(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記作成部は、ニューラルネットワーク解析又は遺伝的アルゴリズム解析を前記実績値パラメータに施した結果に基づいて前記受電電力モデルを作成する、請求項1に記載の契約電力決定支援装置。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の契約電力決定支援装置、契約電力決定支援方法及び契約電力決定支援プログラムを、図面を参照して説明する。
契約電力決定支援装置は、契約電力の決定を支援する装置である。例えば、契約電力決定支援装置は、製造機器、他の機器やコンプレッサを備える工場の契約電力の決定を支援する。例えば、契約電力決定支援装置は、熱源機や照明を備えるビルの契約電力の決定を支援してもよい。
【0008】
例えば、工場では、製造機器等の消費電力が、熱源機等の消費電力と比較して多い場合がある。例えば、ビルでは、熱源機等の消費電力が、製造機器等の消費電力と比較して多い場合がある。契約電力決定支援装置の構成及び動作は、工場の契約電力の決定を支援する場合と、ビルの契約電力の決定を支援する場合とで同様である。以下、一例として、契約電力決定支援装置が、工場の契約電力の決定を支援する装置である場合について説明する。
【0009】
(第1の実施形態)
図1は、契約電力決定支援装置1の構成の第1例の図である。第1の実施形態では、契約電力決定支援装置1を「契約電力決定支援装置1a」という。契約電力決定支援装置1aは、第1取得部11と、データベース12と、作成部13と、記憶部14と、第2取得部15と、決定部16と、出力部17とを備える。第1取得部11と、作成部13と、第2取得部15と、決定部16と、出力部17とのうち一部または全部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサが、記憶部に記憶されたプログラムを実行することにより機能するソフトウェア機能部である。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェア機能部であってもよい。
【0010】
第1取得部11は、実績値(現在値)を含むパラメータ(以下、「実績値パラメータ」という。)を取得する。実績値パラメータ(第1パラメータ)は、電力の実績値を含むパラメータである。実績値パラメータは、例えば、工場に備えられた機器ごとの消費電力(機器別消費電力)の実績値を含むパラメータである。実績値パラメータは、工場に備えられた機器ごとの消費電力の実績値が不明である場合、例えば、工場に備えられた機器群の全体の消費電力(工場全体の受電電力)の実績値を含むパラメータでもよい。工場に備えられた機器は、例えば、製造機器、コンプレッサ、熱源機である。
【0011】
実績値パラメータは、例えば、外気条件データの実績値を含むパラメータでもよい。外気条件データは、例えば、外気の温度の実績値である。外気条件データは、例えば、外気の露点温度の実績値、外気の相対湿度の実績値又は外気の絶対湿度の実績値でもよい。第1取得部11は、予め定められた通信規格に基づいて通信する。通信規格は、例えば、BACnet(Building Automation and Control Network)規格である。
【0012】
データベース12は、例えば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)などの不揮発性の記憶媒体(非一時的な記憶媒体)を有する。データベース12は、例えば、RAM(Random Access Memory)やレジスタなどの揮発性の記憶媒体を有していてもよい。データベース12は、例えば、実績値パラメータと時刻データとを対応付けて記憶する。データベース12は、一例として、少なくとも直近の12か月の実績値を含む実績値パラメータを利用可能にするため、直近の13か月間の実績値を含む実績値パラメータを記憶してもよい。また、空き容量に余裕がある場合には、データベース12は、さらに長期間の実績値を含む実績値パラメータを記憶してもよい。データベース12は、所定周期で測定された実績値パラメータを記憶してもよい。所定周期は、例えば、1分周期や1秒周期である。
【0013】
作成部13は、実績値パラメータと時刻データとをデータベース12から取得する。作成部13は、実績値パラメータと時刻データとを、期間ごと又は季節ごとに取得してもよい。作成部13は、実績値パラメータと時刻データとに基づいて、受電電力モデルを作成する。受電電力モデルは、例えば、数式で表される。受電電力モデルの数式のパラメータに実績値が入力された場合、受電電力モデルの出力値(モデル値)は、過去の受電電力の予測値を表す。過去の受電電力の予測値が受電電力の実績値に近いことは、受電電力モデルの精度が高いことを表す。また、受電電力モデルの数式のパラメータに予測値が入力された場合、受電電力モデルの出力値は、将来の受電電力の予測値を表す。
【0014】
作成部13は、例えば、実績値パラメータに重回帰分析を施すことによって、受電電力モデルを作成する。作成部13は、製造機器の消費電力と、コンプレッサの消費電力と、熱源機の消費電力と、その他の機器の消費電力とに、工場全体の受電電力を分類する。作成部13は、各消費電力の実績値に重回帰分析を施す。
【0015】
受電電力モデルの説明変数は、一例として、外気の温度及び露点温度の少なくとも一方である。受電電力モデルは、式(1)によって表される。
【0017】
ここで、E
1は、製造機器の消費電力(kW)を示す。E
2は、コンプレッサの消費電力(kW)を示す。E
3は、熱源機の消費電力(kW)を示す。E
4は、他の機器の消費電力(kW)を示す。Eは、受電電力(kW)を示す。X
1は、外気の温度(摂氏)を示す。X
2は、外気の露点温度(摂氏)を示す。a
0は、製造機器の消費電力の定数項を示す。a
1,a
2は、製造機器の消費電力の重回帰分析係数を示す。b
0は、コンプレッサの消費電力の定数項を示す。b
1,b
2は、コンプレッサの消費電力の重回帰分析係数を示す。c
0は、熱源機の消費電力の定数項を示す。c
1,c
2,c
3,c
4は、熱源機の消費電力の重回帰分析係数を示す。d
0は、他の機器の消費電力の定数項を示す。d
1,d
2は、他の機器の消費電力の重回帰分析係数を示す。
【0018】
作成部13は、熱源機の消費電力の実績値と、外気の温度の実績値、外気の露点温度の実績値とに2次の相関がある場合について、重回帰分析によって式(1)に示す受電電力モデルを作成する。すなわち、作成部13は、機器ごとの消費電力の実績値と、外気の温度の実績値と、外気の露点温度の実績値とに基づいて、重回帰分析によって各消費電力の定数項と重回帰分析係数とを決定する。
【0019】
作成部13は、工場に備えられた機器ごとの消費電力が不明である場合、工場全体の受電電力の実績値に対する重回帰分析によって、式(2)に示す受電電力モデルを作成してもよい。
【0021】
e
1は、受電電力の定数項を示す。e
1,e
2は、受電電力の重回帰分析係数を示す。作成部13は、熱源機の消費電力と外気の温度及び露点温度とに2次の相関がある場合について、重回帰分析によって式(2)に示す受電電力モデルを作成する。すなわち、作成部13は、受電電力と外気の温度及び露点温度とに基づいて、重回帰分析によって受電電力の定数項と重回帰分析係数とを決定する。
【0022】
なお、作成部13は、ニューラルネットワーク解析を実績値パラメータに施した結果に基づいて、受電電力モデルを作成してもよい。ニューラルネットワーク解析には、参考文献(「ニューロ・ファジィ・AIハンドブック」、ISBN−13:978−4274034466)に記載されている解析方法が利用されてもよい。また、作成部13は、遺伝的アルゴリズム解析を実績値パラメータに施した結果に基づいて、受電電力モデルを作成してもよい。
【0023】
記憶部14は、例えば、ROM、フラッシュメモリ、HDDなどの不揮発性の記憶媒体(非一時的な記憶媒体)を有する。記憶部14は、例えば、RAMやレジスタなどの揮発性の記憶媒体を有していてもよい。記憶部14は、例えば、ソフトウェア機能部を機能させるためのプログラムを記憶する。記憶部14は、例えば、最大値を含むパラメータ(以下、「最大値パラメータ」という。)を記憶する。最大値パラメータ(第2パラメータ)は、時刻データに対応付けて記憶されてもよい。最大値パラメータは、例えば、期間や季節ごとに記憶されてもよい。記憶部14は、例えば、最大値パラメータをデータシートの形式で記憶してもよい。
【0024】
第2取得部15は、最大値パラメータを取得する。第2取得部15は、例えば、記憶部14から最大値パラメータを取得する。最大値パラメータは、例えば、電力の最大値を含むパラメータである。最大値パラメータは、例えば、機器の消費電力の最大値を含むパラメータである、最大値パラメータは、外気条件データの最高値を更に含むパラメータでもよい。外気条件データの最高値は、例えば、外気の最高温度の予測値、外気の最高露点温度の予測値である。
【0025】
決定部16は、受電電力モデルを表すデータを、作成部13から取得する。決定部16は、最大値パラメータを第2取得部15から取得する。決定部16は、最大値パラメータに応じた受電電力モデルの出力値に基づいて、将来における工場の受電電力のピーク値を予測する。決定部16は、将来における工場の受電電力のピーク値に基づいて、工場の契約電力の推奨値を決定する。
【0026】
受電電力が契約電力を超えないようにするため、第1の実施形態における、受電電力が超えることのない最低の契約電力(最適な契約電力)の値は、受電電力のピーク値と等しい。式(1)及び式(2)では、受電電力モデルは、外気の温度及び露点温度の2次式になっている。外気の最高温度及び最高露点温度をパラメータとして式(1)に入力した場合、式(1)に示す受電電力モデルの出力値は、受電電力の最大値(ピーク値)の予測値を示す。式(2)についても同様である。
【0027】
したがって、決定部16は、契約電力の推奨値を決定する対象期間における、外気の最高温度の予測値と、外気の最高露点温度の予測値と、受電電力モデルとに基づいて、契約電力の推奨値を決定することができる。契約電力の推奨値の例は、式(3)によって表される。
【0029】
E
rは、契約電力の推奨値(kW)を示す。X
1maxは、外気の最高温度(摂氏)を示す。X
2maxは、外気の最高露点温度(摂氏)を示す。
【0030】
出力部17は、決定された契約電力の推奨値を、表示装置の表示画面に出力する。表示画面は、タッチパネル等の操作部を備えてもよい。表示画面は、各種の操作キーを表示してもよい。管理者は表示画面に表示された操作キーを操作することによって、契約電力の推奨値を最終的な契約電力と決定してもよい。なお、出力部17は、決定された契約電力の推奨値を、スピーカ等を備えた音声処理装置に出力してもよい。
【0031】
図2は、契約電力決定支援装置1aの動作の第1例を示すフローチャートである。第1取得部11は、実績値パラメータを取得する(ステップS101)。データベース12は、時刻に対応付けて実績値パラメータを記憶する(ステップS102)。作成部13は、実績値パラメータに重回帰分析を施すことによって、受電電力モデルを作成する(ステップS103)。
【0032】
決定部16は、契約電力の推奨値を決定する対象の期間における最大値パラメータを、第2取得部15から取得する(ステップS104)。決定部16は、最大値パラメータに応じた受電電力モデルの出力値に基づいて、受電電力のピーク値を予測する。例えば、決定部16は、受電電力のピーク値を契約電力の推奨値と決定する(ステップS105)。出力部17は、決定した契約電力の推奨値を表示装置等に出力する(ステップS106)。
【0033】
以上のように、第1の実施形態の契約電力決定支援装置1aは、第1取得部11と、第2取得部15と、作成部13と、決定部16とを持つ。第1取得部11は、実績値パラメータ(第1パラメータ)を取得する。第2取得部15は、最大値パラメータ(第2パラメータ)を取得する。作成部13は、実績値パラメータに基づいて受電電力モデルを作成する。決定部16は、最大値パラメータに応じた受電電力モデルの出力値に基づいて、契約電力の推奨値を決定する。
これによって、第1の実施形態の契約電力決定支援装置1aは、受電電力が超えることのない最低の契約電力を管理者が決定することを支援することができる。
【0034】
第1の実施形態の契約電力決定支援装置1aは、経験が少ない管理者に、工場における受電電力が超えることのない最低の契約電力を決定させることができる。第1の実施形態の契約電力決定支援装置1aは、管理者の労力を軽減することができる。
【0035】
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、契約電力決定支援装置1が受電電力モデルの出力値等のグラフを表示する点が、第1の実施形態と相違する。第2の実施形態では、第1の実施形態との相違点についてのみ説明する。
【0036】
図3は、契約電力決定支援装置1の構成の第2例の図である。第2の実施形態から第4の実施形態まででは、契約電力決定支援装置1を「契約電力決定支援装置1b」という。契約電力決定支援装置1bは、第1取得部11と、データベース12と、作成部13と、記憶部14と、第2取得部15と、決定部16と、出力部17と、操作部18と、表示部19とを備える。
【0037】
操作部18(期間設定操作部)(マージン設定操作部)は、管理者による操作を受け付ける。管理者は、受電電力モデルを作成するために必要な情報を、操作部18を操作することによって作成部13に入力することができる。第2の実施形態では、受電電力モデルを作成するために必要な情報(説明変数)は、受電電力モデルを作成する対象の期間(以下、「受電電力モデル作成対象期間」という。)を表す数値データ(期間データ)と、受電電力モデルを決定するか否かを示す指示データとである。管理者は、契約電力の推奨値を決定するために必要な情報を、操作部18を操作することによって、第2取得部15を介して決定部16に入力することができる。第2の実施形態では、契約電力の推奨値を決定するために必要な情報は、契約電力のマージン値と、外気の最高温度の予測値と、外気の最高露点温度の予測値とである。
【0038】
作成部13は、過去の期間である受電電力モデル作成対象期間における、工場全体の受電電力の実績値又は機器ごとの消費電力の実績値と、外気の温度の実績値と、外気の露点温度の実績値とを、データベース12から取得する。作成部13は、工場全体の受電電力の実績値又は機器ごとの消費電力の実績値と、外気の温度の実績値と、外気の露点温度の実績値とに基づいて、重回帰分析によって受電電力モデルを作成する。
【0039】
決定部16は、契約電力の推奨値を決定するために必要な情報として、契約電力のマージン値と、外気の最高温度の実績値と、外気の最高露点温度の実績値とを、第2取得部15から取得する。決定部16は、受電電力モデルのデータと、契約電力のマージン値と、外気の最高温度の予測値と、外気の最高露点温度の予測値とに基づいて、契約電力の推奨値を決定する。
【0040】
表示部19は、表示装置である。表示部19は、受電電力モデル作成対象期間における、受電電力の実績値のグラフと、受電電力モデルの出力値のグラフとを、同一の表示画面に表示する。
【0041】
図4は、受電電力モデルの作成画面の第1例の図である。表示部19は、操作キー100と、操作キー101とを表示してもよい。操作キー100は、受電電力モデル作成対象期間の設定を管理者がするための操作キーである。操作キー101は、受電電力モデルの決定を管理者が指示するための操作キーである。管理者は、過去の期間である受電電力モデル作成対象期間を、操作キー100を操作することによって作成部13に通知することができる。
【0042】
管理者は、過去の期間である受電電力モデル作成対象期間について、外気の温度及び露点温度の各実績値に基づく受電電力モデルの出力値のグラフと、受電電力の実績値のグラフとの差を確認することによって、受電電力モデルの精度を確認することができる。管理者は、操作キー100を操作することによって、受電電力モデルの決定を作成部13に通知することができる。管理者は、受電電力モデルの精度が良くない場合、過去の期間である受電電力モデル作成対象期間を、操作キー100を操作することによって作成部13に再通知することができる。管理者は、作成部13によって再作成された受電電力モデルの精度を、受電電力モデルの出力値のグラフと受電電力の実績値のグラフとの差を確認することによって確認することができる。
【0043】
表示部19は、将来の契約電力の推奨値を表示する。表示部19は、受電電力モデル作成対象期間における、受電電力の実績値のグラフと、外気条件のグラフとを、将来の契約電力の推奨値と共に表示してもよい。
【0044】
図5は、契約電力の推奨値の表示画面の第1例の図である。表示部19は、受電電力モデル作成対象期間における、受電電力の実績値のグラフと、最大受電電力のグラフと、外気の温度のグラフと、外気の露点温度のグラフとを、契約電力の推奨値の表示画面に表示する。表示部19は、契約電力の推奨値の表示画面に、契約電力のマージン値と、外気の最高温度の予測値と、外気の最高露点温度の予測値とを表示する。表示部19は、契約電力の推奨値の表示画面に、決定部16によって決定された契約電力の推奨値と、受電電力モデルの出力値(予測値)とを表示する。
【0045】
管理者は、契約電力の推奨値の表示画面に表示されたグラフ等を確認することによって、契約電力の推奨値の精度を確認することができる。管理者は、例えば、契約電力のマージン値を変更したい場合、契約電力のマージン値の設定の欄に値「σ」(kW)を入力することができる。作成部13は、契約電力のマージン値の設定の欄に入力された値を、受電電力モデルの作成に使用する契約電力のマージン値とする。決定部16は、例えば、式(4)に基づいて、契約電力の推奨値を決定する。
【0047】
式(4)において、σは契約電力のマージン値(kW)を示す。式(4)に示されているように、契約電力の推奨値E
rは、受電電力予測モデルと外気の最高温度X
1maxと外気の最高露点温度X
2maxとに基づく受電電力モデルの出力値の予測値に、契約電力マージンσを加算した結果である。すなわち、契約電力の推奨値E
rは、受電電力の最大値(ピーク値)の予測値に、契約電力のマージン値σを加算した結果である。
【0048】
契約電力のマージン値は、操作部18を操作した管理者によって定められた入力された値でもよいし、決定部16が標準偏差に基づいて定めた値でもよい。標準偏差は、
図4に示す受電電力の実績値と受電電力モデルの出力値との残差の標準偏差である。
【0049】
例えば、受電電力の実績値と受電電力モデルの出力値の残差の平均値μが0kWであり、標準偏差が100kWである場合、残差(受電電力の差)が100kW以内になる確率は、約68%である。この場合、契約電力のマージン値を標準偏差の1倍の値とすると、式(4)によって、契約電力のマージン値σは100kWとなる。同様に、契約電力のマージン値を標準偏差の2倍の値とすると、式(4)によって、契約電力のマージン値σは200kWとなる。このように、決定部16は、残差の標準偏差に基づく統計的分析を実行することによって、契約電力のマージン値を決定することができる。
【0050】
図6は、契約電力決定支援装置1の動作の第2例を示すフローチャートである。第1取得部11は、実績値パラメータを取得する(ステップS201)。データベース12は、時刻に対応付けて実績値パラメータを記憶する(ステップS202)。作成部13は、過去の期間である受電電力モデル作成対象期間を、操作部18から取得する(ステップS203)。作成部13は、受電電力モデル作成対象期間の実績値パラメータに重回帰分析を施すことによって、受電電力モデルを作成する(ステップS204)。
【0051】
表示部19は、受電電力モデル作成対象期間における受電電力の実績値のグラフと、受電電力モデル作成対象期間における外気の温度及び露点温度に基づく受電電力モデルの出力値のグラフとを、同一の表示画面に表示する(ステップS205)。作成部13は、操作部18の操作キー100が操作されたか否か、すなわち、管理者が受電電力モデルを決定したか否かを判定する(ステップS206)。管理者が受電電力モデルを決定していない場合(ステップS206:NO)、作成部13は、過去の期間である受電電力モデル作成対象期間を、操作部18から再取得する(ステップS207)。作成部13は、ステップS204に処理を戻す。
【0052】
管理者が受電電力モデルを決定した場合(ステップS206:YES)、決定部16は、契約電力の推奨値を決定する対象の期間における最大値パラメータと、契約電力のマージン値とを、第2取得部15から取得する(ステップS208)。決定部16は、契約電力のマージン値と最大値パラメータとに応じた受電電力モデルの出力値に基づいて、受電電力のピーク値を予測する。例えば、決定部16は、受電電力のピーク値を契約電力の推奨値と決定する(ステップS209)。出力部17は、決定した契約電力の推奨値を表示装置等に出力する(ステップS210)。
【0053】
以上のように、第2の実施形態の契約電力決定支援装置1bは、マージン値を入力する操作を受け付ける操作部18を更に備える。決定部16は、マージン値及び最大値パラメータに応じた受電電力モデルの出力値に基づいて、契約電力の推奨値を決定する。
これによって、第2の実施形態の契約電力決定支援装置1bは、受電電力が超えることのない最低の契約電力を管理者が決定することを支援することができる。
【0054】
第2の実施形態の契約電力決定支援装置1bは、管理者によって定められた受電電力モデル作成対象期間における実績値に基づいて、受電電力モデルを作成することができる。第2の実施形態の契約電力決定支援装置1bは、管理者に受電電力モデルを確認させることができる。
【0055】
管理者は、受電電力モデルに問題がある場合、受電電力モデル作成対象期間を更新することができる。第2の実施形態の契約電力決定支援装置1bは、契約電力のマージン値が考慮された契約電力の推奨値を表示することができる。第2の実施形態の契約電力決定支援装置1bは、管理者の希望を考慮した契約電力の推奨値を表示することができる。
【0056】
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、外れ値を除去する処理を作成部13が受電電力の実績値に施す点が、第2の実施形態と相違する。第3の実施形態では、第2の実施形態との相違点についてのみ説明する。
【0057】
操作部18は、管理者による操作を受け付ける。管理者は、受電電力モデルを作成するために必要な情報を、操作部18を操作することによって作成部13に入力することができる。第3の実施形態では、受電電力モデルを作成するために必要な情報(説明変数)は、受電電力モデル作成対象期間を表す数値データと、受電電力モデルを決定するか否かを示す指示データと、外れ値を除去する処理を受電電力の実績値に施すための閾値(以下、「データ除去閾値」という。)とである。管理者は、契約電力の推奨値を決定するために必要な情報を、操作部18を操作することによって、第2取得部15を介して決定部16に入力することができる。第3の実施形態では、契約電力の推奨値を決定するために必要な情報は、契約電力のマージン値と、外気の最高温度の予測値と、外気の最高露点温度の予測値とである。
【0058】
受電電力の実績値には、工場の全体または一部が停電した場合、外れ値が含まれてしまう場合がある。受電電力の実績値に外れ値が含まれている場合、受電電力モデルの精度が低下する場合がある。このため、作成部13は、受電電力の実績値から外れ値を除去する必要がある。
【0059】
作成部13は、例えば、標準偏差に基づいて外れ値を除去する。例えば、作成部13は、受電電力モデル作成対象期間における受電電力の平均値との残差が標準偏差の2倍以上の受電電力の値を、受電電力の実績値の外れ値と定める。この場合、受電電力の実績値のうち、平均値との残差が大きい約5%の受電電力の実績値が外れ値となる。データ除去閾値は、受電電力の平均値との残差が標準偏差の2倍未満である受電電力の実績値である。
【0060】
作成部13は、過去の期間である受電電力モデル作成対象期間における、受電電力の実績値又は機器ごとの消費電力の実績値と、外気の温度の実績値と、外気の露点温度の実績値とを、データベース12から取得する。作成部13は、外れ値が除去された受電電力の実績値又は機器ごとの消費電力の実績値と、外気の温度の実績値と、外気の露点温度の実績値とに基づいて、重回帰分析によって受電電力モデルを作成する。
【0061】
図7は、受電電力モデルの作成画面の第2例の図である。表示部19は、操作キー100と、操作キー101と、操作キー102とを表示してもよい。操作キー102は、データ除去閾値の決定を管理者が指示するための操作キーである。表示部19は、データ除去閾値を、受電電力モデルの作成画面に表示する。表示部19は、受電電力の実績値のグラフに重畳されたデータ除去閾値のグラフを、受電電力モデルの作成画面に表示してもよい。管理者は、データ除去閾値のグラフを視認することができる。管理者は、例えば、データ除去閾値を変更したい場合、データ除去閾値の設定の欄に値「XXX」(kW)を入力することができる。作成部13は、データ除去閾値の設定の欄に入力された値を、受電電力モデルの作成に使用するデータ除去閾値とする。
【0062】
作成部13は、中央値と中央値絶対偏差とに基づいて、データ除去閾値を決定してもよい。受電電力モデル作成対象期間における全ての受電電力の実績値の中央値は、式(5)によって表される。また、受電電力モデル作成対象期間における全ての受電電力の実績値の中央値絶対偏差は、式(6)によって表される。
【0065】
式(5)及び式(6)に示されたNは、受電電力モデル作成対象期間における受電電力の実績値(データ)の個数を示す。X
madはデータ除去閾値を示す。なお、作成部13は、標準偏差、中央値又は中央値絶対偏差以外に基づいて、データ除去閾値を決定してもよい。
【0066】
以上のように、第3の実施形態の契約電力決定支援装置1bは、受電電力モデルを作成する際に、受電電力モデル作成対象期間における受電電力のデータから外れ値を除去する。これにより、第3の実施形態の契約電力決定支援装置1bは、重回帰分析によって作成される受電電力モデルの精度を向上させることができる。管理者は、操作部18を操作することによって、受電電力モデル作成対象期間における受電電力のデータから外れ値を容易に除去することができる。
【0067】
(第4の実施形態)
第4の実施形態では、製造機器の最大消費電力の予測値に基づいて契約電力の推奨値を決定する点が、第2の実施形態と相違する。第4の実施形態では、第2の実施形態との相違点についてのみ説明する。
【0068】
操作部18は、管理者による操作を受け付ける。管理者は、受電電力モデルを作成するために必要な情報を、操作部18を操作することによって作成部13に入力することができる。第4の実施形態では、受電電力モデルを作成するために必要な情報(説明変数)は、受電電力モデル作成対象期間を表す数値データと、受電電力モデルを決定するか否かを示す指示データと、製造機器ごとの消費電力の実績値とである。製造機器ごとの消費電力の実績値は、さらに詳細な種別の装置ごとに分類されてもよい。
【0069】
受電電力モデルを作成するために必要な情報(説明変数)は、受電電力モデル作成対象期間を表す数値データと、受電電力モデルを決定するか否かを示す指示データと、コンプレッサの消費電力の実績値とでもよい。また、受電電力モデルを作成するために必要な情報(説明変数)は、受電電力モデル作成対象期間を表す数値データと、受電電力モデルを決定するか否かを示す指示データと、製造機器ごとの消費電力の実績値と、コンプレッサの消費電力の実績値とでもよい。
【0070】
管理者は、契約電力の推奨値を決定するために必要な情報を、操作部18を操作することによって、第2取得部15を介して決定部16に入力することができる。第4の実施形態では、契約電力の推奨値を決定するために必要な情報は、契約電力のマージン値と、外気の最高温度の予測値と、外気の最高露点温度の予測値と、製造機器の最大消費電力値とである。
【0071】
作成部13は、過去の期間である受電電力モデル作成対象期間における、製造機器ごとの消費電力の実績値と、外気の温度の実績値と、外気の露点温度の実績値とを、データベース12から取得する。作成部13は、製造機器の最大消費電力値を操作部18から取得する。作成部13は、外気の温度の実績値と、外気の露点温度の実績値と、製造機器の最大消費電力の実績値とに基づいて、重回帰分析によって受電電力モデルを作成する。製造機器の消費電力の実績値は、工場における製造装置の運転計画に応じて大きく変化する。このため、作成部13は、製造機器ごとの消費電力の実績値を説明変数とする受電電力モデルを作成する。作成部13は、工場全体における製造機器の受電電力の実績値を説明変数とする受電電力モデルを作成してもよい。第4の実施形態の受電電力モデルは、式(7)によって表される。
【0073】
X
3は、製造機器の消費電力(kW)を示す。b
0は、コンプレッサの消費電力の定数項を示す。b
1,b
2,b
3は、コンプレッサの消費電力の重回帰分析係数を示す。c
0は、熱源機の消費電力の定数項を示す。c
0,c
1,c
2,c
3,c
4,c
5は、熱源機の消費電力の重回帰分析係数を示す。d
0は、他の機器の消費電力の定数項を示す。d
1,d
2,d
3は、他の機器の消費電力の重回帰分析係数を示す。
【0074】
作成部13は、製造機器ごとの消費電力の実績値と、外気の温度の実績値と、外気の露点温度の実績値とに基づいて、式(7)に示す定数項及び重回帰分析係数を重回帰分析によって決定する。
【0075】
決定部16は、契約電力の推奨値を決定するために必要な情報として、契約電力のマージン値と、外気の最高温度の予測値と、外気の最高露点温度の予測値と、製造機器の最大消費電力の予測値とを、第2取得部15を介して操作部18から取得する。
【0076】
決定部16は、契約電力のマージン値と、外気の最高温度の予測値と、外気の最高露点温度の予測値と、製造機器の最大消費電力の予測値とを、契約電力決定支援装置1cの外部から取得してもよい。例えば、決定部16は、外気の最高温度の予測値をインターネット経由で行政機関から取得してもよい。例えば、決定部16は、製造機器の運転計画を作成する装置から、製造機器の最大消費電力の予測値を取得してもよい。決定部16は、契約電力決定支援装置1cの外部から情報を取得することによって、管理者の労力を低減することができる。
【0077】
決定部16は、受電電力モデルのデータと、契約電力のマージン値と、外気の最高温度の予測値と、外気の最高露点温度の予測値と、製造機器の最大消費電力の予測値とに基づいて、契約電力の推奨値を決定する。決定部16は、製造機器の受電電力の実績値を説明変数とする受電電力モデルに基づいて、契約電力を精度よく推定することができる。
【0078】
図8は、契約電力の推奨値の表示画面の第2例の図である。表示部19は、受電電力モデル作成対象期間における、受電電力の実績値のグラフと、最大受電電力のグラフと、外気の温度のグラフと、外気の露点温度のグラフとを、契約電力の推奨値の表示画面に表示する。表示部19は、契約電力の推奨値の表示画面に、契約電力のマージン値と、外気の最高温度の予測値と、外気の最高露点温度の予測値と、製造装置の最大消費電力の予測値を表示する。表示部19は、契約電力の推奨値の表示画面に、決定部16によって決定された契約電力の推奨値と、受電電力モデルの出力値(予測値)とを表示する。
【0079】
管理者は、契約電力の推奨値の表示画面に表示されたグラフ等を確認することによって、契約電力の推奨値の精度を確認することができる。管理者は、例えば、製造装置の最大消費電力の予測値を変更したい場合、製造装置の最大消費電力の予測値の設定の欄に値「ZZZ」(kW)を入力することができる。作成部13は、製造装置の最大消費電力の予測値の設定の欄に入力された値を、受電電力モデルの作成に使用する製造装置の最大消費電力の予測値とする。
【0080】
決定部16は、例えば、式(8)に基づいて、契約電力の推奨値を決定する。式(8)において、X
3maxは、製造機器の最大消費電力(kW)を示す。
【0082】
以上のように、第4の実施形態の契約電力決定支援装置1bは、製造機器の最大消費電力の予測値に基づいて、契約電力の推奨値を決定する。
これによって、第4の実施形態の契約電力決定支援装置1bは、製造機器の受電電力の実績値を説明変数とする受電電力モデルに基づいて、契約電力を精度よく推定することができる。第4の実施形態の契約電力決定支援装置1bは、契約電力決定支援装置1cの外部から情報を取得することによって、管理者の労力を低減することができる。
【0083】
(第5の実施形態)
第5の実施形態では、契約電力決定支援装置1が受電電力の実績値を監視する点が、第2の実施形態と相違する。第5の実施形態では、第2の実施形態との相違点についてのみ説明する。
【0084】
図9は、契約電力決定支援装置1の構成の第3例の図である。第5の実施形態では、契約電力決定支援装置1を「契約電力決定支援装置1c」という。契約電力決定支援装置1cは、第1取得部11と、データベース12と、作成部13と、記憶部14と、第2取得部15と、決定部16と、出力部17と、操作部18と、表示部19と、誤差監視部20とを備える。第1取得部11と、作成部13と、第2取得部15と、決定部16と、出力部17と、誤差監視部20とのうち一部または全部は、例えば、CPU等のプロセッサが、記憶部に記憶されたプログラムを実行することにより機能するソフトウェア機能部である。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSIやASIC等のハードウェア機能部であってもよい。
【0085】
作成部13は、工場全体の受電電力を、受電電力モデルに基づいて予測する。作成部13は、受電電力モデルに基づいて、工場に備えられた機器ごと消費電力を、受電電力モデルに基づいて予測してもよい。
【0086】
誤差監視部20は、受電電力の実績値を第1取得部11から取得する。誤差監視部20は、受電電力モデルの出力値、すなわち、受電電力の予測値を決定部16から取得する。誤差監視部20は、受電電力の実績値と受電電力の予測値との差を監視する。例えば、誤差監視部20は、受電電力の実績値と受電電力の予測値との差が所定の誤差閾値以上であるか否かを判定する。
【0087】
誤差監視部20は、受電電力の実績値と受電電力の予測値との差が誤差閾値以上である場合、受電電力の実績値と受電電力の予測値との差が誤差閾値以上であることを表す警報を、出力部17及び作成部13に送信する。誤差閾値は、管理者によって予め定められる。誤差閾値は、例えば、受電電力の実績値の数%程度である。誤差閾値は、例えば、標準偏差、中央値又は中央値絶対偏差に基づいて定められてもよい。
【0088】
誤差監視部20は、予め定められた時刻に、受電電力の実績値と受電電力の予測値との差を監視してもよい。例えば、誤差監視部20は、受電電力の実績値と受電電力の予測値との差を、毎日18時に監視してもよい。誤差監視部20は、受電電力の直近の実績値に基づいて、受電電力モデルの精度を確認することができる。例えば、誤差監視部20は、暦における月または季節に基づいて、受電電力の実績値と受電電力の予測値との差を監視してもよい。
【0089】
出力部17は、受電電力の実績値と受電電力の予測値との差が誤差閾値以上であることを表す警報を取得した場合、警報を管理者に通知する。
【0090】
作成部13は、受電電力の実績値と受電電力の予測値との差が誤差閾値以上であることを表す警報を取得した場合、受電電力モデルを更新する。すなわち、作成部13は、受電電力の実績値と受電電力の予測値との差が誤差閾値以上である場合、受電電力モデルを更新する。
【0091】
作成部13は、操作部18から取得した受電電力モデル作成対象期間の長さ(例えば、10日間)を保ったまま、受電電力モデル作成対象期間を更新することによって、受電電力モデルを更新してもよい。例えば、操作部18から取得した受電電力モデル作成対象期間が、基準日の30日前から21日前までの10日間である場合、作成部13は、受電電力モデル作成対象期間を、基準日の10日前から1日前までの10日間に更新してもよい。
【0092】
図10は、契約電力決定支援装置1の動作の第3例を示すフローチャートである。第1取得部11は、実績値パラメータを取得する(ステップS301)。データベース12は、時刻に対応付けて実績値パラメータを記憶する(ステップS302)。作成部13は、過去の期間である受電電力モデル作成対象期間を、操作部18から取得する(ステップS303)。作成部13は、受電電力モデル作成対象期間の実績値パラメータに重回帰分析を施すことによって、受電電力モデルを作成する(ステップS304)。
【0093】
表示部19は、受電電力モデル作成対象期間における受電電力の実績値のグラフと、受電電力モデル作成対象期間における外気の温度及び露点温度に基づく受電電力モデルの出力値のグラフとを、同一の表示画面に表示する(ステップS305)。作成部13は、操作部18の操作キー100が操作されたか否か、すなわち、管理者が受電電力モデルを決定したか否かを判定する(ステップS306)。管理者が受電電力モデルを決定していない場合(ステップS306:NO)、作成部13は、過去の期間である受電電力モデル作成対象期間を、操作部18から再取得する(ステップS307)。作成部13は、ステップS304に処理を戻す。
【0094】
管理者が受電電力モデルを決定した場合(ステップS306:YES)、誤差監視部20は、受電電力の実績値と受電電力の予測値との差が誤差閾値以上であるか否かを判定する(ステップS308)。差が誤差閾値以上である場合(ステップS308:YES)、作成部13は、受電電力モデルを更新する(ステップS309)。作成部13は、ステップS304に処理を戻す。
【0095】
差が誤差閾値未満である場合(ステップS308:NO)、決定部16は、契約電力の推奨値を決定する対象の期間における最大値パラメータと、契約電力のマージン値とを、第2取得部15から取得する(ステップS310)。決定部16は、最大値パラメータに応じた受電電力モデルの出力値に基づいて、受電電力のピーク値を予測する。例えば、決定部16は、受電電力のピーク値を契約電力の推奨値と決定する(ステップS311)。出力部17は、決定した契約電力の推奨値を表示装置等に出力する(ステップS312)。
【0096】
以上のように、第5の実施形態の契約電力決定支援装置1cは、誤差監視部20を更に備える。誤差監視部20は、受電電力モデルの出力値と受電電力の実績値との差を監視する。作成部13は、受電電力モデルの出力値と受電電力の実績値との差が閾値以上である場合、更新された期間データに対応付けられた実績値パラメータ(第1パラメータ)に基づいて、受電電力モデルを更新する。
これによって、第5の実施形態の契約電力決定支援装置1cは、受電電力の実績値と受電電力の予測値との差が誤差閾値以上である場合、警報を管理者に通知することができる。
【0097】
第5の実施形態の契約電力決定支援装置1cは、受電電力の実績値と受電電力の予測値との差が誤差閾値以上である場合、受電電力モデル作成対象期間を更新することができる。第5の実施形態の契約電力決定支援装置1cは、受電電力の実績値と受電電力の予測値との差が誤差閾値以上である場合、受電電力モデルを更新することができる。
【0098】
(第6の実施形態)
第6の実施形態では、受電電力の実績値と契約電力の推奨値とを契約電力決定支援装置1が監視する点が、第2の実施形態と相違する。第6の実施形態では、第2の実施形態との相違点についてのみ説明する。
【0099】
図11は、契約電力決定支援装置1の構成の第4例の図である。第6の実施形態では、契約電力決定支援装置1を「契約電力決定支援装置1d」という。契約電力決定支援装置1dは、第1取得部11と、データベース12と、作成部13と、記憶部14と、第2取得部15と、決定部16と、出力部17と、操作部18と、表示部19と、電力監視部21とを備える。第1取得部11と、作成部13と、第2取得部15と、決定部16と、出力部17と、電力監視部21とのうち一部または全部は、例えば、CPU等のプロセッサが、記憶部に記憶されたプログラムを実行することにより機能するソフトウェア機能部である。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSIやASIC等のハードウェア機能部であってもよい。
【0100】
電力監視部21は、受電電力の実績値を第1取得部11から取得する。電力監視部21は、契約電力の推奨値を決定部16から取得する。電力監視部21は、受電電力の実績値と契約電力の推奨値とを監視する。例えば、電力監視部21は、受電電力の実績値が契約電力の推奨値を超えているか否かを判定する。
【0101】
電力監視部21は、受電電力の実績値が契約電力の推奨値を超えている場合、受電電力の実績値が契約電力の推奨値を超えていることを表す警報を、出力部17及び作成部13に送信する。電力監視部21は、受電電力の実績値が契約電力の推奨値の90%等を超えている場合、受電電力の実績値が契約電力の推奨値の90%等を超えていることを表す警報を、出力部17及び作成部13に送信してもよい。電力監視部21は、予め定められた時刻に、受電電力の実績値を監視してもよい。電力監視部21は、例えば、受電電力の実績値を30分周期又は1時間周期で監視してもよい。
【0102】
出力部17は、受電電力の実績値が契約電力の推奨値を超えていることを表す警報を取得した場合、警報を管理者に通知する。出力部17は、受電電力の実績値が契約電力の推奨値の90%を超えていることを表す警報を取得した場合、警報を管理者に通知してもよい。
【0103】
以上のように、第6の実施形態の契約電力決定支援装置1dは、電力監視部21を更に備える。電力監視部21は、受電電力の実績値を監視し、受電電力の実績値が契約電力の推奨値を超えている場合、警報を出力する。
これによって、第6の実施形態の契約電力決定支援装置1dは、第6の実施形態の契約電力決定支援装置1dは、受電電力の実績値が契約電力の推奨値を超えていることを表す警報を取得した場合、警報を管理者に通知することができる。
【0104】
第6の実施形態の契約電力決定支援装置1dは、受電電力の実績値が契約電力の推奨値の90%等を超えている場合、受電電力の実績値が契約電力の推奨値の90%等を超えていることを表す警報を、管理者に通知することができる。第6の実施形態の契約電力決定支援装置1dは、受電電力の実績値が契約電力の推奨値の90%等を超えている場合、受電電力の実績値が契約電力の推奨値を超えないように対策することを管理者に行わせることができる。
【0105】
以上述べた少なくともひとつの実施形態によれば、第1パラメータに基づいて受電電力モデルを作成する作成部と、第2パラメータに応じた受電電力モデルの出力値に基づいて契約電力の推奨値を決定する決定部とを持つことにより、受電電力が超えることのない最低の契約電力を管理者が決定することを支援することができる。
【0106】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。