伸縮率を、転写媒体情報と紐付けて管理することを特徴とする。
【0019】
他の形態の画像形成装置は、前記他の形態の画像形成装置において、前記制御部は、前記画像形成位置ずれを前記画像形成部の位置制御に反映することを特徴とする。
【0020】
本発明の画像形成システムのうち第1の形態は、転写媒体上に画像を形成し、加熱を伴って前記転写媒体上の画像の定着を行う定着部を有する画像形成部と、前記定着部よりも転写媒体搬送方向の下流側に配置され、前記転写媒体を読み取るセンサ部と、を制御する制御部を有し、
前記制御部は、前記定着部による所定の加熱影響を有していない転写媒体と、前記定着部による定着を行った転写媒体とについて
、前記センサ部による読取結果を受け、該読取結果に基づいて、加熱影響を有していない前記転写媒体に対し、定着を行った前記転写媒体の伸縮率を算出し、
転写媒体上に画像が形成され、定着が行われた前記転写媒体上に形成された画像の読取結果に基づいて画像形成位置を求め、
画像形成に際し定めた、前記転写媒体に対する前記画像形成位置の位置と、読み取り結果に基づく画像形成位置と、前記伸縮率と
に基づいて、
定着前の画像形成位置ずれ量を算出することを特徴とする。
【0021】
他の形態の画像形成システムは、前記他の形態の画像形成装置において、定着部による所定の加熱影響を有していない転写媒体が、第1回の定着後、第2回の定着による加熱影響を有していない転写媒体であり、定着部による定着を行った転写媒体が、第1回の定着後、第2回の定着を行った転写媒体であり、画像形成に際し定めた前記画像形成位置の位置が第1回の定着後、第2回の定着前の転写媒体に対する画像形成位置であることを特徴とする。
【0022】
本発明の画像形成方法のうち第1の形態は、転写媒体上に画像を形成する画像形成部と、加熱を伴って前記転写媒体上の画像の定着を行う定着部と、を有する画像形成装置における画像形成方法であって、
前記定着部による所定の加熱影響を有していない転写媒体と、前記定着部による定着を行った転写媒体とについて、前記定着部よりも転写媒体搬送方向の下流側に配置され、前記転写媒体を読み取るセンサ部の読取結果を受け、該読取結果に基づいて、加熱影響を有していない前記転写媒体に対し、定着を行った前記転写媒体の伸縮率を算出する工程と、 転写媒体上に画像が形成され、定着が行われた前記転写媒体上に形成された画像について前記センサ部による読取結果を受け、該読取結果に基づいて画像形成位置を求め、
画像形成に際し定めた、前記転写媒体に対する前記画像形成位置の位置と、読み取り結果に基づく画像形成位置と、前記伸縮率と
に基づいて、
定着前の画像形成位置ずれ量を算出する工程とを有することを特徴とする。
【0023】
他の形態の画像形成方法は、前記他の形態の画像形成装置において、定着部による所定の加熱影響を有していない転写媒体が、第1回の定着後、第2回の定着による加熱影響を有していない転写媒体であり、定着部による定着を行った転写媒体が、第1回の定着後、第2回の定着を行った転写媒体であり、画像形成に際し定めた前記画像形成位置の位置が第1回の定着後、第2回の定着前の転写媒体に対する画像形成位置であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、転写媒体の定着における伸縮を考慮して、画像形成位置の適正な調整を行うことを可能にする効果がある。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に、本発明の一実施形態の画像形成装置1について、機械的な概略を
図1に基づいて説明する。
画像形成装置1は、画像形成装置本体10と、これに接続された読取装置20とを有している。なお、本発明としては、画像形成装置本体10によって画像形成装置が構成され、画像形成装置本体10と読取装置とによって画像形成システムが構成されるものであってもよい。画像形成システムでは、さらに他の外部装置などが接続されるものであってもよい。
装置本体10の上部側で、プラテンガラスが位置しない箇所に、入力部106が設置されている。入力部106は、LCDとタッチパネルで構成されており、ユーザーによる操作および情報の表示が可能になっている。この実施形態では入力部106は、操作部と表示部の機能を兼用している。なお、入力部をマウスやタブレットなどで構成し、LCDなどの表示部とは別体で構成することも可能である。
【0027】
装置本体10の下部側には、用紙を収納して給紙する給紙トレイ210が配置されている。給紙トレイ210は、多段で構成してもよい。この実施形態では、用紙は本発明の転写媒体に相当する。なお、転写媒体は、用紙に限られるものではなく、画像を印刷して搬送できるもので布などでもよく、その材質は問わない。また、転写媒体は、シート形状の他、連続媒体であってもよい。また、装置本体10に給紙装置が接続されたものであってもよい。
【0028】
装置本体10内には、給紙トレイ210から給紙される用紙を搬送する搬送経路215が設けられており、画像形成装置本体10内の搬送経路215の途中に、画像形成部109が設けられている。
画像形成部109では、各色用の感光体208と中間転写ベルト207、二次転写ローラ206を有しており、感光体208の周囲には、各色用に、図示しない、帯電器、LD、現像器が配置されている。
二次転写ローラ206の下流側の搬送経路215には定着器205が配置されている。この実施形態では、搬送経路215には、搬送モータ209が配置されている。定着器205は、本発明の定着部に相当する。定着器205は、定着ローラや定着ベルトなどにより構成され、定着時には、加圧側と加熱側とでニップを形成して用紙を通過させる。
【0029】
定着器205の下流側で、搬送経路215が伸長して読取装置20の通紙経路228に接続されている。また、装置本体10内では、定着器205の下流側で、搬送経路215から反転経路215Aが分岐して反転部211を構成しており、反転経路215Aは、画像形成部109の上流側で搬送経路215に合流している。
【0030】
読取装置20では、通紙経路228上面の用紙を読み取るラインセンサ201を有し、ラインセンサ201に対し通紙経路228を挟んだ下方側に対向板202が備えられている。ラインセンサ201および対向板202は本発明のセンサ部を構成する。ラインセンサ201にはCCDやCMOSを用いることができ、本発明としては、特定のものに限定されない。また、センサはライン上に検知されることが必須とされるものではなく、対象となる用紙位置や画像位置を検知できるものであればよい。
【0031】
画像形成部109では、帯電器により画像書込み前に感光体208の表面を一様に帯電し、画像書き込み部により表面が一様に帯電された感光体208にレーザ照射などをして感光体208に静電潜像を形成する。現像器は、感光体208に形成された静電潜像をトナーによって現像する。この現像処理によって、感光体208にトナー画像が形成される。感光体208のトナー画像は、中間転写ベルト207に転写され、二次転写ローラ206によって、給紙トレイ210から搬送されてきた用紙にトナー画像が転写される。トナー画像が転写された用紙は、搬送経路215に沿って搬送されて定着器205に至る。
感光体208や中間転写ベルト207に残留したトナーは、図示しないクリーニング部によって除去される。
【0032】
定着器205は、搬送された用紙を加熱することにより用紙の表面側に転写されたトナー画像を出力画像として定着する。この定着により、用紙への画像の印刷が完了する。
定着処理が施された用紙は、搬送経路215によってそのまま読取装置20に排出するか、反転搬送経路215Aを通して反転部211で用紙の表裏が反転された後、画像形成部109の上流側の搬送経路215に返流される。表裏反転された用紙は、画像形成部109によって裏面への画像印刷を行うことができる。
【0033】
読取装置20の詳細を
図2に基づいて説明する。
ラインセンサ201は、通紙経路228の上方側にケース227を有し、ケース227内に、検知光が反射した反射光を受けて偏向するミラー224とミラー224からの光を受光するCCD223とを内蔵している。CCD223は、ライン状に配置されている。
ケース227の下方側では、検査光が通過する開口が設けられ、該開口に光が透過できる防塵ガラス226が設置されている。防塵ガラス226の搬送方向前後位置に、検知光を下方に向けて出力するランプ225が配置されている。
通紙経路228の下方部側は、光通過が可能になっており、搬送経路228の下方側に対抗板202が配置されている。対抗板202は、用紙搬送方向と直交する方向に回転可能であり、180度の間隔を置いて表面に校正面221と背景面222とを有している。
したがって、対抗板202を回転させることで、対抗板202の上面に位置する面を変更することができる。
また、ラインセンサ201では、ケース227の上流側の搬送経路228に、搬送経路228で搬送される用紙を検知する用紙検知センサ229が配置されている。ラインセンサ201の検知結果および用紙検知センサ229の検知結果は制御部に送信される。
【0034】
次に、ラインセンサ201の動作を説明する。
ラインセンサ201では、用紙検知センサ229で用紙先端が検知されると検知を行う動作が開始される。
読み取り時にはランプ225を点灯させ、通紙経路228を通過する用紙または対向板202からミラー224で反射させた光をCCD223で取得する。防塵ガラス226は通紙経路228からケース227内に紙粉等の汚れが混入して読み取り精度が低下するのを防止する。
【0035】
対向板202は、上面を、校正面221と背景面222とで切り替えることができる。ラインセンサ201の白色校正(ゲイン調整、シェーディング補正)時は、対向板202を回転させ、校正面221を通紙経路228側に向けてラインセンサ201で読み取る。用紙読み取り時は、対向板202を回転させ、背景面222を通紙経路228側に向けて、通紙経路228を通過する用紙をラインセンサ201で読み取る。
【0036】
次に、制御部およびその周辺の機能ブロックを
図3に基づいて説明する。
印刷制御部108は、画像形成装置1の全体を制御する。印刷制御部108には、図示しない記憶部が接続されている。記憶部には、プログラムなどを格納するROM、作業エリアとなるRAM、データを不揮発に記憶する、フラッシュメモリー、HDDなどの不揮発メモリーなどを有している。不揮発メモリーには、画像形成装置の動作パラメータや、用紙管理情報などが読み書き可能に格納されている。用紙管理情報は、本発明の転写媒体情報に相当する。
用紙管理情報の一例を表1に示す。
【0038】
印刷制御部108には、画像形成部109が制御可能に接続されている。印刷制御部108では、記憶部から画像データを読み出し、画像形成部109を制御することにより、用紙に画像を形成し、必要に応じて画像位置調整などを行うことができる。
【0039】
印刷制御部108には、画質調整部107が接続されており、ラインセンサ201で読み取った画質の読取結果に基づいて画像形成の調整を行うことができる。
【0040】
印刷制御部108には、用紙搬送部110が接続されている。用紙搬送部110は、給紙トレイ210から給紙された用紙を搬送する。用紙搬送部110には、搬送経路215、反転搬送経路215Aおよび通紙搬送路228、搬送ローラ、搬送モータ209などによって構成されている。
【0041】
印刷制御部108には、ラインセンサ制御部101が接続されている。ラインセンサ制御部101は、ラインセンサ201および対抗板202の動作を制御し、ラインセンサ201で読み取られた検知結果を受信する。
【0042】
印刷制御部108には、入力部106が制御可能に接続されており、画像定着後の伸縮率の算出、画像形成位置のずれ量の算出、画像形成位置のずれに伴う画像形成位置の調整などの指示を行うことができる。また、伸縮率やずれ量の算出結果を表示することができる。
なお、上記形態では、印刷制御部108、ラインセンサ制御部101は、本発明の制御部を構成する。
【0043】
次に、表面印字位置調整手順を
図4のフローチャートに基づいて説明する。
S1005:調整条件取得
印刷制御部108は、入力部106からユーザが選択した印字位置調整を実施する給紙トレイを取得する。指定された給紙トレイにセットされた用紙管理情報(表1:紙種、紙種、坪量等)を取得し、その紙種の定着条件(線速、定着温度)を取得し、画像形成部109に定着条件を通知して、表面調整開始を指示する。線速(搬送速度)は、予め高速、中速、低速の数値を設定しておき、その設定に応じて線速を定めることができる。
【0044】
S1010:未定着紙出力
画像形成部109は、定着器205を離間する。離間により定着器205による所定の加熱影響を用紙に与えないようにすることができる。用紙搬送部110は、搬送モータ209を指定線速に設定して駆動を開始し、用紙トレイ210からは指定トレイの用紙を給紙する。このとき、画像形成部109は、CMYK各色の感光体208に画像を書き込まない。
なお、ここでは、定着を離間して通紙する例を示したが、次の方法をとってもよい。
・定着部を室温まで冷却した状態で通紙する。
・定着部とインラインセンサの間に配置される給紙部(PI(挿入給紙トレイ))から給紙する。
・定着部を通紙した後、ラインセンサの手前で用紙が冷却されるまで読み取りを待つ。
【0045】
S1020:未定着紙読み取り
ラインセンサ制御部101は、対向板202を回転して黒色の背景面222を通紙経路228側に向ける。用紙検知センサ229で用紙先端を検知し、ラインセンサ201で定着しない未印字の用紙を読み取り、画像をメモリに書き込む。このとき、
図5に示すように、用紙サイズより大きい範囲を読み取る。画像調整部107は、画像の用紙上と背景板上の輝度差から用紙端部を検出し、用紙角部ABCDの各座標C0a(c0ax,c0ay)、C0b(c0bx,c0by)、C0c(c0cx,c0cy)、C0d(c0dx,c0dy)を検出する。これらの座標から定着しない未印字の用紙の縦長L0、横長W0を算出する。
L0=√((c0cx−c0ax)
2+(c0cy−c0ay)
2)
W0=√((c0bx−c0ax)
2+(c0by−c0ay)
2)
【0046】
図5に、上記ステップによる読取状態を示す。用紙上の読取イメージPI(角部ABCD)よりも大きな範囲で対抗板背景面上の読取イメージRIが得られている。
【0047】
S1030:定着紙出力
次に、印刷制御部108は、定着器205を圧着して指定定着温度になるまで加熱する。加熱完了後、用紙搬送部110によって、搬送モータ209を指定線速に設定して駆動を開始し、用紙トレイ210からは指定トレイの用紙を給紙する。画像形成部109では、CMYK各色の感光体208に画像を書き込んで帯電させてトナーを付着させた後、転写ベルト207にトナー画像を付着させる。転写ベルト207上の画像を転写ローラ206でトナーを用紙に転写し、定着器205で加熱して画像を用紙に定着する。
なお、印字する画像は、伸縮測定時も位置調整チャート画像(後述)を印字すると、位置調整時と同等の用紙状態になるため望ましい。他の画像を印字しても、何も印字せず白紙としてもよい。
【0048】
S1040:定着紙読み取り
ラインセンサ制御部101は、同様に定着した用紙を読み取る。画像調整部107は、画像から用紙角部ABCDの各座標C1a(c1ax,c1ay)、C1b(c1bx,c1by)、C1c(c1cx,c1cy)、C1d(c1dx,c1dy)を検出する。これらの座標から定着した用紙の縦長L1、横長W1を算出する。
L1=√((c1cx−c1ax)
2+(c1cy−c1ay)
2)
W1=√((c1bx−c1ax)
2+(c1by−c1ay)
2)
【0049】
S1050:表面伸縮率算出
画像調整部107は、表面読み取り時の用紙伸縮率を、定着前後の用紙長から縦伸縮率ml1、横伸縮率mw1を算出する。
ml1=L1/L0
mw1=W1/W0
この表面用紙伸縮率を、定着条件毎に読み取り補正係数テーブル(表3)に記録する。さらに用紙管理情報(表2)において、読み取り補正係数算出に用紙情報と読み取り補正係数を紐づける。
なお、用紙上のトナー量に応じて伸縮率は変化するため、印字率毎に伸縮率を求めると、より正確に読み取り画像を補正することができる。
【0052】
S1060:位置調整チャート出力
画像形成部109では、定着器205を圧着して定着温度に達するまで加熱する。加熱完了後、用紙搬送部110は、搬送モータ209を指定の線速に設定して駆動を開始し、用紙トレイ210からは指定トレイの用紙を給紙する。画像形成部109は、CMYK各色の感光体208に、
図6に示すように位置調整チャート画像(
図6)を書き込んで帯電させてトナーを付着させた後、転写ベルト207にトナー画像を付着させる。転写ベルト207上の画像を転写ローラ206でトナーを用紙に転写し、定着器205で加熱して画像を用紙に定着する。この例では、位置調整チャート画面として、用紙PにトンボTA、TB、TC、TDを四隅に形成する。トンボは、本発明の所定のパターンに相当する。ない、位置調整チャートとしては、特定のパターンを用いることなく画像を形成するものであってもよい。
【0053】
S1070:位置調整チャート読み取り
ラインセンサ制御部101は、同様に位置調整チャートが印字された用紙を読み取る。画像調整部107は、
図7に示すように、位置調整チャート画像から用紙角部ABCDの各座標FCAa(fcaax,fcaay)、FCAb(fcabx,fcaby)、FCAc(fcacx,fcacy)、FCAd(fcadx,fcady)を検出する。これら座標から用紙中心座標FCAm(fcamx,fcamy)を算出する。
fcamx=((fcadx+fcaax))/2
fcamy=((fcady+fcaay))/2
【0054】
S1080:トンボ位置検出
画像調整部107は、位置調整チャート画像上の用紙端部からトンボを探索し、角部に印字されたトンボTA、TB、TC、TD座標を検出する。検出した4点のトンボ座標はFTAa(ftaax,ftaay)、FTAb(ftabx,ftaby)、FTAc(ftacx,ftacy)、FTAd(ftadx,ftady)とする。これら座標から印字中心座標FTAm(fcamx,fcamy)を算出する。
ftamx=((ftadx+ftaax))/2
ftamy=((ftady+ftaay))/2
【0055】
S1090:印字位置補正値算出
画像調整部107は、用紙中心座標FCAmと印字中心座標FTAmの差分から、印字位置の縦位置ズレFLdiffと横位置ズレFWdiffを求める。
FLdiff=ftamy−fcamy
FWdiff=ftamx−fcamx
画像調整部107は、用紙管理情報(表2)に紐づけられた読み取り補正係数テーブル(表3)から、位置調整チャートを出力した用紙の表面伸縮率ml2、mw2を読み出す。FLdiffとFWdiffは定着直後の用紙が収縮した状態の測定値のため、表面伸縮率ml1、mw1で補正することで定着前の用紙上の縦位置ズレFLdiff’と横位置ズレFWdiff’を算出する。
FLdiff’=ml1×FLdiff
FWdiff’=mw1×FWdiff
トンボAとB間の実測距離FTLabとトンボAとC間の実測距離FTLacを算出する。
FTLab=√((ftabx−ftaax)2+(ftaby−ftaay)2)
FTLac=√((ftacx−ftaax)2+(ftacy−ftaay)2)
印字位置調整チャートのトンボTAとTB間の設計距離FTLab0と、トンボTAとTC間の設計距離FTLac0とすると、印字縦倍率FMLと印字横倍率FMWは次のように求められる。
FML=FTLab/FTLab0
FMW=FTLac/FTLac0
FMLと
FMWは定着直後の用紙が収縮した状態の測定値のため、表面伸縮率ml1、mw1で補正することで定着前の用紙上の印字縦倍率FML’と印字横倍率FMW’を算出する。
FML’=FPL/ml1
FMW’=FPW/mw1
なお、上記では、縦伸縮率ml1、横伸縮率mw1で読み取り画像から検出したトンボ位置を補正する例を示したが、電気的変倍あるいは搬送速度を変更することで読み取り画像倍率を変更して補正してもよい。
【0056】
S1100:補正値設定
画像調整部107は、縦位置ズレFLdiff’、横位置ズレFWdiff’、印字縦倍率FML’、印字横倍率FMW’を、用紙管理情報(表2)の表裏倍率補正値と位置補正値に設定する。画像形成部109は、印字開始時に用紙管理情報(表2)を読み出し、表面画像形成時にこれら補正値で印字画像を補正する。感光体へのレーザー書き込み周期の変更、用紙搬送速度の変更、電気的な印字画像変倍で印字位置や倍率をする。
なお、上記した印字位置の算出では、用紙の傾きは考慮していないが、用紙の傾きを考慮して印字位置を算出するようにしてもよい。
【0057】
次に、裏面印字位置調整の手順を
図8のフローチャートに基づいて説明する。なお、以下の手順は、制御部の制御によって実行される。
S2005:調整条件取得
印刷制御部108は、入力部106からユーザが選択した印字位置調整を実施するトレイを取得する。指定トレイにセットされた用紙管理情報(表1:紙種、紙種、坪量等)を取得し、その紙種の定着条件(線速、定着温度)を取得し、画像形成部109に定着条件を通知して、裏面調整開始を指示する。
【0058】
S2010:1回定着紙出力
画像形成部109では、定着器205を圧着して指定定着温度になるまで加熱する。加熱完了後、用紙搬送部110では、搬送モータ209を指定線速に設定して駆動を開始し、用紙トレイ210からは指定トレイの用紙を給紙する。画像形成部109では、CMYK各色の感光体208に画像を書き込んで帯電させてトナーを付着させた後、転写ベルト207にトナー画像を付着させる。転写ベルト207上の画像を転写ローラ206でトナーを用紙に転写し、定着器205で加熱して画像を用紙に定着する。
なお、印字する画像は、伸縮測定時も位置調整チャート画像(後述)を印字すると、位置調整時と同等の用紙状態になるため望ましい。他の画像を印字しても、何も印字せず白紙としてもよい。
【0059】
S2020:1回定着紙読み取り
ラインセンサ制御部101は、対向板202を回転して黒色の背景面222を通紙経路228側にする。用紙検知センサ229で用紙先端を検知し、ラインセンサ201で1回定着した用紙を読み取り、画像をメモリに書き込む。このとき、用紙サイズより大きい範囲を読み取る(
図5)。画像調整部107は、画像の用紙上と背景板上の輝度差から用紙端部を検出し、用紙角部ABCDの各座標C1a(c1ax,c1ay)、C1b(c1bx,c1by)、C1c(c1cx,c1cy)、C1d(c1dx,c1dy)を検出する。これらの座標から定着した用紙の縦長L1、横長W1を算出する。
L1=√((c1cx−c1ax)
2+(c1cy−c1ay)
2)
W1=√((c1bx−c1ax)
2+(c1by−c1ay)
2)
なお、縦長L1、横長W1は表面調整時と同じなので、同条件で表面調整済みの場合は測定を省略してもよい。また、用紙を裏面印字時と同じ状態にするために、定着〜読み取りまでの時間と表面定着〜裏面定着までの時間の差分の時間、用紙搬送を止めてから待機してから読み取るのが望ましい。
【0060】
S2030:2回定着紙出力
画像形成部109では、定着器205を圧着して指定定着温度になるまで加熱する。加熱完了後、用紙搬送部110は、搬送モータ209を指定線速に設定して駆動を開始し、用紙トレイ210からは指定トレイの用紙を給紙する。画像形成部109は、CMYK各色の感光体208に表面画像を書き込んで帯電させてトナーを付着させた後、転写ベルト207にトナー画像を付着させる。転写ベルト207上の画像を転写ローラ206でトナーを用紙に転写し、定着器205で加熱して表面画像を用紙に定着する。
その後、反転部211で用紙を反転させ、CMYK各色の感光体208に裏面画像を書き込んで帯電させてトナーを付着させた後、転写ベルト207にトナー画像を付着させる。転写ベルト207上の画像を転写ローラ206でトナーを用紙に転写し、定着器205で加熱して裏面画像を用紙に定着する。
なお、用紙の両面に印字する画像は、伸縮測定時も位置調整チャート画像(後述)を印字すると、位置調整時と同等の用紙状態になるため望ましい。他の画像を印字しても、何も印字せず白紙としてもよい。
【0061】
S2040:2回定着紙読み取り
ラインセンサ制御部101は、同様に2回定着した用紙を読み取る。画像調整部107は、画像から用紙角部ABCDの各座標C2a(c2ax,c2ay)、C2b(c2bx,c2by)、C2c(c2cx,c2cy)、C2d(c2dx,c2dy)を検出する。これらの座標から定着した用紙の縦長L2、横長W2を算出する。
L2=√((c2cx−c2ax)
2+(c2cy−c2ay)
2)
W2=√((c2bx−c2ax)
2+(c2by−c2ay)
2)
【0062】
S2050:裏面伸縮率算出
画像調整部107は、裏面読み取り時の用紙伸縮率を、1回目と2回目定着前後の用紙長から縦伸縮率ml2、横伸縮率mw2を算出する。
ml2=L2/L1
mw2=W2/W1
この裏面用紙伸縮率を、定着条件毎に読み取り補正係数テーブル(表3)に記録する。さらに用紙管理情報(表2)において、読み取り補正係数算出に使用した用紙情報と読み取り補正係数を紐づける。
【0063】
S2060:位置調整チャート出力
画像形成部109では、定着器205を圧着して定着温度に達するまで加熱する。加熱完了後、用紙搬送部110は、搬送モータ209を指定の線速に設定して駆動を開始し、用紙トレイ210からは指定トレイの用紙を給紙する。画像形成部109は、
図6に示すように、CMYK各色の感光体208に位置調整チャート画像を書き込んで帯電させてトナーを付着させた後、転写ベルト207にトナー画像を付着させる。転写ベルト207上の画像を転写ローラ206でトナーを用紙に転写し、定着器205で加熱して画像を用紙に定着する。
その後、反転部211で用紙を反転させ、CMYK各色の感光体208に同じ位置調整チャート画像を書き込んで帯電させてトナーを付着させた後、転写ベルト207にトナー画像を付着させる。転写ベルト207上の画像を転写ローラ206でトナーを用紙に転写し、定着器205で加熱して裏面画像を用紙に定着する。
【0064】
S2070:位置調整チャート読み取り
ラインセンサ制御部101は、同様に位置調整チャートが印字された用紙を読み取る。画像調整部107は、位置調整チャート画像から用紙角部ABCDの各座標BCAa(bcaax,bcaay)、BCAb(bcabx,bcaby)、BCAc(bcacx,bcacy)、BCAd(bcadx,bcady)を検出する。これら座標から用紙中心座標BCAm(bcamx,bcamy)を算出する。
bcamx=((bcadx+bcaax))/2
bcamy=((bcady+bcaay))/2
【0065】
S2080:トンボ位置検出
画像調整部107は、位置調整チャート画像上の用紙端部からトンボを探索し、角部に印字されたトンボABCD座標を検出する。検出した4点のトンボ座標はBTAa(btaax,btaay)、BTAb(btabx,btaby)、BTAc(btacx,btacy)、BTAd(btadx,btady)とする。これら座標から印字中心座標BTAm(bcamx,bcamy)を算出する。
btamx=((btadx+btaax))/2
btamy=((btady+btaay))/2
【0066】
S2090:印字位置補正値算出
画像調整部107では、用紙中心座標BCAmと印字中心座標BTAmの差分から、印字位置の縦位置ズレBLdiffと横位置ズレBWdiffを求める。
BLdiff=btamy−bcamy
BWdiff=btamx−bcamx
画像調整部107は、用紙管理情報(表1)に紐づけられた読み取り補正係数テーブル(表3)から、位置調整チャートを出力した用紙の裏面伸縮率ml2、mw2を読み出す。BLdiffとBWdiffは定着直後の用紙が収縮した状態の測定値のため、表面伸縮率ml2、mw2で補正することで定着前の用紙上の縦位置ズレBLdiff’と横位置ズレBWdiff’を算出する。
BLdiff’=ml2×BLdiff
BWdiff’=mw2×BWdiff
トンボAとB間の実測距離BTLabとトンボAとC間の実測距離BTLacを算出する。
BTLab=√((btabx−btaax)
2+(btaby−btaay)
2)
BTLac=√((btacx−btaax)
2+(btacy−btaay)
2)
印字位置調整チャートのトンボAとB間の設計距離BTLab0とトンボAとC間の設計距離BTLac0とすると、印字縦倍率BMLと印字横倍率BMWは次のように求められる。
BML=BTLab/BTLab0
BMW=BTLac/BTLac0
BMLとBMWは定着直後の用紙が収縮した状態の測定値のため、表面伸縮率ml2、mw2で補正することで定着前の用紙上の印字縦倍率PL’と印字横倍率PW’を算出する。
BML’=BML/ml2
BMW’=BMW/mw2
【0067】
S2100:補正値設定
画像調整部107は、縦位置ズレBLdiff’、横位置ズレBWdiff’、印字縦倍率BML’、印字横倍率BMW’を、用紙管理情報1(表1)の表裏倍率補正値と位置補正値に設定する。画像形成部109は、印字開始時に用紙管理情報1(表1)を読み出し、裏面画像形成時にこれら補正値で印字画像を補正する。感光体へのレーザー書き込み周期の変更、用紙搬送速度の変更、電気的な印字画像変倍で印字位置や倍率をする。
なお、上記した印字位置の算出では、用紙の傾きは考慮していないが、用紙の傾きを考慮して印字位置を算出するようにしてもよい。
【0068】
本実施形態によれば、インラインセンサで定着を通した紙と、定着を通さない紙を読み取り、定着による伸縮率を測定する。次に位置調整チャートを出力してインラインセンサで読み取り、定着直後の用紙上の印字位置を測定する。伸縮率で測定した印字位置を補正し、定着前の用紙上での書き込み位置を算出することができる。
なお、上記実施形態では、画像形成位置の位置ずれの算出の結果、これに基づいて画像形成位置の補正を行うものについて説明したが、位置ずれの結果は、これに利用するものに限定されるものではなく、本発明の適用範囲が限定されるものではない。例えば位置ずれ量の算出に基づいて用紙の断裁位置を調整するようにしてもよい。
【0069】
また、上記実施形態では、画像形成装置の制御部によって、定着前後の伸縮率の算出、定着を考慮した画像形成位置の位置ずれの算出を行ったが、画像形成装置にネットワークなどによって接続され、画像形成装置を管理する管理装置の制御部によって、上記算出を行うシステムとしてもよい。
【0070】
以上、本発明について上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明の範囲を逸脱しない限りは、本実施形態に対する適宜の変更が可能である。