(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6615538
(24)【登録日】2019年11月15日
(45)【発行日】2019年12月4日
(54)【発明の名称】空中ケーブル輸送装置および方法
(51)【国際特許分類】
B61B 12/04 20060101AFI20191125BHJP
B61B 12/02 20060101ALI20191125BHJP
B61B 12/10 20060101ALI20191125BHJP
【FI】
B61B12/04
B61B12/02 G
B61B12/10 A
【請求項の数】16
【外国語出願】
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-170379(P2015-170379)
(22)【出願日】2015年8月31日
(65)【公開番号】特開2016-49972(P2016-49972A)
(43)【公開日】2016年4月11日
【審査請求日】2018年8月2日
(31)【優先権主張番号】1458167
(32)【優先日】2014年9月1日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】515238552
【氏名又は名称】ポマ
【氏名又は名称原語表記】POMA
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(72)【発明者】
【氏名】マチュー、ババ
【審査官】
伊藤 秀行
(56)【参考文献】
【文献】
特開平03−132466(JP,A)
【文献】
特表2012−532784(JP,A)
【文献】
特開2007−253935(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0231123(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0098260(US,A1)
【文献】
特開2010−030580(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0151594(US,A1)
【文献】
特開平07−277180(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B61B 12/02
B61B 12/04
B61B 12/10
B61B 12/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空中ケーブル(2)による輸送装置であって、
− 少なくとも2つの車両(3〜5)であって、前記車両を前記空中ケーブル(2)から離脱させ、かつ前記車両を前記空中ケーブル(2)へ連結する着脱式クランプをそれぞれが備えた、少なくとも2つの車両(3〜5)と、
− 前記空中ケーブル(2)に対する前記車両(3〜5)のための少なくとも1つの連結装置(17)と、
− 前記空中ケーブル(2)のための少なくとも1つの曲げ用柱(23,24,40)と、
を備える、輸送装置において、
− 前記空中ケーブル(2)へ連結された第1の車両による、前記柱(23,24,40)の通過を検出する検出手段(25〜27)であって、通過を検出した際に、少なくとも1つの連結信号を送信するように構成されている検出手段(25〜27)と、
− 前記検出手段(25〜27)に接続され、かつ前記連結信号を受信すると、前記空中ケーブル(2)に対する少なくとも第2の車両の連結を命令するように構成されている、前記連結装置(17)のための制御手段(28)と、
を備える、ことを特徴とする輸送装置。
【請求項2】
前記検出手段(25〜27)は、前記空中ケーブル(2)へ連結された第1の車両による前記柱(23,24,40)の通過を検出し、かつ前記柱(23,24,40)の通過を検出した際に、前記制御手段(28)へ連結信号を送信するように構成された位置センサ(25)を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記検出手段(25〜27)は、前記第1の車両が前記空中ケーブル(2)に連結される通過時間の測定、前記空中ケーブル(2)を駆動するブルホイールの回転速度の測定、および予め記録された前記連結装置(17)と前記柱(23,24,40)との間の距離に基づいて前記第1の車両が前記柱(23,24,40)を通過するであろう時間を計算し、かつ計算された前記時間に達した際に、前記制御手段(28)へ連結信号を送信するように構成された計算ユニット(27)を、備える、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記空中ケーブル(2)のための駆動モータ(10)を備え、
前記検出手段(25〜27)は、前記駆動モータ(10)により供給されるトルクを決定し、かつ前記駆動モータ(10)により供給されるトルクの変化率の絶対値が、設定されたしきい値よりも高い場合に、前記制御手段(28)へ連結信号を送信するモジュール(26)を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記モジュール(26)は、前記駆動モータ(10)により消費される電流を測定し、かつ測定された前記消費電流から、前記駆動モータ(10)により供給されるトルクを決定する手段を、備える、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記柱は、前記空中ケーブル(2)を下降方向に曲げる支柱(23,24)であり、前記検出手段(25〜27)は、前記駆動モータ(10)により供給されるトルクの減少率が、前記設定されたしきい値よりも高い場合に、前記制御手段(28)へ前記連結信号を送信する、請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記ロープを上昇方向に曲げる、少なくとも1つの加圧柱(24)を備え、
前記検出手段(25〜27)は、前記駆動モータ(10)により供給されるトルクの増加率が、前記設定されたしきい値よりも高い場合に、前記制御手段(28)へ前記連結信号を送信する、請求項4に記載の装置。
【請求項8】
前記制御手段(28)は、可変の連結頻度で前記車両(3〜5)を連結するように、前記連結装置(17)へ命令する、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記空中ケーブル(2)に対する車両(3〜5)のための連結装置(17)をそれぞれが備える、少なくとも2つのステーション(6〜8)を備え、
前記制御手段(28)は、少なくとも1つの他のステーション(6〜8)の前記連結装置(17)の連結頻度とは異なる連結頻度で、前記車両(3〜5)を前記空中ケーブル(2)へ連結するように、ステーション(6〜8)の前記連結装置(17)へ命令する、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
少なくとも2つの車両(3〜5)を空中ケーブル(2)で輸送する方法であって、前記車両(3〜5)は、それぞれ、前記空中ケーブル(2)から離脱され、かつ前記空中ケーブル(2)へ連結される着脱式クランプを備え、前記空中ケーブル(2)は、少なくとも1つの柱(23,24,40)によって曲げられている方法において、
− 前記空中ケーブル(2)へ連結された第1の車両の、前記柱(23,24,40)の通過を検出するステップと、
− 通過を検出した際に、少なくとも第2の車両を前記空中ケーブル(2)へ連結するステップと、
を有することを特徴とする輸送方法。
【請求項11】
前記検出ステップは、前記第1の車両が前記空中ケーブル(2)に連結される通過時間の測定、前記空中ケーブル(2)を駆動するブルホイールの回転速度の測定、および予め記録された前記連結装置(17)と前記柱(23,24,40)との間の距離に基づいて前記第1の車両が前記柱(23,24,40)を通過するであろう時間を計算することを有し、
前記連結ステップは、計算された前記時間に達した際に、少なくとも第2の車両を、前記空中ケーブル(2)へ連結することを有する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記空中ケーブル(2)は、モータ(10)により駆動され、
前記検出ステップは、前記モータ(10)により供給されるトルクを決定することを有し、
前記連結ステップは、前記モータにより供給されるトルクの変化率の絶対値が、設定されたしきい値よりも高い場合に、少なくとも第2の車両を、前記空中ケーブル(2)へ連結することを有する、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記空中ケーブル(2)は、少なくとも1つの支柱(23,24)により、下降方向に曲げられ、
前記連結ステップは、前記モータ(10)により供給されるトルクの減少率が、前記設定されたしきい値よりも高い場合に、少なくとも第2の車両を前記空中ケーブル(2)へ連結することを有する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記空中ケーブル(2)が、少なくとも1つの加圧柱(24)により、上昇方向に曲げられ、
前記連結ステップは、前記モータ(10)により供給されるトルクの増加率が、前記設定されたしきい値よりも高い場合に、少なくとも第2の車両を前記空中ケーブル(2)へ連結することを有する、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記連結ステップは、可変の連結頻度で、前記車両(3〜5)を連結することを有する、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記車両(3〜5)を前記空中ケーブル(2)へ連結するように構成されている、少なくとも2つのステーション(6〜8)を備え、
前記連結ステップは、少なくとも1つのステーション(6〜8)内で、少なくとも1つの他のステーション(6〜8)の連結頻度とは異なる連結頻度で、前記車両を連結することを有する、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空中ケーブルによる輸送、特に人間の輸送、特にケーブルカーに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、異なる種類のケーブルによる輸送装置が存在する。例えば、ケーブル鉄道など、地面レベルに位置する輸送ロープを用いた装置がある。他の装置は、1つまたは複数の空中輸送ロープを使用し、キャビン、カー、チェア等とも呼ばれる1つまたは複数の乗用車両を動かす輸送装置であるケーブルカーなどが挙げられる。あるケーブルカーは、着脱式と言われており、すなわち、空中輸送ロープへ連結されるように設計された車両に、着脱式クランプが設けられており、着脱式クランプは、特に車両がターミナルまたは装置に入る際に、車両をロープから離脱させることを可能にする。さらに、これらのケーブルカーは、乗客を輸送するように設計されており、乗客輸送中における乗客の快適性を向上させる手段を提供することが好適である。特に、車両が柱を通過する際に、ロープにかかる張力を変える、ロープの方向の変化に特に起因して、振動が起こることがあり、乗客に対して不快感を生じさせることがある。加えて、これらの装置は、電力消費者であり、このような装置によって消費される電力を節約する手段を設ける要求が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の1つの目的は、乗客輸送中の、車両の乗客の快適性を向上させる手段を提供することである。
【0004】
本発明の他の目的は、ケーブルによる輸送装置の電力消費を減少することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つの特徴によれば、空中ケーブルによる輸送装置が提案され、輸送装置は、
− 少なくとも2つの車両であって、車両を空中ケーブルから離脱させ、かつ車両を空中ケーブルへ連結する着脱式クランプをそれぞれが備えた、少なくとも2つの車両と、
− 空中ケーブルに対する車両のための少なくとも1つの連結装置と、
− 空中ケーブルのための少なくとも1つの曲げ用柱(flexing pillar)と、
を備える。
【0006】
装置は、
− 空中ケーブルへ連結された第1の車両による、前記柱の通過を検出する検出手段であって、通過を検出した際に、少なくとも1つの連結信号を送信するように構成されている検出手段と、
− 検出手段に接続され、かつ前記連結信号を受信すると、空中ケーブルに対する少なくとも第2の車両の連結を命令するように構成されている、前記連結装置のための制御手段と、
をさらに備える。
【0007】
ライン上の車両が空中ケーブルのための曲げ用柱を通過する際にロープで生じる振動は、これにより減少される。空中ケーブルのための曲げ用柱は、ロープを下降方向に曲げる支柱、またはロープを上昇方向に曲げる加圧柱、あるいは他方で、支柱または加圧柱として機能する支持−加圧柱とすることができる。車両が柱を通過する際、ロープに生じている全体の張力は、実際に変化し、これは、ロープに振動を生じさせる。振動を減少させるために、1つまたは複数の他の車両を、空中ケーブルへ連結させて、張力が減少傾向にある際は張力を増加させるか、またはその逆のいずれかにより、ロープの全体の張力の変化を相殺する。ロープへ連結されたもう1つの車両が柱を通過する際、ターミナル内の少なくとも1つの車両を連結することにより、駆動モータにより供給されるトルクは平滑化され、振動を制限し、モータにより消費される電力を減少させる。モータの振動は、これにより、輸送装置の異なる構成、特に1つの支持柱または1つの加圧柱を有する構成のために減少させることができる。好適には、駆動モータの必要電力は減少される。よって、より小さな寸法を有する、1つの駆動モータを用いることが考えられる。もう1つの利点によれば、ロープのブレーキ力は減少され、駆動モータ用、およびブルホイール用に、より小さい力のブレーキを用いることができる。もう1つの利点によれば、駆動モータの必要電力は減少され、より小さいモータ軸イナーシャを用いることが考えられる。
【0008】
検出手段は、空中ケーブルへ連結された第1の車両による前記柱の通過を検出し、かつ前記柱の通過を検出した際に、制御手段へ連結信号を送信するように構成された位置センサを備えることができる。
【0009】
検出手段は、第1の車両が前記柱を通過するであろう時間を計算し、かつ計算された時間に達した際に、制御手段へ連結信号を送信するように構成された計算ユニットを、さらに備えることができる。
【0010】
装置は、空中ケーブルのための駆動モータを備えることができ、検出手段は、駆動モータにより供給されるトルクを決定し、かつ駆動モータにより供給されるトルクの変化率の絶対値が、設定されたしきい値よりも高い場合に、制御手段へ連結信号を送信するモジュールを備えることができる。
【0011】
特に、車両を坂下ポイントから坂上ポイントまで輸送する場合、車両が支柱を通過する際、車両は、次に坂上ポイントから坂下ポイントまで輸送され、車両は、ロープの駆動を強めてしまい、これはモータの振動をもたらす。車両が支柱を通過する際、トルクの変化率は、設定されたしきい値よりも高くなり、もう1つの車両を連結して、モータトルクを再び増加させ、これにより、ロープの駆動モータにより供給されるトルクを平滑化する。ターミナル内の制御された車両の連結によって、モータにより供給されるモータトルクを平滑化することができ、これは乗客の快適性を向上させ、ブルホイール駆動モータの電力消費を減少させる。変化率が意味するものは、時間で分割された、駆動モータにより供給されるモータトルクの増加または減少いずれかの変化の絶対値である。
【0012】
モジュールは、駆動モータにより消費される電流を測定し、かつ測定された消費電流から、駆動モータにより供給されるトルクを決定する手段を備えることができる。
【0013】
前記柱は、空中ケーブルを下降方向に曲げる支柱とすることができ、検出手段は、駆動モータにより供給されるトルクの減少率が設定されたしきい値よりも高い場合に、制御手段へ連結信号を送信することができる。
【0014】
装置は、ロープを上昇方向に曲げる、少なくとも1つの加圧柱を備えることができ、検出手段は、駆動モータにより供給されるトルクの増加率が、設定されたしきい値よりも高い場合に、制御手段へ連結信号を送信する。
【0015】
装置が加圧柱を備える場合、車両は、坂上ポイントから坂下ポイントまで輸送され、次いで車両が加圧柱を通過する際、車両は、次に坂下ポイントから坂上ポイントまで輸送され、車両は、ロープの駆動を減速させてしまい、これはモータの振動をもたらす。車両が柱を通過する際、トルクは増加し、特に、トルクの増加率は設定されたしきい値よりも高くなり、もう1つの車両を連結して、モータトルクを再び減少させ、かつロープの駆動モータにより供給されるトルクを平滑化する。
【0016】
支持−加圧柱の場合、柱の通過の前に車両を坂下から坂上まで、次いでこの通過の後に坂上から坂下まで輸送する場合に、支柱のケースが関係する。柱の通過の前に車両を坂上から坂下まで、次いでこの通過の後に坂下から坂上まで輸送する場合に、加圧柱のケースが関係する。
【0017】
制御手段は、可変の連結頻度により車両を連結するように、前記連結装置に命令することができる。
【0018】
このような装置は、要求に従って車両を連結すること、より具体的には、モータにより供給されるトルクの変化率が、可変の頻度で、設定されたしきい値を超える場合に特に適している。
【0019】
装置は、空中ケーブルに対する車両のための連結装置をそれぞれが備えた、少なくとも2つのステーションを備えることができ、制御手段は、少なくとも1つの他のステーションの連結装置の連結頻度とは異なる連結頻度で、車両を空中ケーブルへ連結するように、ターミナルの連結装置に命令する。
【0020】
ロープに生じた振動は、これにより、車両の連結リズムを柱の通過と同期させることで抑制され、これは、異なるターミナル間で同じ走行リズムを有し、かつロープに生じた振動を減少させることが可能でない装置の場合には当てはまらない。
【0021】
本発明のもう1つの特徴によれば、少なくとも2つの車両の空中ケーブルによる輸送のための方法が提案され、車両は、それぞれ、空中ケーブルから離脱され、かつ空中ケーブルへ連結される着脱式クランプを備えており、空中ケーブルを、少なくとも1つの柱によって曲げている。
【0022】
方法は、
− 空中ケーブルへ連結された第1の車両の、前記柱の通過を検出するステップと、
− 通過を検出した際に、少なくとも第2の車両を空中ケーブルへ連結するステップと、
を有する。
【0023】
検出ステップは、第1の車両が前記柱を通過するであろう時間を計算することを有することができ、連結ステップは、計算された時間に達した際に、少なくとも第2の車両を、空中ケーブルへ連結することを有する。
【0024】
空中ケーブルは、モータにより駆動することができ、検出ステップは、モータにより供給されるトルクを決定することを有し、連結ステップは、モータにより供給されるトルクの変化率の絶対値が、設定されたしきい値よりも高い場合に、少なくとも第2の車両を、空中ケーブルへ連結することを有する。
【0025】
空中ケーブルは、少なくとも1つの支柱により、下降方向に曲げることができ、連結ステップは、モータにより供給されるトルクの減少率が、設定されたしきい値よりも高い場合に、少なくとも第2の車両を空中ケーブルへ連結することを有することができる。
【0026】
空中ケーブルは、少なくとも1つの加圧柱により、上昇方向に曲げることができ、連結ステップは、モータにより供給されるトルクの増加率が、設定されたしきい値よりも高い場合に、少なくとも第2の車両を空中ケーブルへ連結することを有する。
【0027】
連結ステップは、可変の連結頻度で、車両を連結することを有することもできる。
【0028】
方法は、車両を空中ケーブルへ連結するように構成されている、少なくとも2つのステーションを備えることができ、連結ステップは、少なくとも1つの他のステーションの連結頻度とは異なる連結頻度で、少なくとも1つのステーション内で車両を連結することを有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
他の利点および特徴は、非限定の例の目的だけのために与えられる、添付の図面に表される本発明の特定の実施形態の以下の説明からより明らかとなる。
【
図1】本発明に係るケーブルによる輸送装置の実施形態を模式的に示す図である。
【
図2】ロープの駆動モータにより供給されるトルク対時間のプロットを模式的に示す図である。
【
図3】ケーブルによる輸送装置の他の実施形態を模式的に示す図である。
【
図4】ケーブルによる輸送装置の他の実施形態を模式的に示す図である。
【
図5】ケーブルによる輸送装置の他の実施形態を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1には、少なくとも2つの車両3〜5を備える空中ケーブル2による輸送装置1が表されている。
図1に示される例において、装置は、3つの車両3〜5を備える。車両3〜5は、ロープ2へ連結され、このロープにより輸送されるように構成されている。輸送装置1は、一般的には、ケーブルカーである。より具体的には、装置1は、キャビンリフトとすることができ、この場合、車両は閉じており、または装置1は、車両が開放されたチェアリフトとすることができる。装置1は、人を乗降させるためのターミナル6,7と呼ばれる、少なくとも2つのターミナルステーションを備える。
図1および
図5に示す例において、装置1は、同じレベル、すなわち同一水平線上に位置する2つのターミナル6,7を備える。変形例として、
図3および
図4に示すように、第1のターミナル6は、坂上に位置し、坂上ターミナルと呼ばれ、第2のターミナル7は、坂下に位置し、坂下ターミナルと呼ばれる。輸送装置1は、
図4に示すように、2つのターミナル6,7の間に位置する1つまたは複数の中間ステーション8をさらに備えることができる。一般的には、輸送装置1は、着脱式と言われ、すなわち、車両3〜5は、空中ケーブル2へ連結、かつ空中ケーブル2から離脱できるようにするための着脱式クランプをそれぞれ備えている。装置1は、地面より上に車両3〜5を吊り下げる、運搬ロープと呼ばれる他のロープをさらに備えることができる。輸送装置1は、車両が大きく重い場合、他の輸送ロープを備えることもできる。これらの異なるロープは、簡潔さのために図面に示されていない。いずれの場合も、装置1は、ターミナル6から他のターミナル7,8まで、その逆も同様に牽引により車両3〜5を動かすために、少なくとも1つの輸送ロープ2を備え、このロープは運搬ロープとしても、しなくてもよい。輸送ロープ2は、閉ループの連続するロープであり、ブルホイール9により駆動され、ブルホイール9自体は、駆動ターミナル6とも呼ばれる、ターミナル6のうちの1つのモータ10により駆動される。他のターミナル7は、一方で、ターミナル6,7の間で、輸送ロープ2を張力のかかった状態にする、戻りブルホイールと呼ばれる、非モータ式のブルホイール11を備える。
【0031】
さらに、車両3〜5がステーション6〜8を離れる際、終点ターミナル6,7または中間ステーション8のいずれかの、もう1つのステーションまで車両を運ぶロープ2に、車両は連結される。この場合、着脱式クランプは閉じられ、車両は、ロープ2に固定され、すなわち、常時、機械的にロープ2に接続される。2つのステーションの間で、車両は、輸送ロープ2により決められた走行トラックに沿って走り、また、車両は、ライン上であると言われる。車両3〜5が、ステーション6〜8に到着すると、車両のクランプは開放され、車両3〜5は、輸送ロープ2から離脱される。離脱された車両は、停止することができ、あるいは輸送ロープ2の速度よりも低速で、ステーション6〜8の移送サーキット12を走ることができる。各移送サーキット12は、減速セクション13と、加速セクション14と、先述した2つのセクション13,14を接続する中間セクション15とを備える。より具体的には、各ターミナル6,7は、1つの移送サーキット12を備え、中間ステーション8は、2つの移送サーキット12a,12bを備えることができる。
【0032】
各セクション13〜15は、セクション13〜15に沿って配置された空気入りタイヤを有する一組の車輪16を備える。車輪16は、車両3〜5のクランプに固定された摩擦板と摩擦により協同し、ステーション6〜8のそれぞれの移送サーキット12内で、離脱された車両を動かす。
【0033】
各ステーション6〜8は、空中ケーブル2に車両を連結する連結装置17と、車両を離脱させる離脱装置18とを備える。離脱装置18は、減速セクション13と、ステーションに入る車両のクランプを開くクランプ開放機構19とを備え、クランプ開放機構19は、車両をロープ2から離脱させる。開放機構19は、減速セクション13の先頭、すなわち、車両がステーションに入る場所に位置する。開放機構19は、レールを備えており、クランプのバネを加圧してクランプを開き、移送サーキット12,12a,12bにおける車両の走行の間に、クランプを開いたままにすることを可能にする。次いで車両は、中間セクション15に到達し、このセクションでは、車両を停止させるか、または低速で、減速セクション13で動くよりも低い速度で動かすことも可能である。
【0034】
さらに、各連結装置17は、中間セクション15と、加速セクション14と、送出装置20とを備える。送出装置20は、スタータ駆動モータ21と、加速モータ22とを備える。スタータ駆動モータ21は、中間セクション15の一組の車輪16を駆動し、離脱された車両を中間セクション15から加速セクション14まで動かす。例えば、スタータ駆動モータ21は、中間セクション15の車輪16の駆動ベルトを駆動する。変形例として、スタータ駆動モータ21は、車両を押圧し、かつ車両を1つの位置から他の位置へと押すスタッドチェーンを駆動する。加速モータ22は、一方、振動なしに車両を取り付けるために、離脱された車両を、加速セクション14に沿って、輸送ロープ2の速度に等しい速度まで加速することを可能にする。例えば、加速モータ22は、加速セクション14の車輪16をベルトによって駆動し、離脱された車両を加速させる。車両が加速セクション14を離れると、クランプはレールから出て、バネは再び加圧され、輸送ロープ2に対してクランプを閉じ、これにより車両をロープ2へ連結させる。スタータ駆動モータ21および加速モータ22は、可変速または定速のモータとすることができる。好ましくは、モータ21,22は、定速モータである。
【0035】
装置1は、また、空中ケーブル2のための少なくとも1つの支柱23を備える。換言すれば、支柱23は、例えば空中ケーブル2が地面の形状に沿うように、空中ケーブル2を地面の方向に曲げる。これは、支柱23は空中ケーブル2を下降方向に曲げることを意味する。一般的に、支柱23は、2つのターミナル6〜8の間に位置する。装置1は、
図5に示すように、ロープ2を上昇方向に曲げる少なくとも1つの加圧柱24をさらに備えることができる。変形例として、装置1は、1つまたは複数の支持−加圧柱を備えることができる。
【0036】
装置1は、空中ケーブル2へ連結された車両による、柱、支柱23および/または加圧柱24、および/または支持−加圧柱(簡潔さのために図示せず)の通過の検出手段25〜27と、ターミナル6〜8の連結装置17を制御するように構成された制御手段28と、をさらに備えることができる。
【0037】
検出手段25〜27は、少なくとも1つの連結信号を、通信29〜31によって制御手段28へ送信するように構成されており、通信29〜31は、有線とすることも、しないことも可能であり、例えば高周波である。連結信号は、空中ケーブル2へ連結された車両による、装置1の柱23,24の通過が検出されると、検出手段25,26により送信される。例えば、検出手段は、空中ケーブル2へ連結された車両による、柱23,24の通過を検出するように構成された位置センサ25を備える。位置センサ25は、柱の通過を検出した際、通信31を介して、制御手段28へ連結信号を送信する。好ましくは、装置の各柱23,24には、位置センサ25が設けられる。位置センサ25は、例えば、それぞれの柱23,24に固定される。変形例によれば、検出手段は、駆動モータ10により供給されるトルクを決定するように構成されたモジュール26を備える。さらに、モジュール26は、駆動モータ10により供給されるトルクの変化率の絶対値が、設定されたしきい値よりも高い場合に、通信30を介して、制御手段28へ連結信号を送信する。設定されたしきい値は、装置1の構成に依存する。例えば、1つまたは複数の車両が、ステーションと柱の間、または2つの柱の間を、上昇方向または下降方向に輸送される場合、設定されたしきい値は、モータトルクの変化率よりも高い。駆動モータ10により供給されるトルクの変化率の検出は、トルクが設定されたしきい値よりも高い場合、柱を通過する車両に対応する。車両が支柱23を通過する際、車両は、実際に、坂上ポイント(柱の頂点)から、坂下ポイント(ロープ2の輸送の方向で柱の後ろにある位置)まで移動し、この移動は、車両がロープの駆動を強めるため、駆動モータ10にエネルギーを供給する。より具体的には、支柱23の通過の前に、駆動モータは、設定されたしきい値よりも低い変化率により供給トルクを増加させて、坂下ポイントから支柱23の頂点まで車両を動かす。次いで、車両が柱を通過すると、トルクは減少し、車両の通過後は、供給トルクの減少率が設定されたしきい値よりも高くなるようにして、トルクはさらに減少する。いずれの場合も、ロープへ連結された車両が、駆動ターミナル6から離れて、または駆動ターミナル6に向かって動く場合、支柱23を通過する際に、モータトルクは減少する。よって、支柱23の通過が検出されると、車両は連結され、車両は支柱23の方向に輸送され、かつ車両は、ロープの駆動を減速させることになり、これは、振動を制限し、モータ10の電力消費を減少させる。
【0038】
さらに、車両が加圧柱24を通過すると、車両は、坂下ポイント(柱の頂点)から、坂上ポイント(ロープ2の輸送方向で柱の後ろにある位置)まで移動し、駆動モータ10は、車両がロープの駆動を減速させたときに供給トルクを増加させて、車両を坂上ポイントまで動かす必要がある。より具体的には、加圧柱24を通過する前に、モータ10により供給されるトルクは、設定されたしきい値よりも低い変化率で増加し、車両を坂上ポイントから加圧柱24まで動かす。次いで、車両が柱24を通過すると、トルクは増加し、車両の通過後は、供給トルクの増加率が設定されたしきい値よりも高くなるようにして、トルクは再度増加する。いずれの場合も、ロープへ連結された車両が、駆動ターミナル6から離れて、または駆動ターミナル6に向かって動く場合、加圧柱24を通過する際に、モータトルクは増加する。
【0039】
モータトルクの変化率を決定するために、モジュール26は、モータにより消費される電力またはロープの速度、あるいはモータ10により消費される電流を決定することができる。特に、モータ10により消費される電流は、供給トルクのイメージである。好ましくは、モジュール26は、駆動モータ10により消費される電流を測定する手段を備え、測定された消費電流から、駆動モータ10により供給されるトルクを決定する。
【0040】
さらに別の変形例によれば、検出手段は、車両が柱23,24を通過するであろう時間を計算するように構成された計算ユニット27を備える。さらに、計算ユニット27は、計算された時間に達すると、通信29を介して、制御手段28へ連結信号を送信する。例えば、計算ユニット27は、連結装置17に位置する位置センサを備え、空中ケーブル2に対する車両の連結を検出する。計算ユニット27は、さらに、車両が空中ケーブル2へ連結される通過時間を測定し、この時間中にブルホイールの回転速度を測定し、次いで、測定された速度および通過時間、ならびに柱と連結装置17の間の距離から、連結された車両が柱を通過するであろう時間を計算する。距離は、計算ユニット27の不揮発性メモリに事前に記録されたデータである。
【0041】
検出手段25〜27は、位置センサ25と、モジュール26と、計算ユニット27とを組み合わせて備えることができる。
【0042】
制御手段28は、通信29〜31によって検出手段に接続され、位置センサ25またはモジュール26のいずれかにより、あるいは計算ユニット27またはこれら3つの全てにより供給された少なくとも1つの連結信号を受信すると、空中ケーブル2に対する車両の連結を命令するように構成されている。連結信号の冗長性は、センサ25またはモジュール26または計算ユニット27の故障を緩和することを可能にする。例えば、制御手段28は、少なくとも1つの連結信号を受信した場合、連結をトリガするように構成することができる。好ましくは、制御手段28は、少なくとも計算ユニット27から来る連結信号を受信した場合、連結をトリガするように構成することができる。制御手段28は、電子制御ユニットとすることができる。一般的な方法では、制御手段28は、車両が柱を通過した際、換言すれば、モジュール26、または位置センサ25、または計算ユニット27、あるいはこれら3つの全てから同時に来た連結信号を制御手段28が受信した際へ連結装置に命令する。制御手段28は、通信32によりステーションの連結装置17に接続され、通信は、有線とすることも、しないことも可能であり、例えば高周波である。より具体的には、制御手段28は、スタータ駆動モータ21および加速モータ22に命令する。制御手段28が連結信号を受信すると、手段は、少なくとも1つのステーション6〜8の連結装置17に、離脱された車両を空中ケーブル2へ連結するよう命令する。さらに、制御手段28は、離脱された車両を中間セクション15から加速セクション14まで動かすよう、スタータ駆動モータ21に命令する。次いで、加速セクションの車輪16を常時駆動することができる、加速モータ22は、車両を加速させて、車両をロープ2へ連結することができる。
【0043】
装置1の一般的な動作原理は、ロープへ連結された第1の車両の柱の通過を検出すること、および第1の車両の柱の通過を検出した際に、少なくとも第2の車両を、空中ケーブルへ連結することである。
図1において、初期状態では、第1の車両3は支柱23を通過し、第2の車両4はロープ2へ連結され、第3の車両5は終点ターミナル7において静止している。第2の車両4が、空中ケーブル2へ連結されると、車両は、中間セクション15における、点線で表されるその静止位置を離れ、加速セクション14に入り、次いで、ロープ2へ連結される。次に、空中ケーブル2は、もう1つのターミナル7に向かうS方向に駆動される。この場合、第1の車両3は、駆動ターミナル6の方向に輸送され、支柱23の頂点から駆動ターミナル6まで下降する。第2の車両4は、支柱23の頂点の方向に輸送される。次いで、第1の車両3は、駆動ターミナル6の中間セクション15にて離脱および停止され、第2の車両4は、もう1つのターミナル7の方向に支柱23を通過する。検出手段25〜27は、制御手段28へ連結信号を送信して、第2の車両4が支柱23を通過したことを示し、制御手段28は、ターミナル7の連結装置に、第3の車両5を空中ケーブル2へ連結するよう命令する。このサイクルの終わりに、第2の車両4は、ターミナル7に入り、ターミナル7の中間セクション15にて、車両は離脱および停止される。さらに、第3の車両5は、駆動ターミナル6の方向に支柱23を通過し、検出手段25,26によって新たな通過信号が送信され、制御手段28は、駆動ターミナル6の連結装置17に、第1の車両3を空中ケーブルへ連結するよう命令する。
【0044】
図2において、第1の曲線Cは点線で表され、この点線は、従来技術の方法で
図1に説明される装置1内で2つの車両が連結される場合の、駆動モータ10により供給されるトルクCm対時間tに対応する。従来技術の方法は、それぞれのターミナル内の2つの連続する車両の連結間の一定時間間隔を考慮して車両を連結し、ロープへ連結された車両間を一定距離に維持することからなる。第1の曲線Cの第1の部分C1により示される、第1のステップにおいて、2つの車両は、それぞれ2つのターミナル6,7内で同時へ連結される。次いで、車両は、支柱の頂点に向けて同時に輸送され、モータトルクは増加する。第1の曲線Cの第2の部分C2により示される、第2のステップにおいて、ロープへ連結された第1の車両は、柱を通過し、トルクは、急激に減少して振動を生じさせ、次いで、柱の頂点に向けた第2の車両の輸送により、再び増加する。第1の曲線Cの第3の部分C3により示される、第3のステップにおいて、第2の車両は、柱を通過し、トルクは、再び急激に減少して振動を生じさせ、かつ、トルクは、2つの車両がそれぞれ2つのターミナル6,7に向けて下降し、互いに空中ケーブルの駆動を強めるので、ネガティブになる。
【0045】
反対に、本発明によれば、駆動モータにより供給されるトルクは平滑化される。第2の曲線Dは、実線で表され、この実線は、本発明に係る
図1に説明される装置1内で3つの車両が連結される場合の、駆動モータ10により供給されるトルクCm対時間tに対応する。本発明によれば、ターミナルのそれぞれにおける、2つの連続する車両の連結間の一定時間間隔は、必ずしも考慮されない。さらに、本発明は、車両を連結して駆動モータ10の振動を制限する構成である。第2の曲線Dの第1の部分D1により示される第1のステップにおいて、ロープへ連結される第1の車両は、柱を通過し、第2の車両は、よって、ターミナル6内で連結される。次いで、第1の車両は、ターミナル6に向けて輸送され、第2の車両は、柱の頂点の方向に輸送され、モータトルクは増加する。特に、トルクの変化率は、設定されたしきい値よりも低い。第2の曲線Dの第2の部分D2により示される第2のステップにおいて、ロープへ連結された第2の車両は、柱を通過し、トルクは急激に減少して、新たな振動を生じさせる。特に、トルクの変化率は、設定されたしきい値よりも高い。
【0046】
第2のステップにおいて、第3の車両は、ターミナルのうちの1つ、好ましくは他のターミナル7内で連結され、トルクは、次いで増加し、第3の車両を柱の頂点に向けて輸送する。モータトルクは、第3の車両が支柱を通過する際に、第4の車両を連結することで平滑化され続けることができる。本発明によれば、駆動モータにより供給されるトルクは平滑化され、よって振動は制限される。
【0047】
輸送装置1は、異なる構成を有することができる。これらの構成は、1つまたは複数の柱と、偶数または奇数の台数の車両と、坂上ターミナルおよび坂下ターミナル、あるいは同じレベルに位置するターミナルと、を備えることができ、駆動ターミナルは、坂上または坂下とすることができる。例えば、振動を制限するために、ステーション6〜8の連結装置17は、少なくとも1つの他のステーション6〜8の連結装置17の連結頻度とは異なる連結頻度で車両を連結する。技術水準においては、実際に、ライン上の車両間で同じ距離を維持することが望ましく、この場合、離脱された車両の取り付けの頻度は、ターミナルのそれぞれにおいて、同じである必要がある。技術水準においては、ブルホイールにおける振動は抑制されず、供給されるモータトルクも抑制されない。反対に、本発明によれば、ターミナルに依存する異なる連結頻度で車両を連結することにより、ロープに生じる張力と、よって駆動モータにより供給されるトルクとを、要求に応じて調整することができ、特に、車両は、モータトルクの変化率から決定される連結頻度で連結される。
【0048】
図3において、本発明の別の実施形態が表され、ここで駆動ターミナル6は、ターミナル7よりも高いレベルに位置しており、支柱23の頂点は、駆動ターミナル6よりも高いレベルに位置する。
図1にて先に説明された同一の構成部品の符号は、
図3においても用いられる。駆動ターミナル6は、ここでは、坂上ターミナルである。連結原理は、
図1にて説明したものと同じである。
【0049】
図4において、本発明のさらに別の実施形態が表され、装置1は、坂上駆動ターミナル6と、坂下ターミナル7と、2つの終点ターミナル6,7の間に位置する中間ステーション8とを備える。
図1にて先に説明された同一の構成部品の符号は、
図4においても用いられる。さらに、装置1は、坂上ターミナル6および中間ステーション8の間に位置し、柱の頂点が坂上ターミナル6よりも高いレベルに位置する、第1の支柱23と、中間ステーション8および坂下ターミナル7の間に位置し、柱の頂点が中間ステーション8よりも高いレベルに位置する、第2の支柱40と、を備える。この実施形態において、第1の車両3が第1の支柱23を通過する際に、第2の車両4は、坂上ターミナル6の方向で中間ステーション8へ連結される。次いで、第1の車両3が第2の支柱40を通過する際、第3の車両5は、坂下ターミナル7内で連結される。
【0050】
図5において、本発明のさらに別の実施形態が示され、ここで、装置は、同じレベルに位置する2つのターミナル6,7を備える。
図1にて先に説明された同一の構成部品の符号は、
図5においても用いられる。さらに、装置は、2つの支柱23,40と、先述した2つの支柱23,40の間に位置する第3の加圧柱24とを備える。この場合、第1の車両3が第3の柱を通過する際に、第2の車両4は、
図5の右側に位置するターミナル7内で連結される。変形例として、第2の車両は、駆動ターミナル6内で連結することができる。さらに別の変形例によれば、第2および第3の車両は、2つのターミナル6,7内で、それぞれ同時へ連結することができる。
【0051】
さらに、上述した輸送装置1によって、ケーブルによる輸送方法を実施することができる。
【0052】
このように説明した本発明は、装置の空中ケーブルに発生する振動を制限することにより、乗客の快適性を向上させることを可能にする。本発明は、空中ケーブルの駆動モータのエネルギー消費を減少させることをさらに可能にする。