特許第6615212号(P6615212)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ オロン ソシエタ ペル アチオニの特許一覧

特許66152121−(2−ハロゲン−エチル)−4−ピぺリジンカルボン酸エチルエステルの製法
<>
  • 特許6615212-1−(2−ハロゲン−エチル)−4−ピぺリジンカルボン酸エチルエステルの製法 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6615212
(24)【登録日】2019年11月15日
(45)【発行日】2019年12月4日
(54)【発明の名称】1−(2−ハロゲン−エチル)−4−ピぺリジンカルボン酸エチルエステルの製法
(51)【国際特許分類】
   C07D 211/62 20060101AFI20191125BHJP
【FI】
   C07D211/62
【請求項の数】15
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-542369(P2017-542369)
(86)(22)【出願日】2015年10月22日
(65)【公表番号】特表2017-534686(P2017-534686A)
(43)【公表日】2017年11月24日
(86)【国際出願番号】IB2015058145
(87)【国際公開番号】WO2016071792
(87)【国際公開日】20160512
【審査請求日】2018年7月31日
(31)【優先権主張番号】MI2014A001875
(32)【優先日】2014年11月3日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】513275425
【氏名又は名称】オロン ソシエタ ペル アチオニ
【氏名又は名称原語表記】OLON SPA
(74)【代理人】
【識別番号】100060759
【弁理士】
【氏名又は名称】竹沢 荘一
(74)【代理人】
【識別番号】100083389
【弁理士】
【氏名又は名称】竹ノ内 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100198317
【弁理士】
【氏名又は名称】横堀 芳徳
(72)【発明者】
【氏名】ジョルジオ ベルトリーニ
(72)【発明者】
【氏名】コラード コッリ
(72)【発明者】
【氏名】アルド ビアンキ
(72)【発明者】
【氏名】フェデリカ コロンボ
(72)【発明者】
【氏名】ステファノ マヨラナ
(72)【発明者】
【氏名】フィリッポ ニシク
【審査官】 伊藤 幸司
(56)【参考文献】
【文献】 特表2007−534769(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/027045(WO,A1)
【文献】 特表2008−536825(JP,A)
【文献】 特表2007−527890(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/035900(WO,A1)
【文献】 中国特許出願公開第102617502(CN,A)
【文献】 J. Med. Chem.,2009年,52(8),pp.2493-2505
【文献】 日本化学会編 新実験化学講座14 有機化合物の合成と反応[III],丸善株式会社,1978年 2月20日,第1385〜1387頁
【文献】 ABDEL-MAGID A F; ET AL,REDUCTIVE AMINATION OF ALDEHYDES AND KETONES WITH SODIUM TRIACETOXYBOROHYDRIDE. STUDIES 以下備考,THE JOURNAL OF ORGANIC CHEMISTRY,米国,AMERICAN CHEMICAL SOCIETY,1996年 5月,VOL:61, NR:11,PAGE(S):3849 - 3862,ON DIRECT AND INDIRECT REDUCTIVE AMINATION PROCEDURES,URL,http://dx.doi.org/10.1021/jo960057x
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
CAplus/REGISTRY/CASREACT(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】
(ここで、Xは、塩素原子及び臭素原子から選ばれる脱離基である)の化合物の製造する方法であって、イソニペコチン酸エチルのX−アセトアルデヒド(X−CH−CHO)又はそのアセタール、ヘミアセタール又は水和型による還元アミノ化を、溶媒系中、還元剤の存在下、又はその後に還元剤を添加して行うことを含んでなることを特徴とする方法。
【請求項2】
Xが、塩素原子である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
溶媒が、低級アルコール及びアセトニトリルから選ばれるものである請求項2に記載の方法。
【請求項4】
溶媒が、メタノール又はアセトニトリルであることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
溶媒系が、弱酸も含んでなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
酸が、酢酸であることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
溶媒系が、8〜10/1(v/v)又はそれ以上の溶媒/酢酸混合物であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
水の存在下で行うことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
イソニペコチン酸エチル/X−アセトアルデヒドの比が、1/1〜1.5であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
還元剤が、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(NaCNBH)、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(NaBH(OAc))、3−ピリジンボラン(pyr−BH3)、Ti(Oi−Pr)/NaBH、樹脂に担持された水素化ホウ素、Zn(BH/SiO、BuSnH/SiO、又はフェニル−SiH/BuSnClから選ばれるものであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
還元剤が、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(NaCNBH)及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(NaBH(OAc))から選ばれるものであることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
イソニペコチン酸エチル/X−アセトアルデヒド/シアノ水素化ホウ素ナトリウムのモル比が、1/1〜1.5/0.3〜1.5であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
イソニペコチン酸エチル/X−アセトアルデヒド/トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムのモル比が、1/1〜1.5/4〜6であることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
反応が、ハロゲン塩の存在下で生ずることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
反応が、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の塩化物の存在下で生ずることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1−(2−ハロゲン−エチル)−4−ピぺリジンカルボン酸エチルエステルの製法に係る。
【背景技術】
【0002】
ウメクリジニウム、特に、ウメクリジニウム臭化物は、閉塞性肺疾患に罹った患者の治療に使用される化合物である。
【0003】
その合成における鍵となる中間体は、式(I)
【化1】
で表される1−(2−クロロエチル)−4−ピぺリジンカルボン酸エチルエステルであり、そのいくつの合成が文献に記載されている。
【0004】
特に、国際公開第2005/104745号には、下記のように、1−ブロモ−2−クロロエタン及びイソニペコチン酸エチルを反応させることを含んでなる、式(I)の化合物の製法が記載されている。
【化2】
【0005】
しかし、このような反応は、同時に生ずる二量化反応が1,1’−(エタン−1,2−ジイル)ビス(ピぺリジン−4−カルボキシレート)化合物を生ずるため、非常に低い収率(約38%)を提供する。さらに、この方法によって得られる化合物は、著しく不純であり、クロマトグラフィーによって、必ず精製されなければならず、その精製法は、工業的合成には、必ずしも適していない。
【0006】
二量化の問題及び結果としての低収率を克服するために、国際公開第2014/027045号には、特に、下記の反応による、式(I)の化合物を製造するための2工程法が記載されている。
【化3】
【0007】
このような合成は、国際公開第2005/104745号に記載されたものと比べてより良好な収率を提供するが、2つの反応工程及び塩素化剤との反応前に、反応溶媒の蒸留によるヒドロキシル化中間体の分離を必要としている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、迅速であり、良好な収率及び優れた純度を提供し、工業的に便利である、1−(2−エチル)−4−ピぺリジンカルボン酸エチルエステルの誘導体、特に、1−(2−クロロエチル)−4−ピぺリジンカルボン酸エチルエステルの誘導体の製法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
その態様の1つによれば、本発明は、式(I)
【化4】
(ここで、Xは脱離基である)の製法に関し、該方法は、下記のスキーム(I)に従って、還元剤の存在下、又はその後に還元剤を添加して、溶媒系中で、イソニペコチン酸エチルのX−アセトアルデヒド(ここで、Xは上記のとおりである)による還元アミノ化を行うことを含んでなる。
【0010】
スキーム(I)
【化5】
【0011】
「脱離基」の定義は、当業者にはよく知られており、「X−アセトアルデヒド」は、ここでは、式X−CH−CHO(ここで、Xは、脱離基、例えば、臭素又は塩素である)の化合物を意味し、好ましくは、X−アセトアルデヒドはクロロアセトアルデヒドである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施例1の化合物のH−NMRスペクトルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の好適な1具体例によれば、溶媒系は、還元アミノ化反応に適する少なくとも1の溶媒、例えば、C−Cアルコールのような低級アルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、3級−ブタノール等);及びアセトニトリル及び脂肪族又は環状エーテル(例えば、THF)から選ばれる溶媒を含んでなる。
【0014】
或いは、いずれの場合においても、塩化溶媒(例えば、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等)のような他の溶媒であってもよい。しかし、このような溶媒(この種の反応について、文献に記載されているもの)は毒性であるが、本発明の方法は、上述のもののような低毒性の溶媒中においても、非常に良好に進行するとの利点を有する。
【0015】
好適な1具体例によれば、本発明の還元性アミノ化反応は、酸性触媒下で行われ、この場合、溶媒系は、酸、有利には、例えば、カルボン酸のような弱酸を含んでなる。好適な酸としては、酢酸及びギ酸が含まれ、酢酸が好ましい。
【0016】
最も好適な具体例によれば、溶媒系は、溶媒及び酢酸を、有利には、溶媒/酢酸の比少なくとも8〜10/1(v/v)又はより大、例えば、12〜15/1又はより大で含んでなる混合物である。
【0017】
好適な溶媒系は、好ましくは、上記の比のメタノール/酢酸/アセトニトリル及び酢酸系である。
【0018】
他の具体例によれば、溶媒系は、上記で定義したような1つの弱酸、例えば、酢酸のみからなる。
【0019】
好ましくは、イソニペコチン酸エチル/X−アセトアルデヒドのモル比は、少なくとも当モル量であり、好ましくは、X−アセトアルデヒドが過剰で使用され、例えば、その比は、約1/1〜2、例えば、1/1又は1/1.5である。
【0020】
好適な具体例によれば、X−アセトアルデヒドはクロロアセトアルデヒドであり、水溶液、例えば、50%(w/v)溶液として使用される。還元アミノ化反応は、通常、厳密に無水の条件下で行われるため、X−アセトアルデヒドの水溶液を使用できることは驚くべきことである。しかし、この場合、本発明の方法では、還元剤を、開始時から反応混合物に添加すれば、水の存在下でも、良好な収率を提供できる。化合物は、極めて純粋な形で直接得られ、このような結果は、予測できないものであり、驚くべきことである。還元アミノ化反応についてのクロロアセトアルデヒドの使用は、このような試薬は、化学的には、アルデヒドとして、或いは、塩化物として挙動できるため、当業者には予測されない。当該試薬が塩化物として挙動するとすれば、特に、アミンのためのアルキル化剤であろう。さらに、反応が水(通常、シッフ塩基の形成を阻害する)の存在下で行われるため、アルキル化機能が優勢であることが予測される。一方、意外なことには、反応は、結果として、高純度の単一生成物を生成するものであり、反応環境の不利な反応性は、それどころか、意外にも、好都合であることを示す。換言すれば、反応の結果は、当業者の予測に対向するものであり、顕著な収率及び純度で所望の化合物をもたらす。X−アセトアルデヒドの代用物としては、その水和型、アセタール又はヘミアセタールを使用できる。
【0021】
用語「還元剤」は、ここでは、イミンの還元に適し、原料のアルデヒドを還元しない還元剤、例えば、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(NaCNBH)、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(NaBH(OAc))、3−ピリジンボラン(pyr−BH)、Ti(Oi−Pr)/NaBH、樹脂に担持された水素化ホウ素、Zn(BH/SiO、BuSnH/SiO、又はフェニル−SiH/BuSnClから選ばれる化合物を意味する。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(NaCNBH)及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(NaBH(OAc))が好適な還元剤であり、シアノ水素化ホウ素ナトリウムが、上記反応用の特に好ましい還元剤である。
【0022】
還元剤の量は、使用する反応剤に依存するが、当業者により、正確に、算定される。例えば、原料化合物に対してほぼ等モル量のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを使用することができ、或いは、それより少ない量でもよい。イソニペコチン酸エチル/X−アセトアルデヒド/シアノ水素化ホウ素ナトリウムのモル量は、例えば、1/1〜1.5/0.3〜1.5、有利には、約1/1〜1.5/0.5〜1、さらに好ましくは、1/1〜1.5/1である。一方、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムについては、より多い量を使用でき、例えば、イソニペコチン酸エチル/X−アセトアルデヒド/トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムのモル量は、例えば、1/1〜1.5/3〜7、有利には、約1/1〜1.5/4〜6である。
【0023】
反応混合物に、ハロゲン塩、例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属塩化物(例えば、塩化リチウム又は同様の化合物)を添加することにより、クロロアセトアルデヒドを使用する場合、より高い収率及びより低い不純物レベルで所望の化合物を得ることができる。前記塩の量は臨界的ではなく、例えば、原料のイソニペコチン酸エステルに対して10〜50%(w/w)又は等モル量以下の量で添加される。
【0024】
本発明の方法を水の存在下の実施する場合、例えば、水性のX−アセトアルデヒドを使用して実施する場合、いくつかの還元剤(NaCNBH又は他の上記のもの)の存在は、反応の完了を助け、得られる生成物の純度を増大させる(ただし、絶対的ではない)。
【0025】
しかし、水が乏しい環境下で実施する場合には、イミンを形成し、後に、この種の反応に関する技術分野において知られたいずれかの反応によってイミンを還元することができる。
【0026】
従って、記載「還元剤の存在下、又はその後の還元剤の添加」は、水性環境下で実施する場合、アミノ化反応の完了を助長するために、反応の開始時から還元剤を添加することが好ましいことを意味する。
【0027】
スキーム(I)の方法は室温において行われ、数時間で完了する(通常、反応は4時間内で完了する)。内部温度の過剰な上昇を回避するために還元剤を添加する場合には、反応混合物を、例えば、氷浴内で冷却することができる。当業者であれば、公知の技術に従って、例えば、UPLC(高速液体クロマトグラフィー)によって、進行を制御できるであろう。
【0028】
反応終了時、溶媒を蒸発させ、通常、高純度で式(I)の化合物が得られ、該生成物は、従来の技術文献に記載されたものとは反対に、更なる処理を必要とすることなく、直接使用される。しかし、所望であれば、一般的な技術に従って、例えば、シリカ上での単なる濾過によって、又は塩、例えば、塩酸塩としての析出によって、化合物を精製することもできる。
【0029】
本発明の方法の例を、下記の実施例に記載するが、これらは、単に説明のためのものであり、非限定的なものである。
【0030】
本発明の方法は、簡単な還元アミノ化反応によって、中間体の単離及び/又は精製工程を必要とすることなく、優れた収率及び高純度で、式(I)の化合物を提供するものであり、従って、工業分野における有意な改善及び従来技術の方法に対する価値ある代替を提供するものであることが明らかであろう。
【実施例1】
【0031】
フラスコに、イソニペコチン酸エチル(369.6mg;2.3mモル)を充填し、メタノール/酢酸(10/1)混合物6.7mlを添加し、50%クロロアセトアルデヒド水溶液(180.5mg;2.3mモル)を滴加した。氷浴において、溶液を0℃に冷却し、NaCNBH(144.5mg;2.3mモル)を少量ずつ添加した。室温において、2時間撹拌し、反応の進行をUPLCによってチェックした。減圧下、40℃において、溶媒を蒸発させ、水相を、KCOにて塩基性とし、AcOEtにて抽出し、NaSOにて乾燥した。減圧下、40℃において、溶媒を蒸発させ、このようにして、式(I)(式中、Xは塩素である)の化合物456.7mgを得た(収率90%)。
【0032】
H−NMR分析
実施例1で得られた生成物を、DMSO中でのH−NMRによって分析した。スペクトル(図1に示す)は、所望の化合物の構造に係るシグナルのみを示し、化合物が純粋であることを示した(H−NMR、400MHz)。
【実施例2】
【0033】
フラスコに、イソニペコチン酸エチル(443mg;2.8mモル)を充填し、アセトニトリル/酢酸(10/1)混合物8mlを添加し、50%クロロアセトアルデヒド水溶液(219.8mg;2.8mモル)を滴加した。氷浴において、溶液を0℃に冷却し、NaBH(OAc)(2.4mg;11.3mモル)を少量ずつ添加した。室温において、2時間撹拌し、反応の進行をUPLCによってチェックした。減圧下、40℃において、溶媒を蒸発させ、水相を、KCOにて塩基性とし、AcOEtにて抽出し、NaSOにて乾燥した。減圧下、40℃において、溶媒を蒸発させ、このようにして、式(I)(式中、Xは塩素である)の化合物を得た。
【実施例3】
【0034】
フラスコに、イソニペコチン酸エチル(468.2mg;3mモル)を充填し、メタノール/酢酸(10/1)混合物8.6mlを添加し、50%クロロアセトアルデヒド水溶液(235.5mg;3mモル)を滴加した。氷浴において、溶液を0℃に冷却し、NaBH(OAc)(2.5mg;12mモル)を少量ずつ添加した。室温において、2時間撹拌し、反応の進行をUPLCによってチェックした。減圧下、40℃において、溶媒を蒸発させ、水相を、KCOにて塩基性とし、AcOEtにて抽出し、NaSOにて乾燥した。減圧下、40℃において、溶媒を蒸発させ、このようにして、式(I)(式中、Xは塩素である)の化合物を得た。
【実施例4】
【0035】
フラスコに、イソニペコチン酸エチル(349.7mg;2.2mモル)を充填し、メタノール/酢酸(10/1)混合物6.3mlを添加し、50%クロロアセトアルデヒド水溶液(172.7mg;2.2mモル)を滴加した。氷浴において、溶液を0℃に冷却し、NaCNBH(69.1mg;1.1mモル)を少量ずつ添加した。室温において、2時間撹拌し、反応の進行をUPLCによってチェックした。減圧下、40℃において、溶媒を蒸発させ、水相を、KCOにて塩基性とし、AcOEtにて抽出し、NaSOにて乾燥した。減圧下、40℃において、溶媒を蒸発させ、このようにして、式(I)(式中、Xは塩素である)の化合物を得た。
【実施例5】
【0036】
フラスコに、イソニペコチン酸エチル(927.8mg;5.9mモル)を充填し、メタノール/酢酸(10/1)混合物16.8ml(0.35M)を添加し、50%クロロアセトアルデヒド水溶液(463.1mg;5.9mモル)を滴加した。氷浴において、溶液を0℃に冷却し、NaCNBH(370.9mg;5.9mモル)を少量ずつ添加した。室温において、2時間撹拌し、反応の進行をUPLCによってチェックした。減圧下、40℃において、溶媒を蒸発させ、残渣を2N HCl(10ml)にて採取し、30分間、撹拌下に放置した。AcOEt(2×20ml)にて抽出し、水相を、KCOにて塩基性とし、AcOEtにて抽出し、NaSOにて乾燥した。減圧下、40℃において、溶媒を蒸発させ、このようにして、式(I)(式中、Xは塩素である)の化合物を得た。シリカゲルクロマトグラフィー(カラム径3cm、7cmシリカ、DCM/AcOEt=6/4にて溶離)によって、化合物をさらに精製した。
【実施例6】
【0037】
フラスコに、イソニペコチン酸エチル(515.6mg;3.28mモル)を充填し、メタノール/酢酸(9/1)混合物9.37ml(0.35M)、LiCl(139mg;3.28mモル)を添加し、50%クロロアセトアルデヒド水溶液(386.2mg;4.92mモル)を滴加した。氷浴において、溶液を0℃に冷却し、NaCNBH(206.1mg;3.28mモル)を少量ずつ添加した。室温において、2時間撹拌し、反応の進行をUPLCによってチェックした。減圧下、40℃において、溶媒を蒸発させ、残渣を2N HCl(10ml)にて採取し、30分間、撹拌下に放置した。AcOEt(2×20ml)にて抽出し、水相を、KCOにて塩基性とし、AcOEtにて抽出し、NaSOにて乾燥した。減圧下、40℃において、溶媒を蒸発させ、このようにして、式(I)(式中、Xは塩素である)の化合物544.2mgを得た。
図1