(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の機器は、携帯電話などの筐体の外面に縦幅0.8cm、横幅3.2cm程度の矩形の非常に小さな振動体が取り付けられる。そのため、振動体がそれよりも大きなサイズの場合における課題については、想定すらされていない。
【0007】
また、特許文献2に記載の機器は、主に長方形状のパネルの縦方向の端部近傍に圧電素子を接合したものであって、例えば、パネルにおける端部近傍以外に圧電素子を配置した場合の態様についてまで具体的に想定されていない。
【0008】
本発明は、パネルの端部近傍以外に圧電素子を配置することによってより良い音をユーザに伝えることのできる機器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る機器は、パネルと、前記パネルの平面上の所定の領域内に配置された圧電素子と、を備え、前記圧電素子が振動することに応じて前記パネルが振動することにより、前記パネルに接触した人体に音を伝える機器であって、前記圧電素子が前記パネルの前記所定の領域内に配置されたとは、前記パネルの第1方向の一端から他端までの距離の40パーセントから60パーセントの範囲内でかつ前記第1方向に対して垂直の第2方向の一端から他端までの距離の40パーセントから60パーセントの範囲内に前記圧電素子の中心が位置することである。
【0010】
本発明に係る機器は、パネルと、前記パネルの平面上の所定の領域内に配置された圧電素子と、を備え、前記圧電素子が振動することに応じて前記パネルが振動することにより、前記パネルに接触した人体に音を伝える機器であって、前記圧電素子が前記パネルの前記所定の領域内に配置されたとは、前記パネルの前記第1方向の一端から前記圧電素子の中心までの距離、前記パネルの前記第1方向の他端から前記圧電素子の中心までの距離、前記パネルの前記第1方向に対して垂直の第2方向の一端から前記圧電素子の中心までの距離及び前記パネルの前記第2方向における他端から前記圧電素子の中心までの距離のいずれもが1cm以上である。
【0011】
本発明に係る機器は、パネルと、前記パネルの平面上の所定の領域内に配置された圧電素子と、を備え、前記圧電素子が振動することに応じて前記パネルが振動することにより、前記パネルに接触した人体に音を伝える機器であって、前記圧電素子が前記パネルの平面上の所定の領域内に配置されたとは、前記パネルの第1方向の一端から前記圧電素子の中心までの距離と前記第1方向の他端から前記圧電素子の中心までの距離が等しく、かつ、前記パネルの前記第1方向に対して垂直の第2方向の一端から前記圧電素子の中心までの距離と前記第2方向の他端から前記圧電素子の中心までの距離が等しい。
【0012】
本発明に係る機器は、パネルと、前記パネルの平面上の所定の領域内に配置された圧電素子と、を備え、前記圧電素子が振動することに応じて前記パネルが振動することにより、前記パネルに接触した人体に音を伝える機器であって、前記圧電素子が前記パネルの平面上の所定の領域内に配置されたとは、前記パネルの第1方向の一端から前記圧電素子の中心までの距離を前記パネルの前記第1方向の他端から前記圧電素子までの距離で割った値が所定の範囲内であって、かつ、前記第1方向に対して垂直の第2方向の一端から第1圧電素子13までの距離を前記第2方向の他端から前記圧電素子までの距離で割った値が所定の範囲内である。
【0013】
本発明に係る機器は、円形上のパネルと、前記パネルの平面上の所定の領域内に配置された圧電素子と、を備え、前記圧電素子が振動することに応じて前記パネルが振動することにより、前記パネルに接触した人体に音を伝える機器であって、前記圧電素子が前記パネルの平面上の所定の領域内に配置されたとは、前記パネルと中心が同じであって、前記パネルの半径に、0より大きいかつ1未満の所定の値をかけた結果導かれる半径により構成される円の範囲内に前記圧電素子の中心が位置する。
【0014】
好適には、前記パネルは、円形である。
【0015】
好適には、前記パネルは、正方形である。
【0016】
好適には、第1面と第2面とを有する第1筐体と、前記第1面に配置された表示部と、をさらに備え、前記パネルは、前記第2面に配置されている。
【0017】
好適には、前記第2面は前記第1面と対向する面である。
【0018】
好適には、前記第1筐体と着脱可能に取り付けられる第2筐体をさらに備える。
【0019】
好適には、前記第1筐体に音出力部をさらに備え、前記第1筐体が前記第2筐体に取り付けられている場合、前記音出力部により音を出力し、前記第1筐体が前記第2筐体から取り外されている場合、前記圧電素子を駆動する。
【0020】
好適には、前記音出力部は、前記第1筐体の前記第1面に備えられる。
【0021】
好適には、前記音出力部は、前記第1筐体に配置されている圧電素子から構成される。
【0022】
好適には、前記圧電素子は、スタック型の圧電素子である。
【0023】
好適には、時計の軸心をさらに備え、前記軸心は、その中が空洞で構成され、前記圧電素子は、前記空洞に挿入され、その先端が前記パネルに接触している。
【0024】
好適には、前記圧電素子は、前記軸心の内側とは接触していない。
【0025】
本発明に係る機器は、パネルと、前記パネルの所定の領域に配置された圧電素子と、を備え、前記圧電素子が湾曲することに応じて前記パネルが湾曲することにより、前記パネルに接触した人体に音を伝える。
【0026】
本発明に係る機器は、表示部が備えられた筐体と、前記筐体における前記表示部とは反対側の面の平面上の所定の領域に配置されるスタック型の圧電素子と、を備える。
【0027】
好適には、機器を所定物に対して固定するためのバンドをさらに備える。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、パネルの端部近傍以外に圧電素子を配置することによってより良い音をユーザに伝えることのできる機器を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は、本発明の第1〜第6実施形態に係る機器の外観を示す。
【0032】
図1に示されるように、第1〜第6実施形態に係る機器1は、第1筐体10と、第2筐体20とを有する。
【0033】
第1筐体10には、表示部11と、タッチパネル12と、マイク孔14とが少なくとも備えられる。
【0034】
表示部11は、図示しない制御部(以下、制御部と称する)により入力された情報を表示する。なお、制御部は、例えば、CPU等であって、第1筐体に搭載されていてもよい。
【0035】
パネル12(第1パネル12a)は、例えば、ガラス、アクリル若しくはサファイア等で構成されたパネル、又はユーザ等の接触を検出するタッチパネルである。
【0036】
パネル12(第1パネル12a)は、例えば、円形である。また、パネル12(第1パネル12a)は、円形に限られず、正方形であってもよい。つまり、パネル12(第1パネル12a)は、一方向の長さと当該一方向に垂直な他方向の長さとが等しいものであってもよい。なお、パネル12(第1パネル12a)は、長方形であってもよい。
【0037】
また、パネル12(第1パネル12a)は、円形の場合には半径1cm〜6cmであってもよい。また、パネル12(第1パネル12a)は、正方形の場合にはその一辺が3cm以上であってもよい。
【0038】
マイク孔14は、ユーザが発した声等の音を、第1筐体内に設けられるマイクに入力するために設けられている。
【0039】
第2筐体20には、台座部21と、バンド取付部22とが備えられる。
【0040】
台座部21は、第1筐体10を取り外し可能に第2筐体20に対して固定する固定部を有する。第1筐体10が固定部によって第2筐体20に対して固定されている場合には、第1筐体10の底面(パネル12が設けられた側の面とは反対側の面、以下同じ)と台座部21とが互いに対向する。
【0041】
バンド取付部22は、バンド(又はひも、ベルト)の一端と他端がそれぞれ取り付けられる。バンドをユーザの腕や頭部等に対して巻きつけることにより、ユーザの腕や頭部等に対して第2筐体20を固定する。これによって、ユーザは、例えば、第2筐体20に対して固定された第1筐体10に設けられる表示部11を視認することができる。
【0042】
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態について以下に説明する。
【0043】
図2は、本発明の第1実施形態に係る機器のA−A断面図を示す。
【0044】
図2に示されるように、第1実施形態に係る機器1は、その底面側に、第2パネル12b及び第1圧電素子13を有する。
【0045】
第2パネル12bは、前述した第1パネル12aと同様のものであってもよい。
【0046】
第2パネル12bは、第1筐体10内のケースと接着部材18によって接着されている。ここで、接着部材18は、例えば、両面テープ若しくは接着剤であってもよい。
【0047】
第1圧電素子13は、例えば、セラミック若しくは水晶からなる圧電素子である。また、第1圧電素子13は、ユニモルフ、バイモルフまたは積層型圧電素子であってもよい。積層型圧電素子は、例えば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)からなる複数の誘電体層からなる複数の誘電体層と、該複数の誘電体層間に配置された電極層との積層構造体から構成される。
【0048】
第1圧電素子13は、第2パネル12bの裏面(外部に露出する面とは反対側の面、以下同じ)の平面上の所定の領域(第1の領域31、第2の領域32、第3の領域33、第4の領域34若しくは第5の領域35、以下同じ)に配置されている。例えば、第1圧電素子13は、第2パネル12bに接着部材によって接着されている。ここでいう接着部材は、例えば、両面テープ、接着剤である。
【0049】
第1圧電素子13が第2パネル12bの裏面の平面上の第1の領域31に配置されているとは、第2パネル12bのある一方向の一端から他端までの距離の40パーセントから60パーセントの範囲内でかつ当該一方向に対して垂直の他方向の一端から他端までの距離の40パーセントから60パーセントの範囲内に第1圧電素子13の中心が位置することを意味する。第1圧電素子13の中心は、第1圧電素子13における第2パネル12bが接している面の両対角線の交点である。
【0050】
ここでいう第1の領域31を
図10に示す。
【0051】
例えば、第2パネル12bが正方形の場合であって、その縦方向及び横方向の一端から他端までの距離が3cmである場合には、縦方向及び横方向の距離が1.2cmから1.8cmの範囲内に、第1圧電素子13の中心が位置する場合には、第1圧電素子13が第2パネル12bの平面上の第1の領域に配置されている。
【0052】
また、第1圧電素子13が第2パネル12bの裏面の平面上の第2の領域に配置されているとは、第2パネル12bのある一方向における一端から第1圧電素子13の中心までの距離、第2パネル12bの当該一方向における他端から第1圧電素子13の中心までの距離、第2パネル12bの当該一方向に対して垂直の他方向における一端から第1圧電素子13の中心までの距離及び第2パネル12bの当該他方向の他端から第1圧電素子13の中心までの距離のいずれもが1cm以上であることを意味する。
【0053】
ここでいう第2の領域を
図11に示す。
【0054】
例えば、第2パネル12bが正方形の場合であって、その縦方向の一端から第1圧電素子13の中心までの距離、その縦方向の他端から第1圧電素子13の中心までの距離、その縦方向と垂直の横方向の一端から第1圧電素子13の中心までの距離及びその横方向の他端から第1圧電素子13の中心までの距離のいずれもが1cm以上である場合、第1圧電素子13は、第2パネル12bの第2の領域内に配置されている。
【0055】
また、第1圧電素子13が第2パネル12bの平面上の第3の領域に配置されているとは、例えば、第2パネル12bのある一方向の一端から第1圧電素子13の中心までの距離と第2パネル12bのある一方向の他端から第1圧電素子13の中心までの距離が等しく、かつ、ある一方向に対して垂直の他方向の一端から第1圧電素子13の中心までの距離と他方向の他端から第1圧電素子13の中心までの距離が等しいことを意味する。
【0056】
ここでいう第3の領域を
図12に示す。
図12では、各距離をAcmで示した。
【0057】
例えば、第2パネル12bが正方形の場合であって、その縦方向の一端から第1圧電素子13の中心までの距離とその縦方向の他端から第1圧電素子13の中心までの距離が等しく、その縦方向に対して垂直の横方向の一端から第1圧電素子13の中心までの距離とその横方向の他端から第1圧電素子13の中心までの距離が等しい場合、第1圧電素子13は、第2パネル12bの第3の領域内に配置されている。
【0058】
また、第1圧電素子13が第2パネル12bの平面上の第4の領域に配置されているとは、第2パネル12bのある一方向の一端から第1圧電素子13の中心までの距離を第2パネル12bのある一方向の他端から第1圧電素子13の中心までの距離で割った値が所定の範囲内であって、かつ、ある一方向に対して垂直の他方向の一端から第1圧電素子13の中心までの距離を他方向の他端から第1圧電素子13の中心までの距離で割った値が所定の範囲内であることを意味する。ここでいう所定の範囲内とは、1以上15以下であることを意味する。
【0059】
ここでいう第4の領域を
図13に示す。
【0060】
また、第1圧電素子13が第2パネル12bの平面上の第5の領域に配置されているとは、第2パネル12bが円形であって、第2パネル12bと中心が同じであって、第2パネル12bの半径に所定の値をかけた結果導かれる半径により構成される円の範囲内に第1圧電素子13の中心が位置することを意味してもよい。
【0061】
ここでいう所定の値とは、0より大きく0.5以下である。
【0062】
ここでいう第5の領域35を
図14に示す。
図14では、半径をrで表し、所定の値をAで表した。
【0063】
第1圧電素子13は、制御部から出力された電気信号(電圧)が印加されることで、振動、伸縮、屈曲又は湾曲する。当該電気信号は音に関するものである。
【0064】
第1圧電素子13が振動、伸縮、屈曲又は湾曲することで、その振動、伸縮、屈曲又は湾曲に合わせて第2パネル12bが振動、伸縮、屈曲又は湾曲することにより、第2パネル12bに接触した人体に音を伝えることができる。
【0065】
また、第1圧電素子13を第2パネル12bの裏面の所定の領域に配置することにより、第1圧電素子13を第2パネル12bの端部近傍に配置することに比べて、低域(例えば、300Hz〜700Hz)の音圧(dBa)が向上する。
【0066】
従って、本発明の第1実施形態によると、第2パネル12bに接触したユーザに対して、より大きい音量の音を伝えることができる。
【0067】
また、第2パネル12bが円形若しくは正方形等の均一な形状であるため、例えば、第2パネル12bが長方形等の不均一な形状である場合に比べて、通話音声の帯域(例えば、300Hz〜3.4kHz)内では、音圧の落ち込みが生じにくい。
【0068】
それによって、品質の良い音をユーザに伝えることができる。
【0069】
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態について以下に説明する。
【0070】
図3は、本発明の第2実施形態に係る機器のA−A及びB−B断面図である。
【0071】
図3に示されるように、第2実施形態に係る機器1は、第1実施形態に係る機器1に、第1筐体10にホール素子15及び音出力部19を、第2筐体20にマグネット23をそれぞれさらに設けたものである。
【0072】
ホール素子15は、ホール効果を利用して磁界を検出する素子である。第2筐体20に設けられたマグネット23の磁界を検出することで、制御部は、第1筐体10が第2筐体20の台座部21に取り付けられたか否かを検出する。具体的には、制御部は、ホール素子15がマグネット23の磁界を検出した場合には、第1筐体10が第2筐体20の台座部21に取り付けられたと判定し、ホール素子15がマグネット23の磁界を検出しない場合には、第1筐体10が第2筐体20の台座部21から取り外されたと判定する。
【0073】
なお、第2筐体20の台座部21から第1筐体10の取り外しの検出の実現手段は、ホール素子15及びマグネット23による上記手段に限られず、代わりに第2筐体に照度センサのみを設けることであってもよく、それら以外でも第1筐体10の第2筐体20の台座部21からの取り外しの検出ができるものであればよい。
【0074】
音出力部19は、例えば、ダイナミックスピーカーであってもよい。また、音出力部19の放音孔は、
図3に示すように、第1パネル12a側の面に設けられている。なお、音出力部19の放音孔は、第1パネル12a側の面に限られず、第2パネル12b側の面以外に設けられていればよい。
【0075】
また、音出力部19は、ダイナミックスピーカー及びその放音孔からなる構成の代わりに、圧電素子が第1パネル12aに接着される構成が取られてもよい。その構成を取った場合には、圧電素子が伸縮、屈曲、湾曲又は振動することに応じて、第1パネル12aが伸縮、屈曲、湾曲又は振動することでユーザに音を伝えるものであってもよい。この場合の圧電素子は、制御部から電気信号(電圧)を入力されてもよく、それに応じて駆動することにより伸縮、屈曲、湾曲又は振動する。
【0076】
制御部は、第1筐体10が第2筐体20から取り外された場合には、音に対応する電気信号の出力先を第1圧電素子13にし、第1筐体10が第2筐体20から取りつけられた場合には、音に対応する電気信号の出力先を音出力部19とするよう、電気信号の出力先を第1筐体10の第2筐体20からの着脱状態に応じて制御する。
【0077】
これによって、第1筐体10が取り付けられている場合には、音が音出力部19から出力され、第1筐体10が取り外されている場合には、音が第2パネル12bを通じてユーザに伝えられる。
【0078】
従って、ユーザは、第1筐体10の取り外しに関わらず、音を聞くことができると共に、第1筐体10の取り外しの状態に応じた音の出力がされることで、ユーザの使い勝手が向上する。
【0079】
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態について以下に説明する。
【0080】
図4は、本発明の第3実施形態に係る機器のA−A及びB−B断面図を示す。
【0081】
図4に示されるように、本発明の第3実施形態に係る機器1は、第1実施形態に係る機器1から、第1筐体10から第2パネル12b及び第1圧電素子13を除くと共に、第1筐体10に出力端子16をさらに設け、第2筐体20に第3パネル24、第2圧電素子25及び入力端子26をさらに設けたものである。
【0082】
第1筐体10に備えられる表示部11、第1パネル12a及びマイク孔14、第2筐体20に備えられる台座部21は、第1実施形態と同様である。
【0083】
出力端子17は、制御部から出力された信号を、接続した入力端子26に対して出力するための端子である。ここでいう信号とは、第2圧電素子25を駆動するための電気信号(電圧)を含む。
【0084】
第3パネル24は、例えば、第2パネル12bと同様のものであってもよい。
【0085】
第3パネル24は、第2筐体20における台座部21とは反対側に設けられている。第2圧電素子25の振動、伸縮、屈曲又は湾曲に応じて、第3パネル24が振動、伸縮、屈曲又は湾曲することにより、第3パネル24に接触した人体に音を伝えることができる。
【0086】
第2圧電素子25は、例えば、第1圧電素子13と同様の圧電素子であってもよい。
【0087】
第2圧電素子25は、入力端子26から出力された電気信号(電圧)が印加されることで、振動、伸縮、屈曲又は湾曲する。
【0088】
第2圧電素子25は、第3パネル24の所定の領域(に接着剤若しくは両面テープによって接着されている。
【0089】
入力端子26は、出力端子17から出力された電気信号(電圧)を受け、例えば、第2圧電素子25に対して当該電気信号を出力(印加)する。
【0090】
このような構成によって、第3実施形態に係る機器1は、制御部から出力された音声に関する電気信号(電圧)が出力端子17及び入力端子26を介して第2筐体20に配置される圧電素子25に出力(印加)される。それによって、圧電素子25が駆動することによって第3パネル24が振動する。
【0091】
従って、ユーザは、第1筐体10を第2筐体20に取り付けた状態において、第3パネル24を押しつけて音を聞くことができる。
【0092】
例えば、ユーザは、頭部若しくはヘルメット等にバンド取付部22に取り付けられたバンドを巻きつけることによって、第3パネル24を頭部若しくはヘルメット等に接触させた状態で、第3パネル24を第2圧電素子25によって屈曲、湾曲又は振動させることで、頭部を介して振動音が伝わるか、ヘルメット等が振動することによって発生する気導音若しくは振動音が伝わることによって、音を聞くことができる。
【0093】
なお、本実施形態において、出力端子16及び入力端子26によって第1筐体10から第2筐体20への信号の送信を実現する代わりに、第1筐体10と第2筐体20とを繋ぐ有線の配線によって実現されてもよく、又は無線通信手段(例えば、Bluetooth(登録商標)若しくはWiFi(登録商標)等)によって第1筐体10から第2筐体20へ送信することによって実現されてもよい。
【0094】
<第4実施形態>
本発明の第4実施形態について以下に説明する。
【0095】
図5は、本発明の第4実施形態に係る機器のA−A断面図である。
【0096】
図5に示されるように、第4実施形態に係る機器1は、第1実施形態に係る機器1から、第1筐体10から第2パネル12b及び第2圧電素子14を除き、その代わりに、第3圧電素子17をさらに設けたものである。
【0097】
第3圧電素子17は、例えば、スタック型の圧電素子である。
【0098】
第3圧電素子17は、電気信号(電圧)が印加されることによって、その上下方向(長手方向)に伸縮若しくは振動する。
【0099】
第3圧電素子17は、第1筐体10の底面(第2パネル12aが設けられる面とは反対側の面)の所定の領域に第1筐体10から突出して設けられる。
【0100】
第3圧電素子17は、その周囲が第1筐体10によって左右に動かないように固定されている。
【0101】
第3圧電素子17は、第1筐体10の底面の所定の領域に配置されている。ここでいう、所定の領域とは、第1実施形態における所定の領域における第2パネル12bを第1筐体10の底面に置き換えたものであってもよい。
【0102】
第3圧電素子17における筐体10から突出する先端には、弾性部材が装着されている。ここで、弾性部材は、摩擦係数が所定値以上より大きいものである。
【0103】
これによって、第3圧電素子は、その先端がヘルメット等に接触した場合、弾性部材によりヘルメット等の表面を滑りにくいため、その振動中にヘルメット等の上を滑ることによって音の品質が低下することを低減することができる。
【0104】
このような構成によって、第4実施形態に係る機器1は、第3圧電素子17がヘルメット等の剛性の比較的高いものに押しつけられることによって、第3圧電素子17によりヘルメット等が振動することで、音が出力される。
【0105】
また、第3圧電素子17をヘルメット等に押しつける手段として、バンド取付部22に取り付けられるバンドがある。バンドをヘルメット等に巻くと、機器1の底面から突出している第3圧電素子17の先端がヘルメット等に強く押しつけられる。これによって、第3圧電素子17の振動がヘルメット等によく伝わると共に、第3圧電素子17がヘルメット等に対して不要に移動することを低減することができる。
【0106】
従って、機器1は、ヘルメット等を介して、ヘルメット等を装着しているユーザに対して、音を伝えることができる。
【0107】
<第5実施形態>
本発明の第5実施形態について以下に説明する。
【0108】
図6は、本発明の第5実施形態に係る機器のA−A及びB−B断面図を示す。
【0109】
図6に示されるように、第5実施形態に係る機器1は、第3実施形態に係る機器1から、第3圧電素子25及び第3パネル24を設ける代わりに、第4圧電素子27をさらに設ける。
【0110】
第4圧電素子27は、第4実施形態に係る機器1に備えられた第3圧電素子17と同様のものである。
【0111】
第4圧電素子27は、第2筐体20の底面(台座部21の反対側の面)の所定の領域に設けられている。ここでいう、所定の領域とは、第1実施形態における所定の領域における第2パネル12bを第2筐体20の底面に置き換えたものであってもよい。
【0112】
第4圧電素子27の先端には、弾性部材が取り付けられている。その弾性部材は、第3圧電素子17の先端に取り付けられているものと同様のものであってもよい。
【0113】
このような構成によって、第2筐体20の台座部21に第1筐体10を取り付けた状態で、第3圧電素子17の振動がヘルメット等の剛性の高いものに伝わり、その振動に起因して空気が振動することによって発生する音がヘルメット等をかぶっているユーザに伝わる。
【0114】
また、第2筐体20のバンド取付部22に取り付けられたバンドがヘルメット等に巻きつけられることにより、機器1がヘルメット等に対して押しつけて固定されている場合には、第4圧電素子24の先端がヘルメット等に対して圧力がかかって接触することになる。
【0115】
このような場合、第4圧電素子27が振動すると、その振動によりヘルメット等が振動することで、第4圧電素子27の振動を極力減衰せずにヘルメット等及びヘルメット等をかぶっているユーザに伝えることができる。これによって、より音量の大きく、品質のよい音をユーザに伝えることができる。
【0116】
<第6実施形態>
本発明の第6実施形態を以下に説明する。
【0117】
図7は、本発明の第6実施形態に係る機器のA−A断面図を示す。
【0118】
図7に示すように、本発明の第1実施形態に係る機器1に対して、第1圧電素子13を第3圧電素子17に置き換えたものである。
【0119】
第3圧電素子17は、第4実施形態に係る機器1の第3圧電素子17と同様のものである。
【0120】
第3圧電素子17は、その先端が第2パネル12bの所定の領域と接触している。ここでいう、所定の領域とは、第1実施形態の所定の領域と同様であってもよい。
【0121】
第3圧電素子17は、第1筐体10内において、左右に移動しないように、その周囲を移動規制部材若しくは固定部材によって囲まれている。移動規制部材若しくは固定部材は、例えば、第1筐体10の一部からなってもよい。
【0122】
第3圧電素子17が上下方向(第1パネル12aと第2パネル12bとが対向する方向)に伸縮することによって、第3圧電素子17の先端に接触している第2パネル12bが振動する。
【0123】
第3圧電素子17は、その一端が第2パネル12bに接触し、当該一端と反対側の他端が第1筐体内の構成部材に接触している。当該構成部材は、剛性の高い(少なくとも第2パネル12bより剛性が高い)部材によって構成されている。それによって、第3圧電素子17が伸縮しても、構成部材が撓む等の変形が少ないため、第3圧電素子17の他端の変位に比べて、第3圧電素子17の一端が大きく変位することになる。これによって、第3圧電素子17の振動に伴って、第3圧電素子17の第2パネル12b側の一端が変位することで、第2パネル12bを大きく振動させることができる。
【0124】
従って、第2パネル12bに接しているユーザに対して、より大きい音量の音を伝えることができる。
【0125】
<第7実施形態>
本発明の第7実施形態を以下に説明する。
【0126】
図8は、本発明の第7実施形態に係る機器の外観を示す。
【0127】
図8に示されるように、第7実施形態に係る機器1は、パネル12と、第3圧電素子17と、軸心30と、を少なくとも備える。
【0128】
パネル12は、第1実施形態に係る機器1のパネル12と同様のものであってもよい。
【0129】
第3圧電素子17は、第4実施形態に係る機器1の第3圧電素子17と同様のものであってもよい。
【0130】
軸心30は、機器1に備えられた時計における長針と短針との軸心である。
【0131】
軸心30は、その中が空洞になっており、その空洞に第3圧電素子17が挿入されている。軸心30は、その内側において、第3圧電素子17とは接触していない。
【0132】
軸心30は、パネル12の平面上の所定の領域に位置する。ここでいう、所定の領域とは、第1実施形態の所定の領域と同様であってもよい。
【0133】
軸心30は、
図9においては、パネル12に接触しているが、パネル12に接触していなくともよい。軸心30がパネル12に接触していない場合には、軸心がパネル12に接触している場合に比べて、軸心30が、圧電素子17によるパネル12の振動を阻害しないため、パネル12の振動に起因する音がより大きくなる。
【0134】
図9は、本発明の第7実施形態に係る機器のA−A断面図を示す。
【0135】
第3圧電素子17は、機器1内で左右に移動しないようにその周囲が固定部材若しくは移動規制部材により固定され、その一端がパネル12の裏面と接触し、その一端と反対側の他端が機器1内の剛性の高い構成部材に接触し、若しくは接着している。
【0136】
これによって、第3圧電素子17が伸縮した場合には、第3圧電素子17の他端に接触している構成部材の変形が少ないため、第3圧電素子17の他端に比べてパネル12側の一端がより大きく変位することによって、パネル12をより大きく振動させることができる。
【0137】
また、時計の軸心30の中の空洞を第3圧電素子17の収納スペースとして利用することにより、スペースの少ない筐体内において、第3圧電素子17を収納できると共に、第3圧電素子17が伸縮等することでパネル12が振動し、その振動に起因する音をユーザに伝えることができる。
【0138】
なお、本実施形態では、第1筐体10と第2筐体20とが取り外し可能に構成されているが、本発明は、これに限られず、第1筐体10と第2筐体20とが取り外し不可能に構成されているか、若しくは第1筐体10と第2筐体20とが一体で構成されていてもよい。第1筐体10と第2筐体20とが一体で構成されている場合は、機器1は、その底面に第2パネル12b及び第1圧電素子13を設けていてもよい。