特許第6614841号(P6614841)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シーシーエス株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6614841-光照射装置 図000002
  • 特許6614841-光照射装置 図000003
  • 特許6614841-光照射装置 図000004
  • 特許6614841-光照射装置 図000005
  • 特許6614841-光照射装置 図000006
  • 特許6614841-光照射装置 図000007
  • 特許6614841-光照射装置 図000008
  • 特許6614841-光照射装置 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6614841
(24)【登録日】2019年11月15日
(45)【発行日】2019年12月4日
(54)【発明の名称】光照射装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20191125BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20191125BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20191125BHJP
   G01N 21/84 20060101ALI20191125BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20191125BHJP
【FI】
   F21S2/00 443
   F21S2/00 441
   F21V23/00 160
   F21V19/00 500
   F21V19/00 150
   G01N21/84 E
   F21Y115:10
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-149159(P2015-149159)
(22)【出願日】2015年7月29日
(65)【公開番号】特開2017-33635(P2017-33635A)
(43)【公開日】2017年2月9日
【審査請求日】2018年7月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】596099446
【氏名又は名称】シーシーエス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104547
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100097995
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 悦一
(72)【発明者】
【氏名】可児 尚希
【審査官】 安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−194581(JP,A)
【文献】 特開2002−268573(JP,A)
【文献】 特開2010−266401(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 19/00
F21V 23/00
G01N 21/84
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光体を保持する多角形環状の保持体を備えた光照射装置であって、
前記保持体がその角部を構成する複数のジョイント部材と、環状方向に隣り合うジョイント部材間に配置されて、端部が前記ジョイント部材に接続され、かつ前記発光体を保持するベース部材とを備え
前記ジョイント部材は係合部を有し、
前記ベース部材は前記係合部が係合する被係合部を有し、
前記被係合部は前記ベース部材の外側を向く外側面と端面とに開口しており、
前記外側面の開口側に、当該開口の開口幅を狭くするような壁部が形成され、
前記係合部は前記被係合部に前記端面の前記開口から挿入されて係合されるとともに、前記壁部に当接して前記外側面の前記開口からの抜け出しが防止されていることを特徴とする光照射装置。
【請求項2】
前記係合部が前記被係合部に係合した状態で、止着部材によって固定されていることを特徴とする請求項1に記載の光照射装置。
【請求項3】
前記ジョイント部材の少なくとも1つは、前記発光体に電力を供給する電気ケーブルを外部から挿通する挿通孔と、この挿通孔に挿通された電気ケーブルの抜け出しを防止する抜止部とを有することを特徴とする請求項1または2に記載の光照射装置。
【請求項4】
前記発光体は、前記保持体の内部に設けられる導光板と、前記導光板の側端面から光を入射させる発光素子とから構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光照射装置。
【請求項5】
前記ベース部材は、光学部材とこの光学部材を支持する支持部とを有する光学素子が収納される凹部と、この凹部の入口部に設けられて前記支持部が当接することで、前記凹部からの前記光学素子の抜け出しを防止する当接部と、前記凹部の底部に設けられて、前記支持部を前記当接部に向けて押圧する押圧部材とを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光照射装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品の外観検査などの際に検査対象に光を照射する光照射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
製品の表面検査等を行う方法として、底面より発光する照明装置を用いて製品に照光し、その反射光を当該照明装置の近傍において目視あるいは撮影等を行って検査する方法が従来より一般的に知られている。
このような照明装置の一例として特許文献1に記載のものが知られている。この照明装置は、均一な面発光を行うためのバックライト照明装置であり、このバックライト照明装置は、矩形枠状のケーシングと、このケーシングに設けられた発光部と、この発光部からの光を案内して、該ケーシングの開口を覆う拡散カバーを介し外部に均一な面発光を行うための偏平板状で外形が矩形の導光板とを備えている。
矩形枠状のケーシングの4つの辺部を構成するフレームには、それぞれ発光部としてのLEDが実装されたLED基板が取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−139712号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記従来の照明装置では、発光部を保持するケーシング(保持体)が矩形枠状に一体的に形成されている。例えば、ケーシングは素材となるアルミニウム等の金属から削り出すことによって一体的に形成されている。
このため、異なる大きさ、形状等の照明装置を製造する場合、その大きさおよび形状に合わせてケーシングを削り出し等によって形成する必要があるため、手間とコストがかかっていた。
【0005】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、大きさ、形状等が異なる場合でも容易かつ低コストで製造できる光照射装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の光照射装置は、発光体を保持する多角形環状の保持体を備えたものであって、前記保持体がその角部を構成する複数のジョイント部材と、環状方向に隣り合うジョイント部材間に配置されて、端部が前記ジョイント部材に接続され、かつ前記発光体を保持するベース部材とを備えていることを特徴とする。
【0007】
本発明では、ベース部材の長さやジョイント部材の個数および形状を適宜変更することによって、保持体の形状および大きさを容易に変更することができる。したがって、大きさ、形状等が異なる場合でも容易かつ低コストで光照射装置を製造できる。
【0008】
本発明の前記構成において、前記ジョイント部材は係合部を有し、前記ベース部材は前記係合部が係合する被係合部を有することが好ましい。このような構成によれば、ジョイント部材の係合部をベース部材の被係合部に係合することによって、ジョイント部材にベース部材を容易かつ確実に接続でき、組立容易化を図ることができる。
【0009】
また、本発明の前記構成において、前記係合部が前記被係合部に係合した状態で、止着部材によって固定されていることが好ましく、このようにすれば、ジョイント部材からベース部材が外れるのを防止できる。
【0010】
また、本発明の前記構成において、前記ジョイント部材の少なくとも1つは、前記発光体に電力を供給する電気ケーブルを外部から挿通する挿通孔と、この挿通孔に挿通された電気ケーブルの抜け出しを防止する抜止部とを有することが好ましい。このような構成によれば、抜止部により電気ケーブルの抜け出しを防止できる。したがって、電気ケーブルの抜け出し防止のために、電気ケーブルをジョイント部材やベース部材等によって押圧する必要がないので、電気ケーブルの健全性を維持できる。
【0011】
また、本発明の前記構成において、前記ベース部材は、光学部材とこの光学部材を支持する支持部とを有する光学素子が収納される凹部と、この凹部の入口部に設けられて前記支持部が当接することで、前記凹部からの前記光学素子の抜け出しを防止する当接部と、前記凹部の底部に設けられて、前記支持部を前記当接部に向けて押圧する押圧部材とを有することが好ましい。
【0012】
このような構成によれば、光学素子の支持部が押圧部材によって当接部に当接し、光学部材を凹部の所定位置に位置決めして保持することができる。また、光学部材の形状や大きさが異なっている場合でも、押圧部材の厚さを変更するだけで良い。
【0013】
なお、本発明における発光体の具体例としては、多角形環状の保持体内部に設けられる導光板と、前記導光板の側端面から光を入射させる発光素子とから構成されたものが挙げられる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、大きさ、形状等が異なる場合でも容易かつ低コストで光照射装置を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施の形態に係る光照射装置を示した斜視図である。
図2】同、分解斜視図である。
図3】同、ジョイント部材を示す斜視図である。
図4】同、ジョイント部材とベース部材の端部を示す斜視図である。
図5】同、側断面図である。
図6】同、(a)は図5におけるX部の拡大図であり、(b)は導光部材の厚さが異なる場合の要部の断面図である。
図7】同、変形例の光照射装置の要部を示す断面図である。
図8】同、光学素子を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1および図2は、本発明の実施の形態に係る光照射装置を示すもので、図1は斜視図、図2は分解斜視図である。
【0017】
本実施の形態に係る光照射装置は、製品の外観検査などの際に製品に光を照射するために使用されるもので、発光素子としてのLED1a(図6参照)が実装されたLED基板1を保持する保持体2を備えている。この保持体2は4つのジョイント部材3と、4つのベース部材4とを備え、これらを平面視において正方形環状に接合することで、正方形環状(矩形枠状)に形成されている。
また、保持体2の内側には正方形状の透明な導光板5と、この導光板5の表面に重ねて設けられた正方形状の保護板6とが設けられ、保持体2の表面(図2において上面)には正方形環状のカバー部材7が設けられている。
【0018】
ジョイント部材3は正方形環状の保持体2の角部を構成するもので、平面視において略L字形に形成されている。
4つのジョイント部材3のうち、1つのジョイント部材3Aは、図4に示すように、電気ケーブルKを外部から挿通する挿通孔10と、この挿通孔10に挿通された電気ケーブルKの抜け出しを防止する抜止部11とを有しているが、残り3つのジョイント部材3は挿通孔10および抜止部11を有していない。ジョイント部材3Aは挿通孔10および抜止部11以外は、残りのジョイント部材3と同じ大きさおよび形状となっている。
【0019】
前記3つのジョイント部材3は、図3に示すように、平面視L字形に形成された本体部3aと、平面視略L字形に形成された壁部3bとを有しており、この壁部3bは本体部3aの外面側の縁部から上方に突出している。したがって、本体部3aの上面には前記カバー部材7の角部を載置する載置面3cが設けられている。この載置面3cにはねじ孔3dが設けられている。
また、ジョイント部材3の本体部3aの両方の端面にはそれぞれ係合部12が当該端面の略中央部から突出して設けられている。係合部12は略直方体に形成されており、略中央部にはねじ孔12aが係合部12を貫通するようにして設けられている。
また、ジョイント部材3の下面側には底壁3eが載置面3cと平行に設けられており、この底壁3eの直角に配置された縁部に、底壁3eに対して垂直に立ち上がる2つの立壁3f,3fが設けられている。立壁3f,3fは互いに直角の位置にあり、後述する光学素子22の導光部材23の端面に当接可能となっている。
【0020】
前記ジョイント部材3Aは、上述のように、挿通孔10と抜止部11以外は、ジョイント部材3と等しい構成となっているので、同一構成には同一符号を付してその説明を省略する。
挿通孔10は略L字形のジョイント部材3Aの一方の片部を貫通するようにして設けられている。
また、底壁3eには抜止部11としての四角柱状の支柱11が立設されている。この支柱11はその中心軸が挿通孔10の中心の延長線より、所定距離だけジョイント部材3Aの他方の片部側ずれるようにして配置されている。そして、挿通孔10に挿通された電気ケーブルKは、挿通孔10の近傍で略直角に曲がって支柱11と本体部3aの一方の片部との間に通り、さらに支柱11の角部で略直角に曲がって当該支柱11と本体部3aの他方の片部との間を通ってLED基板1に接続されるようになっている。したがって、電気ケーブルKは、支柱11と、本体部3aの両方の片部との間に挟持され、挿通孔10からの抜け出しが防止されている。
【0021】
ベース部材4は、図2および図4に示すように、アルミの押し出し品によって、略矩形棒状に形成されている。このようにベース部材4は押し出し品であるので、その横断面形状はベース部材4の長手方向のどの位置でも同形状となっている。
【0022】
ベース部材4の外側(保持体2の外側)を向く外側面には、ナットスロットたる凹部15がベース部材4の長手方向に沿って形成されており、この凹部15はベース部材4の外側面と両端面に開口している。なお、長手方向中央部に形成された開口幅の大きい部分はナット挿入口である。
凹部15は、図5および図6に示すように、断面矩形状の第1凹部16と第2凹部17とを有している。第2凹部17は第1凹部16より断面形状が小さい矩形状に形成されており、当該第1凹部16の底部に設けられ、第1凹部16と連通している。
第1凹部16の両端部にベース部材4の端面から係合部12が挿通されて係合されるようになっており、第1凹部16の端部16aは係合部12が係合する被係合部16aを構成している。また、第1凹部16の開口側(ベース部材4の外側面の開口側)には、第1凹部16の開口を上下に狭くするような壁部18,18がベース部材4の長手方向に沿って形成されている。第1凹部16の端部(被係合部)16aに挿入された係合部12は壁部18,18に当接して、第1凹部16の開口からの抜け出しが防止される。
【0023】
また、第1凹部16の開口(壁部18,18の間)から止めねじ(止着部材)20が挿入可能となっており、この止めねじ20は、被係合部16aに係合された係合部12のねじ孔12aにねじ込まれるようになっている。
そして、図6に示すように、ねじ孔12aに止めねじ20をねじ込んで締め付けていくと、止めねじ20の先端部が第2凹部17の底面に当接し、さらに止めねじ20をねじ込むと、この止めねじ20の回転によって係合部12が壁部18,18側に移動して当該壁部18,18に圧接することによって、係合部12が被係合部16aに固定されている。
【0024】
また、図5に示すように、ベース部材4の内側(保持体2の内側)を向く内側面には、凹部21がベース部材4の長手方向に沿って形成されており、この凹部21はベース部材4の内側面と両端面に開口している。
この凹部21には、図6に示すように、ベース部材4の長手方向に長尺な帯板状のLED基板1がベース部材4の端面側から挿入されている。
また、凹部21には、LED基板1の前方において透明な光学素子22がベース部材4の端面側から挿入されて収納されている。光学素子22は、透明な導光部材23とこの導光部材23を支持する支持部24とを有している。なお、導光部材23は、LED1aから射出された光を導光板5側に案内するもので、内部に入射した光を反射させつつ導光板5側に導き、導光板5側の端面から外部に射出させる。
【0025】
ベース部材4の上面縁部(外側の上面縁部)には、壁部19が上方に突出し、かつベース部材4の長手方向に沿って形成されている。したがって、ベース部材4の上面には、前記カバー部材7を載置する載置面4cが設けられている。この載置面4cにはねじ孔4d,4d(図2参照)が設けられている。
【0026】
導光部材23は、断面台形状に形成されており、図8に示すように、長尺な棒状となっている。また、支持部24は導光部材23の長手方向に沿って所定間隔でこれと一体的に、かつこの両側面から張り出すようにして形成されている。
導光部材23の一方の側面から張り出す支持部片24aの先端部は導光部材23の先端面23aより窪んでおり、支持部片24aの基端部は導光部材23の基端面23bより突出している。また、導光部材23の他方の側面から張り出す支持部片24bの先端部は導光部材23の先端面23aより突出しており、支持部片24bの基端部は導光部材23の基端面23bより突出している。
また、図6に示すように、支持部片24aの基端部と支持部片24bの基端部との間の距離は、LED1aの幅より長く、かつ、支持部片24aおよび支持部片24bのそれぞれ突出長さはLED1aの厚さより長くなっている。
そして、このような光学素子22は、その支持部片24a,24bの基端部をLED基板1に当接し、かつ支持部片24aの基端部と支持部片24bの基端部とでLED1aを跨ぐようにして、凹部21に収納されている。
【0027】
また、凹部21の入口部には凹部21からの光学素子22の抜け出しを防止する当接部25,26が設けられている。
当接部25は凹部21の入口部の上縁部から下方に向けて突出し、かつベース部材4の長手方向に沿って設けられている。そして、この当接部25に光学素子22の支持部片24aの先端部が当接されている。
また、当接部26は凹部21の入口部の下縁部から上方に向けて突出し、かつベース部材4の長手方向に沿って設けられ、さらに、当接部25より保持体2の内側に突出している。そして、この当接部26に光学素子22の支持部片24bの先端部が当接されている。また、当接部26の上面には前記導光板5の下面外周部が設置され、導光板5の側端面上部は当接部25の外面下部に当接して導光部材23と接触しないようになっている。
【0028】
また、凹部21の底部には押圧部材30がベース部材4の端面側から挿入されて設けられている。この押圧部材30は熱伝導性の優れた金属によって形成されており、LED1aに生じた熱をベース部材4に伝導して外部に放熱する。
また、押圧部材30は伸縮性を有しており、凹部21の底部に挿入された状態で弾性的に圧縮され、その弾性復帰力によって光学素子22の支持部24を当接部25,26に向けて押圧している。したがって、凹部21に収納された光学素子22は当接部25,26と押圧部材30とによって挟持された状態となり、これによって凹部21の深さ方向における位置決めがなされるとともに、深さ方向にガタが生じないようになっている。また、導光部材23がベース部材4の内周面から突出していないため、光照射装置の組立時や導光板5をベース部材4の内部に配置する際に導光部材23が傷付くのが防止される。さらに、光学素子22の支持部24を構成する支持部片24a,24bはそれぞれ凹部21の対向する内面に当接しているので、光学素子22の図6における上下方向の位置決めがなされている。
【0029】
また、導光板5はその側端面が光学素子22の導光部材23と所定の隙間をもって対向している。したがって、LED1aからの光は導光部材23の内部を通って導光板5にその側端面から入射する。
導光板5の表面(上面)には、導光板5に入射した光の一部を反射させて下方に案内するための多数の反射部(図示略)が所定間隔で設けられている。反射部は、例えば導光板5の表面に印刷によって黒色と白色とからなる2つの層を上下に重ねて設けることによって形成されている。なお、白色が下層を構成し、黒色が上層を構成している。
このような構成の導光板5を備えた光照射装置では、図5に示すように、検査対象物31に照射されて反射した検査用の光が前記反射部の間を透過して導光板5の上方に配置した撮像手段としてのCCDカメラ32に取り込まれるようになっている。なお、前記LED基板1、LED1a、導光板5、光学素子22が特許請求の範囲に言う発光体に該当する。
【0030】
図7は光照射装置の変形例を示す要部の断面図である。
図7では、ベース部材4に設ける凹部21Aが前記凹部21より浅くなっている。
また、光学素子22Aのレンズ23Aはシリンドリカルレンズであり、支持部24Aはレンズ23Aから張り出す張出部24Aによって構成されている。
その他の構成は図6に示す本実施の形態の光照射装置と同様であるので同一構成には同一符号を付してその説明を省略する。
【0031】
本実施の形態の光照射装置を組み立てる場合、4つのジョイント部材3と4つのベース部材4を用意し、予め、各ベース部材4の凹部21に、押圧部材30、LED1aが実装されたLED基板1および光学素子22を収納しておく。
また、4つのジョイント部材3のうち、1つのジョイント部材3Aの挿通孔10に外部から電気ケーブルKを挿通したうえで、抜止部11によって電気ケーブルKの抜け出しを防止しておく。
【0032】
次に、ベース部材4の両端部をそれぞれジョイント部材3,3に接続するが、その際、図4に示すように、ジョイント部材3の係合部12をベース部材4の被係合部16aに挿入して係合し、止めねじ20によりジョイント部材3とベース部材4とを固定する。
4つのジョイント部材3と4つのベース部材4とにより、平面視において正方形環状の保持体2を組み立て、電気ケーブルKを所定のLED基板1に接続する。
【0033】
最後に、導光板5をベース部材4の当接部26の上面に載置し、この導光板5の上面に保護板6を重ねて載置するとともに、保持体2の載置面4c,3cにカバー部材7を載置し、ねじ40,41によってカバー部材7を保持体2に固定する。
【0034】
以上のように本実施の形態によれば、4つのジョイント部材3と4つのベース部材4とにより矩形枠状の保持体2を構成するとともに、ベース部材4を押し出し品で形成したので、ベース部材4の長さを容易に変更することができる。また、ベース部材4の長さを変更することによって、保持体2の形状および大きさを容易に変更することができる。
例えば、4つのベース部材4の長さを変更するとともに、これらを同じ長さに設定することによって、保持体2の形状は相似形としたままで、大きさを容易に変更することができる。また、4つのベース部材4のうち、2つずつのベース部材4の長さを変更することによって、保持体の形状および大きさを容易に変更することができる。
また、保持体が矩形環状以外の多角形環状の場合でも、その角部の形状に対応したジョイント部材を用意し、ベース部材の長さを変更することによって、保持体の形状、大きさを容易に変更することができる。
したがって、大きさ、形状等が異なる場合でも容易かつ低コストで光照射装置を製造できる。
【0035】
また、ジョイント部材3の係合部12をベース部材4の被係合部16aに係合することによって、ジョイント部材3とベース部材4とを容易かつ確実に接合できるし、止めねじ(止着部材)20による固定によって、ジョイント部材3からベース部材4が外れるのを防止できる。
さらに、ジョイント部材3が挿通孔10と抜止部11とを有しているので、挿通孔10に挿通された電気ケーブルKの抜け出しを抜止部11によって防止できる。このため、電気ケーブルKの抜け出し防止のために、電気ケーブルKをジョイント部材3やベース部材4等によって押圧する必要がないので、電気ケーブルKの健全性を維持できる。
また、ベース部材4が凹部21と当接部25,26を有し、凹部21の底部に押圧部材30が設けられているので、凹部21に収納された光学素子22は、その支持部24が押圧部材30によって押圧されて当接部25,26に当接する。したがって、導光部材23を凹部21の所定の位置に位置決めして保持することができる。
また、導光部材23の形状や大きさが異なっている場合でも、押圧部材30の厚さを変更することによって、導光部材23を凹部21の所定の位置に位置決めして保持することができる。
例えば、図6(b)に示すように、導光部材23の厚さや支持部24の長さが図6(a)に示すものより小さくなっても、押圧部材30を厚くすることで対応することができる。
【0036】
なお、本実施の形態では、正方形環状の保持体2を例にとって説明したが、本発明では、保持体は正方形環状に限ることはなく、三角形環状を含む多角形環状の場合でも適用できる。この場合、ベース部材を棒状に形成し、ジョイント部材を多角形の角部を構成するような形状とすればよい。また、LED1aから射出される光は、可視光に限らず、紫外光や赤外光であっても良く、製品検査の態様に応じて適宜選択することができる。
【符号の説明】
【0037】
1 LED基板
2 LED(発光素子)
3,3A ジョイント部材
4 ベース部材
11 抜止部
12 係合部
15 凹部
16a 被係合部
20 止めねじ(止着部材)
21 凹部
22,22A 光学素子
23,23A 導光部材
24,24A支持部
25,26 当接部
30,30A 押圧部材
K 電気ケーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8