特許第6615857号(P6615857)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6615857
(24)【登録日】2019年11月15日
(45)【発行日】2019年12月4日
(54)【発明の名称】下側ばね受け部材
(51)【国際特許分類】
   F16F 9/32 20060101AFI20191125BHJP
   F16F 1/12 20060101ALI20191125BHJP
   B60G 11/16 20060101ALI20191125BHJP
【FI】
   F16F9/32 B
   F16F1/12 N
   B60G11/16
【請求項の数】8
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2017-500601(P2017-500601)
(86)(22)【出願日】2016年2月4日
(86)【国際出願番号】JP2016053412
(87)【国際公開番号】WO2016132926
(87)【国際公開日】20160825
【審査請求日】2018年8月6日
(31)【優先権主張番号】特願2015-28305(P2015-28305)
(32)【優先日】2015年2月17日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発條株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】特許業務法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】大村 修司
(72)【発明者】
【氏名】細見 昭平
(72)【発明者】
【氏名】梅野 純
【審査官】 杉山 豊博
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−199134(JP,A)
【文献】 特開2014−181776(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/148364(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16F 9/32
B60G 11/16
F16F 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効部、弾性変形しない端部の座巻き部、および前記有効部と前記座巻き部との間の立ち上がり部を有する圧縮スプリングを、下側で受ける下側ばね受け部材であって、
その延在方向の一方側の端部から外方に突出して形成されて前記立ち上がり部との間に空隙ができないように前記立ち上がり部に接触する接触部を有し、
前記接触部は、
前記圧縮スプリングによる負荷に拘わらず、その弾性変形による弾性力によって前記立ち上がり部に接触し、
その延在方向の一方側の端部の前記接触部の反対側に外方に突出する形状に形成され、前記圧縮スプリングのばね荷重を受ける荷重受け部を備え、
前記荷重受け部は、
前記圧縮スプリングの軸方向視で、前記接触部より、前記圧縮スプリングの巻線方向に外方に突出して形成されている
ことを特徴とする下側ばね受け部材。
【請求項2】
請求項1に記載の下側ばね受け部材において、
前記荷重受け部は、凸形状の曲率を有して外方に膨出した形状に形成されている
ことを特徴とする下側ばね受け部材。
【請求項3】
有効部、弾性変形しない端部の座巻き部、および前記有効部と前記座巻き部との間の立ち上がり部を有する圧縮スプリングを、下側で受ける下側ばね受け部材であって、
その延在方向の一方側の端部から外方に突出して形成されて前記立ち上がり部との間に空隙ができないように前記立ち上がり部に接触する接触部を有し、
前記接触部は、
前記圧縮スプリングによる負荷に拘わらず、その弾性変形による弾性力によって前記立ち上がり部に接触し、
一方側に形成される平坦部に連続して形成され、前記立ち上がり部に沿って厚さが次第に厚くなり、前記立ち上がり部を受けるスロープ部とを備え、
前記圧縮スプリングの延在方向に見た前記スロープ部の幅は、前記座巻き部から遠ざかるに従って広くなる
ことを特徴とする下側ばね受け部材。
【請求項4】
有効部、弾性変形しない端部の座巻き部、および前記有効部と前記座巻き部との間の立ち上がり部を有する圧縮スプリングを、下側で受ける下側ばね受け部材であって、
その延在方向の一方側の端部から外方に突出して形成されて前記立ち上がり部との間に空隙ができないように前記立ち上がり部に接触する接触部を有し、
前記接触部は、
前記圧縮スプリングによる負荷に拘わらず、その弾性変形による弾性力によって前記立ち上がり部に接触し、
前記圧縮スプリングを一方側の前記下側ばね受け部材とともに受ける他方側の上側ばね受け部材は、前記下側ばね受け部材と対称的な同様な構成である
ことを特徴とする下側ばね受け部材。
【請求項5】
請求項4に記載の下側ばね受け部材において、
その延在方向の一方側の端部の前記接触部の反対側に外方に突出する形状に形成され、前記圧縮スプリングのばね荷重を受ける荷重受け部を備える
ことを特徴とする下側ばね受け部材。
【請求項6】
請求項5に記載の下側ばね受け部材において、
前記荷重受け部は、凸形状の曲率を有して外方に膨出した形状に形成されている
ことを特徴とする下側ばね受け部材
【請求項7】
請求項4に記載の下側ばね受け部材において、
一方側に形成される平坦部に連続して形成され、前記立ち上がり部に沿って厚さが次第に厚くなり、前記立ち上がり部を受けるスロープ部とを備える
ことを特徴とする下側ばね受け部材。
【請求項8】
請求項7に記載の下側ばね受け部材において、
前記圧縮スプリングの延在方向に見た前記スロープ部の幅は、前記座巻き部から遠ざかるに従って広くなる
ことを特徴とする下側ばね受け部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮ばねを下側で受ける下側ばね受け部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1には、サスペンションのばねを、上下部で受ける上・下側ばね受け部材に関して、以下の構成が記載されている。
【0003】
特許文献1の図10に図示されるように、コイルスプリング2の上端部と、上側のボデー側部材10の嵌合用凸部14との間にスプリングシートラバー20が介装されている。また、コイルスプリング2の下端部と、下側のアーム部材12の嵌合用凸部16との間にスプリングシートラバー22が介装されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−12341号公報(段落0003、図10等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1を含む従来の下側のスプリングシートラバーマウント22(下側ばね受け部材)は、車輪が上下動すると、コイルスプリング2の変形に下側のスプリングシートラバーマウント22(下側ばね受け部材)が追随せず、両者の間の隙間が生じてしまう場合がある。
【0006】
図6は、従来の懸架スプリングとロアラバーパッドとの接触部を示す断面図である。
従来のロアラバーパッド103は、懸架スプリング102の下立ち上がり部102tに沿った傾斜を有さず、懸架スプリング102の下座巻き部102sを受ける平坦形状であるとともに、リップ部もない。
【0007】
そのため、懸架スプリング102の下立ち上がり部102tの変形量が中央の有効部に近付くに従って大きくなり、ロアラバーパッド103の変形量も次第に増加する。これにより、ロアラバーパッド103に変形量が大きく大きな応力が発生する部分と、変形量が小さく小さな応力が発生する部分とが生ずる。
【0008】
従って、ロアラバーパッド103に応力の不均等が発生し、ロアラバーパッド103の経時劣化が促進され、ロアラバーパッド103の寿命が短くなるおそれがある。
加えて、ロアラバーパッド103と懸架スプリング102の下立ち上がり部102tとの隙間から、砂、砂利等の異物jが侵入する。
【0009】
従って、ロアラバーパッド103と懸架スプリング102の下座巻き部102sとの擦れ合いにより、異物jで懸架スプリング102の塗装が磨滅、剥離し、懸架スプリング102の折損、破損、破壊が生じてしまう。
【0010】
詳細には、隙間に砂や砂利などの異物jが侵入し、懸架スプリング102の表面の塗膜が磨滅して懸架スプリング102の素地が露出する。これにより、懸架スプリング102が錆びたり腐食し、破損や折損が発生する場合がある。この現象は、上側よりも、砂や砂利などの異物が侵入し易いロアラバーパッド103(下側ばね受け部材)周辺の懸架スプリング102で特に顕著に観察される。
【0011】
まとめると、従来のロアラバーパッド103は、懸架スプリング102の加振時にロアラバーパッド103が懸架スプリング102に追従せず両者間に隙間が生じ、その隙間に侵入した砂や砂利などの異物jが懸架スプリング102表面の塗膜を磨滅させる。これにより、懸架スプリング102の素地が露出し、懸架スプリング102の腐食が発生する場合がある。
【0012】
本発明は上記実状に鑑み創案されたものであり、圧縮スプリングの破損や折損を抑制でき、長寿命化が図れる信頼性が高い下側ばね受け部材の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題を解決するため、第1の本発明の下側ばね受け部材は、有効部、弾性変形しない端部の座巻き部、および前記有効部と前記座巻き部との間の立ち上がり部を有する圧縮スプリングを、下側で受ける下側ばね受け部材であって、その延在方向の一方側の端部から外方に突出して形成されて前記立ち上がり部との間に空隙ができないように前記立ち上がり部に接触する接触部を有し、前記接触部は、前記圧縮スプリングによる負荷に拘わらず、その弾性変形による弾性力によって前記立ち上がり部に接触し、その延在方向の一方側の端部の前記接触部の反対側に外方に突出する形状に形成され、前記圧縮スプリングのばね荷重を受ける荷重受け部を備え、前記荷重受け部は、前記圧縮スプリングの軸方向視で、前記接触部より、前記圧縮スプリングの巻線方向に外方に突出して形成されている。
【0014】
第1の本発明の下側ばね受け部材によれば、圧縮スプリングによる負荷に拘わらず、立ち上がり部との間に空隙ができないように接触または当接する接触部を有するので、圧縮スプリングと下側ばね受け部材との間に、砂、砂利等の異物が侵入することが抑制または防止される。
そのため、圧縮スプリングの塗膜が異物により磨滅、剥離し、圧縮スプリングが折損、破損、破壊することが回避される。従って、圧縮スプリングの長寿命化が図れる。
また、その延在方向の一方側の端部の前記接触部の反対側に外方に突出する形状に形成され、圧縮スプリングのばね荷重(負荷)を受ける荷重受け部を有するので、下側ばね受け部材が圧縮スプリングのばね荷重(負荷)を無理なく受けられ、過大な内部応力の発生を抑制または防止できる。そのため、下側ばね受け部材の経時劣化が抑制され、下側ばね受け部材の長寿命化が可能である。
また、荷重受け部は、圧縮スプリングの軸方向視で、接触部より、圧縮スプリングの巻線方向に外方に突出して形成されるので、より確実に下側ばね受け部材の端部が圧縮スプリングの巻線方向に外方にへたることが抑制される。また、圧縮スプリングの負荷が大きい場合に、接触部が荷重受け部に当接できるので、接触部が傷むことが抑制される。
【0015】
第2の本発明の下側ばね受け部材は、第1の本発明の下側ばね受け部材において、前記荷重受け部は、凸形状の曲率を有して外方に膨出した形状に形成されている。
【0016】
第2の本発明の下側ばね受け部材によれば、その延在方向の一方側の端部の前記接触部の反対側に外方に突出する形状に形成され、圧縮スプリングのばね荷重(負荷)を受ける荷重受け部を有するので、下側ばね受け部材が圧縮スプリングのばね荷重(負荷)を無理なく受けられ、過大な内部応力の発生を抑制または防止できる。そのため、下側ばね受け部材の経時劣化が抑制され、下側ばね受け部材の長寿命化が可能である。
また、荷重受け部は、凸形状の曲率を有した膨出した形状に形成されるので、下側ばね受け部材に圧縮スプリングのばね荷重(負荷)が印加される場合に、荷重受け部がへたることなく無理なく圧縮スプリングのばね荷重(負荷)を受けられる。
【0017】
第3の本発明の下側ばね受け部材は、有効部、弾性変形しない端部の座巻き部、および前記有効部と前記座巻き部との間の立ち上がり部を有する圧縮スプリングを、下側で受ける下側ばね受け部材であって、その延在方向の一方側の端部から外方に突出して形成されて前記立ち上がり部との間に空隙ができないように前記立ち上がり部に接触する接触部を有し、前記接触部は、前記圧縮スプリングによる負荷に拘わらず、その弾性変形による弾性力によって前記立ち上がり部に接触し、一方側に形成される平坦部に連続して形成され、前記立ち上がり部に沿って厚さが次第に厚くなり、前記立ち上がり部を受けるスロープ部とを備え、前記圧縮スプリングの延在方向に見た前記スロープ部の幅は、前記座巻き部から遠ざかるに従って広くなっている。
【0018】
第3の本発明の下側ばね受け部材によれば、圧縮スプリングの延在方向に見た前記スロープ部の幅は、前記座巻き部から遠ざかるに従って広くなるので、圧縮スプリングの変形が大きくなるに従って、下側ばね受け部材の容積が大きくなる。そのため、下側ばね受け部材の単位容積当たりの変形が均一化され、均等に近い応力が発生し、発生応力を分散することができる。そのため、下側ばね受け部材の耐久性が向上し、長寿命化が図れる。
【0019】
第4の本発明の下側ばね受け部材は、有効部、弾性変形しない端部の座巻き部、および前記有効部と前記座巻き部との間の立ち上がり部を有する圧縮スプリングを、下側で受ける下側ばね受け部材であって、その延在方向の一方側の端部から外方に突出して形成されて前記立ち上がり部との間に空隙ができないように前記立ち上がり部に接触する接触部を有し、前記接触部は、前記圧縮スプリングによる負荷に拘わらず、その弾性変形による弾性力によって前記立ち上がり部に接触し、前記圧縮スプリングを一方側の前記下側ばね受け部材とともに受ける他方側の上側ばね受け部材は、前記下側ばね受け部材と対称的な同様な構成である。
【0020】
第4の本発明の下側ばね受け部材によれば、圧縮スプリングを他方側で受ける上側ばね受け部材は、下側ばね受け部材と対称的な同様な構成であるので、上側ばね受け部材において、第1の本発明の下側ばね受け部材と同様な作用効果を奏する。
【0021】
第5の本発明の下側ばね受け部材は、第4の本発明の下側ばね受け部材において、その延在方向の一方側の端部の前記接触部の反対側に外方に突出する形状に形成され、前記圧縮スプリングのばね荷重を受ける荷重受け部を備える。
【0022】
第5の本発明の下側ばね受け部材によれば、圧縮スプリングを他方側で受ける上側ばね受け部材は、下側ばね受け部材と対称的な同様な構成であるので、上側ばね受け部材において、第1または第2の本発明の下側ばね受け部材と同様な作用効果を奏する。
【0023】
第6の本発明の下側ばね受け部材は、第5の本発明の下側ばね受け部材において、前記荷重受け部は、凸形状の曲率を有して外方に膨出した形状に形成されている。
【0024】
第6の本発明の下側ばね受け部材によれば、荷重受け部は、凸形状の曲率を有した膨出した形状に形成されるので、下側ばね受け部材に圧縮スプリングのばね荷重(負荷)が印加される場合に、荷重受け部がへたることなく無理なく圧縮スプリングのばね荷重(負荷)を受けられる
【0025】
第7の本発明の下側ばね受け部材は、第の本発明の下側ばね受け部材において、一方側に形成される平坦部に連続して形成され、前記立ち上がり部に沿って厚さが次第に厚くなり、前記立ち上がり部を受けるスロープ部とを備える。
【0026】
第7の本発明の下側ばね受け部材によれば、圧縮スプリングを他方側で受ける上側ばね受け部材は、下側ばね受け部材と対称的な同様な構成であるので、上側ばね受け部材において、第1または第6の本発明の下側ばね受け部材と同様な作用効果を奏する。
【0027】
第8の本発明の下側ばね受け部材は、第7の本発明の下側ばね受け部材において、前記圧縮スプリングの延在方向に見た前記スロープ部の幅は、前記座巻き部から遠ざかるに従って広くなる。
【0028】
第8の本発明の下側ばね受け部材によれば、圧縮スプリングを他方側で受ける上側ばね受け部材は、下側ばね受け部材と対称的な同様な構成であるので、上側ばね受け部材において、第1または第6または第7の本発明の下側ばね受け部材と同様な作用効果を奏する。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、圧縮スプリングの破損や折損を抑制でき、長寿命化が図れる信頼性が高い下側ばね受け部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明の実施形態に係わるロアラバーパッドが装着されるサスペンション装置の縦断面図。
図2A】ロアラバーパッドを斜め上から見た斜視図。
図2B】ロアラバーパッドを上方から見た上面図。
図2C】他例のロアラバーパッドのリップ部近傍を上方から見た上面図。
図2D】別例のロアラバーパッドのリップ部近傍を上方から見た上面図。
図3A図1のA−A断面図。
図3B】懸架スプリングの下立ち上がり部とロアラバーパッドのリップ部との接触状態を示す図3AのB方向矢視の斜視図。
図3C】懸架スプリングの負荷が最も小さくなった場合の図1のA−A断面図。
図3D】懸架スプリングへの負荷が最も大きくなった場合の図1のA−A断面図。
図4A】実施形態2の図1のA−A断面相当図。
図4B】実施形態2の懸架スプリングの懸架スプリングの負荷が最も小さくなった場合の図1のA−A断面相当図。
図4C】実施形態2の懸架スプリングの負荷が最も大きくなった場合の図1のA−A断面相当図。
図5A】実施形態3の図1のA−A断面相当図。
図5B】実施形態3の懸架スプリングの負荷が小さくなった場合の図1のA−A断面相当図。
図5C】実施形態3の懸架スプリングの負荷が最も大きくなった場合の図1のA−A断面相当図。
図6】従来の懸架スプリングとロアラバーパッドとの接触部を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の実施形態について適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、同一の構成要素には同一の符号を付して示し、重複する説明を省略する。
【0034】
<<実施形態1>>
図1は、本発明の実施形態に係わるロアラバーパッドが装着されるサスペンション装置の縦断面図である。
実施形態1に係わるロアラバーパッド3が装着されるサスペンション装置Sは、不図示の車体と車輪Tとの間に介在され、車輪Tの変動や車輪Tが受ける衝撃等を減衰、吸収する装置である。
【0035】
サスペンション装置Sは、ショックアブソーバ1と、ショックアブソーバ1が中央に挿通される懸架スプリング2とを備えている。
サスペンション装置Sは、懸架スプリング2の上端の座巻部2uおよび下端の座巻部2sにそれぞれ、ロアラバーパッド3、アッパラバーパッド4を備えている。
ロアラバーパッド3、アッパラバーパッド4は、懸架スプリング2の圧縮変形で発生する弾性力Fを、弾性的性質をもつ柔軟構造で受けている(詳細は後記)。
【0036】
<ショックアブソーバ1>
ショックアブソーバ1は、車輪Tが路面から衝撃力や衝撃エネルギを受ける際にその荷重に伴って伸縮動作する。この際、ショックアブソーバ1は、封入される流体の粘性減衰力により、衝撃力や衝撃エネルギを減衰させる。同時に、懸架スプリング2は、圧縮変形による弾性力や弾性エネルギ、内部摩擦によって該衝撃力を吸収する。
【0037】
ショックアブソーバ1には、例えば、オイルが封入され、ピストンの移動によるオイルの流動によって粘性減衰力を発生させる。これにより、ショックアブソーバ1の伸縮動作に粘性減衰力を付与し、車輪Tの車体に対する相対運動を減衰する。
【0038】
ショックアブソーバ1は、オイルが封入されるアウターチューブ1aと、アウターチューブ1a内を摺動する不図示のピストンが固定されるピストンロッド1bとを備えている。アウターチューブ1aは円筒状の密閉構造を有しており、内部にオイルが封入されている。ピストンロッド1bは、ピストンが固定される一端側がアウタチューブ1aの内部に収容されている。そして、荷重を受けるピストンロッド1bの他端側がアウタチューブ1aの外方(図1の上方)に延出している。
【0039】
ショックアブソーバ1のアウタチューブ1aの外周面に、上方の細径部1a1と下方の太径部1a2とが形成される段付きの環状段部1a3が形成されている。
下方の太径部1a2は、上方の細径部1a1より径が大きい。
環状段部1a3には、鋼製の円板状の下側スプリングシート5が係止されて固定されている。下側スプリングシート5は、中心孔5a1を有する円環状の支持板部5aと、平板部5aの周囲に形成される低い高さの側壁部5bとを有している。なお、下側スプリングシート5は有底円筒状の場合を例示しているが、皿状やすり鉢状でもよい。
平板部5aの中心孔5a1には、アウタチューブ1aの細径部1a1が挿通される。
一方、ピストンロッド1bに挿通して略円環状の上側スプリングシート6が備えられている。上側スプリングシート6は不図示の車体に固定されている。下側スプリングシート5、上側スプリングシート6は、プレス成形品である。
【0040】
<懸架スプリング2>
下側スプリングシート5と上側スプリングシート6との間には、懸架スプリング2が懸架されている。懸架スプリング2は、圧縮変形することで伸長方向に弾性力を発生させる圧縮コイルばねである。
懸架スプリング2の下端部には、ばねとして機能(弾性変形)しない下座巻き部2sが形成される。同様に、懸架スプリング2の上端部には、ばねとして機能(弾性変形)しない上座巻き部2uが形成されている。
【0041】
懸架スプリング2の中央部には、ばねとして機能する部分の有効部2yが形成される。有効部2yとは、懸架スプリング2に荷重Fが印加される場合に、F=kxのばね定数kを表出するばね機能を発揮する箇所である。なお、xは、懸架スプリング2の変位量である。
【0042】
懸架スプリング2の下座巻き部2sと中央部の有効部2yとの間には、下立ち上がり部2tが形成されている。下立ち上がり部2tは、下座巻き部2sからスパイラル形状に所定の勾配で立ち上がって形成される。下立ち上がり部2tは、懸架スプリング2により印加される圧縮荷重により弾性変形する。
懸架スプリング2の上座巻き部2uと中央部の有効部2yとの間には、上立ち上がり部2vが形成されている。上立ち上がり部2vは、下立ち上がり部2tと同様、上座巻き部2uからスパイラル形状に所定の勾配で立ち上がって形成され、印加される圧縮荷重により弾性変形をする。
【0043】
下座巻き部2sと上座巻き部2uとは、それぞれ有効部2yの1巻に対して約0.5巻程度形成されるが、特にこれに限定されない。下座巻き部2sと上座巻き部2uとは、0.5巻巻程度と小さくすることで、懸架スプリング2の総巻数を減らすことができる。加えて、懸架スプリング2の材料が削減され、懸架スプリング2の製造コストを低下させることができる。
【0044】
<ロアラバーパッド3>
図1に示すように、下側スプリングシート5と懸架スプリング2の下端部との間には、ロアラバーパッド3が介装されている。同様に、上側スプリングシート6と懸架スプリング2の上端部との間には、アッパラバーパッド4が介装されている。
【0045】
懸架スプリング2の下端の下座巻き部2sおよび下立ち上がり部2tは、ロアラバーパッド3を介して、下側スプリングシート5の支持板部5aに支持されている。
【0046】
一方、懸架スプリング2の上端の上座巻き部2uおよび上立ち上がり部2vは、アッパラバーパッド4を介して、上側スプリングシート6に支持されている。ロアラバーパッド3とアッパラバーパッド4は、懸架スプリング2のスプリング荷重Fを受けるとともに懸架スプリング2を、柔軟性をもって受けてその傷付きを抑制する機能をもつ部材である。
【0047】
ロアラバーパッド3およびアッパラバーパッド4は、例えばNR(天然ゴム)で成形される硬質ゴムを用いているが、所定の柔軟性、弾性等の性質を有すれば、材質は特に限定されない。
【0048】
ロアラバーパッド3は、懸架スプリング2が車重などで圧縮された状態での懸架スプリング2の圧縮変形に抗する弾性力により、圧縮された状態となる。ロアラバーパッド3は、この状態で、下側スプリングシート5の支持板部5aと懸架スプリング2との間に支持される。つまり、ロアラバーパッド3は、懸架スプリング2の下座巻き部2sおよび下立ち上がり部2tを受けることにより、懸架スプリング2の圧縮変形による弾性力が印加される。
【0049】
図2Aは、ロアラバーパッドを斜め上から見た斜視図であり、図2Bはロアラバーパッドを上方から見た上面図である。図2Cは、他例のロアラバーパッドのリップ部近傍を上方から見た上面図であり、図2Dは、別例のロアラバーパッドのリップ部近傍を上方から見た上面図である。
ロアラバーパッド3は、NR(天然ゴム)などのゴムで成形されている。
ロアラバーパッド3は、図2Aに示すように、懸架スプリング2を軸方向から見た形状に沿う円環状の一部を成す形状を有し、かつ、懸架スプリング2の下座巻き部2sおよび下立ち上がり部2t(図1参照)との隙間をなくす(埋める)ように立ち上がる形状を有している。
【0050】
つまり、ロアラバーパッド3は、懸架スプリング2の下座巻き部2sおよび下立ち上がり部2tと当接するガイド面である湾曲面3wを有している。湾曲面3wは、上面視で懸架スプリング2の径と略同一の径を有した円環状に形成されるとともに、懸架スプリング2の線径と略同一または若干小さな径をもって下方に窪んで形成される。
【0051】
詳細には、ロアラバーパッド3は、一端側に基端部3aが形成され、基端部3aを含み平坦状の平坦部3hが形成されている。ロアラバーパッド3の他端側には、傾斜を有するスロープ部3sが形成されている。スロープ部3sは、懸架スプリング2の下端部の下立ち上がり部2tに沿って接触する傾斜を有するように厚さが漸増する形状に形成されている。
そして、基端部3aとスロープ部3sの間には、懸架スプリング2を保持するスプリング保持部3oを有している。基端部3aは、懸架スプリング2の終端部が挿入され装着される。
【0052】
ここで、ロアラバーパッド3の基端部3aは、上部が切り欠かれた上切り欠き開口3a1を有する壁状に形成されるとともに、懸架スプリング2の終端部を両側方壁で保持するように形成されている。また、基端部3aの上切り欠き開口3a1は、その端部が縁部に向かって両側方に向かって広がる形状に形成されている。これにより、ロアラバーパッド3の上方から懸架スプリング2の終端部を、上切り欠き開口3a1から基端部3aに挿入し易い。また、懸架スプリング2を、終端部が突き当たった箇所からロアラバーパッド3の延在方向に沿って、略円環状に湾曲するガイド面の湾曲面3wに装着しやすくなっている。
【0053】
加えて、上切り欠き開口3a1は、端縁側から離間するに従って徐々に狭くなる形状のため、懸架スプリング2を装着後のロアラバーパッド3は、懸架スプリング2を保持するに際し、高い保持性能を有している。
【0054】
また、ロアラバーパッド3の一端側から他端側までの長さは特に限定されないが、例えば懸架スプリング2の略0.6巻〜0.9巻分に相当する長さとなるように形成されている。
【0055】
<ロアラバーパッド3のスロープ部3s>
図1に示すように、懸架スプリング2はスパイラル状に所定の勾配で立ち上がる下立ち上がり部2tを有している。ロアラバーパッド3は、懸架スプリング2の下座巻き部2sおよび下立ち上がり部2tの一部を保持する略0.6巻〜0.9巻分に相当する長さとしているので、ロアラバーパッド3の材料費などの製造コストを低減することができる。なお、ロアラバーパッド3の長さは、下座巻き部2sおよび下立ち上がり部2tの一部または全部を保持する長さに設定してもよい。
【0056】
そして、懸架スプリング2の下座巻き部2sおよび下立ち上がり部2tと下側スプリングシート5(図1参照)の支持板5aとの間に、ロアラバーパッド3が介装される。
そのため、図2Aに示すように、ロアラバーパッド3は、懸架スプリング2の下座巻き部2sから下立ち上がり部2t(図1参照)の一部を受ける形状を有している。
【0057】
図3Aは、図1のA−A断面図、図3Bは、懸架スプリングの下立ち上がり部とロアラバーパッドのリップ部との接触状態を示す図3AのB方向矢視図、図3Cは、懸架スプリングへの負荷が最も小さくなった場合の図1のA−A断面図、図3Dは、懸架スプリングへの負荷が最も大きくなった場合の図1のA−A断面図である。
ここで、図1のA−A断面とは、ロアラバーパッド3に懸架スプリング2を装着した際に、懸架スプリング2の巻線方向に沿った断面である。
【0058】
図3Aは、懸架スプリング2がフルリバウンド、つまり懸架スプリング2に車体の荷重のみが加わった懸架スプリング2およびロアラバーパッド3の状態である。
図3Cは、懸架スプリング2の負荷が突発的に最も小さくなった際の懸架スプリング2およびロアラバーパッド3の状態である。
図3Dは、懸架スプリング2への負荷が最も大きくなった際の懸架スプリング2およびロアラバーパッド3の状態である。
図3Aに示すように、ロアラバーパッド3は、懸架スプリング2の下座巻き部2sを受ける部分の基端部3aを含む平坦部3hは、懸架スプリング2の下座巻き部2sの形状に応じて厚みを変化させて形成されている。つまり、平坦部3hは、懸架スプリング2の下座巻き部2sに当接または接触するように厚みが変化されている。
【0059】
そして、懸架スプリング2の下立ち上がり部2tの一部を受ける部分のスロープ部3sは、厚さ寸法h1からh1より大きな厚さ寸法h2(但し、h1<h2)に漸増する。換言すれば、スロープ部3sは、平坦部3hから遠ざかるに従って、スパイラル状にロアラバーパッド3の底面3tから離隔するように傾斜するスパイラル状に立ち上がる形状に成形されている(図2A参照)。
【0060】
このように、ロアラバーパッド3は平坦部3hとスロープ部3sとを有しており、スロープ部3sは、懸架スプリング2の延在方向の厚みが、懸架スプリング2の下立ち上がり部2tの形状に沿って厚くなる。
【0061】
また、図2Bに示すように、ロアラバーパッド3のスロープ部3sは、平坦部3hから遠ざかるに従って、つまり、懸架スプリング2の下立ち上がり部2tのスパイラル状に立ち上がる形状に従って、平面視で(懸架スプリング2の軸方向に見て)、スロープ部3sの幅w寸法が次第に広く形成されている。
【0062】
例えば、平坦部3hの幅寸法w0とし、スロープ部3sの平坦部3hに近い箇所の幅寸法w1とし、スロープ部3sの中央近くの幅寸法w2とし、スロープ部3sの末端近くの幅寸法w3とすると、 w0<w1<w2<w3 の大小関係をもつように形成されている。
【0063】
以上より、スロープ部3sは、懸架スプリング2の下立ち上がり部2tの形状に沿って、当該下立ち上がり部2tを受けるスロープ部3sが、平坦部3hから離膈するにつれて、その容積が次第に大きくなる構成としている。
ここで、懸架スプリング2が変形した場合、下立ち上がり部2tは、下座巻き部2sから離膈するにつれて変形量が次第に大きくなる。そのため、懸架スプリング2の下立ち上がり部2tが当接するスロープ部3sは、平坦部3hから離膈するにつれて変形量が大きくなる。
【0064】
そのため、スロープ部3sが、懸架スプリング2の下立ち上がり部2tの形状に沿って大きくなることにより、ロアラバーパッド3のスロープ部3sの懸架スプリング2の変形に伴う単位容積当たりの変形量を均等に近付けることができる。つまり、ロアラバーパッド3のスロープ部3sに発生する応力を均等に近付けることができる。そのため、ロアラバーパッド3の応力が均等化され、ロアラバーパッド3の耐久性が向上し、経時劣化を抑えることができる。よって、ロアラバーパッド3の長寿命化を図れる。
【0065】
<ロアラバーパッド3のリップ部L>
図2A図3Aに示すように、スロープ部3sの端縁には、スロープ部3sの上部から外方に延びて懸架スプリング2の下立ち上がり部2tに接触または当接して延びるリップ部Lが設けられている。
【0066】
リップ部Lは、スロープ部3sの端縁壁3s1の上部から、懸架スプリング2の下立ち上がり部2tに接触または当接すべく、図3Aに示す側面視で次第に厚さ寸法tが小さくなる(薄くなる)形状に突出して形成されている。換言すれば、リップ部Lは、先端部L1からリップ基端部L2かけて厚さ寸法tが大きくなるように(厚くなるように)形成されている。換言すれば、端縁壁3s1の下部端縁壁3s0からリップ部Lが、懸架スプリング2の巻線方向に突き出て形成されている。
リップ部Lは、懸架スプリング2の軸方向視でリップ基端部L2から先端部L1にかけて幅寸法bは、ほぼ同じ寸法である。
リップ部Lが懸架スプリング2に接触または当接し続けることで、図3C図3Dに示すように、砂利、小石などの異物jが、外側にはじかれ、ロアラバーパッド3と懸架スプリング2との間に入ることが抑制される。
【0067】
なお、他例の図2Cに示すように、リップ部10Lは、懸架スプリング2の軸方向視でリップ基端部L2から先端部L1にかけて次第に幅寸法bが狭くなる先細りの形状に形成してもよい。この場合、湾曲面3wの幅寸法bwも、懸架スプリング2の軸方向視で、懸架スプリング2の線材の延在方向にリップ基端部L2から先端部L1にかけて次第に狭くなっている。さらに、リップ部Lの先端部L1の先端縁L0は、R状に(曲面状に)形成され、リップ部Lの先端部L1の先端側が摩耗、破損により滅却しないように構成される。
【0068】
或いは、別例の図2Dに示すように、懸架スプリング2の軸方向視で、リップ部20Lの先端部L1が凹形状に形成されていてもよい。つまり、リップ部20Lの先端縁L0が懸架スプリング2の軸方向視で、凹形状に形成されていてもよい。
【0069】
図3Aに示すように、スロープ部3sの端縁壁3s1に形成されるリップ部Lは、図3Aの2点鎖線に示す元の形状から、図3Aの実線で示す形状に、懸架スプリング2の下立ち上がり部2tに常時弾性変形して接触している。つまり、スロープ部3sに形成されるリップ部Lは、懸架スプリング2の変形に拘わらず、常に弾性力をもって懸架スプリング2の下立ち上がり部2tに接触または当接する構成としている。このように、リップ部Lが、懸架スプリング2の変形に拘わらず、懸架スプリング2の下立ち上がり部2tに常に接触する状態を保つので、ロアラバーパッド3と懸架スプリング2との間に砂利、小石などの異物jが入ることが確実に防止される。
【0070】
なお、図3Bに示すように、リップ部Lは、懸架スプリング2の下立ち上がり部2tの円状の横断面形状に沿って略円筒状に形成されている。これにより、懸架スプリング2の下立ち上がり部2tに、ロアラバーパッド3のスロープ部3sのリップ部Lが形状的に接触(密着)されており、両者間に空隙は形成されない。そのため、懸架スプリング2とロアラバーパッド3との間に砂や砂利等の異物jが侵入することが抑制または防止される。
【0071】
例えば、図3Cに示すように、懸架スプリング2の下立ち上がり部2tがロアラバーパッド3から離膈するように、懸架スプリング2の負荷が最も小さくなった場合にもスロープ部3sのリップ部Lは下立ち上がり部2tに、弾性変形による弾性力により、接触(密着)または当接し続ける。
【0072】
一方、図3Dに示すように、懸架スプリング2の負荷が最も大きくなった場合にもスロープ部3sのリップ部Lは下立ち上がり部2tに、弾性変形による弾性力により、接触(密着)または当接し続ける。
【0073】
この構成により、図3Bに示すように、懸架スプリング2の負荷の大小に拘わらず、ロアラバーパッド3のリップ部Lが、懸架スプリング2の下立ち上がり部2tに、弾性変形による弾性力により、接触(密着)し続ける。そのため、懸架スプリング2の下立ち上がり部2tとロアラバーパッド3のスロープ部3sとの間に空隙が形成されず、両者間に砂や砂利等の異物jが侵入することがない。
【0074】
上記構成によれば、下記の効果を奏する。
1.懸架スプリング2の下端部を受けるロアラバーパッド3のスロープ部3sの端部に、懸架スプリング2の変形に拘わらず、懸架スプリング2の下立ち上がり部2tに、弾性変形による弾性力によって接触し続けるリップ部Lを形成したので、ロアラバーパッド3が懸架スプリング2の変形に追従することができる。
そのため、懸架スプリング2とロアラバーパッド3のスロープ部3sの端部との間に空隙ができない。
従って、懸架スプリング2とロアラバーパッド3のスロープ部3sとの間に、砂、砂利等の異物jが侵入せず(図3C図3D参照)、懸架スプリング2が傷付き毀損することが抑制される。
【0075】
2.また、他例の図2Cに示すように、ロアラバーパッド3のリップ部10Lを、懸架スプリング2の軸方向視でリップ基端部L2から先端部L1にかけて次第に幅寸法bが狭くなる先細りの形状に形成してもよい。この場合、砂利、小石などの異物jが最も入り易い懸架スプリング2の巻線方向に進む異物jがリップ部10Lの先端部L1の先細りの形状により外側にはじかれる(図2(c)の矢印β1)。そのため、砂利、小石などの異物jが、懸架スプリング2とロアラバーパッド3との間に入ることが抑制または防止される。
なお、懸架スプリング2の巻線方向以外の方向からロアラバーパッド3と懸架スプリング2との間に入ろうとする異物jはロアラバーパッド3の側壁3iに衝突または当接し、間に入ることが抑制される。
【0076】
或いは、別例の図2Dに示すように、リップ部20Lの先端縁L0が凹形状であり、懸架スプリング2の下立ち上がり部2tの側方側から包み込むように覆う。そのため、砂利、小石などの異物jがリップ部20Lの先端側縁L01、L02に当たりはじかれ、懸架スプリング2とロアラバーパッド3との間に入ることが阻止される。
【0077】
3.従って、懸架スプリング2の下立ち上がり部2tや下座巻き部2sとロアラバーパッド3のスロープ部3sとの摩擦により、懸架スプリング2の下立ち上がり部2tや下座巻き部2sの表面塗装が異物jによって磨滅、剥離することが抑制される。そのため、懸架スプリング2の損耗や破断、破壊等が抑制され、懸架スプリング2の長寿命化を図れ、耐久性、信頼性が向上する。
【0078】
4.圧縮コイルばねである懸架スプリング2の下立ち上がり部2tの形状に合わせて、ロアラバーパッド3のスロープ部3sの厚みを厚く変化させるので、ロアラバーパッド3の懸架スプリング2への追従性を向上させることができる。これにより、懸架スプリング2とロアラバーパッド3との間にできる間隙を狭めることができる。そのため、懸架スプリング2とロアラバーパッド3との間隙から、砂利、砂等の異物jが侵入するのを抑えることができる。
【0079】
5.懸架スプリング2の下立ち上がり部2tの変形量は、中央部の有効部2yに近付くに従って大きくなるが、ロアラバーパッド3のスロープ部3sが懸架スプリング2の下立ち上がり部2tの形状に合わせて厚みが増すので、下立ち上がり部2tの変形に応じてロアラバーパッド3のスロープ部3sが変形できる。そのため、ロアラバーパッド3のスロープ部3sに過大な応力が発生することを抑制できる。結果、ロアラバーパッド3の耐久性、寿命を向上することができる。
【0080】
6.図2Bに示すように、ロアラバーパッド3のスロープ部3sを、懸架スプリング2の下立ち上がり部2tが有効部2yに近付くに従って、幅寸法wが大きくなるように形成している。そのため、ロアラバーパッド3の容積が懸架スプリング2の下立ち上がり部2tに沿って大きくなる。
懸架スプリング2の下立ち上がり部2tの変形量は、中央部の有効部2yに近付くに従って大きくなり、ロアラバーパッド3のスロープ部3sが、懸架スプリング2の下立ち上がり部2tに沿って変形量が増加する。しかしながら、ロアラバーパッド3のスロープ部3sが、懸架スプリング2の下立ち上がり部2tに沿って容積が大きくなるため、ロアラバーパッド3の単位容積当たりの変形量を均等に近付けることが可能である。
そのため、ロアラバーパッド3の単位容積当たりに発生する応力が均等化され、ロアラバーパッド3の経時劣化を抑制することができる。従って、ロアラバーパッド3の長寿命化を図れる。結果、懸架スプリング2とロアラバーパッド3のユニットとして市場での耐久性、信頼性、寿命が向上する。
【0081】
7.以上より、車両の懸架スプリング2にロアラバーパッド3を用いた場合、懸架スプリング2の腐食耐及性の向上が図れる。そのため、懸架スプリング2の破損や折損を抑制でき、懸架スプリング2の長寿命化が図れる。また、ロアラバーパッド3の長寿命化が図れる。そのため、メンテナンスが可及的に少なく済む信頼性が高い下側ばね受け部材を実現できる。
【0082】
<<実施形態2>>
図4Aは、実施形態2の図1のA−A断面相当図であり、 図4Bは、実施形態2の懸架スプリングの負荷が最も小さくなった場合の図1のA−A断面相当図であり、図4Cは、実施形態2の懸架スプリングの負荷が最も大きくなった場合の図1のA−A断面相当図である。
図4Aは、実施形態2において、懸架スプリング2がフルリバウンド、つまり懸架スプリング2に車体の荷重のみが加わった懸架スプリング2およびロアラバーパッド13の状態である。
図4Bは、実施形態2において、懸架スプリング2の負荷が最も小さくなった際の懸架スプリング2およびロアラバーパッド13の状態である。
図4Cは、実施形態2において、懸架スプリング2への負荷が最も大きくなった際の懸架スプリング2およびロアラバーパッド13の状態である。
【0083】
実施形態2のロアラバーパッド13は、スロープ部13sの端縁に形成されるリップ部2Lが、懸架スプリング2の下立ち上がり部2tと摺動する距離が短くなるように形成したものである。
これ以外の構成は、実施形態1と同様であるので、同一の構成要素には、同一の符号を付して示し、詳細な説明は省略する。
【0084】
実施形態2のロアラバーパッド13のリップ部2Lは、懸架スプリング2の下立ち上がり部2tとの摺動距離が短くなるように、リップ部2Lのリップ機能の中心O1からリップ部2Lの先端までの距離の半径r11を小さく形成したものである。リップ部2Lは、その弾性変形による弾性力により、懸架スプリング2の負荷(ばね荷重)に拘わらず、懸架スプリング2の下立ち上がり部2tに接触または当接し続ける。
リップ部2Lのリップ機能とは、リップ部2Lが、図4B図4Cに示すように、懸架スプリング2の下立ち上がり部2tの動きに追随して該下立ち上がり部2tに接触または当接するように回動または揺動する動作をいう。リップ機能の中心とは、リップ部2Lの当該回動または揺動動作の中心である。
半径r11は、リップ部2Lと懸架スプリング2との摺動距離が最小に近付くように設定するのが望ましい。
または、リップ部2Lと懸架スプリング2との摺動距離が最小となるように、リップ部2Lの長さ、幅、厚さ寸法、形状の少なくとも何れかを設定することが望ましい。
【0085】
そして、図4A図4Bの側面視で示すように、スロープ部13sのリップ部2Lを形成するスロープ部13sの端縁壁13s1の形状はあたかもCの字形状に形成される。
側面視で、端縁壁13s1を、あたかもCの字形状に形成することで、懸架スプリング2の軸方向(図4Aの上下方向)に、上からリップ部2Lと伸縮変形部13Hと太支持部13Jとが形成される。
【0086】
伸縮変形部13Hは、太支持部13Jより厚みが薄く細い。伸縮変形部13Hは、太支持部13Jより細いことから太支持部13Jより弾性係数が小さい。そのため、伸縮変形部13Hは、懸架スプリング2の下立ち上がり部2tの軸方向への移動(図4B図4Cの白抜き矢印参照)に追随して、リップ部2Lが懸架スプリング2の下立ち上がり部2tに接触または当接するように伸縮する。つまり、リップ部2Lが、懸架スプリング2からの負荷に拘わらず、懸架スプリング2に接触または当接し続けるようにアシストする。
なお、伸縮変形部13Hは、ロアラバーパッド13の下部に形成される下部空間13kとの兼ね合いで形状が決定される。
【0087】
一方、太支持部13Jは、伸縮変形部13Hより厚みが厚く太い。つまり、太支持部13Jは、伸縮変形部13Hより弾性係数が大きい。そのため、太支持部13Jは、懸架スプリング2の下立ち上がり部2tから印加される荷重を受ける機能を主として果たす。換言すれば、太支持部13Jは、厚みが厚く太いため、懸架スプリング2の下立ち上がり部2tから印加される荷重を分散して受ける働きをする。そのため、太支持部13Jは、従来よりも、単位体積当たりに発生する応力が低減され、ロアラバーパッド13の耐久性の向上に資する役割を果たす。
【0088】
実施形態2のリップ部2Lは、実施形態1と同様に、図4Aの2点鎖線に示すように、リップ部2Lが、懸架スプリング2の変形に拘わらず、懸架スプリング2の下立ち上がり部2tに押圧され、弾性変形した状態で接触または当接する状態で、ロアラバーパッド13が懸架スプリング2に装着される。
【0089】
そして、ロアラバーパッド13のリップ部2Lは、リップ部2Lの回動変形および伸縮変形部13Hの伸縮変形により、懸架スプリング2のロアラバーパッド13へのセット状態(図4A参照)、図4Bの突発的に懸架スプリング2の負荷が最も小さくなった場合、図4Cの懸架スプリング2への負荷が最も大きくなった場合を通じて常に弾性変形して懸架スプリング2の下立ち上がり部2tに接触、当接する。これにより、ロアラバーパッド13のスロープ部13sと懸架スプリング2の下立ち上がり部2tとの間に空隙は形成されない。
【0090】
図4Bに示すように、懸架スプリング2の負荷が最も小さくなった場合にも、リップ部2Lの回動変形および伸縮変形部13Hの伸縮変形により、ロアラバーパッド13のリップ部2Lは、変形による弾性力をもって、懸架スプリング2の下立ち上がり部2tに接触または当接し続ける。
【0091】
また、図4Cに示すように、懸架スプリング2からの負荷が最大になった際に、ロアラバーパッド13のリップ部2Lは、弾性変形による弾性力をもって、懸架スプリング2の下立ち上がり部2tに接触または当接し続ける。
【0092】
実施形態2によれば、ロアラバーパッド13のリップ部2Lは、リップ部2Lの回動変形および伸縮変形部13Hの伸縮変形により、懸架スプリング2の下立ち上がり部2tに接触または当接し続ける。そのため、砂利、小石などの異物jが懸架スプリング2とロアラバーパッド13との間に入り込むことが抑制される(図4B図4C参照)。
そして、リップ部2Lと懸架スプリング2との摺動距離が小さくなるように設定するので、懸架スプリング2の塗装の剥がれ、損耗等を阻止し、懸架スプリング2の塗装を可及的に保持、維持することができる。従って、懸架スプリング2の塗装の長寿命化を図れる。
また、リップ部2Lの摩耗が抑えられ、リップ部2Lの長寿命化を図れる。
そのため、懸架スプリング2の損壊、ロアラバーパッド13の損耗等が阻止できる。
従って、懸架スプリング2、ロアラバーパッド13の取り換え等のメンテナンス作業が回避され、懸架スプリング2とロアラバーパッド13の耐久性、信頼性を高めることができる。
なお、実施形態1の作用効果は同様に奏する。
【0093】
<<実施形態3>>
図5Aは、実施形態3の図1のA−A断面相当図であり、 図5Bは、実施形態3の懸架スプリングの負荷が小さくなった場合の図1のA−A断面相当図であり、図5Cは、実施形態3の懸架スプリングの負荷が最も大きくなった場合の図1のA−A断面相当図である。
【0094】
実施形態3のロアラバーパッド23は、スロープ部23sの端縁に形成されるリップ部3Lの懸架スプリング2の下立ち上がり部2tとの摺動距離が小さくなるように形成するとともに、懸架スプリング2の負荷(ばね荷重)を受ける荷重受け部23s1を形成したものである。
図5Aは、実施形態3において、懸架スプリング2がフルリバウンド、つまり懸架スプリング2に車体の荷重のみが加わった懸架スプリング2およびロアラバーパッド23の状態である。
図5Bは、実施形態3において、懸架スプリング2の負荷が最も小さくなった際の懸架スプリング2およびロアラバーパッド23の状態である。
図5Cは、実施形態3において、懸架スプリング2への負荷が最も大きくなった際の懸架スプリング2およびロアラバーパッド23の状態である。
これ以外の構成は、実施形態1と同様であるので、同一の構成要素には、同一の符号を付して示し、詳細な説明は省略する。
【0095】
実施形態3のロアラバーパッド23のリップ部3Lは、 懸架スプリング2の下立ち上がり部2tとの摺動距離が小さくなるように、実施形態2と同様に、リップ部3Lのリップ機能の中心O2からリップ部2Lの先端までの距離の半径r21を小さくしている。リップ部3Lは、その弾性変形による弾性力により、懸架スプリング2の負荷(ばね荷重)に拘わらず、懸架スプリング2の下立ち上がり部2tに接触または当接し続ける。
リップ部3Lのリップ機能とは、リップ部3Lが、図5B図5Cに示すように、懸架スプリング2の下立ち上がり部2tの動きに追随して該下立ち上がり部2tに接触または当接するように回動または揺動する動作をいう。リップ機能の中心とは、リップ部3Lの当該回動または揺動動作の中心である。
【0096】
そして、ロアラバーパッド23のリップ部3Lの下方には、スロープ部23sの端縁壁23s1が、懸架スプリング2の下立ち上がり部2tの形状に沿って外方に膨出して形成される荷重受け部23s2が形成されている。
この構成により、図5A図5Bの側面視で示すように、スロープ部23sのリップ部3Lおよび下立ち上がり部2tが形成される端縁壁23s1の形状はあたかもSの字形状に形成される。
【0097】
ここで、リップ部3Lのリップ機能の中心O2からリップ部2Lの先端までの距離の半径r21を、リップ部3Lと懸架スプリング2との摺動距離がより小さくなるように設定するのが望ましい。
または、リップ部3Lと懸架スプリング2との摺動距離が最小となるように、リップ部3Lの長さ、幅、厚さ寸法の少なくとも何れかを設定することが望ましい。
【0098】
ロアラバーパッド23のリップ部3Lは、実施形態1と同様に、図5Aの2点鎖線に示すように、懸架スプリング2の負荷(ばね荷重)に拘わらず、リップ部3Lが懸架スプリング2の下立ち上がり部2tに弾性変形した状態で押圧され、弾性変形した状態で接触または当接する状態で、ロアラバーパッド23が懸架スプリング2に装着される。
【0099】
ロアラバーパッド23のリップ部3Lは、弾性変形して懸架スプリング2の下立ち上がり部2tに接触または当接することで、ロアラバーパッド23のスロープ部23sと懸架スプリング2の下立ち上がり部2tとの間に空隙が形成されない構成としている。
【0100】
図5B図3Bに示すように、懸架スプリング2の負荷が最も小さくなった場合に、ロアラバーパッド23のリップ部3Lは、その弾性変形による弾性力により、懸架スプリング2の下立ち上がり部2tに接触または当接し続ける。
【0101】
また、図5C図3Bに示すように、懸架スプリング2の負荷が最も大きくなった場合にも、ロアラバーパッド23のリップ部3Lは、その弾性変形による弾性力により、懸架スプリング2の下立ち上がり部2tに接触または当接し続ける。
一方、リップ部3Lの下方に、伸縮変形部23Hと、荷重受け部23s2とが形成されている。
【0102】
伸縮変形部23Hは、荷重受け部23s2より細いことから荷重受け部23s2より弾性係数が小さい。懸架スプリング2からの負荷に応じて伸縮する機能を果たす。これにより、リップ部3Lが懸架スプリング2からの負荷に拘わらず、懸架スプリング2に接触または当接し続けるようにアシストする。
なお、伸縮変形部23Hは、ロアラバーパッド23の下部に形成される下部空間23kとの兼ね合いで形状が決定される。
【0103】
荷重受け部23s2は、図5A図5Cに示すように、スロープ部23sの端縁壁23s1が外方(懸架スプリング2の巻線方向)に膨出した形状に形成される。
そのため、図5Cに示すように、懸架スプリング2の負荷(ばね荷重)がロアラバーパッド23に印加された場合に、スロープ部23sの端部に形成される荷重受け部23s2で受けられ、負荷が荷重受け部23s2に分散される。そのため、ロアラバーパッド23での発生する応力が低減され、ロアラバーパッド23の耐久性の向上に資することができる。
なお、荷重受け部23s2は、懸架スプリング2の負荷(ばね荷重)を受けられる形状であれば、懸架スプリング2の軸方向または該軸方向に垂直な方向に軸をもつ円柱状に形成してもよいし、球状に形成してもよい。或いは、角柱状に形成してもよいし、その形態は限定されず任意に選択できる。
【0104】
実施形態3によれば、リップ部3Lと懸架スプリング2との摺動距離が小さくなるように設定するので、懸架スプリング2の塗装が剥離、または損耗することを抑制または阻止できる。そのため、懸架スプリング2が錆びたり、折損することを回避することができ、懸架スプリング2の長寿命化を図れる。
また、リップ部3Lの摩耗が抑えられ、リップ部3Lの長寿命化を図れる。そのため、ロアラバーパッド23の取り換え等のメンテナンス作業が回避される。
【0105】
また、リップ部3Lの下方には、伸縮変形部23Hが形成され、懸架スプリング2からの負荷に応じて伸縮変形する。これにより、リップ部3Lが懸架スプリング2からの負荷に拘わらず、懸架スプリング2に接触または当接し続ける動作をアシストし、より確実なものとすることができる。
そのため、図5B図5Cに示すように、懸架スプリング2からの負荷に拘わらず、より確実にリップ部3Lが懸架スプリング2に接触または当接し続けることができる。
加えて、懸架スプリング2の負荷(ばね荷重)がロアラバーパッド23に印加された場合、スロープ部23sに形成される容積が大きい荷重受け部23s2で確実に受けられる。そのため、ロアラバーパッド23に加わる負荷が、容積が大きい荷重受け部23s2で分散される。従って、ロアラバーパッド23に発生する応力が負荷の分散により低減され、ロアラバーパッド23の耐久性を向上でき、ロアラバーパッド23の長寿命化を図れる。
その結果、市場でのユニットとしてのロアラバーパッド23の耐久性、信頼性が向上する。
【0106】
また、荷重受け部23s2がスロープ部23sの端縁壁23s1が外方に曲率を有して膨出した形状に形成されるので、懸架スプリング2の荷重を荷重受け部23s2がへたることなく無理なく受けることができる。
さらに、荷重受け部23s2がリップ部3Lよりも懸架スプリング2の巻線方向に突出して形成される。そのため、リップ部3Lが懸架スプリング2により下方に押圧された場合にも荷重受け部23s2に当たって弾力性をもって受け止められ、リップ部3Lが傷付くことが防止される。結果、市場でのサービスマンによる交換、メンテナンス等による作業、工数低減が図れる。
【0107】
例えば、本実施形態3と異なり、荷重受け部23s2がない場合、リップ部3Lが懸架スプリング2により下方に押圧された場合に、ロアラバーパッド23のリップ部3Lがある一端部がへたることが懸念される。
また、本実施形態3と異なり、リップ部3Lの基端部3L2が側面視で直角または凹状の鋭角の角部で形成される場合には、該角部の応力集中による破断、損耗が懸念される。
【0108】
そのため、懸架スプリング2の耐及性の向上が図れ、懸架スプリング2の信頼性を高めることができる。また、ロアラバーパッド23の耐及性の向上が図れ、ロアラバーパッド23の信頼性を高めることができる。
なお、実施形態1の作用効果は同様に奏する。
【0109】
<<その他の実施形態>>
【0110】
1.前記実施形態1〜3で説明したリップ部L、2L、3Lは、摺動に依る損耗を抑制する上で、スロープ部3sから延びるリップ部L、2L、3Lの形状を調整して、リップ部L、2L、3Lが常に懸架スプリング2の下立ち上がり部2tに接触または当接しつつ、かつ、その摺動距離ができるだけ、小さく短くなることが、望ましい。
例えば、リップ部L、2L、3L、10L、20Lを、懸架スプリング2の下立ち上がり部2tの延在方向に延ばして形成し、下立ち上がり部2tに上下変形しつつ(上下動しつつ)、接触または当接するようにして、摺動距離を短くする。
或いは、リップ部L、2L、3L、10L、20Lを、懸架スプリング2の下立ち上がり部2tの変形に際して、下立ち上がり部2tのほぼ同じ箇所に弾性力をもって接触または当接するに形成して、下立ち上がり部2tに対する摺動距離を短くなるようにするとよい。
【0111】
2.実施形態3で説明した荷重受け部23s2は、実施形態1、2の構成に適用してもよい。また、実施形態1、2、3のリップ部L、2L、3L、10L、20Lとは独立して単独に構成してもよい。
【0112】
3.前記実施形態1〜3で説明したリップ部L、2L、3L、10L、20Lは、スロープ部3s、13s、23sをもたないロアラバーパッド3、13、23に適用する構成としてもよい。
【0113】
4.前記実施形態1〜3で説明したロアラバーパッド3、13、23は、サスペンション装置を伴わない圧縮スプリングのばね受け部材として適用してもよい。
【0114】
5.前記実施形態1〜3では、一方側のロアラバーパッド3、13、23に本発明を適用した場合を説明したが、他方側のアッパラバーパッド4に本発明を適用してもよい。
【0115】
6.前記実施形態1では、図2Bに示すように、ロアラバーパッド3の幅寸法がw0<w1<w2<w3 の大小関係をもつ場合を説明したが、w0≒w1≒w2≒w3のように、ロアラバーパッド3の幅寸法をほぼ同じにしてもよい。
【0116】
7.なお、前記実施形態1〜3では、自動車のサスペンション装置Sに適用する場合を例に挙げて説明したが、これはあくまで本発明の一例を示したものにすぎない。つまり、本発明は、サスペンション装置を備えるあらゆる二輪車、MTB(マウンテンバイク)、三輪車(自動)、四輪車、鉄道車両等の車両、航空機、圧雪車などの産業機械、農業機械など、限定されることなく幅広く適用することができる。或いは、サスペンション装置を有さない圧縮コイルばねに本発明を適用してもよい。
【0117】
8.前記実施形態1〜3では、様々な構成を説明したが、各構成を適宜選択して組み合わせて構成してもよいし、単独で用いてもよい。
【0118】
9.前記実施形態1〜3は、本発明の一例を示したものであり、特許請求の範囲に記載した構成内で様々な具体的形態が可能である。
【符号の説明】
【0119】
2 懸架スプリング(圧縮スプリング)
13J 太支持部(荷重受け部)
2s 下座巻き部(座巻き部)
2t 立ち上がり部(下立ち上がり部)
2u 上座巻き部
2v 上立ち上がり部
2y 有効部
3 ロアラバーパッド(下側ばね受け部材)
3h、13h、23h 平坦部
3s、13s、23s スロープ部
4 アッパラバーパッド(上側ばね受け部材)
23s2 荷重受け部
h2 厚さ
L、2L、3L、10L、20L リップ部(接触部)
r11 半径(曲率半径)
r12 摺動半径(摺動する際の半径)
w1、w2、w3 幅寸法(幅)
13H、23H 伸縮変形部
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図6