(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6615863
(24)【登録日】2019年11月15日
(45)【発行日】2019年12月4日
(54)【発明の名称】マルチモード統合型電力増幅器
(51)【国際特許分類】
H03F 1/02 20060101AFI20191125BHJP
H03F 3/24 20060101ALI20191125BHJP
H03F 3/68 20060101ALI20191125BHJP
H03F 3/72 20060101ALI20191125BHJP
【FI】
H03F1/02
H03F3/24
H03F3/68
H03F3/72
【請求項の数】15
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-505131(P2017-505131)
(86)(22)【出願日】2015年7月9日
(65)【公表番号】特表2017-522827(P2017-522827A)
(43)【公表日】2017年8月10日
(86)【国際出願番号】US2015039813
(87)【国際公開番号】WO2016018581
(87)【国際公開日】20160204
【審査請求日】2018年6月13日
(31)【優先権主張番号】14/449,810
(32)【優先日】2014年8月1日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595020643
【氏名又は名称】クゥアルコム・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(72)【発明者】
【氏名】リン、サイファ
(72)【発明者】
【氏名】チャン、アラン・ンガー・ローン
【審査官】
工藤 一光
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2014/100513(WO,A1)
【文献】
国際公開第2014/026159(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0299657(US,A1)
【文献】
特開2012−129844(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03F1/02
H03F3/24
H03F3/68
H03F3/72
H04B1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信信号を増幅するためのマルチモード電力増幅器であって、
第1の増幅器と、
第2の増幅器と、
前記通信信号を前記第1の増幅器および前記第2の増幅器に結合する入力結合ブロックと、
前記第2の増幅器の出力と前記マルチモード電力増幅器の出力との間で結合された誘導性カプラと、
を備え、
前記誘導性カプラは、
前記第1の増幅器の出力に結合された第1の端子を含み、かつ前記マルチモード電力増幅器の前記出力に結合された第2の端子を含む、第1の誘導性素子と、
前記第2の増幅器の前記出力の両端に結合された第2の誘導性素子と、
を備え、
ここにおいて、前記第1の増幅器は、第1のモード中に、前記第1の増幅器を介して前記マルチモード電力増幅器の前記出力に前記通信信号を提供する出力インダクタとして動作するように前記第1の誘導性素子を構成し、前記第1の増幅器は、第2のモード中に、前記マルチモード電力増幅器の前記出力に前記第2の増幅器の前記出力を結合するバランとして動作するように前記第1の誘導性素子を構成し、
前記第1のモードにおいて前記第1の増幅器を反転増幅器として動作させ、前記第2のモードにおいて前記反転増幅器をディセーブルにするための制御信号を生成する信号生成器をさらに備える、マルチモード電力増幅器。
【請求項2】
前記マルチモード電力増幅器の所望された送信出力電力に少なくとも部分的に基づいて、モード選択信号を生成するための制御ブロックをさらに備え、前記信号生成器は、前記モード選択信号に応答して、前記制御信号を生成する、請求項1に記載のマルチモード電力増幅器。
【請求項3】
前記通信信号のプロトコルタイプに少なくとも部分的に基づいて、モード選択信号を生成するための制御ブロックをさらに備え、前記信号生成器は、前記モード選択信号に応答して、前記制御信号を生成する、請求項1に記載のマルチモード電力増幅器。
【請求項4】
前記制御ブロックは、前記所望された送信出力電力が閾値レベルよりも小さいときに、前記モード選択信号を第1の論理状態へと駆動し、
前記制御ブロックは、前記所望された送信出力電力が閾値レベルよりも大きいときに、前記モード選択信号を第2の論理状態へと駆動する、請求項2に記載のマルチモード電力増幅器。
【請求項5】
前記第1の増幅器の構成は、前記モード選択信号に応答する、請求項2に記載のマルチモード電力増幅器。
【請求項6】
前記第1のモード中に、前記第1の増幅器は、前記通信信号を前記第1の誘導性素子の前記第1の端子へと駆動し、
前記第2のモード中に、前記第1の増幅器は、前記第1の誘導性素子の前記第1の端子を基準電圧に結合する、請求項1に記載のマルチモード電力増幅器。
【請求項7】
前記第1の増幅器は、電源電圧と前記マルチモード電力増幅器の前記出力との間で結合された第1のトランジスタを含み、かつ前記マルチモード電力増幅器の前記出力と接地電位との間で結合された第2のトランジスタを含み、
前記第1のモード中に、前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタとは、共にインバータとして動作し、
前記第2のモード中に、前記第1のトランジスタは、前記マルチモード電力増幅器の前記出力を前記電源電圧から分離し、前記第2のトランジスタは、前記第1の誘導性素子の前記第1の端子を接地電位に結合する、請求項1に記載のマルチモード電力増幅器。
【請求項8】
前記入力結合ブロックは、前記第1のモード中に、前記通信信号を前記第1の増幅器に結合し、前記第2のモード中に、前記通信信号を前記第2の増幅器に結合する、請求項1に記載のマルチモード電力増幅器。
【請求項9】
前記誘導性カプラは、前記第1の増幅器の前記出力および前記第2の増幅器の前記出力を電力検出器に結合する、請求項1に記載のマルチモード電力増幅器。
【請求項10】
前記誘導性カプラは、前記第1の増幅器の前記出力を電力検出器に結合する、請求項1に記載のマルチモード電力増幅器。
【請求項11】
前記誘導性カプラは、前記第2の増幅器の前記出力を電力検出器に結合する、請求項1に記載のマルチモード電力増幅器。
【請求項12】
通信信号を増幅するためのワイヤレス通信デバイスであって、
第1のトランシーバと、
請求項1に記載の前記マルチモード電力増幅器と
を備える、ワイヤレス通信デバイス。
【請求項13】
マルチモード電力増幅器を介して通信信号を増幅するための方法であって、
通信信号を、第1の増幅器および第2の増幅器に結合することと、
第1の誘導性素子を前記第1の増幅器の出力に結合することと、
第2の誘導性素子を前記第2の増幅器の出力の両端に結合することと、
前記第1の増幅器によって、前記第1の誘導性素子を、第1のモード中に前記第1の増幅器を介して前記マルチモード電力増幅器の出力に前記通信信号を提供する出力インダクタとして動作するように、構成することと、
前記第1の増幅器によって、前記第1の誘導性素子を、第2のモード中に前記マルチモード電力増幅器の前記出力に前記第2の増幅器からの前記出力を結合するバランとして動作するように、構成することと
を備え、
前記第1のモードにおいて前記第1の増幅器を反転増幅器として動作させ、前記第2のモードにおいて前記反転増幅器をディセーブルにするための制御信号を生成することをさらに備える、方法。
【請求項14】
前記マルチモード電力増幅器の送信出力電力に少なくとも部分的に基づいて、モード選択信号を生成すること
をさらに備え、前記モード選択信号に応答して、前記制御信号が生成される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記モード選択信号を生成することは、
所望された送信出力電力が閾値レベルよりも小さいときに、前記モード選択信号を第1の論理状態へと駆動することと、
前記所望された送信出力電力が前記閾値レベルよりも大きいときに、前記モード選択信号を第2の論理状態へと駆動することと
を備える、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本実施形態は、一般に電力増幅器に関し、具体的には、マルチモード統合型電力増幅器に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] ワイヤレスデバイスは、符号化されたデータを搬送する通信信号を送信することによって、データを他のワイヤレスデバイスに送り得る。ワイヤレスデバイスの送信出力電力は、送信機の構成、他のワイヤレスデバイスの近接性、および/または他の動作状況によって変化し得る。例えば、第1のワイヤレスデバイスが、相対的に近い第2のワイヤレスデバイスに信号を送信するときには、相対的に低い送信出力電力が使用され得る。対照的に、第1のワイヤレスデバイスが相対的に遠い第2のワイヤレスデバイスに信号を送信するときには、相対的に高い送信出力電力が使用され得る。加えて、送信出力電力制限は、IEEE 802.11規格、またはBLUETOOTH(登録商標) Special Interest GroupからのBLUETOOTH規格などの規格書によって記述され得る。
【0003】
[0003] ワイヤレスデバイスは、他のワイヤレスデバイスに送信された通信信号を増幅するために、電力増幅器を使用し得る。電力増幅器効率は、ソース電力(例えば、電力増幅器に供給された電力)を送信出力電力に変換するための電力増幅器の能力の尺度である。電力増幅器効率は、送信出力電力レベルの範囲にわたって変化し得る。すなわち、電力増幅器は、ある送信出力電力レベルでは他の送信出力電力レベルよりも非効率的に動作する可能性がある。非効率的な電力増幅器動作が過度の熱を生成し、ワイヤレスデバイスのバッテリ寿命を低減させる可能性がある。
【0004】
[0004] よって、特に複数の送信出力電力レベルで信号を送信するときに、ワイヤレスデバイスにおける電力増幅器効率を改善する必要性がある。
【発明の概要】
【0005】
[0005] この発明の概要は、下記の詳細な説明でさらに説明されるコンセプトの選定を導入するために、簡略化された形式で提供される。この発明の概要は、本願請求項に記載された構成のキーとなる特徴または重要な特徴を特定することが意図されるものではなく、また本願請求項に記載された構成の範囲を限定することが意図されるものでもない。
【0006】
[0006] マルチモード電力増幅器を介して通信信号を送信するデバイスおよび方法が開示される。ある実施形態に従って、マルチモード電力増幅器は、第1の増幅器、第2の増幅器、および第1の増幅器と第2の増幅器との出力をマルチモード電力増幅器の出力に結合するための誘導性カプラを含む。誘導性カプラは、第1の誘導性素子と第2の誘導性素子とを含み得る。第1の増幅器は、(例えば、Bluetooth(登録商標)信号に関連付けられた)相対的に低い出力送信電力レベルで動作するように最適化され、第2の増幅器は、(例えば、Wi−Fi信号に関連付けられた)相対的に高い出力信号電力レベルで動作するように最適化され得る。マルチモード電力増幅器は、信号が相対的に低い出力送信電力に従って送信されるときに、第1のモードで動作し、信号が相対的に高い出力送信電力レベルに従って送信されるときに、第2のモードで動作し得る。第1のモード中、第1の誘導性素子は、第1の増幅器の出力を、例えばマルチモード電力増幅器の出力と結合する負荷インダクタとして動作し、第1の増幅器によって増幅された信号を、別のデバイスへの送信のためにアンテナに提供するように構成され得る。第2のモード中、第1の誘導性素子は、第2の増幅器の出力を、例えばマルチモード電力増幅器の出力と結合するバランとして動作し、第2の増幅器によって増幅された信号を、別のデバイスへの送信のためにアンテナに提供するように構成され得る。
【0007】
[0007] 他の実施形態に従って、ワイヤレス通信デバイスは、マルチモード電力増幅器に結合された第1のトランシーバを含み得る。マルチモード電力増幅器は、第1の増幅器、第2の増幅器、および誘導性カプラを含み得る。誘導性カプラは、第1の誘導性素子と第2の誘導性素子とを含み得る。第1の誘導性素子は、第2の増幅器をマルチモード電力増幅器の出力と結合するために、バラン(balun)として動作するように構成され得る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
[0008] 本実施形態は、例として図示されており、添付図面の図によって限定されることを意図するものではない。同じ数字は、図面および明細書を通じて同じ要素を指す。
【
図1】[0009]
図1は、本実施形態が実施され得るワイヤレスシステムの例を表す。
【
図2】[0010]
図2は、マルチモード電力増幅器の実施形態の例を示す。
【
図3】[0011]
図3は、マルチモード電力増幅器の別の実施形態の例を示す。
【
図4】[0012]
図4は、ある実施形態に従った誘導性カプラの例を示す。
【
図5】[0013]
図5は、
図1のワイヤレスデバイスの1つの実施形態であるワイヤレスデバイスを示す。
【
図6】[0014]
図6は、本実施形態に従った、通信信号を送信するための動作の例を表す説明のためのフローチャートを示す。
【0009】
[0015] 本実施形態は、簡略化のためだけに、Wi−Fiの利用可能なデバイスのコンテキストで下記に説明される。本実施形態が他の様々なプロトコルまたはワイヤレス規格の信号を使用するデバイスに対しても同様に適用可能であることが理解されるだろう。本明細書で使用されるような「ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)」および「Wi−Fi」という用語は、IEEE 802.11規格、BLUETOOTH、HiperLAN(主にヨーロッパで使用される、IEEE 802.11規格に相当するワイヤレス規格のセット)、およびワイヤレス通信で使用される他の技術によって管理される通信を含み得る。
【0010】
[0016] 下記の説明では、本開示の完全な理解を提供するために、特定のコンポーネント、回路、およびプロセスの例などの、多数の特定の詳細が説明される。本明細書で使用される「結合された(coupled)」という用語は、直接接続されること、あるいは、1つまたは複数の介在するコンポーネントまたは回路を通じて接続されることを意味する。また、下記の説明では、説明の目的で、本実施形態の十分な理解を提供するために、特定の専門用語が記載される。しかしながら、これらの特定の詳細が本実施形態を実現するために必要とされない場合もあることは、当業者にとって明らかであるだろう。他の事例では、周知の回路およびデバイスは、本開示を不明瞭にすることを避けるために、ブロック図形式で示される。本明細書で説明される様々なバスを通して提供される任意の信号は、他の信号と時間多重され、1つまたは複数の共通バスを介して提供され得る。さらに、回路素子またはソフトウェアブロック間の相互接続は、バスまたは単一の信号線として示され得る。各々のバスは、代替的に単一の信号線であり得、各々の単一の信号線は、代替的にバスであり得、単一の線またはバスは、コンポーネント間の通信のための無数の物理的または論理的なメカニズムのうちの任意の1つまたは複数を表し得る。本実施形態は、本明細書で説明される特定の例に限定されるように解釈されるべきではなく、むしろ、添付の請求項によって定義される全ての実施形態をその範囲内に含むように解釈されるべきである。
【0011】
[0017]
図1は、本実施形態が実施され得るワイヤレスシステム100の例を表す。ワイヤレスシステム100は、ワイヤレスデバイス105および110を含む。簡略化のために2つのワイヤレスデバイス105および110のみが示されているが、ワイヤレスシステム100は、任意の数のワイヤレスデバイスを含み得る。通信信号は、ワイヤレスデバイス105と110との間で送信され得る。
【0012】
[0018] ワイヤレスデバイス105は、トランシーバ120、マルチモード電力増幅器140、およびアンテナ150を含み得る。トランシーバ120は、制限されないが、Wi−Fi、BLUETOOTH、近接場通信、Zig−Bee、または任意の他の実現可能な通信プロトコルなどの信号に従って通信信号を生成し得る。トランシーバ120からの通信信号は、マルチモード電力増幅器140に提供される。マルチモード電力増幅器140は、所望された送信出力電力に少なくとも部分的に基づいて、通信信号を増幅し得る。増幅された通信信号は、マルチモード電力増幅器140からアンテナ150に提供される。
【0013】
[0019] ある実施形態では、ワイヤレスデバイス105は、さらなるトランシーバ125とセレクタ130と含み得る。トランシーバ125は、トランシーバ120と比較して異なる通信プロトコルに従って通信信号を生成し得る。例えば、トランシーバ125がBLUETOOTH通信信号を生成し得る一方、トランシーバ120はWi−Fi通信信号を生成し得る。セレクタ130は、トランシーバ120および/またはトランシーバ125をマルチモード電力増幅器140に結合し得る。ある実施形態では、ワイヤレスデバイス105内で、トランシーバ125とセレクタ130とが選択可能であり得る。ある実施形態では、ワイヤレスデバイス105は、3つ以上のトランシーバを含み得る。ワイヤレスデバイス110は、ワイヤレスデバイス105に表されたものと同様の、1つまたは複数のトランシーバ、セレクタ、およびマルチモード電力増幅器(簡略化のために図示されない)を含み得る。
【0014】
[0020]
図2は、
図1のマルチモード電力増幅器140の実施形態の例を示す。マルチモード電力増幅器140は、入力結合ブロック205、増幅器210、215、および220、並びに、出力結合ブロック230を含む。マルチモード電力増幅器140の他の実施形態は、2つの増幅器または2より多い増幅器などの、他の数の増幅器を含み得る。各増幅器210、215、および220は、送信出力電力の特定の範囲について設計および/または最適化され得る。例えば、増幅器210は、5dBm以下の送信出力電力レベルのような、相対的に低い送信出力電力レベルのために設計され得る。ある実施形態では、相対的に低い送信出力電力レベルは、BLUETOOTH信号に適し得る。増幅器215は、5dBmより高く14dBm以下の送信出力電力レベルのような、相対的に中程度の(moderate)送信出力電力レベルのために設計され得る。増幅器220は、14dBmより高い送信出力電力レベルのような、相対的に高い送信出力電力レベルのために設計され得る。ある実施形態では、相対的に中程度のおよび高い送信出力電力レベルは、Wi−Fi信号に適し得る。
【0015】
[0021] 入力結合ブロック205は、通信信号(例えば、別のワイヤレスデバイスに送信されるべき通信信号)を増幅器210、215、および220に結合する。ある実施形態では、入力結合ブロック205は、通信信号を増幅器210、215、および220のうちの1つと選択的に結合し得る。他の実施形態では、入力結合ブロック205は、通信信号を全ての増幅器210、215、および220と並列に結合し得る。入力結合ブロック205は、マルチモード電力増幅器140と増幅器210、215、および220との間のインピーダンスマッチング機能を提供し得る。入力結合ブロック205を介する入力インピーダンスマッチングは、
図3に関連して下記で論じられる。
【0016】
[0022] 出力結合ブロック230は、増幅器210、215、および220の出力を、マルチモード電力増幅器140の出力に結合し得る。ある実施形態では、出力結合ブロック230の出力は、マルチモード電力増幅器140の出力であり、アンテナ150に結合される。出力結合ブロック230は、増幅器210、215、および220の出力を、出力結合ブロック230の入力に結合するための誘導性カプラ250を含み得る。誘導性カプラ250は、増幅器210、215、220の出力とマルチモード電力増幅器140の出力インピーダンスとの間の出力インピーダンスマッチング機能もまた提供する。誘導性カプラ250を介する出力インピーダンスマッチングは、
図3に関連して下記で論じられる。
【0017】
[0023] マルチモード電力増幅器140は、所望された送信出力電力に少なくとも部分的に基づいて通信信号を増幅するために、増幅器210、215、および220のうちの1つを選択し得る。例えば、BLUETOOTH通信信号は、相対的に低い所望された送信出力電力を有し得る。増幅器210は、相対的に低い送信出力電力に最適化され得る。よって、マルチモード電力増幅器140がBLUETOOTHトランシーバに結合される場合、次に入力結合ブロック205は、関連付けられたBLUETOOTH通信信号を増幅器210に結合し得る。別の例では、Wi−Fi通信信号は、相対的に中程度の所望された送信出力電力を有し得る。増幅器215は、中程度の送信出力電力に最適化され得る。よって、マルチモード電力増幅器140がWi−Fiトランシーバに結合される場合、次に入力結合ブロック205は、Wi−Fi通信信号を増幅器215に結合し得る。
【0018】
[0024] ある実施形態では、出力結合ブロック230は、マルチモード電力増幅器140の送信出力電力レベルを検出および/または測定するための電力検出器240を含み得る。すなわち、電力検出器240は、マルチモード電力増幅器140に含まれる増幅器210、215、および220の送信出力電力レベルを検出および/または測定し得る。ある実施形態では、電力検出器240は、誘導性カプラ250に結合され得る。増幅器210、215、および220からの送信信号は、誘導性カプラ250を通して電力検出器240に結合され得る。電力検出器240は、誘導性カプラ250を通して増幅器210、215、および220が信号を送信しているときに検出を行い得る。加えて、ある実施形態では、電力検出器240は、増幅器210、215、および220に関連付けられた送信出力電力レベルを測定し得る。
【0019】
[0025]
図3は、マルチモード電力増幅器140の実施形態の別の例を示す。マルチモード電力増幅器140は、増幅器210、215、および220、誘導性カプラ210、電力検出器240、並びに、入力結合ブロック205を含む。マルチモード電力増幅器140に提供される通信信号は、入力結合ブロック205によって受信され、増幅器210、215、および220に提供される。増幅器210、215、および220の出力は、誘導性カプラ250に結合される。
【0020】
[0026] 入力結合ブロック205は、インダクタ340〜342を介して通信信号を増幅器210、215、および220に結合し得る。ある実施形態では、スイッチ350は、例えば、第1の制御信号CTR1に応答して、インダクタ341を増幅器210から分離するために使用され得る。入力結合ブロック205もまた、マルチモード電力増幅器140の入力インピーダンスと増幅器210、215、および220の入力インピーダンスとの間のインピーダンスマッチング機能を提供し得る。よって、ある実施形態では、インダクタ340〜342のインピーダンスは、マルチモード電力増幅器140の入力インピーダンスをマッチングするために選択され得る。例えば、マルチモード電力増幅器140の入力インピーダンスが50オームである場合、インダクタ340のインピーダンスは、50オームになるように選択され得る。インダクタ340のインピーダンスは、少なくとも部分的に、インダクタ340のインダクタンスによって決定され得る。よって、インダクタ340のインピーダンスは、例えば、導体トレース幅および/またはインダクタ340を構成するために使用される導体のループ数または回転数などのインダクタ特性によって決定され得る。同様の方法で、インダクタ341および342のインピーダンスもまた、増幅器210、215、および220の入力インピーダンスをマッチングするように選択され得る。
【0021】
[0027] 誘導性カプラ250は、インダクタ315〜318を含む。インダクタ315〜317は、増幅器210、215、および220にそれぞれ結合される。インダクタ318は、電力検出器240に結合される。インダクタ315は、増幅器210のための出力(例えば、負荷)インダクタとしてまたはバランとして機能し得る。インダクタ315が出力または負荷インダクタとして機能するとき(例えば、第1のモード中)、増幅器210からの増幅された通信信号は、別のデバイスへの送信のためにインダクタ315を介してアンテナ150に提供され得る。インダクタ315がバランとして機能するとき(例えば、第2のモード中)、増幅器215および220からの増幅された通信信号は、インダクタ316および317からインダクタ315にそれぞれ結合され、別のデバイスへの送信のために、出力信号としてアンテナ150に提供され得る。
【0022】
[0028] 上述されるように、各増幅器210、215、および220は、送信出力電力レベルの予め定められた範囲内で効率的に動作するよう設計され得る。例えば、増幅器210は、相対的に低い送信出力電力レベル(例えば、BLUETOOTH信号に適した送信出力電力レベル)で効率的に動作するように設計された反転増幅器であり得る。増幅器215および220は、それぞれ、相対的に中程度のおよび高い送信出力電力レベル(例えば、Wi−Fi信号に適した送信出力電力レベル)で効率的に動作するように設計され得る。増幅器210は、
図3で反転増幅器として描かれており、出力トランジスタ301および302を含む。ある実施形態では、増幅器210が第1のモードで反転増幅器として動作しているとき、スイッチ351は、トランジスタ301のドレインを電源電圧(例えば、V
DD)に結合し、スイッチ352は、バイアス電圧(V
BIAS)をトランジスタ302のゲートに結合し得る。スイッチ351およびスイッチ352は、増幅器イネーブル信号によって制御され得る。ある実施形態では、増幅器イネーブル信号は、マルチモード電力増幅器140の動作モードに少なくとも部分的に基づき、ハードウェアまたはファームウェアベースのコントローラによって、あるいは、ソフトウェアプログラムまたはルーチンを実行するプロセッサによって生成され得る。少なくともある実施形態について、増幅器イネーブル信号は、下記でより詳細に説明されるように、モード選択信号(MODE_SEL)に応答して信号生成器361によって生成され得る。
【0023】
[0029] ある実施形態では、増幅器210は、インダクタ315がいつ出力インダクタとしてまたはバランとして機能するかを決定し得る。例えば、増幅器210が第1のモードで動作しているとき、トランジスタ301および302は、出力信号をインダクタ315に提供し得、それは、出力インダクタとして動作する。増幅器210が第2のモードで動作しているとき、V
BALUN信号は、スイッチ353を制御し得る。スイッチ353は、電源電圧(V
DD)などの電圧をトランジスタ302のゲートに結合し得る。電源電圧は、オンにすることをトランジスタ302に行わせ、インダクタ315の端子を接地電位などの第1の基準電圧に結合する。インダクタ315の端子が第1の基準電圧に結合されるとき、インダクタ315は、バランとして機能し、インダクタ316および/またはインダクタ317と誘導的に結合し得る。この方法で、インダクタ315は、増幅された通信信号を、増幅器315および/または220からインダクタ316および/またはインダクタ317を介してそれぞれ受信し得る。ある実施形態では、増幅器210が第2のモードで動作しているとき、増幅器イネーブル信号は、オフにすることをスイッチ351に行わせトランジスタ301のドレインをV
DDから分離し得、オフにすることをスイッチ352に行わせトランジスタ302のゲートをV
BIASから分離し得、オフにすることをスイッチ353に行わせトランジスタ302のゲートをV
DDに結合し得る(例えば、これによりトランジスタ302を導電状態に維持する)。V
BALUN信号は、マルチモード電力増幅器140の動作モードに少なくとも部分的に基づき得、ハードウェア、ファームウェア、および/またはソフトウェアのプログラムまたはルーチンによって生成され得る。少なくともある実施形態について、V
BALUN信号 は、下記でより詳細に説明されるように、MODE_SEL信号に応答して信号生成器361によって生成され得る。
【0024】
[0030] ある実施形態では、マルチモード電力増幅器140は、制御ブロック360と信号生成器361とを含み得る。制御ブロック360は、上述されるように、第1のモードまたは第2のモードで動作することをマルチモード電力増幅器140に行わせるためにMODE_SEL信号を生成し得る。ある実施形態では、制御ブロック360は、所望された送信出力電力が閾値よりも低いときに、マルチモード電力増幅器140を第1のモードで動作するためにMODE_SEL信号を提供し得る。別の実施形態では、制御ブロック360は、所望された送信出力電力が閾値よりも高いときに、マルチモード電力増幅器140を第2のモードで動作するためにMODE_SEL信号を提供し得る。信号生成器361は、MODE_SEL信号を受信し、それに応答して、増幅器イネーブル信号、CTR1信号、およびV
BALUN信号を生成し得る。少なくともある実施形態では、MODE_SEL信号の生成は、所望された出力電力レベルに少なくとも部分的に基づき得る。少なくとも1つの実施形態について、所望された出力送信電力レベルは、増幅器210がアクティブであるか、または増幅器215/220がアクティブであるかに基づき得る。少なくとも別の実施形態では、所望された出力電力レベルは、デバイスからアンテナ150を介してBluetooth信号が送信されるか、またはWi−Fi信号が送信されるかに基づき得る。よって、MODE_SEL信号は、増幅器210、215、および220のアクティビティレベルに応答して、トランシーバ120および125(
図1も参照)のアクティビティレベルに応答して、および/または別のデバイスに送信されるべき通信信号のプロトコルタイプ(例えば、BluetoothまたはWi−Fi)に基づいて生成され得る。第1のモードと第2のモードとの間のとり得る関係、インダクタ315の機能、スイッチ351〜353の状態、およびとり得る出力送信電力レベルが、下記の表1に示される。
【0026】
[0031] 入力結合ブロック205と同様に、誘導性カプラ250は、増幅器210、215、および220の出力インピーダンスと、マルチモード電力増幅器140の出力インピーダンスとの間のインピーダンスマッチング機能を提供し得る。よって、ある実施形態では、インダクタ315〜317は、増幅器210、215、および220をそれぞれマッチングさせるためのインピーダンスを有するように選択され得る。ある実施形態では、インダクタ318は、インダクタ315〜317に誘導的に結合され得る。よって、電力検出器240は、それぞれ、インダクタ318とインダクタ315、316、および317との間の誘導性結合を介して、増幅器210、215、および220に関連付けられた送信出力電力レベルを検出および/または測定し得る。
【0027】
[0032]
図4は、ある実施形態に従った誘導性カプラ250の例を示す。誘導性カプラ250は、同心配置で提供された
図3のインダクタ315〜318を含む。インダクタ315〜318は、関連付けられるインピーダンスおよび/またはインダクタンスを決定するための、異なるトレース幅および/または回転数を各々有し得る。インダクタ315(
図3の増幅器210に結合される)は、黒い太線で表されている。インダクタ316(
図3の増幅器215に結合される)は、点線で表されている。インダクタ317(
図3の増幅器216に結合される)は、(黒で縁取られた)白線で表されている。インダクタ318(
図3の電力検出器240に結合される)は、斜交線で表されている。誘導性カプラ250の他の実施形態は、
図4に示されるインダクタと比較して異なる配置のインダクタおよび回転数を有し得る。ある実施形態では、入力結合ブロック205は、同様に配置されたインダクタを用いて実施され得る。
【0028】
[0033]
図5は、
図1のワイヤレスデバイス105および/または110の1つの実施形態であるワイヤレスデバイス500を示す。ワイヤレスデバイス105は、第1のトランシーバ510、第2のトランシーバ520、マルチモード電力増幅器530、プロセッサ540、メモリ550、およびアンテナ560を含む。トランシーバ510および520は、通信信号を送信および受信し得る。マルチモード電力増幅器530は、トランシーバ510およびトランシーバ520に結合され、トランシーバ510および520によって提供された通信信号を増幅し得る。ある実施形態について、マルチモード電力増幅器530は、
図3のマルチモード電力増幅器140である。
【0029】
[0034] メモリ550は、下記のソフトウェアモジュールを記憶し得る、非一時的コンピュータ可読記憶媒体(例えば、EPROM、EEPROM(登録商標)、フラッシュメモリ、ハードドライブなどの1つまたは複数の不揮発性メモリ素子)を含み得る。
・1つまたは複数の通信プロトコルに従って通信信号を送信および受信するようにトランシーバ510および520を制御するためのトランシーバ制御モジュール522
・トランシーバ510および520からの1つまたは複数の通信信号を選択および/または増幅し、増幅された通信信号をアンテナ560に提供するためのマルチモード電力増幅器制御モジュール554
各ソフトウェアモジュールは、プロセッサ540によって実行されたとき、ワイヤレスデバイス500に、対応する機能を実行させ得るプログラム命令を含む。よって、メモリ550の非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、
図6の動作の全てまたは一部を実行するための命令を含み得る。
【0030】
[0035] トランシーバ510および520、マルチモード電力増幅器530、およびメモリ550に結合されたプロセッサ540は、(例えば、メモリ550内の)ワイヤレスデバイス500に記憶された1つまたは複数のソフトウェアプログラムのスクリプトまたは命令を実行することができる任意の適切なプロセッサであり得る。
【0031】
[0036] プロセッサ540は、通信プロトコルに従って通信信号を受信および/または送信するためのトランシーバ510および520を構成するようにトランシーバ制御モジュール552を実行し得る。ある実施形態では、トランシーバ510および520は、異なる通信プロトコルに従って各々動作し得る。
【0032】
[0037] プロセッサ540は、トランシーバ510および520からの通信信号を選択するために、マルチモード電力増幅器制御モジュール554を実行し、所望された送信信号電力を決定し、選択された通信信号を所望された送信出力電力に増幅するために、マルチモード電力増幅器530を構成し、および/または増幅された通信信号をアンテナ560に結合し得る。
【0033】
[0038]
図6は、本実施形態に従った、通信信号を送信するための動作600の例を表す説明のためのフローチャートを示す。ある実施形態では、追加の動作、より少ない動作、異なる順序での動作、並列での動作、および/またはいくつかの動作を別に用いて、本明細書で説明される動作を実行し得る。
図1および2も参照すると、ワイヤレスデバイス105は、通信信号を送信するために所望された送信出力電力を決定する(602)。ある実施形態では、ワイヤレスデバイス105は、送信されるべき通信信号に少なくとも部分的に基づいて、所望された送信出力電力を決定し得る。例えば、Wi−Fi通信信号が相対的に中程度のまたは相対的に高い送信出力電力を有し得る一方、BLUETOOTH通信信号は、相対的に低い送信出力電力を有し得る。所望された送信出力電力はまた、動作状況、受信信号強度、リンクバジェット(link budget)、または他の技術的に実現可能な手段によって決定され得る。
【0034】
[0039] 次に、ワイヤレスデバイス105は、通信信号を増幅するために増幅器を選択する(604)。ある実施形態では、ワイヤレスデバイス105は、所望された送信出力電力に少なくとも部分的に基づいて、マルチモード電力増幅器140内の増幅器を選択し得る。上述されるように、ある実施形態では、マルチモード電力増幅器140内の増幅器は、選択された送信出力電力または送信出力電力レベルの選択された範囲について、(例えば、他の選択されていない送信出力電力レベルと比較して)より効率的に動作するように設計され得る。よって、ワイヤレスデバイス105は、所望された送信出力電力に関して相対的に高い効率で動作する特定の増幅器を選択し得る。例えば、BLUETOOTH信号がワイヤレスデバイス105によって増幅される場合、増幅器210は、BLUETOOTH送信出力電力レベルについて効率的に動作するように設計され、次に、BLUETOOTH信号を送信するために増幅器210が選択され得る。一方、Wi−Fi信号がワイヤレスデバイス105によって増幅される場合、増幅器215および220は、Wi−Fi送信出力電力レベルについて効率的に動作するように設計され、次に、Wi−Fi信号を送信するために増幅器215または増幅器220が選択され得る。
【0035】
[0040] 次に、ワイヤレスデバイス105は、通信信号を選択された増幅器に提供する(606)。上述されるように、ワイヤレスデバイス105は、通信信号を、入力結合ブロック205を通じてマルチモード電力増幅器140内の増幅器210、215、および220のうちの選択された1つに提供し得る。次に、ワイヤレスデバイス105は、出力信号を、選択された増幅器からマルチモード電力増幅器140の出力に提供する(608)。上述されるように、増幅器210、215、および/または220からの出力信号は、出力結合ブロック230および/または誘導性カプラ250を通してマルチモード電力増幅器140の出力に提供され得る。例えば、604において(例えば、BLUETOOTH信号を増幅するために)増幅器210が選択される場合、次に、増幅器210は、通信信号をマルチモード電力増幅器140の出力に提供するように、第1のモードで動作し得る。増幅器イネーブル信号およびV
BALUN信号は、トランジスタ301および302に反転増幅器として動作させ、また(例えば、反転増幅器をマルチモード電力増幅器140の出力に結合するために)インダクタ315に出力インダクタとして動作させ得る。別の例では、604において(例えば、Wi−Fi信号を増幅するために)増幅器215または220が選択される場合、次に、増幅器210は、増幅器215または220の出力をマルチモード電力増幅器140の出力に結合するように、第2のモードで動作し得る。増幅器イネーブル信号およびV
BALUN信号は、反転増幅器をディセーブルにすることをトランジスタ
301および
302に行わせ、増幅器215または220の出力をマルチモード増幅器140の出力に結合し得る。
【0036】
[0041] 次に、ある実施形態では、マルチモード電力増幅器140の一部分は、バランとして構成され得る(609)。例えば、増幅器210が第2のモードで動作するとき、インダクタ315は、出力信号を増幅器215または220からマルチモード電力増幅器140の出力に提供するためにバランとして構成され得る。増幅器イネーブル信号およびV
BALUN信号は、インダクタ315の端子を第1の基準電圧に結合することをトランジスタ301および302に行わせ、インダクタ315をバランとして構成し得る。
【0037】
[0042] 次に、ある実施形態では、ワイヤレスデバイス105は、マルチモード電力増幅器140によって提供される送信出力電力レベルを検出および/または測定する(610)。上述されるように、電力検出器240は、誘導性カプラ250を通じて、出力電力レベルを検出および/または測定し得る。
【0038】
[0043] 次に、ワイヤレスデバイス105は、別の通信信号が送信を行う準備ができているかどうかを決定する(612)。別の通信信号が送信を行う準備ができている場合、次に、処理は602へと続く。送信を行う準備ができている他の通信信号がない場合、次に、ワイヤレスデバイス105は、612において別の通信信号を待つ。
【0039】
[0044] 前述の明細書では、本実施形態が、その特定の例示的な実施形態を参照して説明されている。しかしながら、添付の請求項で説明されるような開示のより広い範囲から逸脱することなく、それらに対する様々な修正および変更がなされ得ることは明らかだろう。従って、本明細書および図面は、限定的な意味ではなく、むしろ例示的な意味で考慮されるべきである。
以下に本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1] 通信信号を増幅するためのマルチモード電力増幅器であって、
第1の増幅器と、
第2の増幅器と、
前記第2の増幅器の出力と前記マルチモード電力増幅器の出力との間で結合された誘導性カプラと、
を備え、
前記誘導性カプラは、
前記第1の増幅器の出力に結合された第1の端子を含み、前記マルチモード電力増幅器の前記出力に結合された第2の端子を含む第1の誘導性素子と、
前記第2の増幅器の前記出力の両端に結合された第2の誘導性素子と、
を備え、
ここにおいて、前記第1の増幅器は、第1のモード中に、前記第1の増幅器を介して前記マルチモード電力増幅器の前記出力に前記通信信号を提供する出力インダクタとして動作するように前記第1の誘導性素子を構成するためのものであり、前記第1の増幅器は、第2のモード中に、前記マルチモード電力増幅器の前記出力に前記第2の増幅器の前記出力を結合するバランとして動作するように前記第1の誘導性素子を構成するためのものである、マルチモード電力増幅器。
[C2] 前記マルチモード電力増幅器の所望された送信出力電力に少なくとも部分的に基づいて、モード選択信号を生成するための制御ブロックをさらに備える、C1に記載のマルチモード電力増幅器。
[C3] 前記通信信号のプロトコルタイプに少なくとも部分的に基づいて、モード選択信号を生成するための制御ブロックをさらに備える、C1に記載のマルチモード電力増幅器。
[C4] 前記制御ブロックは、前記所望された送信出力電力が閾値レベルよりも小さいときに、前記モード選択信号を第1の状態へと駆動し、
前記制御ブロックは、前記所望された送信出力電力が閾値レベルよりも大きいときに、前記モード選択信号を第2の状態へと駆動する、C2に記載のマルチモード電力増幅器。
[C5] 前記第1の増幅器の構成は、前記モード選択信号に応答する、C2に記載のマルチモード電力増幅器。
[C6] 前記第1のモード中に、前記第1の増幅器は、前記通信信号を前記第1の誘導性素子の前記第1の端子へと駆動するためのものであり、
前記第2のモード中に、前記第1の増幅器は、前記第1の誘導性素子の前記第1の端子を基準電圧に結合するためのものである、C1に記載のマルチモード電力増幅器。
[C7] 前記第1の増幅器は、電源電圧と前記マルチモード電力増幅器の前記出力との間で結合された第1のトランジスタを含み、前記マルチモード電力増幅器の前記出力と接地電位との間で結合された第2のトランジスタを含み、
前記第1のモード中に、前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタとは、共にインバータとして動作し、
前記第2のモード中に、前記第1のトランジスタは、前記マルチモード電力増幅器の前記出力を前記電源電圧から分離し、前記第2のトランジスタは、前記第1の誘導性素子の前記第1の端子を接地電位に結合する、C1に記載のマルチモード電力増幅器。
[C8] 前記第1のモード中に、前記通信信号を前記第1の増幅器に結合し、前記第2のモード中に、前記通信信号を前記第2の増幅器に結合するための入力セレクタをさらに備える、C1に記載のマルチモード電力増幅器。
[C9] 前記誘導性カプラは、前記第1の増幅器の前記出力および/または前記第2の増幅器の前記出力を電力検出器に結合するためのものである、C1に記載のマルチモード電力増幅器。
[C10] 通信信号を増幅するためのワイヤレス通信デバイスであって、前記デバイスは、
第1のトランシーバと、
前記第1のトランシーバに結合されたマルチモード電力増幅器と
を備え、
前記マルチモード電力増幅器は、
第1の増幅器と、
第2の増幅器と、
前記第2の増幅器の出力と前記マルチモード電力増幅器の出力との間で結合された誘導性カプラと、
を備え、前記誘導性カプラは、
前記第1の増幅器の出力に結合された第1の端子を含み、前記マルチモード電力増幅器の前記出力に結合された第2の端子を含む第1の誘導性素子と、
前記第2の増幅器の前記出力の両端に結合された第2の誘導性素子と、
を備え、
ここにおいて、前記第1の増幅器は、第1のモード中に、前記第1の増幅器を介して前記マルチモード電力増幅器の前記出力に前記通信信号を提供する出力インダクタとして動作するように前記第1の誘導性素子を構成するためのものであり、前記第1の増幅器は、第2のモード中に、前記マルチモード電力増幅器の前記出力に前記第2の増幅器の前記出力を結合するバランとして動作するように前記第1の誘導性素子を構成するためのものである、ワイヤレス通信デバイス。
[C11] 前記マルチモード電力増幅器は、前記マルチモード電力増幅器の送信出力電力に少なくとも部分的に基づいて、モード選択信号を生成するための制御ブロックをさらに備える、C10に記載のデバイス。
[C12] 前記通信信号のプロトコルタイプに少なくとも部分的に基づいて、モード選択信号を生成するための制御ブロックをさらに備える、C10に記載のデバイス。
[C13] 前記制御ブロックは、所望された送信出力電力が閾値レベルよりも小さいときに、前記モード選択信号を第1の状態へと駆動し、
前記制御ブロックは、前記所望された送信出力電力が閾値レベルよりも大きいときに、前記モード選択信号を第2の状態へと駆動する、C11に記載のデバイス。
[C14] 前記第1の増幅器の構成は、前記モード選択信号に応答する、C11に記載のデバイス。
[C15] 前記第1のモード中に、前記第1の増幅器は、前記通信信号を前記第1の誘導性素子の前記第1の端子へと駆動するためのものであり、
前記第2のモード中に、前記第1の増幅器は、前記第1の誘導性素子の前記第1の端子を基準電圧に結合するためのものである、C10に記載のデバイス。
[C16] 前記第1の増幅器は、電源電圧と前記マルチモード電力増幅器の前記出力との間で結合された第1のトランジスタを含み、前記マルチモード電力増幅器の前記出力と接地電位との間で結合された第2のトランジスタを含み、
前記第1のモード中に、前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタとは、共にインバータとして動作し、
前記第2のモード中に、前記第1のトランジスタは、前記マルチモード電力増幅器の前記出力を前記電源電圧から分離し、前記第2のトランジスタは、前記第1の誘導性素子の前記第1の端子を接地電位に結合する、C10に記載のデバイス。
[C17] 前記第1のモード中に、前記通信信号を前記第1の増幅器に結合し、前記第2のモード中に、前記通信信号を前記第2の増幅器に結合するための入力セレクタをさらに備える、C10に記載のデバイス。
[C18] 前記誘導性カプラは、前記第1の増幅器の前記出力および/または前記第2の増幅器の前記出力を電力検出器に結合するためのものである、C10に記載のデバイス。
[C19] マルチモード電力増幅器を介して通信信号を増幅するための方法であって、前記方法は、
第1の誘導性素子を第1の増幅器の出力に結合することと、
第2の誘導性素子を第2の増幅器の出力の両端に結合することと、
第1のモード中に、前記第1の増幅器を介して前記マルチモード電力増幅器の出力に前記通信信号を提供する出力インダクタとして動作するように、前記第1の誘導性素子を前記第1の増幅器によって構成することと、
第2のモード中に、前記マルチモード電力増幅器の前記出力に前記第2の増幅器からの前記出力を結合するバランとして動作するように、前記第1の誘導性素子を前記第1の増幅器によって構成することと
を備える、方法。
[C20] 前記マルチモード電力増幅器の送信出力電力に少なくとも部分的に基づいて、モード選択信号を生成すること
をさらに備える、C19に記載の方法。
[C21] 前記モード選択信号を生成することは、
所望された送信出力電力が閾値レベルよりも小さいときに、前記モード選択信号を第1の状態へと駆動することと、
前記所望された送信出力電力が前記閾値レベルよりも大きいときに、前記モード選択信号を第2の状態へと駆動することと
を備える、C20に記載の方法。