特許第6615106号(P6615106)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6615106
(24)【登録日】2019年11月15日
(45)【発行日】2019年12月4日
(54)【発明の名称】構造化基板を備える発光ダイオード
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/20 20100101AFI20191125BHJP
【FI】
   H01L33/20
【請求項の数】14
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-550248(P2016-550248)
(86)(22)【出願日】2015年1月16日
(65)【公表番号】特表2017-506431(P2017-506431A)
(43)【公表日】2017年3月2日
(86)【国際出願番号】IB2015050323
(87)【国際公開番号】WO2015118419
(87)【国際公開日】20150813
【審査請求日】2018年1月11日
(31)【優先権主張番号】61/936,362
(32)【優先日】2014年2月6日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】517152128
【氏名又は名称】ルミレッズ ホールディング ベーフェー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ロペス,トニ
【審査官】 大西 孝宣
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−087219(JP,A)
【文献】 特開2009−164423(JP,A)
【文献】 特開2004−056088(JP,A)
【文献】 特開2012−124219(JP,A)
【文献】 特開2010−040761(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第01225643(EP,A1)
【文献】 特開2008−294306(JP,A)
【文献】 特開2013−084739(JP,A)
【文献】 特開2012−126896(JP,A)
【文献】 特開2007−116127(JP,A)
【文献】 特開2006−253298(JP,A)
【文献】 特開2009−032958(JP,A)
【文献】 国際公開第2005/050748(WO,A1)
【文献】 特開2007−184411(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0316023(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00 − 33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体発光デバイスであって、
第1表面及び該第1表面に対向する第2表面を有する基板と、
前記基板の前記第1表面上に位置し、n型領域とp型領域との間に挟まれた発光領域、前記n型領域に結合されたnコンタクト前記p型領域に結合された透明導電層及び該透明導電層に結合されたpコンタクトを有する半導体構造体であり、前記nコンタクト及び前記pコンタクトが前記第1表面に対向する当該半導体構造体の表面上に形成された、半導体構造体と、
前記基板内に位置する空洞であり、前記基板の前記第2表面から延び、傾斜した側壁を有する空洞と、
前記nコンタクト及び前記pコンタクトの上に位置し、全反射を増大させる高屈折率材料であり、少なくとも1.5の屈折率を有する高屈折率材料と、
を含む半導体発光デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体発光デバイスであり、
前記基板が、前記第1表面及び前記第2表面に垂直な第1方向に厚さを有し、
前記第1方向に測定した前記空洞の最深部が、前記基板の前記第1方向の前記厚さの少なくとも70%である、
半導体発光デバイス。
【請求項3】
請求項1に記載の半導体発光デバイスであり、
前記空洞が、第1軸線に沿った三角形断面を有する、
半導体発光デバイス。
【請求項4】
請求項3に記載の半導体発光デバイスであり、
前記空洞が、前記第1軸線に垂直な第2軸線に沿った三角形断面を有する、
半導体発光デバイス。
【請求項5】
請求項4に記載の半導体発光デバイスであり、
方形形状である半導体発光デバイス。
【請求項6】
請求項1に記載の半導体発光デバイスであり、
前記空洞が、前記空洞の容積プラス前記基板の体積から成る体積の少なくとも50%を含む、
半導体発光デバイス。
【請求項7】
請求項1に記載の半導体発光デバイスであり、
当該半導体発光デバイスが長方形形状であり、
前記基板の最大厚の点における厚さが、長方形半導体発光デバイスの短辺の長さの少なくとも90%である、
半導体発光デバイス。
【請求項8】
請求項1に記載の半導体発光デバイスであり、
前記空洞の傾斜した側壁と前記第1表面に垂直な平面との角度が30°以下である、
半導体発光デバイス。
【請求項9】
請求項1に記載の半導体発光デバイスであり、
前記第1表面が織り目化してある、
半導体発光デバイス。
【請求項10】
請求項9に記載の半導体発光デバイスであり、
前記透明導電層に対向する前記高屈折率材料の表面が織り目化してある、
半導体発光デバイス。
【請求項11】
請求項10に記載の半導体発光デバイスであり、
前記高屈折率材料の織り目化した表面が、格子状に配列された複数の3側面ピラミッドを含む、
半導体発光デバイス。
【請求項12】
半導体発光デバイスであり、
第1表面及び該第1表面に対向する第2表面を有する基板と、
前記基板の前記第1表面上に位置し、n型領域とp型領域との間に挟まれた発光領域、前記n型領域に結合されたnコンタクト前記p型領域に結合された透明導電層及び該透明導電層に結合されたpコンタクトを有する半導体構造体であり、前記nコンタクト及び前記pコンタクトが前記第1表面に対向する当該半導体構造体の表面上に形成された、半導体構造体と、
前記基板内に位置する空洞であり、前記基板の前記第2表面から延び、傾斜した側壁を有する空洞と、
前記nコンタクト及び前記pコンタクトの上に位置し、全反射を増大させる高屈折率材料と、
前記半導体構造体及び前記基板の上に位置する封止材と、
を含み、
前記封止材が当該半導体発光デバイスに直接接触し高屈折率を有する、半導体発光デバイス。
【請求項13】
請求項12に記載の半導体発光デバイスであり、
前記封止材が光学素子に形状づけられている、
半導体発光デバイス。
【請求項14】
請求項13に記載の半導体発光デバイスであり、
前記光学素子がレンズである、
半導体発光デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板内に中空部を形成した発光ダイオードなどの発光ダイオードに関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LEDs)、共振空洞発光ダイオード(RCLEDs)、垂直共振器レーザダイオード(VCSELs)及び端面発光レーザ(edge
emitting lasers)を含む半導体発光デバイスは、現在入手できる最大効率光源に属する。可視スペクトルにわたり動作可能な高輝度発光デバイスの製造において現在興味ある材料系は、III-V半導体、特に、III-窒素材料とも呼ばれる、ガリウム、アルミニウム、イリジウム及び窒素の二元、三元、四元合金を含む。代表的には、サファイア、シリコンカーバイド、シリコン、III-窒素その他の好適な基板上に、金属有機化学蒸着(MOCVD)、分子ビームエピタキシ(MBE)その他のエピタキシャル技法によって、異なる化合物及びドーパント濃度の半導体層の積み重ねをエピタキシャル成長させることにより、III-窒素発光デバイスが製造される。該積み重ねはしばしば、基板上で形成した、例えばシリコンでドーピングした1層以上のn型層、n型単一層又複数層の上で形成した、活性領域内の1層以上の発光層、及び活性領域上で形成した、例えばMgでドーピングした1層以上のp型層を含む。n型及びp型領域上に、電気的接続が形成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
図1は、米国特許第2012/0012856号公報に詳説された従来技術デバイスを示す。この米国特許第2012/0012856号公報は、III-窒素発光ダイオードのサファイア基板の成形を示す。米国特許第2012/0012856号公報は、段落45において図1のデバイスを説明している。図1のデバイスは、サファイア基板404及びエピタキシャル層402を含むGaN発光ダイオード401である。傾斜405及び凹部4042がともに、基板内に形成される。サファイア基板404の下方部分が、分配されたブラッグ反射器407内に覆われる。シリコングルー(glue)408の層が、分配されたブラッグ反射器407の下及びサファイア基板404の傾斜上に適用されて、サファイア基板404の傾斜405からの光を反射する。期待できるように、図1のデバイスは、側部光ビームの増大により良好な光取り出し効率を有する。
【0004】
本発明の一課題は、基板内に形成した中空部又は空洞を有するデバイスを提供することである。そのようなデバイスは、デバイスの側壁を通って効率的に光を取り出すことができる。空洞は、例えばプリズム、擬似角錐台又は多面体などの如何なる幾何学的形状であってもよいチャンバーの形態をとることができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態は、半導体発光デバイスを含む。当該デバイスは、第1表面と、第1表面に対向する第2表面とを有する基板を含む。デバイスはさらに、基板の第1表面上に配置された半導体基板を含む。空洞又はキャビティ(cavity)が基板内に配置される。キャビティは、基板の第2表面から延びる。キャビティは側壁を有する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】成形したサファイア基板を有する従来技術デバイスを示す。
図2】本発明の実施形態にしたがったIII-窒素デバイスの断面図である。
図3図2に示したデバイスの斜視図である。
図4】成形した基板を含むデバイスの、図3の線28に沿って切った断面図である。
図5A】成形した基板を含むデバイスの、図3の線29に沿って切った断面図でる。
図5B】方形デバイスの平面図である。
図6】高屈折率被覆及び熱伝導性材料を含むデバイスを示す。
図7】デバイスと封止材との間に位置するギャップを有する封止されたデバイスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の実施形態は、主としてデバイスの両側部から光を取り出すLEDなどの、発光デバイスに向けられている。
【0008】
以下の例においては、半導体発光デバイスは、青色光又は紫外線光を発するIII-窒素LEDであるが、III-V材料、III-燐、III-ヒ素、II-VI材料、ZnO、又はSiベース材料などの他の材料から作られた半導体発光デバイス及びレーザダイオードなどのLED以外の半導体発光デバイスも使用することができる。
【0009】
図2は、本発明の実施形態で用いることのできるIII-窒素LEDのデバイスの構造を示す。如何なる好適な半導体発光デバイスも用いることができ、本発明の実施形態は、図2に示す配置、形状に限定されない。図2のデバイスは、従来技術で知られているように、成長基板上にIII-窒素半導体構造体12を成長させることにより形成される。成長基板はしばしばサファイアであるが、例えば、非III-窒素材料、SiC、Si、GaN又は化合物基板などの如何なる好適な基板であってよい。その上にIII-窒素半導体構造体12が成長される成長基板の表面13は、成長前にパターン付け、粗面化又は織り目化(textured)されてよく、基板からの光取り出しを改善する。
【0010】
半導体構造体12は、n型領域16とp型領域20との間に挟まれた、発光領域又は活性領域18を含む。n型領域16を最初に成長させてよく、そして異なる化合物及びドーパント濃度の多重層を含めてもよい。多重層の例としては、バッファ層又は核生成層(nucleation layer)などの調整層(preparation layer)があり、n型又は意図的にはドーピングしていないn型又はp型デバイス層であってよく、発光領域が効率的に発光することのために望まれる特定の光学特性、材料特性又は電気的特性を狙って設計することができる。
【0011】
発光領域又は活性領域18はn型領域の上に成長される。好適な発光領域の例として、単一の厚い若しくは薄い発光層又は多重量子井戸発光領域を含む。多重量子井戸発光領域は、バリア層により分離された多重の薄い又は厚い発光層を含む。
【0012】
p型領域20は、発光領域の上に成長される。n型領域と同様に、p型領域も、意図的にはドーピングしていないn型層を含む、異なる化合物、厚さ、ドーパント濃度の多重層を含んでもよい。
【0013】
p型領域20及び活性領域18の一部が除去されて、一部のn型領域16が露出され、そこにコンタクト22が形成される。
【0014】
pコンタクト21が形成されるエリアにおいて、p型領域20上に電流ブロッキング層23を形成できる。電流ブロッキング層23は、pコンタクト直下の活性領域内に電流が出射するのを防止して、この領域で生成される光の量を阻止し或いは減少させる。pコンタクト直下で生成される光はpコンタクト21で吸収され失われ得る。電流ブロッキング層23は、例えばシリコン酸化物、SiO2、及びシリコンの窒化物などの誘電材料を含む如何なる好適な材料からも形成することができる。
【0015】
電流ブロッキング層及びp型領域20の残る表面の上に透明導電層24を形成することができる。透明導電層24は、p型領域20内に拡散する電流を提供できる。好適な材料の例としては、イリジウム錫オキサイド(ITO)などの透明導電酸化物を含む。
【0016】
pコンタクト21が光学的電流ブロッキング層23の上に形成される。nコンタクト22及びpコンタクト21は、アルミニウム、金又は銀などの如何なる好適な材料であってもよい。nコンタクト22及びpコンタクト21は、同一の材料である必要はない。nコンタクト22及びpコンタクト21は、シリコン酸化物又は如何なる好適な材料などの誘電体で充填できるギャップ25により、互いに電気的に分離される。
【0017】
図3は、図2に示すnコンタクト及びpコンタクトの平面斜視図である。nコンタクトはnコンタクト22パッド22及びnコンタクトアーム22Aを含む。nコンタクトアーム22Aは、nコンタクトパッド22よりも狭く、nコンタクトパッド22から伸びている。pコンタクトは、pコンタクトパッド21並びに2つのpコンタクトアーム21A及び21Bを含む。pコンタクトアーム21A及び21Bは、pコンタクトパッド21よりも狭く、pコンタクトパッド21から伸びている。図3に示す配置において、nコンタクトアーム22Aは、pコンタクトアーム21A及び21Bに挿入される。ギャップ25は、デバイスのp型領域から、nコンタクトアームパッド22及びnコンタクトアーム22Aを電気的に分離する。如何なる好適な材料のコンタクトも用いることができる。本発明は、図3に示す配置、形状に限定されない。
【0018】
透明導電層24を通過して、デバイスの頂部表面を通して光を取り出すことができる。
【0019】
LEDウェファはしばしば、方形LEDにダイシングされる。ある実施形態においては、デバイスは、方形以外の形状である。例えば、図3に示すデバイスは、長方形である。デバイスは、非制限的に多角形、円形、六角形を含む如何なる形状であってもよい。図3に示す長方形デバイスにおいて、デバイスの短辺は、例えば、ある実施形態において500μm幅でよく、ある実施形態においては少なくとも350μm幅であってよく、ある実施形態においては650μm幅以下であってもよい。図3に示す長方形デバイスの長辺は、例えば、ある実施形態において少なくとも650μm幅でよく、ある実施形態においては700μm幅以下であってよく、ある実施形態においては800μm幅以下であってもよい。
【0020】
本発明のある実施形態において、基板10は、デバイスの側部からの光取り出しを改良するように形状づけられる。ある実施形態において、本明細書では中空とも呼ばれるキャビティが、基板10に形成される。キャビティは、例えば、プリズム、擬似角錐台(prismatoid)又は多面体(polyhedron)などの如何なる好適な幾何学的形状であってよいチャンバーの形態をとってよい。図4及び図5Aは、キャビティの一例を示す断面図である。図4は、図3に示す線28に沿って切った一部断面図である。図5Aは、図3に示す線29に沿って切った一部断面図である。図4は及び図5Aは、成長基板10の形状を示している。半導体構造体12は、参照のために単純な形態内に含まれる。コンタクト21及び22、電流ブロッキング層23並びに透明導電層24は、明瞭化のために省略してある。
【0021】
図4及び図5Aに示されるように、基板10は中空部40を形成するように形状づけられ、中空部40は、半導体構造体12に対向する基板表面から半導体構造体に向けて延びる。中空部40は、図4に示す断面図において、三角形断面を有する。従来技術デバイスと同様に、基板の外部側壁は実質的に鉛直である。従来技術デバイスにおけると同様に、デバイスのウェファからデバイスをダイシングする際に外部側壁が形成されることが多い。
【0022】
図4に示されるように、長方形デバイスの短辺に沿って切った断面図において、中空部40の傾斜側壁42および44の各々が、平面30との間に鋭角32及び34を形成している。平面30は、半導体構造体の成長方向に垂直(すなわち、半導体構造体12の主面に平行)であり、半導体構造体12が成長される基板10の表面に平行である。角度32及び34は、同じ角度でよいが、その必要もない。傾斜側壁42および44それぞれが平面58及び58Aとの間で鋭角60及び62をなす。平面58は、半導体構造体の成長方向に平行であり、半導体構造体12が成長される基板10の表面に垂直である。角度60及び62は、同じ角度でよいが、その必要もない。ある実施形態において、角度60及び62は、30°又はそれ未満である。ある実施形態において、図4に示す断面図中、側壁42および44に加えて、中空部40が、平面30に平行な壁を有する(言い換えれば、図4で示す三角形ではなく、接頭三角形となる)。成長基板は、側壁42および44のそれぞれに近接した表面50及び52を有する。表面50及び52は、平面30に平行であってもよい。変形的には、側壁42および44が、基板10の外方端にまで延びて、表面50及び52を排除してもよい。
【0023】
図5Aに示されるように、図3のデバイスの端部近くで、長方形デバイスの長辺に沿って切った断面図において、三角形中空部40の頂部35が破線で示されている。頂部35を表す破線に沿った全ての点において、図5Aの平面の外に延びる断面は、図4に示す断面となる。図5Aに示す断面が沿う線29の位置が、図4に示されている。
【0024】
図4で光線45として示されているように、半導体構造体12の発光領域により基板10へ向けて発せられる光が中空部40の側壁上に入射し、反射されてデバイスの側方に出る。
【0025】
図3に示す斜視図において、デバイスは長方形であり、それにより、図5Aに示す断面は図4に示す断面よりも実質的に長い。デバイスが正方形又はほぼ正方形である実施形態においては、図5Bに示すように、線28及び31に沿って切った2つの断面が同じ長さになる。そのような実施形態においては、線28及び31に沿って切った2つの断面は、図4に示した断面のようになるかも知れない。
【0026】
形状づけられた基板は、例えば中空部40を形成するように基板材料を除去すること、又は中空部40を形成するように基板を選択的に成長させることにより、形成することができる。エッチングブラスティング又はレーザブラスティングなどの、如何なる好適な除去技法をも用いることができる。レーザブラスティング中の入射角は、図4に示す断面に示される形状を形成するように選択できる。
【0027】
中空部は、基板10の体積の有意の部分を含む。例えば、ある実施形態において、中空部40は、基板10の総体積(すなわち、基板10の総体積は、中空部40の容積プラス基板10の残る部分の体積である。)の少なくとも50%であってもよい。他の実施形態においては、中空部40は、基板10の総体積の少なくとも60%であってもよい。
【0028】
基板10は、図4に示されるように、厚さ41を有する。厚さ41は、第1(頂部)表面及び第2(底部)表面の両方に垂直な方向に測定される。第1表面の上には半導体構造体12が形成され、第2表面から中空部40が延びる。基板10の厚さ41は、ある実施形態において少なくとも400μm厚であってよく、ある実施形態において少なくとも500μm厚であってよく、ある実施形態において1000μm以下の厚さであってよい。デバイスが長方形である実施形態においては、基板10の厚さ41は、長方形の短辺の長さの少なくとも90%である。
【0029】
図4に示されるように、中空部40の最深部43は、基板厚さ41と同じ方向に測定され、ある実施形態において基板10の厚さの少なくとも70%であってよく、ある実施形態において基板10の厚さの少なくとも80%であってよく、ある実施形態において基板10の厚さの少なくとも90%であってもよく、ある実施形態において少なくとも200μm深さであってよく、ある実施形態において少なくとも300μm深さであってよく、ある実施形態において500μm以下の深さであってよい。
【0030】
ある実施形態において、中空部40の傾斜側壁は、図4で示されるように、反射性材料64で被覆される。任意の好適な技法により形成された如何なる好適な反射性材料も用いることができ、例えば、銀、白色反射ペイントなどの反射性被覆、又は分散されたブラッグ反射器(distributed Bragg reflectors, DBR)などの多重層構造体などの反射性材料を含む。反射性材料64は、電気的伝導体又は電気的絶縁体であってよい。
【0031】
図6は、高屈折率被覆及び熱伝導性材料を含むデバイスを示す。
【0032】
ある実施形態において、図6に示されるように、中空部40の全部又は一部が熱伝導性材料66で充填される。如何なる材料も用いることができ、例えば銅などの金属が含まれる。熱伝導性材料は、ヒートシンクその他の好適な外部構造体に熱的に結合される。
【0033】
ある実施形態において、図6に示されるようにnコンタクト及びpコンタクトが形成されるデバイスの表面に、高屈折率被覆68が形成される。高屈折率被覆68は、デバイス頂部表面における全反射を増大することにより、デバイスの側部からの光取り出しを改良する。それは、デバイスの頂部からの光取り出しの量を減少させる。高屈折率被覆68は、ある実施形態において少なくとも1.5の屈折率を有してよく、ある実施形態において少なくとも1.6の屈折率を有してよく、ある実施形態において少なくとも1.8の屈折率を有してよく、ある実施形態において少なくとも2の屈折率を有してよい。高屈折率被覆68は、如何なる技法により形成された如何なる材料であってもよい。例として、SiOx、SiO2、SiN、及び蒸着により形成された誘電材料が含まれる。高屈折率被覆68は、ある実施形態において多重層構造体であってもよい。ある実施形態において、高屈折率被覆68の頂部表面70は、粗面化され、パターン付けされ、或いは織り目化(textured)されて、光取り出しを改良する。粗面化され、パターン付けされ、或いは織り目化(textured)された表面は、光を回折し、デバイスの側部から外へ放射される光の量を増加させることができる。側部放射のために最適化されたフォトニック結晶構造体又は格子構造体を、高屈折率被覆68の頂部表面70上に形成することができる。例えば、高屈折率被覆68の頂部表面70は、3側面ピラミッド72を周期的配列に形成することができる。周期的配列の例として、三角形格子、ハニカム格子、又は他の如何なる好適な周期的配列がある。ピラミッド72は、例えば、ある実施形態において少なくとも0.5μm高さであってよく、ある実施形態において2μm以下の高さであってよく、ある実施形態において1μm高さであってよい。ピラミッド72の底部は、例えば、ある実施形態において少なくとも0.5μm幅であってよく、ある実施形態において少なくとも2μm以下の幅であってよく、ある実施形態において1μm幅であってよい。
【0034】
図7は、封止したデバイスを示す。封止材80は、例えば、エポキシ、樹脂、ガラス、又はシリコーンなどの如何なる材料であってもよい。封止材80は、例えば、モールディング、又はゾル−ゲル法を含む如何なる技法により形成してもよい。ある実施形態において、封止材は、別個に形成した後に、例えばデバイス1に直接に接着することにより、又はデバイスが搭載されているマウント84に接着することにより、デバイス1上方に配置する。ある実施形態において、デバイスがマウント84上に搭載され、封止材80及びマウント84が完全にデバイスを包囲して、汚染物質がデバイスに到達することを防止する。
【0035】
ある実施形態において、封止材80がレンズその他の好適な光学素子へと形状づけられる。例えば、封止材80が、図7に示されるようなドームレンズ、フレネルレンズ、又は他の好適な形状に成形される。図7に示されるように、封止材80はデバイス1の側壁を越えて延びてよい。封止材80は、構造体の底部に沿って、デバイス1よりも幅広い。ある実施形態において、封止材80は、デバイス1と直接接触している。ある実施形態において、図7に示されるように、ギャップ82がデバイス1と封止材80とを分離する。ギャップ82はしばしば、空気で充填されるが、他の好適な材料で充填されてもよい。ある実施形態において、封止材80は高屈折率を有する。例えば、封止材80の屈折率は、ある実施形態において1より大きくてよく、ある実施形態において少なくとも1.5であってよく、ある実施形態において少なくとも1.8であってよい。もしギャップ82が含まれる場合において、ギャップ82を充填する材料は、低吸収性、低屈折率の材料であってよい。例えば、ギャップ82を充填する材料の屈折率は、ある実施形態において1以下であってよい。
【0036】
本発明の実施形態は、主として側部から光が取り出される入手可能な他のデバイスよりも効果がある。本明細書で説明した実施形態は、現在入手可能な側部発光デバイスに比較して、取り出し一様性を改良し、斑点を減少させることができた。本明細書で説明した実施形態は、デバイスの側部からの高い光取り出し効率を有することができる。本明細書で説明した実施形態は、かなりコンパクトであり、コスト効果的である。何故ならば、本明細書で説明した実施形態は、複雑で大きく費用の高い二次的光学素子なしに、図示のように用いることができるからである。
【0037】
本発明を詳細に説明してきたけれども、本明細書で説明した本発明の精神から逸脱せずに、本開示について、修正が可能であることは当業者に明白である。前述の特徴の全ての組み合わせは、本発明の範囲内のものである。例えば、前述のある特徴は、他の実施形態に含むことができ、また他の実施形態から省略することもできる。ゆえに、本発明の範囲が説明し図示した特定の実施形態に限定されることは意図されていない。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7