特許第6615544号(P6615544)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6615544
(24)【登録日】2019年11月15日
(45)【発行日】2019年12月4日
(54)【発明の名称】流量調整装置及び処理装置
(51)【国際特許分類】
   C23C 16/455 20060101AFI20191125BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20191125BHJP
【FI】
   C23C16/455
   H01L21/31 C
【請求項の数】5
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2015-181263(P2015-181263)
(22)【出願日】2015年9月14日
(65)【公開番号】特開2017-57441(P2017-57441A)
(43)【公開日】2017年3月23日
【審査請求日】2017年9月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】尾上 誠司
【審査官】 宮崎 園子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/008440(WO,A1)
【文献】 特開平03−215941(JP,A)
【文献】 特開平11−297947(JP,A)
【文献】 国際公開第2005/045913(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 16/455
H01L 21/31
H01L 21/205
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の面と、前記第1の面の反対側に位置する第2の面と、を有する第1の壁と、
互いに離間する位置で前記第2の面にそれぞれ接続され、前記第1の面に開口するとともに流体が通る複数の開口を形成し、それぞれが変形することにより前記開口の広さを変更可能な、複数の第2の壁と、
前記第1の壁を有し、前記複数の第2の壁を収容する外壁と、
前記外壁の内部であって前記複数の第2の壁の間の圧力を変化させる圧力調整部と、
を具備し、
前記外壁は、当該外壁の内部に、前記複数の第2の壁のうち少なくとも一つが配置される第1の部屋と、前記第1の部屋よりも前記第1の壁の中央から遠い部分を有するとともに前記複数の第2の壁のうち少なくとも一つが配置される第2の部屋と、を形成する第3の壁を有し、
前記圧力調整部は、前記第1の部屋の圧力と、前記第2の部屋の圧力と、を互いに異ならせる、
流量調整装置。
【請求項2】
第1の面と、前記第1の面の反対側に位置する第2の面と、を有する第1の壁と、
互いに離間する位置で前記第2の面にそれぞれ接続され、前記第1の面に開口するとともに流体が通る複数の開口を形成し、それぞれが変形することにより前記開口の広さを変更可能な、複数の第2の壁と、
前記第1の壁を有し、前記複数の第2の壁を収容する外壁と、
前記外壁の内部であって前記複数の第2の壁の間の圧力を変化させる圧力調整部と、
を具備し、
前記外壁は、当該外壁の内部に、前記複数の第2の壁のうち少なくとも一つが配置される第1の部屋と、前記第1の部屋よりも前記第1の壁の中央から遠い部分を有するとともに前記複数の第2の壁のうち少なくとも一つが配置される第2の部屋と、を形成する第3の壁を有し、
前記第3の壁に、前記第1の部屋と前記第2の部屋とを接続する流路が設けられ、
前記圧力調整部は、前記第1の部屋の圧力を変化させる、
流量調整装置。
【請求項3】
第1の面と、前記第1の面の反対側に位置する第2の面と、を有する第1の壁と、
互いに離間する位置で前記第2の面にそれぞれ接続され、前記第1の面に開口するとともに流体が通る複数の開口を形成し、それぞれが変形することにより前記開口の広さを変更可能な、複数の第2の壁と、
を具備し、
前記複数の第2の壁は、前記第2の面に接続され、前記第1の面に開口する前記開口を形成し、変形することにより前記開口の広さを変更可能な第1の筒壁と、前記第1の筒壁よりも前記第1の壁の中央から遠い位置で前記第2の面に接続され、前記第1の面に開口する前記開口を形成し、変形することにより前記開口の広さを変更可能な第2の筒壁と、を有し、
前記第1の筒壁の厚さは、前記第2の筒壁の厚さよりも薄い、
流量調整装置。
【請求項4】
第1の面と、前記第1の面の反対側に位置する第2の面と、を有する第1の壁と、
互いに離間する位置で前記第2の面にそれぞれ接続され、前記第1の面に開口するとともに流体が通る複数の開口を形成し、それぞれが変形することにより前記開口の広さを変更可能な、複数の第2の壁と、
を具備し、
前記複数の第2の壁は、前記第2の面に接続され、前記第1の面に開口する前記開口を形成し、変形することにより前記開口の広さを変更可能な第1の筒壁と、前記第1の筒壁よりも前記第1の壁の中央から遠い位置で前記第2の面に接続され、前記第1の面に開口する前記開口を形成し、変形することにより前記開口の広さを変更可能な第2の筒壁と、を有し、
前記第1の筒壁の熱膨張率は、前記第2の筒壁の熱膨張率よりも大きい、
流量調整装置。
【請求項5】
処理室が設けられた筐体と、
前記複数の開口を通して前記処理室に前記流体を供給する供給部と、
請求項1乃至請求項4のいずれか一つの流量調整装置と、
をさらに具備し、
前記第1の面は、前記処理室に面する、
処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、流量調整装置及び処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の開口から流体を供給する装置が知られる。例えば、プラズマを用いる処理装置において、シャワープレートが複数の開口からガスを供給する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−21404号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
シャワープレートのような種々の装置において、複数の開口からそれぞれ供給される流体の量は一定であり、個別に制御し難い。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一つの実施形態に係る流量調整装置は、第1の壁と、複数の第2の壁と、外壁と、圧力調整部とを備える。前記第1の壁は、第1の面と、前記第1の面の反対側に位置する第2の面と、を有する。前記複数の第2の壁は、互いに離間する位置で前記第2の面にそれぞれ接続され、前記第1の面に開口するとともに流体が通る複数の開口を形成し、それぞれが変形することにより前記開口の広さを変更可能である。前記外壁は、前記第1の壁を有し、前記複数の第2の壁を収容する。前記圧力調整部は、前記外壁の内部であって前記複数の第2の壁の間の圧力を変化させる。前記外壁は、当該外壁の内部に、前記複数の第2の壁のうち少なくとも一つが配置される第1の部屋と、前記第1の部屋よりも前記第1の壁の中央から遠い部分を有するとともに前記複数の第2の壁のうち少なくとも一つが配置される第2の部屋と、を形成する第3の壁を有する。前記圧力調整部は、前記第1の部屋の圧力と、前記第2の部屋の圧力と、を互いに異ならせる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、第1の実施形態に係る半導体製造装置を概略的に示す断面図である。
図2図2は、第1の実施形態のシャワープレートの下面図である。
図3図3は、第1の実施形態のシャワープレートを、図2のF3−F3線に沿って示す断面図である。
図4図4は、第1の実施形態のシャワープレートを、図2のF4−F4線に沿って示す断面図である。
図5図5は、第1の実施形態の筒壁が変形したシャワープレートを示す断面図である。
図6図6は、第2の実施形態に係るシャワープレートを下方向から見た断面図である。
図7図7は、第3の実施形態に係るシャワープレートを下方向から見た断面図である。
図8図8は、第4の実施形態に係る半導体製造装置を概略的に示す断面図である。
図9図9は、第4の実施形態のシャワープレートを下方向から見た断面図である。
図10図10は、第5の実施形態に係るシャワープレートを下方向から見た断面図である。
図11図11は、第6の実施形態に係る筒壁が変形したシャワープレートを示す断面図である。
図12図12は、第7の実施形態に係るシャワープレートの一部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、第1の実施形態について、図1乃至図5を参照して説明する。なお、本明細書においては基本的に、鉛直上方を上方向、鉛直下方を下方向と定義する。また、実施形態に係る構成要素や、当該要素の説明について、複数の表現を併記することがある。当該構成要素及び説明について、記載されていない他の表現がされることは妨げられない。さらに、複数の表現が記載されない構成要素及び説明について、他の表現がされることは妨げられない。
【0008】
図1は、第1の実施形態に係る半導体製造装置10を概略的に示す断面図である。半導体製造装置10は、処理装置及び流量調整装置の一例であり、例えば、製造装置、吸排気装置、供給装置、及び装置とも称され得る。
【0009】
処理装置は半導体製造装置10に限らず、対象となる物体に、例えば加工、洗浄、及び試験のような処理を行う他の装置であっても良い。処理装置は、例えば、蒸着又はドライエッチングのための装置であっても良い。また、流量調整装置は半導体製造装置10に限らず、液体又は気体のような流体を供給又は吸引するための他の装置であっても良い。
【0010】
各図面に示されるように、本明細書において、X軸、Y軸及びZ軸が定義される。X軸とY軸とZ軸とは、互いに直交する。X軸は、半導体製造装置10の幅に沿う。Y軸は、半導体製造装置10の奥行き(長さ)に沿う。Z軸は、半導体製造装置10の高さに沿う。
【0011】
本実施形態の半導体製造装置10は、三次元NAND型フラッシュメモリのような半導体装置の半導体ウェハ(以下、ウェハと称する)11を製造する。半導体製造装置10は、プラズマCVD(化学気相成長)によって、基板12に例えばシリコンの膜13を成長させることで、ウェハ11を製造する。なお、半導体製造装置10は、これに限らず、例えば他の半導体装置を製造しても良い。
【0012】
図1に示すように、半導体製造装置10は、製造部21と、材料供給装置22と、冷媒供給装置23と、複数の供給管24と、複数の排出管25とを有する。材料供給装置22は、供給部の一例である。冷媒供給装置23は、媒体供給部の一例である。
【0013】
製造部21は、筐体31と、ステージ32と、真空ポンプ33と、電源34と、シャワープレート35とを有する。ステージ32は、例えば、処理部、支持部、載置部、又は台とも称され得る。シャワープレート35は、例えば、流路構造、構造体、部材、送部、又は流量調整装置とも称され得る。
【0014】
筐体31は、密封可能な箱状に形成される。筐体31の内部に、チャンバ31aが設けられる。チャンバ31aは、処理室の一例である。チャンバ31aに、ステージ32と、シャワープレート35とが収容される。半導体製造装置10は、チャンバ31aにおいてウェハ11を製造する。
【0015】
真空ポンプ33は、筐体31のチャンバ31aに接続される。真空ポンプ33は、チャンバ31aの気体を吸引する。真空ポンプ33は、チャンバ31aを減圧し、例えば真空にする。なお、真空ポンプ33の動作はこれに限らない。
【0016】
ステージ32は、支持部32aを有する。支持部32aは、Z軸に沿う正方向(上方向)に向き、基板12を支持する。支持部32aは、チャンバ31aで製造されたウェハ11を支持する。
【0017】
電源34は、高周波の交流電流を出力する。電源34は、ステージ32に接続される。電源34は、ステージ32を介して、支持部32aに支持される基板12に高周波電圧を印加する。なお、電源34の動作はこれに限らない。
【0018】
シャワープレート35は、ステージ32から離間した位置で、ステージ32の上方向に配置される。このため、ステージ32の支持部32aに支持された基板12(ウェハ11)は、Z軸に沿う方向において、ステージ32とシャワープレート35との間に位置する。
【0019】
図2は、第1の実施形態のシャワープレート35の下面図である。図3は、第1の実施形態のシャワープレート35を、図2のF3−F3線に沿って示す断面図である。図4は、第1の実施形態のシャワープレート35を、図2のF4−F4線に沿って示す断面図である。
【0020】
図3に示すように、シャワープレート35は、外壁41と、複数の筒壁42と、を有する。外壁41は、例えば、筐体又は壁とも称され得る。複数の筒壁42は、第2の壁、第1の筒壁、及び第2の筒壁の一例であり、例えば、側壁、内壁、変形部、又は流路とも称され得る。
【0021】
外壁41は、底壁45と、上壁46と、周壁47と、中壁48とを有する。底壁45は、第1の壁の一例である。外壁41は、例えば、実質的に円柱の箱型に形成され、複数の筒壁42を収容する。なお、外壁41の形状はこれに限らない。
【0022】
底壁45は、実質的に円形の板状に形成される。なお、底壁45は、例えば、四角形のような他の形状に形成されても良い。底壁45は、第1の面45aと、第2の面45bとを有する。
【0023】
第1の面45aは、Z軸に沿う負方向(下方向)に向く実質的に平坦な面である。第1の面45aは、シャワープレート35の表面(外面)を形成する。このため、第1の面45aは、チャンバ31aに面する。第1の面45aは、ステージ32と、ステージ32に支持された基板12(ウェハ11)に向く。
【0024】
第2の面45bは、上方向に向く実質的に平坦な面である。第2の面45bは、第1の面45aの反対側に位置する。このため、第2の面45bは、外壁41の内部に向き、外壁41の内面を形成する。
【0025】
上壁46は、底壁45と同じく、実質的に円形の板状に形成される。なお、上壁46は、例えば、四角形のような他の形状に形成されても良い。上壁46は、底壁45から離間した位置で、底壁45の上方向に配置される。上壁46は、第3の面46aと、第4の面46bとを有する。
【0026】
第3の面46aは、上方向に向く実質的に平坦な面である。第3の面46aは、シャワープレート35の表面(外面)を形成する。このため、第3の面46aは、チャンバ31aに面する。
【0027】
第4の面46bは、下方向に向く実質的に平坦な面である。第4の面46bは、第3の面46aの反対側に位置する。このため、第4の面46bは、外壁41の内部に向き、外壁41の内面を形成する。第4の面46bは、底壁45の第2の面45bに向く。
【0028】
周壁47は、実質的に円筒形状に形成され、Z軸に沿う方向に延びる。なお、周壁47は、例えば、四角形の筒状のような他の形状に形成されても良い。周壁47は、底壁45の周縁と、上壁46の周縁とを接続する。周壁47は、外壁41に収容された複数の筒壁42を囲む。
【0029】
中壁48は、底壁45及び上壁46と同じく、実質的に円形の板状に形成される。なお、中壁48は、例えば、四角形のような他の形状に形成されても良い。中壁48は、底壁45から離間するとともに、上壁46から離間した位置で、Z軸に沿う方向における底壁45と上壁46との間に配置される。中壁48は、第5の面48aと、第6の面48bとを有する。
【0030】
第5の面48aは、下方向に向く実質的に平坦な面である。第5の面48aは、底壁45の第2の面45bと向かい合う。第6の面48bは、上方向に向く実質的に平坦な面である。第6の面48bは、第5の面48aの反対側に位置する。第6の面48bは、上壁46の第4の面46bと向かい合う。
【0031】
複数の筒壁42はそれぞれ、実質的に円筒形状に形成され、Z軸に沿う方向に延びる。なお、筒壁42は、例えば、四角形の筒状のような他の形状に形成されても良い。本実施形態において、複数の筒壁42は、互いに同一の形状を有する。なお、複数の筒壁42は、互いに異なる形状を有しても良い。
【0032】
複数の筒壁42はそれぞれ、第1の端部42aと、第2の端部42bとを有する。第1の端部42aは、下方向における筒壁42の端部であり、底壁45の第2の面45bに接続される。第2の端部42bは、上方向における筒壁42の端部であり、中壁48の第5の面48aに接続される。
【0033】
複数の筒壁42は、互いに離間する位置で底壁45の第2の面45bに接続される。例えば、複数の筒壁42は、X軸に沿う方向に実質的に等間隔に並べられるとともに、Y軸に沿う方向に実質的に等間隔に並べられる。なお、複数の筒壁42の配置はこれに限らない。
【0034】
複数の筒壁42は、複数の開口51を形成する。開口51は、それぞれの筒壁42の内部に設けられ、Z軸に沿う方向に延びる。開口51は、筒壁42の第1の端部42aが接続された底壁45の、第1の面45aに開口する。すなわち、開口51は、チャンバ31aに開口する。さらに、開口51は、筒壁42の第2の端部45bが接続された中壁48の、第6の面48bに開口する。
【0035】
複数の筒壁42はそれぞれ、内周面42cと外周面42dとをさらに有する。内周面42cは、筒状の筒壁42の内面であり、開口51を形成する。外周面42dは、筒状の筒壁42の外面であり、内周面42cの反対側に位置する。
【0036】
Z軸に沿う方向に延びる筒壁42の厚さは、実質的に一定である。本実施形態において、筒壁42の厚さは、筒壁42の径方向における、内周面42cと外周面42dとの間の距離である。なお、筒壁42の厚さは、部分的に異なっても良い。
【0037】
筒壁42の厚さは、例えば、筒壁42の長さ(Z軸に沿う方向における寸法)の10分の1である。なお、筒壁42の厚さはこれに限らない。筒壁42の厚さは、例えば、以下の(数1)式によって定められる。
【数1】
上記(数1)式において、hは筒壁42の厚さであり、αは筒壁42の線膨張率であり、ΔTは筒壁42の内周面42cと外周面42dとの温度差であり、Lは筒壁42のZ軸に沿う方向における長さであり、dは筒壁42が変形した場合における筒壁42の内径(開口51)の最大の直径であり、dは筒壁42が変形した場合における筒壁42の内径(開口51)の最小の直径である。なお、筒壁42の厚さは、他の条件によって設定されても良い。
【0038】
底壁45の厚さは、複数の筒壁42のそれぞれの厚さよりも厚い。本実施形態において、底壁45の厚さは、第1の面45aと直交する方向における、第1の面45aと第2の面45bとの間の距離である。底壁45の厚さは一定であるが、部分的に異なっても良い。筒壁42の厚さと底壁45の厚さとの少なくとも一方が部分的に異なる場合、底壁45の厚さの平均は、筒壁42の厚さの平均よりも厚い。
【0039】
外壁41の内部に、拡散流路53が設けられる。拡散流路53は、上壁46と中壁48との間に位置し、周壁47に囲まれる空間である。当該拡散流路53に、複数の開口51が開口する。言い換えると、複数の開口51は、拡散流路53とチャンバ31aとを接続する。
【0040】
外壁41の内部に、内部空洞55がさらに設けられる。内部空洞55は、外壁の内部の一例である。内部空洞55は、Z軸に沿う方向において底壁45と中壁48との間に位置し、底壁45を平面視した場合(X‐Y平面)において周壁47に囲まれるとともに複数の筒壁42の外側に位置する空間である。言い換えると、内部空洞55は、複数の筒壁42の間に設けられる。筒壁42は、内部空洞55と開口51とを隔てる。
【0041】
上壁46に、拡散流路53に開口する材料供給口61が設けられる。材料供給口61は、上壁46の第4の面46bに開口する。なお、材料供給口61は、例えば、周壁47に設けられても良い。
【0042】
図4に示すように、中壁48に、複数の冷媒供給口63と、複数の冷媒排出口64とが設けられる。冷媒供給口63は、供給口の一例である。冷媒排出口64は、排出口の一例である。複数の冷媒供給口63と複数の冷媒排出口64とはそれぞれ、内部空洞55に開口する。
【0043】
図2に示すように、複数の冷媒供給口63はそれぞれ、底壁45を平面視した場合(X‐Y平面)において、底壁45の中心の近傍に設けられる。底壁45の中心は、例えば、底壁45の重心である。
【0044】
複数の冷媒排出口64はそれぞれ、冷媒供給口63よりも、底壁45の中心から遠い位置に設けられる。言い換えると、それぞれの冷媒排出口64と底壁45の周縁(周壁47)との間の距離は、それぞれの冷媒供給口63と底壁45の周縁(周壁47)との間の距離よりも短い。
【0045】
図1の材料供給装置22は、シャワープレート35にガスGを供給する。ガスGは、流体の一例であり、例えば、ウェハ11を形成する膜13の材料である。図1に示すように、材料供給装置22は、タンク71と、ガス供給管72,73と、バルブ74とを有する。
【0046】
タンク71は、ガスGを収容する。なお、タンク71は、例えば、膜13の材料とキャリアガスとを収容しても良い。ガス供給管72は、タンク71とバルブ74とを接続する。ガス供給管73は、バルブ74と、シャワープレート35とを接続する。言い換えると、ガス供給管72,73は、タンク71とシャワープレート35とを接続し、バルブ74はタンク71とシャワープレート35との間に介在する。
【0047】
図3に示すように、ガス供給管73は、シャワープレート35の上壁46に接続される。なお、ガス供給管73は、他の位置に接続されても良い。ガス供給管73は、タンク71のガスGを、ガス供給管72及びバルブ74を介して、材料供給口61から拡散流路53に供給する。バルブ74は、拡散流路53に供給されるガスGの量を変化させる。
【0048】
拡散流路53に供給されたガスGは、当該拡散流路53に開口する複数の開口51を通って、チャンバ31aに流出する。言い換えると、材料供給装置22は、拡散流路53及び複数の開口51を通して、チャンバ31aにガスGを供給する。
【0049】
図1の冷媒供給装置23は、複数の供給管24と複数の排出管25とのそれぞれによって、シャワープレート35に接続される。図4に示すように、複数の供給管24と複数の排出管25とはそれぞれ、上壁46を貫通し、中壁48に接続される。
【0050】
冷媒供給口63は、供給管24を介して、冷媒供給装置23に接続される。冷媒供給装置23は、供給管24を介して、冷媒供給口63から内部空洞55に冷媒Mを供給する。冷媒Mは、温度媒体の一例であり、例えば、水のような液体、又は二酸化炭素のような気体である。
【0051】
冷媒排出口64は、排出管25を介して、冷媒供給装置23に接続される。冷媒供給装置23は、排出管25を介して、冷媒排出口64から内部空洞55の冷媒Mを回収する。言い換えると、内部空洞55の冷媒Mは、冷媒排出口64から排出される。
【0052】
冷媒供給装置23は、冷媒排出口64から排出された冷媒Mの温度を所定の温度に冷却し、冷媒供給口63から再び内部空洞55に供給する。言い換えると、冷媒供給装置23は、内部空洞55で冷媒Mを循環させる。
【0053】
上記の半導体製造装置10は、例えば以下に説明するように、ステージ32の基板12に向かってガスGを吐出する。なお、半導体製造装置10がガスGを吐出する方法は、下記に説明される方法に限られない。
【0054】
まず、半導体製造装置10は、図1に示す真空ポンプ33を作動させる。真空ポンプ33は、チャンバ31aの気体を吸引し、チャンバ31aを真空にする。シャワープレート35の外壁41は、チャンバ31aが真空になった状態でも当該外壁41の変形を抑制可能な剛性を有する。
【0055】
次に、図4に示すように、冷媒供給装置23が、供給管24を介して内部空洞55に冷媒Mを供給するとともに、排出管25を介して内部空洞55の冷媒Mを回収する。このように、冷媒供給装置23は、内部空洞55で冷媒Mを循環させる。
【0056】
次に、図3に示すように、材料供給装置22が、ガス供給管72,73及びバルブ74を介して、拡散流路53にガスGを供給する。ガスGは、拡散流路53から、複数の開口51を通って、チャンバ31aに供給される。
【0057】
冷媒供給装置23によって内部空洞55に供給される冷媒Mの温度は、開口51を通るガスGの温度よりも低い。このため、複数の筒壁42のそれぞれの内周面42c側の部分と、外周面42d側の部分とで、温度差が生じる。言い換えると、筒壁42の内部と、当該筒壁42の外部との間で、温度差が生じる。ガスGの温度は、例えば、常温(20℃±15℃)である。なお、ガスGの温度はこれに限らない。
【0058】
少なくとも冷媒Mが冷媒供給口63から内部空洞55に供給されたとき、冷媒Mの温度は、開口51を通るガスGの温度よりも低い。本実施形態において、冷媒Mが冷媒排出口64から排出されるときも、冷媒Mの温度は、開口51を通るガスGの温度よりも低い。内部空洞55の外部において、冷媒Mの温度は、開口51を通るガスGの温度より高くても良い。
【0059】
筒壁42の内周面42c側の部分は、ガスGに接するため、外周面42d側の部分よりも温度が高い。このため、筒壁42の内周面42c側の部分は、外周面42d側の部分よりも大きく熱膨張する。
【0060】
逆の表現をすれば、筒壁42の外周面42d側の部分は、冷媒Mに接するため、内周面42c側の部分よりも温度が低い。このため、筒壁42の外周面42d側の部分の熱膨張量は、内周面42c側の部分の熱膨張量よりも小さい。
【0061】
図5は、第1の実施形態の筒壁42が変形したシャワープレート35を、図2のF3−F3線に沿って示す断面図である。上記のように、筒壁42の内周面42c側の部分と、外周面42d側の部分とで、熱膨張の差が生じる。このため、筒壁42は、当該筒壁42の内周面42cが、当該筒壁42が形成する開口51の内部に突出するように、変形する。筒壁42は、このように変形することにより、開口51の径を縮小(変更)する。なお、筒壁42は、変形により、開口51の一部の径を縮小すれば良い。
【0062】
図5に示すように、以下の説明において、複数の筒壁42を筒壁42A,42B,42C,42Dと個別に称することがある。筒壁42Aは、底壁45を平面視した場合(X‐Y平面)において、底壁45の中心の近傍に設けられる。筒壁42Bは、底壁45を平面視した場合において、筒壁42Aよりも底壁45の中心から遠い位置に設けられる。筒壁42Cは、底壁45を平面視した場合において、筒壁42Bよりも底壁45の中心から遠い位置に設けられる。筒壁42Dは、底壁45を平面視した場合において、筒壁42Cよりも底壁45の中心から遠い位置に設けられる。
【0063】
図4に示すように、冷媒供給口63は、底壁45の中心の近傍に設けられる。一方、冷媒排出口64は、冷媒供給口63よりも、底壁45の中心から遠い位置に設けられる。すなわち、内部空洞55において、冷媒Mは、筒壁42Aの近傍から、筒壁42Dの近傍に向かって流れる。
【0064】
冷媒Mは、内部空洞55を流れる間、筒壁42を介して、当該筒壁42の内側の開口51を通るガスGから熱を受け取る。このため、筒壁42Aの近傍における冷媒Mの温度は、筒壁42Dの近傍における冷媒Mの温度よりも低い。言い換えると、内部空洞55において、底壁45の中心から離れるに従って上昇する温度勾配が生じる。
【0065】
筒壁42の変形量は、当該筒壁42の内側の開口51を通るガスGと、当該筒壁42の近傍のガスGとの温度差が大きいほど、大きくなる。このため、筒壁42Aの変形量は、筒壁42Dの変形量よりも大きい。言い換えると、変形した筒壁42Aの開口51の直径は、変形した筒壁42Dの開口51の直径よりも小さい。詳しく述べると、変形した筒壁42Aの開口51における最小の直径は、変形した筒壁42Dの開口51における最小の直径よりも小さい。
【0066】
同様に、筒壁42Bの変形量は、筒壁42Aの変形量よりも小さく、筒壁42Dの変形量よりも大きい。筒壁42Cの変形量は、筒壁42Aの変形量よりも小さく、筒壁42Bの変形量よりも小さく、筒壁42Dの変形量よりも大きい。このため、複数の開口51は、底壁45の中心から離れるに従って広くなる。
【0067】
開口51の径の一例について説明する。例えば、筒壁42がアルミニウムによって形成され、筒壁42の長さ(Z軸に沿う方向における寸法)が40mmであり、筒壁42の厚さが0.5mmであり、常温における開口51の直径が1mmであるとする。この場合、ガスGと冷媒Mとの温度差が10℃である場合、開口51の最小の直径は、約0.8mmとなる。ガスGと冷媒Mとの温度差が20℃である場合、開口51の最小の直径は、約0.7mmとなる。ガスGと冷媒Mとの温度差が30℃である場合、開口51の最小の直径は、約0.6mmとなる。なお、開口51の径の変化はこれに限らない。
【0068】
複数の筒壁42が以上のように変形することで、筒壁42Aの内側の開口51を通してチャンバ31aに供給されるガスGの量は、筒壁42Dの内側の開口51を通してチャンバ31aに供給されるガスGの量よりも少ない。すなわち、複数の開口51からチャンバ31aに供給されるそれぞれのガスGの量は、互いに異なる。開口51からチャンバ31aに供給されるガスGの量は、当該開口51の最小の直径が小さいほど、少ない。
【0069】
図1に示すように、複数の開口51からチャンバ31aに供給されたガスGは、チャンバ31aにおいてプラズマ化し、プラズマPを生じさせる。プラズマPは、シャワープレート35と、ステージ32に支持された基板12との間に生じる。
【0070】
上記のようにプラズマPを発生させるプラズマCVDによって、基板12の表面に膜13が成長する。半導体製造装置10は、基板12に膜13を成膜することで、ウェハ11を製造する。
【0071】
上述のシャワープレート35は、例えば、三次元プリンタによって積層造形される。シャワープレート35は、例えば、金属のような導電性の材料によって作られる。なお、シャワープレート35は、他の材料によって作られても良い。シャワープレート35の材料として、シャワープレート35が供給する流体(ガスG)に対して耐性を有する材料が選択される。
【0072】
三次元プリンタは、例えば、Z軸に沿う方向において、粉末状の材料の層の形成と、材料の層の固化とを繰り返すことで、シャワープレート35を形成する。このため、シャワープレート35の外壁41及び複数の筒壁42は、一体的に形成される。このような積層造形によれば、複数の開口51、拡散流路53、及び内部空洞55が設けられた中空のシャワープレート35を、容易に製造することができる。
【0073】
シャワープレート35は、積層造形以外の方法によって形成されても良い。例えば、複数の筒壁42と、底壁45と、上壁46と、周壁47と、中壁48とを溶接することで、シャワープレート35が形成されても良い。
【0074】
第1の実施形態に係る半導体製造装置10において、複数の筒壁42が、底壁45の第2の面45bにそれぞれ接続され、第1の面45aに開口する複数の開口51を形成する。筒壁42は、変形することにより開口51の径を変形可能である。言い換えると、シャワープレート35は、当該シャワープレート35の内部に内部空洞55が設けられることで、開口51の径を変形可能である。開口51の径が変更されると、当該開口51を通してチャンバ31aに供給されるガスGの量が変化する。従って、個別に開口51の径を変更することにより、複数の開口51からチャンバ31aに供給されるガスGの分布を制御することができる。
【0075】
本実施形態における処理装置の一例である半導体製造装置10は、三次元NAND型フラッシュメモリであるウェハ11を製造する。このようなウェハ11において、三次元NAND型フラッシュメモリの特性を決定するゲート寸法及びスペース幅は、膜13の厚さに依存する。
【0076】
それぞれの開口51からチャンバ31aに供給されるガスGの量が同一の場合、基板12の中央における膜13の厚さが、基板12の周縁における膜13の厚さよりも厚くなることがある。膜13の厚さは、複数の開口51からチャンバ31aに供給されるガスGの分布により定まる。例えば、底壁45を平面視した場合に、底壁45の中心の近傍における開口51から供給されるガスGの量を、底壁45中心から遠い開口51から供給されるガスGの量よりも少なくすることで、膜13の厚さが均一になり得る。
【0077】
上述のように、本実施形態の半導体製造装置10は、複数の開口51からチャンバ31aに供給されるガスGの分布を制御する。これにより、基板12の表面において成長する膜13の厚さを均一にすることが可能であり、ウェハ11の特性の低下を抑制できる。
【0078】
筒壁42が個別に変形することで、複数の開口51からチャンバ31aにそれぞれ供給されるガスGの量が個別に制御される。一方、バルブ74が、拡散流路53に供給されるガスGの量を制御することで、複数の開口51からチャンバ31aに供給されるガスGの量が全体的に制御される。
【0079】
底壁45の厚さは、複数の筒壁42のそれぞれの厚さよりも厚い。さらに、複数の筒壁42は、底壁45と中壁48とを接続する。言い換えると、複数の筒壁42は、底壁45を、中壁48に支持する。このため、複数の筒壁42の変形により、底壁45が変形することが抑制される。従って、底壁45の変形により複数の開口51の向きが変わることが抑制される。
【0080】
外壁41は、複数の筒壁42を収容する。冷媒供給装置23は、外壁41の内部であって複数の筒壁42の間に設けられる内部空洞55に、冷媒Mを供給する。従って、冷媒Mにより、外壁41と、開口51を通るガスGと、の温度を制御することが可能である。
【0081】
外壁41に、冷媒供給装置23に接続された冷媒供給口63と、冷媒供給口63よりも底壁45の中央から遠い位置に開口して外壁41の内部の冷媒Mが排出される冷媒排出口64と、が設けられる。冷媒Mの温度は、ガスGの温度よりも低い。このため、筒壁42は、開口51を通るガスGと、内部空洞55に供給された冷媒Mとの温度差により変形し、開口51の径を縮小する。ガスGと冷媒Mとの温度差は、冷媒供給口63が設けられた位置から、当該冷媒供給口63よりも底壁45の中央から遠い冷媒排出口64が設けられた位置に向かって減少する。このため、冷媒供給口63に近い筒壁42の変形量は、冷媒排出口64に近い筒壁42の変形量よりも大きい。従って、例えば、底壁45の中央に近い筒壁42Aの開口51からチャンバ31aに供給されるガスGは、底壁45の中央から遠い筒壁42Dの開口51からチャンバ31aに供給されるガスGよりも少なくなる。これにより、基板12の表面において成長する膜13の厚さを均一にすることが可能であり、ウェハ11の特性の低下を抑制できる。
【0082】
複数の筒壁42は、ガスG及び冷媒M以外の熱源から熱を受けることにより変形しても良い。例えば、筒壁42は、シャワープレート35に取り付けられたヒータによって加熱されても良い。しかし、チャンバ31aは真空ポンプ33によって真空にされるため、チャンバ31aの熱は、筒壁42に伝わりにくい。
【0083】
以下に、第2の実施形態について、図6を参照して説明する。なお、以下の複数の実施形態の説明において、既に説明された構成要素と同様の機能を持つ構成要素は、当該既述の構成要素と同じ符号が付され、さらに説明が省略される場合がある。また、同じ符号が付された複数の構成要素は、全ての機能及び性質が共通するとは限らず、各実施形態に応じた異なる機能及び性質を有していても良い。
【0084】
図6は、第2の実施形態に係るシャワープレート35を下方向から見た断面図である。図6に示すように、第2の実施形態の外壁41は、第1の隔壁81と、第2の隔壁82とを有する。第1の隔壁81と第2の隔壁82とはそれぞれ、第3の壁の一例である。
【0085】
第1の隔壁81は、Z軸に沿う方向に延びる筒状に形成され、内部空洞55に配置される。Z軸に沿う方向における第1の隔壁81の一方の端部は、底壁45の第2の面45bに接続される。第1の隔壁81の他方の端部は、中壁48の第5の面48aに接続される。
【0086】
第1の隔壁81は、底壁45を平面視した場合(X‐Y平面)において、複数の筒壁42A,42Bを囲む。言い換えると、第1の隔壁81は、内部空洞55を、複数の筒壁42A,42Bが設けられた部分と、複数の筒壁42C,42Dが設けられた部分と、に区切る。なお、第1の隔壁81はこれに限らず、例えば、筒壁42Aのみを囲んでも良いし、筒壁42A,42B,42Cを囲んでも良い。
【0087】
第2の隔壁82は、Z軸に沿う方向に延びる筒状に形成され、内部空洞55に配置される。Z軸に沿う方向における第2の隔壁82の一方の端部は、底壁45の第2の面45bに接続される。第2の隔壁82の他方の端部は、中壁48の第5の面48aに接続される。
【0088】
第2の隔壁82は、底壁45を平面視した場合(X‐Y平面)において、複数の筒壁42A,42B,42Cを囲むとともに、第1の隔壁81を囲む。言い換えると、第2の隔壁82は、内部空洞55を、複数の筒壁42A,42B,42Cが設けられた部分と、複数の筒壁42Dが設けられた部分と、に区切る。なお、第2の隔壁82はこれに限らず、例えば、筒壁42Aのみを囲んでも良いし、筒壁42A,42Bを囲んでも良い。
【0089】
第1の隔壁81と第2の隔壁82とによって、内部空洞55に、第1の部屋85と、第2の部屋86と、第3の部屋87とが形成される。第1の部屋85は、第1の部屋の一例である。第2の部屋86は、第1の部屋又は第2の部屋の一例である。第3の部屋87は、第2の部屋の一例である。
【0090】
第1の部屋85は、内部空洞55の第1の隔壁81に囲まれた部分である。第1の部屋85に、複数の筒壁42のうち、複数の筒壁42A,42Bが配置される。
【0091】
第2の部屋86は、内部空洞55の第1の隔壁81と第2の隔壁82との間の部分である。第2の部屋86は、底壁45を平面視した場合(X‐Y平面)において、第1の部屋85よりも底壁45の中央から遠い部分を有する。第2の部屋86に、複数の筒壁42のうち、複数の筒壁42Cが配置される。
【0092】
第3の部屋87は、内部空洞55の第2の隔壁82と周壁47との間の部分である。第3の部屋87は、底壁45を平面視した場合(X‐Y平面)において、第2の部屋86よりも底壁45の中央から遠い部分を有する。第3の部屋87に、複数の筒壁42のうち、複数の筒壁42Dが配置される。
【0093】
第2の実施形態において、少なくとも一つの冷媒供給口63が、第1乃至第3の部屋85〜87にそれぞれ開口する。さらに、少なくとも一つの冷媒排出口64が、第1乃至第3の部屋85〜87にそれぞれ開口する。第1乃至第3の部屋85〜87のそれぞれにおいて、冷媒排出口64は、冷媒供給口63から離間した位置に設けられる。
【0094】
第1の部屋85に設けられた冷媒供給口63は、第1の供給口の一例である。当該冷媒供給口63は、第1の部屋85に開口し、供給管24を介して冷媒供給装置23に接続される。冷媒供給装置23は、第1の部屋85に開口する冷媒供給口63から、第1の部屋85に冷媒Mを供給する。
【0095】
第1の部屋85に設けられた冷媒排出口64は、第1の排出口の一例である。当該冷媒排出口64は、第1の部屋85に開口し、排出管25を介して冷媒供給装置23に接続される。第1の部屋85の冷媒Mは、第1の部屋85に開口する冷媒排出口64から、冷媒供給装置23へと排出される。
【0096】
第2の部屋86に設けられた冷媒供給口63は、第1の供給口又は第2の供給口の一例である。当該冷媒供給口63は、第2の部屋86に開口し、供給管24を介して冷媒供給装置23に接続される。冷媒供給装置23は、第2の部屋86に開口する冷媒供給口63から、第2の部屋86に冷媒Mを供給する。
【0097】
第2の部屋86に設けられた冷媒排出口64は、第1の排出口又は第2の排出口の一例である。当該冷媒排出口64は、第2の部屋86に開口し、排出管25を介して冷媒供給装置23に接続される。第2の部屋86の冷媒Mは、第2の部屋86に開口する冷媒排出口64から、冷媒供給装置23へと排出される。
【0098】
第3の部屋87に設けられた冷媒供給口63は、第2の供給口の一例である。当該冷媒供給口63は、第3の部屋87に開口し、供給管24を介して冷媒供給装置23に接続される。冷媒供給装置23は、第3の部屋87に開口する冷媒供給口63から、第3の部屋87に冷媒Mを供給する。
【0099】
第3の部屋87に設けられた冷媒排出口64は、第2の排出口の一例である。当該冷媒排出口64は、第3の部屋87に開口し、排出管25を介して冷媒供給装置23に接続される。第3の部屋87の冷媒Mは、第3の部屋87に開口する冷媒排出口64から、冷媒供給装置23へと排出される。
【0100】
冷媒供給装置23は、第1乃至第3の部屋85〜87に、それぞれ温度の異なる冷媒Mを供給する。なお、半導体製造装置10は、第1乃至第3の部屋85〜87にそれぞれ温度の異なる冷媒Mを供給する三つの冷媒供給装置23を有しても良い。
【0101】
冷媒供給装置23は、第1の部屋85に、開口51を通るガスGよりも温度が低い冷媒Mを供給する。第1の部屋85に供給される冷媒Mは、第1の温度媒体の一例である。
【0102】
冷媒供給装置23は、第2の部屋86に、開口51を通るガスGよりも温度が低く、第1の部屋85に供給される冷媒Mよりも温度が高い冷媒Mを供給する。第2の部屋86に供給される冷媒Mは、第1の温度媒体又は第2の温度媒体の一例である。
【0103】
冷媒供給装置23は、第3の部屋87に、開口51を通るガスGよりも温度が低く、第1の部屋85に供給される冷媒Mよりも温度が高く、且つ第2の部屋86に供給される冷媒Mよりも温度が高い冷媒Mを供給する。第3の部屋87に供給される冷媒Mは、第2の温度媒体の一例である。
【0104】
上記の半導体製造装置10において、ガスGが開口51を通るとともに、内部空洞55の第1乃至第3の部屋85〜87に冷媒Mが供給される。このため、複数の筒壁42はそれぞれ、内周面42c側の部分と外周面42d側の部分との温度差によって変形する。
【0105】
第1の部屋85に供給される冷媒Mの温度は、第2の部屋86に供給される冷媒Mの温度よりも低く、且つ第3の部屋87に供給される冷媒Mの温度よりも低い。このため、第1の部屋85に配置された複数の筒壁42A,42Bの変形量は、第2の部屋86に配置された複数の筒壁42Cの変形量よりも大きく、且つ第3の部屋87に配置された複数の筒壁42Dの変形量よりも大きい。従って、変形した筒壁42A,42Bのそれぞれの内側の開口51の直径は、変形した筒壁42C,42Dのそれぞれの内側の開口51の直径よりも小さい。
【0106】
第2の部屋86に供給される冷媒Mの温度は、第3の部屋87に供給される冷媒Mの温度よりも低い。このため、第2の部屋86に配置された複数の筒壁42Cの変形量は、第3の部屋87に配置された複数の筒壁42Dの変形量よりも大きい。従って、変形した筒壁42Cのそれぞれの内側の開口51の直径は、変形した筒壁42Dのそれぞれの内側の開口51の直径よりも小さい。以上のように、複数の開口51は、底壁45の中心から離れるに従って広くなる。
【0107】
複数の筒壁42が以上のように変形することで、筒壁42A,42Bの内側の開口51を通してチャンバ31aに供給されるガスGの量は、筒壁42Dの内側の開口51を通してチャンバ31aに供給されるガスGの量よりも少ない。すなわち、複数の開口51からチャンバ31aに供給されるそれぞれのガスGの量は、互いに異なる。
【0108】
第2の実施形態の半導体製造装置10において、例えば、第1の隔壁81は、内部空洞55に第1の部屋85と、第1の部屋85よりも底壁45の中央から遠い部分を有する第2の部屋86とを形成する。第2の部屋86に供給される冷媒Mは、第1の部屋85に供給される冷媒Mよりも温度が高い。このため、第1の部屋85の筒壁42の変形量は、第2の部屋86の筒壁42の変形量よりも大きい。従って、底壁45の中央に近い筒壁42Aの開口51からチャンバ31aに供給されるガスGは、底壁45の中央からより遠い筒壁42Cの開口51からチャンバ31aに供給されるガスGよりも少なくなる。これにより、基板12の表面において成長する膜13の厚さを均一にすることが可能であり、ウェハ11の特性の低下を抑制できる。
【0109】
以下に、第3の実施形態について、図7を参照して説明する。図7は、第3の実施形態に係るシャワープレート35を下方向から見た断面図である。図7に示すように、第3の実施形態の外壁41は、第2の実施形態と同じく第1の隔壁81と、第2の隔壁82とを有する。これにより、内部空洞55に、第1乃至第3の部屋85〜87が形成される。
【0110】
一方、第3の実施形態において、複数の冷媒供給口63は、第1の部屋85に開口する。本実施形態において、第1の部屋85は、第1の部屋の一例である。なお、冷媒供給口63は、例えば、第2の部屋86にさらに開口しても良い。
【0111】
冷媒供給口63は、供給管24を介して冷媒供給装置23に接続される。冷媒供給装置23は、第1の部屋85に開口する冷媒供給口63から、第1の部屋85に冷媒Mを供給する。
【0112】
第3の実施形態において、複数の冷媒排出口64は、第3の部屋87に開口する。本実施形態において、第3の部屋87は、第2の部屋の一例である。なお、冷媒排出口64は、例えば、第2の部屋86にさらに開口しても良い。
【0113】
冷媒排出口64は、排出管25を介して冷媒供給装置23に接続される。第3の部屋87の冷媒Mは、第3の部屋87に開口する冷媒排出口64から、冷媒供給装置23へと排出される。
【0114】
第1の隔壁81に、複数の第1の連通孔91が設けられる。第1の連通孔91は、第1の部屋85と第2の部屋86とを接続する。複数の第1の連通孔91のそれぞれの断面積は、第1の部屋85の断面積よりも狭く、且つ第2の部屋86の断面積よりも狭い。
【0115】
第2の隔壁82に、複数の第2の連通孔92が設けられる。第2の連通孔92は、第2の部屋86と第3の部屋87とを接続する。複数の第2の連通孔92のそれぞれの断面積は、第2の部屋86の断面積よりも狭く、且つ第3の部屋87の断面積よりも狭い。
【0116】
第1及び第2の連通孔91,92と第2の部屋86とによって、第1の部屋85と第3の部屋87とが接続される。すなわち、第1の部屋85は、複数の第1の連通孔91と、第2の部屋86と、複数の第2の連通孔92とを介して、第3の部屋87に接続される。第1及び第2の連通孔91,92と第2の部屋86とは、流路の一例である。
【0117】
上記の半導体製造装置10において、ガスGが開口51を通るとともに、内部空洞55の第1乃至第3の部屋85〜87に冷媒Mが供給される。まず、冷媒Mは、冷媒供給口63から第1の部屋85に供給される。第1の部屋85において、冷媒Mは、筒壁42A,42Bを介して、当該筒壁42A,42Bの内側の開口51を通るガスGから熱を受け取る。
【0118】
第1の部屋85の冷媒Mは、第1の連通孔91を通って、第2の部屋86に供給される。第2の部屋86において、冷媒Mは、筒壁42Cを介して、当該筒壁42Cの内側の開口51を通るガスGから熱を受け取る。
【0119】
第2の部屋86の冷媒Mは、第2の連通孔92を通って、第3の部屋87に供給される。第3の部屋87において、冷媒Mは、筒壁42Dを介して、当該筒壁42Dの内側の開口51を通るガスGから熱を受け取る。第3の部屋87の冷媒Mは、冷媒排出口64から排出される。
【0120】
以上のように、冷媒Mは、第1の部屋85で筒壁42A,42Bから熱を受け取った後、第2の部屋86で筒壁42Cから熱を受け取る。第2の部屋86の筒壁42Cから熱を受け取った冷媒Mは、第3の部屋87で筒壁42Dから熱を受け取る。このため、第1の部屋85における冷媒Mの温度は、第2の部屋86における冷媒Mの温度よりも低く、且つ第3の部屋87における冷媒Mの温度よりも低い。第2の部屋86における冷媒Mの温度は、第3の部屋87における冷媒Mの温度よりも低い。なお、内部空洞55における冷媒Mの流れはこれに限らない。第1乃至第3の部屋85〜87のそれぞれにおける冷媒Mの温度は、開口51を通るガスGの温度よりも低い。このように、第1乃至第3の部屋85〜87のそれぞれにおける冷媒Mの温度が異なる。このため、筒壁42A,42Bのそれぞれの変形量は、筒壁42Cの変形量よりも大きい。さらに、筒壁42Cの変形量は、筒壁42Dの変形量よりも大きい。
【0121】
変形した筒壁42A,42Bの開口51の直径は、変形した筒壁42Cの開口51の直径よりも小さい。変形した筒壁42Cの開口51の直径は、変形した筒壁42Dの開口51の直径よりも小さい。すなわち、複数の開口51は、底壁45の中心から離れるに従って広くなる。
【0122】
複数の筒壁42が以上のように変形することで、筒壁42Aの内側の開口51を通してチャンバ31aに供給されるガスGの量は、筒壁42Dの内側の開口51を通してチャンバ31aに供給されるガスGの量よりも少ない。すなわち、複数の開口51からチャンバ31aに供給されるそれぞれのガスGの量は、互いに異なる。
【0123】
第3の実施形態の半導体製造装置10において、第1及び第2の隔壁81,82は、内部空洞55に、冷媒供給口63から冷媒Mが供給される第1の部屋85と、第1の部屋85よりも底壁45の中央から遠い部分を有し、冷媒排出口64から冷媒Mが排出される第3の部屋87とを形成する。第1の部屋85と第3の部屋87とは、第1及び第2の連通孔91,92と第2の部屋86とによって接続される。冷媒Mは、第1の部屋85において温度を上げられてから、第1及び第2の連通孔91,92と第2の部屋86とを通って第3の部屋87に供給される。すなわち、第1の部屋85における冷媒Mの温度は、第3の部屋87における冷媒Mの温度よりも低い。このため、第1の部屋85の筒壁42Aの変形量は、第3の部屋87の筒壁42Dの変形量よりも大きい。従って、底壁45の中央に近い筒壁42Aの開口51からチャンバ31aに供給されるガスGは、底壁45の中央からより遠い筒壁42Dの開口51からチャンバ31aに供給されるガスGよりも少なくなる。これにより、基板12の表面において成長する膜13の厚さを均一にすることが可能であり、ウェハ11の特性の低下を抑制できる。
【0124】
以下に、第4の実施形態について、図8及び図9を参照して説明する。図8は、第4の実施形態に係る半導体製造装置10を概略的に示す断面図である。図8に示すように、第4の実施形態の半導体製造装置10は、冷媒供給装置23、供給管24、及び排出管25の代わりに、圧力ポンプ101と、複数の接続管102とを有する。圧力ポンプ101は、圧力調整部の一例である。
【0125】
図9は、第4の実施形態のシャワープレート35を下方向から見た断面図である。図9に示すように、第4の実施形態の外壁41は、第2の実施形態と同じく第1の隔壁81と、第2の隔壁82とを有する。これにより、内部空洞55に、第1乃至第3の部屋85〜87が形成される。
【0126】
第4の実施形態の中壁48に、冷媒供給口63及び冷媒排出口64の代わりに、複数の接続口104が設けられる。複数の接続口104は、第1乃至第3の部屋85〜87のそれぞれに開口する。
【0127】
複数の接続口104はそれぞれ、接続管102を介して、圧力ポンプ101に接続される。圧力ポンプ101は、接続管102を介して、接続口104から第1乃至第3の部屋85〜87のそれぞれに、空気のような圧力媒体を供給又は吸引する。なお、圧力媒体は、他の流体であっても良い。
【0128】
圧力ポンプ101は、第1乃至第3の部屋85〜87のそれぞれに圧力媒体を供給することで、第1乃至第3の部屋85〜87のそれぞれの圧力を上昇させる。一方、圧力ポンプ101は、第1乃至第3の部屋85〜87のそれぞれから圧力媒体を吸引することで、第1乃至第3の部屋85〜87のそれぞれの圧力を低下させる。すなわち、圧力ポンプ101は、内部空洞55の第1乃至第3の部屋85〜87のそれぞれの圧力を変化させる。
【0129】
ガスGが開口51を通るとき、第1の部屋85の圧力が、筒壁42A,42Bのそれぞれの開口51の内部の圧力より高い場合、筒壁42A,42Bはそれぞれ、当該筒壁42A,42Bの開口51の内部に突出するように変形する。筒壁42は、このように変形することにより、開口51の径を縮小(変更)する。すなわち、第4の実施形態の筒壁42は、開口51の内部と、内部空洞55との圧力差によって変形する。
【0130】
同様に、第2の部屋86の圧力が、筒壁42Cのそれぞれの開口51の内部の圧力より高い場合、筒壁42Cはそれぞれ、当該筒壁42Cの開口51の内部に突出するように変形する。第3の部屋87の圧力が、筒壁42Dのそれぞれの開口51の内部の圧力より高い場合、筒壁42Dはそれぞれ、当該筒壁42Dの開口51の内部に突出するように変形する。
【0131】
上記の半導体製造装置10において、ガスGが開口51を通るとともに、内部空洞55の第1乃至第3の部屋85〜87に圧力媒体が供給される。このため、複数の筒壁42はそれぞれ、開口51の内部と、内部空洞55との圧力差によって変形する。
【0132】
圧力ポンプ101は、第1の部屋85の圧力を、第2の部屋86の圧力よりも高く、且つ第3の部屋87の圧力よりも高くする。これにより、第1の部屋85に配置された複数の筒壁42A,42Bの変形量は、第2の部屋86に配置された複数の筒壁42Cの変形量よりも大きく、且つ第3の部屋87に配置された複数の筒壁42Dの変形量よりも大きい。従って、変形した筒壁42A,42Bのそれぞれの内側の開口51の直径は、変形した筒壁42C,42Dのそれぞれの内側の開口51の直径よりも小さい。
【0133】
圧力ポンプ101は、第2の部屋86の圧力を、第3の部屋87の圧力よりも高くする。このため、第2の部屋86に配置された複数の筒壁42Cの変形量は、第3の部屋87に配置された複数の筒壁42Dの変形量よりも大きい。従って、変形した筒壁42Cのそれぞれの内側の開口51の直径は、変形した筒壁42Dのそれぞれの内側の開口51の直径よりも小さい。
【0134】
以上のように、圧力ポンプ101は、第1乃至第3の部屋85〜87の圧力を互いに異ならせ、複数の筒壁42A,42B,42C,42Dの変形量を個別に制御する。複数の開口51は、底壁45の中心から離れるに従って広くなる。なお、圧力ポンプ101は、例えば、条件に応じて、第1乃至第3の部屋85〜87の圧力を実施的に同一にしても良いし、第3の部屋87の圧力を第1の部屋85の圧力より高くしても良い。
【0135】
複数の筒壁42が以上のように変形することで、筒壁42A,42Bの内側の開口51を通してチャンバ31aに供給されるガスGの量は、筒壁42Dの内側の開口51を通してチャンバ31aに供給されるガスGの量よりも少ない。すなわち、複数の開口51からチャンバ31aに供給されるそれぞれのガスGの量は、互いに異なる。
【0136】
第4の実施形態の半導体製造装置10において、圧力ポンプ101は、内部空洞55の圧力を変化させる。例えば、内部空洞55の圧力が開口51の内部の圧力よりも高くされることで、筒壁42は変形し、開口51の径を縮小する。第1及び第2の隔壁81,82は、内部空洞55に、例えば、第1の部屋85と、第1の部屋85よりも底壁45の中央から遠い部分を有する第2の部屋86とを形成する。圧力ポンプ101は、第1の部屋85の圧力と、第2の部屋86の圧力と、を互いに異ならせる。例えば、圧力ポンプ101が第1の部屋85の圧力を第2の部屋86の圧力よりも高くすることで、第1の部屋85の筒壁42A,42Bの変形量は、第2の部屋86の筒壁42Cの変形量よりも大きくなる。従って、底壁45の中央に近い筒壁42A,42Bの開口51からチャンバ31aに供給されるガスGは、底壁45の中央からより遠い筒壁42Cの開口51からチャンバ31aに供給されるガスGよりも少なくなる。これにより、基板12の表面において成長する膜13の厚さを均一にすることが可能であり、ウェハ11の特性の低下を抑制できる。
【0137】
以下に、第5の実施形態について、図10を参照して説明する。第5の実施形態の半導体製造装置10は、第4の実施形態と同じく、圧力ポンプ101、接続管102を有する。第5の実施形態の中壁48に、第4の実施形態と同じく、接続口104が設けられる。
【0138】
図10は、第5の実施形態に係るシャワープレート35を下方向から見た断面図である。図10に示すように、第3の実施形態と同じく、第1の隔壁81に複数の第1の連通孔91が設けられ、第2の隔壁82に複数の第2の連通孔92が設けられる。すなわち、第1の部屋85と第3の部屋87とは、第1及び第2の連通孔91,92と第2の部屋86とによって接続される。
【0139】
接続口104は、第1の部屋85に開口する。本実施形態において、第1の部屋85は、第1の部屋の一例である。なお、接続口104は、例えば、第2の部屋86又は第3の部屋87に開口しても良い。
【0140】
上記の半導体製造装置10において、ガスGが開口51を通るとともに、内部空洞55の第1乃至第3の部屋85〜87に圧力媒体が供給される。このため、複数の筒壁42はそれぞれ、開口51の内部と、内部空洞55との圧力差によって変形する。
【0141】
圧力ポンプ101は、第1の部屋85に圧力媒体を供給する。これにより、第1の部屋85の圧力が上昇する。第1の部屋85の圧力媒体は、第1の連通孔91を通り、第2の部屋86に供給される。これにより、第2の部屋86の圧力が上昇する。第2の部屋86の圧力上昇は、第1の部屋85の圧力上昇よりも遅い。
【0142】
第2の部屋86の圧力媒体は、第2の連通孔92を通り、第3の部屋87に供給される。これにより、第3の部屋87の圧力が上昇する。第3の部屋87の圧力上昇は、第1の部屋85の圧力上昇よりも遅く、且つ第2の部屋86の圧力上昇よりも遅い。
【0143】
第1乃至第3の部屋85〜87の圧力は、時間経過により同一になっても良い。しかし、第2の部屋86の圧力が第1の部屋85の圧力と同一になる前において、第2の部屋86の圧力は、第1の部屋85の圧力よりも低い。さらに、第3の部屋87の圧力が第2の部屋86の圧力と同一になる前において、第3の部屋87の圧力は、第1の部屋85の圧力よりも低く、且つ第2の部屋86の圧力よりも低い。
【0144】
以上のように、圧力ポンプ101が第1の部屋85に圧力媒体を供給すると、第1乃至第3の部屋85〜87の圧力に差が生じる。このため、第1の部屋85に配置された複数の筒壁42A,42Bの変形量は、第2の部屋86に配置された複数の筒壁42Cの変形量よりも大きく、且つ第3の部屋87に配置された複数の筒壁42Dの変形量よりも大きい。従って、変形した筒壁42A,42Bのそれぞれの内側の開口51の直径は、変形した筒壁42C,42Dのそれぞれの内側の開口51の直径よりも小さい。
【0145】
さらに、第2の部屋86に配置された複数の筒壁42Cの変形量は、第3の部屋87に配置された複数の筒壁42Dの変形量よりも大きい。従って、変形した筒壁42Cのそれぞれの内側の開口51の直径は、変形した筒壁42Dのそれぞれの内側の開口51の直径よりも小さい。
【0146】
以上のように、圧力ポンプ101は、第1の部屋85の圧力を変化させることで、複数の筒壁42A,42B,42C,42Dの変形量を個別に制御する。複数の開口51は、底壁45の中心から離れるに従って広くなる。なお、圧力ポンプ101は、例えば、条件に応じて、第1の部屋85の圧力を第3の部屋87の圧力より低くしても良い。
【0147】
複数の筒壁42が以上のように変形することで、筒壁42A,42Bの内側の開口51を通してチャンバ31aに供給されるガスGの量は、筒壁42Dの内側の開口51を通してチャンバ31aに供給されるガスGの量よりも少ない。すなわち、複数の開口51からチャンバ31aに供給されるそれぞれのガスGの量は、互いに異なる。
【0148】
第5の実施形態の半導体制御装置10において、例えば、第1の隔壁81は、内部空洞55に、第1の部屋85と、第1の部屋85よりも底壁45の中央から遠い部分を有する第2の部屋86とを形成する。圧力ポンプ101は、第2の部屋86に第1の連通孔91によって接続された第1の部屋85の圧力を変化させる。第1の連通孔91が設けられることで、第2の部屋86の圧力は第1の部屋85の圧力に応じて変化するが、第2の部屋86における圧力の変化は第1の部屋85の圧力の変化よりも遅い。例えば、圧力ポンプ101が第1の部屋85の圧力を高くすると、第2の部屋86の圧力は第1の部屋85の圧力上昇よりも遅く上昇する。すなわち、第1の部屋85の圧力と第2の部屋86の圧力との差が生じるため、第1の部屋85の筒壁42A,42Bの変形量は、第2の部屋86の筒壁42Cの変形量よりも大きくなる。従って、底壁45の中央に近い筒壁42A,42Bの開口51からチャンバ31aに供給されるガスGは、底壁45の中央からより遠い筒壁42Cの開口51からチャンバ31aに供給されるガスGよりも少なくなる。これにより、基板12の表面において成長する膜13の厚さを均一にすることが可能であり、ウェハ11の特性の低下を抑制できる。
【0149】
以下に、第6の実施形態について、図11を参照して説明する。図11は、第6の実施形態に係る筒壁42が変形したシャワープレート35を示す断面図である。図11に示すように、第6の実施形態の外壁41は、第1及び第2の隔壁81,82を有さないが、第1及び第2の隔壁81,82を有しても良い。
【0150】
第6の実施形態において、筒壁42Aの厚さは、複数の筒壁42Bのそれぞれの厚さよりも薄い。さらに、筒壁42Aの熱膨張率は、複数の筒壁42Bのそれぞれの熱膨張率よりも高い。本説明において、筒壁42Aは第1の筒壁の一例であり、筒壁42Bは第2の筒壁の一例である。
【0151】
複数の筒壁42Bのそれぞれの厚さは、複数の筒壁42Cのそれぞれの厚さよりも薄い。さらに、複数の筒壁42Bのそれぞれの熱膨張率は、複数の筒壁42Cのそれぞれの熱膨張率よりも高い。本説明において、筒壁42Bは第1の筒壁の一例であり、筒壁42Cは第2の筒壁の一例である。
【0152】
複数の筒壁42Cのそれぞれの厚さは、複数の筒壁42Dのそれぞれの厚さよりも薄い。さらに、複数の筒壁42Cのそれぞれの熱膨張率は、複数の筒壁42Dのそれぞれの熱膨張率よりも高い。本説明において、筒壁42Cは第1の筒壁の一例であり、筒壁42Dは第2の筒壁の一例である。
【0153】
以上のように、複数の筒壁42A,42B,42C,42Dは、互いに異なる厚さを有する。なお、複数の筒壁42A,42B,42C,42Dのうち少なくとも二つが同一の厚さを有しても良い。さらに、複数の筒壁42A,42B,42C,42Dは、互いに異なる熱膨張率を有する。言い換えると、複数の筒壁42A,42B,42C,42Dは、互いに異なる材料によって作られる。なお、複数の筒壁42A,42B,42C,42Dのうち少なくとも二つが同一の熱膨張率を有しても良い。
【0154】
上記の半導体製造装置10において、ガスGが開口51を通るとともに、内部空洞55に冷媒Mが供給される。このため、複数の筒壁42はそれぞれ、内周面42c側の部分と外周面42d側の部分との温度差によって変形する。
【0155】
内周面42c側の部分と外周面42d側の部分との温度差が一定である場合、筒壁42の変形量は、当該筒壁42の厚さが薄いほど大きい。さらに、内周面42c側の部分と外周面42d側の部分との温度差が一定である場合、筒壁42の変形量は、当該筒壁42の熱膨張率が薄いほど大きい。
【0156】
筒壁42Aの厚さは、複数の筒壁42B,42C,42Dのそれぞれの厚さよりも薄い。さらに、筒壁42Aの熱膨張率は、複数の筒壁42B,42C,42Dのそれぞれの熱膨張率よりも高い。このため、筒壁42Aの変形量は、複数の筒壁42B,42C,42Dのそれぞれの変形量よりも大きい。従って、変形した筒壁42Aの内側の開口51の直径は、変形した筒壁42B,42C,42Dのそれぞれの内側の開口51の直径よりも小さい。
【0157】
同様に、複数の筒壁42Bのそれぞれの厚さは、複数の筒壁42C,42Dのそれぞれの厚さよりも薄い。さらに、複数の筒壁42Bのそれぞれの熱膨張率は、複数の筒壁42C,42Dのそれぞれの熱膨張率よりも高い。このため、複数の筒壁42Bのそれぞれの変形量は、複数の筒壁42C,42Dのそれぞれの変形量よりも大きい。従って、変形した筒壁42Bの内側の開口51の直径は、変形した筒壁42C,42Dのそれぞれの内側の開口51の直径よりも小さい。
【0158】
複数の筒壁42Cのそれぞれの厚さは、複数の筒壁42Dのそれぞれの厚さよりも薄い。さらに、複数の筒壁42Cのそれぞれの熱膨張率は、複数の筒壁42Dのそれぞれの熱膨張率よりも高い。このため、複数の筒壁42Cのそれぞれの変形量は、複数の筒壁42Dのそれぞれの変形量よりも大きい。従って、変形した筒壁42Cの内側の開口51の直径は、変形した筒壁42Dのそれぞれの内側の開口51の直径よりも小さい。以上のように、複数の開口51は、底壁45の中心から離れるに従って広くなる。
【0159】
複数の筒壁42が以上のように変形することで、筒壁42Aの内側の開口51を通してチャンバ31aに供給されるガスGの量は、筒壁42Dの内側の開口51を通してチャンバ31aに供給されるガスGの量よりも少ない。すなわち、複数の開口51からチャンバ31aに供給されるそれぞれのガスGの量は、互いに異なる。
【0160】
第6の実施形態の半導体製造装置10において、筒壁42は、開口51を通るガスGと、内部空洞55の冷媒Mとの温度差により変形し、開口51の径を縮小する。ガスGと冷媒Mとの温度差が一定である場合、筒壁42の変形量は、当該筒壁42の厚さが薄いほど大きい。筒壁42Aの厚さは、筒壁42Bの厚さよりも薄い。従って、例えば筒壁42Aと筒壁42Bとが略同一の温度に加熱された場合、底壁45の中央に近い筒壁42Aの開口51からチャンバ31aに供給されるガスGは、底壁45の中央からより遠い筒壁42Bの開口51からチャンバ31aに供給されるガスGよりも少なくなる。これにより、基板12の表面において成長する膜13の厚さを均一にすることが可能であり、ウェハ11の特性の低下を抑制できる。
【0161】
筒壁42は、開口51を通るガスGと、内部空洞55の冷媒Mとの温度差により変形し、開口51の径を縮小する。ガスGと冷媒Mとの温度差が一定である場合、筒壁42の変形量は、当該筒壁42の熱膨張率が高いほど大きい。筒壁42Aの熱膨張率は、筒壁42Bの熱膨張率よりも高い。従って、例えば筒壁42Aと筒壁42Bとが略同一の温度に加熱された場合、底壁45の中央に近い筒壁42Aの開口51からチャンバ31aに供給されるガスGは、底壁45の中央からより遠い筒壁42Bの開口51からチャンバ31aに供給されるガスGよりも少なくなる。これにより、基板12の表面において成長する膜13の厚さを均一にすることが可能であり、ウェハ11の特性の低下を抑制できる。
【0162】
以下に、第7の実施形態について、図12を参照して説明する。図12は、第7の実施形態に係るシャワープレート35の一部を示す断面図である。図12に示すように、複数の筒壁42はそれぞれ、第1の圧電体111と、第2の圧電体112と、二つの電極113とによって形成される。第1及び第2の圧電体111,112は、圧電体の一例であり、例えば、圧電素子とも称され得る。
【0163】
第1及び第2の圧電体111,112はそれぞれ、Z軸に沿う方向に延びる円筒形状に形成される。なお、第1及び第2の圧電体111,112は、他の形状に形成されても良い。
【0164】
第1の圧電体111の一方の端部は、底壁45の第2の面45bに接続される。第1の圧電体111の他方の端部は、第2の圧電体112の一方の端部に接続される。第2の圧電体112の他方の端部は、中壁48の第5の面48aに接続される。
【0165】
二つの電極113は、第1及び第2の圧電体111,112によって形成される筒壁42の、内周面42cと、外周面42dとを覆う。半導体製造装置10は、複数の筒壁42のそれぞれの電極113に、個別に電圧を印加する。
【0166】
内周面42cを覆う電極113と、外周面42dを覆う電極113との間に電位差が生じると、第1及び第2の圧電体111,112によって形成された筒壁42が、当該筒壁42が形成する開口51の内部に突出するように変形する。筒壁42は、このように変形することにより、開口51の径を縮小(変更)する。図12は、電極113の間に電位差が生じた筒壁42を実線で示し、電極113の間の電位が等しい筒壁42を二点鎖線で示す。
【0167】
第7の実施形態の半導体製造装置10において、筒壁42は、第1及び第2の圧電体111,112によって形成される。これにより、それぞれの筒壁42の電極113に電圧を印加することで、複数の開口51の径をより正確に変更できる。従って、開口51からチャンバ31aに供給されるガスGの分布をより正確に制御することができる。
【0168】
以上の複数の実施形態に示されるように、複数の筒壁42は、温度差、圧力差、厚さの差、熱膨張係数の差、又は圧電体の変形によって変形させられる。一つの実施形態の筒壁42において、これらの複数の変形の原理が互いに組み合わされても良い。
【0169】
さらに、ガスGが通る全ての開口51の全てが変形可能な筒壁42によって形成されなくても良い。例えば、ガスGが通る複数の開口51のうち少なくとも一つが、底壁45よりも厚く、底壁45よりも変形しにくい壁によって形成されても良い。
【0170】
さらに、上述の複数の実施形態において、複数の筒壁42が変形することにより、複数の開口51は、底壁45の中心から離れるに従って広くなる。しかし、複数の筒壁42が変形することにより、複数の開口51は、底壁45の中心から離れるに従って狭くなっても良いし、部分的に狭くなっても良い。
【0171】
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、第2の壁は、変形することにより開口の径を変形可能である。開口の径が変更されると、当該開口を通して処理室に供給される流体の量が変化する。従って、個別に開口の径を変更することにより、開口から処理室に供給される流体の分布を制御することができる。
【0172】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、出願当初の特許請求の範囲の内容を付記する。
[1]
第1の面と、前記第1の面の反対側に位置する第2の面と、を有する第1の壁と、
互いに離間する位置で前記第2の面にそれぞれ接続され、前記第1の面に開口する複数の開口を形成し、それぞれが変形することにより前記開口の径を変更可能な、複数の第2の壁と、
を有する流量調整装置。
[2]
前記第1の壁の厚さは、前記複数の第2の壁のそれぞれの厚さよりも厚い、[1]の流量調整装置。
[3]
前記第1の壁を有し、前記複数の第2の壁を収容する外壁と、
前記外壁の内部であって前記複数の第2の壁の間に温度媒体を供給する媒体供給部と、
をさらに具備する、[1]又は[2]の流量調整装置。
[4]
前記外壁に、当該外壁の内部に開口して前記媒体供給部に接続された供給口と、前記供給口よりも前記第1の壁の中央から遠い位置において前記外壁の内部に開口して前記外壁の内部の前記温度媒体が排出される排出口と、が設けられ、
前記温度媒体の温度は、前記流体の温度よりも低い、
[3]の流量調整装置。
[5]
前記外壁は、当該外壁の内部に、前記複数の第2の壁のうち少なくとも一つが配置される第1の部屋と、前記第1の部屋よりも前記第1の壁の中央から遠い部分を有するとともに前記複数の第2の壁のうち少なくとも一つが配置される第2の部屋と、を形成する第3の壁を有し、前記第1の部屋に開口して前記媒体供給部に接続された第1の供給口と、前記第1の部屋に開口して前記第1の部屋の前記温度媒体が排出される第1の排出口と、前記第2の部屋に開口して前記媒体供給部に接続された第2の供給口と、前記第2の部屋に開口して前記第2の部屋の前記温度媒体が排出される第2の排出口と、が設けられ、
前記温度媒体は、前記第1の部屋に供給されるとともに前記流体よりも温度が低い第1の温度媒体と、前記第2の部屋に供給されるとともに前記流体よりも温度が低く且つ前記第1の温度媒体よりも温度が高い第2の温度媒体と、を有する、
[3]の流量調整装置。
[6]
前記外壁は、当該外壁の内部に、前記複数の第2の壁のうち少なくとも一つが配置される第1の部屋と、前記第1の部屋よりも前記第1の壁の中央から遠い部分を有するとともに前記複数の第2の壁のうち少なくとも一つが配置される第2の部屋と、を形成する第3の壁を有し、前記第1の部屋に開口して前記媒体供給部に接続された供給口と、前記第2の部屋に開口して前記第2の部屋の前記温度媒体が排出される排出口と、が設けられ、
前記第3の壁に、前記第1の部屋と前記第2の部屋とを接続する流路が設けられ、
前記温度媒体の温度は、前記流体の温度よりも低い、
[3]の流量調整装置。
[7]
前記第1の壁を有し、前記複数の第2の壁を収容する外壁と、
前記外壁の内部であって前記複数の第2の壁の間の圧力を変化させる圧力調整部と、
をさらに具備し、
前記外壁は、当該外壁の内部に、前記複数の第2の壁のうち少なくとも一つが配置される第1の部屋と、前記第1の部屋よりも前記第1の壁の中央から遠い部分を有するとともに前記複数の第2の壁のうち少なくとも一つが配置される第2の部屋と、を形成する第3の壁を有し、
前記圧力調整部は、前記第1の部屋の圧力と、前記第2の部屋の圧力と、を互いに異ならせる、
[1]又は[2]の流量調整装置。
[8]
前記第1の壁を有し、前記複数の第2の壁を収容する外壁と、
前記外壁の内部であって前記複数の第2の壁の間の圧力を変化させる圧力調整部と、
をさらに具備し、
前記外壁は、当該外壁の内部に、前記複数の第2の壁のうち少なくとも一つが配置される第1の部屋と、前記第1の部屋よりも前記第1の壁の中央から遠い部分を有するとともに前記複数の第2の壁のうち少なくとも一つが配置される第2の部屋と、を形成する第3の壁を有し、
前記第3の壁に、前記第1の部屋と前記第2の部屋とを接続する流路が設けられ、
前記圧力調整部は、前記第1の部屋の圧力を変化させる、
[3]の流量調整装置。
[9]
前記複数の第2の壁は、前記第2の面に接続され、前記第1の面に開口する前記開口を形成し、変形することにより前記開口の径を変更可能な第1の筒壁と、前記第1の筒壁よりも前記第1の壁の中央から遠い位置で前記第2の面に接続され、前記第1の面に開口する前記開口を形成し、変形することにより前記開口の径を変更可能な第2の筒壁と、を有し、
前記第1の筒壁の厚さは、前記第2の筒壁の厚さよりも薄い、
[1]乃至[8]のいずれか一つの流量調整装置。
[10]
前記複数の第2の壁は、前記第2の面に接続され、前記第1の面に開口する前記開口を形成し、変形することにより前記開口の径を変更可能な第1の筒壁と、前記第1の筒壁よりも前記第1の壁の中央から遠い位置で前記第2の面に接続され、前記第1の面に開口する前記開口を形成し、変形することにより前記開口の径を変更可能な第2の筒壁と、を有し、
前記第1の筒壁の熱膨張率は、前記第2の筒壁の熱膨張率よりも大きい、
[1]乃至[9]のいずれか一つの流量調整装置。
[11]
前記複数の第2の壁はそれぞれ、圧電体によって形成される、[1]又は[2]の流量調整装置。
[12]
処理室が設けられた筐体と、
前記複数の開口を通して前記処理室に流体を供給する供給部と、
[1]乃至[11]のいずれか一つの流量調整装置と、
をさらに具備し、
前記第1の面は、前記処理室に面する、
処理装置。
【符号の説明】
【0173】
10…半導体製造装置、23…冷媒供給装置、31…筐体、31a…チャンバ、35…シャワープレート、41…外壁、42,42A,42B,42C,42D…筒壁、45…底壁、45a…第1の面、45b…第2の面、51…開口、55…内部空洞、63…冷媒供給口、64…冷媒排出口、81…第1の隔壁、82…第2の隔壁、85…第1の部屋、86…第2の部屋、87…第3の部屋、91…第1の連通孔、92…第2の連通孔、101…圧力ポンプ、111…第1の圧電体、112…第2の圧電体、G…ガス、M…冷媒。
図1
図2
図3
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図5
図6
図7
図8
図9
図10
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図12