【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、一般式I
【化3】
[式中、R
1は、同一または異なって、C
1〜C
10−アルコキシ基、好ましくはメトキシもしくはエトキシ基、C
2〜C
10−環状ジアルコキシ基、フェノキシ基、C
4〜C
10−シクロアルコキシ基、C
6〜C
20−アリール基、好ましくはフェニル、C
1〜C
10−アルキル基、好ましくはメチルもしくはエチル、C
2〜C
20−アルケニル基、C
7〜C
20−アラルキル基もしくはハロゲン、好ましくはClであり、かつRは、同一または異なって、分枝鎖状もしくは非分枝鎖状の、飽和もしくは不飽和の、脂肪族の、芳香族の、もしくは脂肪族/芳香族の混合型の二価のC
1〜C
30−炭化水素基、好ましくはC
1〜C
20−炭化水素基、より好ましくはC
1〜C
10−炭化水素基、更により好ましくはC
1〜C
7−炭化水素基、特に好ましくはC
2およびC
3−炭化水素基であって、場合によりF−、Cl−、Br−、I−、−CNもしくはHS−によって置換された基である]の尿素含有メルカプトシランの製造方法であって、一般式II
【化4】
[式中、RおよびR
1は、それぞれ前記定義の通りであり、かつHalは、F、Cl、BrもしくはI、好ましくはClである]のハロシランを、NaSHと、C
2〜C
8−アルコール、好ましくはエタノール中で反応させることを特徴とする製造方法を提供する。
【0012】
尿素含有メルカプトシランは、一般式Iの複数の尿素含有メルカプトシランの混合物であってよい。
【0013】
プロセス生成物は、一般式Iの尿素含有メルカプトシランのアルコキシシラン官能基の加水分解と縮合により形成するオリゴマーを含んでよい。
【0014】
Rは、好ましくは、−CH
2−、−CH
2CH
2−、−CH
2CH
2CH
2−、−CH
2CH
2CH
2CH
2−、−CH(CH
3)−、−CH
2CH(CH
3)−、−CH(CH
3)CH
2−、−C(CH
3)
2−、−CH(C
2H
5)−、−CH
2CH
2CH(CH
3)−、−CH(CH
3)CH
2CH
2−、−CH
2CH(CH
3)CH
2−、−CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2−、−CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2−、−CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2−、−CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2−、−CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2−、−CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2−、−CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2−、−CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2−、−CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2−、−CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2−、または
【化5】
であってよい。
【0015】
一般式Iの尿素含有メルカプトシランは、好ましくは、
(EtO)
3Si−CH
2−NH−CO−NH−CH
2−SH、
(EtO)
3Si−CH
2CH
2−NH−CO−NH−CH
2−SH、
(EtO)
3Si−CH
2−NH−CO−NH−CH
2CH
2−SH、
(EtO)
3Si−CH
2CH
2−NH−CO−NH−CH
2CH
2−SH、
(EtO)
3Si−CH
2CH
2CH
2−NH−CO−NH−CH
2−SH、
(EtO)
3Si−CH
2CH
2CH
2−NH−CO−NH−CH
2CH
2−SH、
(EtO)
3Si−CH
2−NH−CO−NH−CH
2CH
2CH
2−SH、
(EtO)
3Si−CH
2CH
2−NH−CO−NH−CH
2CH
2CH
2−SH、
(EtO)
3Si−CH
2CH
2CH
2−NH−CO−NH−CH
2CH
2CH
2−SH、
(MeO)
3Si−CH
2−NH−CO−NH−CH
2−SH、
(MeO)
3Si−CH
2CH
2−NH−CO−NH−CH
2−SH、
(MeO)
3Si−CH
2−NH−CO−NH−CH
2CH
2−SH、
(MeO)
3Si−CH
2CH
2−NH−CO−NH−CH
2CH
2−SH、
(MeO)
3Si−CH
2CH
2CH
2−NH−CO−NH−CH
2−SH、
(MeO)
3Si−CH
2CH
2CH
2−NH−CO−NH−CH
2CH
2−SH、
(MeO)
3Si−CH
2−NH−CO−NH−CH
2CH
2CH
2−SH、
(MeO)
3Si−CH
2CH
2−NH−CO−NH−CH
2CH
2CH
2−SH、または
(MeO)
3Si−CH
2CH
2CH
2−NH−CO−NH−CH
2CH
2CH
2−SH
であってよい。
【0016】
特に好ましい化合物は、式
(EtO)
3Si−CH
2CH
2CH
2−NH−CO−NH−CH
2CH
2−SH
の化合物である。
【0017】
一般式IIのハロシランは、好ましくは、
(EtO)
3Si−CH
2−NH−CO−NH−CH
2−Cl、
(EtO)
3Si−CH
2CH
2−NH−CO−NH−CH
2−Cl、
(EtO)
3Si−CH
2−NH−CO−NH−CH
2CH
2−Cl、
(EtO)
3Si−CH
2CH
2−NH−CO−NH−CH
2CH
2−Cl、
(EtO)
3Si−CH
2CH
2CH
2−NH−CO−NH−CH
2−Cl、
(EtO)
3Si−CH
2CH
2CH
2−NH−CO−NH−CH
2CH
2−Cl、
(EtO)
3Si−CH
2−NH−CO−NH−CH
2CH
2CH
2−Cl、
(EtO)
3Si−CH
2CH
2−NH−CO−NH−CH
2CH
2CH
2−Cl、
(EtO)
3Si−CH
2CH
2CH
2−NH−CO−NH−CH
2CH
2CH
2−Cl、
(MeO)
3Si−CH
2−NH−CO−NH−CH
2−Cl、
(MeO)
3Si−CH
2CH
2−NH−CO−NH−CH
2−Cl、
(MeO)
3Si−CH
2−NH−CO−NH−CH
2CH
2−Cl、
(MeO)
3Si−CH
2CH
2−NH−CO−NH−CH
2CH
2−Cl、
(MeO)
3Si−CH
2CH
2CH
2−NH−CO−NH−CH
2−Cl、
(MeO)
3Si−CH
2CH
2CH
2−NH−CO−NH−CH
2CH
2−Cl、
(MeO)
3Si−CH
2−NH−CO−NH−CH
2CH
2CH
2−Cl、
(MeO)
3Si−CH
2CH
2−NH−CO−NH−CH
2CH
2CH
2−Cl、
(MeO)
3Si−CH
2CH
2CH
2−NH−CO−NH−CH
2CH
2CH
2−Br、
(EtO)
3Si−CH
2−NH−CO−NH−CH
2−Br、
(EtO)
3Si−CH
2CH
2−NH−CO−NH−CH
2−Br、
(EtO)
3Si−CH
2−NH−CO−NH−CH
2CH
2−Br、
(EtO)
3Si−CH
2CH
2−NH−CO−NH−CH
2CH
2−Br、
(EtO)
3Si−CH
2CH
2CH
2−NH−CO−NH−CH
2−Br、
(MeO)
3Si−CH
2CH
2CH
2−NH−CO−NH−CH
2CH
2CH
2−Br、
(EtO)
3Si−CH
2−NH−CO−NH−CH
2CH
2CH
2−Br、
(EtO)
3Si−CH
2CH
2−NH−CO−NH−CH
2CH
2CH
2−Br、
(EtO)
3Si−CH
2CH
2CH
2−NH−CO−NH−CH
2CH
2CH
2−Br、
(MeO)
3Si−CH
2−NH−CO−NH−CH
2−Br、
(MeO)
3Si−CH
2CH
2−NH−CO−NH−CH
2−Br、
(MeO)
3Si−CH
2−NH−CO−NH−CH
2CH
2−Br、
(MeO)
3Si−CH
2CH
2−NH−CO−NH−CH
2CH
2−Br、
(MeO)
3Si−CH
2CH
2CH
2−NH−CO−NH−CH
2−Br、
(MeO)
3Si−CH
2CH
2CH
2−NH−CO−NH−CH
2CH
2−Br、
(MeO)
3Si−CH
2−NH−CO−NH−CH
2CH
2CH
2−Br、
(MeO)
3Si−CH
2CH
2−NH−CO−NH−CH
2CH
2CH
2−Br、または
(MeO)
3Si−CH
2CH
2CH
2−NH−CO−NH−CH
2CH
2CH
2−Br
であってよい。
【0018】
本発明による方法によって得られる一般式Iの尿素含有メルカプトシランは、50%を上回る、好ましくは60%を上回る、より好ましくは70%を上回る、非常に好ましくは80%を上回る収率で得ることができる。
【0019】
本発明による方法によって得られる生成物中の、DMSO−d
6中またはCDCl
3中での可溶性分は、内部標準、例えばトリフェニルホスフィンオキシド(TPPO)をDMSO−d
6中またはCDCl
3中に添加して、当業者に公知の
1H NMR法によって測定される。
【0020】
反応のための更なる溶剤、例えば無機溶剤もしくは有機溶剤を使用することが可能である。
【0021】
前記反応は、追加の有機溶剤を用いずに行うことができる。
【0022】
使用される一般式IIのハロシランに対して、水の量は、10質量%未満、好ましくは5質量%未満、より好ましくは2質量%未満、非常に好ましくは1質量%未満であってよい。
【0023】
前記反応は、空気を排除して行うことができる。
【0024】
前記反応は、不活性ガス雰囲気下で、例えばアルゴンまたは窒素下で、好ましくは窒素下で行うことができる。
【0025】
本発明の方法は、大気圧、高められた圧力または低減された圧力で行うことができる。好ましくは、本発明による方法は、標準圧力で行うことができる。
【0026】
高められた圧力は、1.1バール〜100バールの、好ましくは1.5バール〜50バールの、より好ましくは2バール〜20バールの、非常に好ましくは2〜10バールの圧力であってよい。
【0027】
低減された圧力は、1ミリバール〜1000ミリバールの、好ましくは1ミリバール〜500ミリバールの、より好ましくは1ミリバール〜250ミリバールの、非常に好ましくは5ミリバール〜100ミリバールの圧力であってよい。
【0028】
本発明による方法は、0℃〜+150℃で、好ましくは+20℃〜+130℃で、より好ましく+50℃〜+100℃で行うことができる。
【0029】
本発明による方法において、一般式IIのハロシランは、NaSH中に計量供給することができる。
【0030】
本発明による方法において、NaSHは、一般式IIのハロシラン中に計量供給することができる。
【0031】
一般式IIのハロシランは、NaSHとの反応の前に、一般式III
【化6】
のアミンの塩酸塩および一般式IV
【化7】
のイソシアナトシランから、塩基、好ましくはNaOEtの添加によって製造でき、前記式中、Hal、RおよびR
1は、それぞれ前記定義の通りである。
【0032】
前記塩基は、pH7〜14に至るまで添加することができる。
【0033】
本発明による方法においては、一般式IIIのアミンの塩酸塩は、一般式IVのイソシアナトシランに対して、1:0.80〜1:1.20のモル比で、好ましくは1:0.85〜1:1.15のモル比で、より好ましくは1:0.90〜1:1.10のモル比で使用することができる。
【0034】
一般式IIIのアミンの塩酸塩は、好ましくは、
HCl・H
2N−CH
2−Cl、
HCl・H
2N−CH
2−CH
2−Cl、
HCl・H
2N−CH
2−CH
2−CH
2−Cl、
HCl・H
2N−CH
2−Br、
HCl・H
2N−CH
2−CH
2−Br、または
HCl・H
2N−CH
2−CH
2−CH
2−Br
であってよい。
【0035】
一般式IVのイソシアナトシランは、好ましくは、
(EtO)
3Si−CH
2−NCO、
(EtO)
3Si−CH
2−CH
2−NCO、
(EtO)
3Si−CH
2−CH
2−CH
2−NCO、
(MeO)
3Si−CH
2−NCO、
(MeO)
3Si−CH
2−CH
2−NCO、または
(MeO)
3Si−CH
2−CH
2−CH
2−NCO
であってよい。
【0036】
一般式IIのハロシランは、NaSHとの反応の前に、一般式V
【化8】
のイソシアネートハロゲン化合物および一般式VI
【化9】
のアミノシランから製造でき、前記式中、Hal、RおよびR
1は、それぞれ前記定義の通りである。
【0037】
前記反応は、溶剤中、好ましくはC
2〜C
8−アルコール中、より好ましくはエタノール中で行うことができる。
【0038】
本発明による方法においては、一般式Vのイソシアネートハロゲン化合物は、一般式VIのアミノシランに対して、1:0.80〜1:1.20のモル比で、好ましくは1:0.85〜1:1.15のモル比で、より好ましくは1:0.90〜1:1.10のモル比で使用することができる。
【0039】
一般式Vのイソシアネートハロゲン化合物は、好ましくは、
OCN−CH
2−Cl、
OCN−CH
2−CH
2−Cl、
OCN−CH
2−CH
2−CH
2−Cl、
OCN−CH
2−Br、
OCN−CH
2−CH
2−Br、または
OCN−CH
2−CH
2−CH
2−Br
であってよい。
【0040】
一般式VIのアミノシラン化合物は、好ましくは、
(EtO)
3Si−CH
2−NH
2、
(EtO)
3Si−CH
2−CH
2−NH
2、
(EtO)
3Si−CH
2−CH
2−CH
2−NH
2、
(MeO)
3Si−CH
2−NH
2、
(MeO)
3Si−CH
2−CH
2−NH
2、または
(MeO)
3Si−CH
2−CH
2−CH
2−NH
2
であってよい。
【0041】
本発明による方法により製造される生成物は、25モル%未満の、好ましくは10モル%未満の、より好ましくは5モル%未満の、非常に好ましくは3モル%未満の一般式IIのハロシランの残留含量を有してよい。
【0042】
本発明による方法により製造される生成物中の、一般式IIのハロシランの相対モル百分率は、
1H NMRにおいて、一般式Iの尿素含有メルカプトシランのSi−C
H2−基における水素原子に対する、一般式IIのハロシランの−CH
2C
H2−Cl基中の水素原子の積分によって測定される。
【0043】
例えば式IIの物質(EtO)
3Si−CH
2CH
2CH
2−NH−CO−NH−CH
2CH
2−Clのためには、前記相対含量の測定のために、−CH
2C
H2−Cl基の水素原子(δ=3.17ppm)の積分が使用される。
【0044】
本発明による方法により製造される生成物は、10モル%未満の、好ましくは5モル%未満の、より好ましくは1モル%未満の、非常に好ましくは0.1モル%未満の一般式IIIのアミンの塩酸塩の残留含量を有してよい。
【0045】
本発明による方法により製造される生成物中の、一般式IIIのアミンの塩酸塩の相対モル百分率は、
13C NMRにおいて、一般式Iの尿素含有メルカプトシランのSi−
CH
2−基における炭素原子に対する、一般式IIIのアミンの塩酸塩の−
CH
2−NH
2・HCl基中の炭素原子の積分によって測定される。
【0046】
例えば式IIIの物質HCl・H
2N−CH
2−CH
2−Clのためには、前記相対含量の測定のために、HCl・H
2N−
CH
2−CH
2−Cl基の炭素原子(δ=41.25ppm)またはHCl・H
2N−CH
2−
CH
2−Cl基の炭素原子(δ=40.79ppm)の積分が使用される。
【0047】
本発明による方法により製造される生成物は、10モル%未満の、好ましくは5モル%未満の、より好ましくは1モル%未満の、非常に好ましくは0.1モル%未満の一般式IVのイソシアナトシランの残留含量を有してよい。
【0048】
本発明による方法により製造される生成物中の、一般式IVのイソシアナトシランの1モル%を上回る範囲内の相対モル百分率は、
13C NMRにおいて、一般式Iの尿素含有メルカプトシランのSi−
CH
2−基における炭素原子に対する、一般式IVのイソシアナトシランの−N
CO基中の炭素原子の積分によって測定される。
【0049】
例えば式IVの物質(EtO)
3Si−CH
2−CH
2−CH
2−NCOのためには、前記1モル%を上回る範囲内の相対含量の測定のために、−N
CO基の炭素原子(δ=122.22ppm)の積分が使用される。
【0050】
本発明による方法により製造される生成物中の、一般式IVのイソシアナトシランの1モル%を下回る範囲内の相対モル百分率は、当業者に公知の定量的FT−IR分光分析法によって測定される。該方法は、好適な濃度の較正溶液(例えばC
2Cl
4中)を使用することによって較正される。その測定のために、約1gのサンプルを25mlの丸口ボトル中に量り入れ、そして25gのC
2Cl
4を添加する。前記サンプルを、撹拌機上で1〜2時間にわたり撹拌する。その後に、下方の液相を20mmのIRキュベット中に慎重に量り入れ、FT−IR分光分析法(4000〜1200cm
-1、分解能2cm
-1)によって分析する。同じ条件下で、前記溶剤のスペクトルを減算のために記録する。
【0051】
例えば式IVの物質(EtO)
3Si−CH
2−CH
2−CH
2−NCOのためには、前記1モル%を下回る範囲内の相対含量の測定のために、2270cm
-1での−NCO基の原子価振動の波長が使用される。
【0052】
本発明による方法により製造される生成物は、25モル%未満の、好ましくは10モル%未満の、より好ましくは5モル%未満の、非常に好ましくは3モル%未満の一般式Vのイソシアネートハロゲン化合物の残留含量を有してよい。
【0053】
本発明による方法により製造される生成物中の、一般式Vのイソシアネートハロゲン化合物の相対モル百分率は、
13C NMRにおいて、一般式Iの尿素含有メルカプトシランのSi−
CH
2−基における炭素原子に対する、一般式Vのイソシアネートハロゲン化合物のO
CN−CH
2−基中の炭素原子の積分によって測定される。
【0054】
例えば式Vの物質OCN−CH
2−CH
2−Clのためには、前記相対含量の測定のために、O
CN−CH
2−基の炭素原子(δ=124.33ppm)の積分が使用される。
【0055】
本発明による方法により製造される生成物は、10モル%未満の、好ましくは5モル%未満の、より好ましくは1モル%未満の、非常に好ましくは0.1モル%未満の一般式VIのアミノシランの残留含量を有してよい。
【0056】
本発明による方法により製造される生成物中の、一般式VIのアミノシランの相対モル百分率は、
13C NMRにおいて、一般式Iの尿素含有メルカプトシランのSi−
CH
2−基における炭素原子に対する、一般式VIのアミノシランの−
CH
2−NH
2基における炭素原子の積分によって測定される。
【0057】
例えば式VIの物質(EtO)
3Si−CH
2−CH
2−CH
2−NH
2のためには、前記相対含量の測定のために、−
CH
2−NH
2基の炭素原子(δ=45.15ppm)の積分が使用される。
【0058】
前記反応混合物を濾過することができ、次いで前記アルコールを留去することができ、そして生成物を乾燥させることができる。前記乾燥は、20℃〜100℃で、場合により1ミリバール〜500ミリバールの低減された圧力で行うことができる。
【0059】
一実施形態においては、一般式I
【化10】
の尿素含有メルカプトシランの製造のための方法は、一般式III
【化11】
のアミンの塩酸塩および一般式IV
【化12】
のイソシアナトシランを、塩基の添加によって、C
2〜C
8−アルコール、好ましくはエタノール中で転化させ、そして次いでNaSHが添加され、該反応混合物は濾過され、アルコールは留去され、そして生成物は乾燥され、前記式中、Hal、RおよびR
1は、それぞれ前記定義の通りであることを特徴とする。
【0060】
第二の一実施形態においては、一般式I
【化13】
の尿素含有メルカプトシランの製造のための方法は、一般式V
【化14】
のイソシアネートハロゲン化合物および一般式VI
【化15】
のアミノシランを、C
2〜C
8−アルコール、好ましくはエタノール中で転化させ、そして次いでNaSHが添加され、該反応混合物は濾過され、アルコールは留去され、そして生成物は乾燥され、前記式中、Hal、RおよびR
1は、それぞれ前記定義の通りであることを特徴とする。
【0061】
一般式Iの尿素含有メルカプトシランは、無機材料、例えばガラスビーズ、ガラス片、ガラス表面、ガラス繊維もしくは酸化物充填剤、好ましくはシリカ、例えば沈降シリカおよびフュームドシリカと、有機ポリマー、例えば熱硬化性ポリマー、熱可塑性ポリマーもしくはエラストマーとの間の接着促進剤として、または架橋剤として、および酸化物表面用の表面改質剤として使用できる。
【0062】
一般式Iの尿素含有メルカプトシランは、充填剤が加えられたゴム混合物中でカップリング試薬として使用してよく、例は、タイヤトレッド、工業用ゴム製品または履物のソールである。
【0063】
本発明による方法の利点は、一般式Iの尿素含有メルカプトシランの製造が、有機溶剤と健康に害のある出発化合物を用いずに可能であるということである。
【0064】
本発明による方法の更なる利点は、得られた生成物の複雑な精製を省けることである。