(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
  前記把持部は、薄肉部を有し、前記薄肉部を基点とした傾倒変形により、前記第一の姿勢から前記第二の姿勢に変化するように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の離間保持部材。
【発明を実施するための形態】
【0009】
  以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。すなわち、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
 
【0010】
  [実施例]
  本発明の実施例に係る離間保持部材、カートリッジ、画像形成装置、及び梱包体について説明する。
 
【0011】
  ここで、カートリッジとは、現像剤、像担持体、及び、像担持体に作用するプロセス手段のうち少なくとも一つを有し、画像形成装置本体(以下、「装置本体」と称する)に着脱可能なものを指す。カートリッジの代表例として、プロセスカートリッジが挙げられる。このプロセスカートリッジとは、像担持体と像担持体に作用するプロセス手段とをカートリッジ化して、装置本体に対して取り外し可能に装着されるものである。
 
【0012】
  また、画像形成装置とは、電子写真画像形成方式を用いて記録材(記録媒体)に画像を形成するものである。画像形成装置の例としては、例えば、電子写真複写機、電子写真プリンタ(LEDプリンタ、レーザビームプリンタ等)、ファクシミリ装置及びワードプロセッサ等が含まれる。以下、本実施例に係る画像形成装置として、レーザビームプリンタ本体と、レーザビームプリンタ本体に着脱可能なプロセスカートリッジを例に挙げて説明する。
 
【0013】
  また、実施例においては、離間保持部材が装着されたカートリッジ、すなわち、離間保持部材とカートリッジとからなる組立体のことを、カートリッジユニットと称する。カートリッジユニットとは、例えば、カートリッジを運搬(搬送)する際等において、カートリッジの構成部材のうち互いに近接又は接触して配置される構成部材の損傷を防止するために採用される運搬用の組立体のことである。かかる組立体構成により、カートリッジの安全な運搬が可能となる。
  また、離間保持部材が装着されたカートリッジが装置本体に装着された画像形成装置、すなわち、離間保持部材とカートリッジと装置本体(画像形成装置においてカートリッジ
を除いた構成部分)とからなる組立体についても、本実施例では梱包体と称する。梱包体とは、例えば、画像形成装置を運搬する際等において、装置構成のうち互いに近接又は接触して配置される構成部材の損傷を防止するために採用される運搬用の組立体のことである。かかる組立体構成により、画像形成装置の安全な運搬が可能となる。
  なお、カートリッジユニットや梱包体の具体的構成は、装置構成等に応じて種々の構成が考えられ、本実施例で示す構成に限定されるものではない。
 
【0014】
  尚、以下の説明において、プロセスカートリッジの長手方向とは、像担持体としての感光ドラム62の回転軸線L0や現像剤担持体としての現像ローラ32の回転軸線L1(
図4参照)と略平行な方向である。またプロセスカートリッジの長手方向は、プロセスカートリッジを装置本体に着脱する方向と実質的に直交する方向であり、記録材の搬送方向と交差する方向である。プロセスカートリッジの長手方向において、装置本体から感光ドラム62が回転力を受ける側を駆動側とし、その反対側を非駆動側とする。また、説明文中の符号は、図面を参照するためのものであって、構成を限定するものではない。
 
【0015】
(1)画像形成装置の全体説明
  
図1を用いて、本発明の実施例に係る画像形成装置の全体構成について説明する。
図4は、画像形成装置の構成について説明する模式的断面図である。
図4に示す画像形成装置は、パーソナルコンピュータなどの外部機器から通信された画像情報に応じて、電子写真画像形成プロセスによって記録材Pに現像剤による画像を形成するものである。記録材Pの一例として、記録紙、ラベル紙、OHPシート、布等が挙げられる。また、画像形成装置は、使用者によってプロセスカートリッジが装置本体に、取り付け、及び、取り外しが可能に設けられている。ここで、以下説明において、プロセスカートリッジを「カートリッジB」と称し、画像形成装置本体を「装置本体A」と称する。尚、装置本体Aは、画像形成装置の構成部分のうちカートリッジBを除いた部分である。
 
【0016】
  プリントスタート信号に基づいて、回転体である感光ドラム62は矢印R方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。感光ドラム62は、表面が装置本体Aからの電圧印加により帯電ローラ66で一様に帯電される。そして、光学手段3から画像情報に応じたレーザ光Lが、帯電した感光ドラム62に照射され、感光ドラム62に画像情報に応じた静電潜像(静電像)が形成される。この静電潜像は、後述の現像手段によって現像剤tで現像され、感光ドラム62表面に現像剤像が形成される。装置本体Aには、記録材Pの搬送方向Dに沿って、給紙ローラ5a、搬送ローラ対5c、転写前ガイド6、装置本体Aの転写手段(転写部材)としての転写ローラ7、搬送ガイド8、定着装置9、排出ローラ対10、排出トレイ11が順次配置されている。また、定着装置9は、ヒータ9cを内蔵した加熱ローラ9aと加圧ローラ9bとを備えている。
 
【0017】
  一方、給紙トレイ4に収容された記録材Pは、上記現像剤像の形成と同期して、給紙ローラ5aとこれに圧接する分離パット5bによって、一枚ずつ分離給送される。そして、記録材Pは、搬送ローラ対5cで給送され、転写前ガイド6を経由して、ドラム62と転写ローラ7との間の転写位置へ供給される。転写ローラ7は、感光ドラム62表面に接触するように付勢されている。次いで、記録材Pは、感光ドラム62と転写ローラ7とで形成される転写ニップ部7aを通る。このとき、転写ローラ7に現像剤像と逆極性の電圧を印加することで、感光ドラム62表面上に形成された現像剤像が、記録材Pに転写される。現像剤像が転写された記録材Pは、感光ドラム62から分離されて搬送ガイド8に沿って定着装置9に搬送される。そして、記録材Pは、加熱ローラ9aと加圧ローラ9bとのニップ部9dを通過する際に、熱及び圧力を印加され、記録材Pに転写された現像剤像が記録材Pに定着される。これによって、記録材Pに画像が形成される。その後、記録材Pは、排出ローラ対10まで搬送されて、排出トレイ11に排出される。
 
【0018】
(2)カートリッジBの全体説明
  
図2、
図3および
図11を用いて、本発明の実施例に係るカートリッジBについて説明する。
図2は、カートリッジBの構成を説明する模式的断面図である。
図3は、カートリッジBの構成を説明する模式的斜視図であり、(a)を分解した状態を示し、(b)は組み付けられた状態を示している。
図11(a)は、カートリッジBの記憶装置(記憶素子)40近傍の構成を説明する模式的斜視図である。
図11(b)は、装置本体Aに備えられる通信ユニット100の構成を説明する模式的斜視図である。
図11(c)は、カートリッジBを装置本体Aに装着した場合において、記憶装置40と通信ユニット100とが係合している状態を説明する模式図である。
 
【0019】
  図2に示すように、カートリッジBは、現像ユニット20と、クリーニングユニット60とから成る。現像ユニット20は、現像手段としての現像ローラ32や現像ブレード42、第二枠体として構成される現像剤収納容器24やサイドカバー25Lやサイドカバー25R(
図3参照)、マグネットローラ34、現像剤搬送部材43、現像剤t等を備えている。また、クリーニングユニット60は、第一枠体としてのクリーニング枠体71に、感光ドラム62やクリーニングブレード77、帯電ローラ66等を備えている。
 
【0020】
  現像剤収納容器24に収納された現像剤tは、現像剤搬送部材43によって、現像剤収納容器24の現像剤収納部24bから供給開口部24fを通じて現像室24g内に送り出される。そして、現像ローラ32に内蔵したマグネットローラ34の磁力によって、現像室24gの現像剤tを現像ローラ32の表面に引き寄せる。また、現像ブレード42は、板金からなる支持部材42aとウレタンゴム等の弾性体からなる弾性部材42bから構成され、弾性部材42bが現像ローラ32に対して一定の接触圧をもって弾性的に接触するように設けられている。そして、現像ローラ32が回転方向Qに回転することで、現像ローラ32の表面に付着する現像剤tの量を規定し、現像剤tに摩擦帯電電荷を付与する。これにより、現像ローラ32表面に現像剤層が形成される。そして、装置本体Aから電圧が印加された現像ローラ32を回転方向Qに回転させることにより、感光ドラム62の現像領域へ現像剤tを供給する。
 
【0021】
  感光ドラム62の外周面には、クリーニング枠体71に回転可能に支持されるとともに付勢された状態で、帯電ローラ66が接触して設けられている。帯電ローラ66は、装置本体Aからの電圧印加によって、感光ドラム62の表面を一様に帯電する。そして、光学手段3(
図2参照)のレーザ光Lにより、感光ドラム62の表面に静電潜像が形成される。そして、現像領域において、感光ドラム62の静電潜像に応じて現像剤tを転移させて静電潜像を可視像化し、感光ドラム62に現像剤像を形成する。
 
【0022】
  クリーニングブレード77は、感光ドラム62の外周面に、弾性的に接触して設けられ、上記現像剤像を記録媒体Pに転写した後に、感光ドラム62に残留する現像剤tを掻き落とす。この掻き落とされた現像剤tは、クリーニングブレード77が固定されたクリーニング枠体71の除去現像剤収容部71aに収納される。
 
【0023】
  図3(a)に示すように、カートリッジBは、クリーニングユニット60と現像ユニット20を合体して構成され、結合部材75a、結合部材75bによって互いに回動可能に結合する。
  具体的には、現像ユニット20は、現像剤収納容器24の長手方向(現像ローラ32の回転軸線L1の方向)両端に、現像ローラ32を回転可能に支持するサイドカバー25L、サイドカバー25Rが結合されている。また、サイドカバー25L、サイドカバー25Rに、それぞれ現像ローラ32の回転軸線L1と平行に回動孔25La、回動孔25Raが設けられ、回動孔25Laと回動孔25Raとは同軸に配置されている。
  一方、クリーニングユニット60は、クリーニング枠体71の長手方向端部に、感光ド
ラム62を回転可能に支持するホルダ72が結合されている。また、クリーニング枠体71とホルダ72に、それぞれ感光ドラム62の回転軸線L0と平行に嵌入孔71bLおよび嵌合孔71bR、嵌合孔72aが設けられ、嵌入孔71bL、嵌合孔71bRおよび嵌合孔72aは同軸に配置されている。そして、回動孔25Laと嵌入孔71bL、回動孔25Raと嵌合孔71bRおよび嵌合孔72Rとが一致するように、現像ユニット20をクリーニングユニット60に対して所定の位置に合わせる。その後、結合部材75aを嵌入孔71bLと回動孔25Laに、結合部材75bを嵌合孔71bRおよび嵌合孔72aと回動孔25Raに挿入する。これにより、クリーニングユニット60と現像ユニット20が結合部材75aおよび結合部材75bの軸線L2まわりに回動可能(相対移動可能)に結合される。
 
【0024】
  サイドカバー25Lの取付部25Lb、サイドカバー25Rの取付部25Rbにそれぞれ付勢部材46L、付勢部材46Rが取り付けられている。付勢部材46Lは圧縮バネであり、
図3(b)に示すようにサイドカバー25Lの取付部25Lbとクリーニング枠体71のバネ当接部71cLとの間で圧縮される。付勢部材46Rも同様に、サイドカバー25Rの取付部25Rbとクリーニング枠体71のバネ当接部71cRとの間で圧縮される。そして、付勢部材46Lの付勢力Fl、付勢部材46Rの付勢力Frにより、現像ユニット20は結合部材75aおよび結合部材75bの軸線L2を回動中心とした矢印M1方向の回転モーメントによりクリーニングユニット60に対して付勢される。さらに、現像ローラ32の両端部に取り付けられた間隔保持部材17L、間隔保持部材17Rが感光ドラム62表面に当接することで、現像ローラ32は感光ドラム62から所定の間隔をもって配置される(現像可能位置)。これにより、画像形成時、現像ローラ32は感光ドラム62に対して確実に付勢された状態で、現像ローラ32は感光ドラム62から所定の間隔が保持される。
 
【0025】
  図11(a)に示すように、カートリッジBは、サイドカバー25Lの外面に記憶素子40が配置されており、装置本体Aと電気的に接続されて情報を相互に通信することができる。装置本体Aには、
図11(b)に示す通信ユニット100が配置されている。通信ユニット100には、記憶素子40と電気的接続を行う接点部101と突起部103とが設けられている。カートリッジBを装置本体Aに装着した状態において、突起部103が記憶素子40の近傍に配置された案内部41に係合して通信ユニット100の位置決めがなされる。通信ユニット100は、付勢部材102によってFph方向に付勢されるように装置本体Aに設けられており、記憶素子40と接点部101とを接触させている。記憶素子40には、カートリッジBの使用履歴やトナー残量などのカートリッジB固有の上方が記憶されており、画像形成動作の制御に利用される。
 
【0026】
  カートリッジBを装置本体A内に装着した状態で梱包して出荷する際には、輸送・運搬中の衝撃によって感光ドラム62等のプロセス手段及び記憶素子40が損傷するのを防止するため、非駆動側離間保持部材36及び駆動側離間保持部材37を装着する。
 
【0027】
(3)非駆動側離間保持部材36、駆動側離間保持部材37の離間保持部についての説明
  
図4〜
図9、
図12を用いて、本発明の実施例に係る非駆動側離間保持部材36及び駆動側離間保持部材37について説明する。
図4(a)は、非駆動側離間保持部材36および駆動側離間保持部材37を取り付けた状態のカートリッジB、すなわち、カートリッジユニットの構成を示す模式的斜視図である。
図4(b)は、非駆動側離間保持部材36および駆動側離間保持部材37を取り付けていない状態のカートリッジBの構成を示す模式的斜視図である。
図5(a)は、非駆動側離間保持部材36の模式的斜視図であり、長手方向外側かつカートリッジBと対向する面側から見た図である。
図5(b)は、
図5(a)に示した非駆動側離間保持部材36の裏側を示す模式的斜視図である。
図6は、
図4(a)のHb矢視方向に見たカートリッジユニットの構成を示す模式的側面図である。
図7
は、カートリッジBの挿抜ができるようにカートリッジドア(開閉部材)を開いた状態の装置本体Aの概略構成を示す模式的斜視図であり、断面H1の位置を示す図でもある。
図8は、非駆動側離間保持部材36および駆動側離間保持部材37を取り付けたカートリッジB(カートリッジユニット)を装置本体Aに収容した状態における
図7のH1矢視方向における構成の一部を示す模式的部分断面図である。
図9は、
図4(a)のHb矢視方向に見たカートリッジユニットにおける非駆動側離間保持部材36(把持部36h)の状態変化(姿勢変化)の様子を示す模式的側面図であり、(a)は第一の姿勢、(b)は第二の姿勢をそれぞれ示す。
図12(a)は、非駆動側離間保持部材36および駆動側離間保持部材37を取り付けたカートリッジB(カートリッジユニット)を装置本体Aに収容した状態における通信ユニット100近傍の構成を示す模式的斜視図である。
図12(b)は、
図12(a)における通信ユニット100と非駆動側離間保持部材36のみを表示した模式的斜視図である。
図12(c)は、
図12(b)における通信ユニット100を、通信ユニット100と正対する方向から見た模式図である。
 
【0028】
  図4(a)に示すように、非駆動側離間保持部材36は、感光ドラム62の回転軸線方向におけるカートリッジBの一端側である非駆動側端部に配置され、駆動側離間保持部材37は、カートリッジBの他端側である駆動側端部に配置されている。これにより、非駆動側と駆動側とで結合して一体の離間保持部材とするよりも、非駆動側離間保持部材36および駆動側離間保持部材37の大きさを、できる限り小さくするようにしている。非駆動側離間保持部材36と駆動側離間保持部材37は、感光ドラム62の回転軸線方向において対称的な構成となっており、機能的にほぼ同等であるため、以下、非駆動側離間保持部材36を例に説明し、駆動側離間保持部材37の説明は省略する。
 
【0029】
  図5に示すように、非駆動側離間保持部材36は、クリーニングユニット60と現像ユニット20に跨った形状、すなわち、クリーニングユニット60に取り付けられる部分と、現像ユニット20に取り付けられる部分と、を有する構成となっている。具体的には、非駆動側離間保持部材36は、取付部36a、第一離間部36b、第二離間部36c、第三離間部36d、把持部36hから成る。第一離間部36bは、感光ドラム62と現像ローラ32との間を離間する部分である。第二離間部36cは、感光ドラム62と転写ローラ7との間を離間する部分である。第三離間部36dは、記憶素子40と通信ユニット100との間を離間する部分である。
 
【0030】
  第一離間部36bは、第一挿入部として、
図6に示すように、クリーニングユニット60と現像ユニット20との間に挿入され挟持される。具体的には、第一離間部36bは、クリーニングユニット60のクリーニング枠体71の当接部71dと、現像ユニット20のサイドカバー25Lの当接部25Lcとの間に差し込まれる。このとき、第一離間部36bは、付勢部材46Lの付勢力Fl(
図3(b)参照)に抗して、現像ユニット20を軸線L2まわりの回動方向M1と逆向きに移動させる。これにより、現像ローラ32は、感光ドラム62に対して画像形成時の位置(現像可能位置)から遠ざかる位置(退避位置)に配置される。同時に、第一離間部36bには、矢印M1方向の回転モーメント(
図3(b)参照)が作用し、クリーニング枠体71の当接部71dとサイドカバー25Lの当接部25Lcとの間に挟まれた状態になる。このとき、感光ドラム62と現像ローラ32との間には、現像ローラ32が画像形成時の位置よりも感光ドラム62に対して遠ざかる位置であるクリアランスS1(
図6参照)が確保される。
 
【0031】
  第二離間部36cは、第二挿入部として、装置本体Aに配置された転写ローラ7を、感光ドラム62に対して画像形成時の位置(現像剤像を記録材に転写可能な相対位置)から遠ざかる位置に配置する形状である。非駆動側離間保持部材36(と駆動側離間保持部材37)を取り付けたカートリッジBを装置本体Aに収容した状態では、
図8に示すように、第二離間部36cが転写ローラ7の軸受け部110を、付勢部材(圧縮バネ)111の
付勢力Ftに抗して付勢する。このとき、感光ドラム62と転写ローラ7との間には、転写ローラ7が画像形成時の位置よりも感光ドラム62に対して遠ざかる位置であるクリアランスS2が確保される。
 
【0032】
  第三離間部36dは、第三挿入部として、
図6に示すように、現像ユニット20のサイドカバー25Lに取り付けられた記憶素子40を覆うように配置されている。第三離間部36dには二つのリブ36d1が設けられている。装置本体Aには、通信ユニット100が、カートリッジBが装置本体Aに装着された状態において記憶素子40が配置される位置に対し進退可能に付勢部材(圧縮バネ)102によって付勢されて設けられている。非駆動側離間保持部材36を取り付けたカートリッジBを装置本体Aに収容した状態では、
図8に示すように、第三離間部36dのリブ36d1が装置本体Aに設けられた通信ユニット100を、付勢部材102の付勢力Fphに抗する方向に付勢する。また、サイドカバー25Lは、第一離間部36bがクリーニング枠体71の当接部71dとサイドカバー25Lの当接部25Lcとの間に挟まれた状態では、画像形成時の位置から回動方向M1の反対方向に回動した位置となっている。したがって、通信接点部40aは画像形成時の位置(通信ユニット100と通信可能な相対位置)から遠ざかる位置に配置される。この状態において、第三離間部36dは、記憶素子40と装置本体Aに設けた通信ユニット100との間に配置される。このとき、通信接点部101と記憶素子40が接触しないクリアランスS3が確保される。また、
図12(b)、
図12(c)に示すように、第三離間部36dは、通信ユニット100に設けられた突起部103および通信接点部101に対応する位置に開口を有している。通信接点部101に対応する位置に開口することによって、非駆動側離間保持部材36もまた通信接点部101および記憶素子40と触れないようにしている。突起部103に対応する位置に開口することによって、必要十分なクリアランスS3を確保した際に、非駆動側離間保持部材36と突起部103とが干渉することを回避している。すなわち、非駆動側離間保持部材36は、通信ユニット100に対して、リブ36d1等が突起部103以外の部分と接触するが、突起部103とは接触しないように組み付けられる。これによって、クリアランスS3が過大となることを防止している。さらに、突起部103に対応する位置の開口をカートリッジBの案内部41と同様の構成とすることで、非駆動側離間保持部材36が通信ユニット100の位置決めを補助している。
 
【0033】
  非駆動側離間保持部材36のカートリッジBに対する取付部aは、第一取付部36a1、第二取付部36a2、第三取付部36a3、第四取付部36a4から構成されている。
 
【0034】
  第一取付部36a1および第二取付部36a2は、
図5に示すように爪形状で構成されている。そして、
図6に示すように、第一取付部36a1は、第一離間部36bがクリーニング枠体71の当接部71dとサイドカバー25Lの当接部25Lcとの間に挟まれた状態において、クリーニング枠体71の取付部71eに接触する(引っかかる)。合わせて、第二取付部36a2は、クリーニング枠体71の取付部71jに接触する(引っかかる)。これにより、非駆動側離間保持部材36が、カートリッジBから脱落するのを防止している。なお、本実施例では、第一取付部36a1および第二取付部36a2が爪形状で構成されているが、クリーニング枠体71の取付部71eや取付部71jが爪形状で構成されていてもよい。
 
【0035】
  第三取付け部36a3および第四取付け部36a4は、
図5に示すように、それぞれ感光ドラム62の回転軸方向と略直交する方向に延びる略平行な壁を構成し、感光ドラム62の回転軸方向に対向するように配置されている。一方、カートリッジBには、
図4(b)に示すように、クリーニング枠体71の感光ドラム62の回転軸線L0の方向における非駆動側端部に、突出部として、回転軸線L0と直交する方向に延びる(突出する)規制部71f2が設けられている。非駆動側離間保持部材36がカートリッジBに取り付けら
れると、凹形状の被規制部としての第三取付け部36a3および第四取付け部36a4が、規制部71f2を回転軸線L0方向に挟み込む配置となる。これにより、非駆動側離間保持部材36は、カートリッジBに対する回転軸線L0方向の位置が規制される。
 
【0036】
  非駆動側離間保持部材36は、外力を加えることで、変形部(薄肉部)36jを基点に、把持部36h側が、取付部36a及び第一〜第三離間部36b、36c、36dからなる保持部材本体側に対し折れ曲がるように傾倒変形可能に構成されている。かかる変形により、非駆動側離間保持部材36がカートリッジBに取り付けられた状態において、把持部36hが、カートリッジBに対して立設姿勢(
図9(a))と倒設姿勢(
図9(b))とを取り得るように構成されている。
図9(a)に示す非駆動側離間保持部材36の姿勢を、以下の説明では自然姿勢と称し、
図9(b)に示す非駆動側離間保持部材36の姿勢を、以下の説明では収容姿勢と称する。
 
【0037】
  非駆動側離間保持部材36を取り付けたカートリッジB(カートリッジユニット)が装置本体Aに収容されていない状態において、非駆動側離間保持部材36は
図9(a)に示す自然姿勢となる。すなわち、非駆動側離間保持部材36の把持部36hが、カートリッジBの表面(クリーニング枠体71の上面)から離れる方向に突き出た立設姿勢となる(第一の姿勢)。非駆動側離間保持部材36は、自然姿勢において、カートリッジB(クリーニング枠体71)の表面と把持部36hとの間に、ユーザの手指より大きなクリアランスS4(隙間)が確保されるように構成されている。このとき、
図6に示すように、ユーザは、把持部36hとクリーニング枠体71の上面との間に指を挿入し、把持部36hを矢印U方向に引き上げることで、非駆動側離間保持部材36をカートリッジBから容易に取り外すことができる。
 
【0038】
  一方、
図9(b)に示す収容姿勢にある非駆動側離間保持部材36は、カートリッジBと把持部36hとの間に、自然姿勢にあるときのクリアランスS4より小さいクリアランスS5(隙間)が形成されるように構成されている。具体的には、非駆動側離間保持部材36の把持部36hが、カートリッジBの表面(クリーニング枠体71の上面)に対して倒設された姿勢となり(第二の姿勢)、上記立設姿勢のときと比べてカートリッジBの表面からの高さが低くなる。このとき、カートリッジBと非駆動側離間保持部材36とを含む投影最外形を結ぶ矩形の面積SQ2は、把持部36hのカートリッジB表面からの突出度合い(高さ)が小さくなることで、非駆動側離間保持部材36が自然姿勢にあるときのSQ1より小さくなる。これにより、非駆動側離間保持部材36を取り付けたカートリッジBを装置本体Aに収容した際に必要な装置本体A内部の容積を小さくすることができる。
  なお、駆動側離間保持部材37も、第三離間部36cを持たない他は非駆動側離間保持部材36と同様であるため、説明を割愛する。
 
【0039】
(4)非駆動側離間保持部材36を装着したカートリッジB(カートリッジユニット)を装置本体Aに挿抜する状況の説明
  
図7および
図10を用いて、本発明の実施例に係る非駆動側離間保持部材36および駆動側離間保持部材37を装着したカートリッジB(カートリッジユニット)を装置本体Aに挿抜する状況について説明する。
図10(a)〜
図10(c)は、それぞれ
図7のH1矢視における断面説明図である。
図10(a)は、非駆動側離間保持部材36を装着したカートリッジB(カートリッジユニット)が装置本体外にある状態を示している。
図10(b)は、非駆動側離間保持部材36を装着したカートリッジB(カートリッジユニット)を装置本体Aに着脱する途中の状態を示している。
図10(c)は、非駆動側離間保持部材36を装着したカートリッジB(カートリッジユニット)を装置本体Aに挿入し終わった状態を示している。なお、非駆動側離間保持部材36と駆動側離間保持部材37は機能的にほぼ同等であるため、以下、非駆動側離間保持部材36を例に説明し、駆動側離間
保持部材37の説明は省略する。
 
【0040】
  図7に示すように、装置本体AにはカートリッジBの挿抜軌跡を規制するガイドA2が設けられている。ガイドA2は、カートリッジBを挟んで装置本体Aの駆動側と非駆動側とにそれぞれ対で設けられ、各対が感光ドラム62の回転軸方向に対向するように配置されている。ガイドA2は、溝状の形状になっており、カートリッジBの非駆動側側面に設けられた凸形状71g、71hと係合することで挿抜軌跡が規制される。駆動側にも、駆動側のガイドA2、凸形状71g、71hと同様の構成が設けられており(図示省略)、挿抜中のカートリッジBの回転姿勢が規制されている。
 
【0041】
  図10(a)に示すように、装置本体AにおけるカートリッジB(カートリッジユニット)の収容部には当接部A1が設けられている。当接部A1は、非駆動側離間保持部材36を取り付けたカートリッジB(カートリッジユニット)を装置本体Aに挿入する軌跡の途中で、把持部36hと干渉する位置に設けられている。
 
【0042】
  図10(b)に示すように、非駆動側離間保持部材36を取り付けたカートリッジB(カートリッジユニット)は、開口部から矢印Vの方向へ装置本体Aに挿入する。カートリッジBの凸部71g、71hがガイドA2と係合し、収容位置へ案内される途中で、把持部36hが当接部A1と接触する。その状態からさらにカートリッジBを装置本体の収容位置(装着完了位置)へ向けて挿入すると、離間保持部材36の把持部36hが当接部A1に押される。これにより、把持部36hが、薄肉の変形部36jを基点に取り外し姿勢(立設姿勢)から収容姿勢(倒設姿勢)へと弾性的に変形する。当接部A1は、把持部36hの変形が装置本体AへのカートリッジBの挿入が完了するより前(カートリッジユニットが装着完了位置に到達する前)に完了するような位置および形状に配置されている。カートリッジBが装置本体Aの装着位置(装着完了位置)にある間は、把持部36hが当接部A1に押圧されることで収容姿勢に保持される。
 
【0043】
  非駆動側離間保持部材36を取り付けたカートリッジB(カートリッジユニット)を装置本体Aから抜去する場合について説明する。抜去時において、挿入時とは逆方向へカートリッジB(カートリッジユニット)をガイドA2に沿って移動させていくと、当接部A1からの押圧力が除去される。これにより、非駆動側離間保持部材36が、その弾性復元力によって
図9(a)の通常姿勢(自然姿勢)へ変形する。これにより、把持部36hがカートリッジBに対して立設姿勢となり、カートリッジB表面からの突出量(高さ)を大きくする。したがって、装置本体AのカートリッジB(カートリッジユニット)を収容するための領域の容積を大きくすることなく、ユーザが非駆動側離間保持部材36の把持部36hを把持してカートリッジBから取り外すことを容易にすることができる。
 
【0044】
  なお、本実施例では非駆動側離間保持部材36を収容姿勢から取り外し姿勢へ変形する付勢力の発生源として非駆動側離間保持部材36の弾性復元力を用いたが、バネ等の別体の付勢部材を用いる構成としもよい。非駆動側離間保持部材36の変形部36jを基点に把持部36hだけが変形する構成としたが、変形部36jを設けずに非駆動側離間保持部材36全体がたわみ変形する構成としてもよいし、変形の基点の数を増やしてもよい。