特許第6615596号(P6615596)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6615596自動車用シートクッションエクステンション装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6615596
(24)【登録日】2019年11月15日
(45)【発行日】2019年12月4日
(54)【発明の名称】自動車用シートクッションエクステンション装置
(51)【国際特許分類】
   B60N 3/06 20060101AFI20191125BHJP
   B60N 3/00 20060101ALI20191125BHJP
   A47C 7/14 20060101ALN20191125BHJP
【FI】
   B60N3/06
   B60N3/00 Z
   !A47C7/14 C
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-240402(P2015-240402)
(22)【出願日】2015年12月9日
(65)【公開番号】特開2016-216019(P2016-216019A)
(43)【公開日】2016年12月22日
【審査請求日】2018年8月3日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0070410
(32)【優先日】2015年5月20日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
(73)【特許権者】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】KIA MOTORS CORPORATION
(73)【特許権者】
【識別番号】515342413
【氏名又は名称】テウォン、プレシジョン、インダストリアル、カンパニー、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】DAEWON PRECISION INDUSTRIAL CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(72)【発明者】
【氏名】キム、ボン、ク
(72)【発明者】
【氏名】キム、サン、ホ
(72)【発明者】
【氏名】ソン、ヤン、ボク
(72)【発明者】
【氏名】ムン、ヒョン、ギュ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジュ、ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】イ、ダ、ウン
(72)【発明者】
【氏名】イ、ドン、イル
(72)【発明者】
【氏名】ジン、ウ、ジェ
【審査官】 渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】 実開平5−23959(JP,U)
【文献】 米国特許第5794470(US,A)
【文献】 特開平8−308680(JP,A)
【文献】 特開2004−291915(JP,A)
【文献】 実開平6−49156(JP,U)
【文献】 実開昭60−76534(JP,U)
【文献】 実開昭60−36339(JP,U)
【文献】 実開昭54−110409(JP,U)
【文献】 実開昭63−47744(JP,U)
【文献】 米国特許第9168847(US,B2)
【文献】 米国特許第5967602(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0031761(US,A1)
【文献】 韓国公開特許第10−2011−0020965(KR,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2011−0013665(KR,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2011−0013664(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/00− 2/90
B60N 3/00− 3/18
A47C 7/00− 7/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のシートフレーム(110)の前端部から前方へ突出した位置にスライド可能に配置されたエクステンション部(100)と、
前記エクステンション部をロック位置ではシートフレームに対して固定し、解除位置ではシートフレームの前方へ突出するようにスライド可能なようにするロック装置(200)と、
前記ロック装置をロック位置と解除位置に制御するレバー(300)と、を含み、
前記エクステンション部(100)は、両側でシートフレーム(110)に固定されたハウジング(210)の前後に移動可能に提供されたガイドシャフト(105)によって支持され、前記ガイドシャフトは、ロック装置のロック位置ではハウジング(210)で固定され、解除位置ではシートフレームに対して移動し、
前記レバーは前記エクステンション部に設けられていることを特徴とするシートクッションエクステンション装置。
【請求項2】
前記ガイドシャフト(105)は、ロック装置(200)のロック位置ではガイドシャフト(105)の外周面に接触するように配置される少なくとも1つの摩擦バネ(240)の摩擦によって移動できなくなり、解除位置では前記摩擦バネ(240)の直径が拡張されて移動するようになることを特徴とする請求項1に記載のシートクッションエクステンション装置。
【請求項3】
前記ロック装置(200)は、シートフレーム(110)の底面に固定された各ハウジング(210)の前後側の両端にそれぞれ固定され、前記ガイドシャフトの前後スライドを案内する2つのブッシュ(220)と、前記ブッシュ(220)のそれぞれの内側端部に隣接配置されたストッパー(230)と、前記それぞれのストッパー(230)の内側端部に隣接してガイドシャフト(105)の外周面に接触するように配置される1対の離隔配置された摩擦バネ(240)と、前記摩擦バネ(240)の直径を調整して摩擦バネを貫いて配置されるガイドシャフト(105)を噛合固定または解除するリリースレバー(250)と、を含むことを特徴とする請求項1に記載のシートクッションエクステンション装置。
【請求項4】
前記それぞれのストッパー(230)は、その内側面に突起(231)が形成され、ストッパーの内側端部に隣接配置された摩擦バネの半径方向の外側に突出した一側の外側端(242)に連結されることを特徴とする請求項3に記載のシートクッションエクステンション装置。
【請求項5】
前記摩擦バネ(240)は、その他側の外側端(243)がリリースレバー(250)に連結され、前記摩擦バネ(240)は、リリースレバー(250)が解除位置への回転時、直径が拡張されてガイドシャフトが移動自在になり、リリースレバー(250)がロック位置への反対方向の回転時、直径が縮小されて摩擦バネを貫いて配置されたガイドシャフト(105)の表面に密着して移動できなくなることを特徴とする請求項3に記載のシートクッションエクステンション装置。
【請求項6】
前記リリースレバー(250)は、ガイドシャフトが貫通する円筒形の本体(251)と、その本体から下方に突出すように形成されたレバー部分(254)と、を含み、前記レバー部分(254)は、ハウジング(210)の底部(211)に形成された開口部212を貫いてハウジングから下方に突出した状態で配置されることを特徴とする請求項5に記載のシートクッションエクステンション装置。
【請求項7】
前記ロック装置(200)をロック位置から解除位置に作動させるためのレバー(300)は、シートフレーム(110)の先端部の底面で回動可能に装着され、前記レバーに連結された1対のケーブル(330)によって前記ロック装置のリリースレバー(250)のレバー部分(254)をそれぞれ作動させることを特徴とする請求項5に記載のシートクッションエクステンション装置。
【請求項8】
前記それぞれのケーブル(330)は、保護外装部を貫いて配置され、一端部はエクステンション部のレバー(300)に連結され、他端部はリリースレバー(250)のレバー部分(254)に連結されることを特徴とする請求項7に記載のシートクッションエクステンション装置。
【請求項9】
前記それぞれのケーブル(330)は、保護外装部(331)内でスライド可能に配置され、前記保護外装部(331)の一端部はシートフレーム(110)の先端部に固定され、他端部は前記リリースレバー(250)に隣接した位置に固定されることを特徴とする請求項7に記載のシートクッションエクステンション装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用シートクッションエクステンション装置に関するもので、特に運転者の体形に合わせてシートクッションの前側の一部分を前方に手軽に移動できるように改善された構造の自動車用シートクッションエクステンション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、車両に設けられるシートは、着席時の快適な座り心地を得るために、着席者の下半身を下方で支持するシートクッションと、上体を支持するシートバックと、頭部及び首部を支持するヘッドレストと、を含んで構成される。
【0003】
一方、シートクッションは、一定の大きさで形成されているため、多様な身体的条件を有する搭乗者らに対して最適の便宜性を提供することが困難であった。
【0004】
例えば、脚の短い運転者にとって、シートを前方に移動させても足がペダルにつかなかったり、運転を妨げたりする問題があった。
【0005】
これら問題を解決するために、シートの前側の一部分を別途の部品で形成し、パワーモータと主ねじによりシートに移動可能に装着されるクッションエクステンション構造と、手動調節式の鋸歯部とストッパーによってロックされる構造が提案された。
【0006】
このようにシートの前側の一部分がシートに移動可能となる構造の一例として特許文献1では、シートが位置する車両のフロアに下側が固定される下部支持フレームと、前記下部支持フレームの後方の一側に一端がヒンジ結合され、他端は前記シートクッションエクステンションパッドの底部に結合される回転アームと、前記下部支持フレームの前方の一側にヒンジ結合されて移動するシートクッションエクステンションパッドの回転運動を誘導するヒンジブラケットと、を含む車両のシートクッションエクステンションパッド装置を開示する。
【0007】
他の例として特許文献2では、図1に概略的に示すように、シートクッションに座る搭乗者の荷重によって前方に移動可能なようにクッションフレーム1にヒンジ結合されて設置された作動ブラケット10と、前記クッションフレーム1の前面から前方に移動して突出するように前記クッションフレーム1に連結設置されたエクステンションフレーム20と、前記作動ブラケット10と前記エクステンションフレーム20を連結するように設置され、前記作動ブラケット10に連動して前方に移動する時に前記エクステンションフレーム20を前方側に移動させると共に後方側に復帰させるように力を提供する動力伝達装置30と、前記エクステンションフレーム20の前方及び後方の移動動作を拘束するように前記クッションフレーム1と前記エクステンションフレーム20に備えられたロック装置40と、前記クッションフレーム1に備えられ、前記ロック装置40に連結されるように設置され、前記ロック装置40の作動のためにワンタッチ方式で押さえられて作動するレバー装置50と、を含むシートクッションエクステンション装置を開示する。
【0008】
しかし、従来の特許技術のクッションエクステンションの構造では、パワーモータを採用する構造であるため、原価上昇と重量増加と共にモータの騒音という問題が提起され、また、従来の手動型エクステンション装置では、精密度が低くて部品間の遊隔が大きすぎるようになって騒音が発生するなど、商品性の向上のための構造改善が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】韓国登録特許第10−1470185号(2014年12月1日登録)
【特許文献2】韓国登録特許第10−1506351号(2015年3月20日登録)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、従来のシートクッションエクステンション構造による問題を解決するために、パワーモータを使用せず、手動で手軽に移動可能なように装着されたエクステンション部を有する自動車用シートクッションエクステンション装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明による自動車用シートクッションエクステンション装置は、
車両のシートフレームの前端部から前方へ突出した位置にスライド可能に配置されたエクステンション部と、前記エクステンション部をロック位置ではシートフレームに対して固定し、解除位置ではシートフレームの前方へ突出するようにスライド可能なようにするロック装置と、前記ロック装置をロック位置と解除位置に制御するレバーと、を含み、
前記エクステンション部は、両側でシートフレームに固定されたハウジングの前後に移動可能に提供されたガイドシャフトによって支持され、前記ガイドシャフトは、ロック装置のロック位置ではハウジングで固定され、解除位置ではシートフレームに対して移動するように構成される。
【0012】
前記ガイドシャフトは、ロック装置のロック位置でガイドシャフトの外周面に接触するように配置される少なくとも1つの摩擦バネの摩擦によって移動できなくなり、解除位置では前記摩擦バネの直径が拡張されて移動するように構成されることが好ましい。
【0013】
前記ロック装置は、シートフレームの底面に固定された各ハウジングの前後側の両端にそれぞれ固定され、前記ガイドシャフトの前後スライドを案内する2つのブッシュと、前記ブッシュのそれぞれの内側端部に隣接配置されたストッパーと、前記それぞれのストッパーの内側端部に隣接してガイドシャフトの外周面に接触するように配置される1対の離隔配置された摩擦バネと、前記摩擦バネの直径を調整して摩擦バネを貫いて配置されるガイドシャフトを噛合固定または解除するリリースレバーと、を含んで構成される。
【0014】
前記それぞれのストッパーは、その内側面に突起が形成され、ストッパーの内側端部に隣接配置された摩擦バネの半径方向の外側に突出した一側の外側端に連結される。
【0015】
前記摩擦バネは、その他側の外側端がリリースレバーに連結され、前記摩擦バネは、リリースレバーが解除位置への回転時、直径が拡張されてガイドシャフトが移動自在になり、リリースレバーがロック位置への反対方向の回転時、直径が縮小されて摩擦バネを貫いて配置されたガイドシャフトの表面に密着して移動できなくなるように構成される。
【0016】
前記リリースレバーは、ガイドシャフトが貫通する円筒形の本体と、その本体で下方に突出するように形成されたレバー部分と、を含み、前記レバー部分は、ハウジングから下方に突出した状態で配置される。
【0017】
前記ロック装置をロック位置から解除位置に作動させるためのレバーは、シートフレームの先端部の底面で回動可能に装着され、前記レバーに連結された1対のケーブルによって前記ロック装置のリリースレバーのレバー部分をそれぞれ作動させるように構成される。
【0018】
前記それぞれのケーブルは、前記保護外装部を貫いて配置され、一端部はエクステンション部のレバーに連結され、他端部はリリースレバーのレバー部分に連結される。
【0019】
前記それぞれのケーブルは、保護外装部内でスライド可能に配置され、前記保護外装部の一端部はシートフレームの先端部に固定され、他端部は前記リリースレバーに隣接した位置に固定される。
【発明の効果】
【0020】
本発明による自動車用シートクッションエクステンション構造は、車両のシートフレームに装着して顧客の体形に合わせて手軽に調節できるため、便宜性が向上され、ガイドシャフトに対するバネ摩擦力を用いてエクステンション部の移動を制御できるため、従来のモータを使用するシートクッションエクステンション構造に比べて、重量及び原価を低減でき、騒音が発生せず、精密なシートクッションの調節が可能となる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】従来の自動車用シートクッションエクステンション構造を示す概略的な構成図である。
図2】本発明によるシートクッションエクステンション構造が採用されたシートにエクステンション部が装着された状態を示す概略的な斜視図である。
図3図2のシートクッションエクステンション構造を示す概略的な底面図である。
図4図3のシートクッションエクステンション部を移動可能に支持するガイドシャフトにロック装置が装着された状態の斜視図である。
図5図4のガイドシャフトとロック装置の分解図である。
図6図3のロック装置の解除作動を示す斜視図である。
図7図3のロック装置の解除作動を示す底面図である。
図8図3のロックが解除されたエクステンション部が突出した状態を示す底面図である。
図9図8の底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施例を示した添付図面を参照して本発明を詳細に説明する。
【0023】
図2図3に示すように、本発明による自動車用シートクッションエクステンション装置は、車両のシートフレーム110で、シートの先端部から突出可能に装着されたエクステンション部100と、前記エクステンション部をロック位置ではシートフレームに対して固定し、解除位置ではシートフレームの前方へ突出するようにスライド可能なようにするロック装置200と、前記ロック装置をロック位置と解除位置に制御するレバー300と、を含む。前記エクステンション部100は、図面に簡略化して示すために、クッション部を排除した状態が示されている。
【0024】
本発明によるエクステンション部100は、シートフレーム110の先端部の上面で、前記シートフレームの前端部から前方へ突出した位置にスライド可能に配置され、図面に簡略化して示すために、クッションを排除した状態が示されている。
【0025】
前記エクステンション部100は、シートフレームに対して移動するように支持し、ガイドするように、エクステンション部の底面の両側でシートフレーム110に固定されたハウジング210の前後に移動可能に配置されたガイドシャフト105の突出した先端部に連結されており、前記ガイドシャフトの先端部はシートフレームの先端部を貫いて突出され、後端部はエクステンション部100の底面に固定される。
【0026】
図3図4では、前記ロック装置200は、シートフレーム110の底面に固定された各ハウジング210の前後側の両端にそれぞれ固定され、前記ガイドシャフトの前後スライドを案内する2つのブッシュ220と、前記ブッシュ220のそれぞれの内側端部に隣接配置されたストッパー230と、前記それぞれのストッパー230の内側端部に隣接してガイドシャフト105の外周面に接触するように配置される1対の離隔配置された摩擦バネ240と、前記摩擦バネ240の直径を調整して摩擦バネを貫いて配置されるガイドシャフト105を噛合固定または解除するリリースレバー250と、を含む。
【0027】
前記それぞれのストッパー230は、その内側面に突起231が形成されてストッパーの内側端部に隣接配置された摩擦バネの半径方向の外側に突出した外側端242に連結される。
【0028】
また、前記摩擦バネ240の他側の外側端243が前記リリースレバー250に連結され、前記摩擦バネ240は、リリースレバー250が時計回りに回転する解除位置では直径が拡張されてガイドシャフトが移動自在になるが、リリースレバー250が反時計回りに回転するロック位置では摩擦バネの直径が縮小されて摩擦バネを貫くガイドシャフト105の表面に密着してガイドシャフトが移動できなくなる。前記リリースレバーの回転方向は、反対側のガイドシャフトでは逆になることが容易に分かる。
【0029】
前記摩擦バネは、両端部を回転させることによって直径が拡大または縮小されるねじりバネであることが好ましく、初期状態は直径が縮小された状態であることが好ましい。
【0030】
前記リリースレバー250は、ガイドシャフトが貫通する円筒形の本体251と、その本体から下方に突出するように形成されたレバー部分254を含む。前記レバー部分254は、ハウジング210の底部211に形成された開口部212を貫いてハウジングから下方に突出した状態で配置される。
【0031】
また、前記ロック装置200をロック位置から解除位置に作動させるためのレバー300は、図2図3に示すように、シートフレーム110の先端部の底面に回動可能に装着され、それに連結された1対のケーブル330により前記エクステンション部の底面の両側に提供されたロック装置のリリースレバー250をそれぞれ作動させる。
【0032】
前記それぞれのケーブル330は、保護外装部331内でスライド可能に配置された構造であるが、前記保護外装部331の一端部はシートフレーム110の先端部に固定され、他端部は前記リリースレバー250に隣接した位置に固定される。また、前記それぞれのケーブルは、前記保護外装部を貫いて配置され、一端部はエクステンション部のレバー300に連結され、他端部はリリースレバー250のレバー部分254に連結される。
【0033】
図5から図9を参照して本発明によるエクステンション部の調整を説明する。
【0034】
図2図3に示された初期位置から図6図7に示すように前記レバー300を上方向に回動させると、それに連結された2つのケーブル330の一端部が持ち上げられて他端部が引っ張られ、図6の矢印で示すように、それぞれに連結された両側のロック装置のリリースレバー250が内側に引っ張られてそれぞれ解除方向に回転するようになる。
【0035】
上述したように、前記摩擦バネがガイドシャフトの外周面に密着してガイドシャフトが移動できない初期のロック位置でリリースレバー250が解除位置に回動することによって(図6参照)、摩擦バネの直径が拡張され、図7に示すように、ガイドシャフトが前方に移動できるようになってエクステンション部100が前方に移動することで、体の小さい運転者のために好適の位置に調整される。
【0036】
次に、図8図9に示すように、エクステンション部100の位置を運転者のために好適の位置に調整した後、レバー300を放すと、ガイドシャフトの外周面に配置された摩擦バネの直径が拡大した状態から最初の直径に縮小して摩擦バネがガイドシャフトの外周面に密着し、ガイドシャフトはエクステンション部の調整された位置に固定維持される。
【0037】
上述したように、本発明によるエクステンション部は、従来のようにギアを使用することがなく、非常に単純化した構造で、別途のモータが不要であるため製造費用を低減でき、故障の心配もなく、耐久性を向上させることができる。
【0038】
本発明は、上記実施例に説明され、図面に示されたものに限定されることはなく、実質的に同じ作用をする他の均等な部品に代替できることは当業界の技術者にとって明白なものであり、本発明の範囲は添付した特許請求の範囲により限定される。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、自動車のシートに適用して運転者の身体によってシートの前端部を調整して運転の便宜性を改善する。
【符号の説明】
【0040】
100 エクステンション部
105 ガイドシャフト
110 シートフレーム
200 ロック装置
210 ハウジング
220 ブッシュ
230 ストッパー
240 摩擦バネ
250 リリースレバー
254 レバー部分
300 レバー
330 ケーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9