特許第6614418号(P6614418)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6614418電子機器、プラットフォームおよびログアプリケーション
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6614418
(24)【登録日】2019年11月15日
(45)【発行日】2019年12月4日
(54)【発明の名称】電子機器、プラットフォームおよびログアプリケーション
(51)【国際特許分類】
   G06F 11/30 20060101AFI20191125BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20191125BHJP
   G06F 11/07 20060101ALI20191125BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20191125BHJP
【FI】
   G06F11/30 155
   H04N1/00 C
   G06F11/07 190
   G06F11/07 140P
   G06F11/30 172
   G03G21/00 370
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-29604(P2017-29604)
(22)【出願日】2017年2月21日
(65)【公開番号】特開2018-136651(P2018-136651A)
(43)【公開日】2018年8月30日
【審査請求日】2018年11月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140796
【弁理士】
【氏名又は名称】原口 貴志
(72)【発明者】
【氏名】中村 洋
【審査官】 塚田 肇
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−155741(JP,A)
【文献】 特開2013−179690(JP,A)
【文献】 特開2010−262658(JP,A)
【文献】 特開2009−070230(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 11/30
G03G 21/00
G06F 11/07
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アプリケーションによって呼び出されるAPI(Application Program Interface)を提供するプラットフォームを備える電子機器であって、
前記電子機器の内部状態の変化と、
前記アプリケーションによる前記APIの呼び出しとしてのAPIコールの変化と
のログを記憶するためのログアプリケーションを備え、
前記プラットフォームは、前記内部状態の変化、および、前記APIコールの変化を前記ログアプリケーションに通知する変化通知手段を前記電子機器に実現させ、
前記ログアプリケーションは、前記変化通知手段によって通知された、前記内部状態の変化、および、前記APIコールの変化を前記ログとして記憶するログ記憶手段を前記電子機器に実現させることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記内部状態の変化、および、前記APIコールの変化は、複数のカテゴリーに分類され、
前記ログアプリケーションは、前記カテゴリーの指定を受け付けるカテゴリー受付手段を前記電子機器に実現させ、
前記ログ記憶手段は、前記複数のカテゴリーのうち、前記カテゴリー受付手段によって指定が受け付けられた前記カテゴリーの、前記内部状態の変化、および、前記APIコールの変化を前記ログとして記憶することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記変化通知手段は、前記複数のカテゴリーのうち、前記カテゴリー受付手段によって指定が受け付けられた前記カテゴリーの、前記内部状態の変化、および、前記APIコールの変化を前記ログアプリケーションに通知することを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記ログ記憶手段は、前記電子機器の外部の記憶デバイスに前記ログを記憶することを特徴とする請求項1から請求項3までの何れかに記載の電子機器。
【請求項5】
電子機器によって実行されるアプリケーションによって呼び出されるAPI(Application Program Interface)を提供するプラットフォームであって、
前記電子機器の内部状態の変化と、
前記アプリケーションによる前記APIの呼び出しとしてのAPIコールの変化と
のログを記憶するためのログアプリケーションに、前記内部状態の変化、および、前記APIコールの変化を通知する変化通知手段を前記電子機器に実現させることを特徴とするプラットフォーム。
【請求項6】
アプリケーションによって呼び出されるAPI(Application Program Interface)を提供するプラットフォームを備える電子機器の内部状態の変化と、
前記アプリケーションによる前記APIの呼び出しとしてのAPIコールの変化と
のログを記憶するためのログアプリケーションであって、
前記プラットフォームによって通知された前記内部状態の変化、および、前記APIコールの変化を前記ログとして記憶するログ記憶手段を前記電子機器に実現させることを特徴とするログアプリケーション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アプリケーションを動作させるプラットフォームを備える電子機器、プラットフォームおよびログアプリケーションに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アプリケーションによって呼び出されるAPI(Application Program Interface)を提供するプラットフォームを備える電子機器が知られている。電子機器は、アプリケーションがインストールされることによって、機能を拡張することができ、例えば、より便利で、より使い易い機能を利用者に提供することができる。プラットフォームは、電子機器のメーカーによって提供されるが、アプリケーションは、電子機器のメーカーによって提供される場合だけでなく、サードパーティーによって提供される場合もある。
【0003】
プラットフォームによって提供されるAPIを適切に利用するアプリケーションが作成されるのであれば良いが、実際には、APIを不適切に利用して不具合を発生させるアプリケーションが存在する。
【0004】
APIを不適切に利用して不具合を発生させるパターンとしては、例えば、電子機器の内部状態がAPIを適切に処理できない状態でAPIが呼び出されるパターンや、本来の目的とは異なる意図でAPIが呼び出されるパターンなどがある。
【0005】
電子機器の内部状態がAPIを適切に処理できない状態でAPIが呼び出されるパターンとしては、例えば、ログイン処理用のAPIが呼び出されて電子機器がログイン処理を実行している状態で、ログイン処理用のAPIが新たに呼び出されるパターンが存在する。電子機器の内部状態がAPIを適切に処理できない状態でAPIが呼び出されると、電子機器の処理が不適切なループに入ったりして、表示中の画面が固まったりなど、電子機器の動作が停止してしまうことがある。
【0006】
本来の目的とは異なる意図でAPIが呼び出されるパターンとしては、例えば、実行中のジョブを停止させるために、本来は、ジョブを停止させるためのAPIが呼び出されるべきところ、ジョブの情報を消去するためのAPIが、実行中のジョブに対して呼び出されるパターンが存在する。ジョブの情報を消去するためのAPIが、実行中のジョブに対して呼び出された場合でも、実行中のジョブは、ジョブの情報が消去されたことによって停止するが、例えば、ジョブのログが適切に残らないなど、不具合が発生する場合がある。
【0007】
従来、アプリケーションを動作させるプラットフォームを備える電子機器として、アプリケーションを動作させるOS(Operating System)を備え、アプリケーションの実行中に異常が発生した場合に、発生した異常に応じたトレースプログラムを動的に生成し、実行中のアプリケーションから必要な履歴情報をトレースプログラムによって取得して記憶する画像処理装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2010−049340号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載された画像処理装置においては、アプリケーションによるAPIの呼び出しに関する不具合の原因を特定することが容易ではないという問題がある。
【0010】
そこで、本発明は、アプリケーションによるAPIの呼び出しに関する不具合の原因の特定を容易化することができる電子機器、プラットフォームおよびログアプリケーションを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の電子機器は、アプリケーションによって呼び出されるAPI(Application Program Interface)を提供するプラットフォームを備える電子機器であって、前記電子機器の内部状態の変化と、前記アプリケーションによる前記APIの呼び出しとしてのAPIコールの変化とのログを記憶するためのログアプリケーションを備え、前記プラットフォームは、前記内部状態の変化、および、前記APIコールの変化を前記ログアプリケーションに通知する変化通知手段を前記電子機器に実現させ、前記ログアプリケーションは、前記変化通知手段によって通知された、前記内部状態の変化、および、前記APIコールの変化を前記ログとして記憶するログ記憶手段を前記電子機器に実現させることを特徴とする。
【0012】
この構成により、本発明の電子機器は、電子機器の内部状態の変化と、アプリケーションによるAPIコールの変化とのログを記憶するので、アプリケーションによるAPIの呼び出しに関する不具合の原因の特定を容易化することができる。
【0013】
本発明の電子機器において、前記内部状態の変化、および、前記APIコールの変化は、複数のカテゴリーに分類され、前記ログアプリケーションは、前記カテゴリーの指定を受け付けるカテゴリー受付手段を前記電子機器に実現させ、前記ログ記憶手段は、前記複数のカテゴリーのうち、前記カテゴリー受付手段によって指定が受け付けられた前記カテゴリーの、前記内部状態の変化、および、前記APIコールの変化を前記ログとして記憶しても良い。
【0014】
この構成により、本発明の電子機器は、指定されたカテゴリーのみの、電子機器の内部状態の変化と、アプリケーションによるAPIコールの変化とをログとして記憶するので、ログの記憶の処理負担を軽減することができる。したがって、本発明の電子機器は、電子機器の内部状態の変化と、アプリケーションによるAPIコールの変化とのログの記憶の機能が、その機能以外の機能の妨げになることを抑えることができる。また、本発明の電子機器は、指定されたカテゴリーのみの、電子機器の内部状態の変化と、アプリケーションによるAPIコールの変化とをログとして記憶するので、ログのサイズを低減して作業者によるログの分析作業を容易化することができる。
【0015】
本発明の電子機器において、前記変化通知手段は、前記複数のカテゴリーのうち、前記カテゴリー受付手段によって指定が受け付けられた前記カテゴリーの、前記内部状態の変化、および、前記APIコールの変化を前記ログアプリケーションに通知しても良い。
【0016】
この構成により、本発明の電子機器は、指定されたカテゴリーのみの、電子機器の内部状態の変化と、アプリケーションによるAPIコールの変化とをプラットフォームからログアプリケーションに通知するので、プラットフォームからログアプリケーションへの通知負担を軽減することができる。したがって、本発明の電子機器は、電子機器の内部状態の変化と、アプリケーションによるAPIコールの変化とのログの記憶の機能が、その機能以外の機能の妨げになることを抑えることができる。
【0017】
本発明の電子機器において、前記ログ記憶手段は、前記電子機器の外部の記憶デバイスに前記ログを記憶しても良い。
【0018】
この構成により、本発明の電子機器は、電子機器の内部状態の変化と、アプリケーションによるAPIコールの変化とのログの記憶の機能以外の機能が使用する、電子機器の内部の記憶デバイスに、電子機器の内部状態の変化と、アプリケーションによるAPIコールの変化とのログを記憶しないので、電子機器の内部状態の変化と、アプリケーションによるAPIコールの変化とのログの記憶の機能が、その機能以外の機能の妨げになることを抑えることができる。
【0019】
本発明のプラットフォームは、電子機器によって実行されるアプリケーションによって呼び出されるAPI(Application Program Interface)を提供するプラットフォームであって、前記電子機器の内部状態の変化と、前記アプリケーションによる前記APIの呼び出しとしてのAPIコールの変化とのログを記憶するためのログアプリケーションに、前記内部状態の変化、および、前記APIコールの変化を通知する変化通知手段を前記電子機器に実現させることを特徴とする。
【0020】
この構成により、本発明のプラットフォームを実行する電子機器は、電子機器の内部状態の変化と、アプリケーションによるAPIコールの変化とのログを記憶するので、アプリケーションによるAPIの呼び出しに関する不具合の原因の特定を容易化することができる。
【0021】
本発明のログアプリケーションは、アプリケーションによって呼び出されるAPI(Application Program Interface)を提供するプラットフォームを備える電子機器の内部状態の変化と、前記アプリケーションによる前記APIの呼び出しとしてのAPIコールの変化とのログを記憶するためのログアプリケーションであって、前記プラットフォームによって通知された前記内部状態の変化、および、前記APIコールの変化を前記ログとして記憶するログ記憶手段を前記電子機器に実現させることを特徴とする。
【0022】
この構成により、本発明のログアプリケーションを実行する電子機器は、電子機器の内部状態の変化と、アプリケーションによるAPIコールの変化とのログを記憶するので、アプリケーションによるAPIの呼び出しに関する不具合の原因の特定を容易化することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の電子機器、プラットフォームおよびログアプリケーションは、アプリケーションによるAPIの呼び出しに関する不具合の原因の特定を容易化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の一実施の形態に係るMFPのブロック図である。
図2】ログ用情報のカテゴリーが指定される場合の図1に示すMFPの動作のフローチャートである。
図3図2に示す動作において表示される情報カテゴリー指定画面の一例を示す図である。
図4】MFPの内部状態の変化をログとして記憶する場合の図1に示すMFPの動作のシーケンス図である。
図5】APIコールの変化をログとして記憶する場合の図1に示すMFPの動作のシーケンス図である。
図6】アプリケーションによって実行されたAPIコールがログ対象カテゴリー情報に示されるカテゴリーのものではない場合の図1に示すMFPにおける情報の流れを示す図である。
図7】アプリケーションによって実行されたAPIコールがログ対象カテゴリー情報に示されるカテゴリーのものである場合の図1に示すMFPにおける情報の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0026】
まず、本実施の形態に係る電子機器としてのMFP(Multifunction Peripheral)の構成について説明する。
【0027】
図1は、本実施の形態に係るMFP10のブロック図である。
【0028】
図1に示すように、MFP10は、種々の操作が入力されるボタンなどの入力デバイスである操作部11と、種々の情報を表示するLCD(Liquid Crystal Display)などの表示デバイスである表示部12と、用紙などの記録媒体に画像を印刷する印刷デバイスであるプリンター13と、原稿から画像を読み取る読取デバイスであるスキャナー14と、図示していない外部のファクシミリ装置と公衆電話回線などの通信回線経由でファックス通信を行うファックスデバイスであるファックス通信部15と、LAN(Local Area Network)、インターネットなどのネットワーク経由で、または、ネットワークを介さずに有線または無線によって直接に、外部の装置と通信を行う通信デバイスである通信部16と、SDカード、USB(Universal Serial Bus)メモリーなどの、MFP10の外部の記憶デバイス90が接続されるインターフェイス17と、各種の情報を記憶する半導体メモリー、HDD(Hard Disk Drive)などの不揮発性の記憶デバイスである記憶部20と、MFP10全体を制御する制御部30とを備えている。
【0029】
インターフェイス17に接続される記憶デバイス90は、MFP10の内部状態の変化と、後述のアプリケーションによる後述のAPI(Application Program Interface)の呼び出しとしてのAPIコールの変化とをログ91として記憶可能である。
【0030】
以下、MFP10の内部状態の変化と、APIコールの変化とを、ログ用情報と言う。ログ用情報は、例えば、MFP10のログインに関連するログイン関連のカテゴリー、MFP10によるジョブの実行に関連するジョブ実行関連のカテゴリー、MFP10のスリープ機能に関連するスリープ関連のカテゴリーなど、複数のカテゴリーに分類されている。
【0031】
記憶部20は、ファームウェア21を記憶している。ファームウェア21は、MFP10の製造段階でMFP10にインストールされていても良いし、USBメモリーなどの外部の記憶媒体からMFP10に追加でインストールされても良いし、ネットワーク上からMFP10に追加でインストールされても良い。
【0032】
ファームウェア21は、ファックス通信部15を介してFAX送信したりFAX受信したりするFAX機能用のコンポーネント、印刷データに基づいてプリンター13によって記録媒体に画像を印刷するプリント機能用のコンポーネント、特定の条件の場合にMFP10の電源の少なくとも一部を落とすスリープ機能用のコンポーネントなど、MFP10の機能毎のコンポーネント21aを含んでいる。
【0033】
ファームウェア21は、後述のアプリケーションを動作させるためのプラットフォーム21bを含んでいる。プラットフォーム21bは、コンポーネント21aを利用するための様々なAPI21cを含んでいる。
【0034】
記憶部20は、プラットフォーム21b上で動作する様々なアプリケーション22を記憶可能である。アプリケーション22としては、ログ91を記憶するためのログアプリケーション22aも存在する。アプリケーション22は、MFP10の製造段階でMFP10にインストールされていても良いし、USBメモリーなどの外部の記憶媒体からMFP10に追加でインストールされても良いし、ネットワーク上からMFP10に追加でインストールされても良い。
【0035】
記憶部20は、ログ91として記憶する対象のログ用情報のカテゴリーを示すログ対象カテゴリー情報23を記憶可能である。
【0036】
制御部30は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROM(Read Only Memory)と、CPUの作業領域として用いられるRAM(Random Access Memory)とを備えている。CPUは、ROMまたは記憶部20に記憶されているプログラムを実行する。
【0037】
制御部30は、プラットフォーム21bを実行することによって、MFP10の内部状態の変化と、APIコールの変化とをログアプリケーション22aに通知する変化通知手段31を実現する。
【0038】
制御部30は、ログアプリケーション22aを実行することによって、変化通知手段31によって通知された、MFP10の内部状態の変化、および、APIコールの変化をログ91として記憶するログ記憶手段32と、ログ用情報のカテゴリーの指定を受け付けるカテゴリー受付手段33とを実現する。
【0039】
次に、MFP10の動作について説明する。
【0040】
まず、ログアプリケーション22aがインストールされる場合のMFP10の動作について説明する。
【0041】
例えば、MFP10の利用者は、アプリケーション22の利用時に不具合が発生した場合、サービスパーソンに不具合の解消を依頼する。サービスパーソンは、アプリケーション22の利用時に発生する不具合の解消がMFP10の利用者から依頼されると、MFP10の設置場所に赴き、ログアプリケーション22aのインストールを操作部11から指示する。したがって、MFP10の制御部30は、ログアプリケーション22aをMFP10にインストールする。
【0042】
次に、ログ用情報のカテゴリーが指定される場合のMFP10の動作について説明する。
【0043】
図2は、ログ用情報のカテゴリーが指定される場合のMFP10の動作のフローチャートである。
【0044】
MFP10にログアプリケーション22aがインストールされた後、ログ用情報のカテゴリーを指定するための情報カテゴリー指定画面40(図3参照。)の表示をサービスパーソンが操作部11を介して指示すると、制御部30は、図2に示す動作を実行する。
【0045】
図2に示すように、カテゴリー受付手段33は、情報カテゴリー指定画面40を表示部12に表示する(S101)。
【0046】
図3は、情報カテゴリー指定画面40の一例を示す図である。
【0047】
図3に示す情報カテゴリー指定画面40は、ログイン関連のカテゴリーのログ用情報を記憶するか否かを指定するためのトグルスイッチ41と、ジョブ実行関連のカテゴリーのログ用情報を記憶するか否かを指定するためのトグルスイッチ42と、スリープ関連のカテゴリーのログ用情報を記憶するか否かを指定するためのトグルスイッチ43と、OKボタン44とを含んでいる。
【0048】
ログイン関連のカテゴリーのログ用情報の具体例について説明する。MFP10の内部状態の変化としては、例えば、「ログイン要求受付中の状態」への変化、「ログイン処理中の状態」への変化、「ログイン中の状態」への変化、「ログアウト処理中の状態」への変化などが存在する。APIコールの変化としては、例えば、ログイン処理用のAPI21cの呼び出しの発生、ログアウト処理用のAPI21cの呼び出しの発生などが存在する。
【0049】
ジョブ実行関連のカテゴリーのログ用情報の具体例について説明する。MFP10の内部状態の変化としては、例えば、「スキャン中の状態」への変化、「スキャン完了の状態」への変化、「FAX中の状態」への変化、「FAX完了の状態」への変化、「コピー中の状態」への変化、「コピー完了の状態」への変化などが存在する。APIコールの変化としては、例えば、ジョブの情報の作成用のAPI21cの呼び出しの発生、カラー、モノクロなど、ジョブの設定の変更用のAPI21cの呼び出しの発生、ジョブの実行用のAPI21cの呼び出しの発生などが存在する。
【0050】
スリープ関連のカテゴリーのログ用情報の具体例について説明する。MFP10の内部状態の変化としては、例えば、「通常の起動状態からスリープ状態への移行中の状態」への変化、「スリープ状態」への変化、「スリープ状態から通常の起動状態への移行中の状態」への変化、「通常の起動状態」への変化などが存在する。APIコールの変化としては、例えば、通常の起動状態からスリープ状態への移行用のAPI21cの呼び出しの発生、スリープ状態から通常の起動状態への移行用のAPI21cの呼び出しの発生などが存在する。
【0051】
図2に示すように、カテゴリー受付手段33は、OKボタン44が押されたと判断するまで、OKボタン44が押されたか否かを判断する(S102)。
【0052】
カテゴリー受付手段33は、OKボタン44が押されたとS102において判断すると、OKボタン44が押された時点でログ用情報を記憶することがトグルスイッチ41〜43によって指定されていたカテゴリーをログ対象カテゴリー情報23に記憶する(S103)。
【0053】
次いで、カテゴリー受付手段33は、表示部12による情報カテゴリー指定画面40の表示を終了して(S104)、図2に示す動作を終了する。
【0054】
サービスパーソンは、図2に示す動作の後、MFP10の利用者から聞き取った、不具合が発生した状況を、ログ91の記憶のために再現する。
【0055】
次に、ログ91を記憶する場合のMFP10の動作について説明する。
【0056】
まず、MFP10の内部状態の変化をログ91として記憶する場合のMFP10の動作について説明する。
【0057】
図4は、MFP10の内部状態の変化をログ91として記憶する場合のMFP10の動作のシーケンス図である。
【0058】
MFP10の内部状態が変化すると、図4に示すように、変化通知手段31は、変化した内部状態がログ対象カテゴリー情報23に示されるカテゴリーのものであるか否かを判断する(S131)。
【0059】
変化通知手段31は、変化した内部状態がログ対象カテゴリー情報23に示されるカテゴリーのものであるとS131において判断すると、この変化をログアプリケーション22aに通知する(S132)。すなわち、変化通知手段31は、オブザーバー通知を実行する。
【0060】
したがって、ログ記憶手段32は、S132において通知されてきた、MFP10の内部状態の変化をログ91として記憶する(S133)。
【0061】
なお、変化通知手段31は、変化した内部状態がログ対象カテゴリー情報23に示されるカテゴリーのものではないとS131において判断すると、この変化をログアプリケーション22aに通知しない。したがって、この変化は、ログ91として記憶されない。
【0062】
次に、APIコールの変化をログ91として記憶する場合のMFP10の動作について説明する。
【0063】
図5は、APIコールの変化をログ91として記憶する場合のMFP10の動作のシーケンス図である。
【0064】
図5に示すように、アプリケーション22がAPIコールを実行する(S161)と、プラットフォーム21bは、S161において実行されたAPIコールに応じてAPI21cによってコンポーネント21aに動作の実行を指示する(S162)。
【0065】
コンポーネント21aは、S162において指示された動作を実行する(S163)と、実行結果をAPI21cに通知する(S164)。したがって、プラットフォーム21bは、S164において通知されてきた実行結果をアプリケーション22に通知する(S165)。
【0066】
変化通知手段31は、S164において実行結果が通知されてくると、S161において実行されたAPIコールがログ対象カテゴリー情報23に示されるカテゴリーのものであるか否かを判断する(S166)。
【0067】
変化通知手段31は、S161において実行されたAPIコールがログ対象カテゴリー情報23に示されるカテゴリーのものであるとS166において判断すると、このAPIコールの変化をログアプリケーション22aに通知する(S167)。すなわち、変化通知手段31は、オブザーバー通知を実行する。
【0068】
したがって、ログ記憶手段32は、S167において通知されてきた、APIコールの変化をログ91として記憶する(S168)。
【0069】
なお、変化通知手段31は、S161において実行されたAPIコールがログ対象カテゴリー情報23に示されるカテゴリーのものではないとS166において判断すると、このAPIコールの変化をログアプリケーション22aに通知しない。したがって、このAPIコールの変化は、ログ91として記憶されない。
【0070】
すなわち、プラットフォーム21bは、アプリケーション22によって実行されたAPIコールがログ対象カテゴリー情報23に示されるカテゴリーのものではない場合、図6に示すように、アプリケーション22およびコンポーネント21aとの間で従来通りの情報のやり取りを行うが、アプリケーション22によって実行されたAPIコールがログ対象カテゴリー情報23に示されるカテゴリーのものである場合、図7に示すように、アプリケーション22およびコンポーネント21aとの間で従来通りの情報のやり取りを行うだけでなく、ログアプリケーション22aにAPIコールの変化を通知する。
【0071】
サービスパーソンは、MFP10の利用者から聞き取った、不具合が発生した状況を再現した後、MFP10によって記憶されたログ91を解析することによって、不具合の原因を特定し、不具合を解消する。
【0072】
なお、サービスパーソンは、不具合の原因の特定後などに、ログアプリケーション22aをMFP10からアンインストールすることができる。
【0073】
以上に説明したように、MFP10は、MFP10の内部状態の変化と、アプリケーション22によるAPIコールの変化とのログ91を記憶するので、アプリケーション22によるAPI21cの呼び出しに関する不具合の原因の特定を容易化することができる。
【0074】
MFP10は、指定されたカテゴリーのみの、MFP10の内部状態の変化と、アプリケーション22によるAPIコールの変化とをログ91として記憶するので、ログ91の記憶の処理負担を軽減することができる。したがって、MFP10は、MFP10の内部状態の変化と、アプリケーション22によるAPIコールの変化とのログ91の記憶の機能が、その機能以外の機能(例えば、FAX機能、プリント機能、スリープ機能、ログ91以外のログの記憶の機能など。)の妨げになることを抑えることができる。
【0075】
MFP10は、指定されたカテゴリーのみの、MFP10の内部状態の変化と、アプリケーション22によるAPIコールの変化とをログ91として記憶するので、ログ91のサイズを低減して作業者によるログ91の分析作業を容易化することができる。
【0076】
MFP10は、指定されたカテゴリーのみの、MFP10の内部状態の変化と、アプリケーション22によるAPIコールの変化とをプラットフォーム21bからログアプリケーション22aに通知するので、プラットフォーム21bからログアプリケーション22aへの通知負担を軽減することができる。したがって、MFP10は、MFP10の内部状態の変化と、アプリケーション22によるAPIコールの変化とのログ91の記憶の機能が、その機能以外の機能の妨げになることを抑えることができる。
【0077】
MFP10は、MFP10の内部状態の変化と、アプリケーション22によるAPIコールの変化とのログ91の記憶の機能以外の機能が使用する、MFP10の内部の記憶デバイス(例えば、記憶部20、制御部30のRAMなど。)に、MFP10の内部状態の変化と、アプリケーション22によるAPIコールの変化とのログ91を記憶しないので、MFP10の内部状態の変化と、アプリケーション22によるAPIコールの変化とのログ91の記憶の機能が、その機能以外の機能の妨げになることを抑えることができる。
【0078】
なお、MFP10が外部の記憶デバイス90に情報を書き込む場合は、MFP10が内部の記憶デバイスに情報を書き込む場合と比較して、一般的に情報の書き込み速度が遅い。しかしながら、ログ91は、一回の書き込みで書き込まれる情報の量がそもそも少なく、書き込み頻度もそれほど多くない。したがって、MFP10は、外部の記憶デバイス90にログ91を記憶する場合であっても、適切にログ91を記憶することができる。
【0079】
MFP10は、MFP10の内部の記憶デバイスに、MFP10の内部状態の変化と、アプリケーション22によるAPIコールの変化とのログを記憶しても良い。
【0080】
本発明の電子機器は、本実施の形態においてMFPであるが、プリンター専用機、コピー専用機など、MFP以外の画像形成装置でも良いし、PC(Personal Computer)など、画像形成装置以外の電子機器でも良い。
【符号の説明】
【0081】
10 MFP(電子機器)
21b プラットフォーム
21c API
22 アプリケーション
22a ログアプリケーション
31 変化通知手段
32 ログ記憶手段
33 カテゴリー受付手段
90 記憶デバイス
91 ログ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7