特許第6614911号(P6614911)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6614911画像読取装置、画像形成装置、原稿サイズ検出プログラムおよび原稿サイズ検出方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6614911
(24)【登録日】2019年11月15日
(45)【発行日】2019年12月4日
(54)【発明の名称】画像読取装置、画像形成装置、原稿サイズ検出プログラムおよび原稿サイズ検出方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20191125BHJP
   H04N 1/04 20060101ALI20191125BHJP
   G03B 27/62 20060101ALI20191125BHJP
【FI】
   H04N1/00 567H
   H04N1/04 106A
   G03B27/62
【請求項の数】4
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-204153(P2015-204153)
(22)【出願日】2015年10月16日
(65)【公開番号】特開2017-76915(P2017-76915A)
(43)【公開日】2017年4月20日
【審査請求日】2018年9月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168217
【弁理士】
【氏名又は名称】大村 和史
(72)【発明者】
【氏名】福留 正一
(72)【発明者】
【氏名】中西 健二
(72)【発明者】
【氏名】数藤 康裕
(72)【発明者】
【氏名】井口 和博
(72)【発明者】
【氏名】車 拓樹
【審査官】 宮島 潤
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−26714(JP,A)
【文献】 特開2008−216545(JP,A)
【文献】 特開2000−78364(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
G03B 27/50
G03B 27/58 − 27/64
G03G 13/04 − 13/056
G03G 15/00
G03G 15/04 − 15/056
H04N 1/04 − 1/207
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿が載置される原稿載置台、
前記原稿載置台に対して開閉可能に設けられる原稿押えカバー、
前記原稿載置台の下側に設けられ、前記原稿載置台に沿って移動することにより、前記原稿載置台に載置された前記原稿を読み取る画像読取部、
前記原稿押えカバーの開閉動作に連動して高さ位置が変位可能に設けられる発光部であって、前記原稿押えカバーが閉状態のときよりも、前記原稿押えカバーが開状態のときの方が、高さ位置が高くなる発光部と、前記原稿載置台を挟んで前記発光部と対向する位置に設けられる受光部とを有する原稿サイズ検出センサ、
前記原稿押えカバーの開閉状態を検出する開閉検出部、および
前記原稿押えカバーが開状態から閉状態になるまでの間に、前記原稿サイズ検出センサの出力に基づく前記原稿のサイズ判定を複数回実行し、同じサイズであることを示すサイズ判定結果が所定回数以上連続した場合に、当該サイズ判定結果のサイズを原稿サイズとして確定する原稿サイズ判定部を備え
前記原稿サイズ判定部は、同じ結果が前記所定回数以上連続する前記サイズ判定結果が複数存在する場合には、複数存在するサイズ判定結果うち、最後に判定したサイズ判定結果のサイズを前記原稿サイズとして採用する、画像読取装置。
【請求項2】
請求項記載の画像読取装置、および
前記画像読取装置によって読み取られた画像を記録媒体に印刷する画像形成部を備える、画像形成装置。
【請求項3】
原稿が載置される原稿載置台、前記原稿載置台に対して開閉可能に設けられる原稿押えカバー、前記原稿載置台の下側に設けられ、前記原稿載置台に沿って移動することにより、前記原稿載置台に載置された前記原稿を読み取る画像読取部、および前記原稿押えカバーの開閉動作に連動して高さ位置が変位可能に設けられる発光部であって、前記原稿押えカバーが閉状態のときよりも、前記原稿押えカバーが開状態のときの方が、高さ位置が高くなる発光部と、前記原稿載置台を挟んで前記発光部と対向する位置に設けられる受光部とを有する原稿サイズ検出センサを備える画像読取装置の原稿サイズ検出プログラムであって、
前記画像読取装置のプロセッサを、
前記原稿押えカバーの開閉状態を検出する開閉検出部、および
前記原稿押えカバーが開状態から閉状態になるまでの間に、前記原稿サイズ検出センサの出力に基づく前記原稿のサイズ判定を複数回実行し、同じサイズであることを示すサイズ判定結果が所定回数以上連続した場合に、当該サイズ判定結果のサイズを原稿サイズとして確定する原稿サイズ判定部として機能させ
前記原稿サイズ判定部は、同じ結果が前記所定回数以上連続する前記サイズ判定結果が複数存在する場合には、複数存在するサイズ判定結果うち、最後に判定したサイズ判定結果のサイズを前記原稿サイズとして採用する、原稿サイズ検出プログラム。
【請求項4】
原稿が載置される原稿載置台、前記原稿載置台に対して開閉可能に設けられる原稿押えカバー、前記原稿載置台の下側に設けられ、前記原稿載置台に沿って移動することにより、前記原稿載置台に載置された前記原稿を読み取る画像読取部、および前記原稿押えカバーの開閉動作に連動して高さ位置が変位可能に設けられる発光部であって、前記原稿押えカバーが閉状態のときよりも、前記原稿押えカバーが開状態のときの方が、高さ位置が高くなる発光部と、前記原稿載置台を挟んで前記発光部と対向する位置に設けられる受光部とを有する原稿サイズ検出センサを備える画像読取装置のプロセッサが実行する原稿サイズ検出方法であって、
(a)前記原稿押えカバーの開閉状態を検出するステップ、
(b)前記原稿押えカバーが開状態から閉状態になるまでの間に、前記原稿サイズ検出センサの出力に基づく前記原稿のサイズ判定を複数回実行するステップ、および
(c)前記ステップ(b)において同じサイズであることを示すサイズ判定結果が所定回数以上連続した場合に、当該サイズ判定結果のサイズを原稿サイズとして確定するステップを含み、
前記ステップ(c)では、同じ結果が前記所定回数以上連続する前記サイズ判定結果が複数存在する場合には、複数存在するサイズ判定結果うち、最後に判定したサイズ判定結果のサイズを前記原稿サイズとして採用する、原稿サイズ検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は画像読取装置、画像形成装置、原稿サイズ検出プログラムおよび原稿サイズ検出方法に関し、特にたとえば、原稿載置台に載置された原稿のサイズを検出する原稿サイズ検出機能を有する、画像読取装置、画像形成装置、原稿サイズ検出プログラムおよび原稿サイズ検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
原稿サイズ検出機能を有する従来の画像読取装置の一例が特許文献1に開示される。特許文献1の画像読取装置は、透光性の原稿台に載置される原稿の複数のサイズに応じてそれぞれ配置される発光部および受光部からなる複数のサイズ検知センサと、サイズ検知センサの発光部から受光部へ至る光が原稿台に載置された原稿によって遮られることにより原稿サイズを検知する検知部とを備える。また、原稿台に対する原稿カバーの角度を検出するための角度センサを備える。検知部は、原稿カバーが所定の角度まで閉められたことが検出されたときに、発光部を順次点灯させて、原稿サイズの検出を開始する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−26714号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術では、図9に示すように、発光部2は、原稿カバーの開閉動作の邪魔にならないようにするため、原稿カバーの開閉動作に連動してその高さ位置を変位可能とされる。このため、原稿サイズを検出するときの発光部2の高さ位置は、ユーザが原稿カバーを閉める速度によって変わる場合がある。ここで、カール原稿または角折れ原稿の原稿サイズを検出する場合、発光部2が正規の高い位置にあるときに原稿サイズが検出される場合は特に問題ないが、発光部2が低い位置にあるときに原稿サイズの検出が行われると、本来は遮られるはずの発光部2からの光が原稿のカールまたは角折れした部分を通過して受光部3にそのまま導かれ、原稿サイズが誤って判定される恐れがある。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、画像読取装置、画像形成装置、原稿サイズ検出プログラムおよび原稿サイズ検出方法を提供することである。
【0006】
この発明の他の目的は、カール原稿または角折れ原稿であっても、原稿サイズを正しく検出できる、画像読取装置、画像形成装置、原稿サイズ検出プログラムおよび原稿サイズ検出方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、原稿が載置される原稿載置台、原稿載置台に対して開閉可能に設けられる原稿押えカバー、原稿載置台の下側に設けられ、原稿載置台に沿って移動することにより原稿載置台に載置された原稿を読み取る画像読取部、原稿押えカバーの開閉動作に連動して高さ位置が変位可能に設けられる発光部であって原稿押えカバーが閉状態のときよりも原稿押えカバーが開状態のときの方が高さ位置が高くなる発光部と原稿載置台を挟んで発光部と対向する位置に設けられる受光部とを有する原稿サイズ検出センサ、原稿押えカバーの開閉状態を検出する開閉検出部、および原稿押えカバーが開状態から閉状態になるまでの間に、原稿サイズ検出センサの出力に基づく原稿のサイズ判定を複数回実行し、同じサイズであることを示すサイズ判定結果が所定回数以上連続した場合に、当該サイズ判定結果のサイズを原稿サイズとして確定する原稿サイズ判定部を備え、原稿サイズ判定部は、同じ結果が所定回数以上連続するサイズ判定結果が複数存在する場合には、複数存在するサイズ判定結果うち、最後に判定したサイズ判定結果のサイズを原稿サイズとして採用する、画像読取装置である。
【0008】
第1の発明では、画像形成装置は、原稿載置台に載置された原稿のサイズを検出する原稿サイズ検出機能を有する装置であり、原稿サイズ検出センサ、開閉検出部および原稿サイズ判定部などを備える。原稿サイズ検出センサは、たとえば光センサであって、原稿押えカバーの開閉動作に連動して高さ位置が変位可能に設けられる発光部と、原稿載置台を挟んで発光部と対向する位置に設けられる受光部とを有する。開閉検出部は、光センサ等の開閉センサからの出力に基づいて、原稿押えカバーの開閉状態を検出する。原稿サイズ判定部は、原稿押えカバーが開状態から閉状態になるまでの間に、原稿サイズ検出センサの出力に基づく原稿のサイズ判定を所定時間毎(たとえば100ミリ秒おき)に複数回実行し、同じサイズであることを示すサイズ判定結果が所定回数(たとえば4回)以上連続した場合に、当該サイズ判定結果のサイズを原稿サイズとして確定する。また、原稿サイズ判定部は、同じ結果が所定回数以上連続するサイズ判定結果が複数存在する場合には、複数存在するサイズ判定結果うち、最後(直近)に判定したサイズ判定結果のサイズを原稿サイズとして採用(確定)する。
【0009】
第1の発明によれば、原稿サイズ検出センサの出力に基づく原稿のサイズ判定を複数回実行し、同じサイズ判定結果が所定回数以上連続した場合に、当該サイズ判定結果のサイズを原稿サイズとして確定するので、カール原稿または角折れ原稿であっても、原稿サイズを正しく検出することができる。
【0011】
の発明は、第の発明に係る画像読取装置、および画像読取装置によって読み取られた画像を記録媒体に印刷する画像形成部を備える、画像形成装置である。
【0012】
の発明は、原稿が載置される原稿載置台、原稿載置台に対して開閉可能に設けられる原稿押えカバー、原稿載置台の下側に設けられ、原稿載置台に沿って移動することにより原稿載置台に載置された原稿を読み取る画像読取部、および原稿押えカバーの開閉動作に連動して高さ位置が変位可能に設けられる発光部であって原稿押えカバーが閉状態のときよりも原稿押えカバーが開状態のときの方が高さ位置が高くなる発光部と原稿載置台を挟んで発光部と対向する位置に設けられる受光部とを有する原稿サイズ検出センサを備える画像読取装置の原稿サイズ検出プログラムであって、画像読取装置のプロセッサを、原稿押えカバーの開閉状態を検出する開閉検出部、および原稿押えカバーが開状態から閉状態になるまでの間に、原稿サイズ検出センサの出力に基づく原稿のサイズ判定を複数回実行し、同じサイズであることを示すサイズ判定結果が所定回数以上連続した場合に、当該サイズ判定結果のサイズを原稿サイズとして確定する原稿サイズ判定部として機能させ、原稿サイズ判定部は、同じ結果が所定回数以上連続するサイズ判定結果が複数存在する場合には、複数存在するサイズ判定結果うち、最後に判定したサイズ判定結果のサイズを原稿サイズとして採用する、原稿サイズ検出プログラムである。
【0013】
の発明は、原稿が載置される原稿載置台、原稿載置台に対して開閉可能に設けられる原稿押えカバー、原稿載置台の下側に設けられ、原稿載置台に沿って移動することにより原稿載置台に載置された原稿を読み取る画像読取部、および原稿押えカバーの開閉動作に連動して高さ位置が変位可能に設けられる発光部であって原稿押えカバーが閉状態のときよりも原稿押えカバーが開状態のときの方が高さ位置が高くなる発光部と原稿載置台を挟んで発光部と対向する位置に設けられる受光部とを有する原稿サイズ検出センサを備える画像読取装置のプロセッサが実行する原稿サイズ検出方法であって、(a)原稿押えカバーの開閉状態を検出するステップ、(b)原稿押えカバーが開状態から閉状態になるまでの間に、原稿サイズ検出センサの出力に基づく原稿のサイズ判定を複数回実行するステップ、および(c)ステップ(b)において同じサイズであることを示すサイズ判定結果が所定回数以上連続した場合に、当該サイズ判定結果のサイズを原稿サイズとして確定するステップを含み、ステップ(c)では、同じ結果が所定回数以上連続するサイズ判定結果が複数存在する場合には、複数存在するサイズ判定結果うち、最後に判定したサイズ判定結果のサイズを原稿サイズとして採用する、原稿サイズ検出方法である。
【0014】
ないし第の発明においても、第1の発明と同様の作用効果を奏し、カール原稿または角折れ原稿であっても、原稿サイズを正しく検出することができる。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、原稿サイズ検出センサの出力に基づく原稿のサイズ判定を複数回実行し、同じサイズ判定結果が所定回数以上連続した場合に、当該サイズ判定結果のサイズを原稿サイズとして確定するので、カール原稿または角折れ原稿であっても、原稿サイズを正しく検出することができる。
【0016】
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う後述の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】この発明の第1実施例の複合機の内部構造を概略的に示す断面図である。
図2図1に示す複合機の電気的な構成の一例を示すブロック図である。
図3図1に示す複合機が備える開閉センサの一例を概略的に示す図解図であって、(A)は原稿押えカバーが開状態のときの開閉センサの様子を示す図解図であり、(B)は原稿押えカバーが閉状態のときの開閉センサの様子を示す図解図であり、(C)は開閉センサの平面図である。
図4】第1実施例の画像読取装置を示す平面図である。
図5図4に示す画像読取装置を側方から見た断面を概略的に示す断面図である。
図6】原稿サイズ検出センサを用いた原稿サイズの検出方法を説明するための図解図である。
図7図2に示すRAMのメモリマップの一例を示す図解図である。
図8図2に示すCPUの原稿サイズ検出処理を示すフロー図である。
図9】従来の画像読取装置が備える原稿サイズ検出センサを示す図解図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[第1実施例]
図1は、この発明の第1実施例の画像形成装置の内部構造を概略的に示す図解図である。この図1を参照して、この発明の理解に必要な範囲で、画像形成装置についての概略を説明する。図1は、画像形成装置の一例として、複写機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能などを有する複合機(MFP:Multifunction Peripheral)100を図示する。ただし、この発明は、画像読取装置10(スキャナ機能)または少なくとも画像読取装置10を備える任意の画像形成装置に適用できることを予め指摘しておく。
【0019】
図1に示すように、複合機100は、画像読取装置10を含み、この画像読取装置10は、複合機本体12の上方に配置される。
【0020】
画像読取装置10は、透明材によって形成される原稿載置台16を備える。原稿載置台16の上方には、ヒンジ等を介して原稿押えカバー18が開閉自在に取り付けられる。ヒンジは、画像読取装置10の背面側(奥側)に設けられ、原稿押えカバー18は、背面側を支点として前面側が上下動するように開閉自在とされる。この原稿押えカバー18には、原稿載置トレイ20に載置された原稿を画像読取位置22に対して1枚ずつ自動的に給紙するADF(自動原稿送り装置)24が設けられる。ただし、ADF24は必ずしも設けられる必要はない。また、図1では省略するが、原稿載置台16の前面側には、ユーザによる印刷指示等の入力操作を受け付けるタッチパネルおよび操作ボタン等の操作部72(図2参照)が設けられる。
【0021】
また、画像読取装置10には、光源、複数のミラー、結像レンズおよびラインセンサ等を備える画像読取部26が内蔵される。画像読取部26は、原稿載置台16上に載置された原稿、またはADF24によって画像読取位置22に給紙された原稿の表面の画像に基づく画像データを生成する。具体的には、画像読取部26は、原稿表面を光源によって露光し、原稿表面から反射した反射光を複数のミラーによって結像レンズに導く。そして、結像レンズによって反射光をラインセンサの受光素子に結像させる。ラインセンサでは、受光素子に結像した反射光の輝度や色度が検出され、原稿表面の画像に基づく画像データが生成される。ラインセンサとしては、CCD(Charge Coupled Device)やCIS(Contact Image Sensor)等が用いられる。
【0022】
さらに、詳細は後述するように、画像読取装置10には、開閉センサ74および原稿サイズ検出センサ76等が設けられる。
【0023】
複合機本体12には、制御部28および画像形成部30などが内蔵される。制御部28は、CPU78およびメモリ80,82,84(図2参照)等を備え、タッチパネル等の操作部72への入力操作などに応じて、複合機100の各部に制御信号を送信し、複合機100に種々の動作を実行させる。
【0024】
画像形成部30は、露光ユニット32、現像器34、感光体ドラム36、クリーナユニット38、帯電器40、中間転写ベルトユニット42、転写ローラ44および定着ユニット46等を備え、給紙トレイ48または手差し給紙トレイ50から搬送される用紙(記録媒体)上に画像を形成し、画像形成済みの用紙を排紙トレイ52に排出する。用紙上に画像を形成するための画像データとしては、画像読取装置10の画像読取部26で読み取った画像データまたは外部コンピュータから送信された画像データ等が利用される。
【0025】
なお、複合機100において扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)およびイエロー(Y)の4色のカラー画像に応じたものである。このため、現像器34、感光体ドラム36、クリーナユニット38および帯電器40のそれぞれは、各色に応じた4種類の潜像を形成するように4個ずつ設けられ、これらによって4つの画像ステーションが構成される。
【0026】
感光体ドラム36は、導電性を有する円筒状の基体の表面に感光層が形成された像担持体であり、帯電器40は、この感光体ドラム36の表面を所定の電位に帯電させる部材である。また、露光ユニット32は、レーザ出射部および反射ミラー等を備えたレーザスキャニングユニット(LSU)として構成され、帯電された感光体ドラム36の表面を露光することによって、画像データに応じた静電潜像を感光体ドラム36の表面に形成する。現像器34は、感光体ドラム36の表面に形成された静電潜像を4色(YMCK)のトナーによって顕像化するものである。また、クリーナユニット38は、現像および画像転写後における感光体ドラム36の表面に残留したトナーを除去する。
【0027】
中間転写ベルトユニット42は、中間転写ベルト54、駆動ローラ56、従動ローラ58および4つの中間転写ローラ60等を備え、感光体ドラム36の上方に配置される。中間転写ベルト54は、各感光体ドラム36に接触するように設けられており、中間転写ローラ60を用いて、各感光体ドラム36に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト54に順次重ねて転写することによって、中間転写ベルト54上に多色のトナー像が形成される。また、駆動ローラ56の近傍には、転写ローラ44が配置されており、中間転写ベルト54と転写ローラ44との間のニップ域を用紙が通過することによって、中間転写ベルト54に形成されたトナー像が用紙に転写される。
【0028】
定着ユニット46は、ヒートローラ62および加圧ローラ64を備え、転写ローラ44の上方に配置される。ヒートローラ62は、所定の定着温度となるように設定されており、ヒートローラ62と加圧ローラ64との間のニップ域を用紙が通過することによって、用紙に転写されたトナー像が溶融、混合および圧接されて、用紙に対してトナー像が熱定着される。
【0029】
このような複合機本体12内には、給紙トレイ48または手差し給紙トレイ50からの用紙をレジストローラ68、転写ローラ44および定着ユニット46を経由させて排紙トレイ52に送るための第1用紙搬送路R1が形成される。また、用紙に対して両面印刷を行う際に、片面印刷が終了して定着ユニット46を通過した後の用紙を、転写ローラ44の用紙搬送方向の上流側において第1用紙搬送路R1に戻すための第2用紙搬送路R2が形成される。この第1用紙搬送路R1および第2用紙搬送路R2には、用紙に補助的に推進力を与えるための複数の搬送ローラ66が適宜設けられる。
【0030】
複合機本体12において片面印刷(画像形成)を行う際には、給紙トレイ48または手差し給紙トレイ50の用紙が1枚ずつ第1用紙搬送路R1に導かれ、搬送ローラ66によってレジストローラ68まで搬送される。そして、レジストローラ68によって、用紙の先端と中間転写ベルト54上の画像情報の先端とが整合するタイミングで転写ローラ44に搬送され、用紙上にトナー像が転写される。その後、定着ユニット46を通過することによって用紙上の未定着トナーが熱で溶融して固着され、排紙ローラ70を経て排紙トレイ52上に用紙が排出される。
【0031】
一方、両面印刷を行う際には、片面印刷が終了して定着ユニット46を通過した用紙の後端部が排紙トレイ52近傍の排紙ローラ70まで到達したとき、この排紙ローラ70を逆回転させることによって、用紙が逆走して第2用紙搬送路R2に導かれる。第2用紙搬送路R2に導かれた用紙は、搬送ローラ66によって第2用紙搬送路R2を搬送されて、レジストローラ68の用紙搬送方向の上流側において第1用紙搬送路R1に導かれる。この時点で用紙の表裏は反転されるので、その後、転写ローラ44および定着ユニット46を用紙が通過することによって、用紙の裏面に印刷が行われる。
【0032】
図2は、図1に示した複合機100の電気的な構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、複合機100は、CPU78を含み、CPU78は、バス86を介して、ROM80、RAM82およびHDD84に接続される。また、CPU78には、バス86を介して、画像読取部26、画像形成部30、操作部72、開閉センサ74および原稿サイズ検出センサ76等が接続される。
【0033】
CPU78は、複合機100の全体的な制御を司る。ROM80は、複合機100の起動プログラムや各種情報についてのデフォルト値を記憶する。RAM82は、CPU78のワーキング領域およびバッファ領域として用いられる。HDD84は、複合機100の主記憶装置であり、たとえば、画像読取部26で読み取った画像データおよび外部コンピュータから送信された画像データ等を保存する。なお、CPU78は、RAM82をバッファ領域およびワーク領域として使用して、複合機100の全体を制御するため、制御部28のうち、少なくともCPU78およびRAM82は画像読取装置10にも含まれる。
【0034】
上記のように、画像読取部26は、CPU78からの指示に従って、原稿載置台16上に載置された原稿、またはADF24によって給紙された原稿の表面の画像に基づく画像データを生成する。画像形成部30は、CPU78からの指示に従って、画像データに対応する画像を記録紙(用紙)などに印刷する。操作部72は、タッチパネルおよび操作ボタン等で構成され、ユーザの操作に従う操作信号(操作データ)をCPU78に与える。
【0035】
開閉センサ74は、原稿押えカバー18の開閉状態を検出するためのセンサであり、アクチュエータ74aと光学センサ74bとを備える。開閉センサ74は、原稿載置台16と原稿押えカバー18とのなす角度が所定角度(たとえば15度)となったときに、開閉判断が切り替わるように構成される。
【0036】
図3は、開閉センサ74の構成を示す概略図である。図3(A)および図3(B)に示すように、アクチュエータ74aは、原稿押えカバー18の開閉動作に応じて、上下方向に移動される。また、図3(C)に示すように、光学センサ74bは、平面視で(アクチュエータ74aの移動方向の上方から見て)U字状に形成され、対向する2つの辺のうち、一方の辺側に発光部74cが設けられ、他方の辺側に受光部74dが設けられる。
【0037】
図3(A)に示すように、原稿押えカバー18が開かれた状態(開状態)では、アクチュエータ74aは上方に移動され、発光部74cから出力される光は、受光部74dで受光される。一方、図3(B)に示すように、原稿押えカバー18が閉じられた状態(閉状態)では、アクチュエータ74aが原稿押えカバー18によって押し下げられる。これによって、発光部74cから出力される光は、アクチュエータ74aで遮られ、受光部74dで受光されない、または、受光量が低減する。したがって、開閉センサ74の受光部74dにおける受光量を検出することによって、原稿押えカバー18の開閉状態を判定することができる。
【0038】
次に、図4図6を参照して、原稿サイズ検出センサ76の構成について説明する。図4は、画像読取装置10を上方から見た様子を示す平面図であり、図5は、画像読取装置10を側方から見た断面を概略的に示す断面図である。
【0039】
図4および図5に示すように、原稿サイズ検出センサ76は、光学センサであって、原稿載置台16の背面側上部に設けられる発光センサユニット88と前面側下部に設けられる受光センサユニット90とを含む。
【0040】
発光センサユニット88は、横方向(副走査方向)に所定の配置間隔で並ぶ複数の発光部94(第1実施例では、第1発光部94a〜第7発光部94gの7つ)を備える。発光部94は、横方向に延びる支軸92aを中心に傾動可能に設けられるホルダ92の上端部に保持される。ホルダ92は、原稿押えカバー18(図4および図5では省略)が開かれて原稿押えカバー18からの押圧力が除かれると、図示しないばね機構によって、原稿載置台16に対する角度が所定角度(たとえば30度)となるように起き上がる。また、ホルダ92は、原稿押えカバー18が閉じられて原稿押えカバー18から押圧力が加えられると、略水平状態になるまで下方に傾動する。したがって、発光部94は、原稿押えカバー18の開閉動作に連動してその高さ位置が変位する。
【0041】
一方、受光センサユニット90は、上述の第1発光部94a〜第7発光部94gのそれぞれと原稿載置台16を挟んで対向するように設けられる複数の受光部96(第1受光部96a〜第7受光部96g)を備える。
【0042】
図6は、原稿サイズ検出センサ76を用いた原稿サイズの検出方法を説明するための図解図であり、発光部94および受光部96の配置位置を示す図解図である。
【0043】
図6に示すように、原稿載置台16に原稿を載置して画像を読み取る場合、原稿は、原稿載置台16の左上角の基準位置に原稿の角を合わせるように載置される。この際、A5、B5、A4、B5R、A4R、B4およびA3の各サイズの原稿において、その右端の位置が異なるので、発光部94および受光部96のそれぞれは、各サイズの原稿の右端部に対応する位置に配置される。すなわち、第1から第7までの発光部94a〜94gおよび受光部96a〜96gのそれぞれは、その順に、A5、B5、A4、B5R、A4R、B4およびA3の各サイズの原稿の右端部に対応する位置に配置される。
【0044】
原稿サイズ検出センサ76を上述のような配置構成にすることによって、第1発光部94a〜第7発光部94gのそれぞれから出力される光は、原稿載置台16の前後方向中央部のやや奥側寄りの位置を透過して、第1受光部96a〜第7受光部96gのそれぞれで受光される。そして、原稿載置台16に原稿が載置されると、その原稿サイズに対応する位置にある発光部94からの光が原稿によって遮断され、受光部96で受光されなくなる。したがって、第1受光部96a〜第7受光部96gにおける受光の有無を検出することによって、原稿サイズを判定することができる。
【0045】
たとえば、原稿載置台16にA5サイズの原稿が載置された場合、第2発光部94b〜第7発光部94gのそれぞれから出力される光は、第2受光部96b〜第7受光部96gのそれぞれで受光されるが、第1発光部94aから出力された光は、原稿によって遮られ、第1受光部96aでは受光されない。したがって、第1受光部96aでの受光のみが検出されない場合には、原稿サイズはA5サイズであると判定できる。また、たとえば、原稿載置台16にB5サイズの原稿が載置された場合、第3発光部94c〜第7発光部94gのそれぞれから出力される光は、第3受光部96c〜第7受光部96gのそれぞれで受光されるが、第1発光部94aおよび第2発光部94bから出力された光は、原稿によって遮られ、第1受光部96aおよび第2受光部96bでは受光されない。したがって、第1受光部96aおよび第2受光部96bでの受光のみが検出されない場合には、原稿サイズはB5サイズであると判定できる。残りの原稿サイズについても同様に判定可能である。
【0046】
ここで、従来の複合機では、通常、原稿押えカバーが所定の角度まで閉められたことが検出されたときに、発光部を点灯させて原稿サイズを検出する。しかしながら、これでは、原稿にカールまたは角折れがある場合、ユーザが原稿押えカバーを閉める速度によっては、発光部の高さ位置が低くなった状態で光が出力される場合がある。すると、本来は遮られるはずの光が原稿のカールまたは角折れした部分を通過して受光部にそのまま導かれ、原稿サイズが誤って判定される恐れがある(図9参照)。
【0047】
そこで、この第1実施例の複合機100では、原稿押えカバー18が開状態から閉状態になるまでの間に、原稿サイズ検出センサ76の出力に基づく原稿のサイズ判定を所定時間毎に複数回実行し、同じサイズであることを示すサイズ判定結果が所定回数以上連続した場合に、当該サイズ判定結果のサイズを原稿サイズとして確定するようにしている。これは、発光部94が正規の高い位置にあるとき、つまりホルダ92が正規の所定角度(たとえば30度)で起立しているときには、原稿にカールまたは角折れがある場合であっても、原稿サイズを誤検知する可能性は低いからである。また、原稿押えカバー18が開状態である場合は、発光部94が正規の高い位置にある状態が所定時間以上維持され、その間のサイズ判定は正しい判定結果が連続すると考えられるからであり、誤った判定結果が連続する可能性は極めて低いと考えられるからである。
【0048】
具体的には、この第1実施例では、開閉センサ74からの出力に基づいて原稿押えカバー18の開状態が検出されると、発光部94(第1発光部94a〜第7発光部94g)のそれぞれから光を出力し、受光部96(第1受光部96a〜第7受光部96g)のそれぞれにおける受光の有無に基づいて行う原稿のサイズ判定を、所定時間毎に(たとえば100ミリ秒おきに)繰り返す。その後、開閉センサ74からの出力に基づいて原稿押えカバー18の閉状態が検出されると、サイズ判定の繰り返しを停止する。そして、同じサイズであることを示すサイズ判定結果が所定回数以上(たとえば4回以上)連続したものがある場合に、当該サイズ判定結果のサイズを原稿サイズとして確定する。なお、同じサイズ判定結果が所定回数以上連続したものがない場合には、最後に判定したサイズ判定結果のサイズを採用するとよい。
【0049】
これによって、カール原稿または角折れ原稿であっても、ユーザが原稿押えカバー18を閉める速度によらず、原稿サイズが正しく検出される。その後、ユーザによって操作部72のコピーボタンが操作されると、確定したサイズ判定結果に応じて、原稿載置台16に載置された原稿を読み取り(スキャンし)、読み取った画像データに対応する画像を記録紙などに印刷する。
【0050】
ただし、原稿押えカバー18が閉じられていない状態でコピーボタンが操作される場合も想定される。この場合には、コピーボタンの操作を検出した時点で、サイズ判定の繰り返しを停止し、原稿の読み取りを行う前に、原稿サイズの確定を上記と同様に行うとよい。
【0051】
また、この第1実施例では、同じサイズであることを示すサイズ判定結果が所定回数以上連続するものが複数存在する場合には、複数存在するサイズ判定結果うち、最後(直近)に判定したサイズ判定結果のサイズを原稿サイズとして採用する。これは、ユーザが原稿載置台16の原稿を置く際、最初は原稿を基準位置からずれた位置に置き、その後、正しい位置に置き直すような場合が想定されるからである。
【0052】
図7図2に示したRAM82のメモリマップ110の一例を示す図解図である。図7に示すように、RAM82は、プログラム記憶領域112およびデータ記憶領域114を含む。プログラム記憶領域112には、複合機100を制御するための制御プログラムが記憶され、制御プログラムは、操作検出プログラム112a、画像読取プログラム112b、画像形成プログラム112c、開閉検出プログラム112dおよび原稿サイズ検出プログラム112eなどを含む。
【0053】
操作検出プログラム112aは、ユーザによって操作された操作部72からの操作入力を検出するためのプログラムである。たとえば、操作入力は、コピーボタンなどの各種の操作ボタン(ハードウェアのボタン)を操作したことに応じて入力される操作データおよびタッチパネルを操作したことに応じて入力されるタッチ座標データである。
【0054】
画像読取プログラム112bは、画像読取部26を制御して、原稿台に載置された原稿またはADF24から給紙された原稿を読み取り、原稿表面の画像に基づく画像データを生成するためのプログラムである。画像形成プログラム112cは、画像形成部30を制御して、画像データに対応する画像を記録紙(用紙)などに印刷するためのプログラムである。
【0055】
開閉検出プログラム112dは、原稿押えカバー18の開閉状態を検出するためのプログラムであって、上述したように、開閉センサ74の出力を検出し、原稿押えカバー18が開状態または閉状態のいずれであるかを判断(検出)する。
【0056】
原稿サイズ検出プログラム112eは、原稿載置台16に載置された原稿のサイズを検出するためのプログラムである。この実施例では、原稿サイズ検出プログラム112eは、上述したように、開閉検出プログラム112dによって検出された原稿押えカバー18の開閉状態に関する情報を取得し、原稿押えカバー18が開状態から閉状態になるまでの間に、原稿サイズ検出センサ76の出力に基づく原稿のサイズ判定を所定所間毎に複数回実行し、同じ判定結果が所定回数以上連続した場合に、その判定結果のサイズを原稿サイズとして確定する。
【0057】
また、図示は省略するが、プログラム記憶領域112には、上記以外にも、複合機100の機能を実行するための他のプログラムが適宜記憶される。
【0058】
一方、データ記憶領域114には、操作データバッファ114a、画像データバッファ114bおよび原稿サイズデータバッファ114cが設けられる。
【0059】
操作データバッファ114aは、操作部72からの操作入力を一時記憶するためのバッファである。画像データバッファ114bは、画像読取部26で読み取った画像データおよび外部コンピュータから送信された画像データ等を一時記憶するためのバッファである。原稿サイズデータバッファ114cは、原稿サイズ検出プログラム112eに従って検出された原稿サイズ(仮確定サイズおよび確定サイズを含む)についてのデータ等を一時記憶するためのバッファである。
【0060】
また、図示は省略するが、データ記憶領域114には、上記以外にも、制御プログラムの実行に必要な他のデータが記憶されたり、制御プログラムの実行に必要なタイマ(カウンタ)およびフラグが設けられたりする。
【0061】
図8は、図2に示すCPU78の原稿サイズ検出処理の一例を示すフロー図である。複合機100の主電源がオンされたり、スタンバイ状態(省電力モード)から復帰されたりすると、図8に示すように、CPU78は、原稿サイズ検出処理を開始し、ステップS1で、原稿押えカバー18が開いているかどうかを判断する。ここでは、CPU78は、開閉センサ74の出力を検出して、原稿押えカバー18が開状態であるか否かを判断する。
【0062】
ステップS1で“NO”であれば、つまり原稿押えカバー18が閉状態である場合には、そのままステップS1の処理を繰り返す。一方、ステップS1で“YES”であれば、つまり原稿押えカバー18が開状態である場合には、ステップS3で、原稿サイズのカウンタをリセットする。ここで、図9に示す“count”は、同じサイズであることを示すサイズ判定結果が連続した場合のその連続数をカウントした数値である。また、“Size0”は、直前のサイズ判定結果を示し、“Size1”は、現在のサイズ判定結果を示す。
【0063】
次のステップS5では、原稿サイズ検出センサ76の発光部94をオンにする。すなわち、CPU78は、第1発光部94a〜第7発光部94gのそれぞれから光を出力するように、原稿サイズ検出センサ76に指示を送る。また、ステップS7では、原稿サイズ検出センサ76の受光部96の検出情報を取得する。すなわち、CPU78は、第1受光部96a〜第7受光部96gのそれぞれにおける受光の有無に関する情報を取得する。
【0064】
続くステップS9では、ステップS7で取得した受光部96の検出情報に基づき、原稿サイズを仮確定する。ここでは、CPU78は、受光部96における検出情報に基づいて原稿のサイズ判定を実行し、その判定結果に関する情報を仮確定結果としてRAM82に記憶する。ここで、図9に示す“α”は、A5サイズおよびB5サイズなどの原稿サイズの種類を示す識別番号である。また、“SizeL”は、最終のサイズ判定結果を示し、“countL”は、連続数をカウントした数値の最終値である。さらに、“N”は、同じ判定結果が所定回数以上連続したか否かを判断するための閾値である。
【0065】
すなわち、ステップS9では、CPU78は、原稿のサイズ判定を実行し、直前のサイズ判定結果“Size0”と現在のサイズ判定結果“Size1”とが同じであれば、“count”を1つ加算する。一方、直前のサイズ判定結果“Size0”と現在のサイズ判定結果“Size1”とが異なれば、“count”を0に戻す。また、この際、“count”が閾値“N”以上となれば、現在のサイズ判定結果“Size1”を最終のサイズ判定結果“SizeL”として仮確定して記憶し、現在の“count”を最終カウント数“countL”として仮確定して記憶しておく。そして、現在のサイズ判定結果“Size1”を直前のサイズ判定結果“Size0”に設定して、ステップS11に進む。
【0066】
ステップS11では、原稿押えカバー18が閉じているかどうかを判断する。ここでは、CPU78は、開閉センサ74の出力を検出して、原稿押えカバー18が閉状態であるか否かを判断する。
【0067】
ステップS11で“NO”であれば、つまり原稿押えカバー18が開状態である場合には、ステップS13で100ミリ秒間待機した後、ステップS5に戻り、原稿のサイズ判定を繰り返す。一方、ステップS11で“YES”であれば、つまり原稿押えカバー18が閉状態である場合には、ステップS15に進む。
【0068】
ステップS15では、原稿サイズを確定する。すなわち、CPU78は、最終カウント数“countL”が閾値“N”以上の場合、ステップS11で仮確定して記憶しておいた最終のサイズ判定結果“SizeL”を最終のサイズ判定結果“SizeL”として確定する。一方、それ以外の場合は、現在(つまり最終)のサイズ判定結果“Size1”を最終のサイズ判定結果“SizeL”として確定する。ステップS15の処理が終了すると、この原稿サイズ検出処理を終了する。
【0069】
以上のように、この第1実施例によれば、原稿サイズ検出センサ76の出力に基づく原稿のサイズ判定を所定時間毎に複数回実行し、同じサイズであることを示すサイズ判定結果が所定回数以上連続した場合に、当該サイズ判定結果のサイズを原稿サイズとして確定するので、カール原稿または角折れ原稿であっても、原稿サイズを正しく検出することができる。
【0070】
[第2実施例]
次に、この発明の第2実施例である複合機100について説明する。この第2実施例では、原稿サイズの確定方法が上述の第1実施例と異なる。その他の部分については同様であるので、上述の第1実施例と重複する説明は、省略または簡略化する。
【0071】
簡単に説明すると、第2実施例では、同じサイズであることを示すサイズ判定結果が所定回数以上連続するものが複数存在する場合には、複数存在するサイズ判定結果うち、最も大きいサイズを示すサイズ判定結果のサイズを原稿サイズとして採用する。これは、カール原稿または角折れ原稿のサイズ判定を行う場合、誤った判定結果は、原稿サイズを小さく判定している可能性が高いからである。
【0072】
第2実施例においても、第1実施例と同様の作用効果を奏し、カール原稿または角折れ原稿であっても、原稿サイズを正しく検出することができる。
【0073】
[第3実施例]
続いて、この発明の第3実施例である複合機100について説明する。この第3実施例では、原稿サイズの確定方法が上述の第1実施例と異なる。その他の部分については同様であるので、上述の第1実施例と重複する説明は、省略または簡略化する。
【0074】
簡単に説明すると、第3実施例では、同じサイズであることを示すサイズ判定結果が所定回数以上連続するものが複数存在する場合には、複数存在するサイズ判定結果うち、連続した回数が最も多いサイズ判定結果のサイズを原稿サイズとして採用する。これは、原稿は原稿載置台16の正しい位置に置かれている時間が最も長く、原稿押えカバー18を閉める速度によらず、正しい判定結果が一番長く連続する可能性が高いからである。
【0075】
第2実施例においても、第1実施例と同様の作用効果を奏し、カール原稿または角折れ原稿であっても、原稿サイズを正しく検出することができる。
【0076】
なお、上述の実施例では、日本国内で主として用いられるAB系の原稿サイズに対応するように、原稿サイズ検出センサ76の発光部94および受光部96を配置しているが、インチ系の原稿サイズに対応させるように発光部94および受光部96を配置し、インチ系の原稿サイズを検出するようにすることも可能である。また、発光部94および受光部96の数は、適宜変更可能であり、必ずしも7組である必要はない。
【0077】
また、原稿サイズ検出センサ76の構成としては、上端部に発光部94を備えるホルダ92を傾動可能に設ける代わりに、その位置に反射板を傾動可能に設けておき、反射板の下方に配置した発光部から出力された光が、反射板を介して受光部に受光される構成としてもよい。
【0078】
さらに、上述の実施例では、原稿が読み取られて、読み取られた画像データに対応する画像を用紙に印刷する場合(コピーモード)について説明したが、単に、原稿を読み取る場合(スキャナモード)にも適用可能である。
【0079】
また、上で挙げた検出時間および検出回数の閾値などの具体的数値は、いずれも単なる一例であり、製品の仕様などの必要に応じて適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0080】
10 …複合機(画像形成装置)
12 …複合機本体
14 …画像読取装置
16 …原稿載置台
18 …原稿押えカバー
26 …画像読取部
28 …制御部
74 …開閉センサ
76 …原稿サイズ検出センサ
78 …CPU
94(94a〜94g) …原稿サイズ検出センサの発光部
96(96a〜96g) …原稿サイズ検出センサの受光部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9