【実施例】
【0061】
実施例
これより、以下の実施例に記載の特定の実施形態を参考にして、より詳細に本発明を例示する。実施例は、本発明の純粋な例示を意図するものであり、決してその範囲を限定することを意図しない。
【0062】
実施例1.ウサギにおけるノロウイルスワクチン製剤のGLP毒性試験
本試験の目的は、ウサギへの3回の鼻腔内投薬後、ノーウォークウイルス(Norwalk virus)−ウイルス様粒子(NV−VLP)ワクチンの潜在的毒性を評価することであった。NV−VLPワクチンは、(10mgの乾燥粉末あたり)25μgの遺伝子群I VLP、25μgのMPL、7mgのキトサングルタミン酸、1.475mgのマンニトール、および1.475mgのスクロースを含有した。試験は、8週間の期間、行った。4週間の非処置回復間隔後、効果の持続性、可逆性、または発症の遅延を評価した。60匹のニュージーランドホワイト(New Zealand White)種ウサギ(30匹/性別)を、無作為に3つの群(10匹のウサギ/性別/群)に割り当てた。群1の動物には、投薬しなかった(即ち、未処置)。群2の動物に、10mg/鼻孔(合計で20mg)のプラセボ(即ち、アジュバント/賦形剤:MPL、キトサン、スクロース、およびマンニトール)を投与した。群3の動物に、10mg/鼻孔(合計で20mg)のNV−VLPワクチン(1つの鼻孔あたり25μgの抗原(合計で50μg)を示す)を投与した。群2および3の動物に対し、試験日(SD)1、22、および43日目に、Bespak Unidose鼻腔内乾燥粉末デバイスを使用する鼻腔内投与によって、投薬を行った。動物(5匹/群/性別)を、SD46および74日目に、全体的な肉眼的剖検に供した。試験中に評価したパラメータには、死亡率、臨床観察およびケージ観察、体重、体重変化、食物摂取、体温、眼科検査、臨床病理(臨床検査、血液検査、および尿検査)、肉眼的病理、器官重量データ、および組織病理が含まれる。試験の概要を表1にまとめて示す。試験の結果を表2にまとめて示す。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】
ケージ観察では、有意な所見は認められなかった。血液検査の測定値(グロブリンおよび総タンパク質の増加)は、Bリンパ球ポリクローナル活性化の特徴を示したが、これは、アジュバントの影響が原因と考えられ得る。組織病理学的所見は、両方の群のウサギの鼻甲介の粘膜固有層内か、もしくは鼻道内において離れて認められる様々な程度の炎症性浸潤、および/または鼻道に認められる軽度の出血からなった。観察された病巣は、免疫反応において予想され得るものであった。両群の病巣は、本質的に制限され、試験日74日目までに完全に消失した。
【0066】
ELISAによりNV−VLP特異的IgGについて分析した血清学的サンプルは、単回投薬の10日目に、免疫動物の30%において測定可能な抗NV−VLP力価を示した(
図1を参照のこと)。22および43日目の追加処置により、抗体陽転した動物数および産物特異的抗体のレベルの両方が増加し、73日目までに、免疫動物の90%が抗体陽転した。未処置またはマトリックス処置対照のうち、定量化可能なレベルのNV−VLP特異的抗体を有するものは認められなかった(データ示さず)。
【0067】
1、15および29日目に同じ製剤で鼻腔内に免疫を行ったさらなる組のウサギのメモリーB細胞応答を評価することによって、免疫応答をさらに特徴付けた。国際出願第PCT/US07/79929号(その全体が参照により本明細書に援用される)に記載のように、メモリーB細胞応答を測定した。最後の追加処置の156日後に採取した組織では、末梢血液、脾臓、および最も顕著には、腸間膜リンパ節においてNV−VLP−特異的メモリーB細胞の存在が認められた。腸間膜リンパ節の抗原−特異的メモリーB細胞は、IgA陽性であった。さらに、NV−VLP−特異的抗体−分泌長寿命形質細胞が骨髄に存在した。
【0068】
実施例2.ヒトにおけるノーウォーク(Norwalk)ワクチン製剤の用量増加安全性試験
ノロウイルス遺伝子群1ワクチンの安全性および免疫原性に関する二重盲検比較用量増加第1相試験を行った。ワクチンは、鼻腔内投与のために設計された乾燥粉末マトリックス中の凍結乾燥されたノーウォーク(Norwalk)ウイルス様粒子(VLP)からなった。ワクチン被験体は、Hの1型抗原分泌型である健常成人志願者を含んだ。Hの1型抗原分泌型の登録の根拠は、Hの1型抗原分泌型がノーウォーク(Norwalk)ウイルス感染に感受性である一方、非分泌型は耐性であることである。対照として、それぞれの用量レベルの2例のさらなる志願者に、マトリックス単独を投与した。乾燥粉末マトリックスは、25μgのMPL(登録商標)アジュバント、7mgのキトサン、1.5mgのマンニトール、および1.5mgのスクロースを含んだ。志願者に、0および21日目に投薬し、各投薬後の症状について、7日間の日誌を書くように要求した。血清学、抗体分泌細胞(ASC)のための血液、ならびに粘膜抗体評価のための糞便および唾液サンプルを採取した。
【0069】
ノーウォーク(Norwalk)VLPワクチンの成分を表3に列挙する。ワクチンを鼻腔内送達デバイス内に包装する。単回投与のノーウォーク(Norwalk)VLPワクチンを、単回用量のBespak(Milton Keynes, UK)UniDose DP乾燥粉末鼻腔内送達デバイスに包装した。各デバイスは、10mgの乾燥粉末ワクチン製剤を送達した。ワクチンの各用量は、2つの送達デバイス(各鼻孔において1つ)よりなった。全ワクチン用量は、20mgの乾燥粉末であった。アジュバント/賦形剤の製剤は、製剤にノーウォーク(Norwalk)VLP抗原が含まれないことを除いて、ノーウォーク(Norwalk)VLPワクチンと同じである。アジュバント/賦形剤の製剤(乾燥粉末マトリックスとも称される)を、表4にまとめて示す。
【0070】
【表3】
【0071】
【表4】
【0072】
具体的には、ワクチンの用量増加を、次のとおりに行った:健常者の適切なスクリーニング後、3例の志願者の群を無作為に分けて、鼻腔内経路により、5μgのノーウォーク(Norwalk)VLPワクチンおよび乾燥粉末マトリックス(n=2)または乾燥粉末マトリックス単独(n=1)のいずれかを投与した。これらの3例の志願者を、21日間、安全性について追跡し、それらの安全性データを、独立した安全性監視者(Independent Safety Monitor)(ISM)が検討した。ISMの承認を基に、21日目に、これらの個体に、前回投与したワクチンまたはマトリックスの2回目の投薬を行い、4例のさらなる志願者を無作為に分けて、鼻腔内により、5μgのVLPタンパク質および乾燥粉末マトリックス(n=3)またはマトリックス単独(n=1)のいずれかを投与した。ISMは、この第2の群由来の安全性データを再検討し、ISMの承認を基に、1回目の投薬の21日後に、2回目の鼻腔内投薬を行った。志願者は、各投薬後の症状について7日間の日誌を書いた。ISMが、次のより高い用量への増加が許容可能であることを決定した後、7例の志願者の別の群を無作為に分け、0日目および21日目に、鼻腔内経路により、15μgのVLPタンパク質(n=5)または乾燥粉末マトリックス単独(n=2)を含有するいずれかのノーウォーク(Norwalk)VLPワクチンを投与した。さらに、7日間の症状日誌に記録を付けさせ、21日目の2回目の投薬前に、ISMが再検討を行った。最後に、最初の2回の投薬コホート由来の安全性データの再検討後、ISMは、用量増加が許容可能であることを決定し、7例の志願者の最終群を無作為に分けて、0日目および21日目に、鼻腔内経路によって、50μgのVLPタンパク質(n=5)または乾燥粉末マトリックス単独(n=2)を含有するいずれかのノーウォーク(Norwalk)VLPワクチンを投与した。21日目の2回目の投薬前に、7日間の症状日誌および安全性データを、ISMが再度検討を行った。
【0073】
志願者は、ノーウォーク(Norwalk)VLPワクチンまたは乾燥粉末マトリックス単独の投与後7日間、症状(局所的症状、例えば:鼻漏、鼻痛/不快感、鼻詰まり、鼻水、鼻部掻痒感、鼻出血、頭痛、ならびに全身症状、例えば:連日の口腔温、筋肉痛、悪心、嘔吐、腹部痙攣、下痢、および食欲不振を含む)に関する連日の日誌を書いた。暫定的な病歴を、各再診時(7±1、21±2、28±2、56±2および180±14日目)に入手した;志願者に、暫定的な病気、投薬、および医師の受診について質問した。志願者には、再診中に教唆しなかった事象を含むすべての深刻または重度の有害事象について報告するように依頼した。志願者は、CBCおよび血清クレアチニン、グルコース、AST、およびALTについて、7および28日目(各免疫化の7日後)に評価を受け、異常が認められた場合、異常な検査試験値を、試験値が正常になるか、または安定になるまで、追跡した。
【0074】
盲検データは、低用量(n=5)またはマトリックス(n=2)を投与した志願者のデータを示し、7例中4例が、次のいくつかまたはすべてを報告した:ワクチン接種の最初の24時間後における鼻漏、鼻痛、鼻閉、掻痒感、くしゃみ、頭痛、および/または咽喉炎。1例の志願者が、1および6日目のそれぞれに、若干の鼻出血を報告した。中用量(n=5)またはマトリックス(n=2)を投与した志願者のうち、7例中5例は、最初の24時間に、軽度の鼻漏、鼻閉、掻痒感、くしゃみ、および/または頭痛を報告した。症状は、最初の72時間で概ね消失したが、1例の志願者では、鼻閉が7日目まで持続した。非盲検データに対する所見の概要を、以下の表5(これはまた、高用量で報告された有害事象も含む)に示す。これらの所見は、鼻腔内ノロウイルスVLPワクチンが、VLP濃度に無関係であるように思われる局所的な、通常、軽度の一時的な症状に関連することを示す。有害事象、血液学、血液化学および/または身体検査の結果について、アジュバント/賦形剤(またはマトリックス)対照群とノーウォーク(Norwalk)VLPワクチン群との間で、差異は認められなかった。
【0075】
【表5】
【0076】
免疫化の前および7±1、21±2、28±2、56±2、および180±14日目に血液を採取して、酵素免疫測定法(ELISA)により、ノーウォーク(Norwalk)VLPワクチンに対する血清抗体を測定した。各用量のワクチンまたは乾燥粉末マトリックス単独の投与の前および投与後7日目に、末梢血リンパ球を採取して、ELISPOTアッセイにより抗体分泌細胞を検出した。ワクチン接種前およびワクチン接種後21±2、56±2および180±14日目に、全血を入手して、ノーウォーク(Norwalk)VLP抗原に対する応答におけるサイトカイン産生およびリンパ球増殖を含む細胞性免疫の将来の研究のために、細胞を分離し、凍結した。抗ノーウォーク(Norwalk)VLP sIgAスクリーニングのために、免疫化前および7±1、21±2、28±2、56±2日目、および180±14日目に、全糞便サンプルを採取した。免疫化前および7±1、21±2、28±2、56±2日目に、市販のデバイス(Salivette, Sarstedt, Newton, NC)により、唾液を採取し、56日目に粘膜抗体について陽性であった場合、180±14日目のサンプルを採取し、抗ノーウォーク(Norwalk)VLP sIgAについてスクリーニングした。最後に、最も高い用量のノーウォーク(Norwalk)VLP(50μg、上記の第3のコホート)を投与した志願者由来の血液を、0、21、56および180日目に、メモリーB細胞についてスクリーニングした。
【0077】
以下の方法を使用して、免疫した個体または乾燥粉末マトリックス単独を投与した個体から採取した血液、糞便、および唾液サンプルを分析した:
A.ELISAによる血清抗体測定
精製された組み換えノーウォーク(Norwalk)VLPを標的抗原として使用するELISAによるノーウォークウイルス(Norwalk virus)に対する抗体の測定のために、ワクチン接種前およびワクチン接種後の複数の時点において、20mLの血液を採取して、コード化された標本をスクリーニングした。簡単に説明すると、炭酸コーティング緩衝液pH9.6中ノーウォーク(Norwalk)VLPを使用して、マイクロタイタープレートをコーティングした。コーティングしたプレートを洗浄し、ブロッキングし、2倍連続希釈の試験血清と共にインキュベートし、続いて、洗浄およびヒトIgG、IgM、およびIgAに特異的な酵素−コンジュゲート第二抗体試薬とのインキュベーションを行った。適切な基質溶液を添加し、発色させ、プレートを読み取り、IgG、IgM、およびIgAのエンドポイント力価を、各抗体クラスの参照標準曲線と比較して、決定した。陽性の応答を、ワクチン接種後の力価の4倍上昇として定義した。ワクチン用量のそれぞれについての56日目(2回目の免疫化の35日後)の血清力価を、
図2に示す。結果は、IgGおよびIgAについての血清力価の用量依存的増加を示す。IgGおよびIgAの両方について有意な血清力価を、50μgのノロウイルス抗原を含有するワクチンを投与した志願者において観察した。
【0078】
B.抗体分泌細胞アッセイ
ASCアッセイのために、ヘパリン処理血液(コホート1および2について30mL、コホート3について25mL)からPBMCを採取して、ノーウォーク(Norwalk)VLPに対する抗体を分泌する細胞を検出した。ノーウォーク(Norwalk)VLPワクチンまたは乾燥粉末マトリックス単独の投与後0、7±1、21±2、および28±2日目に、これらのアッセイを実施した。各投薬の各時点における応答率および10
6個のPBMCあたりのASCの平均数について記載した。陽性の応答を、すべての被験体についてのワクチン接種前の平均計数を超える少なくとも3標準偏差(SD)である10
6個のPBMCあたりのワクチン接種後のASC計数(対数的測度(log metric))および少なくとも8つのASCスポットとして定義したが、これは、類似のアッセイで決定した培地により刺激された陰性対照のウェル(2つのスポット)+3SDの平均に対応する。
【0079】
50μg用量のノーウォーク(Norwalk)VLPのASCアッセイの結果を、
図3に示す。循環IgGおよびIgA抗体を分泌する細胞が、初回および追加ワクチン接種の7日後に観察されたが、これは、ワクチンが免疫原性であることを示唆する。
【0080】
C.機能的抗体応答の測定
上記の段落Bに記載のように採取した機能的抗体応答血清の測定をさらに分析して、抗ノーウォークウイルス(Norwalk virus)抗体の機能的特性を決定した。2倍連続希釈の試験血清を、ノーウォーク(Norwalk)VLP(防御免疫応答を示す機能アッセイ)によって、赤血球の血球凝集を阻害するそれらの能力に関して、分析した。陽性の応答を、ワクチン接種後の力価の4倍上昇として定義した。50μg用量のノーウォーク(Norwalk)VLPワクチンを投与した5例の被験体について、56日目(追加処置の35日後)における血清力価および血球凝集阻害力価を表6に示す。結果は、血清IgG力価によって測定され抗体陽転応答を示した個体の75パーセント(75%)がまた、血球凝集阻害によって測定されるとヒト赤血球上の結合性受容体を遮断することが可能な機能的抗体応答を呈したことを示す。
【0081】
【表6】
【0082】
D.ノーウォークウイルス(Norwalk virus)−特異的メモリーB細胞の測定
コホート3からヘパリン処理血液を採取(0および21日目に30mL、56および180日目に50mL)して、インビトロ抗原刺激に続いて、ワクチン接種後0、21、56および180日目に、ELISpotアッセイを使用してメモリーB細胞を測定した。類似のアッセイを首尾よく使用して、ウサギにおいてノーウォーク(Norwalk)VLP製剤により誘発されるメモリーB細胞の頻度を測定した(国際出願第PCT/US07/79929号(本明細書において参照により援用される)を参照のこと)。末梢血単核細胞(5×10
6個の細胞/mL、24ウェルプレート中1mL/ウェル)を、4日間、ノーウォーク(Norwalk)VLP抗原(2〜10μg/mL)と共にインキュベートして、抗原−特異的メモリーB細胞のクローンを拡大させ、抗体分泌細胞へ分化させた。対照は、抗原の非存在下で同じ条件でインキュベートした細胞および/または無関連の抗原と共にインキュベートした細胞を含む。刺激後、細胞を洗浄し、計数し、ノーウォークウイルス(Norwalk virus)VLPでコーティングしたELISpotプレートに移した。全Ig分泌Bリンパ球あたりのウイルス−特異的メモリーB細胞の頻度を決定するために、拡大されたB細胞もまた、抗ヒトIgGおよび抗ヒトIgA抗体でコーティングしたウェルに添加した。結合抗体は、HRP−標識抗ヒトIgGまたは抗ヒトIgA、それに続くTrue Blue基質によって表される。また、IgAおよびIgGサブクラス(IgA1、IgA2およびIgG1〜4)に対するコンジュゲートを使用して、異なるエフェクター機構に関連し得る抗原−特異的サブクラス応答および免疫プライミングの局在を決定してもよい。スポットを、ELISpot読み取り装置により計数した。志願者ごとに拡大された細胞集団を、フローサイトメトリーによって調べて、それらのメモリーB細胞表現型、即ち、CD19+、CD27+、IgG+、IgM+、CD38+、IgD−を確認する。
【0083】
E.細胞性免疫応答
ヘパリン処理血液(50mLコホート1および2、25mLコホート3)を、コードされた標本として採取し、末梢血単核細胞(PBMC)を単離し、ノーウォーク(Norwalk)VLP抗原に対するCMI応答の将来可能な評価のために、液体窒素において凍結保存した。実施され得るアッセイは、ノーウォーク(Norwalk)VLP抗原に対して増殖性のPBMCおよびサイトカイン応答を含み、確立された技術に従って、インターフェロン(IFN)−γおよびインターロイキン(IL)−4レベルを測定することによって、決定することができる。
【0084】
F.抗ノーウォーク(Norwalk)VLP sIgAのための糞便および唾液の採取
糞便および唾液サンプル中の抗組み換えノーウォークウイルス(Norwalk virus)IgAを測定する。唾液標本を、プロテアーゼ阻害剤(即ち、AEBSF、ロイペプチン、ベスタチン、およびアプロチニン)(Sigma, St. Louis, MO)で処置し、−70℃で貯蔵し、先に記載のアッセイ(Mills et al. (2003) Infect. Immun. 71:726-732)の改変法を使用して、アッセイする。ワクチン接種後、複数の日に糞便を採取し、分析まで標本を−70℃で貯蔵する。標本を融解し、プロテアーゼ阻害剤緩衝液を添加して、10%w/v糞便懸濁液を調製する。以下に記載のように、糞便上清液を、組み換えノーウォークウイルス(Norwalk virus)(rNV)−特異的粘膜IgAについて、ELISAによって測定する。
【0085】
約2〜3mLの全唾液を、ワクチン接種前、およびワクチン接種後の複数の時点で採取した。唾液を、市販のデバイス(Salivette, Sarstedt, Newton, NC)(唾液が染み込むまでSalivetteスワブを咀嚼するか、または30〜45秒間、舌の下側に置く)によって採取した。遠心分離によって、スワブから唾液を採取した。
【0086】
G.糞便および唾液中の抗ノーウォーク(Norwalk)VLPの測定
抗ヒトIgA抗体試薬または標的rNV VLP抗原コーティング剤のいずれかでコーティングされたプレートを利用して、ELISAを実施して、全IgAを決定し、各標本について、特異的抗VLP IgA応答の力価を測定する。上記のように、全IgAまたは特異的IgAは、HRP−標識抗ヒトIgAによって表される。内部全IgA標準曲線を含めて、IgA含有量を定量する。応答は、特異的抗体の4倍上昇として定義される。
【0087】
実施例3.ヒトにおける鼻腔内ノーウォーク(Norwalk)VLPワクチンの2回投薬の安全性および免疫原性試験
健常者における無作為化二重盲検試験を行って、アジュバント/賦形剤を伴うノーウォーク(Norwalk)ウイルス様粒子(VLP)ワクチンとプラセボ対照(空のデバイス)との2回の投薬レベルの安全性および免疫原性を比較する。ワクチンは、実施例2に記載のように、鼻腔内投与のために設計された乾燥粉末マトリックス中のノーウォーク(Norwalk)ウイルス様粒子(VLP)からなる。ワクチン被験体は、Hの1型抗原分泌型である健常成人志願者を含む。ヒト志願者を、4つの群のうちの1つに無作為に割り当て、各群に、次の処置のうちの1つを投与する:50μgの用量のノーウォーク(Norwalk)VLPワクチン、100μgの用量のノーウォーク(Norwalk)VLPワクチン、アジュバント/賦形剤、またはプラセボ。志願者に、0および21日目に投薬し、各投薬後の症状について、7日間の日誌を書くように要求する。血清学、抗体分泌細胞(ASC)のための血液、ならびに粘膜抗体評価のための糞便および唾液サンプルを採取する。
【0088】
ワクチンの成分を、実施例2の表3に列挙する。ワクチンを鼻腔内送達デバイス内に包装する。単回投与のノーウォーク(Norwalk)VLPワクチンを、単回用量のBespak(Milton Keynes, UK)UniDose DP乾燥粉末鼻腔内送達デバイスに包装する。各デバイスは、10mgの乾燥粉末ワクチン製剤を送達する。ワクチンの各用量は、2つの送達デバイス(各鼻孔において1つ)からなる。全ワクチン用量は、20mgの乾燥粉末である。従って、50μgのワクチン用量は、それぞれ、10mgの乾燥粉末製剤を送達する2つのデバイスからなり、ここで、各10mgの乾燥粉末製剤は、25μgのノーウォーク(Norwalk)VLP、25μgのMPL(登録商標)アジュバント、7mgのキトサン、1.5mgのマンニトール、および1.5mgのスクロースからなる。同様に、100μgのワクチン用量は、それぞれ、10mgの乾燥粉末製剤を送達する2つのデバイスからなり、ここで、各10mgの乾燥粉末製剤は、50μgのノーウォーク(Norwalk)VLP、25μgのMPL(登録商標)アジュバント、7mgのキトサン、1.5mgのマンニトール、および1.5mgのスクロースからなる。アジュバント/賦形剤の製剤は、製剤にノーウォーク(Norwalk)VLP抗原が含まれないことを除いて、ノーウォーク(Norwalk)VLPワクチンと同じである。アジュバント/賦形剤の製剤(乾燥粉末マトリックスとも称される)を、実施例2の表4にまとめて示す。プラセボ群には、2つの空デバイスを投与する。
【0089】
志願者は、ノーウォーク(Norwalk)VLPワクチン、乾燥粉末マトリックス単独、またはプラセボのいずれかの2回の用量の投与後7日間、症状(局所的症状、例えば:鼻漏、鼻痛/不快感、鼻詰まり、鼻水、鼻部掻痒感、鼻出血、頭痛、ならびに全身症状、例えば:連日の口腔温、筋肉痛、悪心、嘔吐、腹部痙攣、下痢、および食欲不振を含む)に関する連日の日誌を書く。暫定的な病歴を、各再診時(7+1、21+2、28+2、56+2および180+14日目)に入手する;志願者に、暫定的な病気、投薬、および医師の受診について質問する。志願者には、再診中に教唆しなかった事象を含むすべての深刻または重度の有害事象について報告するように依頼する。志願者は、CBCおよび血清クレアチニン、グルコース、AST、およびALTについて、7および28日目(各免疫の7日後)に評価を受け、異常が認められた場合、異常な検査試験値を、試験値が正常になるか、または安定になるまで、追跡する。
【0090】
免疫化の前および7+1、21+2、28+2、56+2、および180+14日目に血液を採取して、酵素免疫測定法(ELISA)により、ノーウォーク(Norwalk)VLPワクチンに対する血清抗体を測定する。各用量のワクチン、乾燥粉末マトリックス単独、またはプラセボの投与の前および7日目に、末梢血リンパ球を採取して、ELISPOTアッセイにより抗体分泌細胞を検出する。ワクチン接種前およびワクチン接種後21+2、56+2および180+14日目に、全血を入手して、ノーウォーク(Norwalk)VLP抗原に対する応答におけるサイトカイン産生およびリンパ球増殖を含む細胞性免疫の将来の研究のために、細胞を分離し、凍結する。抗ノーウォーク(Norwalk)VLP sIgAスクリーニングのために、免疫化前および7+1、21+2、28+2、56+2日目、および180+14日目に、全糞便サンプルを採取する。免疫化前および7+1、21+2、28+2、56+2日目に、市販のデバイス(Salivette, Sarstedt, Newton, NC)により、唾液を採取し、56日目に粘膜抗体について陽性であった場合、180+14日目のサンプルを採取し、抗ノーウォーク(Norwalk)VLP sIgAについてスクリーニングする。また、0、21、56および180日目に、メモリーB細胞について血液をスクリーニングする。
【0091】
免疫した個体、または乾燥粉末マトリックス単独もしくはプラセボを投与した個体から採取した血液、糞便、および唾液サンプルを分析するために使用される方法については、実施例2に詳述している。
【0092】
実施例4.ノーウォークウイルス(Norwalk virus)VLPワクチン製剤で免疫されたヒトにおけるノーウォークウイルス(Norwalk virus)暴露試験
多施設、無作為化、二重盲検、プラセボ比較第1〜2相暴露試験を、上記の実施例2に記載のノーウォーク(Norwalk)VLPワクチンで免疫した80例のヒト志願者において行った。適格な被験体には、Hの1型オリゴ糖(陽性の唾液分泌型状態によって測定される)を発現し、血液型がB型でもAB型でもない健常な年齢18〜50歳の者が含まれる。非Hの1型分泌型であるかまたはB型もしくはABの血液を有する被験体は、ノーウォークウイルス(Norwalk virus)による感染に対してより耐性であることが報告されており、試験から除外される。志願者の少なくとも80%は、これらの2つの基準に基づいて適格であることが予想される。
【0093】
スクリーニング後、すべての許容判定基準を満たす適格な志願者を、各コホートにおいて約40例の志願者を伴う2つの等しいサイズのコホートのうちの1つに無作為に(1:1)分ける。コホート1を、ノーウォーク(Norwalk)VLPで免疫し、コホート2にプラセボを投与する。志願者を、各鼻孔において10mgのノーウォーク(Norwalk)VLPワクチン(20mgの全乾燥粉末)またはプラセボで免疫する。ノーウォーク(Norwalk)VLPワクチンの各10mgは、50μgのノーウォーク(Norwalk)VLP、7mgのキトサン、25μgのMPL(登録商標)、1.5mgのスクロースおよび約1.5mgのマンニトールを含有する。それ故、コホート1の各志願者には、、全用量で100μgのノーウォーク(Norwalk)VLP抗原を、各免疫化において投与する。試験日0および21日目に、志願者に、ワクチンまたはプラセボを投与する。
【0094】
プラセボと比較したノーウォークウイルス(Norwalk virus)VLPワクチンの安全性を評価する。志願者は、ワクチンまたはプラセボによる各免疫化後の7日間、日誌を書き、有害事象の重症度および期間を記録する。深刻な有害事象(SAE)および何らかの有意な新たな病状の発生について、ワクチンまたはプラセボの最後の投薬後の6箇月間、および感染性ウイルスによる暴露後の4箇月間、追跡する。
【0095】
ワクチンまたはプラセボの2回目の投薬の21〜42日後の間(試験日42〜56日目の間)、すべての志願者を感染性ノーウォークウイルス(Norwalk virus)に暴露する。各志願者に、≧50%のヒト感染用量(HID50)、即ち、プラセボ群の少なくとも50%の志願者において疾患を引き起こすことが予想される感染性ウイルスの量を投与する。HID50は、ノーウォークウイルス(Norwalk virus)の約48〜約480の間のウイルス等価物である。ノーウォークウイルス(Norwalk virus)を滅菌水と混合し、経口投与する。播種の前に、水中500mg重炭酸ナトリウムを摂取させ、胃酸およびペプシンによるウイルスの分解を防止する。感染性ウイルスの経口播種の5分後に、重炭酸ナトリウム溶液(水中500mgの重炭酸ナトリウム)の2回目の摂取を行う。志願者は、少なくとも4日間、および急性胃腸炎の症状/徴候(嘔吐、下痢、軟便、腹痛、悪心、および発熱)が認められなくなった後少なくとも18時間、暴露施設に留まる。
【0096】
いくらかの測度(metrics)が、ウイルス暴露によって誘導される急性胃腸炎の症状/徴候の予防または減少においてノーウォーク(Norwalk)VLPワクチンの効力を決定するためにモニターされる。すべての志願者は、急性胃腸炎の臨床症状を記録し、これらの症状は、試験施設の試験スタッフによって記録される。ワクチン投与したコホート1由来の疾患症状/徴候を、コホート2プラセボレシピエントと比較する。
【0097】
ワクチンまたはプラセボによる免疫化の前、および暴露後、すべての志願者から、血清および糞便サンプルを日常的に採取する。血清サンプルを、ELISAにより、IgAおよびIgG、ノーウォーク(Norwalk)VLPに対する力価について、分析する。糞便サンプル中のノーウォーク(Norwalk)抗原およびノーウォーク(Norwalk)RNAを、それぞれELISAおよびPCR(ウイルスの存在、腸から放出されるウイルスの量、およびウイルスの放出の期間を示す)によって、試験する。暴露後、病状を呈した被験体を、症状/徴候が消失するまで、血清化学、BUN、クレアチニン、および肝機能試験を含むさらなる検査試験に供する。
【0098】
ワクチン群(コホート1)およびプラセボ群(コホート2)の結果を比較して、ノロウイルス疾患全体に対するワクチンの防御効力(一次エンドポイント)、ならびに/あるいは症状/徴候(病状の重症度および病状の日数)を改善するその効力、および/または放出しているウイルスの存在、量および/または期間の減少(二次エンドポイント)を評価する。
【0099】
本発明は、本発明の個々の態様の単なる例示を意図する記載の特定の実施形態によって、範囲が限定されるべきはなく、機能的に等価な方法および成分は本発明の範囲内にある。実際、本明細書において示しかつ説明される改変の他にも、本発明の多様な改変が存在することは、通常の範囲を超えない実験を使用することにより、先の記載および添付の図面から当業者には明らかであろう。そのような改変および均等物は、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。
【0100】
本明細書において言及するすべての刊行物、特許および特許出願は、それぞれ個々の刊行物、特許または特許出願が、具体的かつ個別に本明細書において参照により組み入れられて示されているが如く、同程度に、参照により、本明細書に援用される。
【0101】
本明細書に記載の参考文献の引用または説明は、それが本発明の先行技術であることを認めたものと解釈されるべきではない。
【0102】
参考文献
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