特許第6615735号(P6615735)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6615735
(24)【登録日】2019年11月15日
(45)【発行日】2019年12月4日
(54)【発明の名称】回転調理刃および調理器
(51)【国際特許分類】
   A47J 43/07 20060101AFI20191125BHJP
   B26D 3/26 20060101ALI20191125BHJP
   A47J 43/046 20060101ALI20191125BHJP
   A47J 19/00 20060101ALI20191125BHJP
【FI】
   A47J43/07
   B26D3/26 601A
   A47J43/046
   A47J19/00 F
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-221250(P2016-221250)
(22)【出願日】2016年11月14日
(65)【公開番号】特開2018-78919(P2018-78919A)
(43)【公開日】2018年5月24日
【審査請求日】2018年10月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002473
【氏名又は名称】象印マホービン株式会社
(72)【発明者】
【氏名】河野 公博
(72)【発明者】
【氏名】柳原 浩貴
(72)【発明者】
【氏名】村垣 友絵
【審査官】 西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】 実公昭46−017978(JP,Y1)
【文献】 特開昭60−174123(JP,A)
【文献】 特開昭60−185517(JP,A)
【文献】 特開平11−206582(JP,A)
【文献】 特開昭54−143570(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 9/00−25/00
A47J 42/00−44/02
B26D 3/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転されて食材を調理する回転調理刃であって、第1刃部位と第2刃部位とを有し、
前記第2刃部位の先端部の厚さは、前記第1刃部位の先端部の厚さより小さく、
前記第2刃部位は、2つの前記第1刃部位の間に配置され、
前記第2刃部位の先端部は、前記回転調理刃の回転方向に対して、隣接する前記第1刃部位の先端部よりも後方側に配置され
第1接続部位と第2接続部位とを有し、
前記第1接続部位は、前記第2刃部位の一方の端と、前記第2刃部位に隣接する一方の前記第1刃部位の先端部の端とを接続する稜線であり、
前記第2接続部位は、前記第2刃部位の他方の端と、前記第2刃部位に隣接する他方の前記第1刃部位の先端部の端とを接続する稜線であり、
前記第1接続部位と前記第2接続部位とが略平行である回転調理刃。
【請求項2】
請求項1に記載の回転調理刃を有する調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転されて食材を調理する回転調理刃、および回転調理刃を備えた調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
刃を回転させて、野菜や果物、魚、肉等の食材に対して切断・粉砕等の調理を行う調理器が知られている。特許文献1のミキサーには、本体に装着された状態でモータにて回転駆動される調理用のブレードが備えられている。特許文献2のフードプロセッサーには、容器に取り付けられて、駆動部より回転され、容器内に投入された食材を切り刻むフードプロセッサー用カッターが備えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−244912号公報
【特許文献2】特開2016−73340号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、健康志向が特に高まっており、多様な食材の多様な部位を調理することが求められている。そうすると、調理器に食材の柔らかい部位だけでなく、固い部位、例えば野菜や果物の種や、魚や肉の骨が投入されることがある。このような固い部位が、回転する刃に接触すると、刃が曲がったり欠けたりする可能性がある。他方、調理された食材の食味を高め、調理の時間を短縮するために、刃の切断性能を低下させることはできず、むしろ切断性能を更に高めることも求められている。
【0005】
本発明は上述の課題に鑑みてなされたものであって、耐久性を高めつつ切断性能に優れた回転調理刃を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
〔構成1〕
上記目的を達成するための回転調理刃の特徴構成は、回転されて食材を調理する回転調理刃であって、第1刃部位と第2刃部位とを有し、
前記第2刃部位の先端部の厚さは、前記第1刃部位の先端部の厚さより小さく、
前記第2刃部位は、2つの前記第1刃部位の間に配置され、
前記第2刃部位の先端部は、前記回転調理刃の回転方向に対して、隣接する前記第1刃部位の先端部よりも後方側に配置されている点にある。
【0007】
上記の特徴構成によれば、第2刃部位は2つの第1刃部位の間に配置され、そして第2刃部位の先端部は第1刃部位の先端部よりも後方側に配置されているから、調理される食材は、先ず第1刃部位に接触して粉砕・切断される可能性が高くなる。そして第1刃部位で粉砕・切断されて小さくなった食材が、先端部の厚さが第1刃部位よりも小さい第2刃部位に接触して粉砕・切断されるから、食材を更に小さく調理することができる。食品に固い部位が含まれていたとしても、第1刃部位により小さくなった食材の部位が第2刃部位に接触することになるから、第2刃部位が曲がったり欠けたりする可能性が低減される。すなわち上記の特徴構成によれば、耐久性を高めつつ切断性能に優れた回転調理刃を提供することが可能となる。
【0008】
〔構成2〕
本発明に係る回転調理刃の別の特徴構成は、第1接続部位と第2接続部位とを有し、
前記第1接続部位は、前記第2刃部位の一方の端と、前記第2刃部位に隣接する一方の前記第1刃部位の先端部の端とを接続する稜線であり、
前記第2接続部位は、前記第2刃部位の他方の端と、前記第2刃部位に隣接する他方の前記第1刃部位の先端部の端とを接続する稜線であり、
前記第1接続部位と前記第2接続部位とが略平行である点にある。
【0009】
上記の特徴構成によれば、食材の大きな固い部位の第2刃部位への接触を抑制しつつ、小さくなった食材の部位を第2刃部位へ導いて小さく粉砕・切断することができるから、回転調理刃の耐久性と切断性能とを更に向上することができる。
【0010】
〔構成3〕
本発明に係る回転調理刃の別の特徴構成は、前記第2刃部位の表面と裏面とがなす角度は、前記第1刃部位の表面と裏面とがなす角度より大きい点にある。
【0011】
上記の特徴構成によれば、第2刃部位を更に鋭くかつ頑丈に形成することができるから、回転調理刃の耐久性と切断性能とを更に向上することができる。
【0012】
〔構成4〕
本発明に係る回転調理刃の別の特徴構成は、前記第1刃部位は、当該第1刃部位の先端部に位置し平面状に形成された平面部位を有する点にある。
【0013】
上記の特徴構成によれば、第1刃部位の剛性と、固い食材を粉砕する能力とを更に高めることができるから、回転調理刃の耐久性と調理能力とを更に向上することができる。
【0014】
〔構成5〕
本発明に係る回転調理刃の別の特徴構成は、前記第1刃部位は、前記平面部位の端部にエッジ状の稜線を有する点にある。
【0015】
上記の特徴構成によれば、エッジ状の稜線により、第1刃部位の固い食材を粉砕する能力を更に高めることができるから、回転調理刃の耐久性と切断性能とを更に向上することができる。なお、平面部位の端部のいずれかがエッジ状の稜線であればよい。
【0016】
〔構成6〕
上述の回転調理刃は、調理器に好適に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】回転調理刃を備えた調理器の概要を示す分解斜視図
図2】回転調理刃の上側刃部材の形状を示す上面図
図3】第1刃部位および第2刃部位の形状を示す斜視図
図4】第1刃部位および第2刃部位の形状を示す上面図
図5】第1刃部位および第2刃部位の形状を示す図4のV−V断面矢視図
図6】第1刃部位および第2刃部位の形状を示す図4のV−V断面矢視図
図7】回転調理刃の上側刃部材の形状を示す上面図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本実施形態に係るミキサー(調理器の一例)と、ミキサーに備えられる回転調理刃について図面に基づいて説明する。
【0019】
このミキサーは、図1に示すように、本体1と容器Pとを主な構成部材として備え、容器Pは、容器台2、容器体3及び蓋4を備えて構成されている。そして、本体1に対して容器台2が着脱自在に構成されており、容器台2に対して容器体3が着脱自在に構成されており、容器体3に対して蓋4が着脱自在に構成されている。
【0020】
本体1には、電動式のモータ(図示なし)が備えられ、容器台2には、本体1に装着された状態でモータにて回転駆動される調理用の回転調理刃6が備えられている。容器Pにおいて、容器体3は、回転調理刃6が内部に配置されるように容器台2に装着自在に構成されている。そして、容器体3を容器台2に装着して容器体3と容器台2とを一体結合した後に調理用の食材を投入した後、その容器体3と容器台2とを一体結合したものを本体1に装着することができる。
【0021】
次に、蓋4を装着して容器体3の上端部の開口を閉塞したのちに、本体1に備えられたスイッチボタン7をON操作(押し込み操作)することで、モータを駆動させて回転調理刃6を回転駆動させ、容器体3内に投入された食材を調理する。回転調理刃6は、上面視で時計回り(図中矢印の方向)に回転する。
【0022】
なお、容器Pについては、容器台2、容器体3、蓋4の3つの部材に各別に分離できるようになっているので、例えば、容器台2、容器体3、蓋4の各部材を水で洗い流す等の作業を行うことで、容器体3、容器台2及び回転調理刃6や蓋4等の清掃を簡易に行うことができる。
【0023】
回転調理刃6は、上側刃部材Uと下側刃部材Lとを有して構成される。上側刃部材Uは、細長い板状の金属製の部材を、中央部が底部となるよう略U字状に折り曲げて形成される。下側刃部材Lは、細長い板状の金属製の部材を、中央部が頂点となるよう山形(逆V字形)に折り曲げて形成される。そして上側刃部材Uの中央と、下側刃部材Lの中央とが、互いに重ね合わされた状態で、モータに接続された回転軸に取り付けられている。上側刃部材Uと下側刃部材Lとは、上面視で(回転軸に沿った方向に見て)互いに直交する状態で配置されている。
【0024】
以下、図2図5を参照して、回転調理刃6の上側刃部材Uの構造について説明する。図2図5には、回転調理刃6の回転方向が矢印で示されており、回転調理刃6の回転方向の前側がFR、後側がBKで示されている。また以降の説明では、中心穴Hに近い側を内側(IN)、遠い側を外側(OT)という場合がある。また図3および図5に示すように、上側刃部材Uの傾斜部位10aおよび傾斜部位20aが設けられた側を上側(UP)、反対側を下側(LW)という場合がある。そして上側刃部材Uの上側の面を表面Sといい、下側の面を裏面Rという場合がある。
【0025】
図2は、上側刃部材Uを平面に展開した状態(略U字状に折り曲げる前の状態)を示している。上側刃部材Uは、全体として略菱形に形成されており、その菱形の対向する辺に、それぞれ刃形成部Bが形成され、他の辺に翼部Cが形成され、中央に中心穴Hが形成されている。図2に示すように、回転調理刃6の上側刃部材Uにおいて、刃形成部Bが回転方向の前側に形成され、翼部Cが回転方向の後側に形成されている。
【0026】
上側刃部材Uは、その両端が図2の紙面に対して奥側に折り曲げられ、上述の略U字状に形成される。すなわち上側刃部材Uの、図2に示される表面が、略U字状に形成された際には回転調理刃6の外側に面する状態となる。そうすると刃形成部Bは、略U字状に形成された際、回転調理刃6の外側に面する状態となる。翼部Cは、略U字状の内側へ向けて折り曲げられ、回転調理刃6が回転した際に容器Pの内部の食材を攪拌する翼となる。
【0027】
図2に示すように、上側刃部材Uの刃形成部Bにはそれぞれ、複数の第1刃部位10と複数の第2刃部位20とが形成されている。本実施形態では、第1刃部位10と第2刃部位20とが、交互に配置されている。すなわち第2刃部位20は、2つの第1刃部位10の間に配置されている。
【0028】
本実施形態の第1刃部位10および第2刃部位20は、概略次の様にして形成される。板状の上側刃部材Uに対し、略菱形の対向する辺を表面Sに対して斜めに削り、傾斜面を形成する。これにより、後述する第1刃部位10の傾斜部位10aに相当する部位が形成される。次に複数の丸棒状の砥石を、所定の間隔で並べて傾斜面に当てて、互いに離間した傾斜面を形成する。これにより、後述する第2刃部位20の傾斜部位20aが形成される。以上のようにして、上側刃部材Uに第1刃部位10と第2刃部位20とが交互に並んで形成される。
【0029】
図3に示すように、第1刃部位10は、傾斜部位10a、先端部10b、稜線10c、稜線10d、稜線10eおよび稜線10fを有して構成される。傾斜部位10aは、第1刃部位10の上側の面であって、回転方向の後側から前側に向けて、上側から下側に傾斜した面である。先端部10bは、第1刃部位10の先端側の部位であって、本実施形態では平面として形成されている(平面部位)。すなわち第1刃部位10は、当該第1刃部位10の先端側に位置し平面状に形成された平面部位を有する。先端部10b(平面部位)は、上側刃部材Uの裏面R(下側の面)に対して垂直な面として形成されている。
【0030】
稜線10cは、先端部10bの外側の端部であって、後述する第2接続面61と先端部10bとの間の稜線である。稜線10dは、先端部10bの内側の端部であって、後述する第1接続面51と先端部10bとの間の稜線である。稜線10eは、先端部10bの上側の端部であって、傾斜部位10aと先端部10bとの間の稜線である。稜線10fは、先端部10bの下側の端部であって、上側刃部材Uの裏面Rと先端部10bとの間の稜線である。本実施形態ではこれら4つの稜線10c、稜線10d、稜線10eおよび稜線10fは、エッジ状の稜線として形成されている。これらの稜線は、二つの平面が交差した線として形成されており、いわゆる角となっているため、食材の粉砕・切断に好適である。
【0031】
第2刃部位20は、傾斜部位20a、先端部20b、端20cおよび端20dを有して構成される。傾斜部位20aは、第2刃部位20の上側の面であって、回転方向の後側から前側に向けて、上側から下側に傾斜した面である。先端部20bは、第2刃部位20の先端側の部位であって、本実施形態では鋭利な刃状に形成されている。先端部20bは、上側から見て回転方向の後側に湾曲した弧状に形成されている。端20cは、先端部20bの外側の端である。端20dは、先端部20bの内側の端である。
【0032】
図3図5に示すように、第2刃部位20の先端部20bは、回転調理刃6の回転方向に対して、隣接する第1刃部位10の先端部10bよりも後方側に配置されている。本実施形態では、複数の第1刃部位10の先端部10bは、一直線上に配置されている。そして第2刃部位20の先端部20bと、第1刃部位10の先端部10bとの間の距離は、複数の第2刃部位20の間で同じである。すなわち複数の第2刃部位20の先端部20bは、略一直線上に配置されている。
【0033】
図3および図4に示すように、第1刃部位10と第2刃部位20との間には、第1接続部位31、第2接続部位41、第1接続面51、第2接続面61が存在する。
【0034】
第1接続部位31は、第2刃部位20の一方の端20cと、外側の第1刃部位10の稜線10d(第2刃部位20に隣接する一方の第1刃部位10の先端部10bの端)とを接続する稜線である。第2接続部位41は、第2刃部位20の他方の端20dと、内側の第1刃部位10の稜線10c(第2刃部位20に隣接する他方の第1刃部位10の先端部10bの端)とを接続する稜線である。本実施形態では、第1接続部位31と第2接続部位41とが、互いに平行となるように第1刃部位10および第2刃部位20が形成されている。
【0035】
第1接続面51は、第2刃部位20の傾斜部位20aと、外側の第1刃部位10の先端部10b(平面部位)とを接続する平面である。第2接続面61は、第2刃部位20の傾斜部位20aと、外側の第1刃部位10の先端部10b(平面部位)とを接続する平面である。本実施形態では、第1接続面51と第2接続面61とが、互いに平行となるように第1刃部位10および第2刃部位20が形成されている。そして第1接続面51および第2接続面61は、上側刃部材Uの表面Sおよび裏面Rに垂直に形成されている。
【0036】
図5の断面図に示すように、第2刃部位20の先端部20bの厚さT2は、第1刃部位10の先端部10bの厚さT1より小さい。すなわち本実施形態では、第2刃部位20は、第1刃部位10よりも鋭利な刃状に形成されている。そして第2刃部位20の表面Sと裏面Rとがなす角度θ2は、第1刃部位10の表面Sと裏面Rとがなす角度θ2より大きい。
【0037】
(他の実施形態)
(1)上述の実施形態では、第1刃部位10の4つの稜線10c、稜線10d、稜線10eおよび稜線10fは、エッジ状の稜線として形成されている。このように4つの稜線の全てをエッジ状としてもよいし、1つ〜3つの稜線をエッジ状としてもよい。エッジ状の稜線としては、稜線を形成する2つの面のなす角が鋭角、直角、鈍角の何れであってもよいが、当該角度が60°以上135°以下であると好ましく、80°以上105°以下であると更に好ましい。第1刃部位10の先端部10bの周囲が、いわゆるC面取りがされていてもよい。C面取りの場合、角が斜めに切削されるが、その結果新たに生成した面の両端は新たなエッジ状の稜線となる。元の角よりはなだらかな部位となるが、新たに生成したエッジ状の稜線は食材の粉砕・切断に好適である。また第1刃部位10の先端部10bの周囲が、いわゆるR面取りがされていても、ケガの防止の点では好ましい。また第1刃部位10の先端部10bの全体を曲面状や球面状に形成してもよい。
【0038】
(2)第2刃部位20の先端部20bの厚さT2は、切断性能の点からは小さい方が望ましい。例えば第2刃部位20の先端部20bを、上側刃部材Uの裏面Rと傾斜部位20aとを鋭角に交差させてエッジ状に形成してもよい。
【0039】
(3)上述の実施形態では、第1刃部位10の上側の面、すなわち傾斜部位10aは、上側刃部材Uの裏面Rに対して傾斜して形成された。第1刃部位10の上側の面を、上側刃部材Uの裏面Rと平行となるように第1刃部位10を形成してもよい。すなわち第1刃部位10の厚さが一定となるよう、第1刃部位10を形成してもよい。
【0040】
(4)上述の実施形態では、複数の第1刃部位10についてその幅が同じになるよう(両端など一部を除いて)、第1刃部位10が形成されている。第2刃部位についても同様に、その幅が同じになるよう形成されている。また厚さについても、複数の第1刃部位10の間で同じであり、複数の第2刃部位20の間で同じである。さらに第2刃部位20の先端部20bと、第1刃部位10の先端部10bとの間の距離は、複数の第2刃部位20の間で同じである。
【0041】
これら幅、厚さおよび距離を異ならせることも可能である。またこれらの幅、厚さおよび距離を、互いに関係づけて変化させてもよい。例えば、幅の小さい第2刃部位20においては先端部20bの厚さを小さく、距離を大きくし、幅の大きい第2刃部位20においては先端部20bの厚さを大きく、距離を小さくしてもよい。
【0042】
(5)上述の実施形態では、図5に示すように、第1刃部位10の先端部10b(平面部位)は、上側刃部材Uの裏面Rに垂直な平面として形成されていた。これを改変し、図6に示すように、先端部10b(平面部位)を上側刃部材Uの裏面Rに対して傾斜させて形成してもよい。例えば、先端部10bと裏面Rとの間の角度αを、60°以上としてもよい。角度αを80°以上とすると更に好適である。このような角度であれば、第1刃部位10の先端部の破損・変形は、実用上問題のない程度まで抑制される。
【0043】
(6)上述の実施形態では、図2に示すように、上側刃部材Uの外側の端部は第1刃部位10として形成されていた。これを改変し、図7に示すように、上側刃部材Uの外側の端部を、第2刃部位20と同様の形状を有する第3刃部位70として形成してもよい。第3刃部位70の先端部の厚さは、第1刃部位10の先端部の厚さより小さく、第2刃部位20の先端部の厚さと同程度である。第3刃部位70の先端部は、第1刃部位10の先端部よりも後方側に配置されている。図7に示す上側刃部材Uは、第3刃部位70の内側に、第1刃部位10と第2刃部位20とを有し、第2刃部位20の先端部の厚さは第1刃部位10の先端部の厚さより小さく、第2刃部位20は2つの第1刃部位10の間に配置され、第2刃部位20の先端部は隣接する第1刃部位10の先端部よりも後方側に配置されている。
【0044】
(7)上述の実施形態では、第1接続部位31と第2接続部位41とが、互いに平行となるように第1刃部位10および第2刃部位20が形成されていた。これを改変し、第1接続部位31と第2接続部位41とを僅かに傾斜させて形成し、両者が互いに略平行となるよう、第1刃部位10および第2刃部位20を形成してもよい。
【0045】
(8)上述の実施形態では、第1接続面51と第2接続面61とが、互いに平行となるように第1刃部位10および第2刃部位20が形成されていた。これを改変し、第1接続面51と第2接続面61とを僅かに傾斜させて形成し、両者が互いに略平行となるよう、第1刃部位10および第2刃部位20を形成してもよい。
【0046】
なお上述の実施形態(他の実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【符号の説明】
【0047】
1 :本体
2 :容器台
3 :容器体
4 :蓋
6 :回転調理刃
7 :スイッチボタン
10 :第1刃部位
10a :傾斜部位
10b :先端部(平面部位)
10c :稜線
10d :稜線
10e :稜線
10f :稜線
20 :第2刃部位
20a :傾斜部位
20b :先端部
20c :端
20d :端
31 :第1接続部位
41 :第2接続部位
51 :第1接続面
61 :第2接続面
70 :第3刃部位
B :刃形成部
C :翼部
H :中心穴
L :下側刃部材
P :容器
R :裏面
S :表面
U :上側刃部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7