(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
間口幅を有して立設される左右のシートガイド(11)の上方に横向き箱体状のシートケース(4)を配設し、該シートケース(4)内で一側の端板(6a)と他側の端板(6b)に各取付支持されるモータ(7)とドラム軸(8b)を介し、シートドラム(5)を着脱及び正逆回転自在に設けると共に、該シートドラム(5)に巻き付けられるシート(2)を左右のシートガイド(11)に沿って昇降動作させるシートシャッタのシートドラム取付構造において、
前記一側の端板(6a)に内向きに突出する上下の上止めボルト(36c)と下止めボルト(36d)とを設けると共に、シートドラム(5)の一側に駆動体(8)を嵌合させて内装するモータ(7)の基部側に、上記上止めボルト(36c)と下止めボルト(36d)とに融通自在に挿入する上下方向の長孔又はバカ孔状の上止め孔(36a)と下止め孔(36b)とを穿設した取付座(36)を設け、且つ他側の端板(6b)から内向きに突設される軸受部(8c)と、シートドラム(5)の他側に突出されるドラム軸(8b)とを、係合軸支する軸支姿勢と係合離脱をする非軸支姿勢とに切換自在にする軸支切換手段を設けることにより、上記取付座(36)の下止め孔(36b)を下止めボルト(36d)に挿入した状態で、ドラム軸(8b)と軸受部(8c)とを非軸支姿勢にしたシートドラム(5)を、該下止めボルト(36d)を支点に他側を持ち上げた状態で、ドラム軸(8b)と軸受部(8c)とを軸支姿勢に切換えると共に、取付座(36)を一側の端板(6a)に接合させてシートケース(4)に取付けることを特徴とするシートシャッタのシートドラム取付構造。
前記軸支切換手段を、他側の端板(6b)から内向きに突設される軸受部(8c)に対し、シートドラム(5)の他側に進退自在に設けられるドラム軸(8b)を軸支姿勢と非軸支姿勢とに切換自在に設けて構成する請求項1又は2記載のシートシャッタのシートドラム取付構造。
前記駆動体(8)と筒支持体(8a)とが備える縦盤状の支持部材(35)の外周に複数等分の間隔を有して屈曲延長させた接合片(35a)を、多角形筒に形成したドラムの対応する多角平坦面に接当させると共に、互いの接当面をリベット又はボルトナットその他の接合部材(35b)によって接合する請求項1又は2又は3記載のシートシャッタのシートドラム取付構造。
前記シート(2)を、シートドラム(5)に取付けて巻き取られる基部側シート(2c)と、左右のシートガイド(11)に沿って昇降動作する本体部(2a)とに分割すると共に、基部側シート(2c)と本体部(2a)の互いの端部をファスナ(39)によって分離可能に接合する請求項1又は2又は3又は4記載のシートシャッタのシートドラム取付構造。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1のシートシャッタは、シートドラムを外して各種のメンテナンス作業を行いたい場合に、ユニット構造のシートドラム全長が、左右の端板間の長さ(間口幅)に近接しているため、上記軸支手段を解除した状態でシートドラムをそのまま間口幅内を通して下方に降ろすことができず、大型高所作業機等を使用してシートドラムの着脱作業を行わねばならないこと、及び一人で持ち上げ可能なシートドラムを備える小型シートシャッタの場合でも、端板を外しシートドラムを横移動させる動作を要するので、一人作業によるメンテナンス作業を困難にする欠点がある。
【0007】
さらに、シートドラムを横移動させて着脱するシートシャッタは、シートケースの側方に間口外側スペースを確保した現場設置が必要になるため、建物の間口形状等によって設置態様に制約を受けると共に、シートケースを左右の間口支柱内に入り込ませた設置ができないこと、及びシートドラムを内装したままでシートケースを、高所作業機を使用してシートガイドや支柱から取外す等の煩雑でコスト高な着脱作業を要する等の問題がある。
【0008】
一方、モータが備える駆動体の外周に外周等分の間隔を有して屈曲延長させた接合片を嵌合する多角形筒のシートドラムは、モータを端板から外すことなく横移動させて着脱できる利点がある一方で、接合片を多角形筒ドラムの対応する多角平坦面に平面接当させて嵌合させるだけの組付け構造であるため、長期の使用による正逆回転駆動に伴う衝撃的な負荷によって、嵌合部にガタを生じ振動や騒音及び接合片のコーナー部と接当するドラム屈曲部の穴明き破損等のトラブルを発生し易い等の課題がある。
またシートドラムに巻き付ける一枚状のシートは、シートドラムの取外し時にはその全長を繰り出して、その取付部の固定を解除して離脱する必要があることから、重量のあるシートの繰り出し離脱作業及び再取付け巻き取り作業が煩雑で非能率になる等の課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための本発明のシートシャッタのシートドラム取付構造は、第1に、間口幅を有して立設される左右のシートガイド11の上方に横向き箱体状のシートケース4を配設し、該シートケース4内で一側の端板6aと他側の端板6bに各取付支持されるモータ7とドラム軸8bを介し、シートドラム5を着脱及び正逆回転自在に設けると共に、該シートドラム5に巻き付けられるシート2を左右のシートガイド11に沿って昇降動作させるシートシャッタのシートドラム取付構造において、
前記一側の端板6aに内向きに突出する上下の
上止めボルト36cと
下止めボルト36dとを設けると共に、シートドラム5の一側に駆動体8を嵌合させて内装するモータ7の基部側に、上記
上止めボルト36cと
下止めボルト36dとに融通自在に挿入する上下方向の長孔又はバカ孔状の
上止め孔36aと
下止め孔36bとを穿設した取付座36を設け、且つ他側の端板6bから内向きに突設される軸受部8cと、シートドラム5の他側に突出されるドラム軸8bとを、係合軸支する軸支姿勢と係合離脱をする非軸支姿勢とに切換自在にする軸支切換手段を設けることにより、上記取付座36の下止め孔36bを
下止めボルト36dに挿入した状態で、ドラム軸8bと軸受部8cとを非軸支姿勢にしたシートドラム5を、該
下止めボルト36dを支点に他側を持ち上げた状態で、ドラム軸8bと軸受部8cとを軸支姿勢に切換えると共に、取付座36を一側の端板6aに接合させてシートケース4に取付けることを特徴とするシートシャッタのシートドラム取付構造。
【0010】
第2に、前記取付座36を、モータ7の基部側に着脱自在に取付けられる平板状の取付板に、
上止め孔36aと
下止め孔36bとを穿設して構成することを特徴としている。
【0011】
第3に、前記軸支切換手段を、他側の端板6bから内向きに突設される軸受部8cに対し、シートドラム5の他側に進退自在に設けられるドラム軸8bを軸支姿勢と非軸支姿勢とに切換自在に設けて構成することを特徴としている。
【0012】
第4に、前記駆動体8と筒支持体8aとが備える縦盤状の支持部材35の外周に複数等分の間隔を有して屈曲延長させた接合片35aを、多角形筒に形成したドラムの対応する多角平坦面に接当させると共に、互いの接当面をリベット又はボルトナットその他の接合部材35bによって接合することを特徴としている。
【0013】
第5に、前記シート2を、シートドラム5に取付けて巻き取られる基部側シート2cと、左右のシートガイド11に沿って昇降動作する本体部2aとに分割すると共に、基部側シート2cと本体部2aの互いの端部をファスナ39によって分離可能に接合することを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
上記課題を解決するための本発明によるシートシャッタのシートガイド構造によれば、
請求項1の発明によれば、シートケースの一側の端板に内向きに突出する上下の
上止めボルトと
下止めボルトとを設け、シートドラムの一側に駆動体を嵌合させて内装するモータの基部側に、上記
上止めボルトと
下止めボルトとに融通自在に挿入する上下方向の長孔又はバカ孔状の
上止め孔と
下止め孔とを穿設した取付座を設け、且つ他側の端板から内向きに突設される軸受部と、シートドラムの他側に突出されるドラム軸とを、係合軸支する軸支姿勢と係合離脱をする非軸支姿勢とに切換自在にする軸支切換手段を設けることにより、取付座の下止め孔を
下止めボルトに挿入した状態で、ドラム軸と軸受部とを非軸支姿勢にしたシートドラムを、該
下止めボルトを支点に他側を持ち上げた状態で、ドラム軸と軸受部とを軸支姿勢に切換えると共に、取付座を一側の端板に接合させてシートケースに簡単に取付けることができると共に、シートドラムの取外しは上記と逆順の動作によって能率よく行うことができる。従って、シートドラムが人為的に持ち上げ可能な軽量構造型であるシートシャッタのメンテナンス作業を、容易且つ省力的に行うことができ、また高所作業機械やフォークリフト等の高価な持ち上げ機械を不要にしながら、高所への持ち上げ作業を少人数で行うことも容易にすると共に、ユーザ側対応によってシートシャッタの組み立て及び各構造部のメンテナンス作業を能率よく低コストにすることができる。
【0015】
前記取付座を、モータの基部側に着脱自在に取付けられる平板状の取付板に、
上止め孔と
下止め孔とを穿設して構成することにより、
上止め孔と
下止め孔とを穿設した平板状の取付座は、既存のシートシャッタや端板,等を大きく変更することなく簡単に取付けることができるので、シートドラム取付構造を簡潔で安価な構成にすることができる。
【0016】
前記軸支切換手段を、他側の端板から内向きに突設される軸受部に対し、シートドラムの他側に進退自在に設けられるドラム軸を軸支姿勢と非軸支姿勢とに切換自在に設けて構成することにより、ドラム軸を退動させて非ドラム支持長さに簡単に切換えることができるため、ドラム軸を端板等を外すことなく端板や近隣の物体との接当を防止しながら、間口幅内でのシートドラムの上下回動を自在にすると共に、シートドラムを持ち上げた軸支位置においてドラム軸を引き出し進動させて軸受部にセットできるので、シートドラムの着脱作業を行い易くすることができる。
【0017】
前記駆動体と筒支持体とが備える縦盤状の支持部材の外周に複数等分の間隔を有して屈曲延長させた接合片を、多角形筒に形成したドラムの対応する多角平坦面に接当させると共に、互いの接当面をリベット又はボルトナットその他の接合部材によって接合することにより、シートドラムの筒剛性と強度を高めて軽量化を図ることができ、シートの巻取り負荷及び正逆回転時の衝撃負荷等に対しても耐久性を有し安易な変形や撓みを防止する。
【0018】
前記シートを、シートドラムに取付けて巻き取られる基部側シートと、左右のシートガイドに沿って昇降動作する本体部とに分割すると共に、基部側シートと本体部の互いの端部をファスナによって分離可能に接合することにより、ファスナ分割型構造のシートを備えるシートシャッタは、本体部の破損や劣損に伴うシート交換を簡潔で安価な構成によって容易に行うことができ、また損傷部の補修や汚損部の清掃等の通常メンテナンス作業も随時速やかにすることができる。またシートは重量のある本体部を簡単に外すことができるため、シートドラムの着脱作業を容易にすると共に、シートの取付作業も省力化されて能率よく行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図示するシートシャッタ1は主として建物の出入口に設置され、シャッタ用のシート2と、その左右を支持し上下方向の昇降移動を案内支持するサイドフレーム(ガイド支持部材)としての支柱3と、該支柱3に沿って取付けられるガイドレール部材としてのシートガイド11と、シート2の開閉機構を内装する筒構造のシートケース4等で構成される。
【0021】
上記左右の支柱3は出入口の左右で柱や壁に沿って設置され、シートケース4は建物の梁或いは壁面に沿って横向きに取付けられる。シートガイド11は支柱3の正面壁側に組付けられる。これによりシートシャッタ1は、本発明に係るシートドラム取付構造(ドラム着脱手段)によってシートケース4に内装されるシートドラム(繰出装置)5の正逆回転に伴い、巻き付けたシート2の巻き取りと繰り出しを行いシート両側辺を左右のシートガイド11に沿って昇降動作し、出入口(間口)の開閉をすることができる。
【0022】
先ず、シートシャッタ1の全体構成について
図1〜
図4を参照し説明する。シートケース4は、側面視で四角形断面の筒構造をなすケース本体6の両側に、端板6a,6bを着脱自在に設けることにより中空状のケース室を形成し、ケース室内に右左の端板6a,6bに対して、回転可能に軸支される多角形筒或いは円筒状のシートドラム5をドラム軸方向に収容している。ケース本体6の後方下部には、シート2の昇降移動を許容する間口幅を有する開口部6cを形成し、該開口部6cの両側に左右のシートガイド11を立設している。尚、実施形態のケース本体6は、その前側壁6dと下側壁6eと上側壁6fと後側壁6gの各左右端を、端板6a,6bの外周に形成される各取付片に着脱自在に取付けた剛体構造にしている。
【0023】
上記右側の端板6aはその内側面に、シートドラム5内に横向き所定深さで入り込ませて設けられる円柱形状のモータ7を着脱自在に取付ける上で、モータベース部(底面)に固設される後述する取付座36を介して、シートドラム5の一側(右側)を取付支持している。上記モータ7は、その駆動軸7aに設ける駆動体8をシートドラム5の内面に
図6,
図7で後述する接合手段によって接合することにより、シートドラム5の正逆回転駆動を行うようにしている。
【0024】
左側の端板6bはその内面中心側に、シートドラム5の他側(左側)に内嵌する筒支持体8aに設けるドラム軸8bを係脱自在に軸支する軸受部8cを内向きに突設している。
そしてシートドラム5は、モータ7と取付座36及びドラム軸8bと軸受部8cとによりシートケース4内の端板6a,6b間に水平に軸支され、モータ7の正逆回転に伴いシート2の繰り出し下降(進動)と巻き取り上昇(退動)によって間口の開閉を行う。
尚、シート2の開閉作動は、従来のものと同様に制御盤9に設置される操作スイッチ9aの手動操作指令、並びに通過体を検知する検知部9b,9cの検知指令等に基づくモータ7の正逆回転制御によって行なうことができる。
【0025】
シート2は、可撓性を有する合成樹脂材よりなる長方形の幕体からなり、上端をシートドラム5の周面に軸方向に沿って取付けている。シート2は、幕体の両側縁に沿う弾性変形可能なプラスチック材により押出成形された係合突起10を設けており、左右の支柱3に各取付けられるレール状のシートガイド11に、係合突起10を後述するガイド構造によって昇降スライド可能に係合させて収容している。これによりシート2は、シート両側の抜け止めを図りながら横方向のシート張りを保持して昇降作動を行う。
【0026】
またシート2の下端には、シート2が最下降した閉じ状態で地面或いは床面等(以下床面と言う)に気密性を有して弾力的に接地し左右方向の通直性を保持する接地部12を、シート2を下降動作付勢するウェイト部を兼ねて設けている。この接地部12は、シート2をウェイト重量によって下方に向けて付勢し且つ伸展させ接地時の床面との気密を確実にすると共に、シート2の下降時に通過する人や車或いは間口内に存在する物品等の通過体と接当した際の緩衝構造を備えている。
【0027】
次に、支柱3及びシートガイド11について
図1〜
図5を参照し説明する。実施形態のシートシャッタ1は、間口が高さ2500ミリ、幅2000ミリ程度であるところ、支柱3はその前後方向幅を50ミリ程度、左右幅を50ミリ程度、肉厚を2.3ミリ程度にした方形状中空断面をなす鉄製角パイプにしている。これにより支柱3は、建材用鉄骨規格品として市販されている鉄骨角パイプを利用し易くし、支柱長さ2800ミリ程度に切断するだけで所望の支柱を得ることができる。
【0028】
そして、
図1,
図2に示すように左右で2本の支柱3は、断面コ字状又はL字状等をなす補強用鉄骨である上連結部材3aによって互いの上部を連結することにより、左右の支柱3と上連結部材3aとで門型状の支柱フレームを構成している。尚、上連結部材3aは、前後幅を50ミリ、上下幅を30ミリ、間口幅2000ミリ、板厚1.6ミリ程度で、床面からの取付け高さを2600ミリ程度である。またシートドラム5の全長は1970程度であり、これにモータ7と取付座36及びドラム軸8bを組み付けたユニット構造のドラムアッシ長は約2095ミリであり、ドラム軸8bがドラム左端から突出する突出長は70ミリ程度である。
【0029】
これによるシートシャッタ1の現場設置作業は、先ず支柱フレームを建物の出入口支柱や壁部材等の間口構造部材に対し適宜手段によって取付けて、次いで立設された左右の支柱3に各対応するシートガイド11を後述するガイド取付手段によって取付け、その後支柱3の上部に対しシートケース4の左右上下をドリルボルト等の取付具3cによって取付け、また制御盤9を近隣適所に取付けることにより設置を完了する。
【0030】
次に、シートガイド11について
図2〜
図5を参照し説明する。先ず、シート2の両側を進退自在に案内支持する各シートガイド11は、押出し成形型等によって製作される合成樹脂製レールを、各種の機能スペースとレール壁を有するガイド本体断面にしている。
【0031】
図4,
図5を参照し左側のシートガイド11について説明する。尚、右側のシートガイド11は左側のものと対称構造によって製作されるので説明を省略する。このシートガイド11は、正面壁11aと後面壁11bと外面壁(左面壁)11cと内面壁(右面壁)11dとにより略正方形状のレール断面とし、本発明に関わるガイド取付手段によって、後面壁11b側を支柱3の正面壁に着脱自在に取付けている。このシートガイド11は、間口側壁になる内面壁11d側に溝状開放部13を形成する平行な前後側壁によってアウターレール14を構成している。
【0032】
アウターレール14は、前後側壁間で形成される溝状開放部13内に、平面視コ字状断面のインナーレール16を左右及び上下方向にスライド移動自在に嵌合し着脱自在に取付けている。図示するインナーレール16は、インナー係止部になるレール底壁16aの前後両辺から、先端側を内向きに曲げたフックを有する係合ガイド16bを一体的に弾性力を有して突設しており、これによりコ字状断面になるレール溝内に前記シート2の係合突起10を挿入係止することができる。またインナーレール16の上端部には上部シートガイド17が接続される。
【0033】
尚、アウターレール14及びインナーレール16並びに上部シートガイド17は、耐摩耗性と所定の可撓性と潤滑性を備えて形成されている。
そして、シートガイド11は、アウターレール14の内奥側(外向き側)に溝状開放部13に通ずるインナー支持室20を、平面視で略正方形状断面をなし縦向き筒状に連通形成している。このインナー支持室20内には、ガイド取付手段とインナーレール16を介しシート2を弾力的に引っ張り付勢するレール付勢支持機構21を収容設置している。
【0034】
上記レール付勢支持機構21は、インナーレール16のレール底壁16a側に上下方向の取付け間隔を有して挿入し且つ抜け止め係止される複数の取付ピン23と、各取付ピン23の先端側から挿入されてインナー支持室20の内側仕切り壁20bに接当自在なインナー規制支持具24と、取付ピン23の径大な支持ピン部に挿入支持されインナー規制支持具24の内面に接当して押接付勢をするコイル状のスプリング26と、上下に対をなして隣接する各取付ピン23の先端側に挿入される針金状の取付具27等から構成される。
【0035】
上記取付ピン23は、その内側所定位置に径の大きい支持ピン部の段部を形成しており、支持ピン部の外周にスプリング26を安定的に挿入支持すると共に、スプリング26の押接付勢によってインナー規制支持具24をインナー支持室20の内側仕切り壁20bに接当させ、インナーレール16をインナー規制支持具24によって弾力的に支持している。またシート2がインナーレール16を強く内向き移動させるとき、取付ピン23の径大な段部がスプリング付勢力に抗しインナー規制支持具24に接当することにより、取付具27と内側仕切り壁20bを介してインナーレール16のアウターレール14からの離脱を規制防止する。
【0036】
これによりスプリング26による牽引作用を奏するシート2は、その端部の係合突起10をインナーレール16内に収容係止し左右両側に向け弾力的に牽引された状態で、シートガイド11に沿って案内支持され間口を開閉する。
一方、シート2に例えば強い風圧が掛かり又はフォークリフト等が当接して内向きの負荷が掛かった場合、インナーレール16は係合突起10と係合ガイド16bを介して且つスプリング26に抗して内向きに牽引され、さらに強い力が作用する場合には、対向する係合ガイド16bの内側の開放端が弾力的に開口され、係合突起10が係合ガイド16b内から引出されて両者の係合が外れ、シート2とインナーレール16側に過負荷が掛からないように保護される。
【0037】
また
図2に2点鎖線で示すように、係合ガイド16bから外れたシート2は、シートの巻き戻しによりシートガイド11の上端に設けられた下向きで逆V字形の復帰溝18に案内されながら上端側の係合ガイド16b内に収納され、接地部12が設定上限位置まで上昇した後再下降すると、シート2の両端の係合突起10はその下端を上向きでV字形の復帰溝18のガイドにより下側の係合ガイド16b内に再度復帰挿入され、通常の昇降作動姿勢に戻される。
【0038】
そして、インナーレール16は上端部に合成樹脂材によってレール溝を有して製作される上部シートガイド17を着脱自在に嵌合している。これにより上部シートガイド17は、そのレール溝によってシート2の巻き取り案内と繰り出し案内をスムーズにする。また上部シートガイド17は、ガイド本体からシートストッパ片17aを内向きに一体的に突設している。このシートストッパ片17aは、接地部12の両側近傍に設置したストッパ33を接当させることができ、これによりシート2の巻き取り誤動作時に接当位置以上の上昇を規制して接地部12の巻き込みを防止する。
【0039】
ここで
図4,
図5を参照しシャッタ用シート端部のガイド構造について説明する。前記シート2は、その幕体部分である本体部2aの両端に、所定幅のベルト状(又は帯状)の弾性変形可能なプラスチック製の端部材2bが、ヒート溶着又は接着により接合されて取付けられている。
【0040】
また各端部材2bの外端部には、上下に線材状に連続する係合突起10が端部材2bと一体成形されており、この係合突起10はコ字状断面の係合ガイド16bの左右方向に平行な前後壁間のレール溝中空部に上側又は下側から挿入され、これにより端部材2bは内側向きの開放端の上部又は下部から内部に挿入されて、開放端側の互に向き合う方向に鈎形に折曲したフックによって抜け止め方向に挿入係止される。
【0041】
次に、上記のように構成されるシートガイド11のガイド取付手段並びに作用等について詳述する。このシートガイド11は、合成樹脂成型により方形状のレール断面内に各種機能スペースと補強部材になる各種仕切り壁を構成している。先ず、後面壁11bと正面壁側としての前側仕切り壁11eとの間に、前記したようにアウターレール14の溝状開放部13とインナー支持室20とをレール方向に一連に連通させて形成している。
【0042】
そして、前側仕切り壁11eと正面壁11aとの間には、各種の配線を可能にすると共に取扱説明書或いは工具類等の物品を収納可能な収納室20aを形成している。この収納室20aは、正面壁11a側を開口する開口部11fをレール方向に形成しており、該開口部11fには上下方向に長い合成樹脂製の蓋20dを嵌め込み等の取付け手段によって、全開放又は部分選択開放自在に構成される。尚、収納室20aの室内下部側には、光電管型の検知部9cを内向きに取付けている。
【0043】
上記のような断面構造によってインナー支持室20等を形成するシートガイド11は、隣接して交差する仕切り壁で形成されるコーナー部が有効な補強壁部材になりレール方向の曲げ剛性を高めるため、前側仕切り壁11eと外面壁11cとを可及的に薄くすることができる。これによりシートガイド11は、十分なレール剛性を有しながら溝状開放部13を前方側に向けて大きく開けることができ、且つ手を離すことにより元の姿に復帰動作することを可能にするに十分な可撓性と弾性力を有するレール構造にしている。
【0044】
従って、シートガイド11に変形や亀裂等の支障を伴うことなく溝状開放部13を、
図5(a)に示す矢印方向に向け大きく開くことができ、この開口からレール付勢支持機構21や後述する取付座36等を容易に取り出すことができる。またインナーレール16の交換や部品の交換修理等のインナー支持室20内のメンテナンス作業を行い易くする等の特徴がある。
【0045】
上記構成にすることができるシートガイド11は、支柱3の少なくとも正面上下位置に、ガイド本体の上下部に設けられるガイド取付手段を介し簡単且つ能率よく取付けることができる構造にしている。即ち、
図5に示すようにガイド取付手段は、2本の取付ボルト29を上下に所定取付け間隔を有して取付ける締着手段と、必要により上下の取付ボルト29の間で、先端ネジ部を長くした図示しない間隔規制ボルト等を有するガイド間隔規制手段とによって構成している。
【0046】
上記取付ボルト29と間隔規制ボルトは、共に両ボルトに対向して前側仕切り壁11eに穿設される通し孔11gを介しインナー支持室20に挿入し、ボックススパナ等の工具を用い取付け取外し作業を行う。また取付ボルト29はドリルボルトにすることにより、左右の支柱3にネジ孔等を予め加工することなく、設置現場においてドリルボルトをねじ込むだけで、シートガイド11の後側壁11bを支柱3に締着して取付けることができる。このとき平面視コ字状をなす取付座36を用いる場合は、後片部が取付ボルト29を挿入する座金になるため広い座面によって安定的な締着を可能にする。
【0047】
上記構成によるシートガイド11は、シートガイド11の正面壁11aと後面壁11bとに連なる外面壁11cと内面壁11dとの間でアウターレール14の溝状開放部13とインナー支持室20とを連通させ、アウターレール14の溝状開放部13を狭めインナーレール16をスライド自在に保持するスライド保持姿勢から、間隔規制ボルト等のレール溝開放手段によって溝状開放部13を押し広げることができ、シートガイド11を取り外すことなく、開放されたアウターレール14からインナーレール16及びレール付勢支持機構21等の着脱を簡単に行うことができる。
【0048】
これによりシートガイド11は、正面壁11aと後面壁11bとに連なる外面壁11cと内面壁11dとの間で、溝状開放部13とインナー支持室20とを連通させた断面構造とし、成形型を利用し外面壁11c側と正面壁11a側とに可撓性及び弾性力を付与して合成樹脂製にすることができる。また合成樹脂製のシートガイド11は、蝶番構造によることなく外面壁11c側或いは正面壁11a側を側方に大きく撓ませて、アウターレール14の溝開放ができる。
【0049】
また合成樹脂により製作されると共に、前記したガイド取付手段によってシートガイド11を支柱3に取付けることができるシートシャッタ1は、鉄骨用等として汎用されて安価な角パイプを製造メーカ側で組み付け出荷する費用、例えば角パイプと該角パイプを左右の支柱長さに切断し横連結部材(支柱用梁構造材)で門型フレーム構造にするための、材料及び加工組み付け費用並びに設置現場への運搬設置費用等ユーザ側の費用負担を軽減することができる。
【0050】
つまり、合成樹脂製のシートガイド11を備えるシートシャッタ1によれば、メーカ側の製造では長大且つ取り扱いが煩雑でコスト高につく支柱フレーム構造体を、ユーザ側が予め現地で標準化された支柱フレーム製作手段(製作マニュアル等)をパソコン通信等によって設置し易くするようにでき、メーカ側からはシートケース4のユニット体と2本のシートガイド11等をコンパクトな荷姿にして送ればよいため、高価な支柱フレーム構造体の費用負担をユーザ側に強要することなく、ユーザ満足度の高いシートシャッタ1の設置をスムーズ行うことができる。
【0051】
そして、設置作業においてはドリルボルトやタッピングネジを用いることが望ましく、この場合には、支柱3等への穴明け加工を省略して組み付け作業を能率よく行うことができると共に、ユーザ側が行う現物合わせによる組み立て及び分解修理等のメンテナンス作業もより行い易くすることができる。
【0052】
尚、実施形態のシートガイド11は、収納室20aをインナー支持室20と略同じ断面積にすることにより、全体として正方形状断面のガイド構造にしている。そして、シートガイド11を取付ける支柱3も、シートガイド11と同じ正方形状断面の外形にしている。これによりシートガイド11と支柱3とは、取り扱い易く軽量な正方形状部材として構成され、支柱3にシートガイド11を取付ボルト29によって取付けたとき、全体としてまとまりのよい前後方向に広い長方形断面をなす剛体構造にすることができる。
【0053】
さらに、この合成樹脂製のシートガイド11は、支柱3に沿って取付けたシートガイド11に対し、少なくとも正面壁11aと外面壁11cと内面壁11d側とを、床面側から所定高さ範囲(例えば、800ミリ程度)を、シート2の通過を自在とする開口部を有して着脱自在に覆うことができる。この場合のガイドカバー34は、間口内を移動する車両や運搬物等(接当体)が合成樹脂製のシートガイド11に直接的に接当させないので、覆い部分のガイド本体が保護され、ガイドカバー34はシートガイド11の構造を利用し且つ車両等が接当する高さ範囲に着脱自在に装着される。
【0054】
次に、シートドラム構造及びドラム着脱手段並びにシートドラム5に対するシート2の交換手段等について
図1〜
図4,
図6〜
図13を参照し説明する。先ず、実施形態のシートドラム5は
図6,
図7で示すように、断面12角形の多角形筒体にしていると共に、その両側から筒内に挿入する駆動体8と筒支持体8aとを固定し、シートケース4の左右の端板6a,6bに、モータ7側とドラム軸8b側とを各取付構造によって、シートドラム5をシートケース4の外側に横移動させることなく、間口内スペースを利用して着脱自在に取付けている。
【0055】
実施形態の駆動体8と筒支持体8aは、12角形筒ドラム内で外周(円周)を4等分毎に対向する対向面に対し、縦盤状の支持部材35からドラム軸方向に外周を4等分した間隔でドラム方向に屈曲延長させた接合片35aを面接当させて嵌合させた状態で、所定深さで位置決めし、且つ係合接当させた両者をボルトナット又はリベット等の接合部材35bによって締着接合している。
【0056】
これによりシートドラム5は、多角形筒において前記両者の係合接当と接合部材35bにより上下及び前後方向の接合支持を確実にして、回転方向にガタを生じない接合により変形や撓みを防止し筒剛性を高めながら軽量構造にすることができる。そして、モータ7が正逆回転する際に受けるシート2の巻取り負荷及び正逆回転時の衝撃的負荷等に対する耐久性を向上することができる。また上記形状による駆動体8と筒支持体8aは、合成樹脂材による製造を容易にしてシートドラム5の軽量化を図り易くし、この場合のシートドラム5との接合手段は、ドラム外面からプレート型ナットを挿入し接合片35aに締め付けることで組立とシート取付け行い易くすることができる。
【0057】
次に、シートドラム5の右端側の取付手段について
図1,
図2,
図6,
図10を参照し説明する。モータ基部に取付座36を有するモータ7は、駆動体8が支持部材35の中心に穿設した複数のボルト孔35cを介して駆動軸7aに取付けられ、この状態で駆動体8とモータ7の本体部を挿入して接合部材35bによって固定される。
取付座36はモータ7に固設された状態で、モータベース上部両側(前後方向)位置で上下方向の長孔又は切欠溝として形成される上止め孔36a,36aと、該両孔の中間位置でベースの下部側に長孔又は縦向き楕円孔或いはバカ孔状として穿設される下止め孔36bとを、下向き2等辺三角形の各頂点に位置させて設けている。
【0058】
そして、取付座36を取付ける端板6aには、上記上止め孔36a,36aと下止め孔36bを挿入支持する位置に、上止めボルト36c,36cと下止めボルト36dを内向きに且つ水平に突設している。これにより取付座36は後述する作業態様によって、上止め孔36a,36aと下止め孔36bとを、端板6a側の3本のボルトに各挿入した状態でナット36nを掛けて締着固定することができ、且つシートドラム5を着脱する際に行う仮支持作業を確実容易にすることができる。
【0059】
またシートドラム5の他方(左端)の取付手段は、左側に挿入され接合部材35bによって固定される筒支持体8aに、ドラム軸8bを回転及び軸方向にスライド可能に軸支するボス部35dを支持部材35の中心部に設け、且つドラム軸8bには、前記軸受部8cに係脱自在に係合する軸端に軸孔(ピン孔)37aを穿設し、両者の軸孔に係止部材としてのボルト又はピン等の取付軸37を係脱自在に挿入している。
【0060】
一方、
図3,
図4で示すように端板6bから内向きに突設される軸受部8cは、内側を開放した上向きコ字状の軸受片とし、ドラム軸8bを載せて位置決め支持する構造にしており、該前後の軸受片には前記取付軸37を挿入する止め孔を穿設している。
これにより軸受部8cは、内側又は上方からドラム軸8bを挿入することができ、且つ挿入状態で取付軸37を軸受部8cとドラム軸8bに差し込んだ状態で、ナット絞め等の軸抜け止め手段によって組み付けることができる軸支切換手段を構成している。
【0061】
以上のように構成されるシートドラム構造とドラム着脱手段は、ドラム軸8bを最突出させた状態でドラム支持長さ(ユニット長さ)と、ドラム軸8bを退動させた非ドラム支持長さとに簡単に切換えることができると共に、シートドラム5を仮支持姿勢で
下止めボルト36dを支点に上下揺動する際に、先端揺動軌跡R(
図10参照)を描くドラム軸8bを端板6bや近隣の物体に接当することなく、間口幅内でのシートドラム5の着脱作業をスムーズにする。そして、在来シートシャッタ1によるドラム着脱手段のように、端板6a,6bの少なくとも一方を外した状態で、シートドラム5を間口外の側方に移動させた状態で着脱することがないので、シートシャッタ1を間口の両支柱の間に隙間なく収納して設置することができる。
【0062】
次に、
図8,
図9を参照しシートドラム5に対するシート取付手段とシート交換手段等について説明する。図示例のシート2は、間口面積を閉鎖する幅と長さと有する本体部2aと、基端側を取付バー38によってシートドラム5に取付固定した状態で1巻き以上の巻取り長さを有する基部側シート2cとに分割しており、両者は互いの接続端をファスナ39を介し分離可能に接続している。これによりファスナ分割型構造のシート2を備えるシートシャッタ1は、本体部2aの破損や劣損に伴うシート交換を簡潔で安価な構成によって容易に行うことができると共に、損傷部の補修や汚損部の清掃等の通常メンテナンス作業も随時速やかにできる。
【0063】
さらに、色や採光性或いは季節に適応した通気性等の別機能を備えるシート2との交換も、基部側シート2cをシートドラム5から取外すことなく、シート長さ中途でファスナ39を介し簡単に行うことができるためシートシャッタ1の利便性・多様性を高めることができる。またシートケース4内やシートドラム5のメンテナンスをシートドラム5を外して行いたい場合に、シート2は重量のある本体部2aを簡単に外すことができるため、シートドラム5のユニット重量を軽くして着脱を容易にする等の特徴がある。
【0064】
このためのファスナ39は、対をなして噛み合う接続ファスナ部39aを基部側シート2cの先端辺幅に設け、被接続ファスナ部39bを本体部2aの上辺幅に設けると共に、両者の噛合を操作するファスナ操作部(スライダ)39cを基部側シート2c側の接続ファスナ部39aに設けて構成している。これにより分割型のシート2は、本体部2aの交換等メンテナンス作業をしたい場合に、
図9に示すようにファスナ39の高さ位置を、人の手が届く高さになるまで繰り出した位置で停止させることができる。
【0065】
また本体部2aの取外し作業に先立って、例えば、本体部2aと基部側シート2cを前記復帰溝18から引き出した状態で下降させるか、又は両者を所定下降位置において前記インナーレール16の支持抵抗に抗して強い力を付与することにより、対向する係合ガイド16bの内側の開放端を弾力的に開き、係合突起10を係合ガイド16b内から引出し両者の係合を外したシート外れ状態にする。
【0066】
次いで、この所定高さ停止位置において作業者は、ファスナ操作部39cを一側から他側に向けて開き移動操作する。これにより本体部2aは、基部側シート2cから徐々に離脱され自重により床面に降ろすことができ、ファスナ操作部39cが他側端に至る位置で離脱が完了される。次いで、メンテナンス作業終了又は交換用の本体部2aは、基部側シート2cに位置合わせをして取付け姿勢を床面上で整えながら、接続ファスナ部39aと被接続ファスナ部39bを位置合わせしてファスナ操作部39cを他側から閉じ操作をする。
【0067】
これにより本体部2aはファスナ39を介し基部側シート2cに全幅が接続される。そして、シートドラム5を逆回転操作することにより、基部側シート2cがシートドラム5に巻取られて上昇するに伴い、本体部2aも左右の係合突起10が復帰溝18のガイドによりシートガイド11内に入り込み、前記下側の係合ガイド16b内に再度復帰挿入され、通常の昇降作動姿勢に自動復帰される。従って、上記シート取付手段とシート交換手段等を備えるシートシャッタ1は、シートドラム5の着脱時の重量を大幅に軽減して上げ下ろし作業をすることができる。
【0068】
上記構成において実施形態のシートシャッタ1は、間口開口高さが2500ミリ程度であることから、基部側シート2cの長さを1500〜2000ミリにすることにより、ファスナ39の操作作業を行い易い高さ位置にできるようにしている。
尚、基部側シート2cの長さは、開口高さ毎に操作作業高さ位置を定め所定長さに設定される。またファスナ39は、接続ファスナ部39aと被接続ファスナ部39bとの端部を噛合させてファスナ操作部39cを操作するタイプに限ることなく、例えば小型シートシャッタ1等で軽量な本体部2aである場合には、スライダ型ファスナ操作部39cを要しない面ファスナ39にすることができる。
【0069】
次に、
図10〜
図13を参照しシートドラム5の着脱作業の態様について説明する。先ず、シートドラム5の取付けは、間口を形成する左右のシートガイド11の上部にシートケース4を配設するシートシャッタ1において、予め取付座36とドラム軸8bを組み付けてユニット構造にしたシートドラム5を、作業者が軽トラックの荷台又は脚立を利用して行う等の人為的な持ち上げ手段によって、
図10(a)の実線と
図11で示すような第1仮支持姿勢にしたのち、
図12で示す第2仮支持姿勢から
図13で示す第3仮支持姿勢を経て、
図1で示すようにドラム軸8bを軸受部8cに支持させて取付け作業を完了し使用姿勢にすることができる。
【0070】
即ち、
図10(a)の実線及び
図11で示す第1仮支持姿勢による取付け作業では、シートドラム5の右側を高く持ち上げて取付座36を内向きに大きく内向き傾倒させ、前記
下止め孔36bを
下止めボルト36dに挿入したのち直ちにナット36nを浅く螺装する。これにより取付座36の抜け落ちを簡単且つ速やかに防止し、シートドラム5を下側仮支持状態にする。次いで、作業者は第1仮支持姿勢においてドラム軸8bを退動させた非突出姿勢にすると共に、
下止めボルト36dを支点に左側を持ち上げてシートドラム5を第2仮支持姿勢にし、
上止め孔36aを
上止めボルト36cに各挿入したのち、各
上止めボルト36cにナット36nを浅く螺装して取付座36の抜け止めをすることにより、シートドラム5の上方への回動を自在にする。
【0071】
次いで、取付座36の下部と上部の抜け止めを確実にした第2仮支持姿勢において、作業者は持ち個所や持ち手姿勢を整えることができるので、シートドラム5を更に持ち上げて略水平状となし
図13に示す第3仮支持姿勢にすることができ、ここでドラム軸8bを左側に引き出して軸支姿勢にしながら軸受部8c内に挿入する。これによりシートドラム5は、ユニット構造の左右が取付座36とドラム軸8bと取付座36を介してシートケース4に位置決めすることができ、次いでドラムから手を離して取付軸37を軸受部8cとドラム軸8bに挿入しナット等の固定部材を介して抜け止めをする。
【0072】
こののち、作業者は取付座36側に移動し、先ず
上止めボルト36cの各ナット36nを締着し次いで
下止めボルト36dのナット36nを締着すると、シートドラム5の左右の取付け固定を一人作業によっても簡単且つ速やかに完了することができる。以上のようにシートケース4に対するシートドラム5の設置とシート2の一連の取付けを完了したのちは、シートドラム5に巻き取られるシート2を前記したように左右の復帰溝18及びシートガイド11を介して開閉作動させることができる。
【0073】
尚、シートドラム5に対するシート2の取付け作業は、床面に横置きした状態のシートドラム5に対し、予め基部側シート2cを取付けて巻き付けた状態でシートドラム5の取付け作業をしてもよい。この場合には、シートドラム5に取付け後の基部側シート2cに対し、ファスナ39を介し本体部2aを簡単に取付けることができる。
【0074】
以上のように構成されてシートドラム5を取付けることができるシートシャッタ1は、シートドラム5の取外しをするとき、ファスナ39を介し取外した本体部2aを、逆順の動作によって取付けることができるので、特にシートドラム5が一人で持ち上げ可能な軽量構造型であるシートシャッタ1のメンテナンス作業を容易に行うことができる。またシートドラム5が軽量構造であると共にシート本体部2aを外すことができる大型シートシャッタ1は、高所作業機械やフォークリフト等の高価な持ち上げ機械を必要とせず、高所への持ち上げ作業を少人数で行うことも容易にすると共に、熟練した専門の施工業者等に依存することなく、ユーザ側対応によってシートシャッタの組み立て及び各構造部のメンテナンス作業を能率よくすることができる。
【0075】
また上記のように取付けることができるシートドラム5は、取付座36に
下止め孔36bを上止め孔36a,36aとの中間位置の下部側で三角形の頂点位置に設けているため、取付座36側の仮止め作業を低い位置に突出する一本の
下止めボルト36dを選択し、径の大きいバカ孔に確実容易に挿入させて係止することができる。尚、大型シートシャッタ1や重量構造のシートドラム5の場合には、複数の下止め孔36bにすることが望ましい。
【0076】
さらに、
上止めボルト36cと
下止めボルト36dとに少なくとも上下方向に融通自在に挿入する
上止め孔36aと
下止め孔36bとを穿設した平板状の取付板を、モータベースに着脱可能に取付けて構成する取付座36は、既設のシートシャッタ1に対しても、モータ7を大きく改造することなく取付けることができるので、後付け作業によってモータ7を取付座36を介して端板6aへの設置を容易にすることができる利点がある。一方、取付座36は上記平板状の取付板に限ることなく、予めモータベース部を広幅状に形成した部分に
上止めボルト36cと
下止めボルト36dを直接形成してもよく、この場合には部品点数を少なくした簡潔な構成のシートドラム取付構造にすることができる。
【0077】
また在来のシートドラム5及び駆動体8等はアルミ製や鉄板製が一般的であるが、実施形態の構成にするシートドラム5と駆動体8等は、合成樹脂製の製造を行い易くすることができると共に、多角形樹脂構造とすることで軽量化・高耐久・安価型にすることができる。そして、上記多角形樹脂構造によるシートドラム5は、例えば周方向に4等分に分割した4枚のドラム板を、シートシャッタ1の設置現場で直接的に組み立て製作することも可能にするので、実用性の高い現場組立型ドラムとして運搬及び施工コストを大幅に低減することができる等の特徴がある。