特許第6614674号(P6614674)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6614674-第1障害に対して安心な外科用ライト 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6614674
(24)【登録日】2019年11月15日
(45)【発行日】2019年12月4日
(54)【発明の名称】第1障害に対して安心な外科用ライト
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20191125BHJP
   F21S 9/02 20060101ALI20191125BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20191125BHJP
   F21V 21/26 20060101ALI20191125BHJP
   F21S 8/04 20060101ALI20191125BHJP
   F21V 25/00 20060101ALI20191125BHJP
   F21W 131/205 20060101ALN20191125BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20191125BHJP
【FI】
   F21S2/00 610
   F21S9/02 100
   F21V23/00 160
   F21V23/00 140
   F21V23/00 150
   F21V21/26 370
   F21S8/04 310
   F21V25/00
   F21W131:205
   F21Y115:10
【請求項の数】13
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-563951(P2016-563951)
(86)(22)【出願日】2015年3月25日
(65)【公表番号】特表2017-520078(P2017-520078A)
(43)【公表日】2017年7月20日
(86)【国際出願番号】EP2015056428
(87)【国際公開番号】WO2015165655
(87)【国際公開日】20151105
【審査請求日】2018年1月4日
(31)【優先権主張番号】14166196.7
(32)【優先日】2014年4月28日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】512242697
【氏名又は名称】カール ライビンガー メディツィンテクニック ゲーエムベーハー ウント コー. カーゲー
【氏名又は名称原語表記】Karl Leibinger Medizintechnik GmbH & Co. KG
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】シュトレリン, ヨアキム
【審査官】 竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−060718(JP,A)
【文献】 特開2003−000616(JP,A)
【文献】 実開昭59−127614(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21S 8/04
F21S 9/02
F21V 21/26
F21V 23/00
F21V 25/00
F21W 131/205
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第1のライトユニット(2)および第2のライトユニット(3)を収容するハウジング状のライト本体(4)を備え、第1の電圧源から前記第1のライトユニット(2)の少なくとも1つの光源(6a、6b)に電流を供給するために前記第1のライトユニット(2)に電気的に接続された第1の電源線(5)を備える、手術領域を照明するための外科用ライト(1)において、
前記ライト本体(4)の前記第2のライトユニット(3)が、少なくとも1つのさらなる光源(7a、7b)を有し、前記第1の電源線(5)とは独立である第2の電源線(8)に接続され、前記第2の電源線(8)によって、前記第1の電圧源とは独立である第2の電圧源が前記第2のライトユニット(3)に電気的に接続され、
前記ライト本体(4)が、並進的および/または回転式に移動可能な保持アームシステム(13)に接続され、前記第1の電源線(5)および前記第2の電源線(8)が前記保持アームシステム(13)内に案内されることを特徴とする、外科用ライト(1)。
【請求項2】
前記保持アームシステム(13)が、互いに対して移動可能である複数の保持部分(15、16、17)を含み、少なくとも第2の保持部分(16)が、ピボットジョイント(18)によって第1の保持部分(15)に対して回転可能であるように配置されることを特徴とする、請求項に記載の外科用ライト(1)。
【請求項3】
前記第1の電源線(5)が前記ピボットジョイント(18)の領域内に導電性結合要素(20)を含み、および/または前記第2の電源線(8)が前記ピボットジョイント(18)の前記領域内に導電性結合要素(21)を含むことを特徴とする、請求項に記載の外科用ライト(1)。
【請求項4】
前記第1の電源線(5)が3極構造であることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の外科用ライト(1)。
【請求項5】
前記第2の電源線(8)が3極構造であることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の外科用ライト(1)。
【請求項6】
プロセッサ(23a)を含む第1の制御電子回路領域(24)が前記第1の電源線(5)に電気的に接続されることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の外科用ライト(1)。
【請求項7】
プロセッサ(23b)を含む第2の制御電子回路領域(25)が前記第2の電源線(8)に電気的に接続されることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の外科用ライト(1)。
【請求項8】
第1の制御電子回路領域(24)および第2の制御電子回路領域(25)がジョイントプリント回路板(22)上に配置され、および/または前記第1の制御電子回路領域(24)および前記第2の制御電子回路領域(25)が前記ライト本体(4)に組み込まれることを特徴とする、請求項に記載の外科用ライト(1)。
【請求項9】
第1の制御電子回路領域(24)のプロセッサ(23a)および/または第2の制御電子回路領域(25)のプロセッサ(23b)が、前記第1のライトユニット(2)の前記少なくとも1つの光源(6a、6b)に電気的に接続され、および/または前記第2のライトユニット(3)の前記少なくとも1つの光源(7a、7b)に電気的に接続されることを特徴とする、請求項またはに記載の外科用ライト(1)。
【請求項10】
第1の制御電子回路領域(24)のプロセッサ(23a)がスレーブプロセッサもしくはマスタプロセッサであり、および/または第2の制御電子回路領域(25)のプロセッサ(23b)がスレーブプロセッサもしくはマスタプロセッサであることを特徴とする、請求項のいずれか一項に記載の外科用ライト(1)。
【請求項11】
前記第1の電源線(5)が、本線電圧源または緊急電力供給源または安全特別低電圧源などの前記第1の電圧源に接続されるために準備されることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の外科用ライト(1)。
【請求項12】
前記第2の電源線(8)が、本線電圧源または緊急電力供給源または安全特別低電圧源などの前記第2の電圧源に接続されるために準備されることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の外科用ライト(1)。
【請求項13】
少なくとも1つのアキュムレータ(28a、28b)が前記第1の電源線(5)におよび/または前記第2の電源線(8)に接続され、前記少なくとも1つのアキュムレータ(28a、28b)が、好ましくは前記ライト本体(4)内に配置されることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の外科用ライト(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも第1および第2のライトユニットを収容するハウジング状のライト本体/ライトハウジングを備え、第1の電圧源から第1のライトユニットの少なくとも1つの光源に電流を供給するために第1のライトユニットに電気的に接続された第1の電源線を備える、手術領域を照明するための外科用ライトに関する。
【背景技術】
【0002】
このタイプの外科用ライトはすでに従来技術で開示されている。例えば、ライト本体を備える外科用ライトについて説明する、欧州特許出願公開第2708802号明細書の下で公開され、欧州特許出願第12184617号明細書として欧州特許庁に最初に出願された従来技術文献が出願人に知られている。前記ライト本体には、手術領域を照らすための少なくとも1つのライトモジュールが設置される。同じくライト本体上に配置される拡張構成要素は、壁上にまたはホイール上に固定されるための取付領域を含み、少なくとも1つのアキュムレータが、取付領域から見られたとき、ライト本体の側部の外科用ライトの少なくとも一部分に配置される。
【0003】
しかしながら、前記従来技術では、いくつかの状況では、外科用ライトの望ましくない障害が偶発的に起こることがある。特に手術中のときは、外科用ライトに印加される本線電圧がなく、アキュムレータは急速に放電され、ライトの完全な停止が差し迫り、それから今度は、外科用ライトの下で治療されるべき人にとってかなりの危険が発生するであろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の目的は、特に第1の障害に対して外科用ライトをよりフェイルセーフにすることである。
【0005】
この場合における第1の障害は、外科用ライトの内部または外部の第1の電源線の破損、電源線を偏向させる結合要素における障害、ヒューズ、光源の破損、絶縁における障害、外科用ライトの電子的構成要素における故障あるいは外科用ライトへの接続線の脱離であり得る。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る目的は、ライト本体の第2のライトユニットが少なくとも1つのさらなる光源を含み、第1の電源線とは別個である第2の電源線に接続され、この第2の電源線によって、第2の電圧源が第2のライトユニットに電気的に接続されるという点で達成される。
【0007】
前記第2の電源線を介して、各ライトユニットは、病院中に基本的に存在する別個の電源に接続され得る。外科用ライトの稼働中に、外科用ライトのライトユニットのうちの1つは、2つのいずれかが機能しない場合でも常に電力を供給される。このようにして、完全な外科用ライトの障害セーフティーがかなり高まり、第1の電源線に接続された電圧源の極めて長期にわたる障害の場合でさえ、外科用ライトの保護された動作が可能になる。それぞれのライトユニットを供給する2つの電源線は互いに別個である/独立しているので、一方の電源線が機能しない場合でも、外科用ライトは依然として機能している。このようにして、外科用ライトの下に置かれた患者を治療するときの誤りの危険が実質的に低減される。
【0008】
さらなる有利な構成は従属請求項において請求され、以下で詳細に示される。
【0009】
さらなる実施形態によれば、ライト本体が並進的および/または回転式に移動可能な保持アームシステムに接続され、保持アームシステムが、好ましくは天井側および/または壁側の固定領域を含むとき、保持アームシステム内に第1の電源線および/または第2の電源線が案内されることが有利である。このようにして、外科用ライトにおける両方の電源線の単純な統合が可能である。
【0010】
その上、保持アームシステムが、互いに対して好ましくは傾斜しており互いに対して移動可能である複数の保持部分を含むとき、少なくとも第1の保持部分は、ピボットジョイントによって第2の保持部分に対して回転可能であるように配置されることが有利である。
【0011】
この状況では、第1の電源線がピボットジョイントの領域内に導電性結合要素を含むとき、および/または第2の電源線がピボットジョイントの領域内に導電性結合要素を含むときが有用である。結合要素は、好ましくはピボットコネクタであるかまたは少なくとも1つのスリップリングからなり、したがって、各電源線は耐キンク性様式で保持アームシステムに案内されることになる。したがって、保持アームシステム内でならびに外科用ライト内で2つの電源線を案内することがさらに改善される。
【0012】
また、第1の電源線が3極構造であるとき(すなわち、第1の電源線が3つのストランド/導体(正/負−接地))を含むときが好都合である。また、第2の電源線は、好ましくは(3つのストランド/導体(正/負−接地))を備える3極構造である。このようにして、特に効率的な電源が提供される。
【0013】
プロセッサを含む第1の制御電子回路領域が第1の電源線に(および好ましくは第2の電源線にも)電気的に接続されたとき、第1の電源線に接続された第1のライトユニットの制御がさらに直接制御され得る。
【0014】
この状況では、プロセッサを含む第2の制御電子回路領域が第2の電源線に(および好ましくは第1の電源線にも)電気的に接続されたときも有利であり、それにより、第2の電源線に接続された第2のライトユニットも好ましくは直接制御されることが可能になる。
【0015】
その上、第1の制御電子回路領域と第2の制御電子回路領域が共通のプリント回路板上に配置されたときが有利である。これは、2つの制御電子回路領域の構成空間をはるかによりコンパクトにする。しかしながら、代替として、第1および第2の制御電子回路領域の各々は別個のプリント回路板上にも構成され得、この場合、個々の制御電子回路領域は空間的に分離され得、それにより、障害セーフティーがさらに高まることが可能になる。
【0016】
さらに、第1の制御電子回路領域および第2の制御電子回路領域がライト本体に組み込まれるときが有利である。このようにして、外科用ライトは一層よりコンパクトになるように設計され得る。
【0017】
第1の制御電子回路領域のプロセッサおよび/または第2の制御電子回路領域のプロセッサが第1のライトユニットの少なくとも1つの光源に電気的に接続されおよび/または第2のライトユニットの少なくとも1つの光源に電気的に接続されたとき、プロセッサは、それぞれのライトユニットの光源、例えばオンおよびオフの切替えを直接制御することができる。
【0018】
この状況では、第1の制御電子回路領域のプロセッサがスレーブプロセッサもしくはマスタプロセッサであり、および/または第2の制御電子回路領域のプロセッサがスレーブプロセッサもしくはマスタプロセッサであるときも有利である。その場合、制御はなお一層改善される。例えば、第1の制御電子回路領域のプロセッサがマスタプロセッサであるとき、第2の制御電子回路領域のプロセッサは、好ましくはスレーブプロセッサとして設計される。より好ましくは、第1の制御電子回路領域のプロセッサがスレーブプロセッサであるとき、第2の制御電子回路領域のプロセッサはマスタプロセッサである。
【0019】
また、第1の電源線は、(100ボルトと250ボルトとの間のA.C.もしくはD.C.電圧を生成する)本線電圧源、または緊急電力供給源または(12ボルトと60ボルトとの間のA.C.もしくはD.C.電圧を生成する)安全特別低電圧(SELV)源など、第1の電圧源への接続のために(好ましくは端子を含めて)準備されるときが好都合である。その場合、外科用ライトは、すでに手術室内に存在する/組み込まれた共通電力線に接続され得、短絡回路に対して保護され得る。このようにして、特に構造がさらに簡略化され、その結果、とりわけ、製造コストが低減する。
【0020】
この状況では、第2の電源線は、(100ボルトと250ボルトとの間のA.C.もしくはD.C.電圧を生成する)本線電圧源、または緊急電力供給源または(12ボルトと60ボルトとの間のA.C.もしくはD.C.電圧を生成する)安全特別低電圧源など、第2の電圧源への接続のために準備されるときも有利である。このようにして、第2の電源線も、手術室内のすでに存在する本線に接続され得る。
【0021】
さらに、ジョイント切替えデバイス/第1および第2の電圧源への切替えを介して2つの電源線を接続することが可能である。そのような切替えは、例えば、外科用ライトへの各電源線の端子を介して接続され得、一方の電圧源の障害の場合に高速切替えを可能にする。このようにして、障害セーフティーがさらに改善される。
【0022】
さらに、少なくとも1つのアキュムレータが第1の電源線におよび/または第2の電源線に接続され、この少なくとも1つのアキュムレータが、好ましくはライト本体に配置されるときが有利である。これはさらなる障害セーフティーを可能にする。例えば、両方の電源線が同じアキュムレータに接続されるか、あるいは、特に好ましくは、2つの電源線の各々が別個のアキュムレータに接続される。
【0023】
少なくとも1つのアキュムレータまたは2つのアキュムレータは両方とも、その場合、外科用ライトのコンパクト設計を実現するためにさらに好ましい様式でライト本体に収容される。
【0024】
以下で、本発明は図によって詳細に説明され、複数の実施形態が示される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】好ましい(第1の)実施形態による本発明に係る外科用ライトの概略図を示し、特に外科用ライト内の2つの電源線の配置および接続が示される。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図は概略にすぎず、本発明の理解のためにのみ供するものである。等しい要素は同じ参照番号を与えられる。
【0027】
図1は、第1の実施形態による本発明に係る外科用ライト1を表す。外科用ライト1は概略的に表され、特に内部回路および配線が視認できる。外科用ライト1は、明快のためにここに詳細に示されていない手術領域、すなわち、患者が治療されるおよび/または手術を受ける領域を照明することを受け持つ。外科用ライト1は、第1のライトユニット2と第2のライトユニット3とを有するライト本体4を含む。2つのライトユニット2および3はハウジング状のライト本体4内に収容され、保持される。外科用ライト1は第1の電源線5をさらに含み、第1の電源線5は、第1のライトユニット2に電気的に接続され、したがって、明快のために詳細に示されていない第1の電圧源から前記第1のライトユニット2のうちの少なくとも1つの光源6a、6bに電流を供給することを受け持つ。ライト本体4の第2のライトユニット3も、少なくとも1つのさらなる光源7a、7b、すなわち、複数の光源7a、7bを含み、今度は、第1の電源線5とは別個に構成された第2の電源線8に対して導電性であるように接続される。第2の電源線8は、明快のために詳細に示されていない第2の電圧源の、第2のライトユニット3への電気接続を構成する。
【0028】
第1の電源線5は、その上、第1の電源線5が第1の電圧源に接続され得るように準備される。第1の電圧源は、好ましくは100ボルトと250ボルトとの間のA.C.もしくはD.C.電圧を生成する本線電圧源として構成され、さらに好ましくは緊急電力供給源として構成され、またはなお一層好ましくは12ボルトと60ボルトとの間のA.C.もしくはD.C.電圧を生成する安全特別低電圧源として構成される。第1の電圧源は、通常、少なくとも第1の構内電源線9によって外科用ライト1の第1の電源線5に接続され得る。第2の電源線8は、今度は、少なくとも第2の構内電源線10への接続のために準備され、第2の構内電源線10は、今度は、第1の電圧源とは別個である第2の電圧源に接続される。第2の電圧源は、同様に、好ましくは100ボルトと250ボルトとの間のA.C.もしくはD.C.電圧を生成する本線電圧源として構成され、またはさらに好ましくは緊急電力供給源として構成され、またはさらに好ましくは12ボルトと60ボルトとの間のA.C.もしくはD.C.電圧を生成する安全特別低電圧源として構成される。第1の構内電源線9と第2の構内電源線10の両方は、既存の病院システム中にすでに提供されている供給線である。このようにして、外科用ライト1が設置されるべきである病院においておよびそれぞれの手術室において、2つの電圧源のいずれかの障害の場合において互いに独立して存在する2つの電流/電圧供給を利用可能にするために、すでに2つの独立している構内電源線9および10が提供される。
【0029】
さらに明らかであるように、第1の構内電源線9において、スイッチモード電源(SNT)11が前記線9に組み込まれ、前記線9と配線される。代替的に、前記スイッチモード電源11はトランスフォーマの形態でもあり得る。
【0030】
第1の構内電源線9ならびに第2の構内電源線10は、代替的に/場合によっては、この実施形態では手術室の一部であるが、外科用ライト1に組み込まれるように適応された切替えデバイス12によって電気的に接続され、(外科用ライト1の稼働中は)外科用ライト1に結合される。切替えデバイス12は、稼働中にそれぞれのアクティブな電圧源(第1または第2の電圧源)が電源線5と電源線8の両方に電気的に接続されるように構成される。第1の電源線5および第2の電源線8の各々は、明快のためにここに詳細に示されていない端子によって切替えデバイス12に接続される。
【0031】
第1の電圧源の破損/障害の場合、切替えデバイス12は、第1の構内電源線9から第2の構内電源線10に自動的に切り替わり、このようにして、第1の電源線5と第2の電源線8の両方の電力(電気エネルギー)の継続的供給を保証する。
【0032】
図示の実施形態では、外科用ライト1は、保持アームシステム13を介してライト本体4を手術室の天井14に接続している天井ライトである。図1の天井14は縦ビームとして概略的に表されている。保持アームシステム13は、互いに対して回転/ピボット式および並進/変位可能である複数の保持部分15、16、17を含む。
【0033】
保持アームシステム13の第1の保持部分15は、ここに詳細に示されていないねじなどの留め具によって天井14に直接固定され得る/固定される。第1の保持部分15は、(図1に従って見られて)それの長手方向が垂直方向になるように実質的に延長し/配向され、第2の保持部分16を介して第3の保持部分17に接続される。第1の保持部分15は、第1のピボットジョイント18によって第2の保持部分16に接続され、このようにして、図1においてそれの長手方向に対して実質的に水平方向に延長する/水平方向に配向された第2の保持部分16は、図1において垂直方向に延長する第1の保持部分15に対して回転式に移動可能になる。第2のピボットジョイント19によって第2の保持部分16に今度は接続された第3の保持部分17は、第2の保持部分16に対して回転式に移動可能になる。この実施形態における第3の保持部分17はライト本体4に直接緊密に接続される。しかしながら、代替的に、保持部分15〜17によって構成されるにようにさらなるアーム形の保持部分を提供すること、およびそれらのアーム形の保持部分を第3の保持部分17とライト本体4との間に配置することも可能である。
【0034】
3つの保持部分15、16および17は、第1および第2の電源線5、8を案内するために設計される。この目的のために、保持部分15、16および17は、長手方向において中央に延長しているキャビティを含む。前記キャビティ/内部において、2つの電源線5および8の各々が配置され、案内される。それぞれのピボットジョイント18、19の領域内で、第1の電源線5および第2の電源線8は、回転コネクタとして構成されここでは概略的に示された結合要素によって偏向され、スプリットされる。
【0035】
第1の電源線5は、第1の回転コネクタが組み込まれた第1の回転コネクタユニットによって偏向される。ライト本体4から離れて面している側で第1の回転コネクタに隣接する第1の電源線5の第1の線部分は、第1の回転コネクタを介して第1の電源線5の第2の線部分に電気的に接続され、この第2の線部分は、第2のピボットジョイント19の方向において第1の回転コネクタに隣接する。第1および第2の線部分は、したがって、互いに対して回転され得る。
【0036】
第1の回転コネクタユニット20の第2の回転コネクタが、今度は、第2の電源線8を偏向させるために提供される。第2の電源線8の第1の線部分は、ライト本体4から離れて面している側で前記第2の回転コネクタに接続され、第2の電源線8の第2の線部分は、第2のピボットジョイント19の方向において第2のピボットジョイント19に接続される。このようにして、第2の電源線8の第1および第2の線部分は、今度は互いに対して回転され得る。第1の回転コネクタユニット20はピボットジョイント18内に配置され、これにより、特にコンパクトな設計が可能になる。
【0037】
第2のピボットジョイント19において、この場合も、ちょうど第1の回転コネクタユニット20のように設計された第2の回転コネクタユニット21が配置され、第2の回転コネクタユニット21は、この場合も、第1および第2の電源線5および8の各々の2つの部分(第2の線部分および第3の線部分)を互いに対して回転可能に偏向させる。
【0038】
結合要素を形成する回転コネクタユニット20、21の回転コネクタの代替として、前記回転コネクタユニット20、21をスリップリングユニットとして設計するも可能であり、2つのそれぞれのスリップリングは、その場合、互いに対して回転可能であるように配置され、それぞれの第1または第2の電源線5、8において電気接続要素として配置される。
【0039】
電源線5および8の各々は3極構造であり、正のケーブルと、負のケーブルと、接地ケーブルとを含む。
【0040】
互いに対する3つの保持部分15〜17の回転運動は別として、保持部分15〜17はまた、互いに対して並進的に変位可能であり、それぞれの電源線5および8は、電源線5および8が延長可能および伸縮自在/可変長であるように、(明快のためにここでは示されていない)複数のループを形成しながら保持部分15〜17内に配置される。
【0041】
図1からさらに明らかに視認できるように、電源線5と電源線8の両方は、制御電子回路22、すなわちプリント回路板に電気的に接続される。制御電子回路22は、第1の制御電子回路領域24内に第1のプロセッサ23aを含み、第2の制御電子回路領域25内に第2のプロセッサ23bを含む。プリント回路板上の2つの制御電子回路領域24および25の構成の代替として、それぞれの制御電子回路領域24および25を別個の制御電子回路/プリント回路板上に配置することも可能である。
【0042】
第1の制御電子回路領域24の第1のプロセッサ23aはスレーブプロセッサである。代替的に、第2の制御電子回路領域25の第2のプロセッサ23bがスレーブプロセッサであるとき、第1のプロセッサ23aはマスタプロセッサでもあり得る。第2のプロセッサ23bは、今度はマスタプロセッサであるが、第1の制御電子回路領域24の第1のプロセッサ23aがマスタプロセッサである場合、第2のプロセッサ23bはスレーブプロセッサでもあり得る。
【0043】
第1の電源線5は、第1のプロセッサ23aに対して導電性であるように接続される。第2の電源線8は、第2のプロセッサ23bに対して導電性であるように接続される。図1による実施形態では、第1の電源線5はさらに、ここでも第2のプロセッサ23bとの冗長接続でもある。また、第2の電源線8は、第1のプロセッサ23aとの冗長接続である。これは2つのプロセッサ23aおよび23bの冗長供給を保証し、電源線の障害の場合でさえ、両方のプロセッサの動作が可能である。第1の制御電子回路領域24の第1のプロセッサ23aは、連続する接続線26によってマークされているように、複数の、すなわち2つの光源6aおよび6bに対して導電性であるように接続される。光源6a、6bの各々は、好ましくはLEDランプである。しかしながら、これの代替として、光源の各々をLEDのアレイとして設計することも可能である。さらに、2つの第1の光源6aおよび6bだけでなく、明確により多くの、すなわち2つ光源6a、6bよりも多くの光源も、第1のプロセッサ23aに接続される。
【0044】
第2のプロセッサ23bは、(連続する線によって示される)接続線26を介して第2のライトユニット3の第1の光源7aに対して、および第2の光源7bに対して導電性であるように接続され、したがって、光源7a、7bに電気エネルギーを供給する。これらの光源7aおよび7bも、この場合もLEDとしてまたはLEDアレイとして設計され、第2のライトユニット3は、好ましくは2つの光源7aおよび7bよりも多くの光源を含む。
【0045】
代替的に、破線で示された接続線27によって示されるように、第1のライトユニット2の第1の光源6aおよび第2の光源6bは、第1のプロセッサ23aとの接続は別として、同時に第2のプロセッサ23bとの冗長接続であり得る。さらに、破線で示された接続線27によって同様に示されるように、この代替形態も、第2のライトユニット3の2つの光源7aおよび7bは、第2のプロセッサ23bと、冗長的に第1のプロセッサ23aの両方と導電性接続している。
【0046】
それぞれの光源6a、6bおよび7a、7bは、ハウジング状のライト本体4中に固定式に配置/保持/固定される。第1のライトユニット2は、光源6aおよび6b、接続線26(破線によって示される代替形態構成では接続線26および27)、ならびに第1のプロセッサ23aを含む第1の制御電子回路領域24を備える。第2のライトユニット3は、今度は、光源7aおよび7b、2つの接続線26(破線によって示される代替形態構成では接続線26および27)、ならびに第2のプロセッサ23bを含む第2の制御電子回路領域25を備える。
【0047】
電源の追加の予備として働く第2のアキュムレータ28aおよび28bがライト本体4中に同様に提供される。第1のアキュムレータ28aは、第1の電源線5と導電性接続しており、必要な場合、第1または第2の電圧源による第1の電源線5の給電中に、電流を供給され、充電される。両方の電圧源が機能し得ない場合、第1のアキュムレータ28aは、光源6a、6bおよび/または7a、7bを動作させ続けるために、第1および/または第2のプロセッサ23aおよび23bを動作させるための供給要素として働く。さらに、今度は、第2の電源線8と導電性接続している第2のアキュムレータ28bが提供される。第1または第2の電圧源による第2の電源線8の給電中に、前記第2のアキュムレータ28bは、今度は、必要な場合、電流を供給され、充電される。まれな場合、両方の電圧源が機能し得ない場合、前記第2のアキュムレータ28bは供給ユニットとして働き得、光源6a、6bおよび/または7a、7bを等しく動作させ続けるために、第1のプロセッサ23aと第2のプロセッサ23bの両方に電流を供給し得る。このようにして、2つのプロセッサ23aおよび23bの冗長供給のための均一アキュムレータシステムが提供される。しかしながら、2つのアキュムレータ28aおよび28bによる構成の代替として、ジョイントアキュムレータのみによって2つの電源線5および8を供給することも可能であり、その場合、ジョイントアキュムレータは電源線5と電源線8の両方に電気的に接続され得る。
【0048】
2つのアキュムレータ28aおよび28bは、(ハウジング/ライトハウジングとも呼ばれる)ハウジング状のライト本体4内に収容され、固定され/組み込まれる。
[発明の項目]
[項目1]
少なくとも第1のライトユニット(2)および第2のライトユニット(3)を収容するハウジング状のライト本体(4)を備え、第1の電圧源から前記第1のライトユニット(2)の少なくとも1つの光源(6a、6b)に電流を供給するために前記第1のライトユニット(2)に電気的に接続された第1の電源線(5)を備える、手術領域を照明するための外科用ライト(1)において、
前記ライト本体(4)の前記第2のライトユニット(3)が、少なくとも1つのさらなる光源(7a、7b)を有し、前記第1の電源線(5)とは別個である第2の電源線(8)に接続され、前記第2の電源線によって、第2の電圧源が前記第2のライトユニット(3)に電気的に接続されることを特徴とする、外科用ライト(1)。
[項目2]
前記ライト本体(4)が、並進的および/または回転式に移動可能な保持アームシステム(13)に接続され、前記第1の電源線(5)および/または前記第2の電源線(8)が前記保持アームシステム(13)内に案内されることを特徴とする、項目1に記載の外科用ライト(1)。
[項目3]
前記保持アームシステム(13)が、互いに対して移動可能である複数の保持部分(15、16、17)を含み、少なくとも第2の保持部分(16)が、ピボットジョイント(18)によって第1の保持部分(15)に対して回転可能であるように配置されることを特徴とする、項目2に記載の外科用ライト(1)。
[項目4]
前記第1の電源線(5)が前記ピボットジョイント(18)の領域内に導電性結合要素(20)を含み、および/または前記第2の電源線(8)が前記ピボットジョイント(18)の前記領域内に導電性結合要素(21)を含むことを特徴とする、項目3に記載の外科用ライト(1)。
[項目5]
前記第1の電源線(5)が3極構造であることを特徴とする、項目1〜4のいずれか一項に記載の外科用ライト(1)。
[項目6]
前記第2の電源線(8)が3極構造であることを特徴とする、項目1〜5のいずれか一項に記載の外科用ライト(1)。
[項目7]
プロセッサ(23a)を含む第1の制御電子回路領域(24)が前記第1の電源線(5)に電気的に接続されることを特徴とする、項目1〜6のいずれか一項に記載の外科用ライト(1)。
[項目8]
プロセッサ(23b)を含む第2の制御電子回路領域(25)が前記第2の電源線(8)に電気的に接続されることを特徴とする、項目1〜7のいずれか一項に記載の外科用ライト(1)。
[項目9]
第1の制御電子回路領域(24)および第2の制御電子回路領域(25)がジョイントプリント回路板(22)上に配置され、および/または前記第1の制御電子回路領域(24)および前記第2の制御電子回路領域(25)が前記ライト本体(4)に組み込まれることを特徴とする、項目8に記載の外科用ライト(1)。
[項目10]
第1の制御電子回路領域(24)のプロセッサ(23a)および/または第2の制御電子回路領域(25)のプロセッサ(23b)が、前記第1のライトユニット(2)の前記少なくとも1つの光源(6a、6b)に電気的に接続され、および/または前記第2のライトユニット(3)の前記少なくとも1つの光源(7a、7b)に電気的に接続されることを特徴とする、項目8または9に記載の外科用ライト(1)。
[項目11]
第1の制御電子回路領域(24)のプロセッサ(23a)がスレーブプロセッサもしくはマスタプロセッサであり、および/または第2の制御電子回路領域(25)のプロセッサ(23b)がスレーブプロセッサもしくはマスタプロセッサであることを特徴とする、項目8〜10のいずれか一項に記載の外科用ライト(1)。
[項目12]
前記第1の電源線(5)が、本線電圧源または緊急電力供給源または安全特別低電圧源などの前記第1の電圧源に接続されるために準備されることを特徴とする、項目1〜11のいずれか一項に記載の外科用ライト(1)。
[項目13]
前記第2の電源線(8)が、本線電圧源または緊急電力供給源または安全特別低電圧源などの前記第2の電圧源に接続されるために準備されることを特徴とする、項目1〜12のいずれか一項に記載の外科用ライト(1)。
[項目14]
少なくとも1つのアキュムレータ(28a、28b)が前記第1の電源線(5)におよび/または前記第2の電源線(8)に接続され、前記少なくとも1つのアキュムレータ(28a、28b)が、好ましくは前記ライト本体(4)内に配置されることを特徴とする、項目1〜12のいずれか一項に記載の外科用ライト(1)。
図1